JP3432506B2 - 磁気共鳴映像装置 - Google Patents

磁気共鳴映像装置

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JP3432506B2
JP3432506B2 JP2002064716A JP2002064716A JP3432506B2 JP 3432506 B2 JP3432506 B2 JP 3432506B2 JP 2002064716 A JP2002064716 A JP 2002064716A JP 2002064716 A JP2002064716 A JP 2002064716A JP 3432506 B2 JP3432506 B2 JP 3432506B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、磁気共鳴現象を利用
して生体内各組織の特定原子核密度分布を被検体外部よ
り無侵襲に測定し、医学的診断のための情報を得る磁気
共鳴映像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気共鳴映像法(MRI)は、既に良く
知られている様に固有のスピンとこれに付随する核磁気
能率の集団が強度Hの一様な静磁場中に置かれた時
に、静磁場の方向と垂直な面内でω=γH(γは磁
気回転比と呼ばれ、原子核の種類に固有の定数である)
で決まる角速度で回転する高周波磁場のエネルギーを共
鳴的に吸収することを利用して、分子の化学的及び物理
的な微視的情報を得ることを可能とする手法である。こ
の磁気共鳴映像法を用いて、被検体内の特定原子核(例
えば水及び脂肪中の水素原子核)の空間分布を映像化す
る方法としては、ローターバー(Lauterbur)
による投影再構成法、クマー(Kumar)、ウエルチ
(Welti)、エルンスト(Ernst)等によるフ
ーリエ法、およびこれの変形法であるハチソン(Hut
chison)等によるピンワープ法等が考案されてい
る。さらに、この様な磁気共鳴映像法において、高速に
画像を再構成する方法として、高速フーリエ法やマンス
フィールド(Mansfield) によるエコープラ
ナー法が考案されている。
【0003】このような超高速MRI法は、撮像時間が
短い反面、ハードウェア上の制約から、ワンショットで
は高分解能化が困難という欠点があり、その欠点を補う
方法として、撮像時間は幾分犠牲にするが、複数回のス
キャンで1枚の画像を得る分割スキャン法も考案されて
いる。
【0004】しかし、このような超高速MRI法及び分
割スキャン法は、基本的に高速に反転する読み出し勾配
磁場を用いているため、磁場不均一性の影響が勾配磁場
の偶数番目と奇数番目で逆となり、そのまま再構成する
とN/2アーチファクトと呼ばれる、撮像領域の半分だ
け元画像から離れた位置にゴーストの現われるアーチフ
ァクトを生じる。
【0005】従って、これを避けるため、静磁場分布を
測定して補正する等の手順が必要であった。また、撮像
部位に血流等の動く対象がある場合、従来法であれば読
出し勾配磁場の印加方法である3方向に対し、フェイズ
リフォーカスを行うことにより、動きによるアーチファ
クトを抑圧することが可能であるが、超高速MRI法や
分割スキャン法では、高速に反転する読み出し勾配磁場
を用いているため、速度による位相変化成分を、偶数番
目と奇数番目のエコーで同時にゼロにすることが出来
ず、従って、勾配磁場方向の動きによるアーチファクト
の抑圧が困難であるといった欠点があった。
【0006】さらに、超高速MRI及び分割スキャン法
では、読み出し勾配磁場に比べ、大概読み出し勾配磁場
反転の数分の1と位相エンコード勾配磁場が弱いため、
脂肪成分が再構成画像上で位相エンコード方向に位置ず
れを生じるいわゆるケミカルシフトアーチファクトが生
じるという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、分割スキ
ャンにおいては、高速反転する読み出し勾配磁場を用い
ているため、磁場不均一性の影響が勾配磁場の偶数番目
と奇数番目で逆となり、そのまま再構成するとN/2ア
ーチファクトを生じ、画質劣化の要因となっていた。
又、これをなくすためには静磁場分布計測に基づく補正
等の複雑な手順が必要であった。
【0008】この発明はこのような従来の課題を解決す
るためになされたもので、その目的は、複雑な手順を必
要とせずに、N/2アーチファクト及びケミカルシフト
アーチファクトのない良好な画像を得ることのできる磁
気共鳴映像装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本願発明は、所定の高周波磁場及び勾配磁場の印加
により、被検体内のスピンを励起した後、読み出し勾配
磁場を高速に反転すると共に、位相エンコード勾配磁場
を所定の手順に従って印加し、少なくとも1回の励起で
1枚の画像を構成可能な磁気共鳴映像装置において、前
記位相エンコード勾配磁場は、高速に反転される読み出
し勾配磁場の2回に1回の割合で印加され、収集された
磁気共鳴信号は、反転する読み出し勾配磁場の偶数番目
と奇数番目に対応して分離し、それぞれ独立に構成して
2枚の画像を再構成することが特徴である。
【0010】
【0011】
【0012】
【作用】上述の如く構成すれば、N/2アーチファクト
及びケミカルシフトアーチファクトのない、高S/Nの
画像を構成することができる。
【0013】
【実施例】以下図面を参照して、この発明を詳細に説明
する。図1(a)は、本発明の磁気共鳴イメージングシ
ステムに用いる磁気変化シールドの1実施例及び原理を
示す図である。前述のように、超高速MRIで用いられ
る強力な勾配磁場をGxとすれば、それによる磁場強度
は勾配コイルからの距離に比例して大きくなるため、イ
メージング領域から離れた頭部や腰部で、刺激が起こる
可能性が大となる(図3)。例えば、イメージングの対
象が胸部である場合、イメージングに必要なz成分が最
大となる胸部体側の磁場強度xGxより、そのクロス磁
場成分であるx成分の、頭部の磁場強度zGxのほうが
磁場の絶対値が大きく、従ってdB/dtは大きい。そ
こで、図1(b)に示すように、頭部や腰部を、図1
(a)に示すような、導電性の物質1で囲むようにす
る。こうすることにより、導電性の物質1に生じた渦電
流2,3による反磁場によって、導電性の物質1で囲ま
れた内部の磁場強度すなわちdB/dtを下げることが
でき、従って、それによって生体内部に誘起される渦電
流密度を神経刺激の最小レベル以下にすることが可能と
なる。図中の渦電流2はクロス磁場の変化dBx/dt
を、渦電流3は本来の勾配磁場成分の変化dB/dtを
打ち消す様に流れる。
【0014】ところで、神経刺激の最小レベルは、すで
に述べたように電流密度でJ=1〜4(A/m)程度
であり、(1)式であるから、基本的には、生体に誘起
される渦電流密度がこれを越えないようなdB/dt値
に設定すればよい。但し、rは誘起される渦電流の半径
(m),σは生体の導電率(s/m)である。しかし、
図10に示す様に、神経刺激の最小レベルにはかなりの
個人差があるため、dB/dt値を一律に設定しようと
すれば、マージンを見込んでかなり低い値に設定する必
要がある。
【0015】そこで、このような制限を緩和する一つの
方法として、磁気共鳴映像装置による撮像を行う前に、
小型の磁気刺激コイル等によりあらかじめ被検体の神経
刺激を調査し、その値以下にdB/dtがなるように、
局所磁気変化シールドのシールド効果を設定するように
しても良い。
【0016】また、この発明は種々の変形実施が可能で
ある。たとえば、磁気変化シールド1は、必ずしも図1
(a)に示したように導電性の円筒である必要はなく、
図2に示すようなメッシュ状の物質6でも良い。例え
ば、腰部などにフレキシブルに着用できるメッキクロス
などを用いることもできる。
【0017】さらに、神経刺激を起こす勾配磁場の方向
が、一方向に限られている場合(超高速MRIを可能と
する勾配磁場駆動電源はコストが高いため、1チャンネ
ルのみに限られる場合は多い)、図5に示すように、導
電性の円筒の代わりに閉ループをなすワンターンコイル
21を用いて構成しても良い。このとき、閉ループは神
経刺激を起こす勾配磁場に対し、垂直になるように設定
する。図5はワンターンコイル21を対にして用いた場
合を示す。図6は頭部への装着剤である。これらの図
は、最も強力な勾配磁場がGxであった場合を示してお
り、Gyの場合はy方向に対向させ、Gzの場合は図1
1(e)のようにz方向に対向させる。さらに、複数方
向の勾配磁場に対して神経刺激のおそれがある場合は、
これらを組み合わせて用いるようにする。また、形状は
必ずしも円である必要はなく、閉ループを形成しさえし
ていれば、頭部にフィットするような形状のものであっ
ても良い。図11(f)は鞍型状のコイルの例、図11
(a)は矩形状のコイルを組み合わせx、y、z3方向
の磁場変化に対応できるようにした場合の例を示す。こ
こで、閉ループは対にして用いる必要はなく、神経刺激
の最小レベル値以下にまで、dB/dtによる渦電流密
度を下げることができさえすれば、ワンターンでも良
い。一方、シールド効果が十分で無い場合は、ターン数
を増やすことで対応できる。このとき、必ずしも同一半
径でターンを増やす必要は無く、図11(c)のように
順次半径を小さくしても良い。図11(d)のように渦
巻き状にしてもよい。また、図11(b)のようなメッ
シュ状でもよく、さらに平板を用いるようにしても良
い。ここで、閉ループの外径は、シールドしたい部位の
断面積(対象となる勾配磁場に垂直な断面)とおおよそ
等しくなるようにしておく。この様な磁気変化シールド
1,21を用いた場合、磁気変化シールドがつくる反磁
場がイメージングに何らかの影響を及ぼすことが考えら
れる。しかし、磁気刺激が問題となるような領域は、前
述のようにイメージング領域から離れた部位であり、十
分な距離があれば通常はあまり問題はないと考えられ
る。
【0018】但し、特に渦電流の影響などが大きいと考
えられるシーケンス、例えば、Phase Contr
ast Angiographyなどでは、微小な渦も
問題となる可能性がある。この様な場合、1つの方法と
しては、磁気変化シールドによって生じた反磁場の影響
が、データ収集時間内まで及ばないよう、時定数τを短
くすることが考えられる。時定数τは、 τ=κσt …(2) 但し、κ:定数、σ:導電率、t:導電性物質の厚みで
あるから、用いる導電性物質の厚みを薄くしたり、導電
率の低い材質を用いたりすれば良い。例えば、厚さ3m
mのアルミ材(例えばAl 5053)の場合、σ=
1.8×10(1/cm)であり、時定数は約2.6
msとなる。従って、超高速MRIで必要な勾配磁場の
立ち上がり約100〜300μs(0−p)に対して
は、時定数が長すぎて使用できないため、より薄くする
ことが必要となる。sus316Lの場合はσ=1.4
×10(1/cm)であり、厚さ2mmのとき約23
0μsとなり、使用することができる。銅の場合は、導
電率はアルミ材と同じオーダー(2〜3倍程度異なる)
であるが、例えば、45μm程度に薄くすることによ
り、約100μs程度の時定数が得られ、同じく使用す
ることができる。ここで、この様な薄い金属を用いる場
合は、アクリル円筒のような支持体に張り付けて用いる
ことは言うまでもない。
【0019】もう一つは、データ収集時間内まで反磁場
の影響が及ばないよう、強制的にループを切ってしまう
方法がある。図8はこの方法の一実施例を示す。導電性
の円筒25にスリットを入れ、そのままでは渦が発生し
ないか、発生しても極僅かであるようにしておく。この
スリット部分に、必要な渦強度を得るのに十分な閉ルー
プができるよう、スイッチ24を設けておく。図9は、
この磁気変化シールドをコントロールするタイミングチ
ャートの一実施例を示す図である。dB/dtが大きい
のは勾配磁場の立ち上がりの部分だけであるから、その
タイミングに合わせてスイッチをオンにし、渦電流を発
生させて、円筒25内部のdB/dt値を下げる。その
後dB/dtが0かもしくは非常に小さくなった時点で
スイッチをオフにすることにより、データ収集期間にお
いて磁気変化シールドがつくる反磁場の影響をなくすこ
とができる。
【0020】この方法は、さまざまな変形実施が可能で
あり、図7は、この方法を閉ループコイルタイプの磁気
変化シールドに適用した場合の一実施例を示す。さら
に、本発明の考え方に基づくもうひとつの実施例は、磁
気変化シールドは必ずしもパッシブである必要はなく、
必要なdB/dt値の減少が得られるよう、勾配磁場変
化に同期させて、勾配磁場変化を減少させるような磁場
を発生する電流をコイル等に流してやれば良い。図12
はアクティブ局所磁気変化シールドの1実施例として、
局所磁気変化シールドとして対向矩形ループ31を用
い、駆動アンプ30にて駆動する場合の例を示す。対向
矩形ループ31は駆動アンプ30の入力が例えば正のと
きにクロス磁場29を打ち消すような磁場28を発生す
るように巻いておく。図13に示すようなタイミングと
極性で、シールドコイル駆動アンプに電流を流すこと
で、局所磁気変化シールド内の磁場変化dB/dtを神
経刺激の最小レベル以下にすることができる。この場
合、局所磁気変化シールドとして対向矩形ループ31の
代わりに図8のようなスリットのはいった導電性の円筒
25や、図11に示す各種のコイルを用いるようにして
も良い。但し、スリットやギャップは閉ループに一つと
し、そこから電流を流すようにする。
【0021】次に、本発明の第2実施例に係る分割スキ
ャン法について説明する。従来の分割スキャン法では、
図14の高速反転勾配磁場51の各スイッチング毎に位
相エンコード勾配磁場52を印加していた。読み出し勾
配磁場5は正負交互に反転しているため、収集されたエ
コーデーダを1次元フーリエ変換して得られるプロジェ
クションも、交互に反転している。そこで、偶数番目か
奇数番目のどちらかのデータを反転して再構成に用い
る。ここで、読み出し勾配磁場方向の位置をx、勾配磁
場強度をGx、静磁場不均一性をΔH(x,y)とし、
奇数番目の勾配磁場が正であるとすると、静磁場の不均
一性により、位置xはx′へ、次式にて表せる位置ずれ
を起こす。
【0022】 x′=x+ΔH(x,y)/Gx(奇数番目のエコーの場合) x′=x−ΔH(x,y)/Gx(偶数番目のエコーの場合) …(3) 即ち、勾配磁場の偶数番目と奇数番目に対応するエコー
では、磁場不均一性の影響が逆となり、Kスペース上で
は、位相エンコード方向の1ステップ毎に、静磁場不均
一性の影響によるデータの不連続性が生じる。従って、
そのまま再構成すると、図16の58に示す様に、元画
像から撮像領域の半分だけずれた位置にエッジ状のゴー
ストを生じる、いわゆるN/2アーチファクトを生じ
た。
【0023】そこで本発明では、位相エンコード勾配磁
場52を、高速に反転する読み出し勾配磁場の2回に1
回印加し、収集されたエコー信号52は、反転勾配磁場
の偶数番目と奇数番目に対応して分離して、各々1枚の
画像再構成用のデータセットとする(55,56)。こ
こで、読出し勾配磁場方向の位置を合わせるため、一方
のデータセットは読出し勾配磁場方向に反転しておく。
このようにすることで、偶数番目もしくは奇数番目のエ
コーのみからなる画像データセット55,56はKスペ
ース上で不連続性を持たず、従って、それぞれ独立に再
構成することによりN/2アーチファクトのない2枚の
良好な画像が得られる。
【0024】但し、本方式のディメリットとして、位相
エンコード勾配磁場の印加を、読み出し勾配磁場反転の
2回に1回にしていることで、従来の分割スキャンに比
べ、同一分解能を得るために2倍の撮像時間を要する事
が上げられる。
【0025】しかし、分割スキャン法や超高速MRI法
は、撮像時間は短い反面、S/Nは従来法に比べ低下す
るため、現状では、数回の加算平均によりS/Nを向上
させて使用することが多い。ところが、既に述べたよう
に、従来の分割スキャン法では、単純に加算平均しても
S/Nは向上するが、N/2アーチファクトが残るた
め、これを除去するには静磁場分布計測に基づく補正等
の複雑な手順を必要とした。これに対し、本方式によっ
て得られる2枚の画像は、単純に加算することにより、
N/2アーチファクトのない、S/Nの向上した画像が
得られる。従って、加算平均操作によりS/N向上をは
かる場合、従来の分割スキャン法と同等の時間で、しか
も、補正等の複数な手順なく、アーチファクトのない、
良好な画像が得られることになる。なお、ここで、次項
で詳細に述べる、撮像領域内に血流等の動く対象がある
場合は、絶対値をとって動きによる影響を低減した後、
加算平均することが必要である。
【0026】次に、撮像領域内に血流等の動く対象があ
った場合について述べる。このような場合、対象の動き
により位相が乱れ、いわゆる血流アーチファクトが生じ
るが、従来法では勾配磁場の印加される3方向に位相補
償用の勾配磁場を加えることで、これを抑圧することが
できた。ところが、超高速MRI法や従来の分割スキャ
ン法では、反転する読み出し勾配磁場を用いているた
め、偶数番目と奇数番目のエコーの位相変化を同時にス
キャンセルすることができず、従って、読み出し勾配磁
場方向の動きによるアーチファクトの抑圧が困難である
と言った欠点があった。
【0027】そこで、本発明では、前述の様に、反転勾
配磁場の偶数番目と奇数番目に対応して、収集されたエ
コーデータを分離し、各々1枚の画像再構成用のデータ
セットとすることにより、偶数番目のエコーのみで再構
成した画像は血流の影響のない画像、奇数番目のエコー
のみで再構成した画像は血流の影響による位相変化を反
映した画像が得られる。
【0028】図17は対象が速度を持つ場合の、反転勾
配磁場60によりエコーに生じる位相変化を示すもの
で、61は時間変化に伴う位相変化、62は読み出し勾
配磁場方向の位置を合わせるため、勾配磁場スイッチン
グの偶数番目に対応するエコーを時間反転した後の位相
変化を示す。図に示す様に、偶数番目のエコーに対応す
るエコーピークでの位相64はキャンセルされゼロとな
るが、奇数番目のエコーに対応するエコーピークの位相
63は、速度をv、勾配磁場スイッチングの半周期を
τ、位相変化をΔφとすると、Δφ=1/4・v・τ
なる値を持つ。従って、偶数番目のエコーのみで再構成
すれば、これまで困難であった、読み出し勾配磁場方向
の対象の動きにより影響も抑圧した、良好な画像を得る
ことができる。一方、奇数番目のエコーのみで再構成す
れば、対象の動きにより位相変化を受けた画像が得られ
る。そこで、本発明ではさらに、これらの2種類の複素
画像を差し引き(あるいは生データレベルで差し引いて
も可)、動きによる位相変化を、速度成分、もしくは振
幅情報として画像化することにより、フローエンコード
パルス等の余分な勾配磁場を追加する事なく、読み出し
勾配磁場方向の血流イメージングもしくは血管造影を可
能とする事ができる。このとき、読み出し勾配磁場の印
加方向を、例えば、スライス面内の直交する他の方向、
もしくはスライス面に垂直な方向も含む垂直2方向に切
り替えて撮像することにより、2次元、3次元の血流イ
メージングが可能である。
【0029】本発明は、種々の変形実施が可能である。
例えば、対象とする分割スキャンのKスペース上のスキ
ャン順序は、必ずしも図14に示す様なブロック状でな
くてもよく、インターレースでのスキャンや、それらの
組み合わせであっても良い。図18〜21はインターレ
ーススキャンの例である(但し、偶数番目、奇数番目の
エコー分離処理は行なわない、従来型の場合を示す)。
図18,19は超高速MRIのシーケンスを基本とし、
それを単純に複数回繰り返すようにした場合(ここでは
単純分割法と呼ぶ)の例を示す図であり、図20,21
は180°パルスによるスピンエコーを併用する場合
(ここではCPMGハイブリッド法と呼ぶ。3スピンエ
コー、5グラジェントエコーの場合)の例を示す図であ
る。本発明を適用するには、エンコードステップを1つ
おきに減らし、偶数番目、奇数番目のエコーを分離して
処理すれば良い。但し、この様なインターレーススキャ
ンの場合、データの不連続性は1ラインおきではなくな
るため、除去するアーチファクトはN/2アーチファク
トではなく、より間隔が狭まった位置に発生するアーチ
ファクトが対象となる。
【0030】血流イメージングもしくは血管造影に関し
ては、本発明の場合、フローエンコードパルス等の余分
な勾配磁場を追加する必要のない事が一つの特徴とであ
るが、一方、フローエンコードパルス等と組み合わせる
事で、画像化する血流速の感度や方向を可変にでき、さ
らに自由度を増すことができる。
【0031】RF励起に関しては、90度・180度の
スピンエコーでけでなく、LowFlip角の励起パル
スと、それにより発生するFID信号を用いる様にし、
繰り返し時間TRを短くすることで、より高速に画像化
が行なえる様にしても良い。
【0032】また、水、脂肪分解法として、図22〜2
4に示す様に、データ収集の際、ゼロエンコードになる
エコーに於て、水と脂肪の信号の極性がちょうど一致す
る場合(図24(a))と逆になる場合(図24
(b))の2つの状態が得られるように、RF励起もし
くはデータ収集のタイミングをτずらした2種類シーケ
ンスを用い、得られた2種類の画像もしくは生データを
加減算することにより、水及び脂肪の分解画像が得られ
る様にしても良い。即ち、水画像をWとし、脂肪画像を
Fとすれば、極性が一致する場合には得られる画像はW
+Fとなり、極性が反転している場合には得られる画像
はW−Fとなっているので、両画像の加算を2で割れば
水画像Wが得られ、両画像の減算を2で割れば脂肪画像
Fが得られるのである。また、水の信号と脂肪の信号が
90°ずれるようにデータを収集すれば、実軸上で水信
号が得られ虚軸上で脂肪信号が得られるので、1回の撮
像で水画像、及び脂肪画像を得ることが可能となる。
【0033】また、図25に示す様に奇数番目と偶数番
目のエコー間隔を調整し、奇数番目(偶数番目)で水信
号と脂肪信号の極性が一致し、偶数番目(奇数番目)で
両信号の極性が反転するように設定すれば、1回の撮像
で水画像及び脂肪画像を得ることができるようになる。
【0034】このような方法により、N/2アーチファ
クトのない水・脂肪分離画像が得られる。但し、静磁場
の不均一性が読出し勾配磁場強度に対して十分に小さ
く、N/2アーチファクトが無視できる程度であれば、
偶数番目、奇数番目のエコー分離処理を行なわない従来
の分割スキャン法に上記方法を適用し、水・脂肪分離画
像を得るようにしても良い。
【0035】このような場合、脂肪成分の位置ずれによ
るアーチファクトを低減する方法として、水及び脂肪の
分離を行う代わりに、脂肪成分の位置ずれが起きないよ
うに、勾配磁場のスイッチング間隔を調整してもよい。
【0036】具体的には、脂肪のプロトンの共鳴周波数
は、水のプロトンの共鳴周波数に比べ、約3.5ppm
とやや遅く、図26(a)に示すように、時間とともに
位相のずれを生じ、このままエコー信号のデータ収集を
行えば、再構成画像上で脂肪成分の位置ずれとなってし
まう。
【0037】そこで、エコー信号の発生間隔を水と脂肪
との磁化ベクトルの位相差の周期、又はこの位相差の周
期の整数倍になるように、勾配磁場反転のタイミング及
びその変更に伴うデータ収集時間の長さ、勾配磁場の立
ち上がり時間等を設定する。
【0038】例えば、水の共鳴周波数をf、脂肪の共
鳴周波数をf水と脂肪との周波数差をΔfは、 Δf=f−f …(4) であり、時刻tにおける位相差Δθは、 Δθ=2πΔft …(5) であるから、発生する多重エコーの間隔をτとすれば、 τ=(1/Δf)・n (n=1,2,…) …(6) となるように、勾配磁場反転のタイミングを選ぶ。この
ようにすることで、エコーピークの時刻における磁化ベ
クトルの状態を示す図26(b)からわかるように、各
々の多重エコー信号のデータ収集時において、水と脂肪
との磁化ベクトルの位相関係が一定となり、再構成画像
上での脂肪の位置ずれ、即ち、ケミカルシフトアーチフ
ァクトの低減が達成される。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
静磁場分布計測に基づく法制等の複雑な手順を必要とせ
ず、N/2アーチファクト及びケミカルシフトアーチフ
ァクトのない、高S/Nの画像を構成することができ
る。また、撮像部位に血流等の動く対象がある場合も、
アーチファクトのない画像化及び血流イメージングが可
能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用されたシールド部材の一実施例
を示す構成図。
【図2】 フレキシブルシールド部材を示す構成図。
【図3】 勾配磁場とクロス磁場の説明図。
【図4】 超高速MRIに用いられる勾配磁場波形の例
とのdB/dt波形を示す図。
【図5】 対向ワンターンコイル型磁気変化シールドの
一実施例を示す図。
【図6】 対向ワンターンコイル型磁気変化シールドの
装着法を説明する図。
【図7】 渦電流ON,OFFスイッチを持った対向ワ
ンターンコイル型磁気変化シールドの例を示す図。
【図8】 渦電流ON,OFFスイッチを持った磁気変
化シールドの構成(円筒型)及び原理を示す図。
【図9】 渦電流ON,OFFスイッチを持った磁気変
化シールドのコントロールタイミングチャートを示す
図。
【図10】 神経刺激の最小値の個人差を示す図。
【図11】 各種局所磁気変化シールドの例を示す図。
【図12】 アクティブ磁気変化シールドの構成を示す
図。
【図13】 アクティブ磁気変化シールドの駆動のタイ
ミングを示す図。
【図14】 N/2アーチファクト除去法を説明する
図。
【図15】 Kスペース上の軌跡を示す説明図。
【図16】 N/2アーチファクトの例を示す説明図。
【図17】 本発明の血流イメージング法に係わる、グ
ラジェント反転によるマルチエコーの位相変化を説明す
る図。
【図18】 インターレース方式の分割スキャンを示す
説明図。
【図19】 超高速MRIをベースとしてそれを複数回
繰り返す場合のパルスシーケンスを示す図。
【図20】 インターレース方式の分割スキャンを示す
説明図。
【図21】 180°パルスによるスピンエコーを併用
する場合のパルスシーケンスを示す図。
【図22】 水と脂肪が同一の位相をもつ場合の水・脂
肪分離法を示すパルスシーケンスを示す図。
【図23】 時間遅れτを水と脂肪が逆の位相を持つ様
に設定した場合のパルスシーケンスを示す図。
【図24】 水と脂肪が同一の位相を持つ場合、及び逆
の位相を持つ場合を示す説明図。
【図25】 水及び脂肪の磁化ベクトルの状態を説明す
るための図。
【図26】 水及び脂肪の磁化ベクトルの状態を説明す
るための図。
【符号の説明】
1 磁気変化シールド 2 x方向の磁場変化に対する渦電流 3 z方向の磁場変化に対する渦電流 4 被検体 5 勾配コイルの中心 6 フレキシブル磁気変化シールド 21 ワンターンコイル磁気変化シールド 22 コイル支持部 23 ワンターンコイル磁気変化シールド 24 ピンダイオード 25 円筒型磁気変化シールド 26 勾配コイル駆動波形 27 スイッチのコントロールタイミングチャート 28 アクティブ局所磁気変化シールドの作る磁場 29 クロス磁場 30 駆動アンプ 31 アクティブ局所磁気変化シールドのコイル 32 制御信号 51 読出し勾配磁場波形 52 位相エンコード勾配磁場 53 信号 54 エンコード勾配磁場 55 偶数番目のエコーのみによる画像データ 56 奇数番目のエコーのみによる画像データ 57 元画像 58,59 N/2アーチファクト 60 読出し勾配磁場波形 61 速度がある場合の位相の時間変化 62 読出し勾配磁場方向の位置合わせ後の位相変化 63 奇数番目のエコーピークにおける位相変化量 64 偶数番目のエコーピークにおける位相変化量 65 1回目のスキャンによるKスペース上の軌跡 66 2回目のスキャンによるKスペース上の軌跡 68 1回目のスキャンによるKスペース上の軌跡 69 2回目のスキャンによるKスペース上の軌跡 70 脂肪の磁化ベクトル 71 水の磁化ベクトル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−22926(JP,A) 特開 昭64−78192(JP,A) 特開 昭62−139641(JP,A) 特開 昭59−105548(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 5/055

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の高周波磁場及び勾配磁場の印加に
    より、被検体内のスピンを励起した後、読み出し勾配磁
    場を高速に反転すると共に、位相エンコード勾配磁場を
    所定の手順に従って印加し、少なくとも1回の励起で1
    枚の画像を構成可能な磁気共鳴映像装置において、 前記位相エンコード勾配磁場は、高速に反転される読み
    出し勾配磁場の2回に1回の割合で印加され、収集され
    た磁気共鳴信号は、反転する読み出し勾配磁場の偶数番
    目と奇数番目に対応して分離し、それぞれ独立に構成し
    て2枚の画像を再構成することを特徴とする磁気共鳴映
    像装置。
  2. 【請求項2】 前記2枚の画像のうち1枚を読み出し勾
    配磁場の方向に反転した後、互いに加算して1枚の画像
    を構成することを特徴とする請求項1記載の磁気共鳴映
    像装置。
  3. 【請求項3】 撮像部位に血流等の動く対象がある場合
    の磁気共鳴映像装置において、前記分離再構成した2枚
    の画像のうちの1枚を、読み出し勾配磁場の方向に反転
    した後、得られた2枚の複素画像の差分をとり、各ピク
    セル毎の位相差若しくは前記位相差に基づく振幅差を求
    め、それらに対応する血流分布画像又は血管造影画像を
    構成することを特徴とする請求項1記載の磁気共鳴映像
    装置。
  4. 【請求項4】 ゼロエンコードデータ収集時刻に、水と
    脂肪との信号が同一極性又は反極性とすべく、高周波磁
    場励起とデータ収集までの時間とが異なる2種類のシー
    ケンスを用い、構成された2枚の画像を加算又は減算す
    ることにより、水画像及び脂肪画像をそれぞれ構成する
    ことを特徴とする請求項1記載の磁気共鳴映像装置。
  5. 【請求項5】 被検体内のスピンの励起には、ロウフリ
    ップ角の励起パルスを使用し、発生する自由誘導減衰信
    号に基づいて画像を構成することを特徴とする請求項1
    記載の磁気共鳴映像装置。
  6. 【請求項6】 読み出し勾配磁場反転の時間は、発生す
    る多重グラジェントエコーの間隔と水及び脂肪の磁化ベ
    クトルの位相差の周期又は前記位相差の周期の整数倍の
    時間とが一致するように設定することを特徴とする請求
    項1記載の磁気共鳴映像装置。
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