JP3435885B2 - ネットワーク・ルーティングシステム - Google Patents

ネットワーク・ルーティングシステム

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JP3435885B2
JP3435885B2 JP06940295A JP6940295A JP3435885B2 JP 3435885 B2 JP3435885 B2 JP 3435885B2 JP 06940295 A JP06940295 A JP 06940295A JP 6940295 A JP6940295 A JP 6940295A JP 3435885 B2 JP3435885 B2 JP 3435885B2
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relay station
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relay
route
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浩 河上
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ネットワークにおけ
る経路選択を行うルーティングシステムに関するもので
あり、特に通過忌避する中継局または通過忌避するドメ
インを、転送経路を選択する際の前提条件としたルーテ
ィングシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年のネットワークの普及と巨大化によ
り、メッセージを目的地に転送する経路が複数存在する
場合が往々にしてある。この複数の経路から転送に使用
する経路を選択する方法として、ネットワークシステム
が最短経路を算出しこれを転送経路とする方法と、メッ
セージ転送を行う際に発信者が要求品質としてコスト,
信頼性等を指定し、ネットワークシステムがこの要求品
質を満足する経路を選択する方法とがある。
【0003】前者の方法は、発信局から着信局に至るま
でに経由する中継局の数(ホップ数と言う)を転送経路
ごとに求め、その中の最少ホップ数を示す経路を転送経
路とするものである。この時、最少ホップ数を示す経路
が複数存在する場合は、転送経路毎にホップ数を記述し
たルーティングテーブル上で、最上位に位置する経路が
選択される。
【0004】後者の方法は前者の方法を改良したもので
あり、例えばメッセージの発信者によっては最もコスト
の低い経路を望んだり、最も信頼性の高い経路を望んだ
り、最も高速な経路を望んだりする。この発信者の要求
を満足させるために、ルーティングテーブルにメッセー
ジ転送品質を表す項目を複数個設け、メッセージ発信者
が要求する品質項目に応じた経路を選択するものであ
る。この技術を開示したものとして特開平04ー262
645号公報が有り、同公報では、ルーティングテーブ
ルにホップ数の他の項目として、遅延,誤り率,料金を
有している。
【0005】図29、30は特開平04ー262645
号公報に開示されている従来のネットワーク・ルーティ
ングシステムを説明するための図で、図29は、ネット
ワークの構成図で、図30はこのネットワークワークに
おけるルーティングテーブルである。図30に示すルー
ティングテーブルには、ホップ数の他にデータ転送品質
として遅延,誤り率,料金の3つの項目が設定されてい
る。図29に示すネットワークにおいて、A局からF局
にメッセージを送信する場合、A局のルーティングテー
ブルが図30のように設定されているとすると、遅延,
誤り率,料金のどの項目に重み付けをしたとしても、ホ
ップ数が第1優先となるため必ずC局かE局を通ること
になる。従って、メッセージ発信者が機密保護の観点か
らC局とE局を通過忌避しようとしてもこのルーティン
グシステムでは実現できない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
ネットワーク・ルーティングシステムにおいては、メッ
セージ転送品質を発信者が要求できるにしても、転送経
路の最終選択はネットワークシステムの裁量下にあるこ
とになる。つまり、メッセージの機密保護や信頼性の事
由で通過を忌避したい中継局またはドメインがあって
も、それを避ける経路をメッセージ発信者がネットワー
クシステムに明示することができなかった。メッセージ
転送品質を調整することで特定の中継局またはドメイン
を通過忌避できる場合もあるが、それにはメッセージ発
信者がルーティングテーブルとネットワーク・ルーティ
ングアルゴリズムを意識する必要があり現実的ではな
い。また、世界を結ぶネットワークが増大する昨今、メ
ッセージを送信する際機密保護の観点から通過させたく
ない国或は地域(ドメインの1つとなり得る)が出てく
るのは必至である。さらに、信頼性が低いあるいはメッ
セージトラフィック量が多い中継局やドメインを避けて
メッセージを転送する要求があるが、従来のネットワー
ク・ルーティングシステムでは、この要求に対応するこ
とができなかった。
【0007】この発明は、以上のような問題点を解決す
るためになされたもので、発信者自身が通過忌避する中
継局またはドメインを指定できるネットワーク・ルーテ
ィングシステムを提供することを目的とする。また、ネ
ットワークの構成上メッセージの通過を忌避できないと
きには、忌避できない中継局またはドメイン数を最少に
すると共に、忌避できなかった箇所を発信者に通達でき
るようにすることを目的とする。さらに、ネットワーク
のトラフィック量によりメッセージを通過させない中継
局またはドメイン設定できるようにすることを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係わるネッ
トワーク・ルーティングシステムは、メッセージを発信
する発信局とこのメッセージを受信する受信局と前記発
信局と前記受信局との間のメッセージの転送を中継する
複数の中継局とで構成されるネットワークにおいて、前
記発信局には前記ネットワークに関する自局と受信局と
の間の経路情報を示す第1の経路情報テーブルと、送信
するメッセージにメッセージの通過を忌避する忌避中継
局を設定する忌避中継局設定手段と、前記第1の経路情
報テーブルを検索して忌避中継局を通過しない経路を選
択する第1のルーティング手段と、を設け、前記中継局
には前記ネットワークに関する自局と前記受信局との間
の経路情報を示す第2の経路情報テーブルと、受信した
メッセージに設定されている忌避中継局を通過しない経
路を前記第2の経路情報テーブルを検索して選択する第
2のルーティング手段と、を設けるようにしたものであ
る。
【0009】第2の発明に係わるネットワーク・ルーテ
ィングシステムは、前記第1及び第2のルーティング手
段には、メッセージに設定された忌避中継局を通過しな
い経路が存在しないときは設定された忌避中継局の中で
やむを得ず通過させる忌避中継局の数が最少となる経路
を選択する選択手段を設けるようにしたものである。
【0010】第3の発明に係わるネットワーク・ルーテ
ィングシステムは、前記選択手段には止むを得ずメッセ
ージを通過させる忌避中継局が自局の隣接局であるとき
はその忌避中継局を前記メッセージに設定する手段を設
けるようにしたものである。
【0011】第4の発明に係わるネットワーク・ルーテ
ィングシステムは、前記受信局には受信したメッセージ
に設定されているやむを得ず通過させた忌避中継局を前
記発信局に通知する第1の通知手段を設けるようにした
ものである。
【0012】第5の発明に係わるネットワーク・ルーテ
ィングシステムは、前記忌避中継局設定手段には通信コ
ネクション毎に設定された第1の忌避中継局一覧テーブ
ルを検索して忌避中継局を設定する手段を設けるように
したものである。
【0013】第6の発明に係わるネットワーク・ルーテ
ィングシステムは、前記ネットワークに各中継局から報
告されるトラフィック量を参照してその局の負荷の妥当
性を判断し、負荷が過大と判断すると各局に対してその
局を忌避中継局とする通知をする第2の通知手段を備え
た管理装置を設け、前記中継局には自局の処理するトラ
フィック量を前記管理装置に送信するトラフィック量管
理手段と、前記第2の通知手段から通知される忌避中継
局を第2の忌避中継局一覧テーブルに登録する登録手段
を設けるようにしたものである。
【0014】第7の発明に係わるネットワーク・ルーテ
ィングシステムは、前記通知手段にはトラフィック量が
過大でないと判断するとその中継局を前記第2の通過忌
避一覧テーブルから削除する指示を出す手段を設けるよ
うにしたものである。
【0015】第8の発明に係わるネットワーク・ルーテ
ィングシステムは、前記発信局のルーティング手段に
は、発信するメッセージの転送優先度を設定する手段を
設け、前記中継局には受信したメッセージに設定されて
いる転送優先度を自局に有する優先度テーブルと比較し
前記転送優先度が自局の優先度テーブルのしきい値よ
り低いメッセージについてのみ、通過忌避する中継局を
設定した前記第2の忌避中継局一覧テーブルにある忌避
中継局を通過しない経路の中から転送経路を選択する手
段を設けるようにしたものである。
【0016】第9の発明に係わるネットワーク・ルーテ
ィングシステムは、複数のドメインで構成されたネット
ワークにおいて、各ドメインを構成する各局に自ドメイ
ンと他ドメインとの通信路に関する経路情報テーブル
と、メッセージを発信するドメインの終局がメッセージ
の所定の箇所に設定した通過を忌避するドメインを通過
しない経路を前記経路情報テーブルを検索して選択する
第3のルーティング手段を設けるようにしたものであ
る。
【0017】
【作用】第1の発明に係わるネットワーク・ルーティン
グシステムにおいては、発信局の忌避中継局設定手段で
メッセージを通過させたくない中継局をメッセージに設
定し、第1のルーティング手段で第1の経路情報テーブ
ルを検索して、メッセージを転送する中継局を選択す
る。メッセージを受信した中継局では第2のルーティン
グ手段で第2の経路情報テーブルを検索して忌避中継局
を通過しない経路を抽出する。
【0018】第2の発明に係わるネットワーク・ルーテ
ィングシステムにおいては、第1及び第2のルーティン
グ手段が各々第1、第2の経路情報テーブルを検索した
結果忌避中継局を避けてメッセージを通過させる経路が
存在しないときは、やむを得ず通過させる忌避中継局の
数が最少となる経路を選択する。
【0019】第3の発明に係わるネットワーク・ルーテ
ィングシステムにおいては、第1及び第2のルーティン
グ手段がやむを得ず通過させる忌避中継局をメッセージ
のなかに設定する。
【0020】第4の発明に係わるネットワーク・ルーテ
ィングシステムにおいては、メッセージを受け取った受
信局の第1の通知手段がメッセージに設定されているや
むを得ず通過させた忌避中継局を発信局に通知する。
【0021】第5の発明に係わるネットワーク・ルーテ
ィングシステムにおいては、発信局の忌避中継局設定手
段が通信コネクションが確立されているときには、シス
テムで設定されている第1の忌避中継局一覧テーブルを
検索して通信コネクションに対応した忌避中継局をメッ
セージに設定する。
【0022】第6の発明に係わるネットワーク・ルーテ
ィングシステムにおいては、ネットワーク管理装置が各
中継局が報告してくるトラフィック量を常時監視してい
て、トラフィック量が過大と判断した中継局は忌避中継
局としてメッセージを送らないように指示する第2の通
知手段で各局に通知する。
【0023】第7の発明に係わるネットワーク・ルーテ
ィングシステムにおいては、ネットワーク管理装置はト
ラフィック量が過大でなくなったと判断する忌避中継局
としていた中継局を忌避中継局から除外する通知を各局
に通知する。
【0024】第8の発明に係わるネットワーク・ルーテ
ィングシステムにおいては、発信局ではメッセージに対
する優先度をメッセージに設定し、中継局ではこの優先
度を自局の有する優先度テーブルと比較して、ネットワ
ーク管理装置から通知された忌避中継局情報の登録され
ている第2の忌避中継局テーブルを使用するかどうかを
判断する。
【0025】第9の発明に係わるネットワーク・ルーテ
ィングシステムにおいては、ドメイン内の発信局がメッ
セージの所定の箇所に設定した忌避ドメインを通過せな
いように各ドメイン内の各局のルーティング手段が自局
の保持しているドメイン経路情報を検索して選択する。
【0026】
【実施例】実施例1. 図1乃至図7は、この発明の一実施例を示す図で、図1
はこの実施例におけるネットワークの構成を示す図であ
る。図において、1aはメッセージを発信する終局(発
信者)、1bはメッセージを受け取る終局(受信者)、
2a乃至2fは終局(発信者)1aから終局(受信者)
1bへのメッセージの転送を中継する中継局、3はこの
ネットワークを管理するネットワーク管理装置である。
A乃至Kは通信路である。なお、終局とは発信者と受信
者の両方を指し、終局(発信者)1aは受信者にもな
り、終局(受信者)1bは発信者にもなる。
【0027】図2は、終局及び中継局の構成を示す図
で、図の点線内部が終局と中継局に共通する部分であ
る。図において4はメッセージを通過させたくない中継
局等をキーボード、またはファイル等から入力する入力
部、5は他の局(終局、または中継局)からのメッセー
ジを受信するメッセージ受信部、6は受信したメッセー
ジ、または入力部4から入力されたデータをメッセージ
の経路選択をするメッセージルーティング部7に、また
メッセージルーティング部7で生成したメッセージを他
の局へ送信するメッセージ送信部、8はメッセージの通
過を忌避した中継局を通過させたときの処理をする転送
経路モニタ部、9は自局におけるトラフィック量を管理
するトラフィック量管理部である。なお、この実施例で
は、転送経路モニタ部8及びトラフィック量管理部9は
使用せず、転送経路モニタ部8は実施例2でトラフィッ
ク量管理部9は実施例4及び実施例5で使用する。
【0028】図3は終局(発信者)1aにおけるルーテ
ィングシステムの処理を示すフローチャートである。図
4は中継局1(2a)乃至中継局6(2f)におけるル
ーティングシステムの処理を示すフローチャートであ
る。また、図5はこの実施例1におけるヘッダー部に通
過を忌避する中継局が指定された転送メッセージの例で
ある。なお、フローチャートにおける同一符号は同一の
処理内容であることを示している。このことは以下の実
施例においても同様である。
【0029】図6は終局間で通信コネクションを確立後
にメッセージを送信する時に使用する通信コネクション
毎に通過を忌避する中継局を指定した通過忌避中継局一
覧テーブル1で終局(発信者)1a及び終局(受信者)
1bが有しているテーブルである。ここで言う通信コネ
クションとは、メッセージを送受信する前に終局間で互
いの存在と状態を確認し合い通信準備を整えることであ
る。メッセージ発信者は、他の終局と通信コネクション
を確立する際、通過忌避する中継局をネットワークシス
テムに指定することにより、それらが図6のようにシス
テム内で設定される。これを基に終局(発信者)のルー
ティングシステムは送信する転送メッセージに通過忌避
中継局を設定する。
【0030】図7は図1に示すネットワークの構成につ
いて各終局及び中継局が保有している経路情報テーブル
1で、この図7は終局(発信者)1aが有している、終
局を終局(受信者)1bとする経路情報テーブル1で、
通過経路と共にその経路に関する信頼性、距離、通信速
度(通信路により転送速度は異なることがある)等の情
報が記載されている。各終局と中継局は、図7に相当す
る経路情報テーブル1を自局と終局(受信者)との全て
の経路について有している。
【0031】以下、図を参照しながらこの実施例におけ
る動作を説明する。先ず、終局(発信者)1aの動作を
説明する。発信者は、メッセージの送信に先だって、入
力部4から忌避したい中継局を設定して図4に示すメッ
セージを作成する(ステップS1)。作成されたメッセ
ージは、メッセージ送信部6を経由してメッセージルー
ティング部7に渡る。メッセージルーティング部7で
は、既に終局間同士で通信コネクションが確立されてい
るかどうかを調べ(ステップS2)、通信コネクション
が確立されていれば、図6に示す通過忌避中継局一覧テ
ーブル1からその通信コネクションに対応する通過忌避
中継局を、送信するメッセージのヘッダー部に設定され
ている通過忌避中継局にマージして付加する(ステップ
S3)。次に、通過忌避する中継局を発信者が設定しな
い場合や通過忌避中継局一覧テーブル1に設定されてい
ない場合があるので、通過忌避中継局がメッセージのヘ
ッダー部の所定の箇所に設定されているかどうかを判断
し(ステップS4)、設定されている場合は図7に示す
経路情報テーブル1を参照して通過忌避中継局を通過し
ない経路を抽出する(ステップS5)。抽出作業中に指
定の中継局を通過させない終局(受信者)1bへの転送
経路の存否を判断し(ステップS6)、1個存在する場
合は抽出したものを、複数存在すればその中から個々の
ルーティングシステムに依存した選択手段、即ち図7に
示す経路情報テーブル1での信頼性または、距離、また
は通信速度、あるいはそれらの組み合わせの条件から転
送経路を決定し(ステップS7)、選択した中継局にメ
ッセージ送信部6を経由して送信する(ステップS
8)。存在しない場合はメッセージを転送せずに終了す
る。
【0032】次に、中継局における動作について説明す
る。中継局においては、メッセージ受信部5が受信した
メッセージをメッセージ送信部6がメッセージルーティ
ング部7に渡す。メッセージルーティング部7は、通過
忌避中継局が受信メッセージのヘッダー部の所定の箇所
に設定されているかどうかを判断し(ステップS4)、
設定されている場合は、図7に相当する自局に保持して
いる経路情報テーブル1を検索して通過忌避中継局を通
過しない経路を抽出する(ステップS5)。その上で転
送経路の存否を判断し(ステップS6)、存在すればそ
の中から個々のルーティングシステムに依存した選択手
段(上記終局の動作説明において説明した条件と同様)
にて転送経路を決定し(ステップS7)、選択した局に
メッセージを送信し(ステップS8)、存在しない場合
はメッセージを転送せずに終了する。
【0033】次に、具体例を用いて説明する。図1に示
すネットワーク構成で終局(発信者)1aから終局(受
信者)1bへメッセージを送信する場合を考える。い
ま、発信者が中継局4(2d)と中継局5(2e)を通
過忌避するように設定したとする(ステップS1)。終
局(発信者)1aのルーティングシステムは、メッセー
ジに通過忌避中継局が設定されているかどうかを判断し
(ステップS4)、設定されている場合は通過忌避中継
局を経由しない経路を抽出する(ステップS5)。図1
のネットワーク構成では、通信路Bー通信路Gー通信路
K(中継局2(2b)ー中継局6(2f)を通過する経
路)の経路と通信路Cー通信路Hー通信路K(中継局3
(2c)ー中継局6(2f)を通過する経路)の2通り
の経路が存在するので(ステップS6)、個々のルーテ
ィングシステムに依存した選択手段にてこの中から最終
選考し(ステップS7)、例えばそれがCHKの経路で
あったならば終局(発信者)1aは中継局3(2c)に
メッセージを送る(ステップS8)。
【0034】終局(発信者)1aからメッセージの転送
を受けた中継局3(2c)のルーティングシステムは、
受信メッセージ中に通過忌避中継局が設定されているか
どうかを判断し(ステップS4)、設定されている場合
には通過忌避中継局を経由しない経路を抽出する(ステ
ップS5)。その結果、この場合はHKの経路しか残ら
ないので(ステップS6、S7)、中継局6(2f)に
メッセージを送信する(ステップS8)。
【0035】中継局6(2f)も中継局3(2c)と全
く同様な経路選択処理を行い、その結果メッセージは終
局(受信者)1bに送られることになる(ステップS
8)。
【0036】上記実施例においては、通信コネクション
が確立している時、終局(発信者)で設定した通過忌避
中継局に、通過忌避中継局一覧テーブル1から選択した
通過忌避中継局をマージするようにしたが、通信コネク
ションが確立しているときには、通過忌避中継局一覧テ
ーブル1のみを使用するようにしてもよい。また、発信
者が通過忌避中継局を設定したときは、通過忌避中継局
一覧テーブル1を無視するようにしてもよく、各々のネ
ットワークシステムの生成時に取り決めておけばよい。
【0037】以上のように、この実施例によれば、発信
者が通過忌避する中継局を指定することによりメッセー
ジの機密を保護することができる。
【0038】実施例2. 図8乃至図12は、この発明の他の実施例を示す図で、
図8はこの実施例における終局(発信者)1aのルーテ
ィングシステムの処理を示すフローチャートである。図
9、図10は各々この実施例における中継局(2a乃至
2f)、終局(受信者)1bのルーティングシステムの
処理を示すフローチャートである。また、図11は、こ
の実施例における転送メッセージの例で、実施例1にお
ける図5に示す転送メッセージとはメッセージ内に通過
を忌避した中継局のうちやむを得ず通過させた中継局を
転送確定通過忌避中継局として設定する箇所を設けた点
である。さらに、図12は、最終的にメッセージを受け
取った終局(受信者)1bが発信元の終局(発信者)1
aに送信する通知データ1の例で、終局(発信者)1a
で設定した通過忌避中継局の中で通過した中継局を通知
するものである。なお、この実施例においても、図1の
ネットワーク構成図、図2の各局の構成図、図5の終局
(発信者)1aが忌避する中継局を設定するメッセージ
フォーマット、図6の通過忌避中継局一覧テーブル1及
び図7の経路情報テーブルを使用する。
【0039】以下、図を参照しながら、この実施例にお
ける動作を説明する。先ず、終局(発信者)1aにおけ
る動作を説明する。発信者が通過を忌避する中継局を設
定し(ステップS1)し、通信コネクションの確立を調
べ(ステップS2)、確立されているときは、通過忌避
中継局一覧テーブル1を検索して対応する通過忌避中継
局をマージする(ステップS3)。ステップS4でメッ
セージ内に通過忌避中継局が設定されているかどうかを
判断し、設定されているときは、図7に示す経路情報テ
ーブルを検索して通過忌避中継局を通過しない経路を抽
出する(ステップS5)。抽出した結果、転送経路が存
在するかどうかを調べ(ステップS6)、存在しないと
きは最少の通過忌避中継局となる経路を再度経路情報テ
ーブルを検索して抽出し(ステップS9)、その中から
個々のルーティングシステムに依存した選択手段(実施
例1で説明したものと同様)にて転送経路を選択する
(ステップS7)。その結果送信先の隣接局が通過忌避
中継局であるかどうかを判断し(ステップS10)、そ
うである場合には、メッセージルーティング部7はその
情報、即ちやむを得ずメッセージを通過させる中継局を
転送経路モニタ部8に送信する。転送経路モニタ部8は
図11に示すように送信メッセージの所定箇所にその通
過忌避中継局(通過確定忌避中継局)を設定した転送メ
ッセージにしてから(ステップS11)メッセージ送信
部6で送信する(ステップS8)。
【0040】次に、中継局における動作を説明する。中
継局においては、メッセージ受信部5が、受信したメッ
セージをメッセージ送信部6を経由してメッセージルー
ティング部7に渡す。メッセージルーティング部7は、
通過忌避中継局が受信メッセージのヘッダー部の所定の
箇所に設定されているかどうかを確認し(ステップS
4)、設定されている場合は、図7の経路情報テーブル
1に相当するテーブルを検索して通過忌避中継局を通過
しない経路を抽出する(ステップS5)。その上で転送
経路が存在するか否かを判断し(ステップS6)、転送
経路が存在しない場合には、通過忌避中継局が最少にな
る経路を経路情報テーブルを検索して抽出し(ステップ
S9)、その中から個々のルーティングシステムに依存
した選択手段(実施例1で説明したのと同様)にて転送
経路を選択する(ステップS7)。その結果送信先の隣
接局が通過忌避中継局であるかどうかを判断し(ステッ
プS10)、そうである場合には、その情報を転送経路
モニタ部8に送信する。転送経路モニタ部8は受け取っ
た情報(通過確定忌避中継局)を送信メッセージの所定
箇所にマージして設定(ステップS11)した後に、メ
ッセージ送信部6で送信する(ステップS8)。
【0041】次に、終局(受信者)1bにおける動作を
説明する。終局(受信者)1bにおいては、メッセージ
受信部5が、受信したメッセージを転送経路モニタ部8
に渡す(ステップS20)。転送経路モニタ部8は、受
信メッセージの所定の箇所に、通過を忌避したにも拘ら
ずやむを得ず通過させた転送確定通過忌避中継局が設定
されているか否かを判断し(ステップS21)、設定さ
れているときは、そのことを発信局に通知するため図1
2に示す、受信メッセージの識別子(メッセージID)
と送信するメッセージの識別子(通知情報種別)と転送
確定通過忌避中継局を設定した通知データ1を作成する
(ステップS22)。そして作成した通知データ1をメ
ッセージ送信部6により終局(発信者)1aに送信する
(ステップS23)。終局(受信者)1bからこの通知
データ1をメッセージ受信部5で受信した終局(発信
者)1aでは、メッセージ受信部5経由で転送経路モニ
タ部8が受けて、ログ情報として蓄積する、または表示
装置に表示して発信者に知らせる等の処理をしてもよ
い。
【0042】次に、具体例を使用して説明する。図1に
示すネットワーク構成で終局(発信者)1aから終局
(受信者)1bへメッセージを送信する場合を考える。
いま、メッセージ発信者が中継局1、2、6(2a、2
b、2f)を通過忌避中継局に指定した(ステップS
1)とする。終局(発信者)1aのネットワーク・ルー
ティングシステムは、メッセージに通過忌避中継局が設
定されていることを確認し(ステップS4)、通過忌避
中継局を経由しない経路を抽出しようとする(ステップ
S5)。しかし、この場合転送経路はまったく存在しな
いことが判明する(ステップS6)。そこで、最少の通
過忌避中継局を経由する経路を選択するものとし、通過
忌避中継局数が最少の1であるADI(中継局1(2
a)ー中継局4(2d)の経路),BEI(中継局2
(2b)ー中継局4(2d)の経路),BFJ(中継局
2(2b)ー中継局5(2e)の経路),CHK(中継
局3(2c)ー中継局6(2f)の経路)の4つの経路
から転送経路を決定する(ステップS7)ことになる。
例えばそれがBFJであったならば、送信先の隣接局は
通過忌避中継局なので(ステップS10)、終局(発信
者)1aは図11に示すように送信メッセージの転送確
定通過忌避中継局設定部位に中継局2(2b)を設定し
たメッセージを生成して(ステップS11)、中継局2
(2b)に送信する(ステップS8)。
【0043】中継局2(2b)では、受信メッセージ中
に通過忌避中継局が設定されていることを確認し(ステ
ップS4)、通過忌避中継局を経由しない経路を図7に
相当する経路情報テーブルを検索して抽出する(ステッ
プS5)。その結果EI(中継局4(2d)を通過する
経路),FJ(中継局5(2e)を通過する経路)の2
つの経路が存在する(ステップS6)ので、個々のネッ
トワーク・ルーティングシステムに依存した選択手段
(実施例1で説明したのと同様)にてこの中から最終選
考し(ステップS7)、例えばそれがFJであったなら
ば中継局2(2b)は中継局5(2e)にメッセージを
送る(ステップS8)。中継局5(2e)は通過忌避中
継局ではないので、転送メッセージに設定する必要はな
い。
【0044】中継局5(2e)も中継局2(2b)と全
く同様な経路選択処理を行い、その結果メッセージは終
局(受信者)1bに送られる(ステップS8)。
【0045】終局(受信者)1bのネットワーク・ルー
ティングシステムは、受信メッセージ中に転送確定通過
忌避中継局が設定されていることを確認し(ステップS
21)、それを終局(発信者)に通知するため図12に
示す通知データを作成し(ステップS22)、終局(発
信者)1aにその通知データを送信する(ステップS2
3)。
【0046】以上のように、この実施例によれば、発信
者が通過忌避する中継局を指定することにより、機密保
持の点から、或は信頼性の問題からメッセージを通過さ
せたくない中継局を極力経由しないようにすることがで
きる。また、通過忌避中継局を経由して着信局に到達し
たかどうかを発信局のルーティングシステムが確認でき
る。
【0047】実施例3. 図13乃至図17はこの発明の更に他の実施例の構成を
示す図で、図13はこの実施例におけるネットワークの
構成を示す図である。図において、20(20a乃至2
0e)は各々がネットワークを構成するドメイン(ドメ
イン1乃至ドメイン5)、AないしHは通信路である。
各ドメインは、各々終局ES、中継局IS及び中継局と
同じ動作をすると共に他のドメインとの通信を行なうB
ISを備えている。
【0048】図14、15は各々この実施例における終
局、中継局のルーティングシステムの処理を示すフロー
チャートである。また、図16はこの実施例におけるヘ
ッダー部に通過を忌避するドメインを設定する箇所を設
けたメッセージの例である。また、図17は図13のネ
ットワーク構成について各ドメインの各局が保持してい
る経路情報テーブル2で、この図17はドメイン2(2
0b)が保持している、ドメイン3(20c)への経路
情報テーブル2で、通過経路と共に、その経路に関する
信頼性、距離、通信速度等の情報が記載されている。各
ドメインの各局は図17に相当する経路情報テーブル2
を有している。
【0049】実施例1においては、メッセージの通過を
忌避する中継局を設定するようにしたが、この実施例で
は、メッセージの通過を忌避するドメインを設定するよ
うにしたものである。なお、ここで言うドメインとは、
独自のメッセージルーティング方式を持ち、システム管
理者を個別に持つネットワークの管理単位のことであ
る。また、図13に示す終局ES、中継局IS、中継局
機能を持つBISは各々実施例1で説明した図2に示す
構成となっていて、実施例1乃至実施例2と同等の動作
をするものである。
【0050】以下、図を参照しながらこの実施例の動作
を説明する。先ず、終局(発信者)ESにおける動作を
説明する。終局(発信者)ESにおけるルーティングシ
ステムは、通過忌避ドメインがメッセージの所定の箇所
に設定されているかどうかを判断し (ステップS4
a)、設定されている場合は通過忌避ドメインを通過し
ないドメイン間経路を図17に示す経路情報テーブル2
を検索して抽出する(ステップS5a)。その上でドメ
イン間経路の存否を判断し(ステップS6a)、存在す
ればその中から個々のルーティングシステムに依存した
選択手段(実施例1で説明したものと同様)にてドメイ
ン間転送経路を決定し(ステップS7a)、選択決定し
たドメイン間転送経路上の隣接ドメインの入口に至るま
での経路を図7に示す経路情報テーブル1を検索して抽
出する(ステップS15)。最後に、個々のルーティン
グシステムに依存した選択手段にて隣接ドメインの入口
までの転送経路を決定し(ステップS7)、それに従っ
た隣接局に送信する(ステップS8)。また、通過忌避
ドメインを通過しないドメイン間経路が存在しない場合
はメッセージを転送せずに終了する。
【0051】次に、中継局における動作を説明する。中
継局における動作も基本的には実施例1における中継局
の動作と同じである。中継局のルーティングシステム
は、通過忌避ドメインが受信メッセージの所定の箇所に
設定されているかどうかを確認し(ステップS4a)、
設定されている場合は通過忌避ドメインを通過しない経
路を図17に示す経路情報テーブル2に相当する、自局
に保持するテーブルを検索して抽出する(ステップS5
a)。その上でドメイン間経路の存否を判断し(ステッ
プS6a)、存在すればその中から個々のルーティング
システムに依存した選択手段にてドメイン間転送経路を
決定し(ステップS7a)、選択決定したドメイン間転
送経路上の隣接ドメインの入口に至るまでの経路を図7
に示す経路情報テーブル1に相当するテーブルを検索し
て抽出する(ステップS15)。最後に、個々のルーテ
ィングシステムに依存した選択手段にて隣接ドメインの
入口までの転送経路を決定し(ステップS7)、それに
従った隣接局に送信する(ステップS8)。また、通過
忌避ドメインを通過しないドメイン間経路が存在しない
場合はメッセージを転送せずに終了する
【0052】次に、具体例を用いて説明する。図13に
示すような5つのドメインから構成されたネットワーク
形態でドメイン2(20b)の終局(発信者)ESから
ドメイン3(20c)の終局(受信者)ESへメッセー
ジを送信する場合を考える。いま、ドメイン2(20
b)の終局(発信者)ESがドメイン1(20a)を通
過忌避するように図16に示すメッセージで設定したと
する(ステップS1a)。ドメイン2(20b)の終局
(発信者)ESのルーティングシステムは、メッセージ
に通過忌避ドメインが設定されていることを確認し(ス
テップS4a)、通過忌避ドメインを経由しないドメイ
ン間経路を抽出する(ステップS5a)。ドメイン2
(20b)−通信路B−ドメイン4(20d)−通信路
E−ドメイン3(20c),ドメイン2(20b)−通
信路C−ドメイン5(20e)−通信路F−ドメイン4
(20d)−通信路E−ドメイン3(20c)の2通り
の経路が存在するので(ステップS6a)、個々のネッ
トワーク・ルーティングシステムに依存した選択手段に
てこの中から最終選考し(ステップS7a)、例えばそ
れがドメイン2(20b)−通信路B−ドメイン4(2
0d)−通信路E−ドメイン3(20c)であったなら
ば、終局(発信者)は送信すべき隣接局であるドメイン
4(20d)の入口までの経路を次に抽出する(ステッ
プS15)。ドメイン4(20d)に送るにはドメイン
2(20b)と直接つながっているBIS41に到達す
る経路を考えればよく、IS24−BIS22−BIS
41とIS25−IS24−BIS22−BIS41の
2通りの経路があり、この中から個々のルーティングシ
ステムに依存した選択手段にて最終選択する(ステップ
S7)。それがIS24−BIS22−BIS41であ
ったならば、IS24に送信することになる(ステップ
S8)。
【0053】中継局IS24のルーティングシステム
は、受信メッセージ中に通過忌避ドメインが設定されて
いるかどうかを判断し(ステップS4a)、設定されて
いれば、通過忌避ドメインを経由しないドメイン間経路
を抽出する(ステップS5a)。その結果終局(発信
者)と同じくドメイン2(20b)−通信路B−ドメイ
ン4(20d)−通信路E−ドメイン3(20c),ド
メイン2(20b)−通信路C−ドメイン5(20e)
−通信路F−ドメイン4(20d)−通信路E−ドメイ
ン3(20c)の2通りのドメイン間経路が存在するの
で(ステップS6a)、IS24のルーティングシステ
ムに依存した選択手段にてこの中から最終選考し(ステ
ップS7a)、例えばそれがドメイン2(20b)−通
信路B−ドメイン4(20d)−通信路E−ドメイン3
(20c)であったならばIS24は送信すべき隣接局
であるドメイン4(20d)の入口までの経路を次に抽
出する(ステップS15)。その結果BIS22に送信
することになる(ステップS8)。
【0054】BIS22のルーティングシステムは、受
信メッセージ中に通過忌避ドメインが書かれていること
を確認し(ステップS4a)、通過忌避ドメインを経由
しない経路を抽出する(ステップS5a)。その結果I
S24と同じくドメイン2(20b)−通信路B−ドメ
イン4(20d)−通信路E−ドメイン3(20c),
ドメイン2(20b)−通信路C−ドメイン5(20
e)−通信路F−ドメイン4(20d)−通信路E−ド
メイン3(20c)の2通りの経路が存在するので(ス
テップS6a)、BIS22のルーティングシステムに
依存した選択手段にてこの中から最終選考し(ステップ
S7a)、例えばそれがドメイン2(20b)−通信路
B−ドメイン4(20d)−通信路E−ドメイン3(2
0c)であったならばBIS22はドメイン4(20
d)のBIS41に送ることになる(ステップS8)。
【0055】ドメイン4(20d)のBIS41もBI
S22と同じく図15のフローチャートに従った経路選
択処理を行い、その結果メッセージはBIS31に送ら
れることになる(ステップS8)。BIS31とIS3
2も図15のフローチャートに従った経路選択処理を行
い、メッセージはこの2つの中継局を経由してドメイン
3(20c)の終局(受信者)ESに到達することにな
る。
【0056】以上のように、この実施例によれば、発信
者が通過忌避するドメインを指定することによりメッセ
ージの機密を保護することができる。 なお、この実施
例3を実施例1または実施例2と組み合わせて実施する
こと、即ち、発信者が生成する転送メッセージの所定の
箇所に通過忌避する中継局とドメインとの両方を設定す
るようにして、実施するようにしてもよい。
【0057】実施例4. 図18乃至図24はこの発明の更に他の実施例の構成を
説明する図で、図18はネットワーク管理装置3の構成
を示す図である。図において、10は各局からのメッセ
ージを受信するメッセージ受信部、11は各局へ送信す
るメッセージを作成するメッセージ作成部、12は作成
したメッセージを送信するメッセージ送信部、13は各
局から送信されてくるトラフィック量を管理してトラフ
ィック量が適切かどうかを判断するトラフィック量過大
中継局管理部である。図19、20、21は、各々この
実施例における終局(発信者)、中継局、ネットワーク
管理装置における処理を示すフローチャートである。図
22は、ネットワーク管理装置3からの指示で通過忌避
をさせる中継局の設定またはその解除処理を行なう各局
の処理を示すフローチャートである。図23は、ネット
ワーク管理装置3が指示してくる通過忌避する中継局を
登録する通過忌避中継局一覧テーブル2の例で、各終局
及び各中継局がこのテーブルを保持している。図24
は、ネットワーク管理装置3が各局に通過忌避中継局の
設定指示及びその解除指示を通知するための通知データ
2の例である。
【0058】なお、この実施例においては、ネットワー
クの構成、各局の構成は実施例1で使用した図1、図2
を使用し、各局が保持する経路情報テーブル1も実施例
1で使用した図7を使用する。また、この実施例では、
図2におけるトラフィック量管理部9を使用する。この
実施例は、実施例1乃至実施例3では、通過を忌避する
中継局またはドメインの指定をメッセージを発信する終
局が行なっていたのに対し、さらにネットワークを管理
するネットワーク管理装置が中継局の負荷状況を管理し
てその指示を別途行なうようにしたものである。
【0059】この実施例における概略動作は以下のとお
りである。ネットワークの構成機器の状態を監視するネ
ットワーク管理装置は、各中継局で通過処理するメッセ
ージ・トラフィック量について中継局から報告を受け
る。これを基に負荷過大と判断する中継局があれば通過
忌避させるために各中継局と各終局に通知し、負荷が過
大でなくなったと判断する中継局があれば通過忌避を解
除するために各中継局と各終局に忌避解除を通知する。
この情報を受けた中継局と終局は、通過忌避する指示で
あれば、指示された中継局を自局に保持する図23に示
す通過忌避中継局一覧テーブル2に追加し、通過忌避を
解除する指示であれば、指示された中継局を自局に保持
する通過忌避中継局一覧テーブ2ルから削除する。
【0060】以下図を参照しながら動作を説明する。先
ず、図21に示すネットワーク管理装置3の動作につい
て説明する。ネットワーク管理装置3では、ネットワー
ク上の中継局が定期的にまたはトラフィック量が急増し
たときに、各自処理しているメッセージ・トラフィック
量について送信してくるメッセージをメッセージ受信部
10が受けて、トラフィック量過大中継局管理部13に
送信する(ステップS31)。トラフィック量過大中継
局管理部13は、受信したメッセージからその中継局の
負荷が過大であるか否かを判断し(ステップS32)、
過大と判断したときは、その中継局を通過忌避中継局と
してネットワーク内に通知するために、図24に示す通
過忌避の指示と忌避する中継局を設定した通知データ2
をメッセージ作成部11で作成し(ステップS33)、
各中継局と各終局にメッセージ送信部12で送信する
(ステップS34)。また、反対に中継局の負荷が過大
でなくなったと認めた場合(ステップS35)は、通過
忌避を解除する中継局をネットワーク内に通知するため
に、同じく図24に示す通過忌避の解除指示と忌避解除
する中継局を設定した通知データ2をメッセージ作成部
11で作成し(ステップS36)、各中継局と各終局に
メッセージ送信部12で送信する(ステップS37)。
【0061】次に、ネットワーク管理装置3から中継局
の通過忌避または忌避解除通知を通知データ2として受
けたときの各中継局及び各終局(発信者)における処理
について図22を参照しながら説明する。ネットワーク
管理装置3から、通過を忌避する中継局または通過忌避
を解除する中継局に関する通知データ2を受信すると
(ステップS41)、その通知が通過忌避する中継局を
指示する通知データ2かどうかを判断し(ステップS4
2)、そうである場合には、自局が保持する通過忌避中
継局一覧テーブル2に追加する(ステップS43)。ま
た、通過忌避の解除を指示する中継局の通知データ2で
あるかどうかを判断して(ステップS44)、そうであ
る場合には、自局が保持する通過忌避中継局一覧テーブ
ル2から指定の中継局を削除する(ステップS45)。
【0062】次に、終局(発信者)1aにおける動作を
説明する。この実施例における終局(発信者)1aの動
作は基本的には実施例1における終局(発信者)1aの
動作と同じである。図19のフローチャートと実施例1
における図3のフローチャートとの違いは、図3のステ
ップS3とステップS4との間に、図23に示す通過忌
避中継局一覧テーブル2に関する処理が追加されただけ
である。従って、実施例1と異なる部分だけを説明し
て、同一の部分の説明は省略する。終局(発信者)1a
におけるルーティングシステムは、発信者がステップS
1で通過を忌避する中継局(2a乃至2f)を設定した
メッセージに、自システムに保持している通過忌避中継
局一覧テーブル2に設定されている中継局(2a乃至2
f)をマージしたメッセージを生成する(ステップS1
2)。以降の動作については説明を省略する。
【0063】次に、中継局における動作について説明す
る。この実施例における中継局(2a乃至2f)の動作
も基本的には実施例1における中継局(2a乃至2f)
の動作と同じである。図20のフローチャートと実施例
1における図4のフローチャートとの違いは、図4ステ
ップS4の前に、図23に示す通過忌避中継局一覧テー
ブル2に関する処理が追加されただけである。従って、
実施例1と異なる部分だけを説明して、同一の部分の説
明は省略する。中継局(2a乃至2f)におけるルーテ
ィングシステムは、受信したメッセージの所定の箇所に
設定されている通過忌避中継局に対して図23に示す自
システムの保持する通過忌避中継局一覧テーブル2に設
定されている中継局をマージして所定の箇所に設定した
メッセージを生成する(ステップS12)。以降の動作
については説明を省略する。なお、中継局(2a乃至2
f)においては、上記動作とは別に、メッセージ受信部
5で受信したメッセージはトラフィック量管理部9に送
られ、このトラフィック量管理部9が常時自システムの
トラフィック量を管理していて定期的に、またはトラフ
ィック量が急増したときにその情報を管理装置3に送信
している。
【0064】以上のように、この実施例によれば、負荷
の高い中継局を避けてメッセージを転送することがで
き、高速で信頼性の高いメッセージ送信が得られる。
【0065】実施例5. 図25乃至図28は、この発明の更に他の実施例を説明
する図である。図25、26は各々この実施例における
終局(発信者)1a、中継局(2a乃至2f)の処理を
示すフローチャートである。また、図27は、発信者が
自局のシステムに転送優先度を指定するためのメッセー
ジの例である。図28は、各終局と各中継局が保持す
る、メッセージの転送優先度の高低を判断するためのし
きい値が設定されたテーブル例である。この実施例は、
実施例4における管理装置からの通過忌避中継局の追加
指示に対する処理方法を改良したもので、実施例4での
構成と同じ構成を使用する。
【0066】先ず、図25のフローチャートで示す終局
(発信者)1aの動作について説明する。終局(発信
者)1aでは、送信するメッセージに転送優先度を設定
する(ステップS13)。その後、終局(発信者)1a
のルーティングシステムはメッセージに設定されている
転送優先度が、転送優先度の高低を判断するために自局
が保持しているしきい値より低いかどうかを判断し(ス
テップS14)、そうである場合には、図23に示す通
過忌避中継局一覧テーブル2にある中継局をメッセージ
の所定の箇所にマージして設定する(ステップS1
2)。また、反対にメッセージに設定されている転送優
先度が、転送優先度の高低を判断するために自局が保持
しているしきい値より低くない場合には、通過忌避中継
局一覧テーブル2にある中継局をメッセージに設定しな
い。ここでメッセージに設定されている転送優先度がし
きい値と同じ場合、通過忌避中継局一覧テーブル2にあ
る中継局をメッセージに設定しないようにしているのは
便宜上そうしているだけで、設定するように取り決めて
もいっこうに差し支えない。以降の動作は実施例1と同
じなので説明を省略する。
【0067】次に、中継局(2a乃至2f)における動
作について説明する。図26に示す中継局(2a乃至2
f)におけるルーティングシステムは、受信したメッセ
ージに設定されている転送優先度が、転送優先度の高低
を判断するために自局が保持しているしきい値より低い
か否かを判断し(ステップS14)、そうである場合に
は、通過忌避中継局一覧テーブル2にある中継局をマー
ジしたメッセージを生成する(ステップS12)。ま
た、反対にメッセージに設定されている転送優先度が、
転送優先度の高低を判断するために自局が保持している
しきい値より低くない場合には、通過忌避中継局一覧テ
ーブルにある中継局をメッセージに設定しないようにす
る。ここでメッセージ2に設定されている転送優先度が
しきい値と同じ場合、通過忌避中継局一覧テーブルにあ
る中継局をメッセージに設定しないようにしているのは
便宜上そうしているだけで、設定するように取り決めて
もいっこうに差し支えない。以降の動作は実施例1と同
じなので説明を省略する。
【0068】以上のように、この実施例によれば、負荷
の高い中継局には転送優先度の高いメッセージだけを通
過させることになり、メッセージトラフィックの分散化
を図ることができて、結果的に高速で信頼性の高いメッ
セージ送信が得られる。
【0069】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、発信
局でメッセージを通過させたくない中継局を設定し、各
局でその中継局を経路として選択しないようにしたの
で、メッセージの機密保護に有効である。
【0070】また、指定された忌避中継局を通過させず
に受信局にメッセージを転送する経路が存在しないとき
は、そのやむを得ず通過させる忌避中継局の数を最少と
するようにしたので、最小限の機密保護を確保できる。
【0071】また、やむを得ず通過させた忌避中継局を
メッセージ内に設定するようにしたので受信局におい
て、忌避中継局の内どの局を通過したかを知ることがで
き、機密保護上の対策を立てるのが容易となる。
【0072】さらに、受信局から受信したメッセージに
設定されている通過した忌避中継局を発信局に通知する
ようにしたので発信局ではこの情報を、ログに採った
り、表示させたりすることができ、機密保護上の対策を
即実施できる。
【0073】また、通信コネクションの確立していると
きは、通信コネクション毎に忌避中継局が設定されてい
るテーブルを使用でき、発信者の操作ミスによる忌避中
継局の設定洩れ等が防げる。
【0074】また、各中継局のトラフィック量をネット
ワーク管理装置が監視していて、トラフィック量が過大
な中継局にはメッセージを通過させないようにしたの
で、高速で信頼性の高いメッセージ通信が得られる。
【0075】また、トラフィック量が過大で一旦忌避中
継局とした中継局でもトラフィック量が過大でなくなる
と忌避中継局から除外するようにしたのでより柔軟なメ
ッセージ送信が得られる。
【0076】また、負荷の高い中継局には転送優先度の
高いメッセージだけを通過させるようにしたので、メッ
セージトラフィックの分散化を図ることができて、高速
で信頼性の高いメッセージ送信が得られる。
【0077】また、複数のドメインで構成されたネット
ワークにおいて、メッセージの通過を忌避するドメイン
メッセージの所定の箇所に設定できるようにしたので
広範囲においてメッセージの機密保護に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ネットワークの構成を示す図である。
【図2】 終局及び中継局の構成を示す図である。
【図3】 実施例1における終局のルーティングシステ
ムの処理を示すフローチャートである。
【図4】 実施例1における中継局のルーティングシス
テムの処理を示すフローチャートである。
【図5】 実施例1における転送メッセージの例であ
る。
【図6】 終局が保持する、通信コンクションごとに設
定した通過忌避中継局一覧テーブルの実施例である。
【図7】 実施例1におけるネットワークの経路とその
経路に関する情報を記載した経路情報テーブル1の例で
ある。
【図8】 実施例2における終局のルーティングシステ
ムの処理を示すフローチャートである。
【図9】 実施例2における中継局のルーティングシス
テムの処理を示すフローチャートである。
【図10】 実施例2における終局(受信者)のルーテ
ィングシステムの処理を示すフローチャートである。
【図11】 実施例2における転送メッセージの例であ
る。
【図12】 実施例2における終局(受信者)が終局
(発信者)に送信する通知データ1の例である。
【図13】 実施例3におけるネットワーク(ドメイ
ン)の構成例である。
【図14】 実施例3における終局のルーティングシス
テムの処理を示すフローチャートである。
【図15】 実施例3における中継局のルーティングシ
ステムの処理を示すフローチャートである。
【図16】 実施例3における転送メッセージの例であ
る。
【図17】 実施例3におけるネットワークの経路とそ
の経路に関する情報を記載した経路情報テーブル1の例
である。
【図18】 ネットワーク管理装置の構成例を示す図で
ある。
【図19】 実施例4のおける終局のルーティングシス
テムの処理を示すフローチャートである。
【図20】 実施例4のおける中継局のルーティングシ
ステムの処理を示すフローチャートである。
【図21】 実施例4のおけるネットワーク管理装置の
ルーティングシステムの処理を示すフローチャートであ
る。
【図22】 実施例4における終局、中継局がネットワ
ーク管理装置から通知データ2を受信したときの処理を
示すフローチャートである。
【図23】 ネットワーク管理装置からの通知データを
受けた終局、中継局が忌避中継局を追加、削除する通過
忌避中継局一覧テーブル2の例である。
【図24】 ネットワーク管理装置が終局、中継局に通
過忌避中継局の追加、削除を指示する通知データ2の例
である。
【図25】 実施例5における終局のルーティングシス
テムの処理を示すフローチャートである。
【図26】 実施例5おける中継局のルーティングシス
テムの処理を示すフローチャートである。
【図27】 実施例5における転送メッセージの例であ
る。
【図28】 実施例5における終局、中継局が保持する
メッセージの転送優先度の高低を判断するためのしきい
値を記述したテーブルの例である。
【図29】 従来例におけるネットワークの構成例であ
る。
【図30】 従来例におけるルーティングテーブルの例
である。
【符号の説明】
1a、1b 終局、2a〜2f 中継局、3 ネットワ
ーク管理装置、4 入力部、5 メッセージ受信部、
6、メッセージ送信部、7メッセージルーティング部、
8 転送経路モニタ部、9 トラフィック量管理部、1
0 メッセージ受信部、11メッセージ作成部、12メ
ッセージ送信部、13 トラフィック量過大中継局管理
部、20a〜20e ドメイン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 藤原和典他2名,プリファレンスによ る経路制御のモデル,情報処理学会研究 報告,日本,社団法人情報処理学会, 1994年 1月28日,第94巻 第12号 87 〜94頁 小川裕他1名,インターネットの次世 代プロトコル技術,NTT R&D,日 本,社団法人電気通信協会,1994年 9 月10日,第43巻第9号,983−992 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04M 3/42 H04L 12/00 H04M 3/00

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メッセージを発信する発信局とこのメッ
    セージを受信する受信局と前記発信局と前記受信局との
    間のメッセージの転送を中継する複数の中継局とで構成
    されるネットワークにおいて、 前記発信局は前記ネットワークに関する自局と受信局と
    の間の経路情報を示す第1の経路情報テーブルと、送信
    するメッセージにメッセージの通過を忌避する忌避中継
    局を設定する忌避中継局設定手段と、前記第1の経路情
    報テーブルを検索して忌避中継局を通過しない経路を選
    択する第1のルーティング手段と、を備え、前記中継局
    は前記ネットワークに関する自局と前記受信局との間の
    経路情報を示す第2の経路情報テーブルと、受信したメ
    ッセージに設定されている忌避中継局を通過しない経路
    を前記第2の経路情報テーブルを検索して選択する第2
    のルーティング手段と、を備えていることを特徴とする
    ネットワーク・ルーティングシステム。
  2. 【請求項2】 前記第1及び第2のルーティング手段
    は、メッセージに設定された忌避中継局を通過しない経
    路が存在しないときは設定された忌避中継局の中でやむ
    を得ず通過させる忌避中継局の数が最少となる経路を選
    択する選択手段を備えていることを特徴とする請求項1
    に記載のネットワーク・ルーティングシステム。
  3. 【請求項3】 前記選択手段は止むを得ずメッセージを
    通過させる忌避中継局が自局の隣接局であるときはその
    忌避中継局を前記メッセージに設定する手段を備えてい
    ることを特徴とする請求項2に記載のネットワーク・ル
    ーティングシステム。
  4. 【請求項4】 前記受信局は受信したメッセージに設定
    されているやむを得ず通過させた忌避中継局を前記発信
    局に通知する第1の通知手段を備えたことを特徴とする
    請求項3に記載のネットワーク・ルーティングシステ
    ム。
  5. 【請求項5】 前記忌避中継局設定手段は通信コネクシ
    ョン毎に設定された第1の忌避中継局一覧テーブルを検
    索して忌避中継局を設定することを特徴とする請求項1
    乃至請求項4のいずれかに記載のネットワーク・ルーテ
    ィングシステム。
  6. 【請求項6】 前記ネットワークに各中継局から報告さ
    れるトラフィック量を参照してその局の負荷の妥当性を
    判断し、負荷が過大と判断すると各局に対してその局を
    忌避中継局とする通知をする第2の通知手段を備えた管
    理装置を設け、前記中継局には自局の処理するトラフィ
    ック量を前記管理装置に送信するトラフィック量管理手
    段と、前記第2の通知手段から通知される忌避中継局を
    第2の忌避中継局一覧テーブルに登録する登録手段を設
    けたことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか
    に記載のネットワーク・ルーティングシステム。
  7. 【請求項7】 前記通知手段はトラフィック量が過大で
    ないと判断するとその中継局を前記第2の忌避中継局一
    覧テーブルから削除する指示を出すことを特徴とする請
    求項6に記載のネットワーク・ルーティングシステム。
  8. 【請求項8】 前記発信局のルーティング手段は、発信
    するメッセージの転送優先度を設定する手段を備え、前
    記中継局は受信したメッセージに設定されている転送優
    先度を自局に有する優先度テーブルと比較し 前記転送
    優先度が自局の優先度テーブルのしきい値より低いメッ
    セージについてのみ、通過忌避する中継局を設定した前
    記第2の忌避中継局一覧テーブルにある忌避中継局を通
    過しない経路の中から転送経路を選択することを特徴と
    する請求項6または請求項7に記載のネットワーク・ル
    ーティングシステム。
  9. 【請求項9】 複数のドメインで構成されたネットワー
    クにおいて、各ドメインを構成する各局は自ドメインと
    他ドメインとの通信路に関する経路情報テーブルと、メ
    ッセージを発信するドメインの終局がメッセージの所定
    の箇所に設定した通過を忌避するドメインを通過しない
    経路を前記経路情報テーブルを検索して選択する第3の
    ルーティング手段を備えていることを特徴とするネット
    ワーク・ルーティングシステム。
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小川裕他1名,インターネットの次世代プロトコル技術,NTT R&D,日本,社団法人電気通信協会,1994年 9月10日,第43巻第9号,983−992
藤原和典他2名,プリファレンスによる経路制御のモデル,情報処理学会研究報告,日本,社団法人情報処理学会,1994年 1月28日,第94巻 第12号 87〜94頁

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