JP3434818B2 - 赤痢菌同定用核酸プローブ - Google Patents

赤痢菌同定用核酸プローブ

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Description

【発明の詳細な説明】
発明の背景 バーギーズ分類微生物マニュアル(Bergey's Manual
for Systematic Bacteriology)(N.R.クリーグ編(N.
R.Krieg)pp.423−427(1984))で分類されているよう
に、赤痢菌には4種類がある(主要血清群)。志賀赤痢
菌(S.dysenteriae)(A群)、フレクスナー赤痢菌
(S.flexneri)(B群)、ボイド赤痢菌(S.boydii)
(C群)、ソンネ赤痢菌(S.sonnei)(D群)。これら
の血清群は、さらに血清型に分類される。(表1)赤痢
菌と大腸菌は系統発生的に親密な関係にある。ブレナー
(Brenner)らは、DNA/DNA再会合実験に基づき、2つが
もっとよく考えられた同胞種であることを示唆した。
(D.J.ブレナーら(D,J.brenner et al.)Internationa
l J.Systematic Bacteriology,23:1−7(1973))これ
らの研究により赤痢菌は、DNAレベルで大腸菌と平均80
−89%関係があると示された。赤痢菌同士の関係もまた
平均80−89%である。血清型13のボイド赤痢菌は他の血
清型赤痢菌や大腸菌と65%しか関係がないという点で非
典型的である。 赤痢菌はヒトにたいして発病性を持つ。10から100の
菌の感染というレベルで赤痢が起きる。対照的に、大部
分の大腸菌(9000 0:H血清型)は、下痢とは関係がな
い。病原性血清型大腸菌は、腸内毒性大腸菌(EVEC)と
集合的に呼ばれる。(J.R.ラプスキーら(J.R.Lupskie,
et al.),J.Infectious Disease,155:377−389(198
7);M.A.カーマリ(M.A.Karmali).Clinical Microbiol
ogy Reviews,2:15−38(1989))この群には少なくとも
5つのサブクラスの大腸菌が含まれており、それぞれが
下痢にいたる特徴的な発病経路を持っている。サブクラ
スには、腸内毒素産生大腸菌(ETEC),ベロ毒素産生大
腸菌(VTEC),腸内病原性大腸菌(EPEC),腸内接着性
大腸菌(EAEC),腸内侵襲性大腸菌(EIEC)が含まれ
る。腸内出血性大腸菌(EHEC)は、ベロ毒素を産生する
のでVTECに含まれる。 腸内侵襲性大腸菌による発症は、赤痢菌のそれと非常
によく似ている。どちらにおいても、結腸上皮細胞の侵
襲が起き、下痢と共に血液と粘液の放出にいたる細胞内
増殖が起きて赤痢となる。 それで、赤痢菌とEIECの同定は、様々な医学的状況に
おいて重要な意味を持つ。例えば、便のサンプル中に赤
痢菌かEIECが存在すれば、胃腸炎を示唆することにな
り、それらの存在をスクリーニングできれば、胃腸炎の
処置と管理に有益である。食物のような様々な媒介物中
における赤痢菌とEIECの同定はまた、胃腸炎の拡散防止
においても重要だ。 現在、便のサンプル中の赤痢菌の存在は、それらのバ
クテリアの増殖にふさわしい条件の微生物培地上で適当
に調製したサンプルを培養することによって同定してい
る。生じるコロニーの微生物学的、生化学的特徴を調べ
る。その過程は、普通少なくとも3日かかり、たくさん
のサンプルを処理することはできない。しかし、普通便
の中に存在する多くの非病原性大腸菌の中でEIECを同定
するのに必要な血清型分けの困難さのために病院は便中
のEIECの存在をテストしない。 発明の要約 本発明は、核酸プローブを用いる赤痢菌と腸内侵襲性
大腸菌(EIEC)のバクテリアの同定法に関する。さらに
本発明は、非赤痢菌DNAに対するサブトラクティブハイ
ブリダイゼイションにより単離された赤痢菌特異的染色
体配列及び断片、そして赤痢菌特異的断片由来のプロー
ブに関する。またプローブは、赤痢菌ompA遺伝子の配列
に由来する。特に約40ヌクレオチドの一連のプローブ
は、赤痢菌に対する、あるいは赤痢菌と腸内侵襲性大腸
菌の両方に対する特異性を持ち、高い感度を得るのに増
幅を必要とする非アイソトープテストで利用できるデザ
インされている。加えて、腸内侵襲性株大腸菌ばかりで
なくソンネ赤痢菌、フレクスナー赤痢菌、ボイド赤痢
菌、志賀赤痢菌を含む全ての臨床的に重要な血清型赤痢
菌を十分同定できる特異的ハイブリダイゼイションプロ
ーブセットが開発された。本発明のプローブやプローブ
セットは赤痢菌や腸内侵襲性大腸菌同定の多くの形式の
ハイブリダイゼイションで使用可能である。例えば、サ
ンプル中の細胞を溶解し、赤痢菌やEIEC DNAとプローブ
のハイブリダイゼイションに適当な条件下でDNAプロー
ブセットとサンプルを接触させ、プローブとサンプルDN
Aとで形成された結合物を捕らえ、適当な方法でサンプ
ル中における赤痢菌とEIECの存在の指標として結合物を
同定することにより、サンプル中の1種以上の赤痢菌や
1種以上のEIECの存在は決定される。 図の簡潔な記載 図1は、“標的"DNAからの赤痢菌特異的DNA配列の単
離と標的DNAクローンのライブラリーからの赤痢菌特異
的断片の単離の方法を示したフローチャートである。 図2は、赤痢菌特異的断片NT6のヌクレオチド配列(S
EQ ID NO:1)と近接配列、及びこれらの配列に由来する
プローブ1500(SEQ ID NO:14),1501(SEQ ID NO:15),
1911(SEQ ID NO:16)の位置と配列を示している。 図3は、赤痢菌特異的断片NT11−2(SEQ ID NO:2)
のヌクレオチド配列、及びこの断片に由来するプローブ
1682(SEQ ID NO:17),1683(SEQ ID NO:18),1708(SE
Q ID NO:19),1709(SEQ ID NO:20)の位置と配列を示
している。 図4は、ソンネ赤痢菌から単離されたクラスIII反復
を含む、赤痢菌特異的断片NT14(SEQ ID NO:4)とNT15
(SEQ ID NO:3)のヌクレオチド配列、及びこれらの断
片に由来するプローブ1864(SEQ ID NO:22),437(SEQ
ID NO:21)の位置と配列を示している。大腸菌(E.c.1;
SEQ ID NO:5;E.c.2;SEQ ID NO:6 SEQ ID NO:7)とフ
レクスナー赤痢菌(S.f.;SEQ ID NO:8 SEQ ID NO:9)
から単離された3つのクラスIII反復の配列も示されて
いる。 図5は、赤痢菌特異的断片NT18−1a(SEQ ID NO:10)
の配列、及びこの断片に由来するプローブ1712(SEQ ID
NO:23),1713(SEQ ID NO:24)の位置と配列を示して
いる。 図6は、赤痢菌特異的断片NT19−2(SEQ ID NO:11)
の配列、及びこの断片に由来するプローブ1684(SEQ ID
NO:25),1685(SEQ ID NO:26)の位置と配列を示して
いる。 図7は、志賀赤痢菌(S.d.)ompA遺伝子(SEQ ID NO:
12)の配列の一部、及びompA遺伝子配列に由来するプロ
ーブ1706(SEQ ID NO:27),1707(SEQ ID NO:28)の位
置と配列を示している。同じ領域に相当する大腸菌(E.
c.)ompA遺伝子配列(SEQ ID NO:13)が比較のため示さ
れている。 発明の詳細な記載 赤痢菌特異的プローブの開発に興味を持つこれまでの
研究者は、毒性プラスミド標的としてきた。赤痢菌とEI
ECは、侵襲に必須の約140MD(215キロベースペア)のシ
ングルコピー毒性プラスミドを持っている。(T.L.ヘイ
ル(T.L.Hale),Infection and Immunity,40:340−350
(1983))たとえば、U.S.特許No.4,816,389(サンスネ
ッティら(Sanscnetti et al.))は、毒性プラスミド
の27キロベースペア(kb)領域が侵襲に必要であること
を証明している。これらの研究者は、バクテリアあたり
1コピー存在する毒性プラスドが不安定であり、プラス
ミドの一部が欠失しているであろうことを示した。研究
室に貯蔵したり移動させたりした赤痢菌やEIEC株は、し
ばしばサイズが縮んだ毒性プラスミドを持っていること
が分かった。(C.ササカワら(C.Sasakawa et al.),In
fection and Immunity,51:470−475(1986);A.T.モウ
レリら(A.T.Maurelli et al.),Infection and Immuni
ty,43:397−401)サンソネッティら(Sansonetti et a
l.)のプローブは、27kb領域に由来していたが、その領
域は不安定な部分の一つであることが示された。(P.K.
ウッド(P.K.Wood),J.Clinical Microbiology,24:498
−500(1986))27kb標的領域の一部を持たない赤痢菌
やEIECの株は、プローブによって同定されないし非赤痢
菌や非EIECとして誤って認識される。 さらに、27kbプローブ領域は腸内細菌に普遍的な挿入
要素1(IS1)を含んでいる。(M.ヴェンカテサンら
(M.Venkatesan et al.),J.Clinical Microbiology,2
6:261−266(1988))その領域はまた少なくとも1コピ
ーの挿入要素600(IS600;S.マツタニら(S.Matustani e
t al.),J.Molecular Biology,196:445−455(1987))
を含んでいる。このことは、赤痢菌やEIECばかりでな
く、病原性、非病原性両方の大腸菌においてもしばしば
起きる。(未発表の結果)これらの広く分布した挿入要
素の存在と27kb領域からデザインしたプローブの巨大な
サイズは、高い感度を得るために増幅を必要とする非ア
イソトープテストでのこれらのプローブの有用性を下げ
ることになる。 対照的に、本発明は、(1)赤痢菌の染色体配列に由
来する赤痢菌特異的断片より開発され、(2)それぞれ
約40ベースという適当なサイズであるプローブとプロー
ブセットと関連がある。プローブにより同定される、毒
性プラスミドの配列に相当する染色体配列の安定性が上
昇することにより、同定の信頼性が上昇する。さらに、
適当なサイズのプローブは、高い感度を得るために増幅
を必要とする非アイソトープテストで有用である。赤痢
菌特異的断片とそれらに由来するプローブはまた、他の
形式においてハイブリダイゼイションプローブとしても
有用である。赤痢菌染色体由来の断片にはまた、侵襲性
プラスミドや他のプラスミド上にエピソームとして存在
しているものもある。 具体的に述べると、本発明は、本質的に次のような配
列を持つ核酸から成る核酸プローブセットを特色として
いる。 a. ソンネ赤痢菌(ATCC 29930,指名型株)と2a型フレ
クスナー赤痢菌(ATCC 29903,指名型株)の代表的バク
テリアの染色体配列に由来するがこれらのバクテリアの
全染色体配列より小さい配列。 b. 4つの既知の赤痢菌のDNAと腸内侵襲性大腸菌(EIE
C)にハイブリダイズできる配列。 c. 赤痢菌でもEIEC群でもないバクテリアのDNAに完全
に、あるいは弱くしかハイブリダイズできない配列。 このように用いる場合、“染色体配列由来の”配列断
片やオリゴヌクレオチドは、染色体配列に同一か相補的
な配列、あるいは染色体配列の変異体に同一か相補的な
配列を持つ、天然あるいは工業的あるいは合成分子であ
る。選択的染色体配列の変異体に同一か相補的な配列断
片やオリゴヌクレオチドは(変異体は染色体配列と配列
が異なる)、選択的染色体配列に同一か相補的な配列断
片やオリゴヌクレオチドの相同物である。このタイプの
相同物は、染色体配列に十分似たヌクレオチド配列を持
ち、希望された、選択的染色体配列に同一の断片やオリ
ゴヌクレオチドの持つ機能を保持している(染色体配列
に同一か相補的な配列断片やオリゴヌクレオチドがハイ
ブリダイズできる核酸に、同様のハイブリダイゼイショ
ン条件下で十分同様にハイブリダイズできる)。相同物
はおそらく染色体配列と異なる配列を持ち、修飾された
ヌクレオチドやヌクレオチドアナログを含んでいる(例
えばフォスフォロチオエート(phosphorothioates)、
メチルフォスフォネイト(methilphosphonates))。相
同物は、染色体配列に同一か相補的な配列断片やオリゴ
ヌクレオチドがハイブリダイズできる核酸に、同様のハ
イブリダイゼイション条件下で同様にハイブリダイズで
きなくてはならない。熟練者の間で、2本鎖DNA配列の
どちらの1本鎖でも相補プローブの標的として機能でき
るということが知られている。得られたプローブの相補
物は、同様のハイブリダイゼイション条件下で十分に同
様のハイブリダイゼイションパターンを持つと考えられ
る。プローブはおそらく、DNAかRNA、あるいは修飾され
たDNAかRNAである。 染色体配列、相同物、前述の物すべての相補物由来の
配列を含む核酸断片やオリゴヌクレオチドはプローブと
して使用できるだろう。例えば、赤痢菌特異的断片、そ
の一部分、赤痢菌特異的断片由来のオリゴヌクレオチド
は、ハイブリダイゼイションプローブとして使用できる
だろう。 具体的に述べると、合成核酸プローブ(約40ヌクレオ
チド)の2つのプローブセットのどちらもがソンネ赤痢
菌、フレクスナー赤痢菌、ボイド赤痢菌、志賀赤痢菌を
含む全ての臨床的に重要な血清型赤痢菌を十分同定でき
る。臨床的に重要な血清型や分離物とは、ヒトに対して
病原性を持つものである。加えて、これらのプローブセ
ットは、大腸菌の腸内侵襲性株の一部あるいは全てを認
識し、エスケリチアフェルグソニ(Escherichia fergus
onii)を除き、試されたその他の腸内バクテリアは認識
しない。 本発明はさらに、サンプル中の赤痢菌やEIECの同定方
法と関連がある。例えば、サンプル中の細胞を溶解し、
本発明の核酸プローブとサンプルをプローブがサンプル
中の赤痢菌やEIEC DNAとハイブリダイズするような条件
下で接触させ、結合核酸複合体を形成させ、プローブと
サンプル中のDNAで形成された結合核酸複合体を単離
し、サンプル中の赤痢菌やEIECの指標として結合核酸複
合体を同定することによりサンプル中に存在する1つ以
上の赤痢菌血清型やEIECを同定することができる。例え
ば、サンプル中の赤痢菌やEIECの存在を確認するため
に、臨床的標本(例えば、便)、環境的標本(例えば、
水)、食物標本をそのようなテストに用いることができ
る。 より具体的に方法を述べると、1つ以上のプローブの
組が、2重プローブ溶液ハイブリダイゼイションで用い
られる捕獲プローブと同定プローブのペアーとして選択
される。これらのプローブは、化学合成法や酵素合成法
で合成される。それらは、おそらくもっと大きな分子の
一部として合成される。例えば、酵素ターミナルデオキ
シヌクレオチドトランスフェラーゼ(terminal deoxynu
cleotidyl transferase)を用いて、捕獲プローブにデ
オキシアデノシン3リン酸(dATP)残基150−200の尾を
つけることができる。同定プローブを、ビオチン−スト
レプトアヴィジン−アルカリフォスファターゼシステム
(biotin−streptabidin−alkaline phosphatase syste
m)のような増幅/同定システムに組み込むことができ
る。捕獲プローブと同定プローブの両方を、サンプルか
らの競合核酸のバックグランドの中で標的核酸とハイブ
リダイズさせることができる。ハイブリダイズ産物は、
普通14残基以上のデオキシチミヂン1リン酸の尾と結合
した磁気ビーズによって混合物から捕らえられる。捕ら
えられたハイブリダイズ産物(磁気ビーズに付着したり
捕らえられたもの)は、選択された増幅/同定システム
により同定される。 赤痢菌特異的なDNA断片の単離 赤痢菌に特異的なゲノム配列は、ビオチン−ストレプ
トアビジン−アガロース親和性カラムクロマトグラフィ
ー法を用いたサブトラクトハイブリダイゼーションによ
り単離した。ビオチン−ストレプトアビジン−アガロー
ス親和性カラムクロマトグラフィー法に関してはここに
参考文献として挙げるLanger等(Langer,P.R.et al.,P
roc.Natl.Acad.Sci.USA,78:6633−6637(1981))およ
びWelcher等(Welcher,A.A.et al.,Nucleic Acids R
es.,14:10027−10044(1986))の記した方法に従っ
た。方法の概略を図1に示す。 ここでは一例として図1に記すように複合的なDNAコ
ンペティターが混合したような、競合DNAの混合物を用
いる。一般に複合的なコンペティターDNAの混合物は、
一種以上の腸内出血性大腸菌、腸内毒性大腸菌、非病原
性の大腸菌から調製された(標的DNAに対して)過剰量
のDNAである。既に回収された赤痢菌特異的な配列や、
非特異的な配列を取り除くように人為的に作製した配列
を、この混合物にさらに含有させることもできる。たと
えばpHS4033のような赤痢菌溶菌プラスミドの17kb領域
を含んだプラスミドや、クラスIII反復DNA、M13mp18 R
F DNAを混ぜることもできる。 ここで特に用いた複合コンペティターDNA混合物は、
腸内出血性大腸菌菌株であるIG3040、腸内毒性大腸菌菌
株であるIG3060、非病原性の大腸菌(YMC)のそれぞれ
から調製したもので、質量にして(標的DNAに比べて)
6倍の過剰量のDNAである。この混合物は、さらに質量
にして標的DNAと同量の以下に挙げる諸成分を含んでい
る。赤痢菌溶菌プラスミド(プラスミドpHS4033、Boile
au、C.R.et al.,J.Clin.Microbiol.20(5):959−961
(1984))の17kb領域をクローン化してもつpBR322,M13
mp18 RF DNA、およびクラスIII反復(Class III R−
IG900)をpBR322にクローン化したもの(1.3kbのクラス
III反復配列と隣接する染色体DNAをpBR322にクローン化
したもの。挿入された全長は3.5kb)。この全混合物を
ニックトランスレーション法を用いて、ビオチン−11−
dUTPでラベルした。特異的な配列を同定するための“標
的DNA"は、単一の赤痢菌種からDNAを調製し、制限酵素S
au3Aにより消化した後、末端をDNAポリメラーゼIによ
る反応で平滑化する際に32Pでラベルすることにより単
離した。 競合するDNAが、赤痢菌DNAに比して20−40倍のモル量
過剰になるよう二種のDNA試料を混合した。混合物を変
性し、溶液のまま緩い条件下で一晩ハイブリダイゼーシ
ョンした。ハイブリダイゼーション緩衝液の組成は0.75
M NaCl、50mM NaPO4、1mM EDTA、0.05% SDS、40%
ホルムアミドである。この後ハイブリダイゼーションし
た混合物をストレプトアビジン−アガロースカラムに通
した。赤痢菌DNA配列の中でコンペティターDNAに対して
十分な相補性を持ち、ここで用いた条件下でハイブリッ
ドを形成したものは、コンペティターDNAに取りこまれ
たビオチンのためストレプトアビジン−アガロース親和
性カラムに吸着される。これに対し、こうした条件下で
ハイブリッドを形成できなかった配列はカラムを素通り
した核酸の画分に濃縮される。この後者の配列には赤痢
菌特異的な配列が含まれることになる。(既に32Pでラ
ベルされた)赤痢菌特異的な配列が濃縮されたDNA溶液
の少量をプローブに用いて、赤痢菌および大腸菌の特定
のDNA(それぞれ0.1μg量のDNAを3μlとしてニトロ
セルロース上にスポットしてある)の検索を行った。ハ
イブリダイゼーションの条件は以下に述べる実施例IIの
ニックトランスレーションした断片と同様である。大腸
菌のコンペティターDNAとクロスハイブリダイゼーショ
ンが見られたことから、赤痢菌の“標的"DNAのさらなる
濃縮が必要であることがわかった。典型的な場合、クロ
スハイブリダイゼーションを除くためには、ビオチン化
された大腸菌コンペティターDNAに対して競合ハイブリ
ダイゼーションを4回行わなければならなかった。こう
した操作の際には競合ハイブリダイゼーションと親和性
吸着のサイクルを繰り返し、前のサイクルでカラムを通
過してきた赤痢菌DNAを次のサイクルの初期材料として
用いた。この方法によって、ラベルされた赤痢菌の標的
DNAが、各サイクル毎に徐々に赤痢菌特異的な配列とし
て濃縮された。 次に赤痢菌特異的配列が濃縮された核酸をプローブに
用いて、サブトラクトハイブリダイゼーションの“標的
DNA"として用いたのと同じ赤痢菌菌株のSau3Aライブラ
リーを検索した。用いたライブラリーはpUC18をプラス
ミドベクターとして構築したものである。ポジディブな
クローンから挿入(断片)をベクターと分離回収し、ニ
ックトランスレーションにより32Pでラベルした後、こ
のプローブに関して、実施例IおよびIIに記すように包
括性または排他性をもつ生物種の微少量サイドドットパ
ネルを検索した。あるプローブを用いた特定のハイブリ
ダイゼーションの条件下で、ある生物種のDNAがこれと
ハイブリダイズするならば、この生物種に対するプロー
ブの包括性が示されたことになる。一方他の生物種のDN
Aと同条件下でハイブリダイズしなければ(あるいはハ
イブリダイゼーションがかろうじて検出できるような場
合には)、この生物種に対するプローブの排他性が示さ
れたことになる。 多くの場合、包括性のある生物種に対するハイブリダ
イゼーションはコンペティターまたは排他性のある生物
種に対するハイブリダイゼーションよりもはるかに強
い。必要な場合にはサブクローニングを行い、コンペテ
ィターとクロスハイブリダイゼーションする配列を除い
た。除いた後でニックトランスレーションにより32Pで
断片をラベルし、これをプローブとして包括性または排
他性に関して生物種の細胞ドットパネルを完全に検索し
た。 包括性をもつ生物種のパネルは、赤痢菌としての既知
のあらゆる血清型を示す細菌、および赤痢菌と同様の病
原性を持つ腸内浸潤性の大腸菌により構成される。これ
らの生物種は表2から表6に挙げた。排他性をもつ生物
種のパネルは非病原性の大腸菌、腸内毒性大腸菌、腸内
病原性大腸菌、腸内出血性大腸菌、および他の大腸菌種
とグラム陰性の腸内細菌から構成される。排他性をもつ
生物種を表6と表7a/7bに挙げた。 表中においては、実験用に用いた条件下でシグナルが
なかったものを(−)、かろうじて検出できたものを
(+/−)または(−/+)、弱いが再現性のあるシグ
ナルおよび容易に検出できるシグナルを(+)、適度の
シグナルを(++)、強いシグナルを(+++)、ポジ
ティブコントロール(DNA断片の単離に用いた生物種のD
NA、または用いているプローブと同一の既知の配列)に
匹敵するシグナルを示す。サブトラクトハイブリダイゼ
ーションにより同定されたゲノム(染色体)DNA断片、
および以上に記載した精製の実験操作を赤痢菌特異的DN
A断片と呼ぶものとする。 1.赤痢菌特異的DNA断片NT19−2(SEQ ID NO:11)お
よびNT18−1a(SEQ ID NO:10)はフレクスナー赤痢菌
(Shigella flexneri)(ATCC 29903)ゲノムクロー
ンライブラリーから単離された。単離に際しては32Pで
ラベルされたフレクスナー赤痢菌(ATCC 22903)の
“標的"DNAから、上記のサブトラクトハイブリダイゼー
ション段階に記した“複合コンペティターDNA混合物”
を用いて同定した赤痢菌特異的配列をプローブとして、
ライブラリーを検索した。 2.赤痢菌特異的DNA断片NT6(SEQ ID NO:1を参照)、N
T11−2(SEQ ID NO:2)、NT14(SEQ ID NO:4)、N
T15(SEQ ID NO:3)はソンネ赤痢菌(Shigella sonn
ei)(ATCC 29930)ゲノムクローンライブラリーから
単離された。単離に際しては、単一の非病原性大腸菌
(YMC)のDNAと1μgのpBR322ベクターDNAをサブトラ
クトハイブリダイゼーションのコンペティターDNAと
し、32Pでラベルされたソンネ赤痢菌(ATCC 22930)の
“標的"DNAから同定した赤痢菌特異的な配列をプローブ
にして、ライブラリーを検索した。このサブトラクトハ
イブリダイゼーションにおいてはストレプトアビジン−
アガロースではなくアビジン−アガロースを親和性カラ
ムに用いた。 包含性のある生物種および排他性のある生物種に対す
る、これらの赤痢菌特異的配列のハイブリダイゼーショ
ンの結果は表2−7に記した。さらにこれまでに発表さ
れているデータ(G.Braun,et al.,Nucleic Acids Re
search,10:2367−23781982))から、志賀赤痢菌(Shig
ella dysenteriae)の外膜タンパク質遺伝子(ompA)
の配列(SEQ ID NO:12)と大腸菌のompAの配列(SEQ
ID NO:13)の比較を行い、一連のompAプローブを開
発した。これらの二つのompA配列間でもっとも異なると
思われる配列領域をテストプローブの開発に際して選ん
だ。これらの配列を合成し、以上に述べたのと同様のハ
イブリダイゼーション解析によりアッセイした。 赤痢菌特異的なオリゴヌクレオチドの単離 上に記載した赤痢菌特異的DNA断片は、解析を進めた
赤痢菌DNA断片の中で、包含性を持つ生物種に対してき
わめて著しい特異性を示したものである。これらの断片
の塩基配列を決定し、吸着プローブおよび検出プローブ
として有用なオリゴヌクレオチドプローブをこの配列か
ら設計した。ompAの配列の断片についても吸着および検
出用のオリゴヌクレオチドプローブを、配列の比較解析
により設計した。オリゴヌクレオチドを合成の後、32P
でラベルし、実施例Iに記載した細胞ドットハイブリダ
イゼーション解析によりテストを行い、これらのオリゴ
ヌクレオチドが望み通りの包含性、排他性の振る舞い、
特性を示すかどうかを確かめた。いくつかについてはこ
の時点で、さらに排他性のある他の生物種のパネルを用
いてテストした(表8)。このパネルは、グラム陽性、
グラム陰性の微生物のDNA 4μgをドットブロットし
たもので、微生物としては大便中に見出される代表的な
好気性細菌、嫌気性細菌を用いた。DNAの調製に際して
は、グラスビーズを用いて微生物の細胞壁を物理的に破
壊する方法に従った。各DNAをニトロセルロースフィル
ター上に3μlの溶液としてスポットした後、DNAを変
性、中和し、実施例Iに記載した方法で固定し、サイト
ドットパネルとした。 プローブおよび包含性および排他性に関するハイブリダ
イゼーションの振る舞いの記載 オリゴヌクレオチドプローブは、親和性クロマトグラ
フィーにより同定された赤痢菌特異的配列に由来するも
の、およびompA配列に由来するものである。各オリゴヌ
クレオチドプローブおよびこれらが由来する赤痢菌特異
的DNA配列は表9に記載した。各クローンおよびサブク
ローンに関する包含性および排他性を検索する際のハイ
ブリダイゼーションの振る舞い、これらの配列から設計
したオリゴヌクレオチドについては以下に記載する。 NT6断片およびプローブ1500,1501,1911 NT6(SEQ ID NO:1参照)は124塩基対のSau3A赤痢菌
特異的断片である。この配列はソンネ赤痢菌(Shiglla
sonnei)(ATCC 29930)染色体DNA上で6回反復す
る。また他の赤痢菌菌株のプラスミド上に1〜2コピー
見られる。全断片の塩基配列を決定した(図2)。図2
の最初の124塩基対がNT6由来の配列である(SEQ ID N
O:1参照)。NT−6配列の3′末端のSau3A部位を示し
た。一連の図において不明確な塩基および配列を指示す
る際にはIUPAC法に従った。 画定した塩基 :A,C,G,T(またはU) 二つの可能性のある塩基:M(AまたはC) R(AまたはG) W(AまたはT) S(CまたはG) Y(CまたはT) K(GまたはT) 三つの可能性のある塩基:B(C,GまたはT) D(A,GまたはT) H(A,CまたはT) V(A,CまたはG) 四つの可能性のある塩基:N(A,C,GまたはT) ここで塩基配列決定のゲル上で弱いバンドが検出され、
他にバンドが無い場合には、この塩基を不明確な塩基を
示す文字で記した。バンドの圧縮によりヌクレオチドの
順序が不明瞭な領域は丸括弧で括った。 NT6に由来する、各35塩基対長の二種のオリゴヌクレ
オチド(1500,SEQ ID NO:14および1501,SEQ ID NO:
15)を設計し、捕獲および検出用のプローブとして用い
た(表9)。第三のプローブとして40塩基対のもの(19
11,SEQ ID NO:16)をNT6およびNT6断片のSau3A部位に
隣接する余分な配列(38塩基対;SEQ ID NO:1参照)か
ら設計した。この余分な配列は、124塩基対のNT6断片を
プローブとしてソンネ赤痢菌のライブラリーを検索単離
したクローンから得られたものである。NT6の配列中の
プライマーを用いて塩基配列の決定を行った後、オリゴ
ヌクレオチド1911を設計しテストした。1911のハイブリ
ダイゼーションの特性はNT6と同一であったことから、
この配列は反復単位の一部であると考えられた。 個々のオリゴヌクレオチドを用いて、包括性または排
他性を持つ生物種に関してハイブリダイゼーションを行
った。これら三種のプローブが全て同一のハイブリダイ
ゼーションの特性を示した場合には、結果を別々に記載
しなかった。個々のオリゴヌクレオチドは、それが由来
する元のDNA断片と同様に、テストに用いた全てのソン
ネ赤痢菌菌株に対してハイブリダイズし(+をハイブリ
ダイゼーションの最低の限界を示すものとして用い
た)、志賀赤痢菌(S.dysentriae)、ボイド赤痢菌(S.
boydii)、フレクスナー赤痢菌(S.flexneri)の血清型
の多くとハイブリダイズした。ハイブリダイズしたもの
の中にはフレクスナー赤痢菌のタイプ6も含まれていた
(表2から5、まとめたのが表10)。またNT6に由来す
る個々のオリゴヌクレオチドは、全ての腸内浸潤性大腸
菌とハイブリダイズしたが、他のクラスの病原性大腸
菌、非病原性大腸菌、大便中に一般に見られる他の細菌
とはハイブリダイズしなかった(表6−8)。 NT11−2断片およびプローブ1682,1683,1708,1709 NT11−2(SEQ ID NO:2)は、本来3.5塩基対の長さ
のSau3A断片(NT11)のうちのサブクローン化した796塩
基対のHha I断片である。NT11−2断片については塩基
配列を決定してある(図3;SEQ ID NO:2)。この断片
の両末端から捕獲および検出用のプローブの対を設計
し、二組のオリゴヌクレオチドプローブとした。プロー
ブ1682(SEQ ID NO:17)とプローブ1683(SEQ ID N
O:18)は41ヌクレオチド長である。プローブ1708(SEQ
ID NO:19)とプローブ1709(SEQ ID NO:20)はそ
れぞれ35ヌクレオチド長、36ヌクレオチド長である。捕
獲/検出プローブとして用いる際には、各捕獲プローブ
の3′末端に余分な3ヌクレオチド(TAT)を付けて合
成し、ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェ
ラーゼを転移酵素して作用させる際に有効なテールとし
てやることもできる。表2から5とこれをまとめた表10
は、これらの二組のオリゴヌクレオチドが異なるハイブ
リダイゼーションの特性を持つことを示している。4種
のプローブを同時に用いた際のハイブリダイゼーション
の累加的な特性は、元の断片NT11−2と同様であり、ソ
ンネ赤痢菌(S.sonnei)の全ての菌株に対してハイブリ
ダイズし、志賀赤痢菌(S.dysenteriae)、ボイド赤痢
菌(S.boydii)、フレクスナー赤痢菌(S.flexneri)の
菌株の中にもハイブリダイズするものがある。しかし捕
獲/検出プローブの対として用いる際(たとえば1682と
1683を組み合わせる、あるいは1708と1709を組み合わせ
る場合)には、各プローブの組の一方が菌株(例えば志
賀赤痢菌(S.dysenteriae)のタイプ9および10、ボイ
ド赤痢菌(S.boydii)のタイプ17)とハイブリダイズし
ないため、検出できない血清型が存在する。4種の腸内
浸潤性大腸菌のうち一種は1708/1709で強く検出でき、1
682/1683で弱く検出可能である。二種の病原性大腸菌菌
株が1708/1709により検出できるが、1682/1683を用いた
場合これらの一方しか検出されない。これらの病原性大
腸菌菌株以外についての結果を見ると、これらのオリゴ
ヌクレオチドは他の非病原性の大腸菌や大便中に一般に
見られる他の細菌とはクロスハイブリダイズしない(表
6および7a)。 NT14,NT15断片とプローブ437,1864 NT14(SEQ ID NO:4)とNT15(SEQ ID NO:3)はそ
れぞれおよそ800塩基対および600塩基対のSau3A断片で
ある。これら二つの断片は塩基配列が決定されており、
1.3kbにわたる高頻度反復単位の一部である。ソンネ赤
痢菌(S.sonnei)(ATCC 29930)およびフレクスナー
赤痢菌(S.flexneri)(ATCC 29903)のそれぞれの代
表的な反復配列一つずつと、大腸菌(IG900)の二個の
反復配列をクローン化し、塩基配列を決定した(図4;S.
sonnei反復配列、SEQ ID NO:3およびNO:4、大腸菌反
復配列1,SEQ ID NO:5;大腸菌反復配列2,SEQ ID NO:
6およびNO:7;S.flexneri反復配列、SEQ ID NO:8およ
びSEQ ID NO:9)。反復配列は高度に保存され、転移
因子の特徴をもつ。こうした反復配列は赤痢菌の染色体
および溶菌プラスミド中に20コピー以上存在する。また
大腸菌のコンペティター中にも1から3コピー存在する
場合があるが、他の細菌種には存在しない。 図4に示した大腸菌およびソンネ赤痢菌の配列にはわ
ずかな違いしかない。そこで17塩基のオリゴヌクレオチ
ドプローブ(プローブ1864 SEQ ID NO:22)を設計す
る際には、プローブの両末端から8塩基の位置にミスマ
ッチが一つ存在するようにした(表9)。このプローブ
はテストに用いた赤痢菌およびEIECの大部分とハイブリ
ダイズしたが、コンペティター細菌とはクロスハイブリ
ダイゼーションしなかった(表2−8およびこれをまと
めた表10)。1864を特異的な捕獲プローブとして用いる
際、対にして用いる検出プローブとしては、1864のいず
れかの一端に位置するクラスIII反復配列中の配列を用
いることができる。このような一例としてプローブ437
(SEQ ID NO:21)(49塩基)の相補的な領域を用い、
この配列に関する包括性、排他性を表2から8に記し
た。このプローブは、赤痢菌についてはボイド赤痢菌
(S.boydii)の血清型13を除くすべての血清型と強くハ
イブリダイズする。 プローブ437は、非病原性もしくは病原性の大腸菌菌
株の多くとハイブリダイズするが、テストに用いた他の
腸内細菌とはハイブリダイズしない。大腸菌のいくつか
でハイブリダイゼーションが検出されたのは、大腸菌属
がクラスIII反復配列を低コピー数しか持たないのに対
し、赤痢菌属が高コピー数の反復配列を持つことによ
る。 プローブ437には、ソンネ赤痢菌の配列の塩基決定の
間違いのため、二個の余分な塩基を付け加わっている
(GとT)が、この余分な塩基のおかげで、赤痢菌菌株
に比して大腸菌菌株が与えるシグナルの検出を低く抑え
ることができることがわかった。プローブ437はソンネ
赤痢菌またはフレクスナー赤痢菌といったポジティブコ
ントロールに対しても、期待されるほどにはハイブリダ
イズしないので、この二個のヌクレオチドはソンネ赤痢
菌の配列中には存在しないと考えられる。ここで見られ
た結果は、大腸菌と赤痢菌属の間でコピー数の違いに関
係しているのかも知れない。 プローブ1864(SEQ ID NO:10)は、テストした志賀
赤痢菌(S.dysentriae)菌株では血清型1(IG826)一
種を除く全てとハイブリダイズする。しかしこの血清型
1に関しては血清学的にはよくわかっていない。 NT18−1a断片とプローブ1712,1713 NT18−1a(SEQ ID NO:10)は元のSau3A断片であるN
T18から二段階を経てサブクローン化された。NT18(150
0塩基対)をPst I/Sac Iで二重に消化した結果、NT18−
1断片(1250塩基対)が生じた。これをさらにHae III
で制限酵素処理し、NT18−1a(630塩基対)が得られ
た。低分子量のマルチコピープラスミドは侵入性の215k
bpのプラスミドとは明確に区別されるが、NT18断片に類
似の配列は、こうしたマルチコピープラスミド上に見出
されることがわかった。NT18−1aの配列を図5に示した
(SEQ ID NO:23)。この配列から捕獲/検出プローブ
として適当な、ともに37塩基対長のオリゴヌクレオチド
プローブ1712(SEQ ID NO:23)と1713(SEQ ID NO:
24)を設計した(図5,表9)。このオリゴヌクレオチド
プローブのハイブリダイゼーションの特性(検出される
菌株)は、フレクスナー赤痢菌(S.flexneri)の一種を
除いて元の赤痢菌特異的DNA断片NT18−1aと同一であっ
た(表2−5,7b)ハイブリダイズしなかった菌株(IG71
1)はオリゴヌクレオチドプローブ1713では検出できた
が、1712では検出できなかった。これら二つのプローブ
を液体ハイブリダイゼーションアッセイの際の捕獲/検
出プローブとして用いるならば、この菌種は検出できな
いということになる。実験に用いた条件下ではこのプロ
ーブは、6/8のタイプ1の志賀赤痢菌(S.dysentiae)と
ハイブリダイズした。またフレクスナー赤痢菌(S.flex
neri)については、3種の型の6菌株すなわち上で述べ
たIG711、およびIG872、IG741、IG709を除けば全ての菌
株とハイブリダイズした(表2から5,まとめたのが表1
0)。このプローブは腸内浸潤性大腸菌は検出しなかっ
たが、病原性大腸菌一種とクロスハイブリダイズした。
非病原性大腸菌および大便中に一般に見られる他の細菌
とはクロスハイブリダイズしなかった(表6から8)。 NT19−2断片とプローブ1684,1685 NT19−2(388塩基対;SEQ ID NO:11)は、元の1070
塩基対長のSau3A断片のRsa I断片をサブクローン化した
ものである。NT19−2の塩基配列を決定し(図6;SEQ I
D NO:11)、各35塩基長のオリゴヌクレオチドプローブ
1684(SEQ ID NO:25)と1685(SEQ ID NO:26)を設
計した(図9)。これらのプローブは捕獲/検出プロー
ブに適当である。個々のオリゴヌクレオチドプローブに
よるハイブリダイゼーションで検出される菌株の種類、
範囲は、元の断片と同一であった。ハイブリダイゼーシ
ョンが観察されたのは、ボイド赤痢菌(S.boydii)の数
種、ソンネ赤痢菌(S.sonnei)の数種、タイプ6を除く
フレクスナー赤痢菌(S.flexneri)全種であった(表2
−5、まとめの表10)。このプローブは腸内浸潤性大腸
菌5種のうち一種とハイブリダイズしたが、他の病原性
大腸菌や非病原性大腸菌、大便中に一般に見られる他の
細菌とはクロスハイブリダイズしなかった(表6から
8)。 ompA断片とプローブ1706及び1707 オリゴヌクレオチド1706(SEQ ID NO:27)及び1707
(SEQ ID NO:28)を、公表済A群赤痢菌の外膜タンパク
質遺伝子(ompA)の塩基配列をもとにデザインした。第
7図はA群赤痢菌ompA遺伝子配列の核酸にして893から1
076番目まで(ブラウン(Braun)ら(Nucl.Acids Res.1
0(7):2367−2378(1982);SEQ ID NO:12)の番号付
けに従うを示している。この領域には、大腸菌とA群赤
痢菌ompAコード配列の間で意味のある相違が存在してい
る。大腸菌ompA遺伝子の相当する領域の配列(SEQ ID N
O:13)を比較対照として、また、プローブ1706(SEQ ID
NO:27)及び1707(SEQ ID NO:28)の位置を、第7図に
示してある。 オリゴヌクレオチドは両方とも35塩基の長さである
(表9)。プローブ1706はは大腸菌とA群赤痢菌の配列
では7箇所の違いがある。プローブ1707をデザインする
もととなった領域は、大腸菌の場合よりも15塩基短い。
この他にも、プローブ部位には大腸菌とA群赤痢菌の間
には数多くの違いがある。これらのプローブはA群赤痢
菌1型と2型及びC群赤痢菌の多くの血清型にハイブリ
ダイズする(表2−5、表10にまとめ)。プローブ1707
を特異的な捕獲プローブ、1706を液体ハイブリダイゼー
ション中での検出プローブとして用いる場合、腸内大腸
菌、その他の病原性、非病原性大腸菌、及び便に存在す
るそのほかの細菌(例外:Escherichia fergusonii)で
はハイブリダイゼーションは起こらないと予測される
(表6−8)。 プローブセットの説明 プローブセットI 望ましい包括/排除パターンを、プローブの様々な組
合わせを用いることによって得ることができる。一つの
ありうる方法は、プローブのペアを複数集めてプローブ
セットを作ることである。例えば、断片NT6(SEQ ID N
O:1)、NT19−2(SEQ ID NO:11)及びompA遺伝子(SEQ
ID NO:12)からデザインした捕獲/検出オリゴヌクレ
オチドを、プローブセットあるいは組み合わせとして、
実際に臨床的に重要な赤痢菌血清型全てを検出するため
に用いることが可能である。一つのありうるプローブセ
ットは、3種の捕獲/検出プローブペア(プローブペア
1684/1685,1707/1706,及びプローブ1500/1911/1501から
選んだペア)からなるものである。この十分に包括的な
プローブセットは、A群赤痢菌10型及びC群赤痢菌13型
を除く全ての赤痢菌血清型を検出する(+1個はハイブ
リダイゼーションの最小限のシグナルとして用いる)。
さらに、このプローブセットは、用いた条件下では、Es
cherichia fergusoniiを除く検査した競合菌のいずれに
もクロスハイブリダイズしなかった。 これらの条件下でプローブセットIで検出されない赤
痢菌血清型2種は、疾病コントロールセンター(the Ce
nter of Disease Control)の記録の示すところによる
とアメリカ合衆国では希にしか単離されない。例えば、
1976から1987年までの疾病コントロールセンターによる
報告では、赤痢菌感染全167,915件中、A群赤痢菌10型
として確認されたのは2件、C群赤痢菌13型としては3
件のみであった。 捕獲/検出アッセイ方式では、捕獲/検出ペアの中で
より特異的なオリゴヌクレオチドが捕獲プローブとして
好ましい。1684/1685プローブセットの場合、どちらの
オリゴヌクレオチドを捕獲プローブとしても同等のハイ
ブリダイゼーション結果を得ることができる。一方、17
07/1706プローブセットの場合は、オリゴヌクレオチド1
707の方が、競合菌にクロスハイブリしないという理由
で、捕獲プローブとしてより好ましい。(プローブ1706
は、ある種の競合菌とでは(+/−)ハイブリダイゼー
ションシグナルを与え、E.blattae単離菌とは強いシグ
ナルを与える(表6、7b))。 1500/1911/1501オリゴヌクレオチドプローブの場合、
1500あるいは1911のいずれかを捕獲プローブとして用い
るのが最良である。プローブ1501はある種の競合菌とで
は(+/−)ハイブリダイゼーションシグナルを持つが
(表8)、検出プローブとしては難点なく用いることが
可能である。 プローブセットII もう一つの選択可能なプローブセットは、クラスIII
リピート(断片14及び15;それぞれSEQ ID NO:4及びSEQ
ID NO:3である)とompA遺伝子(SEQ ID NO:12)を組み
合わせたものである。この十分に包括的なプローブセッ
ト1707/1706及び1864/437−相補はC群赤痢菌13型を除
く全ての赤痢菌を検出し、Escherichia fergusoniiに弱
くクロスハイブリダイズする。 捕獲/検出ペア1864/437−相補の場合、オリゴヌクレ
オチド1864を捕獲プローブとして用いることが、ペアの
中でそちらがより特異的なプローブであるので、最良で
ある。1864が作り出された配列の左あるいは右方向(5'
あるいは3'方向の同じ側の鎖)の配列よりデザインされ
たオリゴヌクレオチドプローブも、検出プローブとして
用いることができる。プローブ437の相補鎖はこのよう
な例の一つであり、実質的にはプローブ437のハイブリ
ダイゼーションパターンを維持していると予想される。 プローブ組み合わせIIを用いる場合には、6種の代わ
りに4種のオリゴヌクレオチドしか必要でないが、望ま
しい包括性及び排除性(この場合は、十分に包括的であ
る)を得る。さらに、プローブ1864の標的は多コピー
(20−30コピー)で存在すし、このことによって増加し
た感度を得ることができる。しかしながら、プローブ18
64の特異性は、繰り返し要素(クラスIIIリピート)を
持つ赤痢菌と大腸菌を区別するためのただ1つの不一致
に依存しているため、ハイブリダイゼーション条件を注
意深く制御することが、プローブセットIIの排除性を維
持するために必要である。 表12は、検出のカット−オフ(除外度)を(++)ハ
イブリダイゼーションシグナルとした捕獲/検出方式を
用いた場合に、プローブセットI及びプローブセットII
で検出されると予想される単離体の数を表示してある。
プローブセットI及びIIに対する捕獲/検出方式での結
果は、(+)シグナルを検出のカット−オフ(除外度)
として用いた場合には同じであると予想される。 その他のプローブ 他のプローブ(二本または一本鎖の核酸断片あるいは
オリゴヌクレオチド)、プローブセットあるいは組み合
わせを赤痢菌特異的断片から作り出すことが可能であ
る。これら“赤痢菌特異的断片の配列由来”断片あるい
はオリゴヌクレオチド(プローブ)は赤痢菌特異的断片
の配列の一部と(従って、赤痢菌染色体と)同一または
相補的である。プローブの一部しかもとの赤痢菌特異的
断片の配列と同一でないことも、場合によって有り得
る。赤痢菌特異的断片の配列と同一あるいは相補的であ
るプローブの部分は、プローブ中で連続していないこと
も有り得る。 好ましいプローブは包括的な性質を保持し、要望があ
れば排除性を保持するであろう。赤痢菌特異的断片由来
で、選択した赤痢菌特異的断片の“包括的な性質を十分
に保持している”プローブは、もとの断片がハイブリダ
イズする(分類された)血清型の90%以上の各型最低1
つの単離体に、それと同じ条件下で、ハイブリダイズす
る。表1に示した35ある血清型の中の一つで、もとの赤
痢菌特異的断片がハイブリダイズする単離体がただ一つ
でもある場合には、その断片はその血清型にハイブリダ
イズするということする。選択した赤痢菌特異的断片の
“包括的な性質を適度に保持している”プローブは、も
との断片がハイブリダイズする血清型の83%以上90%未
満の各型最低1つの単離体に、それと同じ条件下で、ハ
イブリダイズする。選択した赤痢菌特異的断片の“包括
的な性質を一部保持している”プローブは、もとの断片
がハイブリダイズする血清型の50%以上83%未満の各型
最低1つの単離体に、それと同じ条件下で、ハイブリダ
イズする。 排除性は排除生物2セットを用いて決定した。スクリ
ーンした排除生物は、表6、7Aおよび7Bに挙げ、また本
明細書で非ETEC腸内細菌排除生物と定義した152の非ETE
C株を含んでいた。さらに、表8に挙げた92の株は、本
明細書で便でよく発見される排除生物として定義した排
除生物の第2番目のセットから成っている。 赤痢菌特異的断片由来の、与えられた排除生物(例え
ば非EIEC腸内細菌)のセットに対して“改良された”排
除的な性質を持つプローブは、ドットブロット方式で排
除生物全てをスクリーンし、そのプローブのもとの断片
が検出(シグナル(+)以上でハイブリダイズする)す
る排除生物よりも少ない数のそのセットの排除生物を、
同じハイブリダイゼーション条件下で検出するものであ
る。赤痢菌特異的断片由来の、与えられた排除生物のセ
ットに対して排除的な性質を”十分に保持しているプロ
ーブは、ドットブロット方式で排除生物の90%以上をス
クリーンし、同じハイブリダイゼーション条件下で、十
分に同等あるいは同一の排他的な性質を持つものであ
る。特に、由来する断片が検出しない排除生物セットの
中の13株のみを検出すると予測され、もとの断片によっ
て検出される排除生物を検出するあるいは検出しないと
思われるプローブを、その断片の排除的な性質を“十分
に保持している”ものと定義する。与えられた排除生物
セット100%に対して排除性を示すが、もとの断片と同
じ数あるいはそれ以上(ただしさらに13株以下)の排除
生物の排除株を検出するものは、この後者の範疇に入
る。 さらに、生物100%の排除性を示さないと決定された
プローブが、“改良された”排除的性質を持つことが示
される可能性がある。例えば、プローブ1684(SEQ ID N
O:25)と1685(SEQ ID NO:26)は、4種の非EIEC腸内細
菌に対して排除性を持たなかったが、NT19−2(SEQ ID
NO:11)によって検出された2株(表6)は検出しな
い。これらのプローブが検査していない株を3あるいは
4株検出しなければ、その場合それらは改良された排除
的性質を持つことになるが、これらは今のところNT1−
−2の排除性を十分に保持しているものとして分類され
ている。従って、2つの分類法は相互に排他的なもので
はない。赤痢菌特異的断片由来の断片及びオリゴヌクレ
オチドの相同体で、赤痢菌特異的断片由来の断片及びオ
リゴヌクレオチドと同様の血清型に、同じハイブリダイ
ゼーション条件下で実質的にハイブリダイズするものも
用いることができる。赤痢菌特異的断片由来の配列断片
及びオリゴヌクレオチドの相同体は赤痢菌特異的断片の
配列の変異型と全長あるいは一部が同一または相補的で
あると予想される。 例えば、オリゴヌクレオチドプローブは、通常約10塩
基から50塩基までの長さのもので、赤痢菌特異的断片の
一部と同一の配列からなるものをデザインすることが可
能である。しかし、オリゴヌクレオチドプローブは50塩
基より長いことも有り得る。全長断片の一部と同一の配
列からなるより大きい断片は、例えば、単離したクロー
ンの制限酵素による消化、エクソヌクレアーゼ消化、選
択したプライマーを用いたポリメラーゼ鎖反応あるいは
他の適当な方法を用いることによって調製できる。 赤痢菌特異的断片、あるいはその相補体や相同体に由
来するその他のプローブは、ドットブロット方式(実施
例中のサイト−ドットあるいはDNAドットブロット方式
など)を用いてスクリーン可能である。これら追加の断
片やオリゴヌクレオチドプローブは、単独、様々なプロ
ーブのペアや組み合わせ、または表9より選んだプロー
ブ、プローブペアや組み合わせの形で用いることができ
る。また、表9に示したプローブのかわりとして用いる
こともできる。例えば、赤痢菌特異的断片NT11−2(SE
Q ID NO:2)をプローブ1683(SEQ ID NO:18)の代わり
にプローブ1682(SEQ ID NO:17)と共に用いることがで
きた。捕獲/検出方式に用いるためには、プローブをプ
ローブ1682と同じ側の赤痢菌特異的断片の鎖に由来する
ように予定した。例として、NT11−2の包括的パターン
を十分に保持するプローブを選択できた。さらに、本発
明のプローブは他のプローブと組み合わせて赤痢菌、腸
内大腸菌またはそのほかの生物(例:サルモネラ、Camp
ylobacterなど)用に用いることができる。 推薦したプローブセットに対するシグナルが、プロー
ブを追加することで増強する可能性が十分認識されると
予測される。追加するプローブは、表9に表示したプロ
ーブ、開示されている大きい赤痢菌特異的断片由来のオ
リゴヌクレオチド、前述のいずれかの相同体や相補体、
あるいはその他の適したプローブから選択することが可
能である。プローブの中には、排除生物とハイブリダイ
ズするために、捕獲/検出プローブ方式において検出プ
ローブとしてのほうが好まれるものもあるが、各プロー
ブは捕獲/検出プローブのどちらとしても使用できる。 包括及び排除パターン 選択したプローブの組み合わせを用いることで、異な
る包括及び排除パターンを得ることができる。さらに、
包括及び排除の性質は、ハイブリダイゼーションの条件
及び/または カット−オフ(除外度)としてハイブリ
ダイゼーションの特異的なレベルをとることによって調
節することができる。例えば、表10において、(+)シ
グナルは弱いが再現性のある、容易に検出できるシグナ
ルであるが、それをドットブロット方式(サイト−ドッ
トあるいはDNAドット方式)の包括性あるいは検出のカ
ット−オフ(除外度)として設定している。 表11では、(++)カット−オフ(除外度)を用いて
いる。表11では、プローブNT6、NT11−2、NT18−1a、N
T19−2が(++)以上のシグナルを示してハイブリダ
イズした各血清型の単離数あるいはあるいは分類されて
いない単離体の単離数が示されている。さらに、1911/1
500/1501,1682/1683,1708/1709,1712/1713,1684/1685,
あるいは1706/1707から選択したプローブペアが、(+
+)以上のシグナルで、捕獲/検出方式においてハイブ
リダイズする、各血清型あるいは分類されていない単離
体の予想単離数も示されている。(NDは特定の単離体に
対してハイブリダイゼーションが行われなかったことを
示す。) 本明細書中では特にことわらない限り、単離体あるい
は血清型“を検出する”及び“の検出用”プローブは、
用いたハイブリダイゼーション条件下で、(+)以上の
シグナルで単離体や特異的血清型に属す単離体とハイブ
リダイズするものである。プローブ各々(断片あるいは
オリゴヌクレオチド)、プローブペアあるいはプローブ
セット(プローブ及び/またはプローブペアの組み合わ
せ)で、ドットブロット方式で用いられるハイブリダイ
ゼーション条件下で、表1に列記された血清型の90%以
上の各型最低1つの単離体を検出する(+以上のシグナ
ルでハイブリダイズする)ものを、十分に包括的なプロ
ーブ、プローブペア、あるいはプローブセットとして定
義する。同様に、プローブ、プローブペア、あるいはプ
ローブセットで、ドットブロット方式で用いられるハイ
ブリダイゼーション条件下で、表1に列記された血清型
の83%以上90%未満の各型最低1つの単離体を検出する
ものを、適度に包括的なプローブ、プローブペア、ある
いはプローブセットとして定義する。プローブ、プロー
ブペア、あるいはプローブセットで、ドットブロット方
式で用いられるハイブリダイゼーション条件下で、表1
に列記された血清型の50%以上83%未満の各型最低1つ
の単離体を検出するものを、部分的に包括的なプロー
ブ、プローブペア、あるいはプローブセットとして定義
する。例えば、上記のプローブセットI及びIIは十分に
包括的なプローブセットである。ドットブロットデータ
(まとめ表10参照)をもとにのっとって考えると、これ
らの組合わせは、それぞれ捕獲/検出方式で35種の血清
型中33及び34種のものを少なくとも1個は検出すると予
測される(94.2%及び97.1%)。実際、これらのプロー
ブセットは、それぞれ検出した血清型に属する検査した
単離体全てを検出すると予測される。 オリゴヌクレオチド1900,1500あるいは1501のような
各々のプローブは、表1に列記した血清型の60%からそ
れぞれ少なくとも1個を検出し、断片nNT6は表1に列記
した血清型(表10参照)のおよそ68%を検出するが、こ
れらは部分的に包括的なプローブと考えられる。プロー
ブ1864は十分に包括的なプローブである。部分的な、適
度に及び十分に包括的プローブは、互いにあるいは他の
プローブを組み合わせて適当なペアあるいはセットにす
ることで、望ましい包括パターンを得ることができる。 上述したように、スクリーンした排除生物は表6、7A
及び7Bに列記した非EIEC株152種を含み、これらを本明
細書では非EIEC腸内細菌排除生物と定義した。さらに、
表8に列記した91株を本明細書では便でよく発見される
排除生物として定義した排除生物の第2セットと定義し
た。各プローブ(断片あるいはオリゴヌクレオチド)、
プローブペア、プローブセット(プローブ及び/あるい
はプローブペアの組み合せ)で、ドットブロット方式で
用いられるハイブリダイゼーション条件下で、表6、7A
及び7Bに列記された非EIEC152株をどれも検出しない
(+未満のシグナルでハイブリダイズする)ものを、非
EIEC腸内細菌排除生物に関して排除プローブ、プローブ
ペア、あるいはプローブセットとして定義する。プロー
ブ、プローブペア、あるいはプローブセットで、表で用
いられるハイブリダイゼーション条件下で、表6、7Aお
よびBに列記された非EIEC152株の10%以下のみ検出す
る(+以上のシグナルでハイブリダイズする)ものを、
これらの大腸菌及び腸内細菌排除生物に関して十分な排
除プローブ、プローブペア、あるいはプローブセットと
して、一方、表6、7A及びBに列記された非EIEC152株
の20%以下のみ検出するものを、非EIEC腸内細菌排除生
物の適度な排除プローブ、プローブペア、あるいはプロ
ーブセットとして定義する。排除プローブは、適度な及
び十分な排除プローブの基準もまた満たしている。 プローブ、プローブペア、あるいはプローブセット
で、ドットブロット方式で用いられるハイブリダイゼー
ション条件下において、表8に列記された便でよく発見
される排除生物91株をどれも検出しない(+未満のシグ
ナルでハイブリダイズする)ものを、便でよく発見され
る排除生物に関して“排除”プローブ、プローブペア、
あるいはプローブセットとして定義する。プローブ、プ
ローブペア、あるいはプローブセットで、表で用いられ
るハイブリダイゼーション条件下で、表8に列記された
91株の10%以下のみ検出する(+以上のシグナルでハイ
ブリダイズする)ものを、便でよく発見される排除生物
の“十分な排除”プローブ、プローブペア、あるいはプ
ローブセットとして定義する。従って、表8の生物の排
除プローブはまた、同一の生物の十分な排除プローブで
もある。 例えば、プローブ1500,1501あるいは1911は表6、7
の非EIEC同様、便でよく発見される株である腸内細菌に
ついても排他的である。プローブ1684及び1685は検査し
た非EIECのいずれも検出しなかったが、4生物(2.6
%)については調べなかった。従って、1684及び1685は
十分に排他的であることがわかっている。これら4生物
とも検出されない場合、これらのプローブは排除的であ
る。プローブセットIは、捕獲/検出方式で用いた場
合、表7からの株のうち2株(Eschericha fergusoni
i)を検出すると予想される。しかし、表7の4株につ
いては調べていない(ND)。従って、プローブセットI
は、非EIEC生物を最高でも3.9%(6/152)しか検出しな
いため、非EIEC腸内細菌排除生物に“十分に排除的”で
ある。プローブセットIは便でよく発見される排除生物
(表8に列記)についてもまた排除的である。 プローブ437は非EIEC生物の約9.9%(15)を検出す
る:しかし非EIEC腸内細菌の10/152はスクリーンしなか
った。従って。糖プローブの非EIEC腸内細菌に対する排
除は16.4%(適度に排除的)と9.9%(十分に排除的)
の間である。しかし、捕獲/検出方式では、プローブセ
ットIIは、437の相補鎖を用いることができるが、非EIE
C腸内細菌排除生物に十分に排除的であり、便でよく発
見される排除生物(表8に列記)については、プローブ
1864の性質のためにも排除的である。捕獲検出方式にお
けるEIEC、非EIEC腸内細菌及び便によく発見される株に
関するプローブセットI及びIIのプローブペアの予測さ
れる性質は表13(検出用カット−オフ(除外度)として
(+)シグナルを用いている)にまとめてある。(表13
では、表11及び12と同様、プローブ1500,1501及び1911
から選択したいずれのペアも示した性質を表してい
る。) プローブ用アッセイ方式 プローブ、プローブペア及びプローブセットは、様々
なハイブリダイゼーションアッセイ方式で用いることが
できる。このハイブリダイゼーションアッセイは、検出
されるべき配列とプローブが溶液中で自由に動く液体ハ
イブリダイゼーション、あるいは、配列またはプローブ
が固体支持体に固定されているアッセイを含む、赤痢菌
特異的断片、その一部、その断片由来のオリゴヌクレオ
チドプローブ、相補体あるいは相同体が、ドットブロッ
ト方式あるいはその他の適当なハイブリダイセーション
を基本とするアッセイ方式に用いることが可能である。
例えば、大きな断片あるいはその一部を、ニックトラン
スレーションあるいはフィルターハイブリダイゼーショ
ンのための他の適当な方法で調製することができる
(例:米国特許第4,358,535号、ファルコー(Falkow)
ら参照)。 プローブは、適した捕獲検出アッセイ方式(例:D.V.
モリッシー(Morrissey)ら、Analytical Biochemistr
y,181:345−359(1989);W.R.ハンサカー(Hunsaker)
ら、Analytical Biochemistry,181:360−370(1989);
H.ロメリー(Lomeli)ら、Clinical Chemistry,35:1826
−1831(1989);プリットチャード、(Pritchard)C.
G.とJ.E.ステファノ(stefano)、Ann.Biol.clin.48:49
2−297(1990)参照)。捕獲/検出方式では、プローブ
ペアは赤痢菌特異的断片あるいはその変異型の同じ側の
鎖(選択した鎖)の重ならない部分から好んで選ばれ
る。プローブは、選択したアッセイでの活性はその間の
距離に比例している。従って、標準的な捕獲/検出方式
では、プローブは、試料調製によって望ましい検出感度
が損なわれる程に相補配列が分離することのないよう
に、十分近くなければならない。 RNAプローブもまた調製可能である。例えば、プロー
ブ塩基配列をfal−st MDV cDNA構築に結合し、T7RNA
ポリメラーゼを用いて線上化したプラスミドから転写さ
せることができる。このようにして調製した検出プロー
ブは、ひとつあるいは複数の捕獲プローブとともに用い
て、Qβレプリカーゼシステム(プリッチャードとステ
ファノ、Ann.Biol.Clin.48:492−497(1990))で増幅
することができる。 上述した、あるいは赤痢菌特異的断片の配列に基づく
そのほかのオリゴヌクレオチドプローブは、ポリメラー
ゼ鎖反応に用いることができる。第二のオリゴヌクレオ
チドは逆鎖から調製することができる。 本発明は以下に続く実施例によって以後解説するが、
それらの実施例はどの様なかたちでも制限を意図したも
のではない。 (実施例) 実施例1 サイト−ドットパネル すべてのサイト−ドットパネルは、5μl容量中の各
細菌分離物を約1×108細胞だけニトロセルロース上に
スポットすることにより調製した。この細菌を溶菌し、
ニトロセルロースフィルターを0.5M NaOHと1.5M NaCl
で濡らした3MM紙上に10分間置くことにより、そのDNAを
変性させた。この処理の後、ニトロセルロースフィルタ
ーを、1M トリス pH7.5と1.5M NaClで濡らした3MM紙
上に10分間置くことにより中和した。後者の中和過程を
繰り返し、真空下で1−1.5時間、80℃でベイクするこ
とによりDNAをフィルター上に固定した。 実施例2 ハイブリダイゼーション条件 ニック−トランスレートされた断片すべてに対するハ
イブリダイゼーション条件は以下のようであった:プレ
ハイブリダイゼーションについては、10×デンハルト
(Denhardt′s)、5×SET、0.1M リン酸緩衝液 pH
7、0.1% ピロリン酸ナトリウム、0.1% SDS中で65℃
で3時間であった。(注:20×SETは3M NaCl、0.4M ト
リス−塩酸 pH7.5および20mM EDTAである。)ハイブ
リダイゼーションについては、2×デンハルト、5×SE
T、0.1M リン酸緩衝液 pH7、0.1% ピロリン酸ナト
リウム、0.1% SDSおよびハイブリダイゼーション溶液
1mlあたり1×106カウントのニック−トランスレートさ
れたプローブ中で行った。ハイブリダイゼーションは65
℃で一晩行われた。オートラジオグラフは15時間感光さ
せた。 リン酸化されたオリゴヌクレオチドすべてに対するハ
イブリダイゼーションの条件は(17塩基(b)オリゴヌ
クレオチドであるプローブ1864を除き)以下のようであ
った:プレハイブリダイゼーションについては、5×デ
ンハルト、6×SET、0.1M リン酸緩衝液 pH7、0.1%
ピロリン酸ナトリウム、0.1% SDS中で60℃で3時間
であった。ハイブリダイゼーションについては、1×デ
ンハルト、6×SET、0.1M リン酸緩衝液 pH7、0.1%
ピロリン酸ナトリウム、0.1% SDSおよびハイブリダ
イゼーション溶液1mlあたり1×106カウント/分のリン
酸化されたオリゴヌクレオチドプローブ中で行った。ハ
イブリダイゼーションは60℃で一晩行われた。オートラ
ジオグラフは15時間または7日間感光させた。表2−8
に記録されているオートラジオグラフは7日間感光のも
のである。2種類の感光条件の結果はほぼ同じであっ
た。プローブ1864(17b)に対するハイブリダイゼーシ
ョン条件は、プレハイブリダイゼーション、ハイブリダ
イゼーションおよび洗浄の温度が60℃ではなく50℃であ
ることを除き、上と同じであった。 均等発明 当業者は、これ以上の繰り返し実験を用いることな
く、本明細書に記載された本発明の特定の具体例と均等
である多くの発明を理解し、また確かめることができる
である。このような均等物も本発明の目的の範囲内に含
むことを意図するものである。
【配列表】 配列番号:1 配列の長さ:164塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直線状 配列: 配列番号:2 配列の長さ:796塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直線状 配列: 配列番号:3 配列の長さ:587塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直線状 配列: 配列番号:4 配列の長さ:786塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直線状 配列: 配列番号:5 配列の長さ:1174塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直線状 配列: 配列番号:6 配列の長さ:64塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直線状 配列: 配列番号:7 配列の長さ:1196塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直線状 配列: 配列番号:8 配列の長さ:64塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直線状 配列: 配列番号:9 配列の長さ:1188塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直線状 配列: 配列番号:10 配列の長さ:630塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直線状 配列: 配列番号:11 配列の長さ:388塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直線状 配列: 配列番号:12 配列の長さ:184塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直線状 配列: 配列番号:13 配列の長さ:169塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直線状 配列: 配列番号:14 配列の長さ:35塩基 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直線状 配列: 配列番号:15 配列の長さ:35塩基 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直線状 配列: 配列番号:16 配列の長さ:40塩基 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直線状 配列: 配列番号:17 配列の長さ:41塩基 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直線状 配列: 配列番号:18 配列の長さ:41塩基 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直線状 配列: 配列番号:19 配列の長さ:35塩基 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直線状 配列: 配列番号:20 配列の長さ:36塩基 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直線状 配列: 配列番号:21 配列の長さ:48塩基 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直線状 配列: 配列番号:22 配列の長さ:17塩基 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直線状 配列: 配列番号:23 配列の長さ:37塩基 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直線状 配列: 配列番号:24 配列の長さ:37塩基 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直線状 配列: 配列番号:25 配列の長さ:35塩基 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直線状 配列: 配列番号:26 配列の長さ:35塩基 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直線状 配列: 配列番号:27 配列の長さ:35塩基 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直線状 配列: 配列番号:28 配列の長さ:35塩基 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直線状 配列: 配列番号:29 配列の長さ:41塩基 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直線状 配列: 配列番号:30 配列の長さ:41塩基 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直線状 配列:
フロントページの続き (72)発明者 マッカーティー,ジャニス・マリー アメリカ合衆国マサチューセッツ州 02136,ハイド・パーク,ドナ・テラス 10 (56)参考文献 特開 昭61−44000(JP,A) 特開 平2−238899(JP,A) 国際公開90/011370(WO,A1) Nucleic Acids Res earch,10(1982),p.2367− 2378 Mol.Gen.Genet.,227 (1991),p.401−410 Eur.J.Clin,Microb iol.Infect Dis.,9 (1990),p.605−608 J.Clin.Microbio l.,28(1990),p.2082−2086

Claims (32)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ソンネ赤痢菌の染色体配列に由来する赤痢
    菌特異的な核酸断片であって、NT−6(SEQ ID NO:1
    のヌクレオチド1〜124)、およびNT11−2(SEQ ID
    NO:2)からなるグループから選択される断片。
  2. 【請求項2】フレクスナー赤痢菌の染色体配列に由来す
    る赤痢菌特異的な核酸断片であって、NT18−1a(SEQ I
    D NO:10)、およびNT19−2(SEQ ID NO:11)からな
    るグループから選択される断片。
  3. 【請求項3】赤痢菌属の細菌の検出用プローブであっ
    て、該プローブが、赤痢菌属の少なくとも1種の分類さ
    れていない単離物または4種の各々の血清型の少なくと
    も1種の単離物を検出するものであり、且つ該プローブ
    の特異的配列が、 a) SEQ ID NO:1; b)SEQ ID NO:1の一部と同一又は相補的であるSEQ
    ID NO:1の断片であって、赤痢菌属の細菌及び/又は腸
    内侵襲性大腸菌からの核酸に特異的にハイブリダイズす
    る断片; c) NT11−2(SEQ ID NO:2);および d) NT11−2の一部と同一又は相補的であるNT11−2
    の断片であって、赤痢菌属の細菌及び/又は腸内侵襲性
    大腸菌からの核酸に特異的にハイブリダイズする断片; からなるグループから選択される検出用プローブ。
  4. 【請求項4】赤痢菌属の細菌を検出するための請求項3
    の検出用プローブであって、前記特異的配列が、 からなるグループから選択されるプローブ。
  5. 【請求項5】フレクスナー赤痢菌の血清型1〜5の各々
    の少なくとも1種の単離物を検出するプローブであっ
    て、該プローブの特異的配列が a) NT18−1a(SEQ ID NO:10); b) NT18−1aの一部と同一又は相補的な断片であっ
    て、赤痢菌からの核酸に特異的にハイブリダイズする断
    片; c) NT19−2(SEQ ID NO:11);および d) NT19−2の一部と同一又は相補的な断片であっ
    て、赤痢菌及び/又は腸内侵襲性大腸菌からの核酸に特
    異的にハイブリダイズする断片; からなるグループから選択されるプローブ。
  6. 【請求項6】請求項5のプローブであって、前記特異的
    配列が、 からなるグループから選択されるプローブ。
  7. 【請求項7】請求項5のc)又はd)のプローブであっ
    て、ボイド赤痢菌(S.boydii)血清型5、ボイド赤痢菌
    血清型7、ボイド赤痢菌血清型9、ボイド赤痢菌血清型
    11、ボイド赤痢菌血清型16、ボイド赤痢菌血清型17、お
    よびボイド赤痢菌血清型1からなるグループから選択さ
    れる赤痢菌属の細菌を更に検出するプローブ。
  8. 【請求項8】請求項7のプローブであって、前記特異的
    配列が、 からなるグループから選択されるプローブ。
  9. 【請求項9】志賀赤痢菌(S.dysenteriae)血清型1と
    2、およびボイド赤痢菌血清型5、7、9、11、12、1
    5、16および17からなるグループから選択される少なく
    とも1種の赤痢菌の単離物を検出するためのオリグヌク
    レオチドプローブであって、該プローブの特異的配列
    が、 からなるグループから選択されるプローブ。
  10. 【請求項10】赤痢菌属の細菌を検出するための実質的
    に包括的で、さらに腸内侵襲性大腸菌を検出するための
    プローブセットであって、少なくとも3つの捕獲/検出
    プローブペア(第1のプローブペアは、SEQ ID NO:1
    に記載の配列を有するオリゴヌクレオチドからなるグル
    ープから選択され、第2のプローブペアは、断片NT−19
    −2(SEQ ID NO:11)に記載の配列を有するオリゴヌ
    クレオチドからなるグループから選択され、そして、第
    3のプローブペアは、ヌクレオチド番号893から1076に
    亘る志賀赤痢菌ompA配列(SEQ ID NO:12)に記載の配
    列を有するオリゴヌクレオチドからなるグループから選
    択される)を含むプローブセット。
  11. 【請求項11】請求項10に記載の実質的に包括的なプロ
    ーブセットであって、少なくとも3つの捕獲/検出プロ
    ーブペア(第1のプローブペアは、SEQ ID NO:1の選
    択された鎖から誘導されたオリゴヌクレオチド配列を有
    し、第2のプローブペアは、断片NT19−2(SEQ ID N
    O:11)の選択された鎖から誘導されたオリゴヌクレオチ
    ド配列を有し、そして第3のプローブペアは、ヌクレオ
    チド番号893から1076に亘る志賀赤痢菌ompA配列(SEQ
    ID NO:12)の選択された鎖から誘導されたオリゴヌク
    レオチド配列を有する)を含むプローブセット。
  12. 【請求項12】さらに、プローブペアが大便に一般的に
    見出だされる排他性微生物に排他的であり、かつ、非EI
    EC腸内細菌科に実質的に排他的である、請求項11に記載
    の実質的に包括的なプローブセット。
  13. 【請求項13】第1のプローブペアが、プローブ1911
    (SEQ ID NO:16)、1500(SEQ ID NO:14)および15
    01(SEQ ID NO:15)からなるグループから選択され、
    第2のプローブペアが、プローブ1684(SEQ ID NO:2
    5)、および1685(SEQ ID NO:26)からなり、そして
    第3のプローブペアが、プローブ1706(SEQ ID NO:2
    7)、および1707(SEQ ID NO:28)からなる、請求項1
    2に記載の実質的に包括的なプローブセット。
  14. 【請求項14】赤痢菌属の細菌を検出するため実質的に
    包括的で、さらに腸内侵襲性大腸菌を検出するためのプ
    ローブセットであって、少なくとも3つの捕獲/検出プ
    ローブペア(第1のプローブペアは: a) 1911(SEQ ID NO:16); b) 1500(SEQ ID NO:14);および c) 1501(SEQ ID NO:15) からなるグループから選択され、第2のプローブペア
    は: a) 1684(SEQ ID NO:25);および b) 1685(SEQ ID NO:26) からなるグループから選択され、第3のプローブペア
    は: a) 1706(SEQ ID NO:27);および b) 1707(SEQ ID NO:28) からなるグループから選択される)を含むプローブセッ
    ト。
  15. 【請求項15】赤痢菌特異的な断片NT−6(SEQ ID N
    O:1のヌクレオチド1−124)から誘導されたオリゴヌク
    レオチドプローブであって、NT−6の包括性の性質を保
    持したプローブ。
  16. 【請求項16】請求項15に記載のオリゴヌクレオチドプ
    ローブであって、非EIEC腸内細菌科に対する改善された
    排他性の性質を有し、大便に一般的に見出だされるよう
    な排他性微生物に排他的なプローブ。
  17. 【請求項17】請求項16に記載のオリゴヌクレオチドプ
    ローブであって、 からなるグループから選択される配列を含むプローブ。
  18. 【請求項18】赤痢菌特異的な断片NT11−2(SEQ ID
    NO:2)から誘導されたオリドヌクレオチドプローブで
    あって、NT11−2の包括性の性質を保持したプローブ。
  19. 【請求項19】請求項18に記載のオリゴヌクレオチドプ
    ローブであって、NT11−2(SEQ ID NO:2)の非EIEC
    −腸内細菌科に対する排他性の性質を保持したプロー
    ブ。
  20. 【請求項20】請求項19に記載のオリゴヌクレオチドプ
    ローブであって、 からなるグループから選択される配列を含むプローブ。
  21. 【請求項21】赤痢菌特異的な断片NT11−2(SEQ ID
    NO:2)から誘導されたオリドヌクレオチドプローブで
    あって、NT11−2の包括性の性質を保持したプローブ。
  22. 【請求項22】請求項21に記載のオリゴヌクレオチドプ
    ローブであって、NT11−2(SEQ ID NO:2)の非EIEC
    −腸内細菌科に対する排他性の性質を保持したプロー
    ブ。
  23. 【請求項23】請求項22に記載のオリゴヌクレオチドプ
    ローブであって、 からなるグループから選択される配列を含むプローブ。
  24. 【請求項24】赤痢菌特異的な断片NT11−2(SEQ ID
    NO:2)から誘導されたオリドヌクレオチドプローブで
    あって、NT11−2の包括性の性質を部分的に保持したオ
    リゴヌクレオチドプローブ。
  25. 【請求項25】請求項24に記載のオリゴヌクレオチドプ
    ローブであって、NT11−2(SEQ ID NO:2)の非EIEC
    −腸内細菌科に対する排他性の性質を保持したプロー
    ブ。
  26. 【請求項26】請求項25に記載のオリゴヌクレオチドプ
    ローブであって、 からなるグループから選択される配列を含むプローブ。
  27. 【請求項27】赤痢菌特異的な断片NT18−1a(SEQ ID
    NO:10)から誘導されたオリドヌクレオチドプローブ
    であって、NT18−1aの包括性の性質を保持したプロー
    ブ。
  28. 【請求項28】請求項27に記載のオリゴヌクレオチドプ
    ローブであって、NT18−1a(SEQ ID NO:10)の非EIEC
    −腸内細菌科に対する排他性の性質を保持したプロー
    ブ。
  29. 【請求項29】請求項28に記載のオリゴヌクレオチドプ
    ローブであって、 からなるグループから選択される配列を含むプローブ。
  30. 【請求項30】赤痢菌特異的な断片NT19−2(SEQ ID
    NO:11)から誘導されたオリドヌクレオチドプローブ
    であって、NT19−2の包括性の性質を保持したプロー
    ブ。
  31. 【請求項31】請求項30に記載のオリゴヌクレオチドプ
    ローブであって、NT19−2(SEQ ID NO:11)の非EIEC
    −腸内細菌科に対する排他性の性質を保持したプロー
    ブ。
  32. 【請求項32】請求項31に記載のオリゴヌクレオチドプ
    ローブであって、 からなるグループから選択される配列を含むプローブ。
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