JP3429871B2 - むだ巻きリール部へのむだ巻き巻取方法 - Google Patents
むだ巻きリール部へのむだ巻き巻取方法Info
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Description
むだ巻き巻取方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】図4に示すものは、たとえば光ファイバ
のような線条体1を線引きし、ダンサローラ4を経由し
て巻取ボビン2に巻き取る状態を描いたものである。周
知のように線引きの場合は光ファイバ線の線速、線径あ
るいは線張力などが安定するまでの間は、巻取ボビン2
に同軸的に付設されているむだ巻きリール部3の巻付け
胴101に巻き取り、上述の諸数値の安定後に巻取ボビ
ン2の巻付け胴21への本巻き取りに切り替えるのが普
通である。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ここでむだ巻きリール
部から巻取ボビンの巻付け胴への巻取り切替えに際して
次のような問題がある。図5(a)に拡大して示すよう
に、むだ巻きリール部3の巻付け胴101の直径は巻取
ボビン2の巻付け胴21の直径D0よりかなり小さいた
めに、光ファイバの線引きにおける上述の諸数値が早く
安定して比較的早い時期に巻取ボビンへの本巻取りに切
り替えるときは、その切替え時点におけるむだ巻き巻層
外径D1が巻付け胴21の直径D0よりかなり小さくな
ることもあり得るわけであり、このような時には図中矢
印に示す巻取り切替え時に線条体1の巻取り線速の変動
が大き過ぎてダンサローラ4によって吸収しきれないこ
とが起こる不都合がある。 【0004】また逆に図5(b)に示すように、線引き
における上述の諸数値の安定化が遅れてむだ巻きリール
部3における巻層の外径D2が巻取ボビン2の巻付け胴
21の直径D0よりかなり大きくなることもあり得て、
このような時にも巻取り切替え時に線条体1の巻取り線
速の変動が大き過ぎてダンサローラ4によって吸収しき
れないことが起こる不都合がある。 【0005】 【課題を解決するための手段】この発明は上述の課題を
解決するためになされたものであって、請求項1の発明
は、巻取ボビンに同軸的に隣接し、巻付け胴は、その巻
取ボビン側端部が巻取ボビンの巻付け胴の直径とほぼ同
一直径を有し、反対側端部はこれより小さい外径のテー
パ状をなすむだ巻きリール部の当該巻付け胴に線条体を
巻き取る方法であって、線条体の巻層外径が巻付け胴の
直径と等しくなるまでは巻付け胴のテーパ面と相似にな
るように巻層外径の増大につれてトラバース幅が大きく
なるようにトラバースし、それ以後は巻層外径が増大す
るにつれてトラバース幅が順次小さくなるようにトラバ
ースすることを特徴とする、むだ巻きリール部へのむだ
巻き巻取方法である。 【0006】 【作用】本発明によるむだ巻きリール部の巻付け胴は、
その巻取ボビン側端部が巻取ボビンの巻付け胴の直径と
ほぼ同一直径を有し、反対側端部はこれより小さい直径
のテーパ状をなしており、また線条体をむだ巻き巻取り
する工程において、その巻層外径が巻取ボビンの巻付け
胴直径と等しくなるまでは巻付け胴のテーパ面と相似に
巻層直径が増大するにつけてトラバース幅が順次大きく
なるようにトラバースし、それ以後は巻層直径が増大す
るにつけてトラバース幅が順次小さくなるようにトラバ
ースするものであるから、巻取ボビンの本巻取りに切り
替える時点のむだ巻き巻層の外径が巻取ボビンの巻付け
胴の直径より小さいときは線条体はむだ巻きリール部の
巻付け胴のテーパ面を滑り登りした後に巻取ボビン側に
移ることになり、また逆に切替え時点のむだ巻き巻層の
外径が巻取ボビンの巻付け胴の直径より大きいときは線
条体は巻層自体のテーパ斜面を滑り下りてから巻取ボビ
ン側に移ることになり、いずれにしても切替え時の線条
体の線速変動が小さくてすむことになる。 【0007】 【実施例】図1についてこの発明のむだ巻きリール部を
説明する。巻取ボビン2に同軸的に隣接するむだ巻きリ
ール部3の巻付け胴31は通常のそれのようにむだ巻き
リール部3の回転軸線を中心軸線とする円柱状ではな
く、テーパのついた切頭円錐状をなしている。 【0008】この切頭円錐の巻付け胴31の大径側(A
はその円周上の点)は巻取ボビン2に隣接する鍔板内側
にあってその直径の大きさは巻取ボビン2の直径D0に
ほぼ等しくされる。反対側の鍔板の内側面32に接する
ところが小径側(Bはその円周上の点)であってその直
径の大きさは適宜でよいが、テーパ角度としては少なく
とも30度以上が好適である。 【0009】以上に説明したむだ巻きリール部3の巻付
け胴31の上に線条体1をむだ巻き巻き取る際には特別
のトラバースの仕方を採用する。その要点を図3につい
て説明すると、むだ巻き開始点Bからむだ巻層外径が巻
取ボビンの巻付け胴直径D0と等しくなるA点までは巻
付け胴31のテーパ面と相似に巻層直径が増大するにつ
けてトラバース幅が順次大きくなるようにトラバース
し、A点以後は巻層直径が増大するにつけてトラバース
幅が順次小さくなるようにトラバースしてC点に向かう
ものである。 【0010】すなわちこのようにトラバースして形成さ
れる巻層BACの形状は、むだ巻きリール部3の回転軸
線を含む平面による断面形で言えば、端部の鍔板の内側
面32を底辺とし、A点を対向頂点とする三角形である
と言うことができる。 【0011】このように形成した巻層の場合は、もし線
条体1の上述の張力などの諸数値の安定が点Bと点Aの
中間のE点付近で起きたとしてここから巻取ボビン2に
移すことになるとすれば、線条体1は巻付け胴31の斜
面を滑ってA点に達し、ここから巻取ボビン2に移るこ
とになるから線条体1の線速の変動量はさほど大きくな
く、ダンサローラ4によって充分吸収できることになる
のでである。 【0012】また線条体1の上述の張力などの諸数値の
安定が点Aを越えたF点付近で起きたとしてここから巻
取ボビン2に移すことになるとすれば、線条体1は巻層
自体の斜面を滑り下ってA点に達し、ここから巻取ボビ
ン2に移ることになるからこの場合も線条体1の線速の
変動量はさほど大きくなく、ダンサローラ4によって充
分吸収できることになるのである。 【0013】 【発明の効果】本発明によれば線条体をむだ巻き巻取り
する工程において、その巻層外径が巻取ボビンの巻付け
胴直径と等しくなるまでは巻付け胴のテーパ面と相似に
巻層直径が増大するにつけてトラバース幅が順次大きく
なるようにトラバースし、それ以後は巻層直径が増大す
るにつけてトラバース幅が順次小さくなるようにトラバ
ースするものであるから、巻取ボビンの本巻取りに切り
替える時点のむだ巻き巻層の外径が巻取ボビンの巻付け
胴の直径より小さいときは線条体はむだ巻きリール部の
巻付け胴のテーパ面を滑り登りした後に巻取ボビン側に
移ることになり、また逆に切替え時点のむだ巻き巻層の
外径が巻取ボビンの巻付け胴の直径より大きいときは線
条体は巻層自体のテーパ斜面を滑り下りてから巻取ボビ
ン側に移ることになり、いずれにしても切替え時の線条
体の巻取り速度の変動が小さく、ダンサローラの設備に
特別の必要とせず、また光ファイバの線引工程において
なんらの障害も引き起こすことがない利点がある。
側断面図である。 【図2】この発明によるむだ巻きリール部の巻層を示す
側断面図である。 【図3】この発明によるむだ巻きのトラバース方法を説
明する側断面図である。 【図4】光ファイバの線引工程後の巻取りを説明する簡
略側面図である。 【図5】むだ巻きリール部から巻取ボビンへの従来の切
替え巻き移しを説明する側断面図である。 【符号の説明】 1 線条体 2 巻取ボビン 21 巻付け胴 3 むだ巻きリール部 31 巻付け胴 32 鍔板内側面 4 ダンサローラ
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 巻取ボビン(2)に同軸的に隣接し、巻
付け胴(31)はその巻取ボビン側端部が前記巻取ボビ
ン(2)の巻付け胴(21)の直径(D 0 )とほぼ同一
直径を有し、反対側端部はこれより小さい外径のテーパ
状をなすむだ巻きリール部(3)の当該巻付け胴(3
1)に線条体(1)を巻き取る方法であって、前記線条
体(1)の巻層外径が前記巻付け胴(21)の前記直径
(D0)と等しくなるまでは前記巻付け胴(31)のテ
ーパ面と相似になるように巻層外径の増大につれてトラ
バース幅が大きくなるようにトラバースし、それ以後は
巻層外径が増大するにつれてトラバース幅が順次小さく
なるようにトラバースすることを特徴とする、むだ巻き
リール部へのむだ巻き巻取方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24190394A JP3429871B2 (ja) | 1994-09-09 | 1994-09-09 | むだ巻きリール部へのむだ巻き巻取方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24190394A JP3429871B2 (ja) | 1994-09-09 | 1994-09-09 | むだ巻きリール部へのむだ巻き巻取方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0881127A JPH0881127A (ja) | 1996-03-26 |
JP3429871B2 true JP3429871B2 (ja) | 2003-07-28 |
Family
ID=17081274
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24190394A Expired - Lifetime JP3429871B2 (ja) | 1994-09-09 | 1994-09-09 | むだ巻きリール部へのむだ巻き巻取方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3429871B2 (ja) |
-
1994
- 1994-09-09 JP JP24190394A patent/JP3429871B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0881127A (ja) | 1996-03-26 |
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