JP3435208B2 - アルカリ電池 - Google Patents
アルカリ電池Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルカリ電池に使用す
るアルカリ電解液の改良に関し、詳しくは、水酸化カリ
ウム、水酸化ナトリウム等の水溶液からなるアルカリ電
解液に特定のサリチル酸アマイド化合物を含有させるこ
とにより、水素ガスの発生が抑制され、また、放電特性
の改良されたアルカリ電池に関するものである。 【0002】 【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】亜鉛を
負極活物質として用いたアルカリ電池の負極としては、
一般に、架橋型ポリアクリル酸、カルボキシメチルセル
ロース等のゲル化剤、20〜45重量%の水酸化カリウ
ム、水酸化ナトリウム等の水溶液に酸化亜鉛を飽和させ
た電解液及び亜鉛または亜鉛合金粉末を分散させた、所
謂ゲル状亜鉛が使用されている。 【0003】このようなゲル状亜鉛を負極として用いた
アルカリ電池においては、亜鉛の腐食反応により、電池
保存中に水素ガスが発生し、電池内圧が増加して電解液
が漏液するという問題があり、これが甚だしい場合に
は、電池の破裂という現象まで到る危険性すらあった。
亜鉛の腐食の原因は、亜鉛表面に鉄、ニッケル、クロ
ム、コバルト、モリブデン、タングステン等の重金属ま
たはその酸化物が析出することに由来することが知られ
ており、これを防止するために、上記亜鉛または亜鉛合
金粉末として水銀を含有する汞化亜鉛を用いることが一
般的に行われていた。 【0004】しかしながら、特にアルカリ電池において
は水銀の濃度が高いため、廃電池に含まれる水銀による
環境汚染が社会問題となり、低水銀化あるいは水銀を全
く用いない無水銀化を計ることが強く望まれるに至っ
た。 【0005】アルカリ電池の低水銀化あるいは無水銀化
を計るためには、上述の亜鉛腐食を抑制する方策が必要
であり、これまで、亜鉛負極の負極集電体表面の不純物
を化学研磨により除去する方法、水素過電圧の高い金属
を電解または無電解メッキする方法などが提案されてい
るが、操作が煩雑であるばかりでなく、製品品質のばら
つきが多いため実用上満足し得るものではなかった。 【0006】また、無汞化の亜鉛を用いることによっ
て、水素ガスの発生という問題が生じるばかりでなく、
亜鉛粒子間あるいは亜鉛粒子と集電体との接触が弱くな
るために電池の内部抵抗が高くなり、短絡電流や回路電
流が著しく低下し、大電流が取り出せて効率的な放電が
できるというアルカリ電池の特徴が損なわれるという問
題もあるが、上記の集電体の表面処理ではこのような問
題を解決することはできなかった。 【0007】これらの課題を解決するために、電解液に
界面活性剤を添加したり、キレート化剤を添加すること
も提案されているが、従来の方法では充分満足する効果
は得られていなかった。 【0008】従って、本発明の目的は、無汞化亜鉛を用
いた場合にも、水素ガスの発生を抑制し耐漏液性に優
れ、しかも、放電特性の改善されたアルカリ電池を提供
することにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明者等は、種々検討
を重ねた結果、アルカリ電解液に特定の化合物を添加し
たアルカリ電池が、上記目的を達成し得ることを知見し
た。 【0010】本発明は、上記知見に基づきなされたもの
で、亜鉛粉末または亜鉛合金粉末とアルカリ電解液とを
含有する負極を有するアルカリ電池において、上記アル
カリ電解液に下記〔化2〕(前記〔化1〕と同じ)の一
般式 (I)で表されるサリチル酸アマイド化合物を添加
したことを特徴とするアルカリ電池を提供するものであ
る。 【0011】 【化2】 【0012】以下、本発明のアルカリ電池について詳述
する。 【0013】本発明に用いられるサリチル酸アマイド化
合物において、上記一般式(I)中、Rで表される炭素
原子数1〜12のアルキル基としては、例えば、メチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブ
チル、イソブチル、ペンチル、イソペンチル、第二ペン
チル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、
第二オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、イソノニ
ル、デシル等の直鎖または分岐のアルキル基があげら
れ、炭素原子数1〜12のアルコキシ基としては、上記
アルキル基で置換されたアルコキシ基があげられる。上
記一般式(I)で表される化合物としては、特に、Rが
水素原子または炭素原子数1〜8のアルキル基もしくは
アルコキシ基である化合物が好ましい。 【0014】従って、上記一般式(I)で表されるサリ
チル酸アマイド化合物としては、例えば、N−(1,
2,4−トリアゾール−3−イル)サリチルアミド、N
−(1,2,4−トリアゾール−3−イル)−3−メチ
ルサリチルアミド、N−(1,2,4−トリアゾール−
3−イル)−5−メチルサリチルアミド、N−(1,
2,4−トリアゾール−3−イル)−5−第三オクチル
サリチルアミド、N−(1,2,4−トリアゾール−3
−イル)−4−メトキシサリチルアミド等があげられ
る。 【0015】上記サリチル酸アマイド化合物の添加量
は、後述のアルカリ電解液に対して、1〜10000重
量ppm (以下、単にppm で表す)が好ましく、10〜5
000ppm が特に好ましい。上記添加量が1ppm 未満で
は添加による効果がほとんど認められず、また、100
00ppm を超えて使用しても添加量に見合うだけの効果
の向上が認められず、無駄であるばかりでなく、結晶の
析出などの問題が生じるおそれがある。 【0016】また、本発明に用いられるアルカリ電解液
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の苛性アルカ
リの20〜45重量%水溶液であり、必要に応じて、該
水溶液に酸化亜鉛などを飽和させたものを使用すること
ができる。 【0017】本発明のアルカリ電池における負極は、亜
鉛粉末または亜鉛合金粉末と上記アルカリ電解液とを含
有するものであれば、特に制限されることなく通常のア
ルカリ電池に用いられているものを使用することができ
る。 【0018】上記亜鉛合金を構成する他の金属として
は、スズ、鉛、インジウムなどがあげられる。 【0019】また、本発明のアルカリ電池は、上記負極
の他、正極、集電体、ゲル化剤およびセパレーター等の
構成要件からなり、これらの構成要件については特に制
限を受けず、従来、アルカリ電池に用いられている種々
の材料をそのまま使用することができる。 【0020】上記構成からなる本発明のアルカリ電池
は、その形状には特に制限を受けず、偏平型(ボタン
型)、円筒型、角型等、種々の形状の電池として使用で
きる。 【0021】 【実施例】以下、実施例および比較例によって本発明を
さらに詳細に説明する。しかしながら、本発明は下記の
実施例によって制限されるものではなく、その要旨を変
更しない範囲において適宜変更して実施することができ
る。 【0022】実施例1 図1は、本発明のアルカリ電池の一態様であるLR6型
電池の断面図である。図1中、1は正極缶であり、この
正極缶1内には二酸化マンガンを主体とし、これと黒鉛
とを混合し、加圧成形して作成された正極合剤5と、ポ
リプロピレン製多孔膜よりなるセパレーター6と、亜鉛
粒子を含む負極7とが配設されている。また、上記正極
缶1の開口部には封口ガスケット3を介して負極端子板
2が取り付けられており、この負極端子板2は化学研磨
された真鍮製集電体4を介して上記負極7と電気的に接
続されている。 【0023】ここで、上記負極7は、N−(1,2,4
−トリアゾール−3−イル)サリチルアミドをアルカリ
電解液に対し20ppm (電池A1)、50ppm (電池A
2)、100ppm (電池A3)、500ppm (電池A
4)、1000ppm (電池A5)および2000ppm
(電池A6)添加した、40重量%の水酸化カリウム水
溶液に酸化亜鉛を飽和させたアルカリ電解液を、微粉末
ポリアクリル酸と架橋型ポリアクリル酸ソーダの1:1
混合物からなるゲル化剤によってゲル化し、このゲル中
に無汞化亜鉛を分散させることによって作成した。 【0024】比較例1 負極として、サリチル酸アマイド化合物無添加のアルカ
リ電解液を用いたもの(電池X1)、実施例1で使用し
たN−(1,2,4−トリアゾール−3−イル)サリチ
ルアミドに代えてエチレンジアミンテトラ酢酸を100
ppm (電池X2)および1000ppm (電池X3)添加
したアルカリ電解液を用いたものを作製した。 【0025】上記の電池を各々1000個製造し、60
℃、湿度90%の条件で40日間、80日間および12
0日間保存した時の漏液した電池の個数により耐漏液性
を評価した。また、これらの電池を一定抵抗(3.9
Ω)で電池電圧が0.9Vまで低下するまでの放電時間
を測定した。それらの結果を下記〔表1〕に示す。 【0026】 【表1】【0027】以上の結果から明らかなように、アルカリ
電解液に本発明に係る前記一般式(I)で表されるサリ
チル酸アマイド化合物を添加した場合(実施例1-1 〜1-
6 )は、高温・高湿下において保存しても水素ガスの発
生による漏液を防止することができるばかりでなく、放
電特性も著しく改善できる。これに対し、上記サリチル
酸アマイド化合物を添加しない場合(比較例1-1 )に
は、高温・高湿下において保存すると漏液が著しく、ま
た、上記サリチル酸アマイド化合物に代えて周知のキレ
ート剤を添加した場合(比較例1-2,1-3 )には、漏液の
防止には若干の効果は認められるものの不十分であり、
また、放電特性の改善効果はほとんど認められない。 【0028】 【発明の効果】本発明のアルカリ電池は、そのアルカリ
電解液に特定のサリチル酸アマイド化合物を添加するこ
とによって、無汞化亜鉛を用いた場合にも、水素ガスの
発生を抑制し耐漏液性に優れ、しかも、放電特性の改善
されたものである。
るアルカリ電解液の改良に関し、詳しくは、水酸化カリ
ウム、水酸化ナトリウム等の水溶液からなるアルカリ電
解液に特定のサリチル酸アマイド化合物を含有させるこ
とにより、水素ガスの発生が抑制され、また、放電特性
の改良されたアルカリ電池に関するものである。 【0002】 【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】亜鉛を
負極活物質として用いたアルカリ電池の負極としては、
一般に、架橋型ポリアクリル酸、カルボキシメチルセル
ロース等のゲル化剤、20〜45重量%の水酸化カリウ
ム、水酸化ナトリウム等の水溶液に酸化亜鉛を飽和させ
た電解液及び亜鉛または亜鉛合金粉末を分散させた、所
謂ゲル状亜鉛が使用されている。 【0003】このようなゲル状亜鉛を負極として用いた
アルカリ電池においては、亜鉛の腐食反応により、電池
保存中に水素ガスが発生し、電池内圧が増加して電解液
が漏液するという問題があり、これが甚だしい場合に
は、電池の破裂という現象まで到る危険性すらあった。
亜鉛の腐食の原因は、亜鉛表面に鉄、ニッケル、クロ
ム、コバルト、モリブデン、タングステン等の重金属ま
たはその酸化物が析出することに由来することが知られ
ており、これを防止するために、上記亜鉛または亜鉛合
金粉末として水銀を含有する汞化亜鉛を用いることが一
般的に行われていた。 【0004】しかしながら、特にアルカリ電池において
は水銀の濃度が高いため、廃電池に含まれる水銀による
環境汚染が社会問題となり、低水銀化あるいは水銀を全
く用いない無水銀化を計ることが強く望まれるに至っ
た。 【0005】アルカリ電池の低水銀化あるいは無水銀化
を計るためには、上述の亜鉛腐食を抑制する方策が必要
であり、これまで、亜鉛負極の負極集電体表面の不純物
を化学研磨により除去する方法、水素過電圧の高い金属
を電解または無電解メッキする方法などが提案されてい
るが、操作が煩雑であるばかりでなく、製品品質のばら
つきが多いため実用上満足し得るものではなかった。 【0006】また、無汞化の亜鉛を用いることによっ
て、水素ガスの発生という問題が生じるばかりでなく、
亜鉛粒子間あるいは亜鉛粒子と集電体との接触が弱くな
るために電池の内部抵抗が高くなり、短絡電流や回路電
流が著しく低下し、大電流が取り出せて効率的な放電が
できるというアルカリ電池の特徴が損なわれるという問
題もあるが、上記の集電体の表面処理ではこのような問
題を解決することはできなかった。 【0007】これらの課題を解決するために、電解液に
界面活性剤を添加したり、キレート化剤を添加すること
も提案されているが、従来の方法では充分満足する効果
は得られていなかった。 【0008】従って、本発明の目的は、無汞化亜鉛を用
いた場合にも、水素ガスの発生を抑制し耐漏液性に優
れ、しかも、放電特性の改善されたアルカリ電池を提供
することにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明者等は、種々検討
を重ねた結果、アルカリ電解液に特定の化合物を添加し
たアルカリ電池が、上記目的を達成し得ることを知見し
た。 【0010】本発明は、上記知見に基づきなされたもの
で、亜鉛粉末または亜鉛合金粉末とアルカリ電解液とを
含有する負極を有するアルカリ電池において、上記アル
カリ電解液に下記〔化2〕(前記〔化1〕と同じ)の一
般式 (I)で表されるサリチル酸アマイド化合物を添加
したことを特徴とするアルカリ電池を提供するものであ
る。 【0011】 【化2】 【0012】以下、本発明のアルカリ電池について詳述
する。 【0013】本発明に用いられるサリチル酸アマイド化
合物において、上記一般式(I)中、Rで表される炭素
原子数1〜12のアルキル基としては、例えば、メチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブ
チル、イソブチル、ペンチル、イソペンチル、第二ペン
チル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、
第二オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、イソノニ
ル、デシル等の直鎖または分岐のアルキル基があげら
れ、炭素原子数1〜12のアルコキシ基としては、上記
アルキル基で置換されたアルコキシ基があげられる。上
記一般式(I)で表される化合物としては、特に、Rが
水素原子または炭素原子数1〜8のアルキル基もしくは
アルコキシ基である化合物が好ましい。 【0014】従って、上記一般式(I)で表されるサリ
チル酸アマイド化合物としては、例えば、N−(1,
2,4−トリアゾール−3−イル)サリチルアミド、N
−(1,2,4−トリアゾール−3−イル)−3−メチ
ルサリチルアミド、N−(1,2,4−トリアゾール−
3−イル)−5−メチルサリチルアミド、N−(1,
2,4−トリアゾール−3−イル)−5−第三オクチル
サリチルアミド、N−(1,2,4−トリアゾール−3
−イル)−4−メトキシサリチルアミド等があげられ
る。 【0015】上記サリチル酸アマイド化合物の添加量
は、後述のアルカリ電解液に対して、1〜10000重
量ppm (以下、単にppm で表す)が好ましく、10〜5
000ppm が特に好ましい。上記添加量が1ppm 未満で
は添加による効果がほとんど認められず、また、100
00ppm を超えて使用しても添加量に見合うだけの効果
の向上が認められず、無駄であるばかりでなく、結晶の
析出などの問題が生じるおそれがある。 【0016】また、本発明に用いられるアルカリ電解液
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の苛性アルカ
リの20〜45重量%水溶液であり、必要に応じて、該
水溶液に酸化亜鉛などを飽和させたものを使用すること
ができる。 【0017】本発明のアルカリ電池における負極は、亜
鉛粉末または亜鉛合金粉末と上記アルカリ電解液とを含
有するものであれば、特に制限されることなく通常のア
ルカリ電池に用いられているものを使用することができ
る。 【0018】上記亜鉛合金を構成する他の金属として
は、スズ、鉛、インジウムなどがあげられる。 【0019】また、本発明のアルカリ電池は、上記負極
の他、正極、集電体、ゲル化剤およびセパレーター等の
構成要件からなり、これらの構成要件については特に制
限を受けず、従来、アルカリ電池に用いられている種々
の材料をそのまま使用することができる。 【0020】上記構成からなる本発明のアルカリ電池
は、その形状には特に制限を受けず、偏平型(ボタン
型)、円筒型、角型等、種々の形状の電池として使用で
きる。 【0021】 【実施例】以下、実施例および比較例によって本発明を
さらに詳細に説明する。しかしながら、本発明は下記の
実施例によって制限されるものではなく、その要旨を変
更しない範囲において適宜変更して実施することができ
る。 【0022】実施例1 図1は、本発明のアルカリ電池の一態様であるLR6型
電池の断面図である。図1中、1は正極缶であり、この
正極缶1内には二酸化マンガンを主体とし、これと黒鉛
とを混合し、加圧成形して作成された正極合剤5と、ポ
リプロピレン製多孔膜よりなるセパレーター6と、亜鉛
粒子を含む負極7とが配設されている。また、上記正極
缶1の開口部には封口ガスケット3を介して負極端子板
2が取り付けられており、この負極端子板2は化学研磨
された真鍮製集電体4を介して上記負極7と電気的に接
続されている。 【0023】ここで、上記負極7は、N−(1,2,4
−トリアゾール−3−イル)サリチルアミドをアルカリ
電解液に対し20ppm (電池A1)、50ppm (電池A
2)、100ppm (電池A3)、500ppm (電池A
4)、1000ppm (電池A5)および2000ppm
(電池A6)添加した、40重量%の水酸化カリウム水
溶液に酸化亜鉛を飽和させたアルカリ電解液を、微粉末
ポリアクリル酸と架橋型ポリアクリル酸ソーダの1:1
混合物からなるゲル化剤によってゲル化し、このゲル中
に無汞化亜鉛を分散させることによって作成した。 【0024】比較例1 負極として、サリチル酸アマイド化合物無添加のアルカ
リ電解液を用いたもの(電池X1)、実施例1で使用し
たN−(1,2,4−トリアゾール−3−イル)サリチ
ルアミドに代えてエチレンジアミンテトラ酢酸を100
ppm (電池X2)および1000ppm (電池X3)添加
したアルカリ電解液を用いたものを作製した。 【0025】上記の電池を各々1000個製造し、60
℃、湿度90%の条件で40日間、80日間および12
0日間保存した時の漏液した電池の個数により耐漏液性
を評価した。また、これらの電池を一定抵抗(3.9
Ω)で電池電圧が0.9Vまで低下するまでの放電時間
を測定した。それらの結果を下記〔表1〕に示す。 【0026】 【表1】【0027】以上の結果から明らかなように、アルカリ
電解液に本発明に係る前記一般式(I)で表されるサリ
チル酸アマイド化合物を添加した場合(実施例1-1 〜1-
6 )は、高温・高湿下において保存しても水素ガスの発
生による漏液を防止することができるばかりでなく、放
電特性も著しく改善できる。これに対し、上記サリチル
酸アマイド化合物を添加しない場合(比較例1-1 )に
は、高温・高湿下において保存すると漏液が著しく、ま
た、上記サリチル酸アマイド化合物に代えて周知のキレ
ート剤を添加した場合(比較例1-2,1-3 )には、漏液の
防止には若干の効果は認められるものの不十分であり、
また、放電特性の改善効果はほとんど認められない。 【0028】 【発明の効果】本発明のアルカリ電池は、そのアルカリ
電解液に特定のサリチル酸アマイド化合物を添加するこ
とによって、無汞化亜鉛を用いた場合にも、水素ガスの
発生を抑制し耐漏液性に優れ、しかも、放電特性の改善
されたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係るアルカリ電池(LR6
型)の断面図である。 【符号の説明】 1 正極缶 2 負極端子板 3 封口ガスケット 4 集電体 5 正極合剤 6 セパレーター 7 負極
型)の断面図である。 【符号の説明】 1 正極缶 2 負極端子板 3 封口ガスケット 4 集電体 5 正極合剤 6 セパレーター 7 負極
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 昭61−208753(JP,A)
特開 平2−306538(JP,A)
特開 平2−204966(JP,A)
特開 平3−29270(JP,A)
特開 平2−129853(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
H01M 6/06
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 亜鉛粉末または亜鉛合金粉末とアルカリ
電解液とを含有する負極を有するアルカリ電池におい
て、上記アルカリ電解液に下記〔化1〕の一般式 (I)
で表されるサリチル酸アマイド化合物を添加したことを
特徴とするアルカリ電池。 【化1】
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7615994A JP3435208B2 (ja) | 1994-04-14 | 1994-04-14 | アルカリ電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7615994A JP3435208B2 (ja) | 1994-04-14 | 1994-04-14 | アルカリ電池 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07282815A JPH07282815A (ja) | 1995-10-27 |
JP3435208B2 true JP3435208B2 (ja) | 2003-08-11 |
Family
ID=13597283
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7615994A Expired - Fee Related JP3435208B2 (ja) | 1994-04-14 | 1994-04-14 | アルカリ電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3435208B2 (ja) |
-
1994
- 1994-04-14 JP JP7615994A patent/JP3435208B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH07282815A (ja) | 1995-10-27 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
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R350 | Written notification of registration of transfer |
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