JP3430135B2 - 磁粉探傷法および磁粉探傷装置 - Google Patents

磁粉探傷法および磁粉探傷装置

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JP3430135B2 JP2000282057A JP2000282057A JP3430135B2 JP 3430135 B2 JP3430135 B2 JP 3430135B2 JP 2000282057 A JP2000282057 A JP 2000282057A JP 2000282057 A JP2000282057 A JP 2000282057A JP 3430135 B2 JP3430135 B2 JP 3430135B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は非破壊検査法に関
し、さらに、詳細には、強磁性材料を磁化し、割れなど
の欠陥の部分に生じる磁気の乱れを検知することにより
材料の欠陥を検出する方法である磁粉探傷法およびその
方法の実施に使用する磁粉探傷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】強磁性体の表面または表面直下に存在す
る欠陥を検出する方法として、被探傷材を磁化し、欠陥
部よりの漏れ磁束に磁粉を吸引させて生じる磁粉模様を
観察することにより欠陥を検出する方法である磁粉探傷
法は広く使用されている。
【0003】この磁粉探傷法は、図8に示すように、強
磁性材である被探傷材31上に磁石32を載置し、被探
傷材31を磁石32で磁化して表面近傍の欠陥33の部
分に現れる漏れ磁束34に磁粉35を吸引させて磁粉模
様を生じさせ、微小欠陥を可視化させる方法であり、J
IS−G0565−1992に規定された方法は、磁粉
を探傷面に空気とともに吹き付けるか、または、磁粉を
均一に分散させた検査液を探傷面上に静かに流して、漏
れ磁束が生じている部分に現れる磁粉模様を肉眼にて直
接観察する方法(以下「JISの磁粉探傷法」という)
である。
【0004】しかし、上記JISの磁粉探傷法は、微小
欠陥の検出に使用した場合、漏れ磁束が小さくて磁粉を
吸引する磁力が弱いので、空気あるいは液体とともに磁
粉を流すと、その流れの慣性力のために漏れ磁束部位に
磁粉を吸引しにくく、被探傷材を磁化しながら連続的に
磁粉を流す必要があり、目視で判断できる状態にするに
は時間がかかるという欠点がある。また、探傷面が傾斜
していると、検査液の重力のために磁粉の移動速度が速
くなり、漏れ磁束に磁粉を吸引するのが困難になり、特
に、探傷面が鉛直方向であると、洩れ磁束に磁粉を吸引
させるのにかなりの熟練を要する。さらに、探傷面が予
め十分に清掃されていないと、探傷面と磁粉模様とのコ
ントラストがつきにくくなるので、探傷前に探傷面を予
め十分に清掃しておかなければならないという煩わしい
作業が必要であり、探傷作業後には磁粉や液体の除去と
清掃作業が必要である。その上、磁粉の再使用が不可能
であり、経済的に不利である。そして、探傷面に凹凸が
あると、磁粉が凹部に溜まり、疑似模様が欠陥と誤判断
される可能性がある。
【0005】また、特公昭60−34066号公報に
は、図9(a)に模式的に示すように、磁粉を分散させ
た検査液36を密閉された可撓性容器37に封入し、非
導電性弾性薄膜38を被探傷材に押しつけ、欠陥部の漏
洩磁束による磁粉模様を非導電性弾性薄膜38上に画か
せて、この磁粉模様を容器37の透明部39を通して観
察する方式のもの(以下「従来の磁粉探傷法1」とい
う)が記載されている。この従来の磁粉探傷法1は、漏
れ磁束の大きい大型欠陥を対象とする場合には適用する
ことが可能である。しかし、一般構造物の微小欠陥の検
出に適用するのは困難である。というのは、従来の磁粉
探傷法1もJISの磁粉探傷法と同じく、磁粉を吸引す
る漏れ磁束の磁力が小さく、図9(b)に示すように、
被探傷材40の表面の微小欠陥41に対応して生じる洩
れ磁束の磁力の及ぶ範囲の検査液中に分散した磁粉を凝
集し、凝集物42を生じさせても、その凝集量が少ない
ので、探傷前に透明部39から見た状態を示す図9
(c)と、磁粉の凝集物42による磁粉模様43を透明
部39から見た状態を示す図9(d)との差異はそれほ
ど明瞭でなく(磁粉模様43がうすくて判別しにく
く)、欠陥の検出が困難である。そこで、検査液中の磁
粉の濃度を高めると、凝集磁粉量は多くなるが、検査液
自体が磁粉により黒ずむなど、磁粉の凝集部分と他の部
分とのコントラストがつきにくくなる。また、連続的に
探傷する場合は、直前の探傷による磁粉の凝集物を再度
均一に分散させなければ、明確な磁粉模様を得ることは
できないが、密閉容器37内の液体を流動化させること
は難しく、液体と磁粉の相対的な動きを液体の流れによ
り生じさせることも困難である。さらに、凹凸のある面
を探傷する際、非導電性弾性薄膜38が可撓性を有する
としても、凸部に接触する容器の検査液の高さ(H)が
減少し、磁粉模様にバラツキが生じ、欠陥の検出感度が
低下する。
【0006】さらに、特公昭61−45186号公報に
は、図10(b)に示すように、透明可撓性薄膜44と
白色可撓性薄膜45からなる可撓性ベルト46内の空間
に磁粉を含有する検査液47を封入し、図10(a)に
示すように、この可撓性ベルト46を3本の遊動輪48
と1本の駆動輪49との間に架け渡し、磁化電極50に
よって被探傷材51を連続的に磁化し、無限軌道を構成
する可撓性ベルト46を被探傷材51に接触させつつ磁
粉探傷する構成のもの(以下「従来の磁粉探傷法2」と
いう)が記載されている。しかし、この従来の磁粉探傷
法2は、可撓性容器が可撓性ベルトに代わっただけで、
上記した従来の磁粉探傷法1と同様の欠点を有してい
る。
【0007】そこで、本出願人は、先に、微小欠陥の検
出感度が大きくて微小欠陥の有無の判定が容易な磁粉探
傷法および磁粉探傷装置に関する発明について特許出願
を行った(特願平11−189328号)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、欠陥の検出
感度を向上させるためには、磁気シートを被探傷材に極
力密着させることが好ましいが、被探傷材の表面に凹凸
がある場合、その密着作業はなかなか困難である。ま
た、探傷面が傾斜していたり、探傷面が鉛直方向である
と、磁気シートを被探傷材の探傷面に当接させて磁粉探
傷が可能な状態にするために長時間を要することがあ
る。さらに、探傷面の傾斜方向によっては、磁気シート
を被探傷材の探傷面に当接させることが実質的に不可能
な場合がある。
【0009】本発明は従来の技術の有するこのような問
題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、被探
傷材の表面状況や探傷面の傾斜方向に関係なく磁気シー
を被探傷材の探傷面に当接させて、微少欠陥を検出す
ることができる、作業性に優れた磁粉探傷法および磁粉
探傷装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、マイクロカプセルに相当する大きさの直径
を有する多数の小室を備えた磁気シートを準備し且つこ
れらの小室に磁粉を分散させた分散媒を封入し、ロール
状に巻き取られた磁気シートを必要長さだけ取り出して
その磁気シートを被探傷材の探傷面に当接させるか又は
粘着剤を塗布した磁気シートのその粘着剤塗布面を被探
傷材の探傷面に当接させ、被探傷材を磁化器で磁化する
と、被探傷材の表面または表面近傍に存在する微小欠陥
に起因して生じる漏れ磁束の磁力により磁粉は瞬時に小
室内を泳動し、磁気シートに一定の磁粉模様を形成す
る。この磁粉模様を観察することにより、微小欠陥を高
感度で検出することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】即ち、本発明の方法は、被探傷材
を磁化器で磁化し、被探傷材の表面または表面近傍に存
在する磁束の通過を妨げる欠陥により該欠陥直上の空間
に漏れ磁束を生じさせ、該洩れ磁束で磁粉を吸引するこ
とにより形成される磁粉模様に基づいて欠陥を検出する
磁粉探傷法において、マイクロカプセルに相当する大き
さの直径を有する多数の小室を備えた磁気シートを準備
し且つこれらの小室に磁粉を分散させた分散媒を封入
し、該磁気シートはロール状に巻き取られており、該ロ
ール状に巻き取られた磁気シートを必要長さだけ取り出
してその磁気シートを被探傷材の探傷面に当接し、探傷
後、磁気シートを被探傷材から引き離し、磁気シートに
画かれた磁粉模様を観察して欠陥を検出することを特徴
としている。また、本発明の方法は、被探傷材を磁化器
で磁化し、被探傷材の表面または表面近傍に存在する磁
束の通過を妨げる欠陥により該欠陥直上の空間に漏れ磁
束を生じさせ、該洩れ磁束で磁粉を吸引することにより
形成される磁粉模様に基づいて欠陥を検出する磁粉探傷
法において、マイクロカプセルに相当する大きさの直径
を有する多数の小室を備えた磁気シートを準備し且つこ
れらの小室に磁粉を分散させた分散媒を封入し、該磁気
シートに粘着剤を塗布して粘着性を付与し、該磁気シー
トの粘着剤塗布面を被探傷材の探傷面に当接し、探傷
後、磁気シートを被探傷材から引き離し、磁気シートに
画かれた磁粉模様を観察して欠陥を検出することを特徴
としている。
【0012】次に、磁気シート、本発明による欠陥検出
法、本発明の方法を実施するための磁粉探傷装置につい
て詳細に説明する。 (1)磁気シート 磁気シートとは、図1(a)に示すように、2枚の透明
シート1a、1b間に多数の小室2を有し、この小室2
内に微細な磁粉3(図では多数の微細な磁粉が凝集する
ことにより黒い塊で表されている)を分散させた白色分
散媒4を封入したものであり、一方のシート1bに磁粉
模様消去用磁石5を当接させつつ矢示方向に移動させる
ことにより小室内の磁粉3を一方のシート1b側に一様
に移動させ、その結果、他方のシート1a側の小室2内
には磁粉3が存在しない状態にされ、シート1aを観察
しても、図1(b)に示すように、何も見えない。次い
で、図1(c)に示すように、シート1aに磁石ペン6
を当接させつつ紙面直角方向に移動させると、小室2内
の磁粉3が吸引されてシート1a側に移動し、図1
(d)に示すように、シート1aに瞬時に磁粉模様7を
画くことができる。 (2)欠陥の検出 係る構成の磁気シートを用いて、本発明によれば、以下
のようにして欠陥を検出することができる。 a.探傷前に小室内の磁粉を被探傷材に当接する面とは
反対側の面に移動させた場合 図2(a)に示すように、シート1aに当接させつつ磁
粉模様消去用磁石5を矢示方向に移動させると、小室内
の磁粉3はシート1a側に移動してシート1b側の小室
には磁粉が存在しなくなり、図2(b)に示すように、
シート1bを観察しても何も見えない。次いで、図2
(c)に示すように、この磁気シートのシート1b側を
被探傷材8上に載置し、適切な磁化手段で被探傷材8を
磁化すると、被探傷材8の表面近傍に欠陥9が存在する
場合、その部分に生じる洩れ磁束により小室2内のシー
ト1a側にある磁粉3の一部がシート1b側に吸引され
て、図2(d)に示すように、欠陥9に対応した磁粉模
様10がシート1b側に現れるのを観察できる。
【0013】比較的大きい欠陥を検出する場合には、探
傷前に小室内の磁粉を被探傷材に当接する面とは反対側
の面に移動させておいても、欠陥に対応して生じる漏れ
磁束が大きく、磁粉模様が明瞭に現れやすくなるので、
欠陥の判定が比較的容易である。 b.探傷前に小室内の磁粉を被探傷材に当接する面側に
移動させた場合 微小欠陥を検出する場合、その漏れ磁束は僅かであり、
磁粉を極力探傷面側に近づけておくことが好ましい。そ
こで、図3(a)に示すように、磁粉模様消去用磁石5
をシート1bに当接させて矢示方向に移動させると、磁
粉3は磁石5の磁力で吸引されてシート1b側に移動す
るが、小室2外に出ることはできないため、小室2の側
面に多くの磁粉が溜まった状態になり、このシート1b
を観察すると、図3(b)に示すように、全体的に灰色
を呈する状態が見られる。
【0014】そして、図3(c)に示すように、この磁
気シートのシート1b側を被探傷材に当接する面側とし
て被探傷材8上に載置し、適切な磁化手段で被探傷材8
を磁化すると、被探傷材8に欠陥9が存在する場合、欠
陥9を挟んでその両側でN極、S極が形成されるが、欠
陥9が微小なものである場合、N極−S極は極めて接近
し、そのため、欠陥9の部分に生じる漏れ磁束の磁束密
度は大きくなり、しかも、磁束の移動がないので、欠陥
9直上の小室2a内にある磁粉のほぼ全量は欠陥9側に
引き寄せられ、欠陥9直上の小室2aに隣接する小室2
b、2c内にある磁粉は、小室2a側に引き寄せられる
ので、図3(c)に示すように、小室2b、2cの被探
傷材に当接する面側には、磁粉が存在しない領域11が
存在するようになる。
【0015】そこで、被探傷材に当接する面側のシート
1bを観察すると、図3(d)およびその部分拡大図で
ある図3(e)に示すように、欠陥に対応する中央部に
は、黒色の磁粉模様12が見られ、この黒色の部分の周
囲には白色の部分13が存在する様子を観察することが
できる。このように、欠陥の存在を知らせる「色のコン
トラスト」が大きくなるので、目視で容易に微小欠陥の
存在を判定できるようになる。
【0016】このように、本発明によれば、磁粉は小室
内を移動するのみであり、探傷面が傾斜している場合の
影響も極小であり、磁粉は欠陥部に生じる漏れ磁束によ
る磁力により吸引されて、欠陥に対応した磁粉模様を呈
するので、欠陥の検出感度が比較的大きいという効果が
ある。また、本発明の方法による磁粉模様は、中心部に
黒色の部分があり、その周囲に白色の部分があるという
顕著な特徴を有しており、色のコントラスト(白枠効
果)による視覚に訴える効果が大きく、欠陥の判定が容
易であるという効果もある。その他、磁粉模様は瞬時に
形成されるので、欠陥の検出時間が短いという効果や、
磁気シートに描かれた磁粉模様を複写したり、写真撮影
することにより、欠陥の観察結果を正確に長期間記録保
管することができるという効果もある。
【0017】上記したように、本発明の磁粉探傷法によ
る磁粉模様は、中心部に黒色の部分があり、その周囲に
白色の部分があるという顕著な特徴を有しており、色の
コントラスト(白枠効果)による視覚に訴える効果が大
きく、欠陥の判定が容易である。その場合、欠陥の大き
さに比較して小室が大きすぎると、色のコントラストが
現れにくくなるので、小さい方が好ましいが、小さ過ぎ
ると小室の製造コストが高くなるだけでなく、小室内に
含まれる磁粉の量が少なくなり、色のコントラストが小
さくなるという不都合が生じる。そのため、磁粉を分散
させた分散媒(水、白灯油またはアルコール類等)を封
入する小室の直径は、5〜1000μm(いわゆるマイ
クロカプセル相当の大きさ)が好ましい。
【0018】ところで、被探傷材の表面状況や探傷面の
傾斜方向によっては、磁気シートを被探傷材の探傷面に
当接させて効率よく磁粉探傷を行うことが困難な場合が
ある。
【0019】この場合、本発明によれば、磁気シート
被探傷材の探傷面に押し付けて密着させることにより、
表面に凹凸のある被探傷材の探傷が可能になる。そのた
めの押圧手段としては、例えば、圧縮コイルばねとゴム
等の弾性材料を備え、弾性材料を磁気シートに当接させ
て圧縮コイルばねのばね力を、弾性材料を介して磁気シ
ートと被探傷材に作用させる方法を採用すれば、被探傷
材の表面の凹凸状況に応じて弾性材料が適宜変形し、こ
の変形力に抗するように圧縮コイルばねのばね力が磁気
シートに付加され、磁気シートを被探傷材に押し付けて
密着させることができる。適度のばね力を発揮させるた
めには、弾性材料の端面が磁化器の端面より僅かに突出
していることが好ましい。例えば、1.0〜5.0mm程
度の突出量が好ましい。
【0020】磁気シートを被探傷材の探傷面に効率よく
当接させるために作業性に優れた方法としては、以下の
方法を採用することもできる。
【0021】すなわち、磁気シートをロール状に巻き取
る方法によれば、ロール状に巻き取られた磁気シートを
必要長さだけ取り出してその磁気シートを被探傷材の探
傷面に当接させて磁粉探傷を行うことができる。この方
法によれば、磁気シートがロール状であるから、持ち運
びが便利であり、巻尺の要領で被探傷材の寸法に合わせ
て必要長さだけの磁気シートを取り出せばよいから、磁
気シートの設置作業が簡単で、探傷後は磁気シートをロ
ール状に巻き取ることにより、探傷結果の保管が容易で
ある。
【0022】また、磁気シートをロール状に巻き取り、
着脱可能な磁粉模様消去用磁石を磁気シートの探傷面側
または反探傷面側に当接するように配する方法によれ
ば、ロール状に巻き取られた磁気シートの磁粉模様を磁
粉模様消去用磁石で消去して、磁粉を被探傷材の探傷面
に当接する磁気シートの面またはその反対面に移動させ
ることにより、欠陥の大きさに合わせて欠陥の検出感度
を適正なものに調整した後に、磁気シートを必要長さだ
け取り出してその磁気シートを被探傷材の探傷面に当接
させて磁粉探傷を行うことができる。
【0023】また、被探傷材の探傷面に当接する磁気シ
ートの面に粘着剤を塗布して粘着性を付与する方法によ
れば、探傷面が傾斜していたり、鉛直方向であっても、
磁気シートと被探傷材との密着性を向上させることが可
能になる。
【0024】さらに、以上の方法を適宜組み合わせるこ
ともできる。
【0025】そして、磁気シートに長さ目盛りを設けれ
ば、被探傷材の探傷位置を容易に計測でき、傷寸法の計
測も可能である。 (3)本発明の方法を実施するための磁粉探傷装置 (a)磁化器に備えた押圧手段の圧力で磁気シートを被
探傷材に押し付けて密着させる方式(図4参照) 図4(a)において、14は断面「コ」の字状の永久磁
石からなる磁化器である。15は圧縮コイルばねであ
り、圧縮コイルばね15の上端は磁化器14に支持され
ている。圧縮コイルばね15の下端には弾性材料(ゴ
ム)からなる押し付け具16が取り付けられている。押
し付け具16の端面は磁化器14の下端面より僅かに突
出している。また、押し付け具16は、磁界が発生する
範囲を押圧することが可能な面積を有するのが好まし
い。
【0026】図4(b)は磁化器を可動にした場合であ
り、断面「コ」の字状の永久磁石からなる可動型磁化器
17のN極とS極の下端部にはローラ18が取り付けら
れている。さらに、押圧用ローラ19が軸20によって
回転可能に可動型磁化器17に支持されている。
【0027】図4(a)のように構成される装置によれ
ば、磁化器14の押し付け具16を(例えば、図6
(a)に示すように)磁気シートに当接させて下方に向
けて力を加えると、ばね力が押し付け具16を介して磁
気シートに付加され、磁気シートを被探傷材に押し付け
て密着させることができ、被探傷材に当接する面側の磁
気シートに画かれた磁粉模様を観察して欠陥を検出する
ことができる。
【0028】図4(b)のように構成される装置によれ
ば、押圧用ローラ19とともに可動型磁化器17を磁気
シート上を連続的に移動させつつ下方に向けて力を加え
ると、押圧用ローラ19を経て磁気シートに付加される
圧力により磁気シートを被探傷材に密着させることがで
き、被探傷材に当接する面側の磁気シートに画かれた磁
粉模様を観察して欠陥を検出することができる。 (b)磁気シートをロール状に巻き取る方式(図5、図
6参照) 図5(a)、(b)において、被探傷材の探傷面に当接
する磁気シートの面21aまたはその反対面21bがと
もに透明プラスチック製のシートからなり、これら両シ
ートの間に小室(図1〜図3参照)を多数有し、この小
室内に分散媒により多数の微細な磁粉を分散させた磁気
シート21は巻取ドラム22にロール状に巻き取られて
おり、磁粉模様消去用磁石23が巻取ドラム22のシー
トの出入口に着脱可能に取り付けられている。図5
(a)では、磁粉模様消去用磁石23が磁気シート21
の上面に当接し、図5(b)では、磁粉模様消去用磁石
23が磁気シート21の下面に当接している。このよう
に、磁粉模様消去用磁石23を磁気シートの上面または
下面のいずれかに当接させるようにすることで、磁気シ
ートの小室内の磁粉を探傷面側、または反探傷面側のい
ずれかに移動させることができるので、欠陥の検出感度
を向上させるために、探傷しようとする欠陥の大きさに
応じて、いずれかの方式を採用すればよい。
【0029】図5(c)は、磁気シート21に長さ目盛
り24を設けた場合を示す。磁気シート21に長さ目盛
り24を設ければ、被探傷材の探傷位置を容易に計測で
き、傷寸法の計測も可能である。
【0030】図5に示すロール状磁気シートを用いれ
ば、図6(a)、(b)に示すように、磁粉模様消去用
磁石23で磁粉模様を消去した後、巻尺の要領で被探傷
材の寸法に合わせて必要長さだけの磁気シート21を取
り出して、被探傷材25に当接させ、磁気シート21
被探傷材25に当接する面側に画かれた磁粉模様を観察
して欠陥を検出した後、磁粉模様消去用磁石23を取り
外して、磁気シート21をロール状に巻き取ることによ
り、探傷結果を保管することができる。この場合、図6
(a)に示すように、押し付け具の付いた磁化器14を
用いれば、当該探傷場所において押し付け具16を磁気
シート21に押し付けて磁気シート21と被探傷材25
を密着させて磁粉探傷を行い、磁化器14を次々と移動
させて探傷位置を順次変えることにより探傷作業を連続
的に効率よく行うことができる。
【0031】(c)磁気シートに粘着材を塗布して粘着
性を付与する方式(図7参照) 図7(a)に示すように、探傷面側および反探傷面側
ともに透明プラスチック製のシートからなり、これら両
シートの間に小室(図1〜図3参照)を多数有し、この
小室内に分散媒により多数の微細な磁粉を分散させた磁
気シート26の被探傷材27の探傷面に当接する面26
aに粘着剤を塗布して粘着性を付与すれば、図7(b)
に示すように、磁気シート26を被探傷材27に当接す
る際の密着性を向上させることができるので、被探傷材
27の探傷面が、傾斜していたり、鉛直方向であって
も、磁気シートを被探傷材に確実に密着させて磁粉探傷
を行うことができる。
【0032】図7(c)に示すように、磁化器14に押
し付け具が付いていれば、押し付け具16を磁気シート
26に押し付けて密着させることができるので、磁気シ
ート26の被探傷材27の探傷面に当接する面に塗布す
る粘着剤の量を低減することができ、探傷後に磁気シー
ト26を被探傷材27から剥がしやすくなる。
【0033】また、図7(a)では、磁気シートは短冊
状であるが、ロール状磁気シートが被探傷材の探傷面に
当接または密着する面に粘着剤を塗布して粘着性を付与
することもできる。この場合、磁気シートを被探傷材に
設置しやすくなるので、探傷作業性がより向上する。
【0034】
【発明の効果】本発明は以上のとおり構成されているの
で、つぎの効果を奏する。 (1)被探傷材の表面状況や探傷面の傾斜方向に関係な
く磁気シートを被探傷材の探傷面に当接させて、微少欠
陥を検出することができる、作業性に優れた磁粉探傷法
および磁粉探傷装置を提供することができる。磁粉模様
の色のコントラストによる視覚に訴える効果を大きくす
るためには、磁粉を封入した小室の大きさが適度のもの
であることが重要であり、この小室の直径をマイクロカ
プセルに相当する大きさとすることにより、微小欠陥に
対応して形成される磁粉模様の色のコントラストを明瞭
にすることができ、微小欠陥の検出感度を大きく向上さ
せることができる。 (2)特に、請求項1および8記載の発明によれば、持
ち運びが便利であり、磁気シートの設置作業が簡単で、
探傷結果の保管が容易である磁粉探傷法および磁粉探傷
装置を提供することができる。 (3)特に、請求項2および9記載の発明によれば、探
傷前に磁粉を探傷面側または反探傷面側に移動させるこ
とにより、欠陥の大きさに合わせて欠陥の検出感度を適
正なものに調整することができる磁粉探傷法および磁粉
探傷装置を提供することができる。 (4)特に、請求項3および10記載の発明によれば、
探傷面が傾斜していたり、鉛直方向であっても、磁気シ
ートと被探傷材との密着性を向上させることができる磁
粉探傷法および磁粉探傷装置を提供することができる。 (5)特に、請求項4、5、11および12記載の発明
によれば、ロール状磁気シートと押圧手段の組み合わせ
により、探傷作業を連続的に効率よく行うことができる
磁粉探傷法および磁粉探傷装置を提供することができ
る。 (6)特に、請求項6、13記載の発明によれば、押圧
手段を用いることにより、粘着剤の塗布量を低減するこ
とが可能で、探傷後に磁気シートを被探傷材から剥がし
やすい磁粉探傷法および磁粉探傷装置を提供することが
できる。 (7)特に、請求項7、14記載の発明によれば、探傷
作業性を向上することができる磁粉探傷法および磁粉探
傷装置を提供することができる。 (8)特に、請求項15記載の発明によれば、被探傷材
の探傷位置を容易に計測でき、傷寸法の計測も可能であ
る磁粉探傷装置を提供することができる。 (9)特に、請求項16記載の発明によれば、適正な押
圧力を発生させることができる磁粉探傷装置を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁気シートの使用例を説明する図である。
【図2】本発明による磁粉探傷法の一例を説明する図で
ある。
【図3】本発明による磁粉探傷法の別の例を説明する図
である。
【図4】図4(a)は本発明の磁化器の一実施例を示す
斜視図であり、図4(b)は本発明の磁化器の他の実施
例を示す斜視図である。
【図5】図5(a)は本発明のロール状磁気シートの一
実施例を示す側面図、図5(b)は本発明のロール状磁
気シートの他の実施例を示す側面図、図5(c)はロー
ル状磁気シートに長さ目盛りを設けた一実施例を示す平
面図である。
【図6】図6(a)は本発明のロール状磁気シートによ
る磁粉探傷法の一実施例を示す斜視図であり、図6
(b)は本発明のロール状磁気シートによる磁粉探傷法
の他の実施例を示す斜視図である。
【図7】図7(a)は本発明の磁気シートの一例を示す
斜視図、図7(b)はその磁気シートを被探傷材に設置
して磁粉探傷を行う方法の一実施例を示す斜視図、図7
(c)は図7(a)の磁気シートを被探傷材に設置して
磁粉探傷を行う方法の他の実施例を示す斜視図である。
【図8】磁粉探傷法のメカニズムを説明する図である。
【図9】従来の磁粉探傷装置による磁粉探傷法を説明す
る図である。
【図10】図10(a)は従来の別の磁粉探傷装置の斜
視図であり、図10(b)はその磁粉探傷装置に使用す
るベルトの断面図である。
【符号の説明】
2…小室 3…磁粉 4…分散媒 7、10、12…磁粉模様 8、25、27…被探傷材 9…欠陥 14…磁化器 15…圧縮コイルばね 16…押し付け具 17…可動型磁化器 19…押圧用ローラ 21、26…磁気シート 23…磁粉模様消去用磁石 24…長さ目盛り
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堺 邦益 兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番 1号 川崎重工業株式会社 神戸工場内 (72)発明者 森 義隆 兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番 1号 川崎重工業株式会社 神戸工場内 (56)参考文献 特開 平9−113487(JP,A) 特開 昭60−98373(JP,A) 特開 平5−264511(JP,A) 特開 昭57−26742(JP,A) 特開 昭56−40752(JP,A) 特開2001−21539(JP,A) 実開 昭49−78511(JP,U) 実開 平6−76877(JP,U) 特公 昭56−5934(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/72 - 27/90 G01R 33/00 - 33/26 JICSTファイル(JOIS)

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被探傷材を磁化器で磁化し、被探傷材の
    表面または表面近傍に存在する磁束の通過を妨げる欠陥
    により該欠陥直上の空間に漏れ磁束を生じさせ、該洩れ
    磁束で磁粉を吸引することにより形成される磁粉模様に
    基づいて欠陥を検出する磁粉探傷法において、マイクロ
    カプセルに相当する大きさの直径を有する多数の小室を
    備えた磁気シートを準備し且つこれらの小室に磁粉を分
    散させた分散媒を封入し、該磁気シートはロール状に巻
    き取られており、該ロール状に巻き取られた磁気シート
    を必要長さだけ取り出してその磁気シートを被探傷材の
    探傷面に当接し、探傷後、磁気シートを被探傷材から引
    き離し、磁気シートに画かれた磁粉模様を観察して欠陥
    を検出することを特徴とする磁粉探傷法。
  2. 【請求項2】 被探傷材を磁化器で磁化し、被探傷材の
    表面または表面近傍に存在する磁束の通過を妨げる欠陥
    により該欠陥直上の空間に漏れ磁束を生じさせ、該洩れ
    磁束で磁粉を吸引することにより形成される磁粉模様に
    基づいて欠陥を検出する磁粉探傷法において、マイクロ
    カプセルに相当する大きさの直径を有する多数の小室を
    備えた磁気シートを準備し且つこれらの小室に磁粉を分
    散させた分散媒を封入し、該磁気シートはロール状に巻
    き取られており、着脱可能な磁粉模様消去用磁石を磁気
    シートの探傷面側または反探傷面側に当接するように配
    し、ロール状に巻き取られた磁気シートの磁粉模様を磁
    粉模様消去用磁石で消去した後、磁気シートを必要長さ
    だけ取り出してその磁気シートを被探傷材の探傷面に当
    接し、探傷後、磁気シートを被探傷材から引き離し、磁
    気シートに画かれた磁粉模様を観察して欠陥を検出する
    ことを特徴とする磁粉探傷法。
  3. 【請求項3】 被探傷材を磁化器で磁化し、被探傷材の
    表面または表面近傍に存在する磁束の通過を妨げる欠陥
    により該欠陥直上の空間に漏れ磁束を生じさせ、該洩れ
    磁束で磁粉を吸引することにより形成される磁粉模様に
    基づいて欠陥を検出する磁粉探傷法において、マイクロ
    カプセルに相当する大きさの直径を有する多数の小室を
    備えた磁気シートを準備し且つこれらの小室に磁粉を分
    散させた分散媒を封入し、該磁気シートに粘着剤を塗布
    して粘着性を付与し、該磁気シートの粘着剤塗布面を被
    探傷材の探傷面に当接し、探傷後、磁気シートを被探傷
    材から引き離し、磁気シートに画かれた磁粉模様を観察
    して欠陥を検出することを特徴とする磁粉探傷法。
  4. 【請求項4】 被探傷材を磁化器で磁化し、被探傷材の
    表面または表面近傍に存在する磁束の通過を妨げる欠陥
    により該欠陥直上の空間に漏れ磁束を生じさせ、該洩れ
    磁束で磁粉を吸引することにより形成される磁粉模様に
    基づいて欠陥を検出する磁粉探傷法において、マイクロ
    カプセルに相当する大きさの直径を有する多数の小室を
    備えた磁気シートを準備し且つこれらの小室に磁粉を分
    散させた分散媒を封入し、該磁気シートはロール状に巻
    き取られており、該ロール状に巻き取られた磁気シート
    を必要長さだけ取り出してその磁気シートを被探傷材の
    探傷面に押し付けて密着させ、探傷後、磁気シートを被
    探傷材から引き離し、磁気シートに画かれた磁粉模様を
    観察して欠陥を検出することを特徴とする磁粉探傷法。
  5. 【請求項5】 被探傷材を磁化器で磁化し、被探傷材の
    表面または表面近傍に存在する磁束の通過を妨げる欠陥
    により該欠陥直上の空間に漏れ磁束を生じさせ、該洩れ
    磁束で磁粉を吸引することにより形成される磁粉模様に
    基づいて欠陥を検出する磁粉探傷法において、マイクロ
    カプセルに相当する大きさの直径を有する多数の小室を
    備えた磁気シートを準備し且つこれらの小室に磁粉を分
    散させた分散媒を封入し、該磁気シートはロール状に巻
    き取られており、着脱可能な磁粉模様消去用磁石を磁気
    シートの探傷面側または反探傷面側に当接するように配
    し、ロール状に巻き取られた磁気シートの磁粉模様を磁
    粉模様消去用磁石で消去した後、磁気シートを必要長さ
    だけ取り出してその磁気シートを被探傷材の探傷面に押
    し付けて密着させ、探傷後、磁気シートを被探傷材から
    引き離し、磁気シートに画かれた磁粉模様を観察して欠
    陥を検出することを特徴とする磁粉探傷法。
  6. 【請求項6】 被探傷材を磁化器で磁化し、被探傷材の
    表面または表面近傍に存在する磁束の通過を妨げる欠陥
    により該欠陥直上の空間に漏れ磁束を生じさせ、該洩れ
    磁束で磁粉を吸引することにより形成される磁粉模様に
    基づいて欠陥を検出する磁粉探傷法において、マイクロ
    カプセルに相当する大きさの直径を有する多数の小室を
    備えた磁気シートを準備し且つこれらの小室に磁粉を分
    散させた分散媒を封入し、該磁気シートに粘着剤を塗布
    して粘着性を付与し、該磁気シートの粘着剤塗布面を被
    探傷材の探傷面に押し付けて密着させ、探傷後、磁気シ
    ートを被探傷材から引き離し、磁気シートに画かれた磁
    粉模様を観察して欠陥を検出することを特徴とする磁粉
    探傷法。
  7. 【請求項7】 被探傷材の探傷面に当接または密着する
    ロール状磁気シートの面に粘着剤を塗布して粘着性を付
    与してなる請求項1、2、4または5記載の磁粉探傷
    法。
  8. 【請求項8】 被探傷材を磁化器で磁化し、磁気シート
    を被探傷材に当接して、被探傷材の表面または表面近傍
    に存在する磁束の通過を妨げる欠陥により該欠陥直上の
    空間に漏れ磁束を生じさせ、該洩れ磁束で磁粉を吸引す
    ることにより磁気シートに形成される磁粉模様に基づい
    て欠陥を検出する磁粉探傷装置において、マイクロカプ
    セルに相当する大きさの直径を有する多数の小室を備え
    た磁気シートであってこれらの小室に磁粉を分散させた
    分散媒を封入してなる磁気シートと被探傷材の磁化器を
    有し、上記磁気シートは巻取機器によってロール状に巻
    き取られていることを特徴とする磁粉探傷装置。
  9. 【請求項9】 被探傷材を磁化器で磁化し、磁気シート
    を被探傷材に当接して、被探傷材の表面または表面近傍
    に存在する磁束の通過を妨げる欠陥により該欠陥直上の
    空間に漏れ磁束を生じさせ、該洩れ磁束で磁粉を吸引す
    ることにより磁気シートに形成される磁粉模様に基づい
    て欠陥を検出する磁粉探傷装置において、マイクロカプ
    セルに相当する大きさの直径を有する多数の小室を備え
    た磁気シートであってこれらの小室に磁粉を分散させた
    分散媒を封入してなる磁気シートと被探傷材の磁化器を
    有し、上記磁気シートは巻取機器によってロール状に巻
    き取られており、着脱可能な磁粉模様消去用磁石を磁気
    シートの探傷面側または反探傷面側に当接するように磁
    気シートのロール状巻取機器に取り付けたことを特徴と
    する磁粉探傷装置。
  10. 【請求項10】 被探傷材を磁化器で磁化し、磁気シー
    トを被探傷材に当接して、被探傷材の表面または表面近
    傍に存在する磁束の通過を妨げる欠陥により該欠陥直上
    の空間に漏れ磁束を生じさせ、該洩れ磁束で磁粉を吸引
    することにより磁気シートに形成される磁粉模様に基づ
    いて欠陥を検出する磁粉探傷装置において、マイクロカ
    プセルに相当する大きさの直径を有する多数の小室を備
    えた磁気シートであってこれらの小室に磁粉を分散させ
    た分散媒を封入してなる磁気シートと被探傷材の磁化器
    を有し、上記磁気シートが被探傷材の探傷面に当接する
    面には粘着剤が塗布されていることを特徴とする磁粉探
    傷装置。
  11. 【請求項11】 被探傷材を磁化器で磁化し、磁気シー
    トを被探傷材に押し付けて密着させ、被探傷材の表面ま
    たは表面近傍に存在する磁束の通過を妨げる欠陥により
    該欠陥直上の空間に漏れ磁束を生じさせ、該洩れ磁束で
    磁粉を吸引することにより磁気シートに形成される磁粉
    模様に基づいて欠陥を検出する磁粉探傷装置において、
    マイクロカプセルに相当する大きさの直径を有する多数
    の小室を備えた磁気シートであってこれらの小室に磁粉
    を分散させた分散媒を封入してなる磁気シートと被探傷
    材の磁化器を有し、上記磁気シートは巻取機器によって
    ロール状に巻き取られており、上記磁化器は磁気シート
    を被探傷材に押し付けて密着させることが可能な押圧手
    段を備えていることを特徴とする磁粉探傷装置。
  12. 【請求項12】 被探傷材を磁化器で磁化し、磁気シー
    トを被探傷材に押し付けて密着させ、被探傷材の表面ま
    たは表面近傍に存在する磁束の通過を妨げる欠陥により
    該欠陥直上の空間に漏れ磁束を生じさせ、該洩れ磁束で
    磁粉を吸引することにより磁気シートに形成される磁粉
    模様に基づいて欠陥を検出する磁粉探傷装置において、
    マイクロカプセルに相当する大きさの直径を有する多数
    の小室を備えた磁気シートであってこれらの小室に磁粉
    を分散させた分散媒を封入してなる磁気シートと被探傷
    材の磁化器を有し、上記磁気シートは巻取機器によって
    ロール状に巻き取られており、着脱可能な磁粉模様消去
    用磁石を磁気シートの探傷面側または反探傷面側に当接
    するように磁気シートのロール状巻取機器に取り付け、
    上記磁化器は磁気シートを被探傷材に押し付けて密着さ
    せることが可能な押圧手段を備えていることを特徴とす
    る磁粉探傷装置。
  13. 【請求項13】 被探傷材を磁化器で磁化し、磁気シー
    トを被探傷材に押し付けて密着させ、被探傷材の表面ま
    たは表面近傍に存在する磁束の通過を妨げる欠陥により
    該欠陥直上の空間に漏れ磁束を生じさせ、該洩れ磁束で
    磁粉を吸引することにより磁気シートに形成される磁粉
    模様に基づいて欠陥を検出する磁粉探傷装置において、
    マイクロカプセルに相当する大きさの直径を有する多数
    の小室を備えた磁気シートであってこれらの小室に磁粉
    を分散させた分散媒を封入してなる磁気シートと被探傷
    材の磁化器を有し、上記磁気シートが被探傷材の探傷面
    に当接する面には粘着剤が塗布されており、上記磁化器
    は磁気シートを被探傷材に押し付けて密着させることが
    可能な押圧手段を備えていることを特徴とする磁粉探傷
    装置。
  14. 【請求項14】 ロール状磁気シートの被探傷材に当接
    する面に粘着剤を塗布して粘着性を付与してなる請求項
    8、9、11または12記載の磁粉探傷装置。
  15. 【請求項15】 ロール状磁気シートに長さ目盛りを設
    けてなる請求項8、9、11、12または14記載の磁
    粉探傷装置。
  16. 【請求項16】 押圧手段が圧縮コイルばねと弾性材料
    からなり、上記圧縮コイルばねの一方の端部を磁化器で
    支持し、圧縮コイルばねの他方の端部に弾性材料を取り
    付け、該弾性材料の端面が磁化器の端面より僅かに突出
    している請求項11、12または13記載の磁粉探傷装
    置。
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