JP3430402B2 - 燃料電池用の加湿装置 - Google Patents

燃料電池用の加湿装置

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JP3430402B2 JP2000010975A JP2000010975A JP3430402B2 JP 3430402 B2 JP3430402 B2 JP 3430402B2 JP 2000010975 A JP2000010975 A JP 2000010975A JP 2000010975 A JP2000010975 A JP 2000010975A JP 3430402 B2 JP3430402 B2 JP 3430402B2
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    • H01M8/04Auxiliary arrangements, e.g. for control of pressure or for circulation of fluids
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    • H01M8/04089Arrangements for control of reactant parameters, e.g. pressure or concentration of gaseous reactants
    • H01M8/04119Arrangements for control of reactant parameters, e.g. pressure or concentration of gaseous reactants with simultaneous supply or evacuation of electrolyte; Humidifying or dehumidifying
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料電池用の加湿
装置に関し、さらに詳しくは、寒冷地等でも好適に使用
することができる水透過性の中空糸膜を利用した燃料電
池用の加湿装置に関する。
【0002】
【従来の技術】燃料電池には固体高分子型のものがある
が、近年、電気自動車の動力源などとして注目されてい
る燃料電池においては、燃料電池から排出された湿潤ガ
スであるオフガスの水分を乾燥エアに水分交換する加湿
装置が用いられている。このような燃料電池に用いられ
る加湿装置としては、電力消費量が少ないものが好適で
ある。また、取り付けスペースが小さい、いわばコンパ
クト性が求められる。そのため、加湿装置としては超音
波加湿、スチーム加湿、気化式加湿、ノズル噴射などの
種類があるものの、燃料電池に用いられる加湿装置とし
ては、中空糸膜を用いたものが好適に利用されている。
【0003】従来の中空糸膜を用いた加湿装置として、
たとえば特開平7−71795号公報に開示されたもの
がある。この加湿装置について図11を用いて説明する
と、加湿装置100は、ハウジング101を有してい
る。ハウジング101には、乾燥エアを導入する第一の
流入口102および乾燥エアを排出する第一の流出口1
03が形成されており、ハウジング101の内部に多
数、たとえば5000本の中空糸膜からなる中空糸膜束
104が収納されている。また、ハウジング101の両
端部には、中空糸膜束104の両端部を開口状態で固定
する固定部105,105′が設けられている。固定部
105の外側には、湿潤エアを導入する第二の流入口1
06が形成されており、固定部105′の外側には、中
空糸膜束104によって水分を分離・除去された湿潤エ
アを排出する第二の流出口107が形成されている。さ
らに、固定部105,105′はそれぞれ第二のヘッド
カバー108および第二のヘッドカバー109によって
覆われている。また、第二の流入口106は第一のヘッ
ドカバー108に形成されており、第二の流出口107
は第二のヘッドカバー109に形成されている。
【0004】このように構成された中空糸膜を用いた加
湿装置100において、第二の流入口106から湿潤エ
アを供給して中空糸膜束104を構成する各中空糸膜内
を通過させると、湿潤エア中の水分は、中空糸膜の毛管
作用によって分離され、中空糸膜の毛管内を透過して、
中空糸膜の外側に移動する。水分を分離させられた湿潤
エアは、第二の流出口107から排出される。一方、第
一の流入口102からは乾燥エアが供給される。第一の
流入口102から供給された乾燥エアは、中空糸膜束1
04を構成する中空糸膜の外側を通過する。中空糸膜の
外側には、湿潤エアから分離させられた水分が移動して
きており、この水分によって乾燥エアが加湿される。そ
して、加湿エアは第一の流出口103から排出されると
いうものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
中空糸膜を用いた加湿装置100は、寒冷地等で中空糸
膜モジュール内の水透過性の中空糸膜束が凍結した場
合、中空糸膜束の解凍は外気温が上昇して自然に解凍さ
れるのを待つしかなく、加湿装置100が使用できなく
なるという問題を生じていた。
【0006】本発明は、前記課題を解決するためになさ
れたものであって、寒冷地等でも中空糸膜内の水分が凍
結することなく好適に使用することのできる燃料電池用
加湿装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
になされた請求項1に記載された燃料電池用の加湿装置
は、ハウジングの長手方向に沿って配した多数の水透過
性の中空糸膜を前記ハウジング内に収納し、前記中空糸
膜の内側と外側にそれぞれ水分含有量の異なる気体を通
流して前記気体間で水分交換を行い、水分含有量の少な
い乾燥気体を加湿する燃料電池用の加湿装置において、
前記中空糸膜を収めたモジュールの温度に基づいて該モ
ジュールへ熱量を供給する発熱手段と、該発熱手段に電
力を供給するバッテリとを備え、前記燃料電池の停止後
は、前記中空糸膜束の温度を監視しながら前記バッテリ
により前記発熱手段を運転し、前記バッテリの残量が所
定値以下のときには、燃料電池の電力により前記バッテ
リの残量が所定値を超えるまで充電を行うことを特徴と
するものである。
【0008】請求項1に記載された発明によると、前記
中空糸膜を収めたモジュールの温度に基づいて該モジュ
ールへ熱量を供給する発熱手段と、該発熱手段に電力を
供給するバッテリとを備えたことにより、寒冷地等で中
空糸膜が凍結することがあっても前記発熱手段により中
空糸膜内に存在する凍結した水分を解凍して燃料電池用
加湿装置を使用することができる。また、前記燃料電
池の停止後は、前記中空糸膜束の温度を監視しながら前
記バッテリにより前記発熱手段を運転し、前記バッテリ
の残量が所定値以下のときには、燃料電池の電力により
前記バッテリの残量が所定値を超えるまで充電を行うよ
うにしたことにより、前記発熱手段に供給する充分なバ
ッテリ量を確保することができる。従って、寒冷地等で
中空糸膜が凍結することがあっても前記発熱手段により
前記中空糸膜内に存在する凍結した水分を解凍して燃料
電池用の加湿装置を使用することができる。
【0009】請求項2に記載された燃料電池用の加湿装
置は、ハウジングの長手方向に沿って配した多数の水透
過性の中空糸膜を前記ハウジング内に収納し、前記中空
糸膜の内側と外側にそれぞれ水分含有量の異なる気体を
通流して前記気体間で水分交換を行い、水分含有量の少
ない乾燥気体を加湿する燃料電池用の加湿装置におい
て、前記中空糸膜を収めたモジュールの凍結状態を検知
して該モジュールへ熱量を供給する発熱手段と、該発熱
手段に電力を供給するバッテリとを備え、前記燃料電池
の起動時には、前記バッテリにより前記発熱手段を運転
して凍結した中空糸膜束の解凍を行い、前記バッテリの
残量が所定値以下のときには、燃料電池の電力により前
記バッテリの残量が所定値を超えるまで充電を行うこと
を特徴とするものである。
【0010】請求項2に記載された発明によると、前記
中空糸膜を収めたモジュールの凍結状態を検知して該モ
ジュールへ熱量を供給する発熱手段と、該発熱手段に電
力を供給するバッテリとを備え、前記燃料電池の起動時
には、前記バッテリにより前 記発熱手段を運転して凍結
した中空糸膜束の解凍を行い、前記バッテリの残量が所
定値以下のときには、燃料電池の電力により前記バッテ
リの残量が所定値を超えるまで充電を行うようにしたこ
とにより、前記発熱手段に供給する充分なバッテリ量を
確保することができる。従って、寒冷地等で中空糸膜が
凍結することがあっても前記発熱手段により前記中空糸
膜内に存在する凍結した水分を解凍して燃料電池用の加
湿装置を使用することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る燃料電池用の
加湿装置の1実施の形態を、図1から図10を参照して
詳細に説明する。尚、図1は、本発明に係る燃料電池用
の加湿装置が適用される燃料電池システムの全体構成図
である。図2は、本発明に係る燃料電池用の加湿装置に
より加湿される燃料電池の構成を模式化した説明図であ
る。図3(a)は、本発明に係る燃料電池用の加湿装置
の構成を示す斜視図、図3(b)は、中空糸膜モジュー
ルの斜視図、図3(c)は、中空糸膜の拡大図である。
図4(a)は、本発明に係る燃料電池用の加湿装置内に
おける気体の流れを示す断面図、図4(b)は、図4
(a)のX−X断面図、図4(c)は、図4(a)のY
−Y断面図であるまた、図5(a)は、本発明に係る
燃料電池用の加湿装置に備えられた中空糸膜モジュール
のハウジング内に収納された水透過性の中空糸膜束に熱
量を供給できる発熱手段の第一実施の形態を示す断面
図、図5(b)は、図5(a)のヒータの拡大斜視図で
ある。図6は、本発明に係る燃料電池用の加湿装置が適
用される燃料電池システムを保温するための断熱材また
は真空層を有するFCボックスの概念図、図7は、本発
明に係る燃料電池用の加湿装置が適用されるFC起動時
に凍結した中空糸膜を解凍する場合の解凍フローチャー
トである。また、図8本発明に係る燃料電池用の加湿装
置が適用されるFC停止時に中空糸膜が凍結しないよう
に暖機する場合の暖機待機フローチャート、図9は、本
発明に係る燃料電池用の加湿装置が適用されるFC停止
時にバッテリ残量を確保する場合のフローチャート、図
10(a)は、本発明に係る燃料電池用の加湿装置に備
えられた中空糸膜モジュールのハウジング内に収納され
た水透過性の中空糸 膜に熱量を供給できる発熱手段の第
二実施の形態を示す断面図、図10(b)は、図10
(a)のヒータの拡大図である。
【0012】まず、図1を参照して、本発明の燃料電池
用の加湿装置が適用される燃料電池システムの全体構成
及び作用について説明する。燃料電池システムFCS
は、燃料電池1、燃料電池用の加湿装置2、気液分離装
置3、空気圧縮機4、燃焼器5、燃料蒸発器6、改質器
7、CO除去器8及び水・メタノール混合液貯蔵タンク
(以下「タンク」という)T等から構成される。、燃
料電池1は、固体高分子型の燃料電池1である。
【0013】燃料電池1は、酸化剤ガスとしての加湿空
気が酸素極側1aに供給されると共に、燃料ガスとして
の水素リッチガスが水素極側1bに供給され、水素と酸
素とを化学反応させて化学エネルギから電気エネルギを
取り出し、発電を行う。加湿空気は、乾燥気体たる外気
(空気)を圧縮及び加湿することにより発生する。ここ
で、空気(乾燥空気)の圧縮は空気圧縮機4で行い、加
湿はハウジング内の中空糸膜束に熱量を供給できる発熱
手段を備えた燃料電池用の加湿装置2で行う。ちなみ
に、燃料電池用の加湿装置2での乾燥空気の加湿は、燃
料電池1の酸素極側1aから排出され水分を多量に含む
オフガスと相対的に水分を少量しか含まない乾燥空気と
の間で、水分の交換を行うことによりなされるが、この
点は後に詳細に説明する。一方、燃料ガスは、原燃料で
ある水とメタノールの混合液を蒸発、改質及びCO除去
を行うことにより発生する。ここで、原燃料の蒸発は燃
料蒸発器6で、改質は改質器7で、CO除去はCO除去
器8で行う。ちなみに、燃料蒸発器6にはタンクTに貯
蔵された原燃料がポンプPを介して供給され、改質器7
には燃料蒸発器6で蒸発した原燃料ガス(改質用の空気
が混合されたもの)が供給され、CO除去器8には改質
器7で改質された燃料ガスが供給される。、改質器7
では触媒の存在下、メタノールの水蒸気改質及び部分酸
化が行われる。また、CO除去器8では触媒の存在下、
選択酸化が行われCOがCO2に転換される。CO除去
器8は、COの濃度を可及的に低減するため、No.1
CO除去器とNo.2CO除去器の2つから構成され
る。また、CO除去器8には、空気圧縮機4から選択酸
化用の空気が供給される。
【0014】、燃料電池1からは、未利用の水素を含
む水素極側1bのオフガス及び反応生成物である水を多
量に含む酸素極側1aのオフガスが同時に発生するが、
酸素極側1aのオフガスは、前記の通り燃料電池用の
湿装置2で空気の加湿用に使用された後、水素極側1b
のオフガスと混合され、気液分離装置3で水分が除去さ
れる。そして、水分が除去されたオフガス(混合オフガ
ス)は、燃焼器5で燃焼されて燃料蒸発器6の熱源とし
て使用される。、燃焼器5には、補助燃料(メタノー
ル等)及び空気が供給され、燃料蒸発器6の熱量不足を
補ったり燃料電池システムFCSの起動時の暖機を行っ
たりする。
【0015】次に、図2を参照して、燃料電池システム
FCSの中核をなす燃料電池の構成及び作用について説
明する。この図2における燃料電池1は、その構成を模
式化して1枚の単セルとして表現してある(実際には燃
料電池1は、単セルを200枚程度積層した積層体とし
て構成される)。図2に示すように、燃料電池1は、電
解質膜13を挟んで水素極側1bと酸素極側1aとに分
けられ、それぞれの側に白金系の触媒を含んだ電極が設
けられており、水素極14及び酸素極12を形成してい
る。そして、水素極側ガス通路15には原燃料から発生
した水素リッチな燃料ガスが通流され、酸素極側ガス通
路11には酸化剤ガスとして燃料電池用の加湿装置2で
加湿された加湿空気が通流される。電解質膜13として
は固体高分子膜、例えばプロトン交換膜であるパーフロ
ロカーボンスルホン酸膜を電解質として用いたものが知
られている。この電解質膜13は、固体高分子中にプロ
トン交換基を多数持ち、飽和含水することにより常温で
20Ωcm以下の低い比抵抗を示し、プロトン導電性電
解質として機能する。従って、触媒の存在下、水素極1
4で水素がイオン化して生成したプロトンは、容易に電
解質膜13中を移動して酸素極12に到達する。そし
て、酸素極12に到達したプロトンは、触媒の存在下、
加湿空気中の酸素から生成した酸素イオンと直ちに反応
して水を生成する。生成した水は、加湿空気と共に湿潤
気体たるオフガスとして燃料電池1の酸素極側1aの出
口から排出される。、水素極14では水素がイオン化
する際に電子e-が生成するが、この生成した電子e-
モータ等の外部負荷Mを経由して酸素極12に達する。
このように加湿した加湿空気を酸化剤ガスとして燃料電
池1に供給するのは、電解質膜13が乾燥すると電解質
膜13におけるプロトン導電性が低くなって発電効率が
低下するからである。従って、固体高分子型の燃料電池
1を使用する燃料電池システムFCSにおいては、加湿
が重要な意義を有する。ちなみに、燃料ガス側の加湿
は、原燃料である水とメタノール混合液に燃料ガスの加
湿に必要な水分量が最初から添加されているので不要で
あるが、原燃料中に加湿に必要な水分量が添加されてい
ない場合には本発明の燃料電池用の加湿装置2が適用で
きる。
【0016】続いて、図3及び図4を参照して本発明の
一実施の形態である燃料電池用の加湿装置2の構成及び
作用を説明する。燃料電池用の加湿装置2は、図3
(a)に示すように、略円柱形をした中空糸膜モジュー
ル21を並列に2本有すると共に、箱型をした一端側分
配器22及び他端側分配器23を有し、全体として直方
体形状に構成されている。2本の中空糸膜モジュール2
1,21は、一端側分配器22及び他端側分配器23に
より水平に所定の間隔を置いて配置され固定されてい
る。また、2本の中空糸膜モジュール21,21のそれ
ぞれには、一端側分配器22を介して乾燥空気の供給及
びオフガスの排出が、他端側分配器23を介して加湿さ
れてなる加湿空気の排出及びオフガスの供給がなされる
ようになっている。
【0017】中空糸膜モジュール21は、図3(b)に
示すように、ハウジング21a、及びこのハウジング2
1aに収容される中空糸膜束21bを含んで構成され
る。ハウジング21aは、両端が開放された中空円筒形
状をしている。このハウジング21aには、その両端部
近傍に開口部がそれぞれ複数個(円周方向に8個程度ず
つ)設けてある。一方、ハウジング21aに収容される
中空糸膜束21bは、図3(c)に示す中空通路を有す
る中空糸膜HFを数千本束ねたものであり、ハウジング
21aの両端面(開口部よりも端側)に中空糸膜HFの
中空通路を確保しつつお互いが散らばらないように接着
剤で固定してある。この中空糸膜束21bをハウジング
21aに接着してある部分をポッティング部21g,2
1hというが、このポッティング部21g,21hによ
り中空糸膜HFの内側である中空通路を通流するオフガ
スと中空糸膜HFの外側を通流する乾燥空気(加湿空
気)が混合しないようになっている。、この中空糸膜
モジュール21は、ハウジング21aの一端側の端面が
オフガス流出口21doutとして使用され、他端側の端
面がオフガス流入口21dinとして使用される。また、
ハウジング21aの一端側の円周方向の開口部が乾燥空
気流入口21cinとして使用され、他端側の円周方向の
開口部が加湿空気流出口21coutとして使用される。
ちなみに、このような中空糸膜モジュール21は、ハウ
ジング21aに所定数の中空糸膜HF・HF・・の束を
挿通し、両端面近傍を接着剤で充分接着固定した後、ハ
ウジング21aの両端に沿って中空糸膜HF・HF・・
の束を切断除去することにより作成される。、中空糸
膜モジュール21のハウジング21a内に収納される中
空糸膜束に熱量を供給できる発熱手段の詳細については
後述する。
【0018】一端側分配器22は、前記したように他端
側分配器23と共に、2本の中空糸膜モジュール21,
21を所定の位置関係で固定するが、この一端側分配器
22は、オフガス出口22a及び乾燥空気入口22bを
有する。オフガス出口22aと各中空糸膜モジュール2
1のオフガス流出口21doutは、一端側分配器22の
内部に配した内部流路22a’により連結されている
(図4(a),(b)参照)。同様に、乾燥空気入口22bと
各中空糸膜モジュール21の乾燥空気流入口21cin
は、一端側分配器22の内部に配した内部流路22b’
により連結されている(図4(a),(c)参照)。
【0019】一方、他端側分配器23も、オフガス入口
23a及び加湿空気出口23bを有する。オフガス入口
23aと各中空糸膜モジュール21のオフガス流入口2
1dinは、他端側分配器23の内部に配した内部流路2
3a’により連結されている(図4(a)参照)。同様
に、加湿空気出口23bと各中空糸膜モジュール21の
加湿空気流出口21coutは、他端側分配器23の内部
に配した内部流路23b’により連結されている(図4
(a)参照)。
【0020】前記中空糸膜モジュールに使用される中空
糸膜HFは、図3(c)に示すように内径が300マイ
クロメートルから700マイクロメートル程度の細い円
筒形の中空糸である。中空糸膜HFが細いために中空糸
膜モジュール当りの膜充填密度が大きくかつ高圧に耐え
るという特徴がある。この中空糸膜HFによる水分の分
離原理は、湿潤気体であるオフガスを中空糸膜HFの内
側に通流すると中空糸膜HFの毛管中で蒸気圧が低下す
るので毛管中に水蒸気の凝縮が起こり凝縮水となる。こ
の凝縮水が毛管現象により吸い出されて中空糸膜HFの
外側の乾燥気体側に透過するという中空糸膜HFの毛管
作用を利用したものである。
【0021】次に、図3及び図4を参照して燃料電池用
加湿装置2の作用を説明する。湿潤気体たるオフガス
は、他端側分配器23のオフガス入口23aから燃料電
池用の加湿装置2に入り、内部流路23a’を経由して
中空糸膜モジュール21のオフガス流入口21dinに達
する。オフガスは、ここから分岐して中空糸膜束21b
を構成する各中空糸膜HF・HF・・の内側を通流す
る。この際オフガスは、含有する水分を中空糸膜HFの
外側を通流する乾燥空気に与える。中空糸膜HFの内側
を通流したオフガスは、オフガス流出口21doutから
中空糸膜HFを抜け出る。各中空糸膜HF・HF・・を
抜け出たオフガスは、図4(b)に示すように、合流し
て内部流路22a’を通ってオフガス出口22aに達
し、後段の気液分離装置3に向かう。、前記の通り他
端側分配器23の内部流路23a’は、2本ある中空糸
膜モジュール21,21のそれぞれに連結されているの
で、オフガスは、各中空糸膜モジュール21に分配され
る。この点、一端側分配器22の内部流路22a’と同
じであるので、説明を省略する。
【0022】一方、乾燥気体たる乾燥空気は、一端側分
配器22の乾燥空気入口22bから燃料電池用の加湿装
置2に入り、内部流路22b’を経由して中空糸膜モジ
ュール21の乾燥空気流入口21cinに達する。乾燥空
気は、ここからハウジング21aの内側全体に行き渡っ
て中空糸膜HFの外側を通流する。この際乾燥空気は、
オフガスから水分の供給を受けて加湿され加湿空気にな
る。加湿空気は、加湿空気流出口21coutからハウジ
ング21aを抜け出し、内部流路23b’を通って加湿
空気出口23bに達し、後段の燃料電池1に向かう。
、前記の通り一端側分配器22の内部流路22b’
は、図4(c)に示すように、2本ある中空糸膜モジュ
ール21のそれぞれに連結されているので、乾燥空気
は、各中空糸膜モジュール21に分配される。この点、
他端側分配器23の内部流路23b’も同じであるの
で、説明を省略する。
【0023】このように中空糸膜モジュール21をパッ
ケージングすることにより、取り扱いの容易さを確保し
つつ省スペース化を図ることができる。
【0024】次に、車両に搭載された本発明の燃料電池
用の加湿装置に使用される水透過性の中空糸膜束に熱量
を供給することができる発熱手段の実施の形態について
図面を参照して説明する。燃料電池用の加湿装置2の中
空糸膜モジュール21のハウジング21a内に収納され
た多数の水透過性の中空糸膜からなる中空糸膜束に熱量
を供給することができる発熱手段の第一実施の形態は、
図5(a)に示すように、中空糸膜モジュール21のハ
ウジング31内に収納された中空糸膜束36の中に埋め
込んだフィン37b付きのヒータ37と温度を測定する
ための3本の熱電対TCとから構成され、熱電対TCの
温度を見ながら中空糸膜束36全体に熱量を供給できる
ようにしたものである。
【0025】ヒータ本体37aの形状は、図5(b)に
示すように棒状をしており、ヒータ本体37aから外側
に向かって放射状に4枚のフィン37bが突出して固設
されている。フィン37bの形状は台形であり、外側に
台形の上底がくるように固設されている。フィン37b
を設けることによりヒータ本体37aから中空糸膜束3
6全体に効率よく熱量を供給できる。また、ヒータ本体
37aの端部には2本のリード線37c,37dが設け
られている。リード線37c,37dを設けることによ
り、ヒータ37にバッテリまたは車外からの電力を供給
することができる。、図5(b)はフィン37b付き
の電気ヒータを示しているが、加熱源として電気の替わ
りに温水を使用することもできる。この場合、前記ヒー
タ本体37aはフィン付きの熱交換器となり、リード線
37c,37dの替わりに温水供給用の配管が用いられ
る。温水は、例えば燃料電池本体を冷却した後の冷却水
(温度80℃)を使用することもできる。
【0026】熱電対TCは、ハウジング31内の長手方
向上部に適宜間隔で3本設けられている。各熱電対TC
は、中空糸膜モジュール21の中心部の温度を測定する
ため、温度測定センサ部が中空糸膜モジュール21の中
心部の所定の位置となるように設けられている。温度測
定精度を上げるために熱電対TCは4本以上設けてもよ
い。このように3本熱電対TCを設けることにより、測
定温度の値から中空糸膜モジュール21の中心部で中空
糸膜束36が凍結しているのかまたは解凍しているのか
を判断できる。
【0027】以上のように構成することにより、熱電対
の測定温度をみながら発熱手段であるヒータ37により
熱量を供給できるようになるので、中空糸膜が凍結して
もヒータ37で解凍することにより燃料電池用の加湿装
が使用できるようになる。また、何らかの理由で乾
燥空気中の加湿水量が低下した場合でも、水透過性の中
空糸膜に熱量を供給することにより加湿水量を増やすこ
とができるので、燃料電池に安定した加湿水量を供給で
きる。、熱電対の測定温度を見ながら凍結した中空糸
膜を解凍する方法の詳細は後述する。
【0028】さらに、燃料電池システムFCSを保温す
るために、図6に示すように、断熱材充填層または真空
層を有する箱の中に、燃料蒸発器6および改質器7を除
いた燃料電池システム全体を収納し密閉する。断熱材は
シリカ・アルミナ系の粉末状のもの(例えばパーライ
ト)が使用されるが、ブランケットタイプの断熱材を充
填して使用しても良い。また、真空層を設ける場合の真
空度は魔法瓶程度の真空度である1.33×10-2Pa
よりも高真空であればよい。前記粉末状の断熱材(例え
ばパーライト)を真空層に充填した真空断熱層を設けれ
ば、より保温効果が向上する。このように、中空糸膜モ
ジュールの中空糸膜束の中にフィン付きのヒータと温度
を測定するための3本の熱電対を埋め込んで中空糸膜モ
ジュール全体に熱量を供給できるようにし、断熱材充填
層または真空層を有する箱の中に、燃料蒸発器および改
質器を除いた燃料電池システム全体を収納し密閉するこ
とにより、燃料電池システムの保温効果を向上させるこ
とができる。その結果、燃料電池システムを使用時にす
ばやく起動できる。
【0029】次に、本発明に係わる燃料電池用の加湿装
置に使用される中空糸膜束が凍結した場合に、燃料電池
の運転状況に応じてバッテリ電源を確保して、発熱手段
であるヒータにより中空糸膜束を解凍する場合の解凍方
法について図7乃至図9を参照して説明する。最初に、
燃料電池の起動時に、燃料電池が発電を開始する前の状
態で既にバッテリ電源を確保し、該バッテリ電源により
発熱手段であるヒータを運転して、凍結した中空糸膜束
の解凍を行う場合の解凍方法について図5及び図7を参
照して説明する。 <FC起動時の解凍フローチャートの説明> 1.燃料電池を起動するようにスタート指令が発令され
る(S1)。 2.3本の熱電対TCの温度測定値より中空糸膜モジュ
ール21の中空糸膜束36の温度が0℃以下かどうかを
判断する(S2)。この時、中空糸膜束36の温度が0
℃以下の場合はヒータ37を起動する(S3)。一方、
中空糸膜の温度が0℃を超える場合は以下のように処理
する。 A)ヒータ37を停止する(S5)。 B)ヒータ37を停止した後バッテリの残量が50%以
下かどうかを判断する(S6)。 C)判断した結果、バッテリ残量が50%以下の場合は
燃料電池を起動してバッテリを充電する(S7)。 D)一方、バッテリ残量が50%を超える場合は解凍作
業を終了する。 3.ヒータ37を起動した(S3)後、中空糸膜束36
の温度が5℃以上かどうかを判断する(S4)。この
時、中空糸膜束36の温度が5℃以上の場合はヒータ3
7を停止する(S5)。一方、中空糸膜束36の温度が
5℃未満の場合はヒータ37の運転を中空糸膜束36の
温度が5℃以上となるまで続行する(S3)。 4.ヒータ37を停止(S5)した後バッテリの残量が
50%以下かどうかを判断する(S6)。この時、バッ
テリの残量が50%以下の場合は燃料電池を起動してバ
ッテリを充電する(S7)。一方、バッテリの残量が5
0%を超える場合は解凍作業を終了する。このように燃
料電池を起動する前は、すでに50%を超えて充電され
ているバッテリを電源としてヒータ37を運転し、解凍
する必要がなくなってヒータ37を停止した場合は必ず
バッテリの残量をチェックするようにして、もしもバッ
テリ残量が50%以下の場合には、燃料電池を起動して
バッテリを充電し、反対にバッテリ残量が50%を超え
る場合には、燃料電池を停止するようにすることによ
り、確実にヒータ37の電源を確保できるので凍結した
中空糸膜束をいつでもヒータで解凍することができる。
従って、寒冷地等でも燃料電池用の加湿装置が使用でき
る。尚、ヒータ37の運転中にバッテリが上がって(バ
ッテリ残量不足となって)しまい燃料電池システムが作
動しなくなることも考えられるが、バッテリが上がらな
いようになっていることは後述する。
【0030】次に、燃料電池を停止した後に、中空糸膜
束の温度を監視しながらバッテリ電源により発熱手段で
あるヒータを運転して、水透過性の中空糸膜束が凍結し
ないように暖機を行う場合の方法について図5及び図8
を参照して説明する。 <燃料電池停止時の暖機待機フローチャートの説明> 1.燃料電池を停止する(S11)。 2.3本の熱電対TCの温度測定値より中空糸膜束36
の温度が0℃以下かどうかを判断する(S12)。中空
糸膜束36の温度が0℃以下の場合はヒータ37を起動
する(S13)。一方、中空糸膜束36の温度が0℃を
超える場合は以下のように処理する。 E)ヒータ37を停止する(S15)。 F)バッテリの残量が50%以下かどうかを判断する
(S16)。 G)バッテリの残量が50%以下の場合は燃料電池を起
動しバッテリを充電する(S17)。 H)一方、バッテリの残量が50%を超える場合は、燃
料電池を停止する(S11)。 3.ヒータ37を起動した(S13)後、中空糸膜束3
6の温度が5℃以上になったかどうかを判断する(S1
4)。中空糸膜束36の温度が5℃以上の場合はヒータ
37を停止する(S15)。中空糸膜束36の温度が5
℃未満の場合は5℃以上となるまでヒータ37の運転を
続行する(S13)。 4.ヒータ37停止(S15)後バッテリの残量が50
%以下かどうかを判断する(S16)。バッテリの残量
が50%以下の場合は燃料電池1を起動し、バッテリ残
量が50%を超えるまでバッテリを充電する(S1
7)。一方、バッテリの残量が50%を超える場合は、
燃料電池1を停止する(S11に戻る)。このように燃
料電池を停止した後、すでに50%を超えて充電されて
いるバッテリを電源としてヒータ37を運転し、ヒータ
を停止した場合は必ず前記バッテリの残量をチェックす
るようにする。前記バッテリ残量が常に50%以下にな
らないように燃料電池を起動してバッテリを充電するよ
うにしたことにより、確実にヒータ37の電源を確保で
きるので、凍結した中空糸膜束をいつでもヒータで解凍
することができる。従って、寒冷地等でも燃料電池用の
加湿装置が使用できる。尚、ヒータ37の運転中にバッ
テリが上がって(バッテリ残量不足となって)しまい燃
料電池システムが作動しなくなることも考えられるが、
バッテリが上がらないようになっていることは後述す
る。
【0031】次に、燃料電池を停止するように停止指令
が発令されたときに、発熱手段であるヒータの電源とな
るバッテリ残量を確保してから燃料電池を停止する場合
のバッテリ残量を確保する方法について図5及び図9を
参照して説明する。 <燃料電池の停止時にヒータの電源となるバッテリ残量
を確保するフローチャートの説明> 1.燃料電池の停止指令が発令される(S21)。 2.バッテリの残量が50%以下かどうかを判断する
(S22)。この時、バッテリの残量が50%以下の場
合はバッテリ残量を確認しながらバッテリを充電する
(S23)。バッテリの残量が50%を超えたら燃料電
池を停止する(S24)。一方、バッテリの残量が50
%を超える場合は、燃料電池を停止する(S24)。 3.燃料電池の停止時に中空糸膜束36を解凍するため
のヒータ37の電源となるバッテリ残量を確保する作業
終了。このように燃料電池を停止する前に、バッテリの
残量が50%以下かどうかバッテリ残量をチェックし、
バッテリの残量が50%以下の場合にはバッテリを充電
して常にバッテリ残量が50%を超えてから燃料電池を
停止するようにしたので、燃料電池が停止した後であっ
てもバッテリ残量が50%を超えるバッテリ電源が確保
できる。その結果、燃料電池を停止した後であってもヒ
ータの電源を確実に確保することができる。また、充分
なバッテリ量が確保できるので、燃料電池の起動時や暖
機待機中のヒータ37の運転中にバッテリが上がってし
まうこともなくなる。
【0032】以上説明したように、発熱手段の第一実施
の形態によれば、燃料電池の運転状況に合わせて電源を
確保し、中空糸膜束の温度およびバッテリ残量を見なが
らヒータ37を運転することにより、いつでもどこでも
凍結した中空糸膜束を解凍したり中空糸膜束の凍結を防
止したりすることができる。
【0033】次に燃料電池用の加湿装置2の中空糸膜モ
ジュール21のハウジング21a内に収納された水透過
性の中空糸膜束に熱量を供給することができる発熱手段
の第二実施の形態は、図10(a)に示すように、中空
糸膜モジュール21のハウジング41内に収納された中
空糸膜束の温度を測定するための3本の熱電対TCとハ
ウジング41の外側を囲繞するヒータ47とから構成さ
れ、熱電対TCの温度を見ながらヒータ47によりハウ
ジング41の外側から中空糸膜束46全体に熱量を供給
できるようにしたものである。
【0034】ヒータ本体47aはフレキシブルヒータで
あり、ハウジング41の外側全体を螺旋状に囲繞するよ
うに巻き廻されて設けられている。ヒータ本体47aの
形状は螺旋状であり、両側端子には電気を供給するため
の接続端子47c,47dが設けられている。図10
(b)は電気ヒータを示しているが加熱源としては温水
を使用することもできる。この場合、前記ヒータ本体4
7aは蛇管コイルタイプの熱交換器となり、リード線4
7c,47dの変わりに温水供給用の配管が用いられ
る。温水は、例えば燃料電池本体を冷却した後の冷却水
(温度80℃)を使用することもできる。
【0035】ハウジング41の長手方向上部には、10
(a)に示すように、3本の熱電対TCが適宜間隔で設
けられている。各熱電対TCは、中空糸膜モジュール2
1の中心部の温度を測定するため、温度測定センサ部が
中空糸膜モジュール21の中心部の所定の位置となるよ
うに設けられる。熱電対TCは4本以上設けてもよい。
このように熱電対を設けることにより、測定温度の値か
ら中空糸膜モジュールの中心部で凍結した中空糸膜束が
凍結しているのかまたは解凍しているのかを判断でき
る。
【0036】さらに、燃料電池システムFCSを保温す
るために、図6に示すような断熱材または真空層を有す
る箱の中に、燃料蒸発器6および改質器7を除いた燃料
電池システム全体を収納し密閉する。断熱材はシリカ・
アルミナ系の粉末状のもの(例えばパーライト)が使用
されるが、ブランケットタイプの断熱材を充填して使用
しても良い。真空層の真空度は魔法瓶程度の真空度であ
る1.33×10-2Pa程度であれば良い。以上のよう
な構成とすることにより、燃料電池システムの保温効果
を向上させることができ、使用時に燃料電池システムを
すばやく起動できる。
【0037】以上のように構成することにより、熱電対
の測定温度を見ながら発熱手段であるヒータにより熱量
を供給できるようになるので、中空糸膜が凍結してもヒ
ータで解凍することにより燃料電池用の加湿装置が使用
できるようになる。また、何らかの理由で乾燥空気中の
加湿水量が低下した場合でも、水透過性の中空糸膜に熱
量を供給することにより加湿水量を増やすことができる
ので、燃料電池に安定した加湿水量を供給できる。
発熱手段であるヒータ47により熱電対TCの測定温度
およびバッテリ残量を見ながら凍結した中空糸膜束46
を解凍する方法は第一実施の形態と同じなのでここでの
説明は省略する。
【0038】以上、本発明は、上記説明した実施の形態
に限定されることなく幅広く変更実施することができ
る。例えば、燃料電池用の加湿装置は、燃料電池ばかり
でなく他の用途にも適用することができる。また、中空
糸膜の外側に湿潤気体であるオフガスを通流し、その内
側に乾燥気体である乾燥空気(加湿空気)を通流しても
よい。さらに実施の形態ではオフガスと乾燥空気は向流
に流してあるが並流に流しても良い。
【0039】ここで、乾燥空気とオフガスを向流または
並流で流したときのそれぞれの長所について説明する。
乾燥空気とオフガスを向流で流したときの長所として
は、中空糸膜内の湿度差を均一化することができるの
で、水透過率が向上することが挙げられる。また、気体
の入口と出口が対向することになるので、ガス配管のレ
イアウト性が向上する。さらには、中空糸膜による熱交
換率が良くなるので、ガスの冷却性能が向上する、しか
も、熱交換率が高いので、乾燥空気の出口の温度をオフ
ガスの出口温度に合わせやすいため、温度調節が容易と
なる。従って、燃料電池へ供給する空気の湿度を管理し
やすくなる。一方、乾燥空気とオフガスを並流とする長
所としては、乾燥空気とオフガスが入口部分で湿度差が
大きいので、加湿効率が向上するため、中空糸膜自体の
全長を短縮でき、装置を小型化できるので、中空糸を整
列させて束ねることが容易となり、これらのことによ
り、コストの低減に寄与する。さらには、乾燥空気の熱
交換率が低くなるので、高出力時に燃料電池に供給する
ガス温度を高めに設定することができる。従って、燃料
電池の効率を向上させることができる。
【0040】最後に、燃料電池用の加湿装置が有する温
度調節機能について補足する。例えば、スーパーチャー
ジャなどの空気圧縮機で圧縮された乾燥空気は、おおよ
そ30℃(燃料電池のアイドリング時)〜120℃(燃
料電池の最高出力時)の間で温度が変化する。一方、燃
料電池は温度調節下約80℃で運転され、80℃+α程
度のオフガスが排出される。このオフガスと空気圧縮機
で圧縮された乾燥空気を燃料電池用の加湿装置に通流す
れば、中空糸膜において水分移動と共に熱移動も起こ
り、乾燥空気はオフガスに近い温度(つまり燃料電池の
運転温度に近い安定した温度)の加湿空気になって燃料
電池に供給される。即ち、乾燥空気は、燃料電池のアイ
ドリング時などの低出力時には燃料電池用の加湿装置に
より加湿及び加温されて燃料電池に供給され、燃料電池
の最高出力時などの高出力時には燃料電池用の加湿装置
により加湿及び冷却され、安定した温度範囲の加湿空気
として燃料電池に供給される。従って、燃料電池用の
湿装置が有する温度調節機能により燃料電池を好適な温
度条件で運転することができ、燃料電池の発電効率が高
くなる。また、空気圧縮機の吐出側にインタークーラが
取り付けられる場合は、空気圧縮機で圧縮された乾燥空
気は冷却(又は加温)され、おおよそ50℃(燃料電池
のアイドリング時)〜60℃(燃料電池の最高出力時)
の間で温度が変化する。このインタークーラを通過した
乾燥空気をオフガス(80℃+α)が通流する燃料電池
用の加湿装置に通流すれば、乾燥空気は、中空糸膜にお
いて加湿及び温度調節(加温)されオフガスに近い温
度、つまり燃料電池の運転温度に近い安定した温度範囲
の加湿空気になって燃料電池に供給される。従って、イ
ンタークーラが取り付けられた場合も、燃料電池用の
湿装置が有する温度調節機能により燃料電池を好適な温
度条件で運転することができ、燃料電池の発電効率が高
くなる。
【0041】
【発明の効果】以上の構成と作用から明らかなように、 1.請求項1に記載の発明によれば、前記中空糸膜を収
めたモジュールの温度に基づいて該モジュールへ熱量を
供給する発熱手段と、該発熱手段に電力を供給するバッ
テリとを備えたことにより、寒冷地等で中空糸膜が凍結
することがあっても前記発熱手段により中空糸膜内に存
在する凍結した水分を解凍して燃料電池用の加湿装置を
使用することができる。また、前記燃料電池の停止後
は、前記中空糸膜束の温度を監視しながら前記バッテリ
により前記発熱手段を運転し、前記バッテリの残量が所
定値以下のときには、燃料電池の電力により前記バッテ
リの残量が所定値を超えるまで充電を行うようにしたこ
とにより、前記発熱手段に供給する充分なバッテリ量を
確保することができる。従って、寒冷地等で中空糸膜が
凍結することがあっても前記発熱手段により前記中空糸
膜内に存在する凍結した水分を解凍して燃料電池用の加
湿装置を使用することができる。 2.請求項2に記載の発明によれば、前記中空糸膜を収
めたモジュールの凍結状態を検知して該モジュールへ熱
量を供給する発熱手段と、該発熱手段に電力を供給する
バッテリとを備え、前記燃料電池の起動時には、前記バ
ッテリにより前記発熱手段を運転して凍結した中空糸膜
束の解凍を行い、前記バッテリの残量が所定値以下のと
きには、燃料電池の電力により前記バッテリの残量が所
定値を超えるまで充電を行うようにしたことにより、前
記発熱手段に供給する充分なバッテリ量を確保すること
ができる。従って、寒冷地等で中空糸膜が凍結すること
があっても前記発熱手段により前記中空糸膜内に存在す
る凍結した水分を解凍して燃料電池用の加湿装置を使用
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る燃料電池用の加湿装置が適用され
る燃料電池システムの全体構成図である。
【図2】本発明に係る燃料電池用の加湿装置により加湿
される燃料電池の構成を模式化した説明図である。
【図3】(a)本発明に係る燃料電池用の加湿装置の構
成を示す斜視図である。 (b)中空糸膜モジュールの斜視図である。 (c)中空糸膜の拡大図である。
【図4】(a)本発明に係る燃料電池用の加湿装置内に
おける気体の流れを示す断面図である。 (b)図4(a)のX−X断面図である。 (c)図4(a)のY−Y断面図である。
【図5】(a)本発明に係る燃料電池用の加湿装置に備
えられた中空糸膜モジュールのハウジング内に収納され
た水透過性の中空糸膜束に熱量を供給できる発熱手段の
第一実施の形態を示す断面図である。 (b)図5(a)のヒータの拡大斜視図である。
【図6】本発明に係る燃料電池用の加湿装置が適用され
る燃料電池システムを保温するための断熱材または真空
層を有するFCボックスの概念図である。
【図7】本発明に係る燃料電池用の加湿装置が適用され
るFC起動時に凍結した中空糸膜を解凍する場合の解凍
フローチャートである。
【図8】本発明に係る燃料電池用の加湿装置が適用され
るFC停止時に中空糸膜が凍結しないように暖機する場
合の暖機待機フローチャートである。
【図9】本発明に係る燃料電池用の加湿装置が適用され
るFC停止時にバッテリ残量を確保する場合のフローチ
ャートである。
【図10】(a)本発明に係る燃料電池用の加湿装置に
備えられた中空糸膜モジュールのハウジング内に収納さ
れた水透過性の中空糸膜に熱量を供給できる発熱手段の
第二実施の形態を示す断面図である。 (b)図10(a)のヒータの拡大図である。
【図11】従来の燃料電池用の加湿装置を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
1 燃料電池 2 燃料電池用の加湿装置 21 中空糸膜モジュール 21a ハウジング 21b 中空糸膜束 21cin 乾燥空気流入口 21cout 加湿空気流出口 21din オフガス流入口 21dout オフガス流出口 22 一端側分配器 22a オフガス出口 22a’ 内部流路 22b 乾燥空気入口 22b’ 内部流路 23 他端側分配器 23a オフガス入口 23a’ 内部流路 23b 加湿空気出口 23b’ 内部流路 31,41 ハウジング 36,46 中空糸膜束 37,47 ヒータ 37c,37d リード線 47c,47d 接続端子 TC 熱電対 HF 中空糸膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 草野 佳夫 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (56)参考文献 特開 平11−300141(JP,A) 特開 平6−11160(JP,A) 特開 平7−55210(JP,A) 特開 平11−51427(JP,A) 特開 平5−33975(JP,A) 特開 平10−74532(JP,A) 特開 平8−273687(JP,A) 特開 平7−245116(JP,A) 実開 平2−70719(JP,U) 実開 平5−8330(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 8/04 H01M 8/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジングの長手方向に沿って配した多
    数の水透過性の中空糸膜を前記ハウジング内に収納し、
    前記中空糸膜の内側と外側にそれぞれ水分含有量の異な
    る気体を通流して前記気体間で水分交換を行い、水分含
    有量の少ない乾燥気体を加湿する燃料電池用の加湿装置
    において、前記中空糸膜を収めたモジュールの温度に基
    づいて該モジュールへ熱量を供給する発熱手段と、該発
    熱手段に電力を供給するバッテリとを備え、前記燃料電池の停止後は、前記中空糸膜束の温度を監視
    しながら前記バッテリにより前記発熱手段を運転し、
    記バッテリの残量が所定値以下のときには、燃料電池の
    電力により前記バッテリの残量が所定値を超えるまで充
    電を行うことを特徴とする燃料電池用の加湿装置。
  2. 【請求項2】 ハウジングの長手方向に沿って配した多
    数の水透過性の中空糸膜を前記ハウジング内に収納し、
    前記中空糸膜の内側と外側にそれぞれ水分含有量の異な
    る気体を通流して前記気体間で水分交換を行い、水分含
    有量の少ない乾燥気体を加湿する燃料電池用の加湿装置
    において、前記中空糸膜を収めたモジュールの凍結状態
    を検知して該モジュールへ熱量を供給する発熱手段と、
    該発熱手段に電力を供給するバッテリとを備え、前記燃料電池の起動時には、前記バッテリにより前記発
    熱手段を運転して凍結した中空糸膜束の解凍を行い、 前記バッテリの残量が所定値以下のときには、燃料電池
    の電力により前記バッテリの残量が所定値を超えるまで
    充電を行うことを特徴とする燃料電池用の加湿装置。
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