JP3435766B2 - 管壁移動台車 - Google Patents

管壁移動台車

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JP3435766B2
JP3435766B2 JP28834393A JP28834393A JP3435766B2 JP 3435766 B2 JP3435766 B2 JP 3435766B2 JP 28834393 A JP28834393 A JP 28834393A JP 28834393 A JP28834393 A JP 28834393A JP 3435766 B2 JP3435766 B2 JP 3435766B2
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利昭 鈴木
豊 松田
智夫 水野
勝実 菊地
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石川島播磨重工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は垂直な管壁面に沿って任
意な位置に移動可能な管壁移動台車に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】例えば、発電プラント用加圧流動床ボイ
ラにあっては熱交換器を囲むように炉壁が形成されてお
り、この炉壁は鉛直方向に配設される配管を所定ピッチ
で水平方向に接合してパネル状の垂直壁を形成する。炉
壁内には燃焼用石炭粉が供給され、その石炭粉はショッ
トブラストの如く炉壁内面を損傷させるため、炉壁表面
にはコーティングが施されている。このコーティング層
の厚さや炉壁の損傷を検出するためには検査器を炉壁内
面に沿って管軸方向および管軸方向に対して直交する方
向にそれぞれ移動させて任意の位置に走査させる必要が
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、特開昭62-1
49568 号公報および特開昭60-218522 号公報においては
炉壁面を走査するために垂直平面を移動する台車ないし
ロボット装置が開示されており、これらの提案はいずれ
も尺取り虫の如く移動方向前後に伸縮自在に延出された
吸着部を交互に吸着させて移動させることから、走査に
長時間を要する。また、移動方向前後の吸着部の乗換え
時に炉壁面に対する垂直方向の高さが大きくなり、この
ため、炉壁とその内部の熱交換器との間の比較的狭隘な
箇所に台車を移動させることは困難であり、走査範囲が
制限される問題がある。
【0004】本発明は上記問題点を有効に解決すべく創
案されたものである。
【0005】本発明は移動時間を早めると共に比較的狭
隘な箇所にも移動することのできる管壁移動台車を提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明はボイラの炉壁等
の垂直な管壁面上を壁面検査等のために移動する台車に
おいて、上記管壁面の管軸方向に沿って設けられ、ヒン
ジで互いに屈曲自在に連結された一対のベースと、一方
のベースに設けられ、上記管壁面に吸着して管軸方向に
移動するための管軸方向駆動車輪と、他方のベースに
けられ、上記管壁面に吸着して管軸に対して直交する方
向に横行移動するための横行駆動車輪と、上記管軸方向
駆動車輪と横行駆動車輪とのいずれか一方を管壁面から
離脱させるようヒンジを中心にベースを管壁面から離れ
るように回動させ、管壁面に吸着した側の管軸方向駆動
車輪で管軸方向に移動又は横行駆動車輪で横行するため
の走行方向切換機構とを備えて構成したものである。
【0007】上記移動機構は車輪軸上にマグネットを間
に挾んで両側に磁束を集中させるための一対のヨークを
有する管軸方向駆動車輪と、管軸方向駆動車輪の車輪軸
に対して直角な車輪軸上にマグネットを間に挾んで両側
に一対のヨークを有すると共にその一対のヨークを間に
挾んで両側にヨークより摩擦係数の大きな部材を有する
横行駆動車輪とからなる。また上記横行駆動車輪は横行
方向前後に配置された一対の車輪で構成されると共にそ
の一方の車輪が管と管との間の溝に係合しているときに
他方の車輪が管断面の略頂部に位置する車輪中心間距離
を有する。
【0008】上記走行方向切換機構は、管軸方向駆動車
輪を有するベースに取り付けられ先端部が管壁面に係脱
自在に係合して管壁面に吸着した管軸方向駆動車輪を離
脱させる管軸方向駆動車輪離脱用シリンダと、上記横行
駆動車輪を有するベースに取り付けられ先端部が管壁面
に係脱自在に係合して管壁面に吸着した横行駆動車輪を
離脱させる横行駆動車輪離脱用シリンダと、一方のベー
スを上記ヒンジを中心に回動させるベース回動用シリン
ダとから構成される。
【0009】
【作用】管壁面に対して台車を管軸方向に移動させる場
合には管軸方向駆動車輪を管壁面に吸着させて駆動させ
る。台車の移動方向を横行方向に切り換えるには逆に横
行駆動車輪を管壁面に吸着させて駆動させる。このよう
に車輪で台車を移動させれば、尺取り虫の如く台車を移
動させることに比し、台車の移動がスムースであり、移
動時間を短縮できる。
【0010】横行時においては横行駆動車輪がヨークよ
摩擦係数の大きな部材を有しているので、壁面に対す
る車輪のグリップ力が増し、台車の横行を確実になし得
る。
【0011】また、横行駆動車輪は一対の車輪のうち一
方の車輪が溝に係合しているときに他方の車輪が管断面
の略頂点に位置する車輪中心間距離を有している。した
がって、一方の車輪が管と管との間の溝から脱出するた
めに必要な脱出推力を頂点に位置する車輪の駆動トルク
で発生することができる。
【0012】台車の移動方向を管軸方向から横行方向に
切り換えるために、走行方向切換機構においては横行駆
動車輪を吸着させた状態で管軸方向駆動車輪離脱用シリ
ンダの作動により管軸方向駆動車輪を管壁面から離脱さ
せた後、ベース回動用シリンダの作動により管軸方向駆
動車輪を含むベースをヒンジを中心に回動させる。横行
方向から管軸方向に切り換えるには管軸方向駆動車輪を
吸着させた状態で横行駆動車輪離脱用シリンダの作動に
より横行駆動車輪を壁面から離脱させる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
詳述する。
【0014】図11は例えば発電用ボイラの炉を示すも
のであり、この炉1には炉壁2に収容された熱交換器3
が設けられている。この熱交換器3は炉壁2付近で左右
に交互に折り返されると共に上下に所定の間隔を隔てて
蛇行させた熱交換用配管4により構成されている。炉壁
2は鉛直方向に配設された円形断面の管5と管5との間
を平板状のピース6で等ピッチで接合してなる垂直な管
壁面7を有する。管5は炉壁2を冷却する冷却水通路と
してまた余熱を回収する熱回収手段となる。したがっ
て、管壁面7の管5と管5との間には管軸方向に沿って
溝8が形成される。このような凹凸を有する垂直な管壁
面7を探傷検査等のために、移動台車9が管壁面7に沿
って任意の位置に移動するようになっている。
【0015】この移動台車9は図1、図2および図3に
示すように、管壁面7に沿って管軸方向前後に互いにヒ
ンジ11で連結された一対のベース12,13と、その
一方のベース12に一対の管軸方向駆動車輪14,14
を有すると共に他方のベース13に一対の横行駆動車輪
15,15を有する移動機構16と、これら駆動車輪1
4,15をそれぞれ別個に管壁面7から着脱自在に離脱
させると共に一方のベース12をヒンジ11を中心に回
動させて台車9の移動方向を切り換えるための走行方向
切換機構17とから主に構成されている。
【0016】具体的には図3に示すように略平板状に形
成された一対のベース12,13はその端部同士が互い
に重ね合されてヒンジ11で連結されており、一方のベ
ース12の先端部にはシリンダ21を介して管壁面検査
用ユニット22が取り付けられている。この検査用ユニ
ット22は3つの検査ユニット23a〜23cで構成さ
れ、各検査ユニット23a〜23cのフレーム25には
円弧状の検査器取付フレーム25aが取り付けられ、そ
の検査器取付フレーム25aには取付孔26に管5の周
方向に沿って3つの検査器27が取り付けられている。
各検査器27は管5の表面に施されたコーティング層の
厚さを検出すべく渦電流式膜厚センサで構成されてい
る。渦電流式膜厚センサの他、管5の肉厚を検出する超
音波探触子で検査器27を構成してもよい。
【0017】また、前方監視用のカメラ24はベース1
2に取り付けられている。
【0018】一方のベース12に取り付けられた一対の
管軸方向駆動車輪14,14はスプロケット28および
チェーン29を介して共通のモータ31で回転駆動され
ることにより、管5と管5との間の溝8を管軸方向に転
動して移動台車9を管軸方向に移動させるようになって
いる。管軸方向駆動輪14,14を駆動することによる
台車9の走行距離はエンコーダ式プラニメータ32で検
出されるようになっている。各管軸方向駆動車輪14,
14は図4に示すように車輪軸33上にマグネット34
を有すると共にそのマグネット34の両側にはマグネッ
ト34の磁束を集中させるためのヨーク35が設けられ
ている。ヨーク35の外側端部には管5に対する接触面
積を高めるために略円弧断面のテーパー部36が形成さ
れている。
【0019】他方のベース13に設けられた一対の横行
駆動車輪15,15は図3に示すようにそれぞれ別個に
横行用モータ37,38で回転駆動されて管軸に対して
直交する方向に転動して台車9を横行移動させるように
なっている。すなわち、横行駆動車輪15,15は図3
および図5に示すように管軸方向駆動車輪14,14の
車輪軸33に対して直角な車輪軸41を有しており、図
5に示すように、車輪軸41上にはマグネット42を間
に挾んで両側にヨーク43が設けられると共にこれらヨ
ーク43を間に挾むように摩擦係数の大きな部材44が
設けられている。摩擦係数の大きな部材44として例え
ばゴムないしポリウレタンが採用される。この部材44
はヨーク43よりも多少拡径されており、弾性変形する
ことにより、横行駆動車輪15,15が転動する際の摩
擦力を大きくして管5に対する横行駆動車輪15のグリ
ップ力を高めるようになっている。摩擦係数の大きな部
材44の外側の車輪軸41上には転倒防止用車45が設
けられている。この転倒防止用車45は摩擦係数の大き
な部材44から車輪軸41上に所定の間隔を隔てて設け
られているので、台車9の転倒モーメントに対抗できる
ようになっている。
【0020】また、横行駆動車輪15,15の車輪中心
間距離は一方の車輪15が管5と管5との間の溝8に嵌
まっているときに他方の車輪15が管断面の略頂点に位
置するように設定されている。したがって、一方の車輪
15が管5,5間の溝8から脱出しようとするときに他
方の車輪15は溝8に入ろうとするようになっている。
また、図3に示すように、他方のベース13の他端側に
は一対の近接スイッチ46,46が配置され、これらの
スイッチ46,46は共に管軸方向駆動車輪14,14
が溝8に係合する位置に対応する位置でONするように
なっている。したがって、双方のスイッチ46,46が
同時に何回ONしたかをカウントして台車9の横行移動
量が算出できるようになっている。
【0021】走行方向切換機構17は図1および図2に
示すように管軸方向駆動車輪14,14を有するベース
12に取り付けられた管軸方向駆動車輪離脱用シリンダ
51と、上記横行駆動車輪15,15を有するベース1
3に取り付けられた横行駆動車輪離脱用シリンダ52
と、一方のベース12をヒンジ11を中心に回動させる
ベース回動用シリンダ53とから主に構成される。
【0022】管軸方向駆動車輪離脱用シリンダ51はそ
のシリンダ部54がベース12に取り付けられ、図1、
図2および図4に示すように、シリンダ部54より管壁
面7に臨んで延出されるロッド55の先端部にはフレー
ム56を介して車輪57,57が取り付けられている。
したがって、ロッド55を伸長させて車輪57,57を
溝8に押し付ければ、溝8に吸着した管軸方向駆動車輪
14,14を管壁面7から切り離すことができるように
なっている。また、横行駆動車輪離脱用シリンダ52の
シリンダ部58はベース13に取り付けられ、そのシリ
ンダ部58から延出されるロッド部59の先端部にはフ
レーム61が管軸方向に沿って設けられ、このフレーム
61の両端部には管5の断面頂部を管軸方向に沿って転
動可能な一対のローラ62が取り付けられている。この
場合、ローラ62が管5に接している状態でロッド59
を押し出せば、管壁面7に吸着した横行駆動車輪15を
離脱させるようになっている。
【0023】一方、横行駆動車輪15,15を有するベ
ース13には図1および図5に示すように、ベース回動
用シリンダ53のシリンダ部63を支持する支持フレー
ム64が取り付けられ、シリンダ部63から上方に延出
されるロッド部65は管軸方向駆動車輪14を有するベ
ース12に形成された長穴66を介して挿通されるよう
になっている。ロッド部65にはベース12を間に挾ん
で長手方向前後に互いに所定距離離間された一対のロー
ラ67,68が取り付けられている。
【0024】このように取り付けられたベース回動用シ
リンダ53は管軸方向駆動車輪離脱用シリンダ51によ
り管壁面7から離脱した管軸方向駆動車輪14を含むベ
ース12をヒンジ11を中心に回動させるようになって
いる。したがって、台車9の移動方向を管軸方向から横
行方向へあるいは横行方向から管軸方向へ切り換える場
合にはいずれも管軸方向駆動車輪離脱用シリンダ51あ
るいは横行駆動車輪離脱用シリンダ52の伸長動作に加
えてベース回動用シリンダ53が動作するという2段階
動作となる。
【0025】次に上記実施例の作用について説明する。
【0026】図2は台車9が管軸方向を移動する状態を
示すものであり、この場合にはローラ67,68間の略
中間にベース12が挾まれており、そのベース12はヒ
ンジ11を中心に管壁面7に対してほぼ所定角度αだけ
傾倒した状態で移動する。すなわち、管軸方向の移動時
にあっては図6に示すように、管軸方向駆動車輪14,
14が管5と管5との間の溝8に吸着した状態で転動
し、管軸方向駆動車輪離脱用シリンダ51の先端部に取
り付けられた車輪57,57は溝8から僅かに離れて非
接触の状態に保持されている。一方、図7に示すように
横行駆動車輪15は管壁面7から離脱しており、また、
横行駆動車輪離脱用シリンダ52の先端部に取り付けら
れたローラ62は管5の略頂点を管軸方向に転動する。
したがって、台車9は一対の管軸方向駆動車輪14,1
4と一対のローラ62,62とにより4点支持されて検
出器27で管壁面7を検査しながらを管軸方向に沿って
一方向 (例えば上方)に移動することになる。したが
って、台車を尺取り虫の如く移動することに比し、車輪
14,14を転動させて台車9を移動させるので走査時
間が短時間で済む。
【0027】管軸方向に沿った一方向の走査が完了した
後、台車9の移動を逆方向(例えば下方)に折り返して
移動させるには台車9を所定ピッチだけ横行させること
になる。本実施例にあっては検査用ユニット22が3本
分の管5を同時に検査するので、その検査範囲を1ピッ
チとして横に寄せる。
【0028】図1は台車9の横行状態を示すものであ
り、管軸方向駆動車輪14から横行駆動車輪15に乗り
換えるためには横行駆動車輪15を管壁面7に吸着させ
たた状態で、管軸方向駆動車輪14を管壁面7から離脱
させる。具体的には図9に示すように、横行駆動車輪1
5の吸着状態を保持しながら管軸方向駆動車輪離脱用シ
リンダ51を引き伸ばせば管軸方向駆動車輪14を管壁
面7から離脱させることができる。次いで、台車9の横
行時において管軸方向駆動車輪14が管壁面7の管5に
衝突ないし接触することことを防止するために、ベース
回動用シリンダ53を伸長させる。ベース回動用シリン
ダ53を伸長させれば、図2および図8に示すように、
管軸方向駆動車輪14,14を含むベース12はヒンジ
11を中心に管壁面7から離反する方向(図示例では時
計方向)に回動し、管軸に対して所定角度βだけ傾倒し
た状態に保持される。
【0029】なお、管軸方向駆動車輪14を含むベース
12側の重心の移動が、管軸に平行かつヒンジ11を通
る線Nを越えても、ベース12は所定の間隔を隔てて支
持されるローラ67,68間に挾まれて保持されている
ので、ベース12が転倒することはないし、ベース12
を管壁面7側に引き戻すこともできる。
【0030】このように管軸方向駆動車輪離脱用シリン
ダ51とベース回動用シリンダ53とを用いることによ
り、管壁面7に対して垂直方向の台車9の高さを小さく
できる。台車9の高さが小さくなれば、図11に示すよ
うに管壁面7と熱交換器3の配管折り返し部4aとの間
のスペースが小さくても台車9を移動させることが可能
である。すなわち、管軸方向駆動車輪14および横行駆
動車輪15に設けられたマグネット34,42の吸着力
は管壁面7との距離の2乗に反比例するから、これらの
駆動車輪14,15を管壁面7から僅かな距離だけ離す
だけで吸着力から解放される。したがって、管軸方向駆
動車輪離脱用シリンダ51の車輪57および横行駆動車
輪離脱用シリンダ52のローラ62を僅かに離間させる
だけの短いストロークで済む。また、ベース回動用シリ
ンダ53もベース12,13のヒンジ11側を回動させ
るので短いストロークで済む。したがって、いずれのシ
リンダ51,52,53も作動ストロークが短くコンパ
クトであり、台車9の高さを小さくできる。
【0031】また、横行移動時においては図10に示す
ように一方の横行駆動車輪15が溝8に嵌まっていると
きに他方の横行駆動車輪15が管断面の略頂点に位置す
るように車輪中心間距離Lが設定されていることから、
双方の車輪15,15が共に溝8に嵌まっているときに
必要な脱出推力に比し、小さな脱出推力で済む。すなわ
ち、溝8に嵌まっている車輪15においては管壁面7に
対する平行な移動推力Pは最も小さくなるのに対し、管
断面の頂点に位置する車輪15の管壁面7に対する平行
な移動推力Qは最も大きくなることから、溝8に嵌まっ
た車輪15を脱出させるために必要な脱出推力を、頂点
に位置する車輪15の駆動トルクでカバーできることに
なる。しかも、横行駆動車輪15,15にはポリウレタ
ンなどの摩擦係数の大きい部材44が設けられているの
で、高い摩擦係数が得られ、管壁面7に対するグリップ
力が増し、横行移動面が管を並べた凹凸であっても確実
な移動をなし得る。摩擦係数の大きい部材44が弾性を
有するゴムないしポリウレタン等であれば、横行駆動車
輪15が溝8に嵌まろうとするときに生じる衝撃を緩和
することにもなる。
【0032】また、横行方向前後に設けられた一対の近
接スイッチ46,46が、管軸方向駆動車輪14が溝8
に嵌まる位置に対応させて配置され、かつ、双方の近接
スイッチ46,46が共にONとなるタイミングをカウ
ントするので、台車9の姿勢が常に管壁面7に対して平
行な状態にあるときにカウントされ、横行移動すべき距
離に相当する所定回数の信号をカウントした時点で横行
を停止させれば、その停止地点で管軸方向駆動車輪1
4,14を溝8に吸着させることができる。
【0033】なお、所定距離の横行移動を完了した後、
台車9の移動方向を管軸方向に移行するには前述したよ
うに、管軸方向駆動車輪14,14を吸着させておいて
横行方向駆動車輪15,15を離脱させれば、台車9の
移動方向を管軸方向(例えば下方)に切り換えることが
できる。したがって、管壁面7に沿って管軸方向上向き
に走査した後、移動方向を横行移動に切り換え、さらに
移動方向を管軸方向下向き折り返すという移動を繰り返
せば、管壁面7を全面に亘って走査できる。
【0034】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、次の如き
優れた効果を発揮する。
【0035】(1) 請求項1において、管軸方向駆動車輪
を介して台車を管軸方向に移動させると共に横行駆動車
輪を介して台車を横行させるので、尺取り虫の如く台車
を移動させることに比し、台車の移動がスムースであ
り、移動時間を短縮できる。
【0036】(2) 請求項2において、横行駆動車輪が
ークより摩擦係数の大きい部材を有するので、壁面に対
するグリップ力が増し、横行移動面が管を並べた凹凸面
であっても確実な移動をなし得る。
【0037】(3) 請求項3において、横行駆動車輪の一
方の車輪が管と管との間の溝に係合しているときに他方
の車輪が管断面の略頂部に位置する車輪中心間距離を有
するので、一方の車輪の脱出推力を他方の車輪の駆動ト
ルクでカバーでき、車輪の駆動トルクが小さくて済む。
【0038】(4) 請求項4において、管軸方向駆動車輪
離脱用シリンダおよび横行方向駆動車輪離脱用シリンダ
を介して車輪を離脱させると共にベース回動用シリンダ
を介して一方のベースを回動させるので、各シリンダの
作動ストロークは短くて済み、管壁面に対して垂直方向
の台車の高さを小さくすることができ、比較的狭隘な隙
間でも台車の移動が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】横行状態を示す台車の側面図である。
【図2】管軸方向の移動状態を示す台車の側面図であ
る。
【図3】台車を示す正面図である。
【図4】図3のA−A線矢視図である。
【図5】図3のB−B線矢視図である。
【図6】管軸方向駆動車輪の吸着状態を示す図である。
【図7】横行駆動車輪の離脱状態を示す図である。
【図8】管軸方向駆動車輪の離脱状態を示す図である。
【図9】横行駆動車輪の吸着状態を示す図である。
【図10】横行駆動車輪の吸着状態を示す図である。
【図11】ボイラの炉を示す斜視図である。
【符号の説明】
2 炉壁 7 管壁面 9 台車 11 ヒンジ 12,13 ベース 14,14 管軸方向駆動車輪 15,15 横行駆動車輪 16 移動機構 17 走行方向切換機構 33 管軸方向駆動車輪の車輪軸 34 マグネット 35 ヨーク 41 横行駆動車輪の車輪軸 42 マグネット 43 ヨーク 44 摩擦係数の大きい部材 51 管軸方向駆動車輪離脱用シリンダ 52 横行駆動車輪離脱用シリンダ 53 ベース回動用シリンダ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水野 智夫 東京都江東区豊洲三丁目1番15号 石川 島播磨重工業株式会社 東二テクニカル センター内 (72)発明者 菊地 勝実 東京都江東区豊洲三丁目2番16号 石川 島播磨重工業株式会社 豊洲総合事務所 内 (56)参考文献 特開 昭63−189908(JP,A) 特開 昭62−149568(JP,A) 特開 昭60−218522(JP,A) 実開 平6−64154(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62D 57/024 F23J 3/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボイラの炉壁等の垂直な管壁面上を壁面
    検査等のために移動する台車において、上記管壁面の
    軸方向に沿って設けられ、ヒンジで互いに屈曲自在に連
    結された一対のベースと、一方のベースに設けられ、上
    管壁面に吸着して管軸方向に移動するための管軸方向
    駆動車輪と、他方のベースに設けられ、上記管壁面に吸
    着して管軸に対して直交する方向に横行移動するための
    横行駆動車輪と、上記管軸方向駆動車輪と横行駆動車輪
    とのいずれか一方を管壁面から離脱させるようヒンジを
    中心にベースを管壁面から離れるように回動させ、管壁
    面に吸着した側の管軸方向駆動車輪で管軸方向に移動又
    は横行駆動車輪で横行するための走行方向切換機構と
    備えたことを特徴とする管壁移動台車。
  2. 【請求項2】 上記移動機構が、車輪軸上にマグネット
    を間に挾んで両側に磁束を集中させるための一対のヨー
    クを有する管軸方向駆動車輪と、管軸方向駆動車輪の車
    輪軸に対して直角な車輪軸上にマグネットを間に挾んで
    両側に一対のヨークを有すると共にその一対のヨークを
    間に挾んで両側にヨークより摩擦係数の大きな部材を有
    する横行駆動車輪とからなることを特徴とする請求項1
    記載の管壁移動台車。
  3. 【請求項3】 上記横行駆動車輪が、横行方向前後に配
    置された一対の車輪で構成されると共にその一方の車輪
    が管と管との間の溝に係合しているときに他方の車輪が
    管断面の略頂部に位置する車輪中心間距離を有すること
    を特徴とする請求項1または2記載の管壁移動台車。
  4. 【請求項4】 上記走行方向切換機構が、上記管軸方向
    駆動車輪を有するベースに取り付けられ先端部が管壁面
    に係脱自在に係合して管壁面に吸着した管軸方向駆動車
    輪を離脱させる管軸方向駆動車輪離脱用シリンダと、上
    記横行駆動車輪を有するベースに取り付けられ先端部が
    管壁面に係脱自在に係合して管壁面に吸着した横行駆動
    車輪を離脱させる横行駆動車輪離脱用シリンダと、一方
    のベースを上記ヒンジを中心に回動させるベース回動用
    シリンダとから構成された請求項1記載の管壁移動台
    車。
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