JP3432245B2 - 重電機器用注型品及びその製造方法 - Google Patents
重電機器用注型品及びその製造方法Info
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Description
絶縁体であるエポキシ樹脂中に埋め込んで得られる重電
機器用注型品及びその製造方法に関する。
等の金属部品をエポキシ樹脂等の絶縁体によって支持し
ている。この場合、金属部品と樹脂とを確実に密着させ
るための手段として、金属部品をプライマー層を介して
樹脂内に注型(モールド)することが行われている。
長期間使用されるため、通電時に発生する熱が蓄積さ
れ、長期間高温状態が持続することになる。したがっ
て、前記金属部品を樹脂内に注型して成る重電機器用注
型品は、通電中に金属部品が発熱すると、これを絶縁支
持している樹脂、及び金属部品と注型樹脂との界面に設
けられたプライマー層も室温を越える高温となる。ここ
で、従来のプライマー層は、金属部品と注型樹脂との線
膨脹係数の違いによる応力を緩和して剥離を抑制するた
めのものであり、耐熱性は低いものである。このため、
高温状態が長期間持続する状態では、金属部品と注型樹
脂との剥離が生じやすくなり、密着性を向上させるとは
困難であると考えられる。
熱性プライマー剤によるプライマー処理が行われてお
り、たとえば特公昭61−44370号公報に記載の発
明が知られている。特公昭61−44370号記載の発
明は、1分子中に1個以上のヒドロキシル基を有するビ
スフェノール型エポキシ樹脂50〜90重量部と、1分
子中に1〜6個のメチロール基を有するレゾール型キシ
レンフェノール樹脂10〜50量部とから成るプライマ
ー剤を金属部品と注型樹脂との接触面、すなわちインサ
ート面に塗布し、次いでこのプライマー層を形成してお
いた金属部品をエポキシ樹脂内に注型(モールド)する
ことにより、電気絶縁用注型品を得るものである。
明では、金属部品表面に耐熱性のプライマー層を形成す
ることにより、温度変化による金属部品と注型用樹脂と
の剥離の抑制には有効である。しかし、プライマー剤の
主剤であるビスフェノール型エポキシ樹脂は耐熱性が低
いため、前記プライマー層は長期間高温状態での耐熱性
に関しては、低いものとなっている。したがって、従来
技術では、長期間高温状態となる金属部品と金属部品を
埋め込んだ注型樹脂との密着性を向上することは困難で
あり、界面剥離が生じやすいものとなっている。
解決するためになされたものであり、その目的は、高温
状態で長期間使用しても、金属部品と金属部品を理め込
んだ注型樹脂とが優れた密着性を示し、界面剥離を抑制
することのできる重電機器用注型品及びその製造方法を
提供することである。
に、請求項1記載の重電機器用注型品では、液状のオル
ソクレゾールノボラック変性ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂100重量部とブチラール樹脂45〜75重量部
とフェノール樹脂3〜15重量部の混合物をアセトンと
アルコールで希釈して得られるプライマー層を介して、
金属部品とその注型用エポキシ樹脂とが一体化されてい
ることを特徴とする。
法では、金属表面に、液状のオルソクレゾールノボラッ
ク変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂100重量部と
ブチラール樹脂45〜75重量部とフェノール樹脂3〜
15重量部の混合物をアセトンとアルコールで希釈して
得られるプライマー剤を塗布し、このプライマー剤を硬
化させてプライマー層を形成し、この表面にプライマー
層を形成した金属部品を型内に装着した後、前記型内に
注型用エポキシ樹脂を注入し、この注型用エポキシ樹脂
を硬化させ、前記金属部品と注型用エポキシ樹脂とをプ
ライマー層を介して一体化することを特徴とする。
熱性に優れた液体樹脂であるオルソクレゾールノボラッ
ク変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂を主剤とし、プ
ライマー剤に可とう性を付与するブチラール樹脂が適量
加えられたことにより、高いレベルで可とう性と耐熱性
がバランスのとれたプライマー剤を得ることができる。
したがって、金属部品と金属部品を埋め込んだ注型用樹
脂との密着性が向上し、界面の剥離が抑制される。
明する。
図である。重電機器用注型品1は、金属部品2の表面に
プライマー層3を設け、これをエポキシ樹脂4でモール
ドした構成である。
ールノボラック変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂1
00重量部とブチラール樹脂45〜75重量部とフェノ
ール樹脂3〜15重量部の混合物をアセトンとアルコー
ルの混合溶媒で希釈して得られるプライマー剤を、金属
部品2の注型作業前において金属部品2の表面に塗布す
ることにより形成されている。
るオルソクレゾールノボラック変性ビスフェノールA型
エポキシ樹脂は、直鎖中または他の構成中にオルソクレ
ゾールノボラックを含有するビスフェノールA型エポキ
シ樹脂である。これは耐熱性を有するため、この樹脂を
主剤とするプライマー剤には耐熱性を付与することがで
きる。しかも液状樹脂であるため、プライマー剤は低粘
度となり、金属部品への塗布性が優れ、安定した塗布面
を得ることができる。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂と同様に耐熱性を有す
るオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂を主剤と
してプライマー剤を構成した場合、オルソクレゾールノ
ボラック型エポキシ樹脂は固形樹脂であるため、多量の
溶媒で希釈してもプライマー剤の粘度が高くなり、金属
部品に均一に塗布することが難しく、作業性が低いもの
となる。
樹脂は、ポリビニルブチルアルコールを酸触媒下でブチ
ルアルデヒドと反応させて合成される樹脂である。ブチ
ラール樹脂は、プライマー剤に可とう性を付与し、金属
部品と注型樹脂の界面で発生する応力を緩和するために
加える。しかし、ブチラール樹脂は耐熱性が低く、加え
過ぎると、プライマー剤の耐熱性が低下する。また、添
加量が少量だと、応力緩和の効果を発揮しない。種々の
検討の結果、ブチラール樹脂は、オルソクレゾールノボ
ラック変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂100重量
部に対して、45〜75重量部の範囲で使用することが
望ましい。
フェノール樹脂は、フェノール、クレゾールとホルマリ
ンより得られる共縮合物である。本実施例では、フェノ
ール樹脂は、オルソクレゾールノボラック変性ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂100重量部に対して、3〜1
5重量部で使用することが望ましい。
用した本実施例の重電機器用注型品は、次のように構成
される。まず、プライマー剤の組成は、液状のオルソク
レゾールノボラック変性ビスフェノールA型エポキシ樹
脂(三井石油化学株式会社製、エポミックVR−16
0)100g、プチラール樹脂50g、フェノール樹脂
10gとする。これをアセトンとアルコールの混合溶媒
150gで希釈してプライマー剤とする。このようにし
て得られたプライマー剤を、図1に示すように、予め洗
浄及びサンドブラスト処理を施した金属部品2のエポキ
シ樹脂4と接する表面に塗布し、120℃で2時間の条
件で乾燥させてプライマー層3を形成する。なお、プラ
イマー層3は完全に硬化していない状態とする。すなわ
ち、完全な硬化物で無いプライマー層3は注型用エポキ
シ樹脂4との化学的結合が可能であり、これによりプラ
イマー層3は注型用エポキシ樹脂4との間に強固な接着
性を生成することが可能である。
個を型に入れ、予熱後、対向する金属部品間(プライマ
ー層間)にエポキシ樹脂を注型して硬化(150℃,2
4時間硬化)させることにより、図1に示す重電機器用
注型品1が形成される。なお、本実施例に用いる金属部
品2には、プライマー層3の反対面に雌ネジ5が形成さ
れている。
また、本実施例に対する比較例として、ビスフェノール
A型エポキシ樹脂とアミン系硬化剤を用いた以外は、本
実施例と同じ方法で製作した重電機器用注型品の引っ張
り強さの温度特性曲線も同時に示す。図2に示すよう
に、本実施例は比較例に比べ、室温以上の広範囲の温度
での引っ張り強さが、大きい値となっている。これは、
本実施例が注型エポキシ樹脂とプライマー層が一体化し
ていることに対し、比較例では注型エポキシ樹脂とプラ
イマー層との界面が剥離しやすいためである。
るものではなく、金属部品等の具体的な各部材の形状、
または各々の取付け位置は適宜変更可能である。
ー層が、耐熱性に優れた液体樹脂であるオルソクレゾー
ルノボラック変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂を主
剤とし、可とう性を付与するブチラール樹脂が適量加え
られたことにより、塗布作業の容易で、可とう性と耐熱
性が高いレベルでバランスのとれたプライマー剤から成
る。そのため、高温状態におかれても、金属部品と金属
部品を埋め込んだ注型用樹脂とは良好な密着性を示す、
信頼性の高い重電機器用注型品及びその製造方法を提供
することができる。
成を示す断面図。
強さを示すグラフ図。
Claims (2)
- 【請求項1】 液状のオルソクレゾールノボラック変性
ビスフェノールA型エポキシ樹脂100重量部とブチラ
ール樹脂45〜75重量部とフェノール樹脂3〜15重
量部の混合物をアセトンとアルコールで希釈して得られ
るプライマー層を介して、金属部品とその注型用エポキ
シ樹脂とが一体化されていることを特徴とする重電機器
用注型品。 - 【請求項2】 金属表面に、液状のオルソクレゾールノ
ボラック変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂100重
量部とブチラール樹脂45〜75重量部とフェノール樹
脂3〜15重量部の混合物をアセトンとアルコールで希
釈して得られるプライマー剤を塗布し、このプライマー
剤を硬化させてプライマー層を形成し、この表面にプラ
イマー層を形成した金属部品を型内に装着した後、前記
型内に注型用エポキシ樹脂を注入し、この注型用エポキ
シ樹脂を硬化させ、前記金属部品と注型用エポキシ樹脂
とをプライマー層を介して一体化することを特徴とする
重電機器用注型品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17689393A JP3432245B2 (ja) | 1993-07-16 | 1993-07-16 | 重電機器用注型品及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17689393A JP3432245B2 (ja) | 1993-07-16 | 1993-07-16 | 重電機器用注型品及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0729443A JPH0729443A (ja) | 1995-01-31 |
JP3432245B2 true JP3432245B2 (ja) | 2003-08-04 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP17689393A Expired - Fee Related JP3432245B2 (ja) | 1993-07-16 | 1993-07-16 | 重電機器用注型品及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3432245B2 (ja) |
-
1993
- 1993-07-16 JP JP17689393A patent/JP3432245B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH0729443A (ja) | 1995-01-31 |
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