JP3430536B2 - 感熱体及び感熱発熱体 - Google Patents

感熱体及び感熱発熱体

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JP3430536B2
JP3430536B2 JP02502293A JP2502293A JP3430536B2 JP 3430536 B2 JP3430536 B2 JP 3430536B2 JP 02502293 A JP02502293 A JP 02502293A JP 2502293 A JP2502293 A JP 2502293A JP 3430536 B2 JP3430536 B2 JP 3430536B2
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道治 上川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気カーペット等に用
いられる感熱体及び感熱発熱体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気カーペット等の広面積暖房器具に
は、従来よりポリ塩化ビニル樹脂を主成分とする感熱樹
脂材料をサーミスタとして用いた面状の感熱発熱体やコ
ード状の感熱体あるいは感熱発熱体が使用されている。
そして近年の電気カーペットにあっては、カーペット地
からなる表面材や、電気カーペットに被せて使用するカ
バー材として、本物志向や高級志向から分厚いものが好
まれる傾向にあり、発熱体の温度を従来よりも高くする
必要が生じてきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、発熱体の温度
を従来よりも高温にすると、部分的に断熱状態になると
きに生じる部分断熱高温部の温度が非常に高くなり、従
来のポリ塩化ビニル樹脂を主成分とする感熱樹脂材料で
は高温での熱老化のために温度センサーとしての固有イ
ンピーダンス(以下|Z|と略記)と温度との関係の特
性が経時変化し、|Z|の変化によって感知する温度が
危険な高温になってしまうおそれがあった。この現象
は、ポリ塩化ビニル樹脂中の可塑剤が高温の作用でブ
リードアウトしてポリ塩化ビニル樹脂のガラス転移点が
高温側にシフトしてしまう、ポリ塩化ビニル樹脂が高
温にさらされると脱塩素反応を起こして熱老化してしま
う、等が原因になっていると考えられる。
【0004】また、従来のポリ塩化ビニル樹脂を主成分
とする感熱樹脂材料では、|Z|と温度との関係の特性
の安定性を増すために、多量のイオン性物質を添加する
ことによって、イオンを過飽和にしてイオンの減少に対
する安定性を高めるようにしているが、イオン性物質は
一般に吸湿性が有るためにこのように多量のイオン性物
質を添加すると|Z|と温度との関係が湿度の影響を受
け、却って|Z|の変化によって検知する温度が変わっ
てしまうものであった。
【0005】さらに、このように多量のイオン性物質を
添加してイオンを過飽和にするようにしているために、
|Z|と温度との関係の特性をイオン性物質の添加で変
化させることができない。このために従来の感熱樹脂材
料では可塑剤の添加量を調整することによって|Z|と
温度との関係の特性を設計するようにしている。しかし
可塑剤の添加量を変えると感熱樹脂材料は硬度等の特性
が大きく変化することになるために、可塑剤の添加量を
大きく調整することはできず、特性を設計できる範囲は
制限を受けるものであった。
【0006】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、熱老化による|Z|と温度との関係の特性の変動
を抑えることができると共に高感度化することができ、
また吸湿によるこの特性の変動を少なくし、さらにこの
特性の設計の自由度を高めることができる感熱体及び
熱発熱体を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る感熱体は、
芯糸に巻き付けられる内巻電極と、内巻電極を被覆する
感熱樹脂材料と、感熱樹脂材料の外側に巻き付けられる
外巻電極と、外巻電極を被覆する絶縁体とを備えた感熱
体であって、感熱樹脂材料として、ポリエチレングリコ
ールとポリプロピレングリコールの共重合体よりなる副
ポリマー中にイオン性物質として無機の過塩素酸塩を添
加したイオン伝導性電解質を、高分子マトリクスポリマ
ー中に混練して調製したものを用いて成ることを特徴と
するものである。また本発明に係る感熱発熱体は、芯糸
に巻き付けられる内巻電極と、内巻電極を被覆する感熱
樹脂材料と、感熱樹脂材料の外側に巻き付けられる外巻
電極と、外巻電極を被覆する絶縁体とを備え、内巻電極
と外巻電極の少なくとも一方を発熱抵抗体とする感熱発
熱体であって、感熱樹脂材料として、ポリエチレングリ
コールとポリプロピレングリコールの共重合体よりなる
副ポリマー中にイオン性物質として無機の過塩素酸塩を
添加したイオン伝導性電解質を、高分子マトリクスポリ
マー中に混練して調製したものを用いて成ることを特徴
とするものである。
【0008】上記副ポリマーを構成するポリエチレング
リコールとポリプロピレングリコールからなる共重合体
として、分子量1000〜10000のものを用いるこ
とができる。また上記高分子マトリクスポリマーとし
て、ポリ塩化ビニル系樹脂を用いることができる。
【0009】さらに上記副ポリマー、ポリエチレング
リコールの比率が30重量%以上のものであることが好
ましい。さらに上記副ポリマーに対する無機の過塩素酸
塩の添加量は、5重量%以上であることが好ましい。
【0010】さらに上記高分子マトリクスポリマーに対
するイオン伝導性電解質の添加量は、1〜5重量%であ
ることが好ましい。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
係る感熱樹脂材料は、ポリエチレングリコール(ポリエ
チレンオキサイド:PEO)やポリプロピレングリコー
ル(ポリプロピレンオキサイド:PPO)のようなポリ
オールよりなる副ポリマー中にイオン性物質を添加して
イオン伝導性電解質を調製し、このイオン伝導性電解質
を高分子マトリクスポリマー中に混練することによって
作成することができる。
【0012】ここで、ポリエチレングリコール、ポリプ
ロピレングリコールはそれぞれ次の化学式1、化学式2
で示される樹脂である。
【0013】
【化1】
【0014】本発明はこれらポリエチレングリコールや
ポリプロピレングリコールを、感熱樹脂材料の主成分と
なる高分子マトリクスポリマーに対する副ポリマーとし
て用いるものであり、ポリエチレングリコールポリプ
ロピレングリコールブロック共重合体やランダム共重
合体を用いるものである。この混合比率や共重合比率は
特に限定されるものではないが、本発明では特に、副ポ
リマーとして分子量1000〜10000のポリエチレ
ングリコールとポリプロピレングリコールからなる共重
合体を用いるのが好ましい。分子量が1000未満であ
ると耐熱性に問題が生じる場合があり、また逆に100
00を超えると、この副ポリマーから調製されるイオン
伝導性電解質を高分子マトリクスポリマー中に均一に分
散させ難くなると共に、感熱樹脂材料の高温域のB定数
(B定数については後述する)が小さくなる傾向があ
る。また、副ポリマーとしてポリエチレングリコールと
ポリプロピレングリコールからなる共重合体を用いるに
あたって、ポリエチレングリコールの比率が30重量%
以上のものを用いるのが好ましい。ポリエチレングリコ
ールの比率は30〜60重量%の範囲が特に好ましい。
【0015】この副ポリマーにイオン性物質を添加する
ことによってイオン伝導性電解質を得ることができる。
本発明ではイオン性物質として無機の過塩素酸塩を用い
ものである。無機の過塩素酸塩には次に示すようなも
のがあるが、勿論これらに限定されるものではない。 過塩素酸リチウム塩(LiClO4) 過塩素酸カリウム塩(KClO4) 過塩素酸マグネシウム塩(Mg(ClO42) 無機の過塩素酸塩は有機の過塩素酸塩に較べて分子量が
小さく、主なイオン伝導媒体である副ポリマー中におけ
る移動速度が大きくなるため、有機の過塩素酸塩に較べ
て副ポリマーに対する添加量を少なくすることができる
ものである。また、この無機の過塩素酸塩をイオン性物
質として副ポリマーに添加すると、Li+,K+,Mg2+
など金属元素の陽イオンとClO4 -の陰イオンとに解離
するが、ClO4 -の陰イオンは耐熱性が高く容易に分解
しないために、感熱樹脂材料が高温に長時間さらされた
場合でも固有インピーダンス|Z|の変化を小さくする
ことができるものである。無機の過塩素酸塩の副ポリマ
ーに対する添加量は5重量%以上が好ましい。より好ま
しくは10重量%以上、20重量%以下である。過塩素
酸塩の添加量が5重量%未満では副ポリマーに対して均
一に分散させ難く、製造上のばらつきが大きくなるおそ
れがある。また過塩素酸塩などイオン性物質は吸湿性が
あり、副ポリマーに対する添加量が20重量%を超える
と吸湿による感熱樹脂材料の|Z|変動が無視できない
程に大きくなってしまうおそれがある。
【0016】図11は、副ポリマーとしてポリエチレン
グリコールとポリプロピレングリコールを約1:1の重
量比でブロック共重合させた平均分子量4100のもの
を使用し、イオン性物質として過塩素酸リチウム塩(L
iClO4 )を副ポリマーに対して15重量%添加する
ことによって調製したイオン伝導性電解質の固有インピ
ーダンス|Z|〜温度曲線を示すものであり、副ポリマ
ーにイオン性物質を添加することにより、温度上昇に伴
ってイオン伝導によりインピーダンス低下が生じ、|Z
|〜温度特性の変化率の大きいサーミスタ特性を持つイ
オン伝導性電解質を得ることができるものである。イオ
ン伝導性電解質の固有インピーダンスの絶対値及び、|
Z|〜温度特性の変化率の大きさを示すB定数は、副ポ
リマーの分子量、及び添加されるイオン性物質の種類や
量によって変化するものであり、従ってこれらを変える
ことによって任意のサーミスタ特性のものを得ることが
できるものである。尚、B定数は、|Z|と温度の関係
を図12のようにすると、「数1」に示す式で算出する
ことができる。
【0017】
【数1】
【0018】上記のようにして調製したイオン伝導性電
解質を高分子マトリクスポリマーに添加して混練するこ
とによって、イオン伝導性プラスチックサーミスタ特性
を示す感熱樹脂材料を得ることができる。高分子マトリ
クスポリマーに対するイオン伝導性電解質の添加量は、
1重量%以上、5重量%以下であることが好ましい。イ
オン伝導性電解質の添加量が1重量%未満の場合は、高
分子マトリクスポリマーに対してイオン伝導性電解質を
均一に分散させ難く、製造のばらつきが発生し易くな
り、また逆に添加量が5重量%を超える場合は、イオン
伝導性電解質の添加量が過飽和になって高分子マトリク
スポリマーからイオン伝導性電解質のブリードアウトし
易くなるものである。
【0019】このように高分子マトリクスポリマーにイ
オン伝導性電解質を添加して得られる感熱樹脂材料は、
イオン伝導性電解質が持つ特性と高分子マトリクスポリ
マーが持つ特性とが合わさって大きい高いB定数のプラ
スチックサーミスター特性を示すものであり、また少量
のイオン伝導性電解質の添加でこのようなプラスチック
サーミスター特性を得ることができ、高分子マトリック
スポリマーの機械物性はイオン伝導性電解質の添加によ
って大きく影響されることはなく、感熱樹脂材料の強度
や硬度の設計の自由度が大きくなるものである。
【0020】ここで本発明において感熱樹脂材料の主成
分となる高分子マトリクスポリマーとしては、ポリ塩化
ビニル樹脂やその誘導体などポリ塩化ビニル系樹脂を用
いるのが好ましい。一般にポリ塩化ビニル系樹脂は吸湿
性が小さく、イオン伝導性電解質中に解離したイオン性
物質のClO4 塩などが水に溶出してしまうことを防ぐ
ことができ、感熱樹脂材料が高湿度状態に置かれた場合
でも|Z|が大きく変動することがなくなるものであ
る。またポリ塩化ビニル系樹脂は、可塑剤の添加量によ
り柔軟性を持たせることが容易であり、フレキシブル性
が必要とされる感熱体や感熱発熱体を作成することが容
易になるものである。さらに、ポリ塩化ビニル系樹脂は
副ポリマーとして用いられるポリエチレングリコールや
ポリプロピレングリコールを分散させ易いものであり、
加えてポリ塩化ビニル系樹脂は他の高分子材料に比べて
一般的にコストも安価である。
【0021】しかしながら本発明において、高分子マト
リクスポリマーはポリ塩化ビニル系樹脂のみに限定され
るものではなく、高分子マトリクスポリマーとしてポリ
アミド系材料を用いることも可能である。通常、結晶性
ポリアミド系樹脂は吸湿するため、ポリアミド系樹脂に
従来のようにイオン性物質として有機の過塩素酸塩を直
接添加すると、吸湿によって|Z|が大きく変動する
が、本発明の感熱樹脂材料はイオン性物質を副ポリマー
に添加して調製したイオン伝導性電解質を高分子マトリ
クスポリマーに配合するようにしているために、感熱樹
脂材料の|Z|は主としてイオン性物質が副ポリマー中
を移動することによって変動するものであり、吸湿性の
あるポリアミド系樹脂を高分子マトリクスポリマーとし
て使用した場合でも吸湿による|Z|の変動を小さくす
ることができるものである。
【0022】また本発明に係る感熱体は、絶縁性の芯糸
に金属線を巻いて内巻電極とし、上記のように調製した
感熱樹脂材料を内巻電極の外側に被覆し、その外側に金
属線を巻いて外巻電極とすることによって作成すること
ができる。感熱樹脂材料は上記のように温度変化に伴っ
て|Z|が変化するので、内巻電極と外巻電極の間の電
位差を検出することによって発熱温度を検知することが
できるものである。
【0023】さらに、本発明に係る感熱発熱体は、この
感熱体の内巻電極と外巻電極の少なくとも一方を発熱抵
抗体とし、これらを絶縁体で被覆することによって作成
することができる。
【0024】
【実施例】以下本発明を実施例によって具体的に説明す
る。 (実施例1)ポリ塩化ビニルポリマー100重量部にト
リメリット酸系の可塑剤を45重量部、酸化鉛(Pb
O)と二酸化珪素(SiO2 )からなる珪酸鉛を安定剤
として25重量部配合して調製したポリ塩化ビニル樹脂
に、図11のイオン伝導性電解質を1.8重量%の割合
で添加して混練することによって、感熱樹脂材料を得
た。図1にこの実施例1の感熱樹脂材料の固有インピー
ダンス|Z|〜温度曲線を示す。
【0025】図1にみられるように、図11のイオン伝
導性電解質のサーミスタ特性に比較して|Z|が大き
く、また60℃前後での|Z|〜温度特性の変化率の大
きさを示すB定数が急激に大きくなっていることが特徴
として認められる。これは、イオン伝導性電解質が持つ
特性と、高分子マトリクスポリマーが持つ特性とが合わ
さった状態で発現されるためであり、特に60℃前後で
のB定数の急激な変化は高分子マトリクスポリマーの粘
度が急激に小さくなる温度を持つことによって発現され
るものである。
【0026】(従来例)ポリ塩化ビニルポリマー100
重量部にトリメリット酸系の可塑剤を45重量部、安定
剤として珪酸鉛を25重量部配合して調製したポリ塩化
ビニル樹脂に、イオン性物質として有機の過塩素酸塩を
約1.8重量%の割合で添加して混練することによっ
て、感熱樹脂材料を得た。
【0027】実施例1と従来例のプラスチックサーミス
ター特性を比較すると、図1にみられるように、0℃〜
40℃付近は同様な|Z|であるが、60℃〜100℃
では実施例1のほうが従来例よりも|Z|が小さくなっ
ており、変化が大きくなっている。すなわち80℃〜1
00℃におけるB定数は、従来例のものがB=9500
であるのに対して、実施例1のものはB=10900で
あり、実施例1のほうが従来例に比較して高感度化した
プラスチックサーミスター特性を示すものである。
【0028】また、図1に示すプラスチックサーミスタ
ー特性を得るために、実施例1のものでは高分子マトリ
ックスポリマーへのイオン伝導性電解質の添加量は約
1.8重量%(イオン性物質の添加量は1.8×0.1
5=0.27重量%になる)と少なく、高分子マトリッ
クスポリマーの機械物性はイオン伝導性電解質の添加に
よって大きく影響されることはなく、感熱樹脂材料の強
度や硬度の設計の自由度が大きくなるものである。この
ことを換言すると、プラスチックサーミスタ特性は高分
子マトリックスポリマーの配合によって設計する必要が
なく、イオン伝導性電解質の配合設計と添加量の微少な
調整のみによって、必要なプラスチックサーミスタ特性
を得るための設計を自由におこなうことができるもので
ある。
【0029】一方、従来例の場合でも、80℃〜100
℃におけるB定数とイオン性物質の添加量とは関係があ
って、イオン性物質の添加量を少なくするとB定数は小
さくなるというようにプラスチックサーミスター特性を
調整することができる。しかし従来例のものでは図1に
示すプラスチックサーミスター特性を得るためにイオン
性物質の添加量は1.8重量%と既に過飽和の状態にあ
り、これ以上イオン性物質を増してもB定数は大きくな
ることはない。従って従来例のものでは、これ以上のB
定数を得るためには高分子マトリックスポリマーである
ポリ塩化ビニル樹脂の可塑剤の添加量を減じる必要があ
り、可塑剤の添加量を減じる結果、感熱樹脂材料の強度
や硬度等の機械的物性が大きく変化することになり、電
気カーペット等に用いる感熱体や感熱発熱体に適さなく
なることもある。
【0030】(実施例2)ポリエチレングリコール(ポ
リエチレンオキサイド:PEO)とポリプロピレングリ
コール(ポリプロピレンオキサイド:PPO)を約1:
1で共重合させた分子量の異なる4種類のブロック共重
合体(平均分子量2200、4600、6500、85
00)を副ポリマーとして用い、イオン性物質として過
塩素酸リチウム塩(LiClO4 )をこの各副ポリマー
に対して一律10重量%添加してイオン伝導性電解質を
調製した。またポリ塩化ビニルポリマー100重量部に
トリメリット酸系の可塑剤を45重量部、安定剤として
珪酸鉛を25重量部配合して調製したポリ塩化ビニル樹
脂に、このイオン伝導性電解質を一律1.5重量%の割
合で添加して混練することによって感熱樹脂材料を得
た。この各感熱樹脂材料の固有インピーダンス|Z|〜
温度曲線を図2に示す。
【0031】図2にみられるように、副ポリマーの分子
量が小さい程、|Z|が急激に低下し始める温度が低
く、分子量を大きくする程、|Z|が急激に低下し始め
る温度が高温側にシフトする傾向がみられる。また各温
度における|Z|の絶対値は、各副ポリマーの分子量が
大きい程大きくなり、さらに80℃〜100℃における
B定数も副ポリマーの分子量が大きい程大きくなるもの
である。
【0032】(実施例3)ポリエチレングリコールとポ
リプロピレングリコールを約1:1で共重合させた分子
量の異なる4種類のブロック共重合体(平均分子量22
00、3650、4600、6500)を副ポリマーと
して用い、イオン性物質として過塩素酸リチウム塩をこ
の各副ポリマーに対して一律10重量%添加してイオン
伝導性電解質を調製した。またポリ塩化ビニルポリマー
100重量部にトリメリット酸系の可塑剤を45重量
部、安定剤として珪酸鉛を25重量部配合して調製した
ポリ塩化ビニル樹脂に、このイオン伝導性電解質を一律
1.5重量%の割合で添加して混練することによって感
熱樹脂材料を得た。そしてこの感熱樹脂材料を136℃
の雰囲気に168時間放置する前後での60℃における
|Z|変動率を測定し、|Z|変動率と副ポリマーの分
子量との関係を図3に示す。
【0033】図3にみられるように、副ポリマーの平均
分子量3000を境界として、副ポリマーの平均分子量
が3000より大きい場合は|Z|の変化が負の方向で
あり、平均分子量の大きいもの程|Z|変動率が大きく
なる。また副ポリマーの平均分子量が3000より小さ
い場合は|Z|の変化が正の方向であり、平均分子量の
小さいもの程|Z|変動率が大きくなる傾向にある。
【0034】感熱樹脂材料の|Z|〜温度特性によって
温度制御をおこなう場合、|Z|の変化が正の方向で|
Z|変動率が大きいと制御温度が高温側に大きくシフト
するために危険である。特に副ポリマーの分子量が10
00以下と小さい場合、感熱樹脂材料が高温に長期間さ
らされると副ポリマーはブリードアウトし易くなるが、
イオン性物質は主に副ポリマー中を移動することによっ
て|Z|が生じているために、伝導媒体である副ポリマ
ーがブリードアウトすると|Z|変動率が短期間に正の
方向に大きく変化して、非常に危険である。副ポリマー
の分子量が比較的大きい場合は、感熱樹脂材料が長期間
高温にさらされてもブリードアウトし難いためにこのよ
うな危険はない。副ポリマーを構成するポリエチレング
リコールやポリプロピレングリコールが熱劣化される
と、これらポリマーの高分子連鎖が切れて低分子化され
るために、副ポリマーの分子量が小さくなったことと同
じになって図2のグラフのように|Z|が小さくなり、
また高分子マトリクスポリマーのポリ塩化ビニル樹脂も
熱劣化し、|Z|を正の方向に変化させると反対方向に
作用することになって、|Z|変動率を小さくすること
ができるのである。
【0035】副ポリマーの分子量が10000より大き
い場合は、|Z|変動率は負の方向であるので安全な方
向であるが、感熱樹脂材料の|Z|〜温度特性による温
度制御では副ポリマーの分子量が大き過ぎると制御温度
が大きく低下してしまうという問題を生じる。また副ポ
リマーは分子量が大きくなる程、粘度が高くなる傾向に
あり、高分子マトリクスポリマーに対するイオン伝導性
電解質の添加量は数重量%と少量であるために、高分子
マトリクスポリマーに均一に分散させ難くなる。さらに
副ポリマーの分子量が10000以上では感熱樹脂材料
|Z|が急激に変化し始める温度が80℃近くにな
り、採暖具に使用する感熱樹脂材料としては適さないも
のある。
【0036】従って本発明では、副ポリマーは分子量1
000〜10000のものが好ましいものである。 (実施例4)副ポリマーとして、ポリエチレングリコー
ルとポリプロピレングリコールのブロック共重合体であ
って平均分子量が3300でポリエチレングリコールの
比率が25重量%のもの、及び平均分子量が4100で
ポリエチレングリコールの比率が50重量%のもの、ポ
リエチレングリコール単体であって平均分子量が100
0のもの、ポリプロピレングリコール単体であって平均
分子量が2000のものをそれぞれ用い、イオン性物質
として過塩素酸リチウム塩をこの各副ポリマーに対して
一律15重量%添加してイオン伝導性電解質を調製し
た。またポリ塩化ビニルポリマー100重量部にトリメ
リット酸系の可塑剤を45重量部、安定剤として珪酸鉛
を25重量部配合して調製したポリ塩化ビニル樹脂に、
このイオン伝導性電解質を一律1.4重量%の割合で添
加して混練することによって感熱樹脂材料を得た。そし
てこの感熱樹脂材料を60℃×95%RHの高温多湿雰
囲気に168時間放置する前後での60℃における|Z
|変動率を測定し、|Z|変動率と副ポリマーにおける
ポリエチレングリコールの重量比率との関係を図4に示
す。
【0037】図4にみられるように、副ポリマーにおけ
るポリエチレングリコールの比率が100重量%のもの
は|Z|変動率は正の大きな値となり、逆にポリエチレ
ングリコールの比率が0重量%のものは|Z|変動率は
負の大きな値となる。またポリエチレングリコールの比
率が30〜60重量%の場合は|Z|変動率の絶対値は
小さな値となる。副ポリマーをポリエチレングリコール
とポリプロピレングリコールのブロック共重合体で形成
すると、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリ
コールの両者の特性を合わせ持つが、ポリエチレングリ
コールは吸湿すると粘度が増してイオン性物質が移動し
難くなるために|Z|は大きくなる方向に変動し、その
程度はブロック共重合体におけるポリエチレングリコー
ルの重量比率によって変えることができる。一方、高分
子マトリクスポリマーにポリ塩化ビニル樹脂を用いた場
合は透湿性があるために|Z|は小さくなる方向に変化
する。従って、感熱樹脂材料における副ポリマーをポリ
エチレングリコールとポリプロピレングリコールのブロ
ック共重合体とし、ポリエチレングリコールの比率が3
0重量%以上のものを用いれば、ポリ塩化ビニル樹脂の
透湿による|Z|の低下を防止することができるもので
ある。
【0038】(実施例5)副ポリマーとして平均分子量
3650のポリエチレングリコールとポリプロピレング
リコールのブロック共重合体を用い、イオン性物質とし
て過塩素酸リチウム塩を副ポリマーに対して10重量
%、15重量%添加して2種類のイオン伝導性電解質を
調製した。またポリ塩化ビニルポリマー100重量部に
トリメリット酸系の可塑剤を45重量部、安定剤として
珪酸鉛を25重量部配合して調製したポリ塩化ビニル樹
脂に、各イオン伝導性電解質を一律1.5重量%の割合
で添加して混練することによって感熱樹脂材料を得た。
この各感熱樹脂材料の固有インピーダンス|Z|〜温度
曲線を図5に示す。
【0039】図5にみられるように、80℃〜100℃
におけるB定数はイオン性物質の副ポリマーに対する添
加量を多くする程、大きくすることができる。また|Z
|の絶対値もイオン性物質の副ポリマーに対する添加量
によって変化することがみられる。尚、図5において過
塩素酸リチウム塩を副ポリマーに対して10重量%添加
したものをR=10重量%、15重量%添加したものを
R=15重量%として示す。
【0040】(実施例6)副ポリマーとして平均分子量
2220のポリエチレングリコールとポリプロピレング
リコールの約1:1重量比率のブロック共重合体を用
い、イオン性物質として過塩素酸リチウム塩を副ポリマ
ーに対して10重量%添加してイオン伝導性電解質を調
製した。またポリ塩化ビニルポリマー100重量部にト
リメリット酸系の可塑剤を45重量部、安定剤として珪
酸鉛を25重量部配合して調製したポリ塩化ビニル樹脂
に、上記イオン伝導性電解質を1重量%、1.5重量
%、2重量%の割合で添加して混練することによって、
3種類の感熱樹脂材料を得た。この各感熱樹脂材料の固
有インピーダンス|Z|〜温度曲線を図6に示す。
【0041】図6にみられるように、イオン伝導性電解
質の添加量を多くする程、|Z|の絶対値は小さくなる
傾向がある。尚、図6においてイオン伝導性電解質を1
重量%添加したものをV=1重量%、1.5重量%添加
したものをV=1.5重量%、2重量%添加したものを
V=2重量%として示す。 (実施例7)本発明に係る感熱性樹脂材料を用いて、図
8に示すようなコード状の感熱発熱体Aを製造すること
ができる。この感熱発熱体Aは、絶縁性の芯糸1に金属
線をスパイラル状に巻いて内巻電極2とし、上記各実施
例のように調製した感熱樹脂材料3を例えば押し出し成
形して内巻電極2の外側に被覆し、その外側に金属線を
巻いて外巻電極4とし、さらにその外側に樹脂フィルム
を巻いて分離層10を形成した後に、その外側に絶縁体
5を被覆することによって製造されるものである。
【0042】この感熱発熱体Aは、内巻電極2と外巻電
極4の少なくとも一方を発熱抵抗体(ヒータ)として通
電することによって発熱させることができる。そしてこ
の感熱発熱体Aにあって、電極2,4の一方を発熱させ
ると感熱樹脂材料3は温度変化に伴って|Z|が変化す
るために、電極2,4間の電位差を検出することによっ
て発熱温度を検知することができる。
【0043】このように作成される感熱発熱体Aを、例
えば図9(a)(b)に示すように、ポリエステル繊維
等の厚さ10mm程度の裏面布11と厚さ9μ程度の均
熱アルミニウム平面体12との間に挟んでジグザグ状に
配置し、そして均熱アルミニウム平面体12の上にポリ
エステル繊維等の厚さ5mm程度の表面布13を積層す
ることによって電気カーペットBを作成することができ
る。図9(a)において14は電源コード、15は温度
コントローラである。
【0044】ここで、上記のような電気カーペットBな
ど面状採暖具の全面が略均一な温度分布になっていると
きには設定温度に制御することは容易であるが、電気カ
ーペットBのような面状採暖具では座布団などの断熱性
を有する物が置かれていることが多く、面状採暖具の場
所ごとに温度むらが生じて設定温度に制御することが難
しい。すなわち図10に示すように、面状採暖具の設定
温度がX1 であるときに、部分的な断熱によって面状採
暖具が局所的に温度X2 となる高温部が発生したとする
と、断熱されない部分は温度X3 になるように制御さ
れ、面状採暖具の全体としてのインピーダンスが設定温
度X1 に対応するインピーダンスになるように制御され
ることになる。従って局所的に高温部が発生すると他の
部分は設定温度よりも低くなることになる。例えば図9
の電気カーペットBにおいて、一つの発熱回路の面積が
約1.65m2 である場合、略30cm四方の座布団で
断熱されたときの高温部の|Z|と設定温度における|
Z|は次の式のような関係にある。
【0045】 高温部|Z|=0.065×設定温度における|Z| また設定温度については、高温部の温度が感熱樹脂材料
の耐熱温度の限界を超えないように低く設定する必要が
あり、このように設定温度を低くすると高温部以外の部
分が低温になって暖房能力が下がることになる。しかし
本発明に係る感熱樹脂材料は、耐熱温度の限界を一定と
した場合、図5に示すように|Z|〜温度特性のB定数
が大きいものほど設定温度を高く設定することができる
ため、高温部以外の部分が低温になって暖房能力が下が
るのを防止できるものである。
【0046】図7は、図5において示した感熱樹脂材料
の|Z|〜温度特性で、高温部の温度を100℃とした
ときの設定温度と副ポリマーに対する過塩素酸リチウム
塩の添加量の関係を示すものであり、一般に電気カーペ
ットの発熱線の設定温度は65℃〜72℃が好ましいた
め、副ポリマーに対する過塩素酸リチウム塩の添加量は
10〜20重量%が最適である。
【0047】ここで、高分子マトリクスポリマーとして
ポリ塩化ビニル樹脂を用いた感熱樹脂材料3で図8のよ
うに感熱発熱体Aを作成し、さらに図9のような電気カ
ーペットBに仕上げた場合、電気カーペットBの温度制
御回路が何らかの原因で故障して、フル通電状態になっ
て局所的な断熱部分の温度が200℃近くになっても、
ポリ塩化ビニル系樹脂は明確な融点を持たない非結晶性
の樹脂であるために物理的な形状の変化を期待すること
ができない。一方、ポリアミド系材料は200℃前後の
明確な融点を持つために、感熱樹脂材料3の高分子マト
リクスポリマーとしてポリアミド系材料を用いると、感
熱樹脂材料3が融解することになり、感熱樹脂材料3に
よる物理的支持を失った内巻電極2と外巻電極4は互い
に接触することになる。従って温度コントローラ15の
中に温度制御回路とは独立した内巻電極2と外巻電極4
が接触したことを検知する異常高温検知回路を設けて、
異常高温が検知された場合速やかに電源を遮断するよう
にすることによって、異常高温が持続することにより発
生する発火等の事故を防止することが可能になるもので
ある。
【0048】
【発明の効果】上記のように本発明は、ポリエチレング
リコールとポリプロピレングリコールの共重合体よりな
る副ポリマー中に無機の過塩素酸塩を添加したイオン伝
導性電解質を、高分子マトリクスポリマー中に混練して
調製した感熱樹脂材料を用いるようにしたので、感熱樹
脂材料の|Z|〜温度特性を感熱樹脂材料の機械物性を
変えることなく自由に幅広く設計することができ、また
高感度化することができるものであり、また吸湿による
|Z|の変動を小さくすることができ、さらに高温雰囲
気におかれたときの熱劣化によって生じる|Z|と温度
との関係の特性の変動を抑制することができるものであ
る。そしてこの感熱樹脂材料を用いた本発明に係る感熱
体や感熱発熱体は、温度検知を高感度で安定して行なう
ことができ、安全に使用することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1及び比較例の感熱樹脂材料の固有イン
ピーダンス〜温度曲線のグラフである。
【図2】実施例2の感熱樹脂材料の固有インピーダンス
〜温度曲線のグラフである。
【図3】実施例3の感熱樹脂材料の|Z|変動率と副ポ
リマーの分子量との関係を示すグラフである。
【図4】実施例4の感熱樹脂材料の|Z|変動率と副ポ
リマーにおけるポリエチレングリコールの重量比率との
関係を示すグラフである。
【図5】実施例5の感熱樹脂材料の固有インピーダンス
〜温度曲線のグラフである。
【図6】実施例6の感熱樹脂材料の固有インピーダンス
〜温度曲線のグラフである。
【図7】実施例5の感熱樹脂材料の設定温度と副ポリマ
ーに対する過塩素酸リチウム塩の添加量の関係を示すグ
ラフである。
【図8】感熱発熱体の一実施例の正面図である。
【図9】電気カーペットを示すものであり、(a)は斜
視図、(b)は一部の拡大した断面図である。
【図10】インピーダンスと設定温度との関係を示すグ
ラフである。
【図11】イオン伝導性電解質の固有インピーダンス〜
温度曲線のグラフである。
【図12】定数Bを説明するための固有インピーダンス
〜温度曲線のグラフである。
【符号の説明】
A 感熱発熱線1 芯糸 2 内巻電極 3 感熱樹脂材料4 外巻電極 5 絶縁体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−122165(JP,A) 特開 平3−95802(JP,A) 特開 平3−39346(JP,A) 特開 昭49−74721(JP,A) 特開 平2−86006(JP,A) 特開 平2−209939(JP,A) 特開 平4−259783(JP,A) 特開 平4−132187(JP,A) 特開 平6−57075(JP,A) 特公 昭35−14179(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 1/00 - 101/16 H05B 3/56

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯糸に巻き付けられる内巻電極と、内巻
    電極を被覆する感熱樹脂材料と、感熱樹脂材料の外側に
    巻き付けられる外巻電極と、外巻電極を被覆する絶縁体
    とを備えた感熱体であって、感熱樹脂材料として、ポリ
    エチレングリコールとポリプロピレングリコールの共重
    合体よりなる副ポリマー中にイオン性物質として無機の
    過塩素酸塩を添加したイオン伝導性電解質を、高分子マ
    トリクスポリマー中に混練して調製したものを用いて成
    ることを特徴とする感熱体
  2. 【請求項2】 副ポリマーを構成するポリエチレングリ
    コールとポリプロピレングリコールからなる共重合体は
    分子量1000〜10000であることを特徴とする請
    求項1に記載の感熱体
  3. 【請求項3】 高分子マトリクスポリマーがポリ塩化ビ
    ニル系樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記
    載の感熱体
  4. 【請求項4】 副ポリマーはポリエチレングリコールの
    比率が30重量%以上のものであることを特徴とする請
    求項1乃至3のいずれかに記載の感熱体
  5. 【請求項5】 副ポリマーに対する無機の過塩素酸塩の
    添加量が5重量%以上であることを特徴とする請求項1
    乃至4のいずれかに記載の感熱体
  6. 【請求項6】 高分子マトリクスポリマーに対するイオ
    ン伝導性電解質の添加量が1〜5重量%であることを特
    徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の感熱体
  7. 【請求項7】 芯糸に巻き付けられる内巻電極と、内巻
    電極を被覆する感熱樹脂材料と、感熱樹脂材料の外側に
    巻き付けられる外巻電極と、外巻電極を被覆する絶縁体
    とを備え、内巻電極と外巻電極の少なくとも一方を発熱
    抵抗体とする感熱発熱体であって、感熱樹脂材料とし
    て、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコー
    ルの共重合体よりなる副ポリマー中にイオン性物質とし
    て無機の過塩素酸塩を添加したイオン伝導性電解質を、
    高分子マトリクスポリマー中に混練して調製したものを
    用いて成ることを特徴とする感熱発熱体。
  8. 【請求項8】 副ポリマーを構成するポリエチレングリ
    コールとポリプロピレングリコールからなる共重合体は
    分子量1000〜10000であることを特徴とする請
    求項7に記載の感熱発熱体。
  9. 【請求項9】 高分子マトリクスポリマーがポリ塩化ビ
    ニル系樹脂であることを特徴とする請求項7又は8に記
    載の感熱発熱体
  10. 【請求項10】 副ポリマーはポリエチレングリコール
    の比率が30重量%以上のものであることを特徴とする
    請求項7乃至9のいずれかに記載の感熱発熱体
  11. 【請求項11】 副ポリマーに対する無機の過塩素酸塩
    の添加量が5重量%以上であることを特徴とする請求項
    7乃至10のいずれかに記載の感熱発熱体
  12. 【請求項12】 高分子マトリクスポリマーに対するイ
    オン伝導性電解質の添加量が1〜5重量%であることを
    特徴とする請求項7乃至11のいずれかに記載の感熱発
    熱体
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