JP3472998B2 - 多電極プローブにおける長尺母材の被覆方法 - Google Patents

多電極プローブにおける長尺母材の被覆方法

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JP3472998B2 JP07411695A JP7411695A JP3472998B2 JP 3472998 B2 JP3472998 B2 JP 3472998B2 JP 07411695 A JP07411695 A JP 07411695A JP 7411695 A JP7411695 A JP 7411695A JP 3472998 B2 JP3472998 B2 JP 3472998B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばWPW(Wolff-
Parkinson-White )症候群、発作性上室性頻脈等の副伝
導路性不整脈及び心房粗動,細動および心室頻拍等の異
所性刺激による不整脈等の頻脈性不整脈治療等の際に、
先立って行われる電気生理学的検査に使用する多電極プ
ローブにおける長尺母材の被覆方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、頻脈性不整脈治療に先立って行わ
れる電気生理学的検査は、1つ或いは2〜10個の電極を
先端部周辺に設け、中空のカテーテル内にリード線を伸
ばし、測定装置に接続するように構成された心臓カテー
テルを複数本使用して行われている。例えば、WPW症
候群のような副伝導路性不整脈では、心臓弁輪部に存在
する副伝導路位置を特定することが必要となる。左心側
の計測は太い冠状静脈洞が僧帽弁輪部を走行しているた
め、多電極カテーテルを挿入し比較的容易に計測するこ
とができるが、右心側の三尖弁輪部には右冠状動脈が走
行しているため、従来のカテーテルは太く、右冠状動脈
の血管内に挿入することが困難であり、心室内より1点
ずつ場所を移動しながら計測せざるを得ず、非常に手間
のかかる検査となり、1回の検査に数時間を要してい
た。このような従来の検査方法の問題点すなわち、少な
い電極のカテーテルで検査を行うため、副伝導路等の診
断部位を見つけるのに時間がかかること、電極数が少な
いため広範囲を測定するためには、電極間の距離を長く
せざるをえず、副伝導路部位を正確に求めることが困難
であったこと、従来のカテーテルで電極の数を増やそう
とすると、信号を伝達させるための信号線の数が増加し
てカテーテルの外径が太くなるため右心側の検査は難し
いこと、信号線の先端に電極が取り付けられるような構
成であるため、その信号線と電極との接続工程が煩雑と
なり、カテーテルの多電極化ができないこと等の課題を
解決しようとする手段が特開平6−335460号公報
で本願発明者(大内輝彦)らにより提案されている。こ
の従来例は図13で示すようにNi−Ti合金のPTC
A(Percutaneous Transluminal Coronary Angioplast
y) ガイドワイヤをテーパ加工した棒状の芯材1に信号
線である細径線2を12条でコイル状に捲回している。こ
の12本の細径線(信号線)2は、図14で示すように芯
材を炭素鋼線3とし、その表面にインピーダンスを下げ
るための銅箔層4及び金メッキ層5及びポリエステル等
の樹脂による絶縁層6がクラッド構造で被覆されている
ので、それぞれ独立した12本の心腔内電位信号伝達線
(信号線)として作用する。また芯材がTi−Ni合
金,Cu−Zn合金及びNi−Al合金等の超弾性合金
(形状記憶合金)製チューブに細径線(信号線)を捲回
して長尺母材を形成する例も開示されている。そして、
この長尺母材では前記芯材1に捲回された状態で12本の
細径線(信号線)2の一部分の絶縁層6をほぼ1周分剥
離して、その内側に金メッキ層5を露出させてその導電
性の部分を心内電極7として使用するか、この剥離部分
にリング状の電極(図示略)を取り付けて、電極面積を
広く取るようにしている。
【0003】ところでこのようにしてリング状の電極を
設ける場合では、長尺母材と電極との間に外径差が生じ
るため、血管挿入時に段差により血管内壁を傷付ける虞
や、細径線2は個々に被覆されてはいるものの、血管挿
入前の扱いによってその被覆が剥がれて断線、或いは変
形を生じる等の虞がある。そこで長尺母材に設ける複数
の細径線2を保護する方法として、樹脂材料チューブに
より長尺母材を被覆するチューブ被覆法や、押出し成形
により長尺母材を被覆する押出し被覆法等が知られてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記チューブ被覆法に
おいては、使用する市販のチューブは、その内,外径が
ある程度規格化されているため、種々の径の長尺母材を
使用するプローブにおいては選択の自由度が低いという
問題がある。また、実際の製法において、予め所定長に
切断したチューブを長尺母材の端部より挿入する際、挿
入動作をスムーズに行うため及び母材外径表面の損傷を
防止するために、前記チューブ内径と長尺母材外径との
間で所定のクリアランスが必要となり、このクリアラン
スを確保するには、前記チューブの内径精度及び真円
度、さらには長尺母材の外径寸法の厳密な管理が必要と
なる。さらにチューブの真円度を保持するためには、該
チューブが必要最低限の剛性を備えていないと困難であ
り、さらには使用するチューブは、ある程度の肉厚を備
える必要があるが、前記剛性と肉厚を有するチューブを
使用すると、プローブの製品特性として必要とされる高
柔軟性及び高屈曲性の面から不利となり、しかも厚肉に
するにはチューブの外径をある程度太くする必要があ
り、製品の細径化に不利になるという問題があった。
【0005】一方、上記押出し被覆法においては、製法
上、被覆層に偏心が生じ易く、薄手皮膜を形成する場
合、その薄肉部にて長尺母材外面が露出する虞があるた
め、ある程度の肉厚を確保する必要が生じ、製品の細径
化には不向きであった。また、押出し成形時の長尺母材
をその長さ方向に引っ張るため、長尺母材の表面に引張
力が加わり、信号線(細径線)等を長尺母材の外周に設
けたものでは該信号線が破損する虞もある。さらに押出
し成形時の初期段階で、装置の条件設定あるいは条件が
安定するまでの間に一定時間を必要とし、その間の長尺
母材が無駄となって破棄しなければならないという問題
もある。さらには、上述したリング状の電極を設けるも
のでは、押出し被覆後、電極形成位置の被覆を剥ぐ、或
いは被覆に孔を開けて、電極と接合するリード線を引き
出すという作業が必要になるため、電極接合作業の手間
が大になるという問題があった。
【0006】そこで本発明はこれらの従来技術の諸課題
を克服し、多電極プローブの外径寸法を抑えると共に、
製作が容易な多電極プローブにおける長尺母材の被覆方
法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の多電極プローブにおける長尺母材の被覆方法
は以下の様な構成を備える。
【0008】すなわち、本発明の請求項1の多電極プロ
ーブにおける長尺母材の被覆方法においては、複数の信
号線を有する長尺母材に該長尺母材の外径より内径が大
きな複数の電極部を設け、前記長尺母材の外周を被覆材
により被覆する多電極プローブにおける長尺母材の被覆
方法において、前記電極部の外周に略密着するチューブ
により前記長尺母材を被覆し、前記チューブ内の前記電
極部の内面と前記長尺母材との間及び前記チューブの内
面と前記長尺母材との間に液状被覆材を充填し、この被
覆材の硬化後、前記チューブを除去するものである。
【0009】また、本発明の請求項2の多電極プローブ
における長尺母材の被覆方法においては、前記チューブ
に収縮性を有するチューブを用い、この収縮チューブに
前記電極部を固定した長尺母材を遊挿した後、前記チュ
ーブを収縮して前記電極部の外周に略密着させるもので
ある。
【0010】
【作用】上記請求項1の構成では、チューブの一側から
充填した液状被覆材が、遊挿した電極部の内面と長尺母
材の外面を通って該チューブ内に充填され、かつ電極部
間にあってはチューブの内面に倣って充填がなされる。
そしてその液状被覆材が硬化した後、チューブを除去す
ると、長尺母材の外周を覆って電極部外面とほぼ面一に
形成された被覆層が得られる。
【0011】上記請求項2の構成では、電極部外周直径
より内径が大きな収縮チューブ内に、電極部を固定した
長尺母材を挿通するため、挿通作業が容易となり、チュ
ーブを収縮して該チューブの内面を電極部外面に確実に
密着することができる。
【0012】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明の好適な実
施例を詳細に説明する。図1乃至図7は本発明の第1実
施例を示し、図1は本発明の信号線11の断面図を示し、
この信号線11は後述するプローブの芯材の表面に螺旋状
に捲回されるものである。前記信号線11は、φ0.02
5mmの金線からなる芯線12に着色絶縁被覆層(絶縁層)
13を形成し、この着色絶縁被覆層13上に融着層14を形成
した径φ0.04mmの導体たる細線のものが用いられ
る。前記絶縁被覆層13を着色するのは、プローブの先端
側の電極部と基端側の外部出力端子の色配列を検査して
誤配線の防止を図るためである。この着色は、例えば
赤,青,緑,黒,橙の5色の色分けを各信号線11に施
す。前記融着層14はアルコール可溶であって、透明であ
るため着色絶縁被覆層13の視認に妨げとならず、その材
質は例えば6ナイロンと66ナイロンの共重合体又はポ
リビニールブチラールなどが用いられ、これらの融着材
を溶剤たるアルコール塗布又は加熱して接着剤の作用を
なさしめて各信号線11間を密接に接着するものである。
前記着色絶縁被覆層13と融着層14とを施した信号線11
を、図2に示すように、前述した5色の信号線11を一ユ
ニットとして4配列して20極分の信号線11を帯状平行
線15に加工する。この帯状平行線15の加工は各色の信号
線11を捲回した各ボビン(図示略)より各色の信号線11
を前記5色の基本色ユニットに4配列した20極の信号
線11を集合部(図示略)に集束するとともに融着層14を
加熱またはアルコール塗布により溶融して各信号線11間
を接着し、帯状かつ平行線状をなす帯状平行線15を形成
する。
【0013】次に、前記帯状平行線15のフォーミングを
行う。このフォーミングには、図3に示すように、帯状
平行線15を構成する20本の信号線11の接続端末11Tを
各電極部26箇所に対応して段差状に切断し、その接続端
末11Tの着色絶縁被覆層13及び融着層14の剥離を行う。
【0014】上述したように帯状平行線15をプローブ1
本分の長さに切断するとともに、電極部26に対応して各
接続端末11Tを信号線11個々に長さが異なる段差状に切
断した後、前記接続端末11Tを電極部26に接続するため
に、前記着色絶縁被覆層13及び融着層14の剥離を行い、
この剥離は、レーザーによる熱的剥離や、剥離剤を用い
る方法などが用いられ、レーザーによる方法に用いるに
好適なレーザー剥離装置としては、エキシマレーザーを
照射するものがある。このエキシマレーザーは、励起状
態の原子(又は分子)と基底状態の原子(又は分子)が
重合し生成された励起分子の状態の分子が、基底状態に
落ちるときに放出される光を利用したレーザーであっ
て、剥離性、装置の安定性及び出力を考慮してArF,
KrFが望ましい。また、このようなレーザー照射など
の熱的剥離によらず、剥離剤を用いて前記着色絶縁被覆
層13及び融着層14を剥離するようにしてもよい。
【0015】このようにして電極部26と接続する接続端
末11Tの着色絶縁被覆層13及び融着層14を所定長さで剥
離した後、次に20本の信号線11からなる帯状平行線15
を、前記接続端末11Tの他端に位置する基端側からプロ
ーブ20の芯材21にコイル状に捲回する。この芯材21に
は、ウレタン被覆をしたNi−Ti合金線などからなり
径がφ0.32mmのものを用いる。この螺旋(コイル
状)巻き工程及び装置は、特開平6−335460号公
報の図6に示すような捲回装置で巻き付けられる。すな
わち、図示を省略して説明すれば、棒状の前記芯材21の
両端を、芯材21の軸方向に回転可能なチャックにより固
定し、前記信号線11を、例えば20本平行に束ねた帯状
平行線15にして、巻線ガイドを通して巻き始めチャック
に固定する。この巻き始めチャックは、芯材21を固定す
るためのチャックに固定されており、芯材21の回転に合
わせて回転するものである。巻線ガイドは、ガイド送り
(螺子棒)の回転により前記芯材21の端末側から先端側
に向って軸線方向に軸送りされ、この状態で帯状平行線
15を芯材21に巻き付けるためには、芯材21を回転させ、
芯材21に対する帯状平行線15の巻き付け位置の移動に同
期してガイド送りを回転させて巻線ガイドを移動する。
この巻線ガイドの移動量は芯材21の直径と帯状平行線15
の幅とにより設定され、また、芯材21の先端側において
は、帯状平行線15は、それぞれ電極部26と接続する接続
端末11Tが、他の信号線11と接着されない状態で設けら
れているため、1本目の接続端末11Tまで捲回した後
は、この接続端末11Tを有する信号線11を除いて19本
が一体となった帯状平行線15を芯材21に捲回し、18
本,17本,…2本となった帯状平行線15を、さらには
1本となった信号線11を、順次芯材21の先端側に向かっ
て同一ピッチPでコイル状に捲回する。このようにして
芯材21上に帯状平行線15を捲回した長尺母材22を形成
し、図4に示すように、前記長尺母材22に20本のフリ
ーな接続端末11Tが長尺母材22の長さ方向に所定の間隔
で形成される。次に前記長尺母材22の少なくとも電極部
26を設ける先端側に保護線材23を巻装する。この例では
図5などに示すように、長尺母材22の全長に保護線材23
たるテトロンヤーン(登録商標)を前記帯状平行線15の
巻きと逆方向の螺旋状に巻装しており、そのテトロンヤ
ーン(登録商標)は、テトロン(登録商標)からなる糸
24を軽く集束させた長繊維フィラメントの束であって、
その断面が容易に潰れるものである。そして前記保護線
材23を全長に巻装した長尺母材22の基端側であるリード
部22Aを、ポリアミド或いはウレタンからなる保護チュ
ーブ25に挿通する。尚、図7中、25Aが保護チューブ25
の先端、25Bが保護チューブの基端である。この保護チ
ューブ25は外径φ0.8mm,内径φ0.5mmでポリアミ
ド或いはウレタンからなるものであり、一方、前記保護
チューブ25を設けない長尺母材22の先端側には、略円筒
形をなす金属製電極部26を遊挿し、この電極部26はステ
ンレス或いはプラチナ等からなる外径φ0.8mm,内径
φ0.55mm,長さ1mm程度の円筒体であり、複数の前
記電極部26を前記接続端末11Tに対応した位置に接着し
て長尺母材22に固定すると共に、各接続端末11Tを熱圧
着や溶着などにより対応する電極部26に接続する。尚、
上述したように、前記保護チューブ25の外径は前記電極
部26の外径とほぼ等しくしている。それら保護チューブ
25及び電極部26の挿入にあっては、図5に示すように、
保護線材23が押し潰されてその断面が元の断面より偏平
となり、保護チューブ25及び電極部26が長尺母材22に直
接接触することなく挿入することができると共に、電極
部26の内面と長尺母材22の外面とのクリアランスより太
い保護線材23を用いて、該保護線材23が押し潰されるこ
とにより、電極部26内面と長尺母材22外面との隙間が周
方向均等に設定され、また、その隙間を後述する液状被
覆材33が通過可能となる。
【0016】このようにして電極部26の固定及び信号線
11との電気的接続、及び保護チューブ25の装着作業が終
わったら、次に長尺母材22の先端側から、前記電極部26
の外周径より内周が大きな熱収縮チューブ27を挿通し、
図5に示すように、その熱収縮チューブ27が前記保護チ
ューブ25の先端25Aの外周に被さるまで挿通する。前記
熱収縮チューブ27は汎用シリコンチューブ或いは半透明
シリコンチューブを用い、その収縮前内径がφ1.02
〜1.20mmで、熱収縮後の内径がφ0.5〜0.7mm
程度のものである。次にその熱収縮チューブ27に加熱温
度90°Cで1時間程度の加熱を行い、図6に示すよう
に、該熱収縮チューブ27の内面が前記電極部26の外面に
密着するまで熱収縮させ、また前記熱収縮チューブ27の
基端側内面は前記保護チューブ25の先端25A外面に密着
して両者が気密に接続され、この状態で熱収縮チューブ
27の内面は電極部26の外面とほぼ面一となる。
【0017】次に図7に示すように、前記熱収縮チュー
ブ27の先端を液状被覆材の供給装置31に接続すると共
に、前記保護チューブ25の基端25Bを真空吸引装置32に
接続する。また、前記供給装置31は、液状被覆材33の供
給源33Aと、この供給源33Aの液状被覆材33を加圧して
前記熱収縮チューブ27に送る圧送部33Bとを備える。前
記液状被覆材33には、液状合成樹脂を用い、この例では
硬化後における長尺母材22及び電極部26との接着力、気
密性及び防水性を考慮して柔軟性2液性ポリウレタンを
使用する。前記真空吸引装置32を駆動して真空引きを行
うと、前記供給源31から供給された液状被覆材33が長尺
母材22と熱収縮チューブ27との隙間を通ってその内部に
充填され、さらに電極部26位置においては、遊挿された
電極部26の内面と長尺母材22の外面との隙間を通って充
填され、その液状被覆材33が少なくとも前記保護チュー
ブ25の先端側内面に充填されるまで真空引きを行う。こ
の充填の確認は前記熱収縮チューブに半透明のものを用
いることにより視認することができる。また、真空吸引
装置32による吸引を行わず、供給装置31の圧送部31Bに
よりチューブ27内に液状被覆材33を圧送して充填しても
よく、或いは真空吸引装置32の吸引と圧送部31Bの圧送
とを同時に行ってもよく、それら供給装置31及び真空吸
引装置32により、液状被覆材33をチューブ27内に充填す
る充填手段を構成している。その充填後、70°C程度
で略6時間加熱を行い、前記液状被覆材33が硬化して絶
縁層33Aとなりとなり、この後、前記熱収縮チューブ27
を除去することにより、長尺母材22の外周を覆って電極
部26外面とほぼ面一に形成された被覆層33Aが得られ
る。また、その熱収縮チューブ27にはシリコンを用いて
いるため、液状被覆材33にポリウレタンを用いた場合、
該チューブ27が液状被覆材33に冒されることなく、ま
た、硬化のための加熱においても熱安定性が得られ、さ
らに前記液状被覆材33が硬化して形成された被覆層33A
との剥離性も良好で、しかもシリコンからなる熱収縮チ
ューブ27は引裂き性を有するため、該チューブ27の長さ
方向に沿って簡単に亀裂が生じ、容易に除去することが
できる。
【0018】上述したように、本実施例によれば、複数
の信号線11を有する長尺母材22に該長尺母材22の外径よ
り内径が大きな複数の電極部26を設け、長尺母材22の外
周を被覆材により被覆する多電極プローブ20における長
尺母材の被覆方法において、電極部26の外周に密着する
チューブ27により長尺母材22を被覆し、チューブ27内
電極部26の内面と長尺母材22との間及びチューブ27の内
面と長尺母材22との間に液状被覆材33を充填し、この被
覆材33の硬化後、前記チューブ27を除去するものである
から、チューブ27の一側から充填した液状被覆材33が、
遊挿した電極部26の内面と長尺母材22の外面との隙間を
通って該チューブ27内に充填され、かつ電極部26,26間
にあってはチューブ27が成形型となって該チューブ27の
内面に倣って充填され、この液状被覆材33が硬化した
後、チューブ27を除去すると、長尺母材22の外周を覆っ
て電極部26外面とほぼ面一に形成された被覆層33Aが得
られるため、多電極プローブ20の外径寸法を抑えること
ができると共に、被覆層33Aを容易に成形することがで
きる。
【0019】また、本実施例によれば、前記チューブ27
に熱収縮性を有するチューブを用い、この熱収縮チュー
ブ27に電極部26を固定した長尺母材22を遊挿した後、チ
ューブ27を加熱して電極部26の外周に密着するものであ
るから、電極部26の外周直径より内径が大きな熱収縮チ
ューブ27内に、電極部26を有する長尺母材22を挿通する
ことにより、その挿通作業が容易となり、チューブ27に
熱を加えて該チューブ27の内面を電極部26の外面に確実
に密着することができ、電極部26の外周面を除いた長尺
母材22全体に被覆層33Aを確実に形成することができ
る。
【0020】また、さらに詳細に説明すると、円筒状の
電極部26を用いることにより、熱収縮チューブ27の熱収
縮過程において製品の基本軸中心、つまり長尺母材22の
芯材21の軸中心に対して電極部26断面の中心とを一致さ
せながら収縮、つまり電極部26のセンタリング効果を発
揮しながら収縮することとなり、さらに電極部26間の長
尺母材22における熱収縮チューブ27の内径と該長尺母材
22の外径とのクリアランスは、芯材21の軸中心に対して
円周方向に均等に得ることができる。これにより、液状
被覆材33の注入行程から低温加熱硬化行程を経て熱収縮
チューブ27の除去行程の後に得られる保護被覆層33Aと
電極部26とは、芯材21の軸中心とその中心を同一とする
ことが可能となる。また、信号線11を帯状平行線15に加
工して螺旋巻きした場合、この螺旋巻きした帯状平行線
15と芯材21との間に隙間が生じても、該隙間に液状被覆
材33が浸透するため、全長に渡って完全なシールを行う
ことができ、信号線11保護の信頼性が向上する。さらに
保護被覆層33Aの肉厚は、電極部26と長尺母材22の外径
差により生ずる段差及び熱収縮チューブ27の収縮率或い
は熱収縮条件により任意に可変することができ、その収
縮率或いは収縮条件の最適化により、電極部26の外径と
保護被覆層33Aの外径とを同一として両者の境界部の段
差をなくすことができ、人体血管内への挿入時の摺動抵
抗の軽減につながる。しかも電極部26外面は、熱収縮チ
ューブ27の内面と密着するため、両者の間に液状被覆材
33が流れ込むことがなく、これにより電極部26外面には
被覆が施されないため、従来技術で問題となった被覆の
局所的剥離工程が不要となる。さらにまた、熱収縮チュ
ーブ27を型として使用するため、例えば射出成形法で
は、一品一様の金型が必要となるが、本発明では金型が
不要となるため、経済性に優れ、且つ電極部26の数やそ
のピッチなどの仕様の変更に対して柔軟に対応すること
ができ、多品種少量生産にも適したものとなる。
【0021】また、実施例上の効果として、真空吸引に
より熱収縮チューブ27内に液状被覆材33を充填するた
め、該充填作業を短時間で確実に行うことができ、さら
に液状被覆材33を保護チューブ25内にも充填することに
より、硬化後、被覆層33Aと保護チューブ25の一体化が
図られると共に、該被覆層33Aによって保護チューブ25
の先端25Aを完全に塞いで気密を保持することができ
る。また、長尺母材22の外周に保護線材23としてテトロ
ンヤーンを巻き付けることにより、このテトロンヤーン
は電気的絶縁性を有するため、電極部26と長尺母材22の
帯状平行線15との絶縁を図ることができる。また、信号
線11の絶縁に着色された絶縁被覆層13を用いると共に、
帯状平行線15を構成する複数の信号線11は、各色毎の着
色絶縁層13により被覆されているので、信号線11の電極
部26の色配列が外部出力電極の色配列と順序が入れかわ
ったりした場合は途中で直ちに発見でき、誤配線の防止
を図ることができる。さらに信号線11を帯状平行線15に
形成し、個々に着色加工を施した複数本(前記実施例で
は5本)の信号線11を基本色(前記実施例の5色)ユニ
ットとし、該ユニットを繰り返し配列することにより、
基本色の整数倍の多本数の信号線11から成る帯状平行線
15を有する多電極プローブ20を得ることができる。ま
た、複数本の信号線11を各々接着した帯状平行線15を、
棒状体又は筒状体の芯材21外周表面に密着させながら螺
旋状(コイル状)に巻き付けることにより、芯材21の三
次元方向の多方向曲げに対しても従来はバラバラになり
がちであった信号線11も帯状平行線15の信号線11を有す
る多電極プローブ20は芯材21と一体となって変形するの
で、曲げに対する柔軟性を損なわない。さらに、また、
この帯状平行線15は、各々の信号線11が接着されて形成
されているため、信号線単体に比べて屈曲、引張等の変
形応力に対して強く、且つ芯材21に密着させながらコイ
ル(螺旋)巻きした場合の個々の信号線11の巻き緩みや
それに応じた螺旋巻き外径の変動を防止することができ
る。また、信号線11の数が多くなっても一ユニットの平
行線15として取り扱うことができるので、製造工程上の
ハンドリング性に優れる。
【0022】図8は本発明の第2実施例を示し、上記第
1実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明
を省略して詳述すると、同図は長尺母材22に保護線材23
を巻き付けた後、電極部26を挿通し、該電極部26を長尺
母材22に固定すると共に、接続端部11Tを接続し、前記
熱収縮チューブ27に差し入れる前の状態を示し、この例
では前記電極部26の円筒長手方向に段差部26Aを形成
し、この段差部26Aの高さHは前記信号線11の芯線12の
径、すなわち接続端部11Tの径より大きく形成され、さ
らにその段差部26Aの他側には面取部26Bが形成され、
前記段差部26Aの外周に前記接続端部11Tを熱圧着ある
いは溶着などにより電気的に接続するものを示し、収縮
後の熱収縮チューブ27内に充填した液状被覆材33は該熱
収縮チューブ27の内面と前記段差部26Aの外面との隙間
に回り込み、該段差部26Aが被覆層33Aにより覆われ、
この被覆層33Aにより前記接続端末11Tが被覆される。
【0023】そしてこの例では電極部26の外面側に段差
部26Aを形成することにより、電極部26と接続端末11T
との接続作業を容易に行うことができ、この接続箇所も
被覆層33Aにより保護されて接続端部11Tがプローブ20
の外部に現れることがない。また他側に形成した面取部
26Bにより、被覆層33Aとの密着性も良好となる。
【0024】図9及び図10は本発明の第3及び第4実
施例を示し、上記実施例と同一部分に同一符号を付し、
その詳細な説明を省略して詳述すると、同図に示すもの
は保護線材の変形例であり、図9にはテトロンなどの撚
り糸34からなる保護線材23Aを示し、図10には柔軟性
を有するテトロンなどの単繊維35からなる保護線材23B
を示し、これらの保護線材23A,23Bを第1実施例のテ
トロンヤーンからなる保護線材23に代えて長尺母材22に
螺旋状に巻き付けることにより、その長尺母材22に電極
部26及び保護チューブ25を挿通すると、それら保護線材
23A,23Bが偏平となって第1実施例の保護線材23と同
様な作用,効果をなす。
【0025】図11及び図12は本発明の第5実施例を
示し、上記実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳
細な説明を省略して詳述すると、この例では長尺母材22
の芯材21Aに筒状のものを用いており、前記芯材21Aの
内部には流路41が形成され、この流路41の基端と先端と
には注入口41Tと吐出口41Hとが形成され、図12に示
すようにプローブ20の基端側の前記注入口41Tから抗血
栓剤などの薬液を注入し、先端の前記吐出口41Hから血
管内に注入することができる。尚、図11の矢印が薬液
の注入方向を示している。
【0026】尚、本発明の実施例は上述したものに限定
されるものでなく本発明の要旨の範囲内において各種変
形実施が可能である。例えば保護チューブ25の全長に渡
って液状被覆材を充填してもよい。
【0027】
【発明の効果】本発明は、複数の信号線を有する長尺母
材に該長尺母材の外径より内径が大きな複数の電極部を
設け、前記長尺母材の外周を被覆材により被覆する多電
極プローブにおける長尺母材の被覆方法において、前記
電極部の外周に略密着するチューブにより前記長尺母材
を被覆し、前記チューブ内の前記電極部の内面と前記長
尺母材との間及び前記チューブの内面と前記長尺母材と
の間に液状被覆材を充填し、この被覆材の硬化後、前記
チューブを除去するものであり、多電極プローブの外径
寸法を抑えると共に、製作が容易な多電極プローブにお
ける長尺母材の被覆方法を提供することができる。
【0028】また、本発明は、前記チューブに収縮性を
有するチューブを用い、この収縮チューブに前記電極部
を固定した長尺母材を遊挿した後、前記チューブを収縮
して前記電極部の外周に略密着させるものであり、電極
部外周直径より内径が大きな収縮チューブ内に電極部を
有する長尺母材を挿通するため、挿通作業が容易とな
り、多電極プローブの外径寸法を抑えると共に、製作が
容易な多電極プローブにおける長尺母材の被覆方法を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す信号線の断面図であ
る。
【図2】本発明の第1実施例を示す20極の帯状平行線
からなる4ユニット信号線群を示す斜視図である。
【図3】本発明の第1実施例を示す帯状平行線の信号線
を段差状に切断した後の斜視図である。
【図4】本発明の第1実施例を示す長尺母材に帯状平行
線を巻き付けた状態の側面図である。
【図5】本発明の第1実施例を示す保護線材を拡大断面
にすると共に電極部を固定した長尺母材をチューブに挿
し入れる工程を示す断面図である。
【図6】本発明の第1実施例を示すチューブを電極の外
周に密着させた状態及び液状被覆材を充填した状態の側
面図である。
【図7】本発明の第1実施例を示すチューブに液状被覆
材を充填する工程の側面図である。
【図8】本発明の第2実施例を示す長尺母材及びチュー
ブの斜視図である。
【図9】本発明の第3実施例を示す保護線材の拡大断面
図である。
【図10】本発明の第4実施例を示す保護線材の拡大断
面図である。
【図11】本発明の第5実施例を示すチューブを電極の
外周に密着させた状態の断面図である。
【図12】本発明の第5実施例を示す多電極プローブの
全体側面図である。
【図13】従来例を示す多電極プローブの要部の斜視図
である。
【図14】従来例を示す信号線の構造を示す一部切欠斜
視図である。
【符号の説明】
11 信号線 22 長尺母材 26 電極部 27 収縮チューブ 33 液状被覆材 33A 被覆層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−335460(JP,A) 特表 平10−510731(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 5/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の信号線を有する長尺母材に該長尺
    母材の外径より内径が大きな複数の電極部を設け、前記
    長尺母材の外周を被覆材により被覆する多電極プローブ
    における長尺母材の被覆方法において、前記電極部の外
    周に略密着するチューブにより前記長尺母材を被覆し、
    前記チューブ内の前記電極部の内面と前記長尺母材との
    間及び前記チューブの内面と前記長尺母材との間に液状
    被覆材を充填し、この被覆材の硬化後、前記チューブを
    除去することを特徴とする多電極プローブにおける長尺
    母材の被覆方法。
  2. 【請求項2】 前記チューブに収縮性を有するチューブ
    を用い、この収縮チューブに前記電極部を固定した長尺
    母材を遊挿した後、前記チューブを収縮して前記電極部
    の外周に略密着させることを特徴とする請求項1記載の
    多電極プローブにおける長尺母材の被覆方法。
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