JP3435139B2 - 歯科鋳造用銀合金 - Google Patents

歯科鋳造用銀合金

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯科用、特に歯
冠、クラスプ、バーなどに使用される歯科鋳造用銀合金
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の歯科鋳造用合金は、歯冠修復用な
どに使用され、物理的、化学的、機械的に優れた性質を
具備し、さらに人体に害がなく、さらに美麗で審美性に
優れたものが要求される。さらに、これらの合金には、
歯科技工士に扱いやすく、鋳造しやすく、加工しやすい
など、扱いやすさが求められている。このような要求に
適う歯冠修復用合金として、銀系の歯科鋳造用銀合金
は、人体に害がなく、審美性にも優れていることから、
各種開発されており、JIS T6108にも歯科鋳造
用銀合金の規格が定められ、健康保険適用の合金とされ
ている。そして、例えば特公平6−65730号に、重
量比で、In:10〜30%、Zn:0.1〜10%、
Pd:0.01〜0.5%、Pt:0.01〜5%の歯
科鋳造用銀・インジウム合金が開発されている。
【0003】ところで、上記のように種々の歯科鋳造用
銀合金が開発されているが、これらの歯科鋳造用銀合金
の場合であっても、なお弾力性に乏しく、したがって強
度に劣り、耐食性にも劣り変色するなどの問題点があ
る。上記の特公平6−65730号のものは一応クラウ
ンに作成し使用され、引張強さは約370MPa余であ
るが、クラスプやバーなどとしては、さらに高い引張強
さが求められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、歯科鋳造用銀合金において、少なくとも4
30MPaの引張強さを有しクラスプやバーとしての機
械的特性の信頼性が高く、人に対しての害もなく、耐食
性に優れて容易に変色することなく審美性に優れ、か
つ、操作性にも優れており、かつ、JIS T6108
に適合する歯科鋳造用銀合金を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決する本
発明の手段は、請求項1の発明では、質量%で、In:
9〜16%、Zn:9〜16%、Sn:0.1〜5%、
Co:0.1〜6%、Cu:0.1〜5%を含有し、さ
らにCa−SiまたはSi:0.1〜3%を含有し、
お、さらにPt:0.01〜5%、Pd:0.01〜5
%から選択した1種または2種を含有し、残部Agから
なり、かつ、Agは少なくとも60%を含有しているこ
とを特徴とする歯科鋳造用銀合金である。
【0006】請求項2の発明では、請求項1の手段にお
ける歯科鋳造用銀合金の合金成分に加えて、質量%で、
Ir:0.01〜3%を含有し、残部Agからなり、か
つ、Agは少なくとも60%含有していることを特徴と
する歯科鋳造用銀合金である。
【0007】上記の本発明の歯科鋳造用銀合金における
合金成分の成分範囲の限定理由を説明する。以下%は質
量%を示す。
【0008】In:9〜16% Inは、銀合金の強度及び耐食性に有効な元素である
が、Inが9%より少ないと必要な耐食性が得られず、
変色を生じ、強度が劣ることとなる。一方、16%を超
えて入れると脆化する。そこでIn:9〜16%とす
る。
【0009】Zn:9〜16% Znは、脱酸効果およびIn同様に強度及び耐食性に有
効な元素であるが、Znが9%より少ないと脱酸効果が
得られず、必要な耐食性も得られず、変色を生じ、強度
が劣ることとなる。一方、16%を超えて入れると湯流
れが悪くなって鋳造性が劣化し、合金の色調が劣化し、
さらに脆化する。そこでZn:9〜16%とし、好まし
くは10%超〜16%とする。
【0010】Sn:0.1〜5% Snは、銀合金の強度を高め、耐食性を向上させる。し
かし、0.1%より少ないと効果が得られず、5%を超
えると耐食性がInよりよく効くので向上するが、脆化
する。そこでSn:0.1〜5%とする。
【0011】Co:0.1〜6% Coは、靱性に乏しく強度の低い銀合金に添加すること
で、銀合金に靱性を与えて強度を向上させる。ところで
Coは融点が1500℃に近い高融点であるので、低融
点の金属と合金化しにくい。しかし、溶解方法はTiが
真空溶解を必要とするのと異なり、大気溶解ができる。
すなわち、都市ガスとエアーを混合炎としてブローパイ
プ溶解方法が採用でき、コストが易く簡便であり、歯科
技工士に容易である。銀合金にCoを入れると、粘りが
でて靱性は高まるが、多く入れ過ぎると鋳造欠陥が発生
し、良好な歯科補綴物が得られない。Coの下限を0.
1%としたのは、0.1%より少ないと靱性改善の効果
が得られず、6%を超すと高融点のためブローパイプ溶
解が困難となって合金化が難しく、さらに、液相点が1
000℃を超えるとき、JIS T6108の第2種の
規格外となる。さらに歯科技工士にとって扱い難くな
る。そこでCo:0.1〜6%とする。本発明はこのC
oを含有することに最も特徴を有するものである。
【0012】Cu:0.1〜5% Cuは、銀合金の強度を向上させ、粘性がでる。しか
し、0.1%より少ないと強度、粘性向上の効果がで
ず、5%を超えると耐食性を劣化する。そこでCu:
0.1〜5%とする。
【0013】Ca−SiまたはSi:0.1〜3% Ca−SiまたはSiは、Coの脱酸剤で、これが入ら
なければCoの合金化がなりにくい。さらにAgその他
の金属とのつなぎの役目をしている。
【0014】Pt、Pd:0.01〜5% Pt、Pdは、銀合金の強度を高め、弾力を上げ、耐食
性を改善する。0.01%より少ないと効果がでず、し
かし、高価であるのでコストを上昇する。さらに、JI
S T6108の第2種で白金族元素10%以下と規定
されている。そこでPt、Pd:0.01〜5%とす
る。
【0015】Ir:0.01〜3% Irは、結晶粒を微細化し強度を上昇させる。0.01
〜3%より少ないと効果がなく、3%より多いとコスト
が上昇する。そこでIr:0.01〜3%とする。
【0016】なお、Agが70%を超えてくるとAgS
となり、耐食性が劣ってくる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を以下の実施
例を通じて説明する。高純度のAg、In、Cu、Ca
−Si、SiおよびPt、Pd、Irを用意し、これら
を表1に示す実施例No.1〜5の成分分量の合金をブ
ローパイプ方法により溶製する。これらの銀合金をJI
S T6108に規定する方法により引張強さ、伸び、
硬度、耐色性を調査して表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】この結果、引張強さはいずれも431MP
a以上あり、伸びは4%以上で、JIS T6108に
規定する引張強さ295MPa以上を大幅に上回ってお
り、さらに伸び3%以上をも満足しており、さらに硬度
は185Hv以上と高く、従って、歯冠、クラスプ、バ
ーとしての機械的特性において、極めて好結果を示すも
のであった。耐色性においても殆ど変色することなく結
果は良であった。本発明はCuが入っており、極く僅か
黄色みのある暖色であった。また、鋳造性は良好で湯流
れも良好で、補綴物の作成において現用の銀合金より優
れていても劣ることはなかった。
【0020】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明は、Co
を含有することで、極めて靱性の高い銀合金が得られ、
しかも適正なCo含有量とすることで鋳造性を妨げるこ
となく作業性に優れ、機械的強度が高まる結果、優れた
クラスプ、バーが得られ、さらに耐食性にも優れ変色す
ることもない従来の銀系合金に比して極めて優れた歯科
用鋳造銀合金が得られ、優れた効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−39218(JP,A) 特開 昭55−47354(JP,A) 特開2001−220629(JP,A) 国際公開98/044894(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 5/00 - 5/08 A61C 13/20 A61K 6/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 質量%で、In:9〜16%、Zn:9
    〜16%、Sn:0.1〜5%、Co:0.1〜6%、
    Cu:0.1〜5%を含有し、さらにCa−Siまたは
    Si:0.1〜3%を含有し、なお、さらにPt:0.
    01〜5%、Pd:0.01〜5%から選択した1種ま
    たは2種を含有し、残部Agからなり、かつ、Agは少
    なくとも60%を含有していることを特徴とする歯科鋳
    造用銀合金。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の歯科鋳造用銀合金の合
    金成分に加えて、質量%で、Ir:0.01〜3%を含
    有し、残部Agからなり、かつ、Agは少なくとも60
    %含有していることを特徴とする歯科鋳造用銀合金。
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