JP3432430B2 - 鉄筋用異形棒鋼およびその製造方法 - Google Patents
鉄筋用異形棒鋼およびその製造方法Info
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Description
係り、とくにガス圧接性の改善に関する。
る異形棒鋼は、JIS G 3112に、降伏強さに従いSD 295A
からSD 490までの5種が規格化されている(表1参
照)。JIS規格以外にも、DIN 規格、BS規格、ASTM規格
等に規定されている。また、鉄筋コンクリート用棒鋼ガ
ス圧接継手の検査方法において、やむをえない場合を除
いて引張試験ですべての試験片の引張強さがJIS G 3112
の規定に合格しなければならないことが判定基準となっ
ている。
合して使用されることが多い。鉄筋用異形棒鋼の接合方
法としては、ガス圧接、ネジ式機械的接合等があるが、
日本ではガス圧接法が主流となっている。近年、建築構
造物の大型化・高層化、耐震性の向上に伴い、コンクリ
ート補強用鉄筋として使用される異形棒鋼は、高強度で
かつ高靱性を具備することが要求されてきた。しかも経
済性の観点から低価格で、優れた機械的特性を有する鉄
筋用異形棒鋼が望まれていた。
ば、特公昭56-19375号公報には、素材の温度を熱間圧延
機の仕上げスタンド入側でAc3変態点とAc3変態点+15
0 ℃の間の温度として、仕上げ圧延を行ったのち急冷
し、表層をマルテンサイトおよび/またはベイナイト組
織とする棒鋼等の圧延鋼材の製造方法が提案されてい
る。この方法によれば、表層部を低温変態組織にするこ
とにより高強度、とくに高降伏強さを確保でき、C、Mn
等の合金元素を低減することが可能となるとされてい
る。
きる方法として、制御圧延が挙げられる。この方法は、
Nb、V等の合金元素を添加した鋼素材を用い、加熱およ
び圧延温度を制御して微細組織を得る方法であり、オー
ステナイト結晶粒を微細化して、変態後の組織(フェラ
イト+パーライト)の微細化を図り、Nb、V等の析出硬
化と併せて、異形棒鋼の強靱化を達成するとされてい
る。
56-19375号公報に記載された技術で製造された異形棒鋼
を、ガス圧接により接合すると、圧接部の強度が低下し
所望の接合強度が得られないという問題があった。これ
は、表層に形成されたマルテンサイト等の低温変態組織
がガス圧接時に導入される熱により軟化したためと考え
られた。またさらに、欧米の各規格にくらべ、JIS 規格
では耐震性の観点から、鉄筋用棒鋼の降伏点(0.2 %耐
力)には厳しい上下限規制がある。特公昭56-19375号公
報に記載された技術で製造された異形棒鋼では、機械的
特性のばらつきが大きく、JIS 規格の降伏点規制を安定
して満足させることが困難であるという問題があった。
おいては、制御圧延による特性向上を十分に確保するた
めに、Nb、VあるいはさらにCr、Mn等の合金元素を多量
に添加し、さらに圧延温度をAr3変態点近傍の低温と
し、しかも低速で圧延する必要がある。このような圧延
においては、圧延機にかかる負荷は非常に大きいものと
なり、大型で高性能の圧延機を必要とする。このよう
に、異形棒鋼の製造に制御圧延を適用すると、多量の合
金元素添加と、性能の高い高価な圧延設備とを必要とし
経済的に不利となるという問題があった。
JIS 規格SD 390相当の機械的特性を安定して満足し、か
つJIS 規格のガス圧接継手の検査に合格するガス圧接性
に優れた鉄筋用異形棒鋼を提供することを目的とする。
も高強度を有する安価な異形棒鋼を得るには、圧延後急
冷することが有効であることはすでに良く知られたこと
である。熱間圧延後直に急冷し、表層のみを硬化組織と
する直接焼入れを行うことにより、少ない合金元素添加
量で所定の強度を確保できるという利点はある。しか
し、このようにして製造された異形棒鋼は、ガス圧接時
に表層の硬化組織が焼戻され、ガス圧接部の強度が低下
する。
法は、第1段階として異形棒鋼の端面同士を突合わせ
(図1(a))、第2段階として軸方向に圧縮力を加え
ながら保持し(図1(b))、第3段階として軸方向に
圧縮力を加えながら突合わせ部を酸素アセチレン炎で加
熱し、接合端面を溶かすことなく赤熱状態とし(図1
(c))、第4段階として酸素アセチレン炎で加熱しな
がらさらに軸方向の圧縮力を高め接合する(図1
(d))、方法である。したがって、ガス接合部は、接
合面近傍で膨らみを有する形状となる。標準的には、膨
らみ径は1.4 D以上、膨らみ長さは1.1 D以上となるよ
うに施工される。なお、Dは異形棒鋼の呼び名に用いた
数値であり、ほぼ公称直径に等しい。
去、直角度仕上げ、面取り等の目的で接合する異形棒鋼
の端面をグラインダー等により手入れするのが好まし
い。第3段階では、突合わせ部を、接合面の酸化を防止
するためアセチレン過剰炎(還元炎)を利用し一様に加
熱し、圧縮力を作用させ、接合面が閉じたのちは加熱部
の化学的変化を抑えるため酸素とアセチレンが等量の中
性炎で加熱するのが好ましい。第4段階では、中心部ま
で均一温度とし、接合部形状を良好とするため接合部周
辺を加熱するのが好ましい。
記した課題を達成するため、直接焼入れを行った鉄筋用
異形棒鋼について、ガス圧接性、とくにガス圧接部の強
度におよぼす化学組成、製造条件等の要因について、鋭
意検討した。その結果、直接焼入れを行った鉄筋用異形
棒鋼のガス圧接性の向上には、表層硬化組織による異形
棒鋼強度への寄与を適正範囲とすることが重要であるこ
とに思い至った。そして、表層硬化組織の異形棒鋼強度
への寄与を適正範囲に調整するには、異形棒鋼の化学組
成と、熱間圧延条件および熱間圧延後急冷条件を適正範
囲に調整し、急冷処理を施され表層部に形成されたマル
テンサイト組織を急冷停止後中心部の含熱による復熱に
より焼戻しマルテンサイトとして、棒鋼としての強度を
降伏強さ390 〜510 N/mm 2 、引張強さ560 N/mm 2 以
上とすることにより、達成できることを見いだした。こ
れにより、異形棒鋼のガス圧接性が格段に向上し、ガス
圧接部の強度が母材と同等以上となる。
れたものである。すなわち、本発明は、重量%で、C:
0.20〜0.29%、Mn:0.60〜0.95%、Cu:0.1 〜1.0 %を
含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有
し、表層部の組織が焼戻しマルテンサイトであることを
特徴とする降伏強さ390 〜510 N/mm2 、引張強さ560
N/mm2 以上を有しガス圧接性に優れる鉄筋用異形棒鋼
であり、前記組成に加えて、さらに重量%でSi:0.35%
以下を含んでもよい。
29%、Mn:0.60〜0.95%、Cu:0.1〜1.0 %を含み、さ
らに、Nb:0.01〜0.05%および/ またはV:0.01〜0.05
%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成
を有し、表層部の組織が焼戻しマルテンサイトであるこ
とを特徴とする降伏強さ390 〜510 N/mm2 、引張強さ
560 N/mm2 以上を有しガス圧接性に優れる鉄筋用異形
棒鋼であり、前記組成に加えて、さらに重量%でSi:0.
35%以下を含んでもよい。
29%、Mn:0.60〜0.95%、Cu:0.1〜1.0 %を含み、あ
るいはさらに、Nb:0.01〜0.05%および/ またはV:0.
01〜0.05%を含有し、好ましくはSi:0.35%以下を含有
する組成の鋼素材を、仕上圧延終了温度が(Ar3変態点
+50℃)〜(Ar3変態点+250 ℃)の温度範囲となる熱
間圧延を施し所定形状の異形棒鋼としたのち、前記異形
棒鋼に急冷処理を施しその後放冷するにあたり、前記急
冷処理は、前記異形棒鋼の表面温度をMs 点以下とし、
かつ急冷停止後復熱により前記異形棒鋼の表面温度が62
0 〜780 ℃の範囲となる条件で急冷することを特徴とす
る降伏強さ390 〜510 N/mm2 、引張強さ560 N/mm2
以上を有するガス圧接性に優れる鉄筋用異形棒鋼の製造
方法であり、また本発明では、前記急冷処理は、水冷で
水冷時間および/または水量を調整して、急冷停止後復
熱により前記異形棒鋼の表面温度を620 〜780 ℃の範囲
とするのが好適である。
強さ390 〜510 N/mm2 、引張強さ560 N/mm2 以上を
有する棒鋼である。このような強度の異形棒鋼を得るた
めに、まず化学組成を適正範囲に限定する。本発明の鉄
筋用異形棒鋼の化学組成の限定理由について説明する。
では上記した母材強度と、優れたガス圧接性を得るため
に0.20%以上のCの含有を必要とする。Cが0.20%未満
では、上記した母材強度を得ることができたとしても、
ガス圧接部の引張強さを母材引張強さと同等以上とする
ことができない。母材強度だけであれば、C含有量を低
くしても確保することは可能であるが、Cを低減して表
層の硬化組織により所定の強度とした場合には、ガス圧
接部の強度低下が著しく、ガス圧接部の強度を母材と同
等以上とすることができない。一方、C含有量が0.29%
を超えると、母材の延性、靱性が著しく低下するうえ、
降伏点が所定の範囲を超える場合がある。このため、C
は0.20〜0.29%に限定した。なお、好ましくは0.22〜0.
27%である。
させる有効な元素であるが、所定の強度を得るためには
0.60%以上の含有を必要とする。しかし、0.95%を超え
るMnの含有は、焼入れ性の増加が大きく、直接焼入れ時
の強度増加が大きく、母材の降伏点の上限を超える場合
があり、棒鋼強度のばらつきが大きくなる。このため、
Mnは0.60%〜0.95%とした。
ような効果は0.1 %以上の含有で認められるが、1.0 %
を超える含有は鋼の加工性を低下させる。このため、Cu
は0.1 〜1.0 %の範囲に限定した。なお好ましくは、0.
1 〜0.5%である。
であり、必要に応じ単独または複合して添加する。さら
に、Nb、Vは、いずれも微細で高硬度を有する炭化物を
形成し結晶粒を微細化し靱性を向上させる効果を有して
いる。このような効果は Nb 、Vとも0.01%以上の含有
で認められる。一方、Nb、Vを0.05%を超えて含有して
も効果が飽和するため、含有加量に見合う効果が期待で
きない。このため、Nb、Vとも0.01〜0.05%の範囲に限
定するのが好ましい。
元素であるが、多量に添加するとガス圧接部の強度が極
端に低下する場合があり、添加する場合には0.35%以下
とするのが望ましい。Siが0.35%を超えて含有される場
合には、ガス圧接部の接合界面に微細なSi酸化物が形成
され、引張試験でフラット破面と呼ばれる平滑破面を形
成し、ガス圧接部の引張強さを低下させる。
外の残部はFeおよび不可避的不純物である。なお、不可
避的不純物としては、P:0.040 %以下、S:0.040 %
以下、Al:0.05%以下、N:0.015 %以下、O:0.015
%以下、Sn:0.03%以下が許容できる。本発明の異形棒
鋼の組織は、表層部が焼戻しマルテンサイトである。一
方、中心部は非低温変態組織である、フェライト+パー
ライトとなる。熱間圧延後直に急冷処理を施され、表層
部はマルテンサイト組織とされるが、急冷停止後中心部
の含熱により表層部が復熱するため、形成されたマルテ
ンサイト組織は焼戻され焼戻しマルテンサイトとされ
る。なお、表層部の厚さは、熱間圧延後の急冷処理の条
件により決定される。
いて説明する。上記した化学組成の鋼を転炉、電気炉等
の通常公知の溶製方法で溶製し、連続鋳造法あるいは造
塊−分塊法によりブルーム、ビレット等の鋼素材とす
る。ついで、鋼素材を所定温度に加熱、あるいは温度が
高い場合には直接、あるいは温度が低い場合には若干の
加熱を施されて所定温度とされたのち、熱間圧延され、
所定寸法の異形棒鋼とされる。熱間圧延の加熱温度は、
950 〜1100℃とするのが望ましい。加熱温度が950 ℃未
満では、変形抵抗が高すぎ、圧延機への負荷が過大とな
り熱間圧延が困難となるとともに、また、熱間圧延がオ
ーステナイト域で完了しない場合があり、製品品質(強
度、靱性、表面性状)が低下する。
圧延機列、中間圧延機列、仕上圧延機列等による熱間圧
延工程を経て所定の寸法形状に加工される。本発明で
は、仕上圧延機列の出側、すなわち仕上圧延の終了温度
を(Ar3変態点+50℃)〜(Ar3変態点+250 ℃)の温
度範囲とする。本発明の異形棒鋼では、表層をマルテン
サイト組織とするために、熱間圧延をオーステナイト域
(Ar3変態点以上)で終了する。仕上圧延終了温度が
(Ar3変態点+50℃)未満では、仕上げ圧延機への負荷
が過大となり圧延が困難となる。一方、仕上圧延終了温
度が(Ar3変態点+250 ℃)を超えると、オーステナイ
ト粒の成長が著しくなり、引張強さに対し降伏点が小さ
くなりすぎ、さらに、表面の酸化が著しく、表面での脱
炭が顕著となる。このため、仕上圧延の終了温度を(A
r3変態点+50℃)〜(Ar3変態点+250 ℃)の温度範囲
とする。
処理を施される。急冷処理は、水噴射、水中浸漬等、表
層がマルテンサイト組織となる冷却速度が得られる手段
であればとくに限定されないが、なかでも、水中浸漬に
よる、水冷が好ましい。本発明に好適な製造設備のレイ
アウトを図2に示す。急冷処理は圧延後直ちに行う必要
から、熱間圧延機群2からなる圧延設備の出側に設置さ
れた急冷装置3内で連続的に行うのが望ましい。なお、
1は加熱炉であり、加熱炉1の出側、熱間圧延機群2の
出側、急冷設備3の出側に異形棒鋼等の温度測定用温度
計4を配設するのが好ましい。
s 点以下とする。これにより、表層部をマルテンサイト
組織とする。異形棒鋼は、所定の条件で急冷処理された
後、放冷される。急冷処理の条件は、急冷停止後、復熱
により異形棒鋼の表面温度が620 〜780 ℃の範囲となる
条件とする。急冷処理の条件は、異形棒鋼のサイズ、仕
上げ圧延終了温度(急冷開始温度) に応じて、復熱によ
る異形棒鋼の表面温度が620 〜780 ℃の範囲となるよう
に、急冷装置内の滞留時間( 急冷装置長さ、搬送速度)
および/ または冷却媒体の噴射量( たとえば、冷却媒体
が水の場合には急冷装置単位長さ当りの供給量) を調整
するのが望ましい。
熱により表層の温度が上昇するが、上記したように急冷
条件を調整して、この復熱による表面の最高温度を、62
0 〜780 ℃の範囲とする。表面温度が620 ℃未満までし
か復熱しない場合には、表層部マルテンサイト組織の焼
戻しが不十分となり、靱性が劣化する。また、表面温度
が780 ℃を超えて復熱すると、表層部が過剰に焼戻され
て、強度が著しく低下し、所望の母材強度、ガス圧接部
強度を満足することができない。このようなことから、
急冷停止後、復熱による到達表面温度を620 〜780 ℃の
範囲とした。
連続鋳造法で110mm 角のビレット(鋼素材)とした。こ
れらビレットを980 〜1040℃に再加熱したのち、粗圧
延、中間圧延、仕上圧延を行い、表3に示す圧延終了温
度で公称径25mmの鉄筋用異形棒鋼とした。熱間仕上圧延
終了直後に、急冷装置(水浸漬型冷却)(長さ10m )に
より急冷し、表3に示す表面温度、および復熱後表面温
度となるように急冷処理条件を調整した。なお、ここで
は、所定範囲内の復熱後表面温度となるように急冷時間
(異形棒鋼の搬送速度、すなわち圧延出側速度)を調整
して処理した。なお、一部では、急冷時間を2.0secに一
定とし、急冷装置への供給水量を調整して処理した。ま
た、従来例として、表2に示す鋼Hのビレットを、900
℃に再加熱したのち、表3に示す圧延終了温度の制御圧
延を施し、公称径25mmの鉄筋用異形棒鋼とした。
し、降伏強さ、引張強さを測定した。また、同一条件で
製造した異形棒鋼の端面同士をガス圧接法により接合し
た。ガス圧接条件は、第一段階では、鉄筋端面を直角に
仕上げ、第二段階では軸方向に圧力を加え、第三段階で
は、アセチレン過剰炎(還元炎)を用い加熱による接合
面の酸化を防ぎ突合せ部分を一様に加熱し、第4段階で
は、油圧ポンプにより鉄筋の突合せ面に圧力を加え、接
合面が閉じた後は、中性炎(酸素とアセチレンの量が等
しい)で加熱した。さらに加圧しながら、加熱し、圧接
部をなだらかな形状に仕上げた。加熱時、接合部材の最
高温度は1200〜1300℃とした。そして、ガス圧接後の膨
らみ径は1.4 D、膨らみ長さは1.1 Dとなるように圧縮
力、加熱条件を調整した。圧接後、継手引張試験を行
い、ガス圧接部の引張強さを測定した。
No.11 ,No.12 ,No.19 )は、所望の母材強度(SD 39
0)と、母材引張強さと同等のガス圧接部引張強さを有
している。なお、ガス圧接部引張試験では、破断はいず
れも母材部であった。これに対し、本発明の範囲を外れ
る比較例は、母材強度が所望の母材強度(SD390)を外
れるか、あるいはガス圧接部の引張強さが母材の引張強
さに比べ低下している。棒鋼No.13 はC含有量が本発明
の範囲から低く外れているため、引張強さが低下してい
る。また、棒鋼No.14 はC含有量が本発明の範囲を高く
外れているため、母材降伏点の許容範囲を超えている。
棒鋼No.15 はMn含有量が本発明の範囲を高く外れている
ため、母材降伏点の許容範囲を超えている。棒鋼No.4、
No.10,は復熱後の表面温度が本発明の範囲を低く外れて
いるため、母材降伏点の許容範囲を超えている。さらに
棒鋼No.10 は、仕上圧延終了温度がAr3+30℃と低いた
め、仕上圧延荷重のピークが棒鋼No.9の場合のほぼ2倍
であった。棒鋼No. 5、No. 6は復熱後の表面温度が本
発明の範囲を高く外れているため、母材引張強さおよび
ガス圧接部引張強さが所望の強さより低くなっている。
棒鋼No.16は、表層部の組織が焼戻しマルテンサイトで
はなく、微細フェライト+パーライト組織となり、母材
強度は十分であるが、ガス圧接部の引張強さが所望の強
度より低下している。
囲を低く外れているため母材の降伏点が所望の強さより
低くなっている。また、棒鋼No. 18は、Si含有量が本発
明の範囲を高く外れているため、ガス圧接部破断が起こ
り、ガス圧切接部の引張強さが所望の強度より低くなっ
ている。また破断面にフラット破面が観察された。
で、ガス圧接性に優れた異形棒鋼が安定して得られ、経
済性および省資源という観点から格段の効果が期待でき
る。
図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 重量%で、 C:0.20〜0.29%、 Mn:0.60〜0.95%、 Cu:0.1 〜1.0 % を含み、あるいはさらに、Nb:0.01〜0.05%および/ ま
たはV:0.01〜0.05%を含有し、残部Feおよび不可避的
不純物からなる組成を有し、表層部の組織が焼戻しマル
テンサイトであることを特徴とする降伏強さ390 〜510
N/mm2 、引張強さ560 N/mm2 以上を有しガス圧接性
に優れる鉄筋用異形棒鋼。 - 【請求項2】 前記組成に加えて、さらに重量%でSi:
0.35%以下を含むことを特徴とする請求項1に記載の鉄
筋用異形棒鋼。 - 【請求項3】 重量%で、 C:0.20〜0.29%、 Mn:0.60〜0.95%、 Cu:0.1 〜1.00% を含み、あるいはさらに、Nb:0.01〜0.05%および/ま
たはV:0.01〜0.05%を含有する組成の鋼素材を、仕上
圧延終了温度が(Ar3変態点+50℃)〜(Ar3変態点+
250 ℃)の温度範囲となる熱間圧延を施し所定形状の異
形棒鋼としたのち、前記異形棒鋼に急冷処理を施しその
後放冷するにあたり、前記急冷処理は、前記異形棒鋼の
表面温度をMs 点以下とし、かつ急冷停止後復熱により
前記異形棒鋼の表面温度が620 〜780 ℃の範囲となる条
件で急冷することを特徴とする降伏強さ390 〜510 N/
mm2 、引張強さ560 N/mm2 以上を有するガス圧接性に
優れる鉄筋用異形棒鋼の製造方法。 - 【請求項4】 前記急冷処理が、水冷で水冷時間および
/または水量を調整して行うことを特徴とする請求項3
に記載の鉄筋用異形棒鋼の製造方法。
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