JP3431391B2 - 画像表示装置及びその製造方法 - Google Patents

画像表示装置及びその製造方法

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JP3431391B2 JP08977896A JP8977896A JP3431391B2 JP 3431391 B2 JP3431391 B2 JP 3431391B2 JP 08977896 A JP08977896 A JP 08977896A JP 8977896 A JP8977896 A JP 8977896A JP 3431391 B2 JP3431391 B2 JP 3431391B2
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  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)
  • Electrodes For Cathode-Ray Tubes (AREA)
  • Vessels, Lead-In Wires, Accessory Apparatuses For Cathode-Ray Tubes (AREA)
  • Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像表示面が平面
パネルと接着樹脂層と前面パネルとの多層構造で構成さ
れている画像表示装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の画像表示装置として、陰極線
管、液晶パネル、プラズマディスプレイ等がある。通
常、陰極線管は画像表示面が湾曲しているが、特にコン
ピュータディスプレイ等、高解像度で、かつ画面全域で
歪みの少ない画像表示を目的として画像表示面が平面で
あるものが開発されている。接着樹脂層を介して平面パ
ネルに重ねられた前面パネルは、画像表示面の補強のた
めだけでなく、外部からの光の反射を防止する機能や帯
電を防止する機能をも備えていることが多い。
【0003】従来、画像表示面を構成する平面パネルと
接着樹脂層と前面パネルとの多層構造は以下のような製
造方法によって実現していた。即ち、平面パネルの周辺
部にスペーサを配置して、その上から前面パネルを載置
し、その状態で平面パネルと前面パネルとの外周部の隙
間を樹脂テープ又は高粘度のシール用樹脂で塞ぎ、一部
に設けた開口部から低粘度の接着樹脂を注入して画像表
示面と前面パネルとの隙間空間を充填する。この後、接
着樹脂を硬化させることにより、平面パネル、接着樹脂
層、及び前面パネルからなる多層構造が形成される(例
えば特開平6−20598号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の製
造方法には以下のような問題があり、改善が要望されて
いた。まず、平面パネルと前面パネルとの周辺部の隙間
を高粘度のシール用樹脂で塞ぐ(シールする)方法で
は、通常30分から90分間程度かかる紫外線や加熱に
よる樹脂硬化工程が、シール用樹脂と接着樹脂とについ
て2回必要である。また、シール作業時は画像表示面を
水平に保っておく必要があるが、平面パネルと前面パネ
ルとの間に接着樹脂を注入する際は画像表示面を傾ける
必要がある。このため、前面パネルを画像表示装置の平
面パネルに取り付ける工程において、画像表示装置を水
平に支持する機構と所定角度に傾けて支持する機構とが
必要になる。
【0005】一方、平面パネルと前面パネルとの周辺部
の隙間を樹脂テープによってシールする方法では、シー
ルが不完全になり注入した接着樹脂が硬化前に隙間から
漏れ出るおそれがある。
【0006】さらに、共通の問題として、接着樹脂を平
面パネルと前面パネルとの狭い隙間に注入するのに時間
がかかること、接着樹脂層に気泡が発生しやすいこと、
周辺部まで十分に樹脂が行き渡るように樹脂の粘度管理
を厳密に行う必要があること等、生産効率面での問題が
多くあった。
【0007】本発明は、上記のような従来の課題を解決
するために為されたものであって、その目的は、画像表
示装置の画像表示面の平面パネル、接着樹脂層、及び前
面パネルからなる多層構造を効率的に形成することがで
き、しかも接着樹脂による汚れや接着樹脂の劣化、変
色、剥離等の品質不良が発生しにくい画像表示装置及び
その製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の画像表示装置
は、画像表示面が平面パネルと接着樹脂層と前面パネル
との多層構造で構成されている画像表示装置であって、
前記多層構造が、前記平面パネルの表面に前記接着樹脂
層を形成した後に前記前面パネルを前記接着樹脂層に重
ねることによって構成されたものであり、前記平面パネ
ルの外周に補強バンドが固定され、前記前面パネルの周
縁部からはみ出た接着樹脂を溜める溜部が前記平面パネ
ルの周縁部に、前記補強バンドを前記平面パネルの表面
より突出させることにより設けられていることを特徴と
する。
【0009】また、本発明による画像表示装置の製造方
法は、画像表示面が平面パネルと接着樹脂層と前面パネ
ルとの多層構造で構成されている画像表示装置の製造方
法であって、前記平面パネルとしてその周囲に補強バン
ドが取り付けられたものを用い、前記平面パネルの表面
に接着樹脂層を形成する工程と、その後、前記前面パネ
ルを前記接着樹脂層に重ね、前記前面パネルを押圧し、
前記前面パネルの周縁部からはみ出た接着樹脂を、前記
前面パネルの周縁部を囲むように前記補強バンドを前記
平面パネルの表面より突出させることにより設けた溜部
に溜める工程と、前記接着樹脂層を硬化させる工程とを
備えていることを特徴とする。
【0010】上記のような画像表示装置及びその製造方
法によれば、従来のようにスペーサを介して対向させた
平面パネルと前面パネルとの狭い隙間に接着樹脂を注入
することに伴う前述の問題は生じない。
【0011】好ましくは、前面パネルを接着樹脂層に重
ねる工程が、前記前面パネルを前記平面パネルに対して
傾斜させた状態で前記前面パネルの一辺側を前記接着樹
脂の層に当接させた後、前記前面パネルが前記平面パネ
ルに平行になるまで前記前面パネルを徐々に倒し、その
後、前記前面パネルを前記平面パネルに向かって押圧す
ることからなる。このような方法によれば、パネル間の
接着樹脂層に気泡が発生しにくく、また発生した気泡は
余分な接着樹脂と一緒にパネル間から逃げやすい。
【0012】また、前記接着樹脂を形成する工程におい
て、前記前面パネルの一辺側を当接させる側の接着樹脂
層の層厚が反対側の層厚より厚くなるように接着樹脂を
塗布することが、やはりパネル間に気泡が残らないよう
にするために好ましい。
【0013】また、接着樹脂硬化後に剥離が起こり難く
するために、接着樹脂を形成する工程を室温より高い温
度条件下で行うことが好ましい。あるいは、少なくとも
平面パネル表面の温度を30〜50℃に維持した状態で
行うことが好ましい。なお、接着樹脂には、紫外線硬化
性樹脂又は熱硬化性樹脂を用いることができる。
【0014】さらに、平面パネルに対する前面パネルの
押圧を、円形又は楕円形の圧着板を用いて行うことが好
ましい。この前面パネルの押圧は、気泡を余分な接着樹
脂と共にパネル間から逃がすこと、そして所定の接着樹
脂層の層厚を得ることを目的とする。この際、平面パネ
ルや前面パネルと同じ矩形の圧着板を用いてもよいが、
円形又は楕円形の圧着板を用いることにより、接着樹脂
層の層厚がより均一になる。
【0015】特に、画像表示装置が陰極線管の場合、次
のような具体構造を有することが好ましい。つまり、平
面ガラスパネル部を有するバルブと、このバルブ内で前
記平面ガラスパネル部の内面に対向するように設けられ
た平面状シャドウマスクと、前記平面ガラスパネル部の
外周に固定された補強バンドとを備えた陰極線管からな
り、前記平面ガラスパネル部は画像が表示される平面パ
ネルと、その平面パネルの周縁部からほぼ垂直に延びて
ファンネル部に接続されるガラスウォール部とが一体に
形成されてなり、前記平面状シャドウマスクは、前記ガ
ラスウォール部の内面に着脱自在に装着されたフレーム
に引っ張り応力を与えられた状態で支持されている。
【0016】上記のような陰極線管の構造は、平面パネ
ルの表面に接着樹脂層を形成した後に前面パネルを接着
樹脂層に重ねる製造方法にとって好ましいだけでなく、
画像表示面が平面である陰極線管にとって、画像表示面
の強度上も好ましい。つまり、平面パネルとガラスウォ
ール部とが一体に形成され、ガラスウォール部がファン
ネル部に接続されるので、平面パネルの周縁部が直にフ
ァンネル部と接続される場合に比べて、画像表示面に外
部から加わる圧力に対する接続部の破壊強度が強くな
る。外力に対する機械的強度は平面ガラスパネル部(ガ
ラスウォール部)の外周に固定された補強バンドによっ
て一層強化されている。
【0017】さらに、前記補強バンドが前記平面パネル
の表面より突出している構造が好ましく、これによっ
て、前記平面パネルの表面に接着樹脂を塗布したときに
前記接着樹脂が前記ガラスウォール部へ流れ出るのが防
止される。
【0018】また、前記溜部の接着樹脂の露出部を覆う
保護手段が設けられている構造も好ましい。
【0019】前記前面パネル(または接着樹脂層)は、
前記平面パネルの帯電防止に十分な導電性を備えてお
り、また、外部から入射する光線の反射を防止する機能
(乱反射させる機能を含む)を備えていることが好まし
い。
【0020】前面パネルを接着樹脂層に重ねる具体的な
方法として、平面パネルの表面に接着樹脂を形成する工
程の前に、前記平面パネルの周囲に、前記平面パネルの
表面より突出するように補強バンドを取り付け、前記平
面パネルの表面を研磨し、前面パネルの接着面の面仕上
げを行い、さらに、前記補強バンドの周囲に、前記補強
バンドの前端面より突出するように接着樹脂漏れ防止用
の壁を(テープ等によって)形成することが好ましい。
【0021】また、前面パネルが表面保護シートを有
し、前記接着樹脂を硬化させる工程の後、前記表面保護
シートを除去し、前面パネルの周縁部の接着樹脂の表面
を樹脂テープ等で覆う保護処理を施すことが好ましい。
これにより、外観を整えると共に接着樹脂の経時変化に
よる劣化や変色を防ぐことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明を陰極線管に適用し
た実施形態について、図面を用いて説明する。まず、本
実施形態の陰極線管の構造的特徴を説明する。図1に示
すように、本実施形態の陰極線管は、画像表示面が平坦
な平面ガラスパネル部を有するバルブ11と、このバル
ブ内で画像表示面の内面に対向するように設けられた平
面状シャドウマスク5と、平面ガラスパネル部3の外周
に固定された補強バンド10とを備えている。
【0023】バルブ11は、平面ガラスパネル部3の他
に、電子銃を内蔵するネック部2と、ここから広がって
平面ガラスパネル部3に接続されるファンネル部1とを
備えている。平面ガラスパネル部3は単なる平板ではな
く、平面パネル部3と一体に形成されたガラスウォール
部9を有している。このガラスウォール部9は、平面パ
ネル部3の周縁部からほぼ垂直に延び、ガラス接着剤4
によりファンネル部1に接着されている。
【0024】バルブ11の強度は、このガラスウォール
部9により向上している。つまり、ガラスウォール部9
が無くて、平面パネル部3の周縁部が直にファンネル1
と接着されている場合は、平面パネル部3に垂直に圧力
が加わったとき接着部またはその近傍に強い応力が生
じ、この部分からバルブ11が破壊しやすい。これに対
して、図1の構造の場合は、ガラスウォール部9がその
ような応力を吸収するので破壊しにくい。外力に対する
機械的強度は平面ガラスパネル部(ガラスウォール部
9)の外周に固定された補強バンド10によってさらに
強化されている。
【0025】平面状シャドウマスク5はフレーム6に引
っ張り応力を与えられた状態で支持され、フレーム6は
周囲4箇所に設けられたマスクスプリング12によって
ガラスウォール部9の内面に着脱自在に装着されてい
る。図2に、フレーム6とこれに張られたシャドウマス
ク5とを部分切欠き斜視図で示している。
【0026】上記のように、シャドウマスク5に引っ張
り応力を与えておく理由は、動作時にシャドウマスク5
の温度が高くなって熱膨張が生じても、シャドウマスク
5の平面度が維持されるようにするためである。通常、
動作時のシャドウマスク5の温度は、電子銃からの電子
ビームの衝突によって100℃程度まで上昇する。した
がって、シャドウマスク5にあらかじめ与えておく引っ
張り応力の大きさは、そのような温度においても平面度
が崩れない程度に調整される。例えば、5〜50kg/
mm2の引っ張り応力が与えられる。
【0027】平面パネル部3の内面には、カラー表示の
ための蛍光体スクリーン7が形成されている。平面状シ
ャドウマスク5は、この蛍光体スクリーン7に対向し、
両者はほぼ平行に配置されている。平面状シャドウマス
ク5と蛍光体スクリーン7との距離は、約2mm〜30
mmの範囲内に調整される。シャドウマスク5を支持す
るフレーム6がマスクスプリング12を介してガラスウ
ォール部9の内面に着脱自在に装着されることにより、
蛍光体スクリーン7の形成を効率的に行うことができ
る。つまり、シャドウマスク5を通して蛍光体に光を当
てた後の定着、洗浄等の作業を、シャドウマスク5を取
り外した状態で行うことができる。
【0028】また、平面状シャドウマスク5は、曲面状
シャドウマスクに比べて薄くすることができるので、シ
ャドウマスク5に形成されるアパーチャのピッチを狭く
することができ、その結果、高解像度化が実現される。
例えば、シャドウマスク5の厚さを0.02mmとし、
アパーチャピッチを0.25mm、アパーチャ径を0.
1mmとすることができた。
【0029】平面パネル部3は、内面に蛍光体スクリー
ン7が形成されている部分においてほぼ均一な厚さを有
している。これにより、画面の中央部と周辺部での平面
パネル部3の光学特性の差が生じないようにしている。
その厚さは、5mm〜20mmの範囲内に設定されるこ
とが好ましい。
【0030】図1に示すように、平面パネル部3の表面
に透明ガラス製又はアクリル樹脂などの透明樹脂製の前
面パネル8が貼着されている。つまり、平面パネル部3
の表面に比較的硬度の低い接着樹脂層(厚さ0.3mm
程度)が形成され、この接着樹脂層に前面パネル8が重
ねられている。外部から陰極線管の画面に加えられる衝
撃は、まず前面パネル8が受け止め、さらに接着樹脂層
が衝撃を吸収する。したがって、前面パネル8を貼着す
ることにより、実質的にバルブ11の画像表示面が補強
される。したがって、前面パネル8を貼着しない場合に
比べて、平面パネル部3を薄くすることができる。
【0031】その他、前面パネル8に特殊な処理をする
ことにより、種々の機能を持たせることができる。例え
ば、主として前面パネル8が透明樹脂板による場合は、
表面処理によって表面硬度を高め、耐スクラッチ性また
は耐摩耗性を向上することにより、砂ぼこり等によるキ
ズがつきにくくすることができる。あるいは、外部から
入射する光線の反射を抑える反射防止膜を表面に形成し
たり、乱反射させる微小な凹凸を表面に形成することに
より、表示画像の見やすさを向上させることができる。
【0032】また、前面パネル8に適度の導電性を付与
することにより、平面パネル部3の帯電を防止し、放電
にともなう使用者の不快感を低減することができる。接
着樹脂層に導電性を持たせてもよい。さらに、前面パネ
ル8のガラス材料又は透明樹脂材料に添加物を加えて光
透過率を適切な値に調整することにより、平面パネル3
自体の光透過率を調整するより容易に、画像表示面の光
透過率、ひいてはコントラストを調整することができ
る。これは、バルブの製造歩留りの向上にも寄与する。
【0033】以上のような種々の機能は基本的には独立
の機能であるが、前面パネル8に多層膜を形成し、ある
いは前面パネル8を多層構造にすることにより、一つの
前面パネル8にこれらの機能をに兼ね備えさせることが
できる。複数の機能を複合的に有する膜を前面パネル8
に形成してもよい。
【0034】図3の部分断面図は、多層構造を有する前
面パネル8が、バルブの平面パネル部3に接着樹脂層1
3を介して貼着されている状態を模式的に示している。
前面パネル8はパネル本体8a、導電層8b、及び高硬
度層8cからなる。接着樹脂13及び接着(貼着)方法
については後述する。
【0035】帯電防止機能を得るためにパネル本体8a
の内面に形成された導電層8bは、導電材料である粉末
状の酸化スズ(SnO2)と酸化シリコン(SiO2)か
らなる。十分な帯電防止機能を得るためには、導電層8
bが少なくとも5×10-4S/cmの導電率を有するこ
とが望ましい。導電層8bは、導電性テープなどによっ
て補強バンド10を介して接地されることが望ましい。
【0036】表面硬度を高めるためにパネル本体8aの
外面に形成された高硬度層8cは、シリコーンハードコ
ート処理によって、ガラスの分子骨格と近似のシロキサ
ン結合を有するポリマーの薄膜をパネル本体8aの表面
に形成したものである。具体的には、アルコキシシラン
系の組成物、例えばアルキルトリアルコキシシランを含
む材料、または、シランカップリング剤をさらに含む材
料をパネル本体8aの表面に塗装し、乾燥・加熱するこ
とによって、アルコキシシランが加水分解・重合して高
硬度層8cが形成される。硬度や耐久性を一層高めるた
めには、高硬度層8cがアルキルトリアルコキシシラン
の加水分解物にコロイダルシリカを混合した材料で形成
されていることが好ましい。
【0037】上記のようにして形成された高硬度層8c
は、前面パネル8の表面硬度を高めるだけでなく、無反
射膜としても機能する。その結果、外部から入射する光
線の反射によって画面に表示された画像が見にくくなる
現象が防止又は緩和される。さらに、前面パネル8の光
透過率を制御するために、パネル本体8aには添加物と
して黒色染料もしくは顔料が分散されている。この添加
物の分散状態を調整することにより、好ましい範囲(例
えば90%〜40%)の光透過率値を得ることができ
る。なお、一例として、パネル本体8aの厚さを2.4
mmとすると、導電層8b及び高硬度層8cの厚さは約
0.01mmである。また、導電層8bは、前面パネル
本体8aの外面に形成してもよく、その場合は、導電層
8bを前面パネル本体8aと高硬度層8cとの間に形成
することが望ましい。導電層8bは屈折率が高く、表面
に形成すると鏡面反射が強くなり表示画像が見づらくな
るおそれがあるからである次に、上記のような前面パネ
ルをバルブの平面パネル部に接着剤層を介して重ねる
(即ち、貼着する)方法をいくつかの実施例と図面に基
づいて説明する。
【0038】(実施例1)図4に示すように、バルブの
ガラスウォール部の周囲に焼きばめによって固定する補
強バンド(以下、「シュリンクバンド」ともいう)21
を、バルブの平面パネル部の表面22より約2.0mm
突出するように取り付けた。なお、従来のシュリンクバ
ンド21の取り付け位置は平面パネル表面22より5〜
20mm後退した位置であった。このように、シュリン
クバンド21を平面パネル表面より突出させることによ
り、平面パネル表面22に前面パネル(以下、「補強パ
ネル」ともいう)23を貼着する際に、平面パネル表面
22に塗布した接着樹脂26がバルブの周囲(ガラスウ
ォール部)へ流れ出るのを防止すると共に、前面パネル
23の位置決めを容易にする。さらに、突出したシュリ
ンクバンド21により、前面パネル23のエッジを外部
の衝撃から守ることができる。
【0039】次に平面パネル表面22を研磨剤(例えば
「セロックス」(商品名))等で研磨し、さらに面仕上
げを行い、汚れやごみを除去した。補強パネル23につ
いては接着面の面仕上げのみを行った。なお、補強パネ
ル23の表面(接着面と反対側)には紫外線透過性の保
護シート24(例えば日東電工社製の「SPV−224
透明」(商品名))が予め貼られている。
【0040】次に約20mm幅の樹脂テープ、例えばポ
リエチレンテレフタレート製フィルムのテープ27(例
えば、日東電工社製の「ポリエステルテープNo.31
B」(商品名))を、シュリンクバンド21の前端面か
ら7mm程度突出するようにシュリンクバンド21の周
囲に貼った。これによって、接着樹脂26の漏れ防止用
の壁が形成される。次に、シュリンク用バンドのつなぎ
合わせ部分25(図5の平面図参照)から接着樹脂が漏
れるのを防止するために、粘度の高い紫外線硬化性樹脂
(例えば三洋化成製「UVU−1002S」(商品
名))をこの部分に塗布して目詰めを行った。なお、こ
の目詰め工程と上記の壁形成工程との順序を入れ替えて
よいが、目詰め工程を後にすることにより、壁を構成す
るマイラーテープ27とシュリンクバンド21との隙間
についても、同時に目詰めすることができる。
【0041】次に、接着樹脂(例えば三洋化成製「UV
U−1002」(商品名))を平面パネル表面22の全
面に均一に広がるように塗布した。樹脂量は、0.1ml/cm
2程度が好ましく、41cm管CRTの場合、約80〜1
00mlになる。
【0042】接着樹脂の塗布は図6(a)及び(b)に
示すように行った。つまり、直径16mmのパイプ28
の長手方向に沿って、直径2mmの複数の出口管29を
7mm間隔で接続したノズルを用い、このノズルを平面
パネル表面22の一方の短辺側から他方の短辺側へ一定
速度で移動させながら、各出口管29から流れ出る接着
樹脂を平面パネル表面22へ供給する。樹脂の塗布厚さ
は0.5〜1.2mmであった。
【0043】次に、図4に示すように、補強パネル23
を平面パネル表面22に対して角度10〜20°に傾斜
させた状態で、補強パネルの一辺側を接着樹脂の層に当
接させた。この際、補強パネル23の一辺側端面を平面
パネル表面22より突出したシュリンクバンド21の内
壁に当て、その一辺側端面の両側の端面をシュリンクバ
ンド21の内壁に沿わせることによって、平面パネル表
面22に対する補強パネル23の位置決めを行うことが
できる。
【0044】そして、補強パネル23が平面パネル表面
22と平行になるまで徐々に倒した。このとき、最初に
接着樹脂の層に当接させた補強パネル23の一辺側から
他方の側へ徐々に補強パネル23を押圧することによ
り、接着樹脂層の気泡が逃げやすくなる。
【0045】次に、補強パネル23の上から20kg
(19g/cm2)の圧力を垂直方向にかけ10秒間保
持した。本実施例の方法では、従来のようなスペーサー
を用いないので、圧力を均等にかけて平面パネル表面2
2と補強パネル23との隙間がほぼ均一になるようにす
ることが重要である。圧力をかけた後の上記隙間は約
0.3mmになった。その後、500〜1800mJ/
cm2の照射エネルギーの紫外線を照射することによっ
て接着樹脂を硬化した。
【0046】最後に、仕上げとして、シュリンクバンド
21の周囲に貼り付けた壁用のテープ27を取り除い
た。このとき、補強パネル23の表面よりも上方にはみ
出した接着樹脂がある場合は、テープ27と共にカッタ
ー等で切り取ると効果的に不要樹脂を除去することがで
きる。さらに、補強パネル23上にあふれ出た接着樹脂
を保護シート24と共に取り除いて、補強パネル(前面
パネル)23の貼着工程を終了した。なお、補強パネル
23が導電層を有する場合は、この貼着工程の後に導電
性テープ等で補強パネル23とシュリンクバンド21と
の導通をとる。
【0047】上記実施例では接着樹脂として紫外線硬化
性の樹脂を用いたが、これに代えて熱硬化性の樹脂(例
えば主剤:ファインポリマーズ(株)製エピファイン9
235、硬化剤:ファインポリマーズ(株)製エピファ
インH−196)を用いても良い。また、接着樹脂の塗
布方法は、上記実施例のような複数の出口管が設けられ
たノズルを用いる方法に限らず、出口が1つのノズルを
用いて平面パネルの中央部に一定量供給する方法や、ノ
ズルを中央から周辺にかけて円を描くように動かす方法
等がある。但し、平面パネル中央部に一定量供給する方
法では、樹脂が周辺にまで行き渡るように、樹脂の粘度
を十分低く維持する必要がある。
【0048】補強パネルを平面パネル表面に対して傾斜
させた状態で樹脂層に当接させる補強パネルの一辺側
は、短辺ではなく長辺にした方が気泡が発生しにくくな
る。また、傾斜角度が10゜より小さくなると気泡が発
生し易くなる。したがって、傾斜角度は10〜20゜程
度が好ましい。
【0049】(実施例2)次に、上記実施例の方法を基
礎として、補強パネルの周縁部の構造及び処理を改善し
た実施例について説明する。図7(a)は、本実施例に
おける平面パネル表面31に接着樹脂層を介して前面パ
ネル(補強パネル)33が貼着されている構造の部分断
面図である。そして、この図における補強パネル33の
周縁部(X部)の拡大図が図7(b)に示されている。
これらの図から分かるように、補強パネル33の周縁部
を囲むように、余分な接着樹脂34を溜める溜部36が
設けられ、さらに、この溜部36の接着樹脂の露出部3
7を覆う保護手段として樹脂テープ35が貼られてい
る。
【0050】前述の実施例1で説明した方法によって補
強パネル33を平面パネル表面31に貼着した場合、補
強パネル33の周縁部からはみ出た接着樹脂34がシュ
リンクバンド32を越えて溢れ出るおそれがあるが、こ
れを回避するために溜部36を設ける。画像表示装置が
陰極線管からなる本実施例においては、平面パネル周辺
部のR曲面とシュリンクバンド32の内面、そして補強
パネル33の端面とによって溜部36が形成されてい
る。液晶パネルやプラズマディスプレイの場合も同様に
して、またはパネル周辺部に溝を形成する等により接着
樹脂の溜部を設けることができる。なお、補強パネル3
3の周辺部からはみ出た接着樹脂34のうち、補強パネ
ル33の上方にはみ出た部分は、樹脂テープと共にカッ
ターで切断除去することが効率的である。
【0051】さらに、接着樹脂が硬化した後、溜部36
の接着樹脂の露出部37を覆うように樹脂テープ35を
貼るのは、外観を良くするためだけでなく、接着樹脂が
直接空気に触れたときの経時変化による変色や強度劣化
を防ぐためである。この樹脂テープ35には、伸縮性が
良い塩化ビニール製のもの等を使用することができる。
接着樹脂の露出部37がテープ中央部に位置するように
して樹脂テープ35を補強パネル33の周縁部およびシ
ュリンクバンド32の前端部に沿わせるように貼った。
【0052】この樹脂テープは塩化ビニール製のものに
限らず、ポリエステル製やポリプロピレン製、更には布
製のものを用いることもできる。また、接着樹脂の露出
部を覆う保護手段として、樹脂テープを貼る代わりにシ
リコン系樹脂を塗布したり、ラッカー等の塗料を塗布し
てもよい。
【0053】(実施例3)次に、実施例1の方法を基礎
として、補強パネルと平面パネルとの間(接着樹脂層)
にさらに気泡が発生しにくくなる改善を施した実施例に
ついて説明する。図8に示すように、接着樹脂46を平
面パネル表面42の全面に塗布する際に、その接着樹脂
層の厚さを変化させる。つまり、前述のように、補強パ
ネル43を貼着する際、その一辺側をまず接着樹脂層に
当接させるが、この一辺側を当接させる側の接着樹脂層
の層厚が反対側の層厚より厚くなるように、接着樹脂層
の厚さを変化させる。
【0054】補強パネル43の貼着工程において、補強
パネル43が平面パネル表面42に対して傾斜している
状態で補強パネル43の一辺側をまず接着樹脂層の層厚
が厚い側に当接させ、次に補強パネル43が平面パネル
表面42に平行になるまで補強パネル43を徐々に倒し
ていく。このとき、接着樹脂層をほぼ均一な層厚で塗布
した実施例1に比べて、本実施例では、補強パネル43
を平面パネル表面42に対して押圧しながら倒していく
ことができるので、気泡が発生しにくいと共に、発生し
た気泡が接着樹脂と一緒に補強パネル43の外へ逃げや
すくなる。
【0055】ちなみに、接着樹脂層をほぼ均一な層厚で
塗布した場合は、完成品に気泡が閉じ込められる割合が
30〜50%あったが、本実施例の方法によればほとん
どゼロになった。
【0056】上記のように平面パネル表面42に塗布す
る接着樹脂の層厚を変化させるために、図9(a)及び
(b)に示すような方法で接着樹脂を塗布した。実施例
1の方法と同様に、直径16mmのパイプ48の長手方
向に沿って、直径2mmの複数(30〜50個)の出口
管49を7mm間隔で接続したノズルを用い、このノズ
ルを平面パネル表面42の一方の短辺側から他方の短辺
側へ一定速度で移動させることにより接着樹脂を平面パ
ネル表面22に塗布する。実施例1と異なる点は、樹脂
タンクからパイプ48への樹脂供給用チューブをパイプ
48の長手方向に離間した2箇所に接続した(図9の4
8a及び48b)ことである。
【0057】そして、2本の樹脂供給用チューブ48
a,48bへの樹脂供給量(供給圧)を異ならせること
によって、各出口管49から流れ出る樹脂量をパイプ4
8の長手方向に沿って変化させた。この結果、平面パネ
ル表面42に塗布された接着樹脂の層厚がパイプ48の
長手方向に変化した。
【0058】接着樹脂の層厚を変化させるための方法は
上記のような方法に限らない。例えば、出口管49の内
径をパイプ48の長手方向に沿って変化させ、層厚を厚
くしたい側の内径を反対側より大きくする方法もある。
あるいは、出口管49をパイプ48に接続するピッチを
一定(7mm間隔)とするのでなく、層厚を厚くしたい
側を反対側より狭くする(即ち、出口管49を密に接続
する)方法もある。
【0059】なお、接着樹脂の層厚が最も厚い側と薄い
側との層厚の比は7:3程度が好ましい。この比を大き
くし過ぎると、補強パネル43を平面パネル表面42に
対して傾斜している状態から平行になるまで倒していく
作業に時間がかかり、作業効率が低下する。また、パイ
プ48に接続する出口管49のピッチを小さくし過ぎる
と、隣同士の出口管49から出た樹脂が平面パネル上に
滴下される前にくっつき合ってしまい、正常に塗布でき
なくなる。一方、出口管49のピッチを大きくし過ぎる
と、塗布された樹脂と樹脂との間に樹脂が行き渡らない
領域が生じ、補強パネル43との間に気泡が発生しやす
くなる。
【0060】(実施例4)次に、実施例1の方法を基礎
として、補強パネルと平面パネルとの間の接着樹脂層の
層厚が均一になる改善、及び、接着樹脂層の剥離が発生
しにくくなる改善を施した実施例について説明する。
【0061】まず、接着樹脂層の層厚が均一になる改善
は、補強パネルを平面パネルと平行になるまで徐々に倒
した後、補強パネルを平面パネルに向かって押圧する工
程に関するものである。この押圧(以下、「圧着」とも
いう)は、補強パネルの上から20〜60kgの圧力を
垂直にかけ、約10秒間保持することによって行われ
る。
【0062】圧着の目的は、補強パネルと平面パネルと
の間(接着樹脂層)にある気泡を余剰樹脂と共に追い出
すこと、及び、所定の樹脂層厚を得ることにある。樹脂
層が厚くなると表示される画像が歪んで見えたり、重量
が増加する問題がある。また、補強パネルにフロートソ
ーダライムガラスを用いた場合、補強パネル表面が割れ
たとき接着樹脂層がばねの役割をして貝殻状のガラス片
が飛散する。このガラス片の飛散を抑えるためにも樹脂
層が薄いほうが好ましい。具体的には層厚は1mm以下
が好ましく、補強パネルとして用いるソーダライムガラ
スの強度が弱い場合はより薄く、例えば0.3mm(3
00μm)以下が好ましい。
【0063】圧着によって上記の樹脂層厚を効果的に得
るために、本実施例では円形または楕円形の圧着板を用
いた。その結果、樹脂層厚のばらつきが小さくなった。
この方法に想到する以前は、補強パネルと相似形の矩形
圧着板を用いていた。図10(a)〜(c)に、矩形圧
着板、円形圧着板、または楕円形圧着板を用いたときの
樹脂層厚の測定値の分布をグラフで示す。矩形圧着板を
用いたときの樹脂層厚の平均は226μm、ばらつきσ
は87μmであったのに対し、円形の圧着板を用いた場
合は平均が67μm、ばらつきσが41μmとなった。
楕円形の圧着板を用いた場合は平均が61μm、ばらつ
きσが35μmとなった。なお、41cm管CRTに使
用した矩形圧着板の大きさは150×200mm、円形
圧着板の直径は160mm、楕円形圧着板の大きさ(単
軸×長軸)は100×150mmである。また、補強パ
ネルの大きさは292×368mmである。
【0064】圧着板の大きさが小さくなると、圧力が一
部分に集中して、その部分の接着樹脂層がなくなり平面
パネル表面と補強パネルとが直接接触する結果、干渉縞
が生じて表示画像に悪影響を及ぼすことがある。また、
補強パネルに傾きや反りが生じないように注意しながら
圧着することが重要である。したがって、上記のような
適切な大きさの圧着板を用いて、圧着板全面で補強パネ
ルに均等に圧力をかける必要がある。圧着板の支持構造
に自由度を持たせる(フロートにする)ことにより、圧
着板がフレキシブルに動いて圧着板全面で補強パネルを
押圧することが可能になる。
【0065】圧着板の材質はアルミニウムやテフロン樹
脂のように、比較的固いものが適しており、圧着面が平
面であることが好ましい。さらに、補強パネル表面にキ
ズがつくのを回避すべく、圧着面にゴム材等を貼ること
も好ましい。
【0066】次に、接着樹脂層の剥離が発生しにくくな
る改善について説明する。上述のような理由で、接着樹
脂層は薄い(1.00mm以下)ほうが好ましいが、接
着樹脂層が薄くなると樹脂層の剥離が生じやすくなる。
特に、製品(画像表示装置またはこれを搭載したコンピ
ュータ等)を輸送したりコンテナ内に保管する際に、周
囲温度が70℃程度まで上昇することがあり、このとき
に接着樹脂層の剥離が発生しやすい。
【0067】上記のような接着樹脂層の剥離を発生しに
くくするために、本実施例では接着樹脂を平面パネル表
面に塗布する工程を室温より高い温度条件下で行う。す
なわち、実験の結果、接着樹脂を塗布する際の平面パネ
ル表面の温度が5〜20℃のときは樹脂の剥離が70〜
100℃で発生したのに対し、平面パネル表面の温度を
40〜50℃に維持した状態で接着樹脂を塗布した場合
は剥離発生温度が110℃以上になることが分かった。
【0068】製品の輸送・保管時の上限温度を75℃と
すれば、平面パネル表面の温度を30℃に維持した状態
で接着樹脂を塗布すると実際上、樹脂剥離が発生しない
ことも分かった。従って、樹脂の塗布工程を室温より高
い温度(30〜50℃)で行う方法に限らず、平面パネ
ル表面を加熱した後に接着樹脂を塗布してもよい。少な
くとも平面パネル表面の温度を30〜50℃に維持した
状態で接着樹脂を塗布すれば上記の効果が得られる。な
お、実施例1で述べた目詰め工程において、樹脂漏れ防
止用の目詰め樹脂として熱硬化性樹脂を用いれば、平面
パネル表面を加熱する際に同時に目詰め樹脂を硬化させ
ることも可能である。
【0069】以上、本発明を陰極線管に適用した実施形
態について実施例を用いて説明したが、本発明は陰極線
管に限らず、プラズマディスプレイパネル(PDP)、
液晶パネル(LCD)、EL、真空表示ディスプレイ
(VFD)、マイクロカソードディスプレイ等、表示面
が平板からなる画像表示装置に広く適用することができ
る。これらの画像表示装置の場合、陰極線管のシュリン
クバンドに代えて、樹脂製の枠部材等を用いて接着樹脂
の漏れ防止用壁を形成してもよい。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
画像表示装置の平面パネル表面に補強、反射防止等の機
能を有する前面パネルを効率的に貼着することができる
ので、画像表示装置の製造効率の向上、ひいてはコスト
低減に寄与することができる。また、平面パネル表面と
前面パネルとの間の接着樹脂層の厚さを従来より薄くし
ながら、樹脂層の剥離の発生を抑えることができるの
で、製品重量、品質、信頼性の面でも有利な画像表示装
置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る画像表示装置を構成す
る陰極線管の側面からみた断面図
【図2】図1の陰極線管に内装された平面状シャドウマ
スク及びそのフレームを示す一部切欠き斜視図
【図3】図1の陰極線管の導電膜及び反射防止膜を含む
前面パネル、接着樹脂層、及び平面パネルからなる多層
構造を示す部分断面図
【図4】前面パネルをバルブの平面パネル部に貼着する
本発明による方法の実施例を示す陰極線管の側面図
【図5】図4の陰極線管の画像表示面からみた平面図
【図6】図4の方法において、平面パネルの表面に接着
樹脂を塗布する工程を示す平面図及び側面図
【図7】前面パネルを接着樹脂層を介して平面パネル部
に貼着する際の前面パネル周縁部の構造及び処理の改善
例を示す断面図及び部分拡大断面図
【図8】前面パネルをバルブの平面パネル部に貼着する
ための本発明による方法の別の実施例を示す陰極線管の
側面図
【図9】図8の方法において、平面パネルの表面に接着
樹脂を塗布する工程を示す平面図及び側面図
【図10】補強パネルを平面パネルに向かって押圧する
工程において矩形圧着板、円形圧着板、楕円形圧着板を
用いたときの樹脂層厚の測定値の分布を示すグラフ
【符号の説明】
1 ファンネル部 2 ネック部 3 平面パネル部 5 平面状シャドウマスク 6 フレーム 7 蛍光体スクリーン 8,23,33,43 前面パネル(補強パネル) 9 ガラスウォール部 10,21 補強バンド(シュリンクバンド) 11 バルブ 12 マスクスプリング 13 接着樹脂層 22,31,42 平面パネル表面 24 保護シート 26,34,46 接着樹脂 27,35 樹脂テープ 28,48 パイプ 29,49 出口管 36 溜部 37 接着樹脂の露出部 48a,48b 樹脂供給用チューブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平 潤一 大阪府高槻市幸町1番1号 松下電子工 業株式会社内 (72)発明者 有元 望 大阪府高槻市幸町1番1号 松下電子工 業株式会社内 (72)発明者 岡本 隆三 大阪府高槻市幸町1番1号 松下電子工 業株式会社内 (72)発明者 升田 睦夫 大阪府高槻市幸町1番1号 松下電子工 業株式会社内 (72)発明者 牧 秀亮 大阪府高槻市幸町1番1号 松下電子工 業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭58−102432(JP,A) 特開 昭52−146165(JP,A) 特開 昭61−168658(JP,A) 特開 昭52−146166(JP,A) 特開 平2−148544(JP,A) 特開 平7−23315(JP,A) 実開 昭51−136053(JP,U) 実開 昭60−136044(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 29/87 H01J 29/89 H01J 9/20 H01J 9/24 H01J 9/26

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像表示面が平面パネルと接着樹脂層と
    前面パネルとの多層構造で構成されている画像表示装置
    であって、前記多層構造が、前記平面パネルの表面に前
    記接着樹脂層を形成した後に前記前面パネルを前記接着
    樹脂層に重ねることによって構成されたものであり、
    記平面パネルの外周に補強バンドが固定され、前記前面
    パネルの周縁部からはみ出た接着樹脂を溜める溜部が前
    記平面パネルの周縁部に、前記補強バンドを前記平面パ
    ネルの表面より突出させることにより設けられているこ
    とを特徴とする画像表示装置。
  2. 【請求項2】 平面ガラスパネル部を有するバルブと、
    このバルブ内で前記平面ガラスパネル部の内面に対向す
    るように設けられた平面状シャドウマスクと、前記平面
    ガラスパネル部の外周に固定された補強バンドとを備え
    た陰極線管からなり、前記平面ガラスパネル部は画像が
    表示される平面パネルと、その平面パネルの周縁部から
    ほぼ垂直に延びてファンネル部に接続されるガラスウォ
    ール部とが一体に形成されてなり、前記平面状シャドウ
    マスクは、前記ガラスウォール部の内面に着脱自在に装
    着されたフレームに引っ張り応力を与えられた状態で支
    持されており、前記平面パネルの表面に接着樹脂を塗布
    したときに前記接着樹脂が前記ガラスウォール部へ流れ
    出るのを防止すべく、前記補強バンドが前記平面パネル
    の表面より突出している請求項1記載の画像表示装置。
  3. 【請求項3】 前記溜部の接着樹脂の露出部を覆う保護
    手段が設けられている請求項1または2記載の画像表示
    装置。
  4. 【請求項4】 画像表示面が平面パネルと接着樹脂層と
    前面パネルとの多層構造で構成されている画像表示装置
    の製造方法であって、前記平面パネルとしてその周囲に
    補強バンドが取り付けられたものを用い、前記平面パネ
    ルの表面に接着樹脂層を形成する工程と、その後、前記
    前面パネルを前記接着樹脂層に重ね、前記前面パネルを
    押圧し、前記前面パネルの周縁部からはみ出た接着樹脂
    を、前記前面パネルの周縁部を囲むように前記補強バン
    ドを前記平面パネルの表面より突出させることにより設
    けた溜部に溜める工程と、前記接着樹脂層を硬化させる
    工程とを備えている画像表示装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記前面パネルを接着樹脂層に重ねる工
    程が、前記前面パネルを前記平面パネルに対して傾斜さ
    せた状態で前記前面パネルの一辺側を前記接着樹脂の層
    に当接させた後、前記前面パネルが前記平面パネルに平
    行になるまで前記前面パネルを徐々に倒し、その後、前
    記前面パネルを前記平面パネルに向かって押圧すること
    からなる請求項4記載の画像表示装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記接着樹脂層を形成する工程におい
    て、前記前面パネルの一辺側を当接させる側の接着樹脂
    層の層厚が反対側の層厚より厚くなるように接着樹脂を
    塗布する請求項5記載の画像表示装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記接着樹脂層を前記平面パネルの表面
    に形成する際に、少なくとも前記平面パネル表面の温度
    を30〜50℃に維持する請求項4〜6のいずれか1項
    記載の画像表示装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記平面パネルに対する前記前面パネル
    の押圧を、円形又は楕円形の圧着板を用いて行う請求項
    5又は6記載の画像表示装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記接着樹脂層を形成する工程の前に、
    前記平面パネルの周囲に、前記平面パネルの表面より突
    出するように補強バンドを取り付け、前記平面パネルの
    表面を研磨し、前面パネルの接着面の面仕上げを行い、
    さらに、前記補強バンドの周囲に、前記補強バンドの前
    端面より突出するように接着樹脂漏れ防止用の壁を形成
    する請求項4〜のいずれか1項記載の画像表示装置の
    製造方法。
  10. 【請求項10】 前記前面パネルが表面保護シートを有
    し、前記接着樹脂を硬化させる工程の後、前記表面保護
    シートを除去し、前記前面パネルの周縁部の接着樹脂の
    露出部を覆う保護処理を施す請求項4〜のいずれか1
    項記載の画像表示装置の製造方法。
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