JP3433577B2 - モータ制御装置 - Google Patents

モータ制御装置

Info

Publication number
JP3433577B2
JP3433577B2 JP16667995A JP16667995A JP3433577B2 JP 3433577 B2 JP3433577 B2 JP 3433577B2 JP 16667995 A JP16667995 A JP 16667995A JP 16667995 A JP16667995 A JP 16667995A JP 3433577 B2 JP3433577 B2 JP 3433577B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
movement amount
time
distance
reference movement
deceleration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP16667995A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0916264A (ja
Inventor
哲司 川嶌
政司 佐藤
和志 吉川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP16667995A priority Critical patent/JP3433577B2/ja
Publication of JPH0916264A publication Critical patent/JPH0916264A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3433577B2 publication Critical patent/JP3433577B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Electric Motors In General (AREA)
  • Moving Of Head For Track Selection And Changing (AREA)
  • Feedback Control In General (AREA)
  • Control Of Position Or Direction (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、モータの回転駆動によ
って移動駆動される被移動駆動物体を所定位置に位置決
めするためのモータ制御装置に関し、特にCD−ROM
や光磁気ディスク等の光ディスクに対して情報信号の記
録再生を行なう光学ヘッドを所定位置(トラック)に移
動駆動するためのモータ制御装置に用いて好適なもので
る。
【0002】
【従来の技術】物体を移動駆動させる駆動源としてモー
タを用いる例が一般的である。このモータとしては、ボ
イスコイルモータ(以下、単にVCMと記す)やDCモ
ータ等が挙げられる。そして、これらモータによって移
動駆動される物体を所定位置に位置決めする場合、図2
0に示すようなフィードバック制御系101が用いられ
る。
【0003】このフィードバック制御系101は、入力
端子φinを介して入力される基準移動量θ(t)とモ
ータ102の回転駆動に伴う物体の移動量(位置検出部
103にて検出される移動量)とを比較部104にて比
較し、その比較結果である偏差を制御系の安定化を図る
位相補償手段105にて位相補償してモータ102に供
給することにより、物体を基準移動量で示す距離ほど高
速に移動させるというものである。なお、位相補償手段
105としては、I動作(比例動作)のみを行なう手段
や、PI動作(積分+比例動作)を行なう手段等があ
る。
【0004】上記のような物体を所定位置に位置決めす
る制御機構が搭載された電子機器としては、例えば、C
D−ROMや光磁気ディスク等の光ディスクに対して情
報信号の記録再生を行なう光学ヘッドを搭載した光ディ
スクドライブ装置などのディスク装置がある。
【0005】上記ディスク装置においては、上記光学ヘ
ッドを光ディスクの所定位置(トラック)に移動駆動さ
せる駆動源としてVCMを用いたものが多く提案され、
実用化に至っている。
【0006】そして、ディスク装置の性能を向上させる
ための重要な要因の一つとして、光学ヘッドを所定位置
に移動させる動作、即ちシーク動作の高速性が挙げられ
る。
【0007】スレッド(光学ヘッドの駆動機構)のアク
チュエータとしてよく用いられているVCMにおいて
は、従来からいわゆるバンバン(bang-bang )制御が最
適な(最も高速な)シーク(この場合、粗シーク)方法
として知られている。
【0008】ここで、バンバン制御とは、図21Aに示
すように、シーク動作の前半は最大加速度で等加速度運
動を行い、後半は逆方向の最大加速度で等加速度運動を
行なうものである。なお、図21B及びCに、バンバン
制御における時間に対する速度の変化及び移動距離の変
化をそれぞれ示す。
【0009】上記VCMを用いたアクチュエータにおい
ては、VCMの加速度(角加速度)が印加電圧に比例す
るため、シーク動作の加速時には、仕様によって決定さ
れるアクチュエータで許容される最大の電圧をVCMに
印加し、シーク動作の減速時には、逆極性の最大電圧を
VCMに印加することによって最高速度を得ることがで
きる。
【0010】この場合、実際には、ドライブ装置間の誤
差などを考慮して得られた最大電圧をもとに、図21C
で示す2次関数の移動距離のプロファイルを、目標とす
るシーク距離毎に計算し、図20で示すシークサーボ系
(フィードバック制御系101)において、基準移動量
として与えることにより、各種の誤差が抑制された高速
のシーク動作が実現される。
【0011】即ち、ある距離(トラック数)をシークす
る場合に、シーク中の各時点で光学ヘッドが移動してい
るべき距離(移動量)を、予めあるいは逐次計算して、
これを実際の光学ヘッドの移動量と比較して、その差信
号をスレッドのドライブ段にフィードバックすることに
より、シークサーボが実現される。ここで、ディスクド
ライブ装置は、何らかの光学ヘッド位置検出手段を有し
ているものとする。
【0012】なお、本文中で、「シーク」は、光学ヘッ
ド全体が移動するいわゆる粗シークを指す。一般的に
「シーク」といえば、最終的に目標トラックに達するま
での動作をいい、この定義に従えば、粗動モータ系によ
る粗シーク動作と、光学ヘッド内のアクチュエータによ
る精細シーク動作との組み合せをいい、粗シークを行な
った後に対物レンズのみの移動を行なって最終的に目標
のトラックに達するまでをシーク動作ということにな
る。しかし、光学ヘッド全体の移動のみで目標のトラッ
クに達する場合も考えられるため、この明細書では、粗
動モータ系による粗シークを単に「シーク」と言うこと
にする。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、最近では、
CD−ROM対応のディスクドライブ装置などを中心に
光ディスクドライブ装置の低価格化が要求され、シーク
動作を行なうスレッドのアクチュエータとしてDCモー
タとラック・アンド・ピニオンを組み合わせた機構が実
用化されてきている。
【0014】従来においては、VCMでの実績に基づ
き、このDCモータを用いたアクチェータにおいても、
VCMの場合と同様に2次関数の移動距離のプロファイ
ルを用いるようにしている。
【0015】しかし、DCモータの場合、印加電圧と比
例関係にあるのは、角加速度ではなく、角速度であり、
この点でVCMと異なる。また、角速度と比例するのは
あくまでも定常状態のみであり、シーク動作が行なわれ
る短い時間では、定常状態には達せず、角速度は、電圧
に応じて指数関数に沿った変化をする。
【0016】従って、DCモータに対しては、その移動
距離のプロファイルは、VCMで使用したような2次関
数ではなく、指数関数になっているべきである。
【0017】本発明は、上記の課題に鑑みてなされたも
ので、その目的とするところは、被移動駆動物体を所定
位置に位置決めする制御系において、該被移動駆動物体
の駆動源であるモータとしてVCM以外のモータを使用
した場合に、そのモータの特性に合致した移動距離プロ
ファイルで物体を高速に所定位置に位置決めするするこ
とができ、光ディスクドライブ装置に適用した場合での
シーク動作の高速化を実現することができるモータ制御
装置を提供することにある。
【0018】また、本発明の他の目的は、上記移動距離
プロファイルを求めるために必要な計算量及びその計算
に必要なデータの記憶容量を低減することができ、計算
に基づく制御時間の遅れの低減化及びメモリの削減化を
実現させることができるモータ制御装置を提供すること
にある。
【0019】
【0020】
【課題を解決するための手段】 発明に係るモータ制御
装置は、被移動駆動物体の移動駆動源であるモータと、
所定時間毎に上記モータによる被移動駆動物体の移動量
を基準移動量に合わせ込みながら上記被移動駆動物体を
要求される移動距離まで移動駆動させるフィードバック
制御系と、所定時間毎に上記フィードバック制御系に基
準移動量を出力する制御手段とを具備し、上記モータへ
の駆動信号の供給をバンバン制御に類似した制御に基づ
いたものとする。
【0021】そして、上記制御手段を、上記モータの角
速度の時間変化が指数関数に基づいて所定時間毎に定め
られた基準移動量が配列されてなる移動距離プロファイ
ルが記憶された記憶手段と、所定時間毎に移動距離プロ
ファイルからアドレス順次に基準移動量を読み出す移動
量読出し手段と、上記要求される移動距離で決定される
駆動信号の切換え時間経過後において、所定時間毎に上
記移動量読出し手段から読み出された基準移動量を補正
して、減速用の基準移動量に変換する移動量補正手段
と、上記切換え時間経過前に上記移動量読出し手段から
の基準移動量を出力し、上記切換え時間経過後に上記移
動量補正手段からの減速用の基準移動量を出力する基準
移動量出力手段とを設けて構成する。
【0022】
【作用】本発明に係るモータ制御装置においては、モー
タにて移動駆動される被移動駆動物体の移動量が、フィ
ードバック制御系によって、記憶手段から所定時間毎に
読み出された基準移動量に合わせ込まれることになる。
即ち、被移動駆動物体は、所定時間毎に順次読み出され
た基準移動量ほど移動駆動されることになる。
【0023】そして、この所定時間毎に読み出される基
準移動量は、モータの角速度の時間変化における過渡領
域の関数に基づく関数にて定められている。
【0024】モータが回転駆動しはじめてその定常状態
に落ち着くまでの整定時間は、回転駆動の過渡領域であ
って、この過渡領域の関数は、一般にモータの種類によ
って異なる。通常、物体を位置決めする場合には、モー
タの回転駆動が定常状態になってから行なうのが普通で
あるが、位置決め動作を高速化したい場合、定常状態に
なるまでの整定時間を有効に利用できるようにすること
が必要となってくる。
【0025】本発明においては、記憶手段に記憶されて
いる移動距離プロファイルに配列された所定時間毎の基
準移動量をモータの角速度の時間変化における過渡領域
の関数に基づく関数にて定めるようにしているため、フ
ィードバック制御系による被移動駆動物体の移動量の制
御をモータの回転駆動の開始時点から行なうことが可能
となり、被移動駆動物体の位置決め動作を、モータの回
転駆動が定常状態になるまでの整定時間内に終了させる
ことが可能となる。
【0026】上記モータの角速度の時間変化における過
渡領域の関数は、被移動駆動物体を移動駆動するモータ
によって適宜設定することが可能であるため、モータの
種類によって位置決め動作が遅くなったりするという不
都合を回避することができる。
【0027】これは、例えば光ディスクドライブ装置に
おいて、従来からシーク・サーボ系の駆動源として使用
されていたVCMを例えばDCモータに変更した場合な
どに有効であり、DCモータとした場合にも高速にシー
ク動作を行なわせることが可能となる。
【0028】次に、他の構成による本発明に係るモータ
制御装置における動作を説明する。制御手段における記
憶手段には、モータの角速度の時間変化における過渡領
域の関数に基づく関数にて所定時間毎に定められた基準
移動量が配列されてなる移動距離プロファイルが記憶さ
れている。そして、要求される移動距離で決定される駆
動信号の上記切換え時間経過前においては、移動量読出
し手段にて所定時間毎に移動距離プロファイルからアド
レス順次に基準移動量が読み出されて基準移動量出力手
段を通じてフィードバック制御系に供給される。
【0029】フィードバック制御系は、制御手段から所
定時間毎に供給される基準移動量に基づいて被移動駆動
物体の移動駆動源であるモータを制御して被移動駆動物
体の移動量を基準移動量に合わせ込む。これによって、
被移動駆動物体は、所定時間毎に記憶手段の移動距離プ
ロファイルから順次読み出された基準移動量ほど移動駆
動されて徐々に速度を上げながら移動することになり、
駆動信号の切換え時点において最高速度に達する。
【0030】上記切換え時間経過後においては、所定時
間毎に上記移動量読出し手段から読み出された基準移動
量がそれぞれ移動量補正手段にて補正されて減速用の基
準移動量に変換される。この移動量補正手段からの減速
用の基準移動量は基準移動量出力手段を通じてフィード
バック制御系に供給される。
【0031】フィードバック制御系は、制御手段から所
定時間毎に供給される減速用の基準移動量に基づいてモ
ータを制御して被移動駆動物体の移動量を減速用の基準
移動量に合わせ込む。これによって、被移動駆動物体
は、所定時間毎に移動量補正手段から順次出力される減
速用の基準移動量ほど移動駆動されて徐々に速度を下げ
ながら移動することになり、要求された移動距離ほど移
動した段階で速度は零となって停止する。
【0032】この場合、記憶手段に記憶されている移動
距離プロファイルに配列された各基準移動量がモータの
角速度の時間変化における過渡領域の関数に基づく関数
にて定めるようにしているため、フィードバック制御系
による被移動駆動物体の加速時の制御をモータの回転駆
動の開始時点から行なうことが可能となり、位置決め動
作の高速化を実現できる。しかも、上記モータの角速度
の時間変化における過渡領域の関数は、被移動駆動物体
を移動駆動するモータによって適宜設定することが可能
であるため、モータの種類によって位置決め動作が遅く
なったりするという不都合を回避することができる。
【0033】また、減速時においては、移動距離プロフ
ァイルから読み出された基準移動量を補正して減速用の
基準移動量に変換するようにしているため、該減速用の
基準移動量の計算が簡単になり、しかも、要求される移
動距離に対応するために大量の減速用の移動量を備える
必要がなくなるため、メモリの削減を有効に図ることが
できる。
【0034】
【実施例】以下、本発明に係るモータ制御装置を例えば
CD−ROM用の光ディスクドライブ装置に搭載される
光学ヘッドのシーク・サーボ系に適用した実施例(以
下、単に実施例に係るモータ制御装置と記す)を図1〜
図19を参照しながら説明する。
【0035】まず、この実施例に係るモータ制御装置
は、光学ヘッドを移動駆動して光ディスクドライブ装置
内に装着された光ディスク(CD−ROM)における所
定位置(トラック)に該光学ヘッドを位置決めさせるア
クチュエータに接続されるものである。
【0036】そして、この実施例に係るモータ制御装置
は、図1に示すように、アクチュエータ内に組み込ま
れ、光学ヘッドの移動駆動源であるDCモータ1と、こ
のDCモータ1に対し、入力された基準移動量に基づい
てフィードバック制御を行なうフィードバック制御系2
と、システムコントローラ3からのシーク要求と目標シ
ーク距離の情報Dsに基づいて所定時間T毎に上記フィ
ードバック制御系2に基準移動量を出力する制御手段4
とを有して構成されている。
【0037】フィードバック制御系2は、入力される基
準移動量とDCモータ1の回転駆動に伴う光学ヘッドの
移動量(位置検出部11にて検出される移動量)とを比
較部12にて比較し、その比較結果である偏差を制御系
の安定化を図る位相補償手段13にて位相補償してDC
モータ1に供給することにより、光学ヘッドを基準移動
量で示す距離ほど高速に移動させるというものである。
なお、位相補償手段13としては、I動作(比例動作)
のみを行なう手段や、PI動作(積分+比例動作)を行
なう手段等がある。
【0038】制御手段4の基本構成は、図1に示すよう
に、第1の記憶手段21と、第2の記憶手段22と、演
算手段23と、これら各手段をシステムコントローラ3
からのシーク要求の入力とタイミング発生器24からの
クロック信号Pcの入力に基づいて制御する制御部25
とを有して構成されている。
【0039】ここで、上記制御部25で各手段を制御す
る際の基本原理について説明すると、まず、DCモータ
の回転角θと印加電圧e(t)の関係は次の式で表わさ
れる。
【0040】
【数1】
【0041】ここで、 Ra:電機子回路抵抗 kT :電機子反作用定数 JL :負荷の慣性 km :トルク電流特性の比例定数 To :定常負荷 である。
【0042】従って、ステップ関数状の電圧が印加され
た場合の回転角及び角速度の時間変化は次の式で表わさ
れる。
【0043】
【数2】
【0044】ただし、定数K及びTは、上記の定数から
次のように得られる。
【0045】
【数3】
【0046】また、実際にDCモータ1をラック・アン
ド・ピニオン機構により光学ヘッドのスレッドに用いる
場合には、シーク時の変位量(距離)は角度に定数を乗
じた距離に変換したものになり、シークにはその値を用
いる。
【0047】DCモータ1を用いて最も高速にシークを
実現するには、やはりバンバン制御と同様に最大加速度
(一定である必要はない)で加速して、切換え時間の経
過後に逆の最大加速度(これも一定である必要はない)
で減速して、一定の時間が与えられた場合には最大の変
位が得られるように制御しなければならない。
【0048】即ち、図21Bの三角形の面積は変位の大
きさ(シーク距離)を表わしているが、この三角形の形
状、特に高さを大きくしたもの(破線で示す)とすれ
ば、変位の大きさは(シーク距離)は長くなる。
【0049】つまり、同じ時間(例えばt1時,t2時
など)において、実線で示す三角形の場合よりも大きな
速度に達し、これが予め定めた時間(fit)で速度ゼ
ロに減速できれば、この速度特性が描く三角形は、その
面積が実線の三角形よりも大きくなり、その結果、変位
の大きさ(シーク距離)は大きくなる。このとき、同じ
時間でより大きな速度に達していれば、それを同じ時間
で速度ゼロにするには、当然より大きな逆の加速度が必
要になる。
【0050】この現象は、速度特性が描く図形が三角形
以外の場合にも生じ、特に、速度が切換え時間まで単調
に増加し、切換え時間経過後は回転停止まで単調に減少
するという速度特性において上記現象が同様に生じる。
【0051】従って、DCモータ1で最も高速なシーク
動作を実現するには、VCMにおけるバンバン制御と同
様に、DCモータ1に対して加速時は最大電圧を印加
し、減速時は逆極性の最大電圧を印加することが必要で
ある。このときの移動距離のプロファイルは、上式
(2)から以下の式で表わされる。
【0052】
【数4】
【0053】また、上記式(5)に基づく速度の式は以
下のように表わされる。
【0054】
【数5】
【0055】ここで、上記式(4),式(5)及び式
(6)において、chtは加速/減速の切換え時間であ
り、減速時の係数K’はDCモータ1のドライブ段にも
よるが、定数Kを求める式で、印加電圧を−2eに置き
換えることによって得られる。摩擦を考慮しなければ、
K’=−2Kである。
【0056】即ち、DCモータ1でシークを行なう場合
には、移動距離のプロファイルとして、VCMで使用し
ていた2次関数を用いるのではなく、上記(4)及び
(5)式の指数関数、特に、過渡領域における指数関数
を用いることによって、シークを最適化できる。
【0057】逆にDCモータ1で2次関数の移動距離プ
ロファイルを用いたとすると、上式(1)から印加電圧
は、以下の式で表わされる。
【0058】
【数6】
【0059】ここで、Lはシーク距離(角度換算)であ
り、Tはシーク時間、aは加速又は減速の加速度の絶対
値である。
【0060】上式(5)からこの印加電圧は1次関数の
形をしており、切換え時点で最大となる。加速度aはこ
の時点で、DCモータ1のドライブ回路が与えることの
できる電圧によって決定される。つまり、切換え時点以
外では最大電圧より低い電圧しか印加されない。
【0061】従って、先の議論により、常に最大電圧が
印加される指数関数を基準の移動距離プロファイルに用
いた場合に比べてシーク動作は遅くなる。例えば、ある
CD−ROM用の光ディスクドライブ装置を用いたとき
のフルストロークのシーク動作で、理論計算によると、
指数関数の移動距離プロファイルを用いた場合、そのシ
ーク時間は約70msecであるのに対し、2次関数の
場合は約90msecとなる。
【0062】このように、DCモータ1でシーク動作を
行なう場合、VCMで行なわれているような2次関数を
基準とした移動距離プロファイルを用いるよりも、指数
関数を基準とした移動距離プロファイルを用いたほうが
高速にシーク動作を行なうことができる。
【0063】ところで、先のVCMで2次関数の移動距
離プロファイルを用いた場合においては、基準距離を実
際のシーク距離と比較する度に、マイコン、DSPなど
が基準距離の計算を行なっていた。これは、計算式が簡
単(2次関数)であるため可能であった。
【0064】しかし、本実施例においては、DCモータ
1に対応して指数関数を使用することから基準距離の計
算に時間がかかり、必要な度に逐次計算して基準距離を
求めるのは不可能である。
【0065】このような場合に、一般的なのは、予め計
算した移動距離プロファイルをメモリの中に記憶してお
いて、必要なときに参照する方法が用いられる。即ち、
目標とするシーク距離毎に式(4)及び式(5)を求め
てメモリに記憶しておく。
【0066】しかし、例えば一般的な12cmのCD−
ROMにおいては、そのトラック数が20000以上も
あり、仮に100トラックに1つの割合で式(4)及び
(5)の計算結果のデータテーブルを持つとしても、2
00ものデータテーブルをメモリに記憶しなければなら
ず、非常に大きなメモリを必要とする。メモリの単価が
安くなったとしてもこれでは実用的ではない。
【0067】上記式(4)及び(5)に着目すると、切
換え時間前での式(4)では、シーク距離に拘らず一定
であり、切換え時間経過後の式(5)においても、該式
(5)の第1項と第2項は係数は異なるが、第2項が時
間的にシフトしているだけで、式(4)と同じ関数であ
る。ただし、切換え時間は、VCMでのバンバン制御の
ように必ずシーク時間の1/2となるわけではなく、目
標とするシーク距離(以下、単に目標シーク距離と記
す)によって異なる。
【0068】なお、上式(5)と式(6)において、切
換え時間とシーク終了時間の2つを変数とし、シーク終
了時間で目標シーク距離に達し、そのときの速度がゼロ
になる、という連立方程式を解くことにより、2つの変
数が求められる。
【0069】従って、本実施例においては、まず、式
(4)で示す切換え時間前の指数関数を用いて所定時間
T毎の距離データ、即ち所定時間T毎の基準移動量を求
め、得られた多数の基準移動量をアドレス順次に例えば
第1の記憶手段21の記憶領域に記憶させる。即ち、式
(4)に基づく所定時間T毎の基準移動量がアドレス順
次に配列されて構成される第1のデータテーブルTBL
1を第1の記憶手段に記憶させる。このデータテーブル
TBL1に配列される各基準移動量は、目標シーク距離
に依存しないため、1種類の第1のデータテーブルTB
L1を第1の記憶手段21に記憶させればよい。
【0070】実際には、フィードバック制御系2の比較
部12において、基準移動量と実際の移動量とを比較す
るのは、連続的に行なうのではなく、離散的に行なうた
め、第1のデータテーブルTBL1の作成においては、
フィードバック制御系2での離散間隔(例えば1mse
cや500μsec)の整数倍の時点における式(4)
の計算結果をそれぞれ基準移動量とする。つまり、式
(4)において、t=0msec,1msec,2ms
ec・・・・での計算結果、あるいはt=0μsec,
500μsec,1000μsec・・・・での計算結
果をそれぞれ基準移動量とする。
【0071】例えば、フィードバック制御系2で比較を
行なう離散間隔を1msecとした場合、第1のデータ
テーブルTBL1は、図2Aに示すように、0レコード
目にt=0msecでの式(4)の計算結果が格納さ
れ、1レコード目にt=1msecでの式(4)の計算
結果が格納され、2レコード目にt=2msecでの式
(4)の計算結果が格納され、同様に、nレコード目に
t=nmsecでの式(4)の計算結果が格納されるこ
とになる。
【0072】上記例では、t=0msecからの計算結
果が順次格納されることになるため、上式(4)で示す
指数関数において、過渡領域における計算結果が基準移
動量として格納されることになる。
【0073】上記第1のデータテーブルTBL1は、十
分に長い時間に対して必要であり、例えば最終レコード
に格納される基準移動量は、CD−ROMの最外周から
最内周までの距離に相当する。以下の説明においては、
この第1のデータテーブルTBL1に格納される基準移
動量を加速用基準移動量と記す。
【0074】また、本実施例においては、上記第1のデ
ータテーブルTBL1のほかに、切換え時間経過後の減
速用の基準移動量を求めるための補正用パラメータが多
数配列された第2のデータテーブルTBL2を用意し、
該第2のデータテーブルTBL2を例えば第2の記憶手
段22の記憶領域に記憶させる。
【0075】上記第2のデータテーブルTBL2に配列
される補正用パラメータは、例えば目標シーク距離に対
応した切換え時間とシーク終了時間である。具体的に
は、図2Bに示すように、第1のデータテーブルTBL
1に格納されている各加速用基準移動量に対応した切換
え時間とシーク終了時間が格納されて第2のデータテー
ブルTBL2が構成される。
【0076】即ち、第2のデータテーブルTBL2の0
レコード目には、第1のデータテーブルTBL1の0レ
コード目に格納されている加速用基準移動量θ(0)を
目標シーク距離とした場合の切換え時間cht(0)と
シーク終了時間fit(0)が格納され、第2のデータ
テーブルTBL2の1レコード目には、第1のデータテ
ーブルTBL1の1レコード目に格納されている加速用
基準移動量θ(1)を目標シーク距離とした場合の切換
え時間cht(1)とシーク終了時間fit(1)が格
納され、以下同様に、第2のデータテーブルTBL2の
Mレコード目には、第1のデータテーブルTBL1のM
レコード目に格納されている加速用基準移動量θ(M)
を目標シーク距離とした場合の切換え時間cht(M)
とシーク終了時間fit(M)が格納されることにな
る。
【0077】シーク終了時間fit(t)を必要とした
のは、以下の理由による。つまり、シーク動作は、最終
的には光学ヘッドが目標シーク距離(目標トラック)に
達した時点で終了するが、シーク終了時間fit(t)
が設定されていない場合、粗動シークは、切換え時間経
過後に印加される逆極性の最大電圧によって光学ヘッド
が減速して自然に停止した時点で終了することになる
が、その後の精細シーク動作等を考慮した場合、光学ヘ
ッドの自然停止を待っていたのでは、シーク動作の高速
化に限界が生じることになる。
【0078】そこで、本実施例では、補正用パラメータ
としてシーク終了時間fit(t)を登録し、そのシー
ク終了時間fit(t)になった時点で光学ヘッドがど
の地点にあるかに拘らず強制的に光学ヘッドを停止さ
せ、光学ヘッドが目標のトラックに達していなければ、
もう一度同じようにシークを行なうか、もしくは精細シ
ーク動作によって光学ヘッドを目標トラックに到達させ
る。この方が全体のシーク動作からみた場合、その動作
速度は、自然停止の場合よりも速くなり、シーク動作の
高速化に寄与させることが可能となる。
【0079】そして、図1で示す制御部25の基本動作
は、システムコントローラ3から供給される目標シーク
距離の情報Dsの入力に基づいて、第2のデータテーブ
ルTBL2から該目標シーク距離に対応する切換え時間
とシーク終了時間を取り出して演算手段23に供給する
という動作と、タイミング発生器24から所定時間T単
位に出力されるクロック信号Pcの入力に基づいて第1
のデータテーブルTBL1からアドレス順次に加速用基
準移動量θ(t)を取り出し、切換え時間経過前におい
ては、上記のように取り出した加速用基準移動量θ
(t)をそのままフィードバック制御系2に供給し、切
換え時間経過後においては、上記のように取り出した加
速用基準移動量θ(t)を演算手段23に供給するとい
う動作と、該演算手段23からの演算結果(以下に示す
減速用基準移動量θ’(t)をフィードバック制御系2
に供給するという動作を行なう。
【0080】演算手段23は、切換え時間経過後におい
て活性化され、上記制御部25から供給された切換え時
間とシーク終了時間、並びに所定時間T毎に制御部25
から順次供給される加速用基準移動量θ(t)に基づい
て上式(5)で示す減速用基準移動量θ’(t)を演算
してその演算結果を制御部25に供給するという動作を
行なう。
【0081】次に、上記制御手段4の処理動作を図3の
フローチャートに基づいて説明する。まず、シーク動作
が開始されると、ステップS1において、制御部25
は、第2のデータテーブルTBL2中、システムコント
ローラ3から供給された目標シーク距離データDsの値
(目標シーク距離x)に対応する切換え時間chtとシ
ーク終了時間fitを取り出して演算手段23に供給す
る。
【0082】次に、ステップS2において、制御部25
は、時間係数用のカウンタtに「0」を格納して初期化
する。
【0083】次に、ステップS3において、制御部25
は、時間係数用カウンタtの値がシーク終了時間fit
であるかを判別する。時間係数用カウンタtの値がシー
ク終了時間fitでない場合は、次のステップS4に進
む。
【0084】ステップS4において、制御部25は、時
間係数用カウンタtの値が切換え時間chtよりも小さ
いかどうかを判別する。時間係数用カウンタtの値が切
換え時間chtよりも小さければ、ステップS5に進
む。
【0085】ステップS5において、制御部25は、タ
イミング発生器24からのクロック信号Pcの入力に基
づいて、第1の記憶手段21に格納されている第1のデ
ータテーブルTBL1から時間係数用カウンタtの値に
対応したレコードから加速用基準移動量θ(t)を読み
出してそのままフィードバック制御系2に出力する。
【0086】フィードバック制御系2は、制御手段4か
ら送られてくる加速用基準移動量θ(t)とDCモータ
1の回転駆動に基づく光学ヘッドの移動量とを比較部1
2にて比較し、更にその偏差を位相補償手段13を介し
てDCモータ1に供給し、光学ヘッドの移動量を上記供
給された加速用基準移動量θ(t)に合わせ込むという
動作を行なう。これによって、光学ヘッドは、供給され
た加速用基準移動量θ(t)ほど移動駆動されることに
なる(ステップS6)。
【0087】次に、ステップS7において、制御部25
は、時間係数用カウンタtの値を決められた時間単位に
更新する。即ち、フィードバック制御系2にて比較処理
が行なわれる離散間隔(例えば1msecや500μs
ec)単位にカウンタtの値を更新する。
【0088】該ステップS7での処理を終了すると上記
ステップS3に戻って該ステップ3以降の処理を繰り返
す。上記ステップS3からステップS5を経由しての処
理は、ステップS4において、時間係数用カウンタtの
値が切換え時間cht以上になるまで繰り返され、これ
によって、光学ヘッドは、その移動量がフィードバック
制御系2に所定時間T毎に供給された加速用基準移動量
θ(t)に順次合わせ込まれながら加速されることにな
る。
【0089】そして、上記ステップS4において、時間
係数用カウンタtの値が切換え時間cht以上と判別さ
れた場合は、ステップS8に進む。このステップS8に
おいて、制御部25は、演算手段23を活性化して、第
1のデータテーブルTBL1中、カウンタtの値に対応
したレコードから加速用基準移動量θ(t)を読み出
し、この読み出した加速用基準移動量θ(t)をフィー
ドバック制御系2ではなく上記演算手段23に供給す
る。
【0090】演算手段23は、制御部25から供給され
た加速用基準移動量θ(t)とステップS1において供
給された切換え時間cht及びシーク終了時間fitに
基づいて減速用基準移動量θ’(t)を演算する。具体
的には、演算手段23は、第1の記憶手段21に記憶さ
れている第1のデータテーブルTBL1中、現在の時間
(即ち、時間係数用カウンタtの値)から切換え時間c
htを差し引いて得られる差時間(t−cht)に対応
するレコードから加速用基準移動量θ(t−cht)を
読み出し、その後、この読み出した加速用基準移動量θ
(t−cht)に係数K’(摩擦を考慮しない場合、
K’=−2K)を乗算した後、この乗算値K’*θ(t
−cht)と制御部25から供給されている加速用基準
移動量θ(t)とを加算して減速用基準移動量θ’
(t)=θ(t)+K’*θ(t−cht)を得る。そ
して、この得られた減速用基準移動量θ’(t)を制御
部25に返送する。
【0091】制御部25は、演算手段23からの減速用
基準移動量θ’(t)をフィードバック制御系2に出力
する。フィードバック制御系2は、制御手段4から送ら
れてくる減速用基準移動量θ’(t)とDCモータ1の
回転駆動に基づく光学ヘッドの移動量とを比較し、更に
その偏差を位相補償手段13を介してDCモータ1に供
給し、光学ヘッドの移動量を供給された減速用基準移動
量θ’(t)に合わせ込むという動作を行なう。これに
よって、光学ヘッドは、供給された減速用基準移動量
θ’(t)ほど移動駆動されることになる(ステップS
6)。
【0092】次に、ステップS7において、制御部25
は、時間係数用カウンタtの値を決められた時間単位に
更新する。即ち、フィードバック制御系2にて比較処理
が行なわれる離散間隔(例えば1msecや500μs
ec)単位にカウンタtの値を更新する。
【0093】該ステップS7での処理を終了すると上記
ステップS3に戻って該ステップ3以降の処理を繰り返
す。上記ステップS3からステップS8を経由しての処
理は、ステップS3において、時間係数用カウンタtの
値がシーク終了時間fitと同じになるまで繰り返さ
れ、これによって、光学ヘッドは、その移動量がフィー
ドバック制御系2に所定時間T毎に供給された減速用基
準移動量θ’(t)に順次合わせ込まれながら徐々に減
速されることになる。
【0094】上記一連の動作が繰り返し行なわれること
により、まず、切換え時間経過前においては、第1のデ
ータテーブルTBL1に格納されている各加速用基準移
動量θ(t)がアドレス順次に取り出されてフィードバ
ック制御系2に供給されることから、光学ヘッドは、所
定時間T毎に第1の記憶手段21における第1のデータ
テーブルTBL1からアドレス順次読み出された加速用
基準移動量θ(t)ほど移動駆動されて徐々に速度を上
げながら移動することになり、切換え時点において最高
速度に達する。
【0095】切換え時間経過後においては、所定時間T
毎に第1のデータテーブルTBL1から読み出された加
速用基準移動量θ(t)がそれぞれ演算手段23にて補
正されて減速用の基準移動量θ’(t)に変換され、こ
の演算手段23からの減速用基準移動量θ’(t)が制
御部25を通じてフィードバック制御系2に供給される
ことになる。その結果、光学ヘッドは、所定時間T毎に
演算手段23から制御部25を通じて供給される減速用
基準移動量θ’(t)ほど移動駆動されて徐々に速度を
下げながら移動することになり、目標シーク距離xほど
移動した段階で速度がゼロとなって停止する。
【0096】この場合、第1の記憶手段21に記憶され
ている第1のデータテーブルTBL1に配列された各加
速用基準移動量θ(t)がDCモータ1の角速度の時間
変化における過渡領域の指数関数(式(3)で示す)に
基づく関数(式(4)で示す)にて定めるようにしてい
るため、フィードバック制御系2による光学ヘッドの加
速時の制御をDCモータ1の回転駆動の開始時点から行
なうことが可能となり、位置決め動作の高速化を実現で
きる。
【0097】また、減速時においては、第1のデータテ
ーブルTBL1から読み出された加速用基準移動量θ
(t)を、第2のデータテーブルTBL2から読み出さ
れた目標シーク距離データDsの値xに対応する切換え
時間chtとシーク終了時間fitを用い、演算手段2
3において式(5)に基づいて補正することにより減速
用基準移動量θ’(t)に変換するようにしているた
め、該減速用基準移動量θ’(t)の計算が簡単にな
り、しかも、すべての目標シーク距離xに対応するため
に大量の減速用の移動量に関する情報データを備える必
要がなくなるため、メモリの削減を有効に図ることがで
きる。
【0098】次に、上記実施例に係るモータ制御装置に
おいて、制御手段4をマイクロコンピュータ31(以
下、単にマイコンと記す)とFIFO(first-in first
-out)方式のメモリ装置32にて構成した実施例を図4
〜図19に基づいて説明する。
【0099】まず、制御手段4を構成するマイコン31
のハード構成は、図5に示すように、各種プログラムが
格納されたプログラムROM33と、各種固定データが
予め登録されたデータROM34と、上記プログラムR
OM33から読み出されたプログラムの動作用として用
いられる動作用RAM35と、システムコントローラ3
からのデータや各種プログラムによってデータ加工され
たデータ等が格納されるデータRAM36と、外部回路
(システムコントローラ3やメモリ装置32)に対して
データの入出力を行なう入力ポート37及び出力ポート
38と、これら各回路を制御するCPU(制御装置及び
論理演算装置)39とを有して構成されている。
【0100】そして、上記各種回路は、CPU39から
導出されたデータバスDBを介して各回路間のデータの
受渡しが行なわれ、更にCPU39から導出されたアド
レスバス及び制御バス(共に図示せず)を介してそれぞ
れCPU39にて制御されるように構成されている。
【0101】システムコントローラ3からの要求信号や
情報データは、入力ポート37を介してデータバスDB
に供給されるようになっている。
【0102】一方、メモリ装置32は、マイコン31か
らの書込み要求信号に基づいてマイコン31から送られ
てくるデータを記憶領域に逐次書き込み、タイミング発
生器24からのクロック信号Pcの入力に基づいて記憶
領域に格納されてるデータを逐次読み出してフィードバ
ック制御系2に出力する。この場合、先に書き込まれた
データから先に読み出して出力するいわゆるFIFO方
式のメモリ装置24となっている。
【0103】次に、上記マイコン31での処理動作に関
し、4つの例(以下、便宜的に第1実施例〜第4実施例
に係るモータ制御装置と記す)を図6〜図19の機能ブ
ロック図及びフローチャートに基づいて説明する。
【0104】まず、第1実施例に係るモータ制御装置
は、図7で示すステップS101において、電源投入と
同時に初期動作、例えば、マイコン31内のシステムチ
ェックやメモリチェック及びセットアップ等が行なわれ
る。
【0105】次に、ステップS102において、プログ
ラムROM33から、基準移動量作成手段51(基準移
動量作成プログラム:図6参照)が読み出されて、動作
用RAM35に書き込まれると同時に、このプログラム
51の動作中において生成されたデータを一時的に保存
するためや、上記プログラム51を構成する各ルーチン
間のパラメータの受渡しなどに用いられる作業領域が動
作用RAM35中に割り付けられる。また、データRA
M36には、データROM34からの各種固定データが
格納される固定データ格納領域が割り付けられる。
【0106】固定データ格納領域は、上記図1で示す第
1の記憶手段21に記憶された第1のデータテーブルT
BL1(図2A参照)と同じ内容のデータテーブル(以
下、便宜的に第1のデータテーブルTBL1と記す)が
格納される第1のデータテーブル格納領域と、上記図1
で示す第2の記憶手段22に記憶された第2のデータテ
ーブルTBL2(図2B参照)と同じ内容のデータテー
ブル(以下、便宜的に第2のデータテーブルTBL2と
記す)が格納される第2のデータテーブル格納領域と、
減速用基準移動量θ’(t)を求めるための減速補正用
係数K’が格納される係数格納領域と、予め仕様にて設
定された所定時間データ(例えば1msecや500μ
sec)が格納される時間データ格納領域とを有する。
【0107】このステップS2においては、上記プログ
ラム51の転送処理のほかに、データROM34から各
種固定データを読み出して固定データ格納領域に格納す
るという処理を行なう。このとき、データROM34に
登録されている第1のデータテーブルTBL1と第2の
データテーブルTBL2がそれぞれ第1のデータテーブ
ル格納領域と第2のデータテーブル格納領域に格納され
る。
【0108】上記動作用RAM35に読み出された基準
移動量作成プログラム51は、図6に示すように、各種
判別を行う判別手段52と、システムコントローラ3か
ら入力ポート37を通じて入力される目標シーク距離デ
ータDsを受け取って所定のレジスタに格納する目標シ
ーク距離受取り手段53と、第1のデータテーブル格納
領域に格納されている第1のデータテーブルTBL1に
おける所定レコードのデータを読み出す第1のデータ読
出し手段54と、第2のデータテーブル格納領域に格納
されている第2のデータテーブルTBL2における所定
レコードのデータを読み出す第2のデータ読出し手段5
5と、減速用基準移動量θ’(t)を演算するための補
正用パラメータを検索する補正用パラメータ検索手段5
6と、該補正用パラメータ検索手段56にて作成された
補正用パラメータに基づいて減速用基準移動量θ’
(t)を演算する減速用移動量演算手段57と、フィー
ドバック制御系2に対し出力ポート38を通じて加速用
基準移動量θ(t)又は減速用基準移動量θ’(t)を
出力する移動量出力手段58とを有して構成されてい
る。
【0109】また、上記補正用パラメータ検索手段56
は、目標シーク距離データDsの値xが、第1のデータ
テーブルTBL1からアドレス順次に読み出された加速
用基準移動量θ(t)に基づく検索条件を満たすかどう
かを判別する検索条件判別手段59を有する。
【0110】そして、この基準移動量作成プログラム5
1は、まず、図7のステップS103において、判別手
段52を通じて、シーク要求があったか否かの判別が行
なわれる。この判別は、システムコントローラ3からの
シーク要求信号が入力ポート37を通じて入力されたか
どうかで行なわれ、システムコントローラ3からのシー
ク要求信号の入力があるまで該ステップS103が繰り
返される。即ち、シーク要求待ちとなる。
【0111】システムコントローラ3からのシーク要求
信号が入力された場合、次のステップS104に進み、
目標シーク距離受取り手段53を通じて、システムコン
トローラ3から入力ポート37を介して入力される目標
シーク距離データDsを受け取って、第1のレジスタR
1(基準移動量作成プログラムにて使用される各種レジ
スタのうち、第1のワーク用レジスタR1として宣言さ
れたレジスタ)に格納する。
【0112】次に、ステップS105において、タイミ
ング発生器24に対し起動信号Sdを出力ポート38を
通じて出力する。タイミング発生器24は、マイコン3
1からの起動信号Sdの入力に基づいて所定時間T毎に
クロック信号Pcを出力するという動作を行なう。
【0113】次に、ステップS106において、補正用
パラメータ検索手段56(補正用パラメータ検索サブル
ーチン)に入る。
【0114】この補正用パラメータ検索サブルーチン5
6は、図9に示すように、まず、ステップS201にお
いて、インデックスレジスタi(基準移動量作成プログ
ラムにて使用される各種レジスタのうち、インデックス
レジスタiとして宣言されたレジスタ)に初期値「0」
を格納し、該インデックスレジスタiを初期化する。
【0115】次に、ステップS202において、第1の
データ読出し手段54を通じて、第1のデータテーブル
格納領域に格納されている第1のデータテーブルTBL
1のうち、インデックスレジスタiの値で示すレコード
目(即ち、iレコード目)の基準移動量データθ(i)
を読み出して第2のレジスタR2(基準移動量作成プロ
グラムにて使用される各種レジスタのうち、第2のワー
ク用レジスタR2として宣言されたレジスタ)に格納す
る。
【0116】更に、ステップS203において、第1の
データ読出し手段54を通じて、インデックスレジスタ
iの値+1で示すレコード目(即ち、(i+1)レコー
ド目)の基準移動量データθ(i+1)を読み出して第
3のレジスタR3(基準移動量作成プログラムにて使用
される各種レジスタのうち、第3のワーク用レジスタR
3として宣言されたレジスタ)に格納する。
【0117】次に、ステップS204において、検索条
件判別手段59を通じて、目標シーク距離データDsの
値xが、iレコード目の基準移動量θ(i)以上で、か
つ(i+1)レコード目の基準移動量θ(i+1)未満
という条件を満たすかどうかの判別を行なう。具体的に
は、この判別は、第1のレジスタR1の値が、第2のレ
ジスタR2の値以上で、かつ第3のレジスタR3の値未
満であるかどうかで行なわれる。
【0118】第1のレジスタR1の値(目標シーク距離
x)が上記条件を満足しない場合、ステップS205に
進んで、インデックスレジスタiの値を+1更新した
後、ステップS202に戻り、第1のデータテーブルT
BL1の次のレコード及び更に次のレコードの基準移動
量を読み出す。そして、次のステップS204において
上記と同様の判別を行なう。これらステップS202〜
ステップS205の処理は、第1のレジスタR1の値
(目標シーク距離x)が、第2のレジスタR2の値以上
で、かつ第3のレジスタR3の値未満という条件を満足
するまで行なわれる。
【0119】そして、第1のレジスタR1の値(目標シ
ーク距離x)が上記条件を満足した段階で、次のステッ
プS206に進み、第2のデータ読出し手段55を通じ
て、第2のデータテーブル格納領域に格納されている第
2のデータテーブルTBL2のうち、iレコード目の切
換え時間データcht(i)とシーク終了時間データf
it(i)を読み出して、第4のレジスタR4及び第5
のレジスタ(基準移動量作成プログラムにて使用される
各種レジスタのうち、第4のワーク用レジスタR4及び
第5のワーク用レジスタR5として宣言されたレジス
タ)にそれぞれ格納する。
【0120】次に、ステップS207において、係数格
納領域に格納されている減速補正用係数K’を読み出し
て第6のレジスタR6(基準移動量作成プログラムにて
使用される各種レジスタのうち、第6のワーク用レジス
タR6として宣言されたレジスタ)に格納する。
【0121】上記ステップS207での減速補正用係数
k’の第6のレジスタR6への格納処理が終了した段階
で、この補正用パラメータ検索手段56(補正用パラメ
ータ検索サブルーチン)が終了する。
【0122】次に、図8に示すメインルーチンに戻り、
次のステップS107において、インデックスレジスタ
j及びインデックスレジスタt(基準移動量作成プログ
ラムにて使用される各種レジスタのうち、インデックス
レジスタj及びインデックスレジスタtとして宣言され
たレジスタ)にそれぞれ初期値「0」を格納してこれら
インデックスレジスタj及びインデックスレジスタtを
初期化する。
【0123】次に、ステップS108において、判別手
段52を通じて、現在、シーク・サーボ制御の途中であ
るかあるいは終了したかが判別される。この判別は、イ
ンデックスレジスタtの値が第5のレジスタに格納され
ているシーク終了時間fit(i)未満であるかどうか
で行なわれる。インデックスレジスタtの値がシーク終
了時間fit(i)未満である場合、シーク・サーボ制
御の途中であると判別され、次のステップS109に進
む。
【0124】このステップS109においては、判別手
段52を通じて、現在、切換え時間cht(i)経過前
か経過後かが判別される。この判別は、インデックスレ
ジスタtの値が第4のレジスタに格納されている切換え
時間cht(i)未満であるかどうかで行なわれる。イ
ンデックスレジスタtの値が切換え時間cht(i)未
満である場合、現在、切換え時間cht(i)経過前で
あると判別され、次のステップS110に進む。
【0125】このステップS110においては、第1の
データ読出し手段54を通じて、第1のデータテーブル
格納領域に格納されている第1のデータテーブルTBL
1のうち、インデックスレジスタjの値で示すレコード
目(即ち、jレコード目)の基準移動量データθ(j)
を読み出して第9のレジスタR9(基準移動量作成プロ
グラムにて使用される各種レジスタのうち、第9のワー
ク用レジスタR9として宣言されたレジスタ)に格納す
る。
【0126】次に、ステップS111において、移動量
出力手段58を通じて、第9のレジスタR9に格納され
ている基準移動量データθ(j)を書込み要求信号と共
に出力ポート38を介してメモリ装置32に出力する。
【0127】メモリ装置32は、マイコン31からの書
込み要求信号の入力に基づいて該マイコン31から送ら
れてくる基準移動量データθ(j)をメモリ装置32内
の記憶領域に逐次格納する。
【0128】次に、ステップS112において、インデ
ックスレジスタjの値を+1更新し、更にインデックス
レジスタtの値と時間データ格納領域に格納されている
所定時間データTを加算してインデックスレジスタtに
格納する。即ち、インデックスレジスタtの値を所定時
間T分更新させる。
【0129】その後、上記ステップS108に戻り、該
ステップS108以降の処理を繰り返す。上記ステップ
S108からステップS110を経由しての処理は、ス
テップS109において、インデックスレジスタtの値
が切換え時間cht(i)以上になるまで繰り返され、
これによって、メモリ装置32の記憶領域には、第1の
データテーブルTBL1における0レコード目からの基
準移動量θ(j)が順次書き込まれることになる。
【0130】そして、メモリ装置32の記憶領域に対す
る基準移動量θ(j)の逐次書込みが行なわれている段
階で、メモリ装置32は、タイミング発生器24からの
クロック信号Pcの入力に基づいて記憶領域から逐次基
準移動量θ(j)を読み出して後段のフィードバック制
御系2に出力する。即ち、フィードバック制御系2に
は、所定時間T毎に第1のデータテーブルTBL1に格
納されている基準移動量θ(j)が順次供給されること
になる。
【0131】これにより、光学ヘッドは、その移動量
が、フィードバック制御系2に所定時間T毎に供給され
た基準移動量θ(j)に順次合わせ込まれながら加速さ
れることになる。
【0132】図8のフローチャートの説明に戻り、ステ
ップS109において、インデックスレジスタtの値が
切換え時間cht(i)以上となって、現在、切換え時
間cht(i)経過後であると判別された場合は、ステ
ップS113に進み、現時刻tから切換え時間cht
(i)を差し引いた時間を所定時間Tにて量子化して補
正時間mを作成する。具体的には、インデックスレジス
タtの値から第4のレジスタR4に格納されている切換
え時間データcht(i)が示す値を差し引き、この差
分値を時間データ格納領域に格納されている所定時間デ
ータTで除算して今回の補正時間を得る。この除算は、
小数点以下の切捨て処理にて行なわれる。そして、上記
除算処理にて得られた補正時間をインデックスレジスタ
m(基準移動量作成プログラムにて使用される各種レジ
スタのうち、インデックスレジスタiとして宣言された
レジスタ)に格納して補正時間の作成が終了する。
【0133】次に、ステップS114において、第1の
データ読出し手段54を通じて、第1のデータテーブル
格納領域に格納されている第1のデータテーブルTBL
1のうち、jレコード目の基準移動量データθ(j)を
読み出して第10のレジスタR10(基準移動量作成プ
ログラムにて使用される各種レジスタのうち、第10の
ワーク用レジスタR10として宣言されたレジスタ)に
格納する。
【0134】更に、ステップS115において、第1の
データ読出し手段54を通じて、第1のデータテーブル
TBL1のうち、インデックスレジスタmの値で示すレ
コード目(即ち、mレコード目)の基準移動量データθ
(m)を読み出して第11のレジスタR11(基準移動
量作成プログラムにて使用される各種レジスタのうち、
第11のワーク用レジスタR11として宣言されたレジ
スタ)に格納する。
【0135】次に、ステップS116において、減速用
移動量演算手段57を通じて、現時刻に対応する減速用
基準移動量θ’(j)を演算する。具体的には、第11
のレジスタR11の値に第6のレジスタR6に格納され
ている減速補正用係数K’を乗算し、この乗算値(負の
値)と第10のレジスタR10の値を加算して減速用基
準移動量データθ’(j)とする。この減速用基準移動
量データθ’(j)は第9のレジスタR9に格納され
る。
【0136】次に、ステップS111において、移動量
出力手段58を通じて、第9のレジスタR9に格納され
ている減速用基準移動量データθ’(j)を書込み要求
信号と共に出力ポート38を介してメモリ装置32に出
力する。
【0137】メモリ装置32は、マイコン31からの書
込み要求信号の入力に基づいて該マイコン31から送ら
れてくる減速用基準移動量データθ’(j)をメモリ装
置32内の記憶領域に逐次格納する。
【0138】次に、ステップS112において、インデ
ックスレジスタjの値を+1更新し、更にインデックス
レジスタtの値と時間データ格納領域に格納されている
所定時間データTを加算してインデックスレジスタtに
格納する。即ち、インデックスレジスタtの値を所定時
間T分更新させる。
【0139】その後、上記ステップS108に戻り、該
ステップS108以降の処理を繰り返す。上記ステップ
S108からステップS113〜S116を経由しての
処理は、ステップS108において、インデックスレジ
スタtの値がシーク終了時間fit(i)以上になるま
で繰り返され、これによって、メモリ装置32の記憶領
域には、減速用移動量演算手段57での演算にて得られ
た減速用基準移動量θ’(j)が順次書き込まれること
になる。
【0140】そして、メモリ装置32の記憶領域に対す
る減速用基準移動量θ’(j)の逐次書込みが行なわれ
ている段階で、メモリ装置32は、タイミング発生器2
4からのクロック信号Pcの入力に基づいて記憶領域か
ら逐次減速用基準移動量θ(j)を読み出して後段のフ
ィードバック制御系2に出力する。即ち、フィードバッ
ク制御系2には、所定時間T毎に減速用移動量演算手段
57からの減速用基準移動量θ’(j)が順次供給され
ることになる。
【0141】これにより、光学ヘッドは、その移動量
が、フィードバック制御系2に所定時間T毎に供給され
た減速用基準移動量θ’(j)に順次合わせ込まれなが
ら徐々に減速されることになる。
【0142】そして、図8のステップS108におい
て、インデックスレジスタtの値がシーク終了時間fi
t(i)以上となって、現在、シーク・サーボ制御の終
了時点であると判別された場合は、ステップS117に
進み、判別手段52を通じて、プログラム終了要求があ
ったかどうかが判別される。この判別は、電源OFFな
どの終了要求割り込みの発生があったかどうかで行なわ
れる。
【0143】そして、このステップS117において
は、上記終了要求がない場合、図7のステップS103
に戻って、システムコントローラ3からの次のシーク要
求待ちとなり、上記終了要求があった場合は、この基準
移動量作成プログラム51が終了することになる。
【0144】上記例において、マイコン31から出力さ
れる基準移動量θ(j)及びθ’(j)を直接フィード
バック制御系2に供給せずに、FIFO方式のメモリ装
置32を介してフィードバック制御系2に供給するよう
にしたのは、通常、マイコン31内での処理は非常に速
く、マイコン31から直接フィードバック制御系2に基
準移動量θ(j)及びθ’(j)を供給した場合、所定
時間T毎に基準移動量θ(j)及びθ’(j)をフィー
ドバック制御系2に供給するという条件を満足できなく
なるからである。
【0145】従って、本実施例においては、マイコン3
1とフィードバック制御系2の間にFIFO方式のメモ
リ装置32を挿入接続し、マイコン31から高速に順次
送られてくる加速用基準移動量θ(j)及び減速用基準
移動量θ’(j)を一旦メモリ装置32内の記憶領域に
格納して、タイミング発生器24から所定時間T毎に出
力されるクロック信号Pcの入力に基づいて上記メモリ
装置32の記憶領域から加速用基準移動量θ(j)及び
減速用基準移動量θ’(j)を順次読み出してフィード
バック制御系2に供給するようにして、加速用基準移動
量θ(j)及び減速用基準移動量θ’(j)のフィード
バック制御系2への供給タイミングを調整するようにし
ている。
【0146】そして、上記ステップS108→S110
→S108の一連の動作が繰り返し行なわれた後に上記
ステップS108→S113〜S115→S108の一
連の動作が繰り返し行なわれることにより、まず、切換
え時間経過前においては、データRAM36における第
1のデータテーブル格納領域に格納されている第1のデ
ータテーブルTBL1に配列された各加速用基準移動量
θ(j)がアドレス順次に取り出されてメモリ装置32
を介してフィードバック制御系2に供給されることか
ら、光学ヘッドは、所定時間T毎に第1のデータテーブ
ルTBL1からアドレス順次読み出された加速用基準移
動量θ(j)ほど移動駆動されて徐々に速度を上げなが
ら移動することになり、切換え時点において最高速度に
達する。
【0147】切換え時間経過後においては、所定時間T
毎に第1のデータテーブルTBL1から読み出された加
速用基準移動量θ(j)がそれぞれ減算用移動量演算手
段57にて補正されて減速用基準移動量θ’(j)に変
換され、この減速用移動量演算手段57からの減速用基
準移動量θ’(j)がメモリ装置32を介してフィード
バック制御系2に供給されることになる。その結果、光
学ヘッドは、所定時間T毎に減速用移動量演算手段57
からメモリ装置32を通じて供給される減速用基準移動
量θ’(j)ほど移動駆動されて徐々に速度を下げなが
ら移動することになり、目標シーク距離xほど移動した
段階で速度がゼロとなって停止する。
【0148】この場合、第1のデータテーブルTBL1
に配列された各加速用基準移動量θ(j)がDCモータ
1の角速度の時間変化における過渡領域の指数関数(式
(3)で示す)に基づく関数(式(4)で示す)にて定
めるようにしているため、フィードバック制御系2によ
る光学ヘッドの加速時の制御をDCモータ1の回転駆動
の開始時点から行なうことが可能となり、位置決め動作
の高速化を実現できる。
【0149】また、減速時においては、第1のデータテ
ーブルTBL1から読み出された加速用基準移動量θ
(j)を、第2のデータテーブルTBL2から読み出さ
れた目標シーク距離Dsの値xに対応する切換え時間c
ht(i)とシーク終了時間fit(i)を用い、減速
用移動量演算手段57において式(5)に基づいて補正
することにより、減速用基準移動量θ’(j)に変換す
るようにしているため、該減速用基準移動量θ’(j)
の計算が簡単になり、しかも、すべての目標シーク距離
xに対応するために大量の減速用の移動量に関する情報
データを備える必要がなくなるため、メモリの削減を有
効に図ることができる。
【0150】ところで、実際のシーク・サーボ制御中に
おいては、フィードバック制御系2に供給される基準移
動量と実際の光学ヘッドの移動量との比較が行えるの
は、所定時間T毎の離散的な時点に限られることから、
切換え時間も離散的となる。これは、図8のステップS
113において、現時刻tから切換え時間cht(i)
を差し引いた値を所定時間Tで量子化して補正時間mを
算出していることからもわかる。
【0151】そこで、以下に示す第2実施例に係るモー
タ制御装置においては、シーク動作における減速時の係
数K’を、目標シーク距離x毎に上記量子化による誤差
を含んだ切換え時間に合わせて計算し直し、この計算に
よって得られた係数を新たに第2のデータテーブルTB
L2のエントリーとして加え(図10参照)、この係数
を用いてシーク・サーボ制御することによって、上記量
子化による誤差を少なくするものである。
【0152】以下、第2実施例に係るモータ制御装置に
ついて図6の機能ブロック図並びに図7,図8及び図1
2のフローチャートを参照しながら説明する。なお、上
記第1実施例と対応するものについては同符号を記す。
【0153】この第2実施例に係るモータ制御装置は、
上記第1実施例に係るモータ制御装置とほぼ同じ構成を
有するが、すでに述べたように、第2のデータテーブル
TBL2を構成する各レコードに新たなエントリーとし
ての減速補正用係数K’が格納されている点で異なる。
【0154】この減速補正用係数K’は、以下のように
して求めることができる。まず、シーク動作中に加速用
基準移動量又は減速用の基準移動量とその時点での実際
の光学ヘッドの移動量の差分を計算できるのは、シーク
動作中の離散的な時点においてのみである。この時点の
間隔は、そのサーボ制御にどの程度の周波数帯域を持た
せるかによって決定されているが、この実施例では例え
ば1msecや500μsecといった小さな値であ
る。
【0155】当然、この値は、シーク動作に要する時
間、例えば平均100msecや200msecと比べ
ると、非常に小さな値であり、通常はこの時間間隔でし
か処理を行なわなくてもサーボ制御の動作には何ら問題
はない。
【0156】ところが、「切換え時間」については、こ
の離散的な時点でしか処理を行なわないことが問題とな
る。
【0157】先に説明した連立方程式(式(5)及び式
(6)において、切換え時間とシーク終了時間を変数と
して、目標シーク距離xに達した時点での速度がゼロと
いう条件の連立方程式)から求められる切換え時間も前
述の理由により、計算結果が1msecや500μse
cの整数倍の値に量子化される。
【0158】ここで生じる誤差は、時間的には非常に小
さなものであるが、切換え時間はDCモータの回転速度
が最高速となっている時点であり、ここでの僅かな時間
の誤差は、シーク動作が終了した時点においては、かな
り大きな値となってしまう。この誤差が大きいと、最終
的に目標のトラックに到達するためにもう一度シーク動
作を行なわなければならず、高速なシークには非常に不
利である。
【0159】そこで、式(5)の第2項の減速補正用係
数K’を調整することによって、ここでの誤差を低減す
る。即ち、切換え時間をある時間間隔の整数倍に直した
後、先の連立方程式に該切換え時間を代入して、シーク
終了時間と式(5)における第2項の係数K’の2つを
変数として解を求める。
【0160】ここで、切換え時間がある時間間隔の整数
倍に量子化される際に2通りのパターンがあることに注
意する。
【0161】つまり、図11に示すように、一般的に計
算された切換え時間chtは離散的な2つの時点tn
びtn+1 の間のある数である。従って、その切換え時間
chtは隣合う2つの離散的な時点tn 及びtn+1 のう
ちのどちらかに近似される。即ち、最初の連立方程式に
よって得られた切換え時間chtはtn 又はtn+1 のど
ちらかに量子化される。
【0162】このとき、tn に量子化されたとすると、
切換え時点chtでの速度、即ちシーク動作中に達する
最高速度が少し小さくなる。従って、この場合、シーク
時間は少し長くなってしまうが、切換え時点chtでの
速度が小さい分、減速時の加速度は小さくなり、印加電
圧(の絶対値)も小さくなる。
【0163】逆にtn+1 に量子化されたとすると、シー
ク時間は短くなるが、より大きな印加電圧を必要とする
ことになる。ここで、シーク時間を短くするために、も
ともと最初に切換え時間chtを求めるときに、可能な
限り最大の電圧を印加するようにしている場合は、切換
え時間chtがtn+1 に量子化されることになるが、実
際には切換え時間tn+1 を用いて計算された係数K’を
使用すると、必要な電圧は印加できないため、正しく狙
い通りにシークさせることができない。
【0164】従って、もともと最大電圧を印加すること
を前提に切換え時間chtを計算する場合、計算した切
換え時間chtは時点tn に量子化することが好まし
い。本実施例においては、図8のステップS113にお
ける計算において、小数点以下を切り捨てていることか
ら、上記の例で言えば、切換え時間chtを時点tn
量子化していることがわかる。
【0165】そして、上記第1実施例に係るモータ制御
装置において上記減速補正用係数K’は一定の値であっ
たが、この第2実施例に係るモータ制御装置において
は、切換え時間chtを時点tn に量子化した値に基づ
いて、目標シーク距離xを変数として減速補正用係数
K’を計算し、このように予め計算して求めた減速補正
用係数K’を第2のデータテーブルTBL2に対して新
たなエントリーとして追加する。即ち、図10に示すよ
うに、第2のデータテーブルTBL2の各レコードに
は、切換え時間cht、シーク終了時間fit及び減速
補正用係数K’が格納されることになる。
【0166】従って、この第2実施例に係るモータ制御
装置は、第1実施例に係るモータ制御装置と比べると第
2のデータテーブルTBL2の構成が異なるだけである
ため、その構成は、上記第1実施例に係るモータ制御装
置とほぼ同じ構成を採用することができ、マイコン31
のハード構成は図5において説明でき、基準移動量作成
手段51についても図6の機能ブロック図において説明
できる。ただ、第2のデータテーブルTBL2が第1実
施例の場合と異なるため、補正用パラメータ検索手段5
6の処理動作において、ステップS206に対応する処
理が、減速補正用係数K’として一定の固定データを取
り出すのではなく、第2のデータテーブルTBL2中、
目標シーク距離xに応じたレコード目にある減速補正用
係数K’を取り出すことで異なる。
【0167】具体的に、上記第2実施例に係るモータ制
御装置について図6で示す機能ブロック図、図7及び図
8で示すメインルーチンに係るフローチャート並びに図
12で示す補正用パラメータ検索手段のフローチャート
を参照しながら説明する。なお、図7及び図8で示すフ
ローチャートを参照しながらの動作説明は、第1実施例
に係るモータ制御装置の処理動作とほぼ同じであるた
め、その詳細説明は省略し、簡単な説明に止める。
【0168】まず、図7のステップS101において、
電源投入と同時に初期動作が行なわれ、次のステップS
102において、プログラムROM33から、基準移動
量作成手段51(基準移動量作成プログラム:図6参
照)が読み出されて、動作用RAM35に書き込まれる
と同時に、このプログラム51の動作中において生成さ
れたデータを一時的に保存するためや、上記プログラム
を構成する各ルーチン間のパラメータの受渡しなどに用
いられる作業領域が動作用RAM35中に割り付けられ
る。このとき、データROM34からの各種固定データ
が固定データ格納領域に格納される。
【0169】そして、次のステップS103においてシ
ーク要求待ちとなり、システムコントローラ3からのシ
ーク要求信号が入力された段階で次のステップS104
に進み、目標シーク距離受取り手段53を通じて、目標
シーク距離データDsが第1のレジスタR1に格納され
る。その後、ステップS105において、タイミング発
生器24に対し起動信号Sdを出力ポート38を通じて
出力する。タイミング発生器24は、マイコン31から
の起動信号Sdの入力に基づいて所定時間T毎にクロッ
ク信号Pcを出力するという動作を行なう。
【0170】次に、ステップS106において、補正用
パラメータ検索手段(補正用パラメータ検索サブルーチ
ン)に入る。
【0171】この補正用パラメータ検索手段(補正用パ
ラメータ検索サブルーチン)は、図12に示すように、
まず、ステップS301において、インデックスレジス
タiを初期化し、次のステップS302において、第1
のデータ読出し手段54を通じて、第1のデータテーブ
ル格納領域に格納されている第1のデータテーブルTB
L1のうち、iレコード目の基準移動量データθ(i)
を読み出して第2のレジスタR2に格納する。更に、ス
テップS303において、第1のデータ読出し手段54
を通じて、(i+1)レコード目の基準移動量データθ
(i+1)を読み出して第3のレジスタR3に格納す
る。
【0172】次に、ステップS304において、検索条
件判別手段59を通じて、目標シーク距離xが、iレコ
ード目の基準移動量θ(i)以上で、かつ(i+1)レ
コード目の基準移動量θ(i+1)未満という条件を満
たすかどうかの判別を行なう。具体的には、この判別
は、第1のレジスタR1の値(目標シーク距離x)が、
第2のレジスタR2の値以上で、かつ第3のレジスタR
3の値未満であるかどうかで行なわれる。
【0173】第1のレジスタR1の値(目標シーク距離
x)が上記条件を満足しない場合、ステップS305に
進んで、インデックスレジスタiの値を+1更新した
後、ステップS302に戻り、第1のデータテーブルT
BL1の次のレコード及び更に次のレコードの基準移動
量を読み出す。そして、次のステップS304において
上記と同様の判別を行なう。これらステップS302〜
ステップS305の処理は、第1のレジスタR1の値
(目標シーク距離x)が、第2のレジスタR2の値以上
で、かつ第3のレジスタR3の値未満という条件を満足
するまで行なわれる。
【0174】第1のレジスタR1の値(目標シーク距離
x)が上記条件を満足した段階で、次のステップS30
6に進み、第2のデータ読出し手段55を通じて、第2
のデータテーブル格納領域に格納されている第2のデー
タテーブルTBL2のうち、iレコード目の切換え時間
データcht(i)とシーク終了時間データfit
(i)を読み出して、第4のレジスタR4及び第5のレ
ジスタにそれぞれ格納する。
【0175】そして、ステップS307において、第2
のデータ読出し手段55を通じて、第2のデータテーブ
ルTBL2のうち、iレコード目の減速補正用係数K’
(i)を読み出して第6のレジスタR6に格納する。
【0176】上記ステップS206での減速補正用係数
K’の第6のレジスタR6への格納処理が終了した段階
で、この補正用パラメータ検索手段51(補正用パラメ
ータ検索サブルーチン)が終了する。
【0177】次に、図8に示すメインルーチンに戻り、
次のステップS107において、インデックスレジスタ
j及びtをそれぞれ初期化し、次のステップS108に
おいて、判別手段52を通じて、現在、シーク・サーボ
制御の途中であるかあるいは終了したかを判別する。シ
ーク・サーボ制御の途中であると判別した場合、次のス
テップS109に進み、判別手段52を通じて、現在、
切換え時間cht(i)の経過前か経過後かを判別す
る。現在、切換え時間cht(i)の経過前であると判
別した場合は、次のステップS110に進む。
【0178】このステップS110においては、第1の
データ読出し手段54を通じて、第1のデータテーブル
TBL1のうち、jレコード目の基準移動量データθ
(j)を読み出して第9のレジスタR9に格納する。そ
の後、ステップS111において、移動量出力手段58
を通じて、第9のレジスタR9に格納されている基準移
動量データθ(j)を書込み要求信号と共に出力ポート
38を介してメモリ装置32に出力する。メモリ装置3
2は、マイコン31からの書込み要求信号の入力に基づ
いて該マイコン31から送られてくる基準移動量データ
θ(j)をメモリ装置32内の記憶領域に逐次格納す
る。
【0179】次に、ステップS112において、インデ
ックスレジスタjの値を+1更新し、更にインデックス
レジスタtの値を所定時間T分更新させる。その後、上
記ステップS108に戻り、該ステップS108以降の
処理を繰り返す。上記ステップS108からステップS
110を経由しての処理は、ステップS109におい
て、インデックスレジスタtの値が切換え時間cht
(i)以上になるまで繰り返され、これによって、メモ
リ装置32の記憶領域には、第1のデータテーブルTB
L1における0レコード目からの基準移動量θ(j)が
順次書き込まれることになる。
【0180】そして、メモリ装置32の記憶領域に対す
る基準移動量θ(j)の逐次書込みが行なわれている段
階で、メモリ装置32は、タイミング発生器24からの
クロック信号Pcの入力に基づいて記憶領域から逐次基
準移動量θ(j)を読み出して後段のフィードバック制
御系2に出力する。即ち、フィードバック制御系2に
は、所定時間T毎に第1のデータテーブルTBL1に格
納されている基準移動量θ(j)が順次供給されること
になる。
【0181】これにより、光学ヘッドは、その移動量が
フィードバック制御系2に所定時間T毎に供給された基
準移動量θ(j)に順次合わせ込まれながら加速される
ことになる。
【0182】図8のフローチャートの説明に戻り、ステ
ップS109において、現在、切換え時間cht(i)
の経過後であると判別された場合は、ステップS113
に進み、現時刻から切換え時間cht(i)を差し引い
た時間を所定時間Tにて量子化して補正時間mを作成す
る。
【0183】次に、ステップS114において、第1の
データ読出し手段54を通じて、第1のデータテーブル
TBL1のうち、jレコード目の基準移動量データθ
(j)を読み出して第10のレジスタR10に格納す
る。
【0184】更に、ステップS115において、第1の
データ読出し手段54を通じて、第1のデータテーブル
TBL1のうち、mレコード目の基準移動量データθ
(m)を読み出して第11のレジスタR11に格納す
る。
【0185】次に、ステップS116において、減速用
移動量演算手段57を通じて、現時刻tに対応する減速
用基準移動量θ’(j)を演算する。具体的には、第1
1のレジスタR11の値に第6のレジスタR6に格納さ
れている減速補正用係数K’(i)を乗算し、この乗算
値(負の値)と第10のレジスタの値を加算して減速用
の基準移動量データθ’(j)とする。この減速用基準
移動量データθ’(j)は第9のレジスタR9に格納さ
れる。
【0186】次に、ステップS111において、移動量
出力手段58を通じて、第9のレジスタR9に格納され
ている減速用基準移動量データθ’(j)を書込み要求
信号と共に出力ポート38を介してメモリ装置32に出
力する。メモリ装置32は、マイコン31からの書込み
要求信号の入力に基づいて該マイコン31から送られて
くる減速用基準移動量データθ’(j)をメモリ装置3
2内の記憶領域に逐次格納する。
【0187】次に、ステップS112において、インデ
ックスレジスタjの値を+1更新し、更にインデックス
レジスタtの値を所定時間T分更新させ、その後、上記
ステップS108に戻り、該ステップS108以降の処
理を繰り返す。上記ステップS108からステップS1
13、S114及びS115を経由しての処理は、ステ
ップS108において、インデックスレジスタtの値が
シーク終了時間fit(i)以上になるまで繰り返さ
れ、これによって、メモリ装置32の記憶領域には、減
速用移動量演算手段57での演算にて得られた減速用基
準移動量θ’(j)が順次書き込まれることになる。
【0188】そして、メモリ装置32の記憶領域に対す
る減速用基準移動量θ’(j)の逐次書込みが行なわれ
ている段階で、メモリ装置32は、タイミング発生器2
4からのクロック信号Pcの入力に基づいて記憶領域か
ら逐次減速用基準移動量θ’(j)を読み出して後段の
フィードバック制御系2に出力する。即ち、フィードバ
ック制御系2には、所定時間T毎に減速用移動量演算手
段57からの減速用基準移動量θ’(j)が順次供給さ
れることになる。
【0189】これにより、光学ヘッドは、その移動量
が、フィードバック制御系2に所定時間T毎に供給され
た減速用基準移動量θ’(j)に順次合わせ込まれなが
ら徐々に減速されることになる。
【0190】そして、図8のステップS108におい
て、現在、シーク・サーボ制御の終了時点であると判別
された場合は、ステップS117に進み、判別手段52
を通じて、プログラム終了要求があったかどうかが判別
される。この判別は、電源OFFなどの終了要求割り込
みの発生があったかどうかで行なわれる。
【0191】そして、このステップS117において
は、上記終了要求がない場合、ステップS103に戻っ
て、システムコントローラ3からの次のシーク要求待ち
となり、上記終了要求があった場合は、この基準移動量
作成プログラム51が終了することになる。
【0192】上記ステップS108→S110→S10
8の一連の動作が繰り返し行なわれた後に上記ステップ
S108→S113〜S115→S108の一連の動作
が繰り返し行なわれることにより、まず、切換え時間c
ht(i)の経過前においては、第1のデータテーブル
TBL1に配列された各加速用基準移動量θ(j)がア
ドレス順次に取り出されてメモリ装置32を介してフィ
ードバック制御系2に供給されることから、光学ヘッド
は、所定時間T毎に第1のデータテーブルTBL1から
アドレス順次読み出された加速用基準移動量θ(j)ほ
ど移動駆動されて徐々に速度を上げながら移動すること
になり、切換え時点cht(i)において最高速度に達
する。
【0193】切換え時間cht(i)の経過後において
は、所定時間T毎に第1のデータテーブルTBL1から
読み出された加速用基準移動量θ(j)がそれぞれ減算
用移動量演算手段57にて補正されて減速用基準移動量
θ’(j)に変換され、この減速用移動量演算手段57
からの減速用基準移動量θ’(j)がメモリ装置32を
介してフィードバック制御系2に供給されることにな
る。その結果、光学ヘッドは、所定時間T毎に減速用移
動量演算手段57からメモリ装置32を通じて供給され
る減速用基準移動量θ’(j)ほど移動駆動されて徐々
に速度を下げながら移動することになり、目標シーク距
離xほど移動した段階で速度がゼロとなって停止する。
【0194】この場合、第1のデータテーブルTBL1
に配列された各加速用基準移動量θ(j)がDCモータ
1の角速度の時間変化における過渡領域の指数関数(式
(3)で示す)に基づく関数(式(4)で示す)にて定
めるようにしているため、フィードバック制御系2によ
る光学ヘッドの加速時の制御をDCモータ1の回転駆動
の開始時点から行なうことが可能となり、位置決め動作
の高速化を実現できる。
【0195】また、減速時においては、第1のデータテ
ーブルTBL1から読み出された加速用基準移動量θ
(j)を、第2のデータテーブルTBL2から読み出さ
れた目標シーク距離xに対応する切換え時間cht
(i)とシーク終了時間θ(i)及び減速補正用係数
K’(i)を用い、減速用移動量演算手段57において
式(5)に基づいて補正することにより、減速用基準移
動量θ’(j)に変換するようにしているため、該減速
用基準移動量θ’(j)の計算が簡単になり、しかも、
すべての目標シーク距離xに対応するために大量の減速
用の移動量に関する情報データを備える必要がなくなる
ため、メモリの削減を有効に図ることができる。
【0196】特に、この第2実施例に係るモータ制御装
置においては、シーク動作中の離散的な時点にしか処理
を行なわないことから生じる誤差を原理的にはゼロにす
ることが可能となる。一般に、図11において、切換え
時間chtがtn に量子化されてしまうと、本来可能な
シーク時間よりも長いシーク時間になってしまうが、上
記のように誤差が少なくなるため、最終的に目標のトラ
ックに達するためにシークを繰り返す可能性が少なくな
り、結果的にはシークは高速になる。
【0197】次に、第3実施例に係るモータ制御装置に
ついて説明する。上記第2実施例に係るモータ制御装置
は、切換え時間chtの量子化による誤差を低減する構
成(手法)であったが、この第3実施例に係るモータ制
御装置は、目標シーク距離xが量子化されることによる
誤差を低減することができる構成(手法)を有する。
【0198】即ち、図10で示す第2のデータテーブル
TBL2は、各目標シーク距離xに対応する切換え時
間、シーク終了時間、減速補正用係数K’が配列された
構成を有するが、例えば12cmのコンパクトディスク
(CD)の場合、そのトラックは20000以上あるた
め、目標シーク距離xとしても20000以上の場合が
存在する。
【0199】しかし、20000以上の目標距離を設け
て、上記3つの変数を与えるデータテーブルを作ったの
では、メモリの使用量が非常に大きくなってしまう。そ
こで、現実的には、この20000トラックを等分割し
て例えば200トラック毎の値を目標シーク距離とす
る。これは、図9又は図12で示す補正用パラメータ検
索手段56における処理動作のうち、ステップS202
において、第1のデータテーブルTBL1中、iレコー
ド目と(i+1)レコード目の基準移動量θ(i)及び
θ(i+1)を取出し、次のステップS203におい
て、今回の目標シーク距離xがこれら2つの基準移動量
θ(i)及びθ(i+1)の間にあるかを判別し、目標
シーク距離xがこれら2つの基準移動量θ(i)及びθ
(i+1)の間にある場合、iレコード目の基準移動量
θ(i)を目標シーク距離としてその後の処理を進めて
いることからもわかる。
【0200】しかし、上記例の場合、シーク動作が計算
どおりに行なわれたとしても、例えば最大200トラッ
クの1/2、即ち100トラック分の誤差が発生するこ
とになる。
【0201】この様子を図13に示す。実際の目標シー
ク距離がxであるとき、その後の処理において、上記目
標シーク距離xが距離xn 又はxn+1 に量子化されたと
する。このとき、上記第2実施例に係るモータ制御装置
においては、第2のデータテーブルTBL2のエントリ
ーとして、目標シーク距離xn に対して、切換え時間c
ht(xn ),シーク終了時間fit(xn )及び係数
K’(xn )がある。
【0202】しかし、実際の目標シーク距離xに対して
これらの値を適用すると、光学ヘッドは、実際の目標シ
ーク距離xではなく、距離xn にシークしてしまい、結
果的に差分(x−xn )の誤差が生じることになる。
【0203】そこで、この第3実施例に係るモータ制御
装置においては、上記目標シーク距離xに基づく誤差を
補正するために、新たに、切換え時間cht(xn )を
用いて、距離xn+1 にシークする場合のシーク終了時間
fit{xn+1 ,cht(x n )}及び減速時の(5)
式の第2項の係数K’{xn+1 ,cht(xn )}を用
意する。
【0204】この表記規則に合わせれば、fit
(xn ),K’(xn )は、fit{xn,cht(x
n )},K’{xn ,cht(xn )}と書くことがで
きる。これらの値を用いて目標シーク距離xに対するシ
ーク終了時間fit(x)及び係数K’(x)は、次の
ように近似できる。
【0205】
【数7】
【0206】
【数8】
【0207】具体的に説明すると、fit{xn+1 ,c
ht(xn )}及びK’{xn+1 ,cht(xn )}の
求め方は、第1のデータテーブルTBL1のうち、(n
+1)レコード目に格納されている加速用基準移動量θ
(n+1)を上記(5)式のθ(t)に代入し、(5)
式及び(6)式のchtとして、第2のデータテーブル
TBL2のうち、nレコード目に格納されている切換え
時間cht(n)を代入して、(5)式及び(6)式の
連立方程式を解くことにより求める。
【0208】求めたfit{xn+1 ,cht(xn )}
及びK’{xn+1 ,cht(xn )}に基づいて、式
(7)の定数A(n)及び(8)式の定数B(n)を求
める。定数A(n)の求め方は、第2のデータテーブル
TBL2のうち、nレコード目におけるシーク終了時間
fit{xn ,cht(xn )}を、上記求めたシーク
終了時間fit{xn+1 ,cht(xn )}から差し引
いて差分値dfitを求める。また、第1のデータテー
ブルTBL1のnレコード目における加速用基準移動量
θ(n)と(n+1)レコード目における加速用基準移
動量θ(n+1)の差分値dθを求める。その後、上記
差分値dfitを差分値dθにて除算した値とシーク終
了時間fit{xn ,cht(xn )}を加算して上記
定数A(n)を求める。
【0209】この場合、上記シーク終了時間fit{x
n ,cht(xn )}は、第1実施例及び第2実施例に
おいては、減速用移動量演算手段57における演算用の
変数として使用されるため、第2のデータテーブルTB
L2のエントリーの一つとしているが、この第3実施例
においては、減速用移動量演算手段57での演算対象で
あるシーク終了時間として、上記(10)式にて得られ
るシーク終了時間の近似値fit(x)が用いられ、し
かもこのシーク終了時間の近似値fit(x)は、上記
定数A(n)に基づいて求められるため、実質的に上記
シーク終了時間fit{xn ,cht(xn )}は、第
2のデータテーブルTBL2のエントリー項目としなく
てもよい。
【0210】次に、定数B(n)の求め方を説明する
と、第2のデータテーブルTBL2のうち、nレコード
目における係数K’{xn ,cht(xn )}を、上記
求めた係数K’{xn+1 ,cht(xn )}から差し引
いて差分値dK’を求める。また、第1のデータテーブ
ルTBL1のnレコード目における加速用基準移動量θ
(n)と(n+1)レコード目における加速用基準移動
量θ(n+1)の差分値dθを求める。その後、上記差
分値dK’を差分値dθにて除算した値と係数K’{x
n ,cht(xn )}を加算して上記定数B(n)を求
める。
【0211】なお、上記nレコード目における係数K’
{xn ,cht(xn )}は、第2のデータテーブルT
BL2のエントリーとして配列する必要はなく、上記第
2実施例に係るモータ制御装置の原理説明において述べ
たように、nレコード目における切換え時間cht
(n)を(5)式及び(6)式の連立方程式に代入し、
シーク終了時間と減速補正用係数K’の2つを変数とし
て解を求め、求めた減速補正用係数K’をK’{xn
cht(xn )}として用いるようにしてもよい。
【0212】そして、図14に示すように、第2のデー
タテーブルTBL2のエントリーを切換え時間cht
(n)と上記求めた定数A(n)及びB(n)の3つの
値とする。即ち、第2のデータテーブルTBL2の各レ
コードには、切換え時間cht(n)、定数A(n)及
び定数B(n)が格納されることになる。
【0213】従って、この第3実施例に係るモータ制御
装置は、上記第2実施例に係るモータ制御装置と同様
に、上記第1実施例に係るモータ制御装置とほぼ同じ構
成を採用することができ、マイコン31のハード構成は
図5において説明でき、基準移動量作成手段51につい
ても図6の機能ブロック図において説明できる。ただ、
第2のデータテーブルTBL2が第1実施例及び第2実
施例の場合と異なるため、補正用パラメータ検索手段5
6の構成として、図6の括弧内に示すように、定数A
(n)及び定数B(n)からそれぞれシーク終了時間の
近似値fit(x)と減速補正用係数K’の近似値K’
(x)を求めるための近似値演算手段60が新たに追加
される点で異なる。
【0214】具体的に、上記第3実施例に係るモータ制
御装置について図6で示す機能ブロック図、図7及び図
8で示すメインルーチンに係るフローチャート並びに図
15で示す補正用パラメータ検索手段のフローチャート
を参照しながら説明する。なお、図7及び図8で示すフ
ローチャートを参照しながらの動作説明は、第1実施例
に係るモータ制御装置の処理動作とほぼ同じであるた
め、その詳細説明は省略し、簡単な説明に止める。
【0215】まず、ステップS101において、電源投
入と同時に初期動作が行なわれ、次のステップS102
において、プログラムROM33から、基準移動量作成
手段51(基準移動量作成プログラム:図6参照)が読
み出されて、動作用RAM35に書き込まれると同時
に、このプログラム51の動作中において生成されたデ
ータを一時的に保存するためや、上記プログラムを構成
する各ルーチン間のパラメータの受渡しなどに用いられ
る作業領域が動作用RAM35中に割り付けられる。こ
のとき、データROM34からの各種固定データが固定
データ格納領域に格納される。
【0216】そして、次のステップS103においてシ
ーク要求待ちとなり、システムコントローラ3からのシ
ーク要求信号が入力された段階で次のステップS104
に進み、目標シーク距離受取り手段53を通じて、目標
シーク距離データDsが第1のレジスタR1に格納され
る。その後、ステップS105において、タイミング発
生器24に対し起動信号Sdを出力ポート38を通じて
出力する。タイミング発生器24は、マイコン31から
の起動信号Sdの入力に基づいて所定時間T毎にクロッ
ク信号Pcを出力するという動作を行なう。
【0217】次に、ステップS106において、補正用
パラメータ検索手段56(補正用パラメータ検索サブル
ーチン)に入る。
【0218】この補正用パラメータ検索サブルーチン5
6は、図15に示すように、まず、ステップS401に
おいて、インデックスレジスタiを初期化し、次のステ
ップS402において、第1のデータ読出し手段54を
通じて、第1のデータテーブル格納領域に格納されてい
る第1のデータテーブルTBL1のうち、iレコード目
の基準移動量データθ(i)を読み出して第2のレジス
タR2に格納する。更に、ステップS403において、
第1のデータ読出し手段54を通じて、(i+1)レコ
ード目の基準移動量データθ(i+1)を読み出して第
3のレジスタR3に格納する。
【0219】次に、ステップS404において、検索条
件判別手段59を通じて、目標シーク距離xが、iレコ
ード目の基準移動量θ(i)以上で、かつ(i+1)レ
コード目の基準移動量θ(i+1)未満という条件を満
たすかどうかの判別を行なう。具体的には、この判別
は、第1のレジスタR1の値(目標シーク距離x)が、
第2のレジスタR2の値以上で、かつ第3のレジスタR
3の値未満であるかどうかで行なわれる。
【0220】第1のレジスタR1の値(目標シーク距離
x)が上記条件を満足しない場合、ステップS405に
進んで、インデックスレジスタiの値を+1更新した
後、ステップS402に戻り、第1のデータテーブルT
BL1の次のレコード及び更に次のレコードの基準移動
量を読み出す。そして、次のステップS304において
上記と同様の判別を行なう。これらステップS402〜
ステップS405の処理は、第1のレジスタR1の値
(目標シーク距離x)が、第2のレジスタR2の値以上
で、かつ第3のレジスタR3の値未満という条件を満足
するまで行なわれる。
【0221】そして、第1のレジスタR1の値(目標シ
ーク距離x)が上記条件を満足した段階で、次のステッ
プS406に進み、第2のデータ読出し手段55を通じ
て、第2のデータテーブルTBL2のうち、iレコード
目の切換え時間データcht(i)を読み出して、第4
のレジスタR4に格納する。
【0222】更に、ステップS407において、第2の
データ読出し手段55を通じて、第2のデータテーブル
TBL2のうち、iレコード目の定数A(i)及びB
(i)を読み出して、第7のレジスタR7及び第8のレ
ジスタR8にそれぞれ格納する。
【0223】次に、ステップS408において、近似値
演算手段60を通じて、上記(10)式で示すシーク終
了時間の近似値fit(x)及び上記(11)式で示す
係数K’の近似値K’(x)を求める。具体的には、第
1のレジスタR1に格納されている目標シーク距離デー
タDsの値xから第2のレジスタR2に格納されている
今回の基準移動量(上記例においてxn に相当する距
離)を差し引いた差分値(x−xn )に第7のレジスタ
R7に格納されている今回の定数A(i)を乗算し、こ
の乗算値をシーク終了時間の近似値fit(x)として
第5のレジスタR5に格納する。
【0224】また、上記差分値(x−xn )に第8のレ
ジスタR8に格納されている今回の定数B(i)を乗算
し、この乗算値を減速補正用係数K’の近似値K’
(x)として第6のレジスタR6に格納する。
【0225】上記ステップS408での演算処理が終了
した段階で、この補正用パラメータ検索手段56(補正
用パラメータ検索サブルーチン)が終了する。
【0226】次に、図8に示すメインルーチンに戻り、
次のステップS107において、インデックスレジスタ
j及びtをそれぞれ初期化し、次のステップS108に
おいて、判別手段52を通じて、現在、シーク・サーボ
制御の途中であるかあるいは終了したかを判別する。具
体的には、インデックスレジスタtの値が第5のレジス
タに格納されているシーク終了時間の近似値fit
(x)未満であるかどうかで行なわれる。インデックス
レジスタtの値が上記近似値fit(x)未満である場
合、シーク・サーボ制御の途中であると判別され、次の
ステップS109に進む。
【0227】ステップS109においては、判別手段5
2を通じて、現在、切換え時間cht(i)の経過前か
経過後かを判別する。このステップS109において、
現在、切換え時間cht(i)の経過前であると判別さ
れた場合は、次のステップS110に進む。
【0228】このステップS110においては、第1の
データ読出し手段54を通じて、第1のデータテーブル
TBL1のうち、jレコード目の基準移動量データθ
(j)を読み出して第9のレジスタR9に格納する。そ
の後、ステップS111において、移動量出力手段58
を通じて、第9のレジスタR9に格納されている基準移
動量データθ(j)を書込み要求信号と共に出力ポート
38を介してメモリ装置32に出力する。メモリ装置3
2は、マイコン31からの書込み要求信号の入力に基づ
いて該マイコン31から送られてくる基準移動量データ
θ(j)をメモリ装置32内の記憶領域に逐次格納す
る。
【0229】次に、ステップS112において、インデ
ックスレジスタjの値を+1更新し、更にインデックス
レジスタtの値を所定時間T分更新させる。その後、上
記ステップS108に戻り、該ステップS108以降の
処理を繰り返す。上記ステップS108からステップS
110を経由しての処理は、ステップS109におい
て、インデックスレジスタtの値が切換え時間cht
(i)以上になるまで繰り返され、これによって、メモ
リ装置32の記憶領域には、第1のデータテーブルTB
L1における0レコード目からの加速用基準移動量θ
(j)が順次書き込まれることになる。
【0230】そして、メモリ装置32の記憶領域に対す
る加速用基準移動量θ(j)の逐次書込みが行なわれて
いる段階で、メモリ装置32は、タイミング発生器24
からのクロック信号Pcの入力に基づいて記憶領域から
逐次加速用基準移動量θ(j)を読み出して後段のフィ
ードバック制御系2に出力する。即ち、フィードバック
制御系2には、所定時間T毎に第1のデータテーブルT
BL1に格納されている加速用基準移動量θ(j)が順
次供給されることになる。
【0231】これにより、光学ヘッドは、その移動量
が、フィードバック制御系2に所定時間T毎に供給され
た加速用基準移動量θ(j)に順次合わせ込まれながら
加速されることになる。
【0232】図8のフローチャートの説明に戻り、ステ
ップS109において、現在、切換え時間cht(i)
の経過後であると判別された場合は、ステップS113
に進み、現時刻tから切換え時間cht(i)を差し引
いた時間を所定時間Tにて量子化して補正時間mを作成
する。
【0233】次に、ステップS114において、第1の
データ読出し手段54を通じて、第1のデータテーブル
TBL1のうち、jレコード目の基準移動量データθ
(j)を読み出して第10のレジスタR10に格納す
る。更に、ステップS115において、第1のデータ読
出し手段54を通じて、第1のデータテーブルTBL1
のうち、mレコード目の基準移動量データθ(m)を読
み出して第11のレジスタR11に格納する。
【0234】次に、ステップS115において、減速用
移動量演算手段57を通じて、現時刻に対応する減速用
基準移動量θ’(j)を演算する。具体的には、第11
のレジスタR11の値に第6のレジスタR6に格納され
ている減速用補正係数K’の近似値K’(x)を乗算
し、この乗算値(負の値)と第10のレジスタの値を加
算して減速用基準移動量データθ’(j)とする。この
減速用基準移動量データθ’(j)は第9のレジスタR
9に格納される。
【0235】次に、ステップS111において、移動量
出力手段58を通じて、第9のレジスタR9に格納され
ている減速用基準移動量データθ’(j)を書込み要求
信号と共に出力ポート38を介してメモリ装置32に出
力する。メモリ装置32は、マイコン31からの書込み
要求信号の入力に基づいて該マイコン31から送られて
くる減速用基準移動量データθ’(j)をメモリ装置3
2内の記憶領域に逐次格納する。
【0236】次に、ステップS112において、インデ
ックスレジスタjの値を+1更新し、更にインデックス
レジスタtの値を所定時間T分更新させ、その後、上記
ステップS108に戻り、該ステップS108以降の処
理を繰り返す。上記ステップS108からステップS1
13、S114及びS115を経由しての処理は、ステ
ップS108において、インデックスレジスタtの値が
シーク終了時間の近似値fit(x)以上になるまで繰
り返され、これによって、メモリ装置32の記憶領域に
は、減速用移動量演算手段57での演算にて得られた減
速用基準移動量θ’(j)が順次書き込まれることにな
る。
【0237】そして、メモリ装置32の記憶領域に対す
る減速用基準移動量θ’(j)の逐次書込みが行なわれ
ている段階で、メモリ装置32は、タイミング発生器2
4からのクロック信号Pcの入力に基づいて記憶領域か
ら逐次減速用基準移動量θ’(j)を読み出して後段の
フィードバック制御系2に出力する。即ち、フィードバ
ック制御系2には、所定時間T毎に減速用移動量演算手
段57からの減速用基準移動量θ’(j)が順次供給さ
れることになる。
【0238】これにより、光学ヘッドは、その移動量
が、フィードバック制御系2に所定時間T毎に供給され
た減速用基準移動量θ’(j)に順次合わせ込まれなが
ら徐々に減速されることになる。
【0239】そして、図8のステップS108におい
て、現在、シーク・サーボ制御の終了時点であると判別
された場合は、ステップS117に進み、判別手段52
を通じて、プログラム終了要求があったかどうかが判別
される。この判別は、電源OFFなどの終了要求割り込
みの発生があったかどうかで行なわれる。
【0240】そして、このステップS117において
は、上記終了要求がない場合、ステップS103に戻っ
て、システムコントローラ3からの次のシーク要求待ち
となり、上記終了要求があった場合は、この基準移動量
作成プログラム51が終了することになる。
【0241】この第3実施例に係るモータ制御装置にお
いては、上記第1実施例に係るモータ制御装置と同様
に、第1のデータテーブルTBL1に配列された各加速
用基準移動量がDCモータ1の角速度の時間変化におけ
る過渡領域の指数関数(式(3)で示す)に基づく関数
(式(4)で示す)にて定めるようにしているため、フ
ィードバック制御系2による光学ヘッドの加速時の制御
をDCモータ1の回転駆動の開始時点から行なうことが
可能となり、位置決め動作の高速化を実現できる。
【0242】また、減速時においては、第1のデータテ
ーブルTBL1から読み出された加速用基準移動量θ
(j)を、第2のデータテーブルTBL2から読み出さ
れた目標シーク距離xに対応する切換え時間cht
(i)とシーク終了時間の近似値fit(x)及び減速
補正用係数の近似値K’(x)を用い、減速用移動量演
算手段57において式(5)並びに式(10)及び式
(11)に基づいて補正することにより、減速用基準移
動量θ’(j)に変換するようにしているため、該減速
用基準移動量θ’(j)の計算が簡単になり、しかも、
すべての目標シーク距離xに対応するために大量の減速
用の移動量に関する情報データを備える必要がなくなる
ため、メモリの削減を有効に図ることができる。
【0243】また、通常、切換え時間cht(i)、シ
ーク終了時間fit(i)、減速補正用係数K’及び目
標シーク距離xの離散的処理によって誤差が生じること
になるが、この第3実施例に係るモータ制御装置におい
ては、実際の目標シーク距離xよりも短い距離xn に対
応した切換え時間cht(xn )を用いて、1ステップ
だけ大きいシークの目標距離xn+1 に対する補正用係数
及びシーク処理時間を求め、予めデータテーブルで与え
られた距離以外の距離xをシークするときに、求めた補
正用係数及びシーク終了時間にて補間して減速用基準移
動量θ’(j)を演算するようにしているため、上記誤
差を低減することができる。
【0244】次に、上記第3実施例に係るモータ制御装
置の変形例について説明する。上記第3実施例にモータ
制御装置は、距離xn とxn+1 の間の目標シーク距離x
に対してcht(xn )を用いて、シーク終了時間と減
速補正用係数を近似するようにしたが、この変形例に係
るモータ制御装置においては、距離xn とxn+1 の間の
目標シーク距離xに対してcht(xn+1 )を用いて、
シーク終了時間と減速補正用係数を近似する点で異な
る。
【0245】この場合、近似式は以下の通りになる。
【0246】
【数9】
【0247】
【数10】
【0248】上記定数C(n)及びD(n)のうち、f
it{xn ,cht(xn+1 )}及びK’{xn ,ch
t(xn+1 )}の求め方は、第1のデータテーブルTB
L1のうち、nレコード目に格納されている加速用基準
移動量θ(n)を上記(5)式のθ(t)に代入し、
(5)式及び(6)式のchtとして、第2のデータテ
ーブルTBL2のうち、(n+1)レコード目に格納さ
れている切換え時間cht(n+1)を代入して、
(5)式及び(6)式の連立方程式を解くことにより求
める。
【0249】求めたfit{xn ,cht(xn+1 )}
及びK’{xn ,cht(xn+1 )}に基づいて、式
(12)の定数C(n)及び(13)式の定数D(n)
を求める。定数Cnの求め方は、第2のデータテーブル
TBL2のうち、(n+1)レコード目におけるシーク
終了時間fit{xn+1 ,cht(xn+1 )}から上記
求めたシーク終了時間fit{xn ,cht
(xn+1 )}を差し引いて差分値dfitを求める。ま
た、第1のデータテーブルTBL1のnレコード目にお
ける加速用基準移動量θ(n)と(n+1)レコード目
における加速用基準移動量θ(n+1)の差分値dθを
求める。その後、上記差分値dfitを差分値dθにて
除算した値とシーク終了時間fit{xn ,cht(x
n+1 )}を加算して上記定数C(n)を求める。
【0250】この場合、上記シーク終了時間fit{x
n+1 ,cht(xn+1 )}は、第1実施例及び第2実施
例においては、減速用移動量演算手段57における演算
用の変数として使用されるため、第2のデータテーブル
TBL2のエントリーの一つとしているが、この第3実
施例の変形例においては、減速用移動量演算手段57で
の演算対象であるシーク終了時間として、上記(12)
式にて得られるシーク終了時間の近似値fit(x)が
用いられ、しかもこのシーク終了時間の近似値fit
(x)は、上記定数C(n)に基づいて求められるた
め、実質的に上記シーク終了時間fit{xn+1 ,ch
t(xn+1 )}は、第2のデータテーブルTBL2のエ
ントリー項目としなくてもよい。
【0251】次に、定数D(n)の求め方を説明する
と、第2のデータテーブルTBL2のうち、(n+1)
レコード目における係数K’{xn+1 ,cht
(xn+1 )}から上記求めた係数K’{xn ,cht
(xn+1 )}を差し引いて差分値dK’を求める。ま
た、第1のデータテーブルTBL1のnレコード目にお
ける加速用基準移動量θ(n)と(n+1)レコード目
における加速用基準移動量θ(n+1)の差分値dθを
求める。その後、上記差分値dK’を差分値dθにて除
算した値と係数K’{xn ,cht(xn+1 )}を加算
して上記定数D(n)を求める。
【0252】なお、上記(n+1)レコード目における
係数K’{xn+1 ,cht(xn+1)}は、第2のデー
タテーブルTBL2のエントリーとして配列する必要は
なく、上記第2実施例に係るモータ制御装置の原理説明
において述べたように、(n+1)レコード目における
切換え時間cht(n+1)を(5)式及び(6)式の
連立方程式に代入し、シーク終了時間と減速補正用係数
K’の2つを変数として解を求め、求めた係数K’を
K’{xn+1 ,cht(xn+1 )}として用いるように
してもよい。
【0253】そして、図16に示すように、第2のデー
タテーブルTBL2のエントリーを切換え時間cht
(n)と上記求めた定数C(n)及びD(n)の3つの
値とする。即ち、第2のデータテーブルTBL2の各レ
コードには、切換え時間cht(n)、定数C(n)及
び定数D(n)が格納されることになる。
【0254】従って、この変形例に係るモータ制御装置
は、上記第3実施例に係るモータ制御装置と比べると第
2のデータテーブルTBL2にエントリーされる定数が
異なるだけであるため、その構成は、上記第3実施例に
係るモータ制御装置とほぼ同じ構成を採用することがで
き、マイコン31のハード構成は図5において説明で
き、基準移動量作成手段51についても図6の機能ブロ
ック図において説明できる。ただ、第2のデータテーブ
ルTBL2が第3実施例の場合と異なるため、補正用パ
ラメータ検索手段56の処理動作、特にステップS40
7及びS408に対応する処理が一部異なる。
【0255】具体的に、上記補正用パラメータ検索手段
56の処理動作のみを図17に基づいて説明すると、ま
ず、ステップS501において、インデックスレジスタ
iを初期化し、次のステップS502において、第1の
データ読出し手段54を通じて、第1のデータテーブル
格納領域に格納されている第1のデータテーブルTBL
1のうち、iレコード目の基準移動量データθ(i)を
読み出して第2のレジスタR2に格納する。更に、ステ
ップS503において、第1のデータ読出し手段54を
通じて、(i+1)レコード目の基準移動量データθ
(i+1)を読み出して第3のレジスタR3に格納す
る。
【0256】次に、ステップS504において、検索条
件判別手段59を通じて、目標シーク距離xが、iレコ
ード目の基準移動量θ(i)以上で、かつ(i+1)レ
コード目の基準移動量θ(i+1)未満という条件を満
たすかどうかの判別を行なう。具体的には、この判別
は、第1のレジスタR1の値(目標シーク距離x)が、
第2のレジスタR2の値以上で、かつ第3のレジスタR
3の値未満であるかどうかで行なわれる。
【0257】第1のレジスタR1の値(目標シーク距離
x)が上記条件を満足しない場合、ステップS505に
進んで、インデックスレジスタiの値を+1更新した
後、ステップS502に戻り、第1のデータテーブルT
BL1の次のレコード及び更に次のレコードの基準移動
量を読み出す。そして、次のステップS504において
上記と同様の判別を行なう。これらステップS502〜
ステップS505の処理は、第1のレジスタR1の値
(目標シーク距離x)が、第2のレジスタR2の値以上
で、かつ第3のレジスタR3の値未満という条件を満足
するまで行なわれる。
【0258】そして、第1のレジスタR1の値(目標シ
ーク距離x)が上記条件を満足した段階で、次のステッ
プS506に進み、第2のデータ読出し手段55を通じ
て、第2のデータテーブルTBL2のうち、iレコード
目の切換え時間データcht(i)を読み出して、第4
のレジスタR4に格納する。
【0259】更に、ステップS507において、第2の
データ読出し手段55を通じて、第2のデータテーブル
TBL2のうち、iレコード目の定数C(i)及びD
(i)を読み出して、第7のレジスタR7及び第8のレ
ジスタR8にそれぞれ格納する。
【0260】次に、ステップS508において、近似値
演算手段60を通じて、上記(12)式で示すシーク終
了時間の近似値fit(x)及び上記(13)式で示す
係数K’の近似値K’(x)を求める。具体的には、第
3のレジスタR3に格納されている基準移動量(今回の
基準移動量よりも1ステップ上の基準移動量:上記例に
おいてxn+1 に相当する距離)から第1のレジスタR1
に格納されている目標シーク距離データDsの値xを差
し引いた差分値(xn+1 −x)に第7のレジスタR7に
格納されている今回の定数C(i)を乗算し、この乗算
値をシーク終了時間の近似値fit(x)として第5の
レジスタR5に格納する。
【0261】また、上記差分値(xn+1 −x)に第8の
レジスタR8に格納されている今回の定数D(i)を乗
算し、この乗算値を減速補正用係数K’の近似値K’
(x)として第6のレジスタR6に格納する。
【0262】上記ステップS508での演算処理が終了
した段階で、この補正用パラメータ検索手段56(補正
用パラメータ検索サブルーチン)が終了する。
【0263】上記補正用パラメータ検索手段での処理以
外の処理は、上記第3実施例の場合と同様であるため、
その説明は省略する。
【0264】この変形例に係るモータ制御装置において
も、上記第3実施例に係るモータ制御装置と同様に、第
1のデータテーブルTBL1に配列された各加速用基準
移動量がDCモータ1の角速度の時間変化における過渡
領域の指数関数(式(3)で示す)に基づく関数(式
(4)で示す)にて定めるようにしているため、フィー
ドバック制御系2による光学ヘッドの加速時の制御をD
Cモータ1の回転駆動の開始時点から行なうことが可能
となり、位置決め動作の高速化を実現できる。
【0265】また、減速時においては、第1のデータテ
ーブルTBL1から読み出された加速用基準移動量θ
(j)を、第2のデータテーブルTBL2から読み出さ
れた目標シーク距離xに対応する切換え時間cht
(i)とシーク終了時間の近似値fit(x)及び減速
補正用係数の近似値K’(x)を用い、減速用移動量演
算手段57において式(5)並びに式(12)及び式
(13)に基づいて補正することにより、減速用基準移
動量θ’(j)に変換するようにしているため、該減速
用基準移動量θ’(j)の計算が簡単になり、しかも、
すべての目標シーク距離xに対応するために大量の減速
用の移動量に関する情報データを備える必要がなくなる
ため、メモリの削減を有効に図ることができる。
【0266】また、通常、切換え時間cht(i)、シ
ーク終了時間fit(i)、減速補正用係数K’及び目
標シーク距離xの離散的処理によって誤差が生じること
になるが、この第3実施例の変形例に係るモータ制御装
置においては、実際の目標シーク距離xよりも長い距離
n+1 に対応した切換え時間cht(xn+1 )を用い
て、1ステップだけ小さいシークの目標距離xn に対す
る補正用係数及びシーク処理時間を求め、予めデータテ
ーブルで与えられた距離以外の距離xをシークするとき
に、求めた補正用係数及びシーク終了時間にて補間して
減速用基準移動量θ’(j)を演算するようにしている
ため、上記誤差を低減することができる。
【0267】次に、第4実施例に係るモータ制御装置に
ついて説明する。この第4実施例に係るモータ制御装置
は、上記第3実施例に係るモータ制御装置とその変形例
に係るモータ制御装置を組み合わせた構成を有する。
【0268】即ち、実際の目標シーク距離xが、距離x
n とxn+1 との間隔の1/2を中心として距離xn 寄り
であれば、定数A(n)及びB(n)を用いてシーク終
了時間と減速補正用係数を近似し、上記目標シーク距離
xが距離xn+1 寄りであれば、定数C(n)及びD
(n)を用いてシーク終了時間と減速補正用係数を近似
する。
【0269】そのため、図18に示すように、第2のデ
ータテーブルTBL2のエントリーは、切換え時間ch
t(n),定数A(n),定数B(n),定数C(n)
及び定数D(n)の5つの値とする。即ち、第2のデー
タテーブルTBL2の各レコードには、切換え時間ch
t(n),定数A(n),定数B(n),定数C(n)
及び定数D(n)が格納されることになる。
【0270】従って、この第4実施例に係るモータ制御
装置は、上記第3実施例に係るモータ制御装置と同様
に、上記第1実施例に係るモータ制御装置とほぼ同じ構
成を採用することができ、マイコン31のハード構成は
図5において説明でき、基準移動量作成手段51につい
ても図6の機能ブロック図において説明できる。ただ、
第2のデータテーブルTBL2のエントリー項目が5つ
あり、しかも目標シーク距離によって近似値を演算する
ための定数が異なるようにする必要から、補正用パラメ
ータ検索手段56の構成として、図6の二重括弧内に示
すように、使用する定数を判別するための判別値を演算
するための判別値演算手段61が新たに追加される点で
異なる。
【0271】具体的に、この第4実施例に係るモータ制
御装置、特に補正用パラメータ検索手段の処理動作を図
19に基づいて説明する。
【0272】まず、ステップS601において、インデ
ックスレジスタiを初期化し、次のステップS602に
おいて、第1のデータ読出し手段54を通じて、第1の
データテーブル格納領域に格納されている第1のデータ
テーブルTBL1のうち、iレコード目の基準移動量デ
ータθ(i)を読み出して第2のレジスタR2に格納す
る。更に、ステップS603において、第1のデータ読
出し手段54を通じて、(i+1)レコード目の基準移
動量データθ(i+1)を読み出して第3のレジスタR
3に格納する。
【0273】次に、ステップS604において、検索条
件判別手段59を通じて、目標シーク距離xが、iレコ
ード目の基準移動量θ(i)以上で、かつ(i+1)レ
コード目の基準移動量θ(i+1)未満という条件を満
たすかどうかの判別を行なう。具体的には、この判別
は、第1のレジスタR1の値(目標シーク距離x)が、
第2のレジスタR2の値以上で、かつ第3のレジスタR
3の値未満であるかどうかで行なわれる。
【0274】第1のレジスタR1の値(目標シーク距離
x)が上記条件を満足しない場合、ステップS605に
進んで、インデックスレジスタiの値を+1更新した
後、ステップS602に戻り、第1のデータテーブルT
BL1の次のレコード及び更に次のレコードの基準移動
量を読み出す。そして、次のステップS604において
上記と同様の判別を行なう。これらステップS602〜
ステップS605の処理は、第1のレジスタR1の値
(目標シーク距離x)が、第2のレジスタR2の値以上
で、かつ第3のレジスタR3の値未満という条件を満足
するまで行なわれる。
【0275】そして、第1のレジスタR1の値(目標シ
ーク距離x)が上記条件を満足した段階で、次のステッ
プS606に進み、第2のデータ読出し手段55を通じ
て、第2のデータテーブルTBL2のうち、iレコード
目の切換え時間データcht(i)を読み出して、第4
のレジスタR4に格納する。
【0276】更に、ステップS607において、判別値
演算手段61を通じて、シーク終了時間及び減速補正用
係数を各近似値の計算に使用される定数を選択するため
の判別値を演算する。具体的には、第3のレジスタR3
に格納されている基準移動量(今回の基準移動量よりも
1ステップ上の基準移動量:上記例においてxn+1 に相
当する距離)から第2のレジスタR2に格納されている
今回の基準移動量(上記例においてxn に相当する距
離)を差し引いた差分値の1/2を演算し、この演算値
を判別値sとする。
【0277】次に、ステップS608において、検索条
件判別手段を通じて、目標シーク距離xが判別値以下で
あるかどうかが判別される。この判別は、第1のレジス
タR1の値が上記判別値以下であるかどうかで行なわれ
る。そして、目標シーク距離xが上記判別値s以下であ
る場合、次のステップS609に進み、第2のデータ読
出し手段55を通じて、第2のデータテーブルTBL2
のうち、iレコード目の定数A(i)及びB(i)を読
み出して、第7のレジスタR7及び第8のレジスタR8
にそれぞれ格納する。
【0278】次に、ステップS610において、近似値
演算手段60を通じて、上記(10)式で示すシーク終
了時間の近似値fit(x)及び上記(11)式で示す
係数K’の近似値K’(x)を求める。具体的には、第
1のレジスタR1に格納されている目標シーク距離デー
タDsの値xから第2のレジスタR2に格納されている
今回の基準移動量(上記例においてxn に相当する距
離)を差し引いた差分値(x−xn )に第7のレジスタ
R7に格納されている今回の定数A(i)を乗算し、こ
の乗算値をシーク終了時間の近似値fit(x)として
第5のレジスタR5に格納する。
【0279】また、上記差分値(x−xn )に第8のレ
ジスタR8に格納されている今回の定数B(i)を乗算
し、この乗算値を減速補正用係数K’の近似値K’
(x)として第6のレジスタR6に格納する。
【0280】一方、上記ステップS608において、目
標シーク距離が上記判別値sよりも大きいと判別された
場合は、ステップS611に進み、第2のデータ読出し
手段55を通じて、第2のデータテーブルTBL2のう
ち、iレコード目の定数C(i)及びD(i)を読み出
して、第7のレジスタR7及び第8のレジスタR8にそ
れぞれ格納する。
【0281】次に、ステップS612において、近似値
演算手段60を通じて、上記(12)式で示すシーク終
了時間の近似値fit(x)及び上記(13)式で示す
係数K’の近似値K’(x)を求める。具体的には、第
3のレジスタR3に格納されている基準移動量(今回の
基準移動量よりも1ステップ上の基準移動量:上記例に
おいてxn+1 に相当する距離)から第1のレジスタR1
に格納されている目標シーク距離データDsの値xを差
し引いた差分値(xn+1 −x)に第7のレジスタR7に
格納されている今回の定数C(i)を乗算し、この乗算
値をシーク終了時間の近似値fit(x)として第5の
レジスタR5に格納する。
【0282】また、上記差分値(xn+1 −x)に第8の
レジスタR8に格納されている今回の定数D(i)を乗
算し、この乗算値を減速補正用係数K’の近似値K’
(x)として第6のレジスタR6に格納する。
【0283】上記ステップS610又はステップS61
2での演算処理が終了した段階で、この補正用パラメー
タ検索手段56(補正用パラメータ検索サブルーチン)
が終了する。
【0284】上記補正用パラメータ検索手段での処理以
外の処理は、上記第3実施例の場合と同様であるため、
その説明は省略する。
【0285】この第4実施例に係るモータ制御装置にお
いても、上記第3実施例に係るモータ制御装置と同様
に、第1のデータテーブルTBL1に配列された各加速
用基準移動量がDCモータ1の角速度の時間変化におけ
る過渡領域の指数関数(式(3)で示す)に基づく関数
(式(4)で示す)にて定めるようにしているため、フ
ィードバック制御系2による光学ヘッドの加速時の制御
をDCモータ1の回転駆動の開始時点から行なうことが
可能となり、位置決め動作の高速化を実現できる。
【0286】また、減速時においては、第1のデータテ
ーブルTBL1から読み出された加速用基準移動量θ
(j)を、第2のデータテーブルTBL2から読み出さ
れた目標シーク距離xに対応する切換え時間cht
(i)とシーク終了時間の近似値fit(x)及び減速
補正用係数の近似値K’(x)を用い、減速用移動量演
算手段57において減速用基準移動量θ’(j)に変換
するようにしているため、該減速用基準移動量θ’
(j)の計算が簡単になり、しかも、すべての目標シー
ク距離xに対応するために大量の減速用の移動量に関す
る情報データを備える必要がなくなるため、メモリの削
減を有効に図ることができる。
【0287】また、通常、切換え時間cht(i)、シ
ーク終了時間fit(i)、減速補正用係数K’及び目
標シーク距離xの離散的処理によって誤差が生じること
になるが、この第4実施例の変形例に係るモータ制御装
置においては、実際の目標シーク距離xが距離xn とx
n+1 との間のどの位置にあるかによって、シーク終了時
間及び減速補正用係数の各近似値を求めるための定数を
選択し、その選択した定数に基づいて上記各近似値を演
算し、更にこれら近似値に基づいて減速用基準移動量を
求めるようにしたので、上記離散的処理に伴う誤差を有
効に低減することが可能となり、DCモータのフィード
バック制御系に対して精度の高い制御を行なわせること
ができる。
【0288】なお、上記第3実施例,その変形例及び第
4実施例に係るモータ制御装置において、シーク終了時
間の近似値fit(x)及び減速補正用係数の近似値
K’(x)を求める手法として線形近似を用いたが、こ
れら近似値fit(x)及びK’(x)は、実際の目標
シーク距離xに対して線形に変化するわけではないた
め、上記手法の場合、離散的処理に伴う誤差を低減する
ことはできるが原理的にゼロにすることはできない。
【0289】実用的には、上記手法による線形近似で十
分であるが、更に精度の高い近似値を得るためには、f
it{xn+1 ,cht(xn )}及びK’{xn+1 ,c
ht(xn )}を用いて、より複雑な近似、例えば指数
関数による高次近似を行なってもよい。
【0290】また、上記シーク終了時間に関しては、シ
ーク動作の終了時にアクチュエータは停止しようとして
いる状態であり、非常に低速度になっているため、減速
補正用係数K’の近似に比べてシーク終了時間の近似の
効果は小さい。従って、メモリとCPUに対する消費電
力を節約するために、シーク終了時間の近似を行なわず
に、シーク終了時間fit(xn )をそのまま用いるこ
とも可能である。
【0291】上記各実施例は、CD−ROM用の光ディ
スクドライブ装置に搭載される光学ヘッドのシーク・サ
ーボ系に適用した例を示したが、その他、DCモータを
用いたアクチェータであって、物体を比較的短い時間で
位置決めを行なわなければならないアクチュエータ、例
えばコンパクトディスクの原版(スタンパー)を作製す
るために使用されるレーザ描画装置や枚葉方式の半導体
処理に用いられる露光装置(ステッパー)等の各種アク
チェータに対して適用させることができる。
【0292】
【0293】
【0294】
【0295】
【発明の効果】 上述のように、 本発明に係るモータ制御
装置によれば、所定時間毎にフィードバック制御系に基
準移動量を出力する制御手段を、上記モータの角速度の
時間変化が指数関数に基づいて所定時間毎に定められた
基準移動量が配列されてなる移動距離プロファイルが記
憶された記憶手段と、所定時間毎に移動距離プロファイ
ルからアドレス順次に基準移動量を読み出す移動量読出
し手段と、上記要求される移動距離で決定される駆動信
号の切換え時間経過後において、所定時間毎に上記移動
量読出し手段から読み出された基準移動量を補正して、
減速用の基準移動量に変換する移動量補正手段と、上記
切換え時間経過前に上記移動量読出し手段からの基準移
動量を出力し、上記切換え時間経過後に上記移動量補正
手段からの減速用の基準移動量を出力する基準移動量出
力手段とを設けるようにしたので、フィードバック制御
系による被移動駆動物体の加速時の制御をモータの回転
駆動の開始時点から行なうことが可能となり、位置決め
動作の高速化を実現できる。
【0296】しかも、上記モータの角速度の時間変化に
おける過渡領域の関数は、被移動駆動物体を移動駆動す
るモータによって適宜設定することが可能であるため、
モータの種類によって位置決め動作が遅くなったりする
という不都合を回避することができる。
【0297】また、減速時においては、移動距離プロフ
ァイルから読み出された基準移動量を補正して減速用の
基準移動量に変換するようにしているため、該減速用の
基準移動量の計算が簡単になり、しかも、要求される移
動距離に対応するために大量の減速用の移動量を備える
必要がなくなるため、メモリの削減を有効に図ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るモータ制御装置を例えばCD−R
OM用の光ディスクドライブ装置に搭載される光学ヘッ
ドのシーク・サーボ系に適用した実施例(以下、単に実
施例に係るモータ制御装置と記す)を示す構成図であ
る。
【図2】本実施例に係るモータ制御装置に使用される第
1及び第2のデータテーブルの内訳を示す説明図であ
る。
【図3】本実施例に係るモータ制御装置の動作原理を示
すフローチャートである。
【図4】制御手段としてマイコンとメモリ装置を使用し
た本実施例に係るモータ制御装置を示す構成図である。
【図5】本実施例に係るモータ制御装置に組み込まれる
マイコンのハード構成を示すブロック図である。
【図6】本実施例に係るモータ制御装置における基準移
動量作成手段の処理動作を示す機能ブロック図である。
【図7】本実施例に係るモータ制御装置における基準移
動量作成手段の処理動作を示すフローチャート(その
1)である。
【図8】本実施例に係るモータ制御装置における基準移
動量作成手段の処理動作を示すフローチャート(その
2)である。
【図9】第1実施例に係るモータ制御装置における補正
用パラメータ検索手段の処理動作を示すフローチャート
である。
【図10】第2実施例に係るモータ制御装置で使用され
る第2のデータテーブルの内訳を示す説明図である。
【図11】実際の切換え時間に対する量子化を説明する
ための線図である。
【図12】第2実施例に係るモータ制御装置における補
正用パラメータ検索手段の処理動作を示すフローチャー
トである。
【図13】実際の目標シーク距離に対する量子化を説明
するための線図である。
【図14】第3実施例に係るモータ制御装置で使用され
る第2のデータテーブルの内訳を示す説明図である。
【図15】第3実施例に係るモータ制御装置における補
正用パラメータ検索手段の処理動作を示すフローチャー
トである。
【図16】第3実施例の変形例に係るモータ制御装置で
使用される第2のデータテーブルの内訳を示す説明図で
ある。
【図17】第3実施例の変形例に係るモータ制御装置に
おける補正用パラメータ検索手段の処理動作を示すフロ
ーチャートである。
【図18】第4実施例に係るモータ制御装置で使用され
る第2のデータテーブルの内訳を示す説明図である。
【図19】第4実施例に係るモータ制御装置における補
正用パラメータ検索手段の処理動作を示すフローチャー
トである。
【図20】モータに対するフィードバック制御系の一般
的構成を示すブロック線図である。
【図21】モータに対するバンバン制御のシークプロフ
ァイルを示す特性図であり、同図Aは時間に対する電圧
値(加速度)の変化を示し、同図Bは時間に対する角速
度の変化を示し、同図Cは時間に対するシーク距離の変
化を示す。
【符号の説明】
1 DCモータ 2 フィードバック制御系 3 システムコントローラ 4 制御手段 11 位置検出部 12 比較部 13 位相補償手段 21 第1の記憶手段 22 第2の記憶手段 23 演算手段 24 タイミング発生器 25 制御部 31 マイコン 32 メモリ装置(FIFO方式) 33 プログラムROM 36 データRAM 39 CPU 51 基準移動量作成手段 53 目標シーク距離受取り手段 54 第1のデータ読出し手段 55 第2のデータ読出し手段 56 補正用パラメータ検索手段 57 減速用移動量演算手段 58 移動量出力手段 59 検索条件判別手段 60 近似値演算手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−110532(JP,A) 特開 平6−289922(JP,A) 特開 平5−40529(JP,A) 特開 平6−243614(JP,A) 特開 平5−298716(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G05D 3/00 - 3/20 G05B 11/00 - 13/04 H02P 5/00 G11B 21/08

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被移動駆動物体の移動駆動源であるモー
    タと、 所定時間毎に上記モータによる被移動駆動物体の移動量
    を基準移動量に合わせ込みながら上記被移動駆動物体を
    要求される移動距離まで移動駆動させるフィードバック
    制御系と、 所定時間毎に上記フィードバック制御系に基準移動量を
    出力する制御手段とを具備し、 上記モータに対する制御が、最初に加速用駆動信号を供
    給し、切換え時間経過後に減速用駆動信号を供給する方
    式であって、 上記制御手段は、上記モータの角速度の時間変化が指数
    関数に基づいて所定時間毎に定められた基準移動量が配
    列されてなる移動距離プロファイルが記憶された記憶手
    段と、 所定時間毎に移動距離プロファイルからアドレス順次に
    基準移動量を読み出す移動量読出し手段と、 上記要求される移動距離で決定される駆動信号の上記切
    換え時間経過後において、所定時間毎に上記移動量読出
    し手段から読み出された基準移動量を補正して、減速用
    の基準移動量に変換する移動量補正手段と、 上記切換え時間経過前に上記移動量読出し手段からの基
    準移動量を出力し、上記切換え時間経過後に上記移動量
    補正手段からの減速用の基準移動量を出力する基準移動
    量出力手段とを有することを特徴とするモータ制御装
    置。
  2. 【請求項2】 上記記憶手段は、上記移動距離プロファ
    イルのほかに、該移動距離プロファイルの各基準移動量
    に応じた補正用パラメータが配列されてなるデータテー
    ブルを有し、 上記移動量補正手段は、上記要求される移動距離に基づ
    いて上記データテーブルから補正用パラメータを検索す
    るパラメータ検索手段と、 上記移動量読出し手段にて読み出された基準移動量を上
    記パラメータ検索手段にて検索された補正用パラメータ
    に基づいて補正し、上記減速用の基準移動量に変換する
    移動量変換手段とを有することを特徴とする請求項
    載のモータ制御装置。
  3. 【請求項3】 上記パラメータ検索手段は、上記要求さ
    れる移動距離を移動距離プロファイルの各基準移動量の
    うち、近似する基準移動量に換算して移動量換算距離と
    する換算手段を有し、 該換算手段にて得られた上記移動量換算距離に対応する
    補正用パラメータを検索することを特徴とする請求項
    記載のモータ制御装置。
  4. 【請求項4】 上記データテーブルにおける補正用パラ
    メータは、各基準移動量に応じた切換え時間と移動終了
    時間であり、 上記移動量変換手段は、上記パラメータ検索手段にて検
    索された切換え時間の経過後に伴って活性化され、か
    つ、上記移動量読出し手段にて読み出された基準移動量
    を上記パラメータ検索手段にて検索された上記切換え時
    間及び移動終了時間に基づいて補正し、上記減速用の基
    準移動量に変換することを特徴とする請求項記載のモ
    ータ制御装置。
  5. 【請求項5】 上記移動量変換手段は、現時刻から上記
    切換え時間を差し引いた時間を上記所定時間にて量子化
    して補正時間とする補正時間作成手段と、 上記移動距離プロファイルに配列された各基準移動量の
    うち、上記補正時間作成手段にて作成された上記補正時
    間に対応する基準移動量に重み付け係数を掛け合わせて
    なる補正値を上記移動量読出し手段にて読み出された基
    準移動量から差し引いた値をその時刻における減速用の
    基準移動量とする減速移動量演算手段とを有することを
    特徴とする請求項記載のモータ制御装置。
  6. 【請求項6】 上記データテーブルは、各基準移動量に
    対応した切換え時間と移動終了時間とが配列されるほ
    か、上記補正時間作成手段にて作成される補正時間の量
    子化誤差を吸収する重み付け係数が各基準移動量に対応
    して配列されて構成され、 上記減速移動量演算手段における減速用の基準移動量の
    演算に供される上記重み付け係数は、上記データテーブ
    ルに配された上記重み付け係数のうち、上記移動量換算
    距離に対応した重み付け係数であることを特徴とする請
    求項記載のモータ制御装置。
  7. 【請求項7】 上記データテーブルは、各基準移動量に
    対応した切換え時間が配列されるほか、上記要求される
    移動距離の上記移動量換算距離への換算誤差を吸収する
    ための移動終了時間補正用定数と重み付け係数補正用定
    数とが各基準移動量に対応して配列されて構成され、 上記データテーブルから誌み出された移動終了時間補正
    用定数と重み付け係数補正用定数に基づいて移動終了時
    間の近似値と重み付け係数の近似値を演算する近似値演
    算手段を具備し、 上記減速移動量演算手段における減速用の基準移動量の
    演算に供される上記移動終了時間及び重み付け係数は、
    上記近似値演算手段からの上記移動終了時間の近似値と
    上記重み付け係数の近似値であることを特徴とする請求
    記載のモータ制御装置。
  8. 【請求項8】 上記データテーブルは、各基準移動量に
    対応した切換え時間が配列されるほか、上記要求される
    移動距離の上記移動量換算距離への換算誤差を吸収する
    ための第1の移動終了時間補正用定数及び第2の移動終
    了時間補正用定数並びに第1の重み付け係数補正用定数
    及び第2の重み付け係数補正用定数が各基準移動量に対
    応して配列されて構成され、 上記要求される移動距離に基づいて第1及び第2の移動
    終了時間補正用定数のうちいずれかの定数を選別し、か
    つ上記要求される移動距離に基づいて第1及び第2の重
    み付け係数補正用定数のうちいずれかの定数を選別する
    定数選別手段と、 上記定数選別手段にて選別された各種定数に基づいて移
    動終了時間の近似値と重み付け係数の近似値を演算する
    近似値演算手段を具備し、 上記減速移動量演算手段における減速用の基準移動量の
    演算に供される上記移動終了時間及び重み付け係数は、
    上記近似値演算手段からの上記移動終了時間の近似値と
    上記重み付け係数の近似値であることを特徴とする請求
    記載のモータ制御装置。
JP16667995A 1995-06-30 1995-06-30 モータ制御装置 Expired - Fee Related JP3433577B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16667995A JP3433577B2 (ja) 1995-06-30 1995-06-30 モータ制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16667995A JP3433577B2 (ja) 1995-06-30 1995-06-30 モータ制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0916264A JPH0916264A (ja) 1997-01-17
JP3433577B2 true JP3433577B2 (ja) 2003-08-04

Family

ID=15835723

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16667995A Expired - Fee Related JP3433577B2 (ja) 1995-06-30 1995-06-30 モータ制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3433577B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5162007B2 (ja) 2011-06-10 2013-03-13 株式会社東芝 位置復調装置、及び位置復調方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0916264A (ja) 1997-01-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5760992A (en) Method for carrying out seeks in a hard disc drive to limit the generation of acoustic noise
US5475545A (en) Method for reducing noise during seeks in a hard disk drive
US5151639A (en) System for positioning a transducer
US5291110A (en) Low acoustic noise seeking method and apparatus
US6445531B1 (en) Disc drive method and apparatus for dynamically adjusting seek operations
JP4544393B2 (ja) ディスクドライブの安着サーボ制御方法及び装置,並びにこれに適したvcmアクチュエータの加速度定数推定方法及び装置
US6115205A (en) Method for adapting seeks of a disc drive transducer to the maximum actuator current available to accelerate and decelerate the transducer
US5381279A (en) Disk drive system with adjustable spindle and actuator power to improve seek and access performance
US6917486B2 (en) Direct detection of coil resistance
US20030189784A1 (en) Matching peak velocities of acceleration and deceleration seek profile in a disc drive
JP2002505494A (ja) ディスク駆動機構サーボ・システム内における整定時間の最小化
JP5038998B2 (ja) シーク制御装置、およびシーク制御のための制御データ生成方法
US6597529B1 (en) Method and apparatus for reducing acoustic noise in servo-controlled system
US6873490B2 (en) Control object positioning using jerk, current and time optimized control profiles
JP3433577B2 (ja) モータ制御装置
US5691617A (en) Disc drive transducer deadbeat settle method utilizing interval correction
JPH05109220A (ja) 記録装置のヘツドを高速に位置決めする方法及び装置
JP2736715B2 (ja) 位置決め制御方式
US7280899B2 (en) S-type smooth command generating method and means thereof
JPH11297012A (ja) ディスク装置
JP2000260137A (ja) 記憶装置
US20020052905A1 (en) Calculating square root of binary numbers with fixed-point microprocessor
US6590735B1 (en) Continuously adaptive seek deceleration profiling
JPS60500388A (ja) リ−ルからリ−ルへのシステムにおけるテ−プ位置を制御するためのツ−モ−ド制御システム
JPH07287916A (ja) 2元電圧形サーボ装置及び方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees