JP3429716B2 - M系列直交変調を用いた無線通信システムにおける復調方法および装置 - Google Patents

M系列直交変調を用いた無線通信システムにおける復調方法および装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、既知コードとの相
関を用いて信号決定を行う受信装置に関し、さらには、
M系列直交変調を用いた無線通信システムにおける復調
方法および装置と、その無線通信システムにおけるリバ
ースリンク復調部における復調方法および装置とに関す
る。次世代の移動通信システムとして符号分割多元接続
(CDMA)方式が注目され、既に米国において、IS
−95という標準システムがある。また、インフラ構築
の一手段として、WLL(Wireless Local Loop )とい
う半固定移動通信システムにかかるCDMA方式が適用
される可能性がある。
【0002】これは、米国のQualcomm社が提案したチッ
プレート1.2288McpsのCDMA方式であり、下り
回線(フォワードリンク)は、パイロット外挿信号を用
いた同期検波方式を採用している。一方、上り回線(リ
バースリンク)は、M系列直交変調を用いた非同期検波
方式が採用されている。かかるIS−95の標準システ
ムにおいて、上り回線のM系列直交変調を用いた非同期
検波方式では、受信側で振幅信号を電力に変換すること
により、フェージング等による位相誤差を除去して誤り
率特性の劣化を防いでいる。しかし、非同期検波方式で
あるため、同期検波方式の場合に比べてその誤り率特性
は劣化する。
【0003】本発明は、IS−95に則った通信システ
ム(N−CDMA)のような、M系列直交変調を用いた
非同期検波方式のもとで動作するリバースリンク復調部
に適用可能であるとともに、変調波を復調して得られた
受信信号と既知コードとの相関を用いて信号決定を行う
受信装置一般について適用可能であり、上記誤り率特性
の改善を図ることができるものである。
【0004】
【従来の技術】図37は公知のリバースリンク復調部を
表す図である。図37において、その上段側のブロック
構成は加入者側の端末を表し、その下段側のブロック構
成は基地局を表す。通常、複数の端末1と複数の基地局
2とが、無線伝搬路3を介して、接続される。
【0005】端末1において、先ず、加入者からの音声
等の入力信号は畳み込み符号器4に入力され、ここで畳
み込み符号化が行われる。その出力はさらにインターリ
ーバ5に入力される。インターリーバ5は、畳み込み符
号器4からの出力データを時間的に離散させる働きをす
る。連続誤りを生じさせるバーストエラーを、データを
時間的に離散させることにより防止するためである。こ
のインターリーバ5の出力は次にM系列直交変調器6に
入力される。
【0006】M系列直交変調器6は、IS−95の規格
に準拠した回路であり、いわゆる“スペクトラム拡散”
の手法を実現するものである。具体的には、例えば、6
ビットの入力コード( Walsh番号)を64ビットの出力
コード( Walshコード)に拡散し、Iチャネル(Ich)
およびQチャネル(Qch)に分岐してOQPSK(Offs
et QPSK)変調器7に入力する。この Walshコードについ
ては後に図において詳しく述べるが、この Walshコード
の使用により、周波数が64/6倍に増えて伝送帯域が
広がるという不利は伴うものの、コード相互間の分離が
可能になる、という点できわめて有利である。
【0007】OQPSK変調器7は、Iチャネル(Ic
h) およびQチャネル(Qch)により、M系列直交変調
器6から入力された Walshコードそれぞれに対して、シ
ョートコードおよびロングコードを用いた拡散を行うと
ともに、OQPSK変調を行う。このOQPSK変調さ
れた信号は、Ichの信号とQchの信号とが相互に位相π
だけずれた信号であり、Ichの信号のアイパターンが最
大となるときはQchの信号のアイパターンが最小となる
(またはこの逆)ことから、信号のピークレベルを下げ
ることができる。
【0008】かくして、端末1の最終段における送信器
(TX)8は、信号のピークレベルを低減させたOQP
SK変調器7からの出力を受けて、送信パワーの歪を小
さくした無線出力を、無線伝搬路3に送出することがで
きる。その送出された無線出力を、基地局2は初段の受
信器(RX)9にて受け、この受信器9において受信し
た無線入力信号を、周波数変換によってIF信号に変換
する。このIF信号は、次段のOQPSK復調器10に
入力されて、前述したOQPSK変調器7と逆の操作を
行って、ディジタルのIch入力信号(ベースバンド信
号)およびQch入力信号(ベースバンド信号)となる。
【0009】これらのIchおよびQch入力信号(ベース
バンド信号)はさらにフィンガー復調部11により Wal
sh番号毎の相関値が算出されて、次段の合成部14にこ
の相関値が入力される。このフィンガー復調部11は、
複数(この場合は4つ)の復調器(Finger1)11−1
〜復調器(Finger4)11−4からなる。合成部14
は、いわゆるRAKE合成と呼ばれる処理を行うもので
あり、送信側(端末1)のアンテナから直接あるいはビ
ルや山等に反射して、マルチパスで、無線出力が受信側
(基地局2)のアンテナに到達することを考慮し、本図
の場合、最大3種の遅延をその受信した信号に加えるも
のである。そしてこれら遅延を加えた信号を合成し、S
IR(signal-to-interference ratio)の改善が図られ
る。
【0010】さて、合成部14によって合成された Wal
sh番号毎の相関値は、最大エネルギー選択部(MAX
SEL)19に入力され、最大の相関値を持つ Walsh番
号がMAX SEL19から出力され、デインターリー
バ12に入力される。ここで送信側(端末1)のインタ
ーリーバ5において時間的に離散させられた信号は元に
戻される。さらに、ビタビ復号器13において誤り訂正
処理を行って、目的とする信号を、出力として得る。次
に上記のフィンガー復調部11についてさらに詳しく説
明する。
【0011】図38は、図37に示すフィンガー復調部
11、合成部14およびMAX SEL19の具体的構
成を示す図である。本図において、参照番号15は逆拡
散部である。この逆拡散部15では、IS−95に準拠
して基地局2のショートコードを表すPNコードと、入
力信号(INi , INq )とを乗算して第1の逆拡散を
行い、さらに加入者のロングコードを表すPNコードと
その入力信号(INi, INq )とを乗算して第2の逆
拡散を行う。
【0012】逆拡散された入力信号(INi ,INq )
は、次段のアダマール変換部(FHT:Fast Hadamard
Transform )16に入力され、ここでその入力信号(I
Ni,INq )に対してアダマール変換処理(入力信号
と既知の64種類の Walshコードとの相関を求める処
理)を行い、各 Walsh番号(W0 , W1 …W63)毎の相
関値を得る。この相関値は電力Ei0,Eq0;Ei1,Eq
1;…Ei63 ,Eq63 として表される。かくしてIchお
よびQchそれぞれに、64個の相関電力(Ei ,Eq )
が得られる。
【0013】IchおよびQchそれぞれの相関電力((E
i ,Eq )は、さらに Walsh番号(W0 , W1 …W63)
毎のエネルギー算出部(I2 +Q2 )17に入力され、
ここで入力信号の位相成分を除去した Walsh番号毎の相
関エネルギー(E0 , E1 …E63)を得る。本図では、
復調器(Finger1)11−1において相関エネルギー
(E0 , E1…E63)を求めるプロセスを具体的に表し
たが、同様のプロセスは他の復調器(Finger2〜Finger
4)11−2〜11−4においても実行され、それぞれ
の結果は、 Walsh番号の同じもの同士で合成される。こ
れを行うのが、各 Walsh番号対応に設けられた複数の加
算器18よりなる合成部14である。
【0014】各加算器18からの相関エネルギー(E0
, E1 …E63)は、最大エネルギー選択部(MAX
SEL)19に入力され、64個のうちの最大のエネル
ギーを持つ1つの相関エネルギーが選択される。これが
仮に、W1 であったとすると、送信側(端末1)が Wal
sh番号 No.1に相当する Walshコードを送信したものと
判定し、 Walsh番号 No.1を出力する。なお、IS−9
5に規定するDualMax手法を用いる場合は、ビタ
ビの軟判定量として該選択部19より出力される。
【0015】上述した“相関”についてもう少し詳しく
説明する。まず送信側(端末1)について見ると、送信
側では送信信号を6ビットごとに分け、その6ビットで
表現される64通りの数を Walsh番号とし、64通りの
Walshコードのうち、その Walsh番号に対応する Walsh
コードを選択し、所定の変調を施して送信を行う。下記
の表のとおりである。
【表1】 途中のW32について見ると、これは32個の0連続と3
2個の1連続とから構成される。ただし上記表はIS−
95において規定される。なお、各 Walshコードは、6
4のWalsh chipにより構成されているが、この64のWa
lsh chipよりなる Walshコードを1 Walshシンボルと称
することとする。
【0016】上記表に示す Walshコードについて注目す
べきことは、どの Walshコードに対しても他の Walshコ
ードとの相関をとるとその相関値が50%、すなわち均
等になっていることである。受信側(基地局2)のアダ
マール変換部16は上記の相関を、64通りについて高
速に求めることができる。そして最終的に相関の一番強
いものが正しい Walsh番号であると判定される。
【0017】図39は受信側(基地局2)における Wal
sh番号ごとの相関値を、横軸にIch(Ei0〜Ei63)をと
り縦軸にQch(Eq0〜Eq63)をとって表した図である。
すなわち図38のアダマール変換部16からの出力信号
を位相面上で見ている。 Walsh番号の No.0, No.1,
No.2… No.35… No.40等がベクトルで表されてい
る。1つの無線空間をとおして多数の端末1がいろいろ
な信号をランダムに送ってくるため、位相面上では、図
示するようなパターンで相関電力が表れる。
【0018】従来の非同期検波方式では、図39に表し
たいろいろなベクトルについて位相成分を除去し、その
大きさを求める。すなわち、図38のエネルギー算出部
17によりEi02 +Eq02 等を求め、 Walsh番号毎の相
関エネルギーを示すベクトルの大きさを求める。図40
は図38におけるエネルギー算出部17からの出力を位
相面上で表した一例を示す図である。上記演算により、
図39に示した各ベクトル(W0 , W1…)は全てI軸
上に揃えられ、各ベクトルの大きさ(相関エネルギー)
が得られる。これが、各復調器(Finger)内の64個の
エネルギー算出部17から出力される。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の、M系
列直交変調を用いた無線通信システムにおける復調方法
では、Ich,Qchそれぞれの相関値の二乗和をとり、ベ
クトルの大きさの大小関係によって送信された Walshコ
ード(Walsh番号)の判定を行うため、干渉や伝搬路にお
けるノイズの混入等により、同程度の相関エネルギーを
持つ Walsh番号が複数存在する場合に判定精度が劣化し
てしまい、誤り率特性、例えばEb /Novs BER
特性はかなり劣化することになる。つまり復調データの
品質が悪くなる。
【0020】一方、非同期検波方式に対するものとして
既述した同期検波方式が提案されている。この同期検波
方式は、受信側(基地局2)において、送信側(端末
1)から送信される各 Walsh番号の信号の位相面上での
位相情報を、何らかの手段で入手できる、という仮定の
もとに、図39に示した各ベクトルをその位相情報に相
当する所定の位相角だけ回転させて、一方の軸例えばI
軸に一致させ、そのとき、その他のベクトルも一律にそ
の所定の位相角度だけ一緒に回転させる、という方式で
ある。そうすると、図40(非同期検波方式)に示した
ように、1つの軸(I軸)にいろいろなベクトルが多数
集合してしまうという事態は回避され、自ずと誤り率特
性は改善される。ところがこの同期検波方式は、ハード
ウェア規模の大幅な増大という不利を伴う。
【0021】したがって本発明は、上記の問題点に鑑
み、ハードウェア規模の増大は抑えつつ、上記同期検波
方式の場合に得られる誤り率特性に近い良好な特性をも
たらすことのできる、受信装置、さらには、M系列直交
変調を用いた無線通信システムにおける復調方法および
装置を提供することを目的とするものである。
【0022】
【課題を解決するための手段】図1は本発明に係る無線
通信システムの基本構成を示す図である。本図におい
て、参照番号100は本発明に係る無線通信システムを
表し、送信装置110と、受信装置120とを含んでな
る。具体的には、無線通信システム100は、 (i)送信すべきデータを、所定のコードに基づいて変
換しさらに所定の変調を加えた変調波として送信する送
信装置110と、 (ii)前記所定のコードと、送信された前記変調波を復
調して得られた受信信号との間の相関を用いて、該受信
信号の信号決定を行う信号再生手段121、および前記
信号決定の対象となる現在の前記受信信号に対し時間的
に前又は後に現れる受信信号と、前記所定のコードとの
間の相関を、前記信号再生手段での前記信号決定に反映
させる反映手段123、を備える受信装置120と、を
含んで構成される。より具体的には、受信装置120
は、相関特性を有する既知コードと、送信側からの変調
波を復調して得られた受信信号との間の相関を用いて、
該受信信号の信号決定を行う信号再生手段121と、前
記信号決定の対象となる現在の前記受信信号に対し時間
的に前又は後に現れる受信信号と、前記既知コードとの
間の相関を、前記信号再生手段121での前記信号決定
に反映させる反映手段123と、を備えて構成される。
より特定的には、受信装置120は、相関特性を有する
既知コードと、送信側からの位相変調波を復調して得ら
れた受信信号との間の相関を用いて、該受信信号の信号
決定を行う信号再生手段121と、前記信号決定の対象
となる現在の前記受信信号に対し時間的に前又は後に現
れる受信信号と、前記既知コードとの間の相関を、前記
信号再生手段121での前記信号決定に反映させる反映
手段123と、を備えて構成される。なお上述した既知
コードとしては、一例として、 Walshコードがある。後
述の実施例は、この Walshコードを例にとって説明す
る。以下、図2より一層詳細かつ具体的に本発明を説明
する。図2は本発明に係る復調方法を実現する復調装置
の基本構成を示す図である。なお、全図を通じて同様の
構成要素には同一の参照番号または記号を付して示す。
図2に示すフィンガー復調部11のうち、逆拡散部15
と、アダマール変換部16と、エネルギー算出部17
と、合成部14と、最大エネルギー選択部19について
は、図38を参照して既に説明したとおりである。
【0023】したがって、図2において新たに導入され
た部分は、信頼度算出手段21と補正手段22である。
これらの新たに導入された部分(21,22)によって
実施可能な、本発明による復調方法は以下のとおりであ
る。この復調方法は、図37および図38において説明
したのと同様、M系列直交変調されて各 Walsh番号に対
応する Walshコードとして送信側より送信された無線出
力信号を受信部(9,10,15)にて受信し、Iチャ
ネル入力信号およびQチャネル入力信号として再生し
て、アダマール変換(16)後の出力から各 Walsh番号
毎の相関エネルギー(E0 , E1 ,…)を得、これらの
相関エネルギーのうち最大の相関エネルギーを選択(1
9)してこれに該当する Walsh番号を受信信号として復
調する復調方法である。ここに本発明に特徴的な基本ス
テップは次の第1〜第3ステップである。
【0024】第1ステップ: Walsh番号毎の相関エネル
ギーのそれぞれについて、その確からしさを信頼度(R
0 , R1 …)として算出する。 第2ステップ:相関エネルギーに対しそれぞれ対応する
信頼度(R0 , R1 …)を加味して補正相関エネルギー
を得る。 第3ステップ:得られた各補正相関エネルギーを用いて
その中から上記の最大の相関エネルギーを選択する。
【0025】また、本発明に係る復調方法は次の第1〜
第4ステップにより実行される。上述の復調が、相互に
並列接続された複数の復調器(11−1〜11−4)か
らなるフィンガー復調部(11)により行われるとき、
各該復調器において、 第1′ステップ:各 Walsh番号毎の相関エネルギーにつ
いて、各該相関エネルギーの値の確からしさを信頼度
(R0 , R1 …)として算出する(上記第1ステップに
同じ)。
【0026】第2′ステップ:各相関エネルギーに対し
それぞれ対応する信頼度(R0 , R1 …)を加味して補
正相関エネルギーを得る(上記第2ステップに同じ)。 第3′ステップ:全ての前記復調器において得られたそ
れぞれの前記補正相関エネルギーを、各 Walsh番号毎に
収集して合成する。 第4′ステップ: その合成により得られた各前記補正
相関エネルギーを用いて前記の最大の相関エネルギーを
選択する(上記第3ステップに相当)。
【0027】図2を参照すると、上記第1ステップ(第
1′ステップも同じ)は、信頼度算出手段21によって
実行される。図では64個の Walsh番号(W0 , W1 …
W63)にそれぞれ対応して、64個の信頼度R0 , R1
…R63が出力される様子を示している。この算出手段2
1による算出時間の遅れを補償するためにFF部25を
設けているが、これは必要に応じて設ければよい。また
上記第2ステップ(第2′ステップも同じ)は、補正手
段22によって実行される。補正手段22としては、加
算部や乗算部等で構成できるが、本図では乗算部を参照
番号24により表している。さらにまた上記第3′ステ
ップは本図の合成手段23で実行される。この合成手段
23は既に述べた合成部14であり加算部として機能す
る。
【0028】さらにまた、上記第3ステップ(第4′ス
テップも同じ)は、従来どおり、最大エネルギー選択部
(MAX SEL)19により実行される。アダマール
変換部16からの出力は、本来、各 Walsh番号対応のエ
ネルギーの確からしさを表すものであるが、本発明はそ
れとは別の観点からその確からしさを一層信頼性の高い
ものとする。これが信頼度(R0 , R1 …R63)であ
る。結局、本発明において最終的に最大エネルギー選択
部18に印加される相関エネルギーEwnは下記(1)式
で表される。
【0029】
【数1】
【0030】上記(1)式において、添字のwnは Wal
sh番号W0 , W1 …W63における0,1…63を表し、
Ewnは、ある Walsh番号wnについての補正相関エネル
ギーである。Eiwn はIチャネルの相関電力、Eqwn は
Qチャネルの相関電力であって、これらより相関エネル
ギー(Eiwn2+Eqwn2)を得て、さらにこの相関エネル
ギーに対し本発明に基づく信頼度Rwnを加味する。この
場合、信頼度Rwnを乗算する。
【0031】ここに得た(Eiwn2+Eqwn2)×Rwnの値
は、図2の合成手段23により、全ての復調器(Finge
r)11−1〜11−4について合成される。上記
(1)式のΣはその合成を示しており、f=1からf=
4にわたって合成される。上述のとおり、本発明に基づ
く、M系列直交変調を用いた無線通信システムにおける
復調装置は、Walsh番号毎の相関エネルギーについて、
各該相関エネルギーの値の確からしさを信頼度として算
出する信頼度算出手段21と、相関エネルギーに対しそ
れぞれ対応する信頼度(R1 , R0 …)を加味して補正
相関エネルギーを得る補正手段22と、得られた各補正
相関エネルギーを用いてその中から最大の相関エネルギ
ーを選択する最大エネルギー選択手段19とを有して構
成される。
【0032】また、既述の復調が、相互に並列接続され
た複数の復調器11−1〜11−4からなるフィンガー
復調部11により行われるとき、全ての復調器11−1
〜11−4において得られたそれぞれの補正相関エネル
ギーを、各 Walsh番号毎に収集して合成する合成手段2
3を、最大エネルギー選択手段19の前段に有して構成
される。
【0033】かくしてハードウェア規模の増大は、信頼
度検出手段21の付加程度に抑えつつ、誤り率特性を改
善した復調装置が実現される。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、信頼度算出手段21のいく
つかの実施例ならびにその適用例について説明する。こ
こで図39を再び参照すると、送信側からの位相変調信
号の受信位相角Φ(一例としてwn=35について示
す)は、Iチャネルの相関電力Eiwn とQチャネルの相
関電力Eqwn とから知ることができる。下記(2)式の
とおりである。
【0035】
【数2】
【0036】本発明の実施例では、信頼度R(R0 , R
1 …R63)の算出はこの受信位相角Φの情報(位相角情
報)を利用することとする。図3は信頼度Rを導出する
原理を説明するための図(その1)、図4は同図(その
2)である。図3および図4において、縦軸は前述した
Walsh番号(wn)、すなわちW0 ,W1 ,W2 ,…,W
63を示す。又、横軸には Walshシンボル時間(Tws)を
示し、Tws=0により、現在の信号決定の対象である受
信系列(64 Walshチップで構成される1 Walshシンボ
ル長の受信系列を示し、Tws=−1により、1つ前に信
号決定の対象であった受信系列を示し、Tws=+1によ
り、1つ後の信号決定の対象となる受信系列を示すもの
である。これを図解的に示したのが図5である。なお、
Φ0(−1),Φ0(0),Φ0(+1)はそれぞれ W
alsh番号W0 についての、Tws=−1,0,+1におけ
る受信位相角を示している。
【0037】また図3の上方に表す R〔W0 (−1),W0 (0)〕 は、Tws=−1からTws=0への信号変遷における信頼
度を、 Walsh番号W0 について示し、 R〔W0 (0),W0 (+1)〕 は、Tws=0からTws=+1への信号変遷における信頼
度を、 Walsh番号W0 について示す。
【0038】したがって図3および図4は、Tws=−1
からTws=0への信号変遷、すなわち相関エネルギーの
変遷および受信位相角の変遷を、 Walsh番号W0 , W1
…についてそれぞれ示すと共に、Tws=0からTws=+
1への上記の信号変遷を、 Walsh番号W0 , W1 …につ
いてそれぞれ示す。図3において、Tws=0における W
alsh番号 No.0(W0 )の信号に注目する。このTws=
0におけるW0 の信号(E0 (0),Φ0 (0))が正
しいと(送信側からW0 を送信している)仮定すると
(まだ正しいかどうかを確定していないので)、先行す
るTws=−1におけるW0 , W1 …W63の信号のいずれ
かから、Tws=0におけるW0 に変化したと考えられ
る。そしてさらに、その時間Tws=0における信号(E
0 (0),Φ0 (0))は、後行のTws=+1における
W0 , W1 …W63の信号のいずれかへ変化すると考えら
れる。これらの変化が図3および図4中、矢印で表され
ている。
【0039】ここで受信位相角Φの変化について考察す
る。この受信位相角Φが、1 Walshシンボル時間(Tw
s)の間に変化する大きさはわずかである。本実施例に
おける信頼度の算出はこのことに着目している。すなわ
ち、前述したIS−95のシステムを例にとり、Walsh
シンボル周波数=4,800Hz基準搬送波周波数の偏差
≦300Hzとすると、1 Walshシンボル時間(Tws)の
間に変化する受信位相角Φは最大でも22deg(22
°)程度である。そうすると、受信位相角Φの変化、す
なわち位相差角が小さい程、図3および図4の矢印で示
す信号変遷の信頼度(R)は高いと考えられる。なお上
記の基準搬送波周波数の偏差とは、送信側および受信側
間の基準搬送波周波数差を言う。
【0040】上記のようにして、導出される信頼度
(R)は、下記(3)式によって表すことができる。
【0041】
【数3】
【0042】ただし、上記(3)式のような表し方は一
例である。上述した位相差角は、この(3)式中、|Φ
0 (0)−Φ0 (1)|で表される。上記(3)式は、
理解し易いように、信頼度Rを、0〜1の値として表す
ようにしている。すなわち180deg により正規化して
いる。例えば位相差角が0deg ならば、信頼度(R)は
最大値1となり、逆に180deg なら信頼度(R)は最
小値0となる。位相差角が、180deg →0deg に変化
するのに応じて、信頼度(R)は0→1となる。
【0043】上記(3)式の信頼度(R0 )は、 Walsh
番号の0(W0 )に着目して表したが、同様にW1 (−
1)→W0 (0),W2 (−1)→W0 (0),W3
(−1)→W0 (0),…W63(−1)→W0 (0)の
ように全部で64通りの信頼度を算出する。これを下記
(4)式で表す。すなわちW0 (0)の信号の信頼度R
0 (−1,0)は、
【0044】
【数4】
【0045】である。ただしmax{ }は、{
}の中の64個の信頼度の中から最大のものを選択す
ることを表す。このように最大の信頼度(R)を選択す
るのは、当該最大の信頼度を呈する信号変遷(仮にR1
が最大ならば、W1 →W0 の変遷)が正しいものと仮定
していることから、最大を取り得る。かくして信号W0
(0)の信頼度が求まり、上記(1)式を参酌して、補
正相関エネルギー(E0 , E1 …)が定義される。
【0046】なお、上記(4)式は信号W0 (0)につ
いて表したが、これを任意の信号Wn (n=0,1,2
…63)についてその信頼度Rn を一般化して表すと下
記(5)式のようになる。
【0047】
【数5】
【0048】また、上記(3)式はW0 (−1)の信号
からW0 (0)の信号への変遷について表したものであ
るから、これも任意のWn (−1)の信号からW0
(0)の信号への変遷における信頼度として一般化して
表すと下記(6)式のようになる。
【0049】
【数6】
【0050】上述の説明は、図3における Walshシンボ
ル時間のTws=−1からTws=0への信号変遷に注目し
て信頼度(R)を求める場合について述べたが、図3に
おける Walshシンボル時間のTws=0からTws=+1へ
の信号変遷に注目して信頼度(R)を求めることもでき
る。この後者の場合にあっては、上記(3)式は下記の
ように変形される。
【0051】
【数7】
【0052】また上記(4)式は、下記(8)式のよう
に変形される。
【0053】
【数8】
【0054】さらにまた上記(5)式は、下記(9)式
のように変形される。
【0055】
【数9】
【0056】また上記(6)式は、下記(10)式のよ
うに変形される。
【0057】
【数10】
【0058】かくして本発明によれば、上記(3)〜
(6)式に例示したとおり、上記の信頼度(R)を、各
Walsh番号(W0 , W1 …W63)毎に検出された現在の
Walshシンボル時間Tws=0における受信位相角Φ
(0)と、それに先行する Walshシンボル時間Tws=−
1における受信位相角Φ(−1)との間の位相差角に基
づいて算出した各信頼度のうちの最大の信頼度より得る
ことができる。
【0059】また上記(7)〜(10)式に例示したと
おり、上記の信頼度(R)を、各 Walsh番号(W0 , W
1 …)毎に検出された現在の Walshシンボル時間Tws=
0における受信位相角Φ(0)と、それに後行する Wal
shシンボル時間Tws=+1における受信位相角Φ(+
1)との間の位相差角に基づいて算出した各信頼度のう
ちの最大の信頼度より得ることもできる。
【0060】またさらに発展させて、上記の信頼度
(R)を、各 Walsh番号(W0 , W1 …)毎に検出され
た現在の Walshシンボル時間Tws=0における受信位相
角Φ(0)と、それに先行する Walshシンボル時間Tws
=−1における受信位相角Φ(−1)との間の先行位相
差角に基づいて算出した各信頼度のうちの最大の信頼度
(第1の信頼度)および各 Walsh番号(W0 , W1 …)
毎に検出された現在の Walshシンボル時間Tws=0にお
ける受信位相角Φ(0)と、それに後行する Walshシン
ボル時間Tws=+1における受信位相角Φ(+1)との
間の後行位相差角に基づいて算出した各信頼度のうちの
最大の信頼度(第2の信頼度)から定めることもでき
る。
【0061】このように先行および後行の両位相差角に
基づいて算出すると、より一層高精度な信頼度(R)を
得ることができる。この場合、具体的には、上記先行位
相差角に基づき得られた第1の信頼度と、上記後行位相
差角に基づき得られた第2の信頼度との平均値を算出し
て求める信頼度(R)とするのが好ましい。これを、任
意の Walsh番号の信号(Wn )について、数式で表すと
下記(11)式のようになる。すなわちその信頼度Rn
(0)は、
【0062】
【数11】
【0063】となる。また上述した信頼度(R)の表し
方は、上記の位相差角(ΔΦ)を式(180deg −|Δ
Φ|)/180deg のように正規化して表すのが便利で
あるが、その表し方はこれに限定するものではない。図
6は本発明に基づく復調装置の第1実施例を示す図であ
る。本図に示す信頼度算出手段21は、信頼度演算部3
0を有する。この信頼度演算部30は、アダマール変換
部16から出力されたIチャネル相関電力Ei およびQ
チャネル相関電力Eq を各 Walsh番号毎に入力し、所定
の演算式に基づき、各 Walsh番号毎の受信位相角Φを、
2つの連続する Walshシンボル時間Tws=−1およびT
ws=0と、Tws=0およびTws=+1の少なくとも一方
(Tws=−1とTws=0か、Tws=0とTws=+1の少
なくとも一方)について求め、さらにその2つの連続す
る Walshシンボル時間にそれぞれ対応する受信位相(Φ
(0)およびΦ(−1)か、Φ(0)およびΦ(+
1)、またはこれら双方)の間の位相差角(ΔΦ)を求
める。さらにその位相差角に基づき、各 Walsh番号毎の
信頼度を演算する。なお、所定の演算式については既に
(1)式〜(11)式に示したとおりである。
【0064】このように本発明による信頼度算出手段2
1は信頼度演算部30を有する。この信頼度演算部30
は、アダマール変換部16による変換後に得たIチャネ
ル相関電力(Ei )およびQチャネル相関電力(Eq )
を各 Walsh番号毎に入力し、連続する2つの Walshシン
ボル時間の各々についてこれらIチャネルおよびQチャ
ネル相関電力の各値より受信位相角Φを演算する。そし
て得られた受信位相角に基づいて信頼度を出力するよう
に構成される。
【0065】ここに得られた2つの受信位相角Φの間の
位相差角を演算し、この位相差角に基づいて、求める信
頼度Rを出力するようにする。この場合各 Walsh番号毎
の位相差角に基づいて信頼度を演算し、演算された各該
信頼度のうちの最大の信頼度を、求める信頼度Rとして
出力するようにする。なお位相差角をΔΦとすると、 (180deg −|ΔΦ|)/180deg により正規化された位相差角によって信頼度Rを演算す
るのが好ましい。
【0066】図7は信頼度演算部30の第1例を示す図
である。この信頼度演算部30(第1例)は、アダマー
ル変換部16からのアダマール変換後の相関電力(Ei
,Eq )を、各 Walsh番号(W0 , W1 …W63)対応
に入力し(同図左端)、各 Walsh番号対応の信頼度R0
(−1,0), R1 (−1,0)…を出力する。
【0067】まず入力段には、各 Walsh番号(W0 , W
1 …W63)対応に受信位相角(Φ)作成回路31が設け
られ、上記(2)式に基づいてtan-1の演算を行う。
かくして得られた各 Walsh番号毎の受信位相角Φ0 , Φ
1 …Φ63は、それぞれ対応する信号遷移回路32に印加
される。この回路32は例えば直列接続の2つのフリッ
プフロップ(FF)33−1および33−2で構成され
る。 Walsh番号W0 の系についてみると、一段目のFF
33−1の出力からは、前述した現在の Walshシンボル
時間(Tws=0)での受信位相角Φ0 (0)が得られ、
2段目のFF33−2の出力からは、1Tws前の受信位
相角Φ0 (−1)が得られる。
【0068】これらΦ0 (0)およびΦ0 (−1)は、
減算器34に入力され、これより既述の先行位相差角Δ
Φ(=Φ0 (0)−Φ0 (−1))を得る。これは上記
(3)式のΦ0 (0)−Φ0 (−1)の項に相当する。
減算器34の出力は絶対値回路35に入力され、ここで
上記(3)式における|Φ0 (0)−Φ0 (−1)|の
項の演算を行う。
【0069】さらに信頼度計算回路36にて、上記
(3)式全体の計算をし、求める信頼度R0 〔W0 (−
1),W0 (0)〕を得る。以上の演算操作は、他の W
alsh番号の系(W1 …W63)についても同様であり、各
系毎の信頼度を、それぞれの信頼度演算回路より得る。
そして全ての Walsh番号の系より得た信頼度を最大信頼
度選択回路(MAX SEL)37に入力し、それらの
うちの最大の信頼度を選択し、求める出力R0 (−1,
0)を得る。これは上記(4)式に相当する。
【0070】以上の操作は、他の Walsh番号W1 …W63
にも適用され、求める出力(信頼度)R1 (−1,0)
…R63(−1,0)をそれぞれ得る。これは上記(5)
式におけるn=1…63の場合に相当する。以上述べた
ように本発明の信頼度演算部30は、アダマール変換部
16によるアダマール変換後に得たIチャネル相関電力
(Ei )およびQチャネル相関電力(Eq )を各 Walsh
番号(W0 , W1 …W63)毎に入力し、Iチャネルおよ
びQチャネル相関電力の各値より受信位相角を作成する
受信位相角作成回路31を含むように構成する。
【0071】さらにこの信頼度演算部30は、上記の受
信位相角を入力とし、連続する2つの Walshシンボル時
間の各々についてその受信位相角を得る信号遷移回路3
2を含む。ここに、信号遷移回路32は従属接続された
フリップフロップ33−1および33−2よりなる。さ
らにまた、この信頼度演算部30は、上記のアダマール
変換後に得たIチャネル相関電力(Ei )およびQチャ
ネル相関電力(Eq )の各値より、連続する2つの Wal
shシンボル時間の各々について作成された2つの受信位
相角を入力とし、これらの間の差分をとって位相差角を
出力する減算器34を含むように構成し、ここに上記の
位相差角の絶対値をとる絶対値回路35をさらに備え
る。
【0072】また、該信頼度演算部30は、上記のアダ
マール変換後に得たIチャネル相関電力(Ei )および
Qチャネル相関電力(Eq )の各値より作成された受信
位相角を、連続する2つの Walshシンボル時間の各々に
ついて得、これらの間の差分である位相差角を得て、こ
の位相差角をもとに信頼度(R)を計算する信頼度計算
回路36を含むように構成する。ここにこの信頼度計算
回路36は、上記の位相差角をΔΦとすると、 (180deg −|ΔΦ|)/180deg により信頼度(R)を計算するように構成する。
【0073】さらにこの信頼度演算部30は、上記のア
ダマール変換後に得たIチャネル相関電力(Ei )およ
びQチャネル相関電力(Eq )の各値より、連続する2
つのWalshシンボル時間の各々について作成された2つ
の受信位相角を、各 Walsh番号(W0 , W1 …W63)毎
に得、これらの間の差分をとって得た位相差角に基づき
算出した各 Walsh番号毎の信頼度のうちの最大の信頼度
を選択して、求めるべき信頼度(R)を出力する最大信
頼度選択回路37を含むように構成する。
【0074】図8は信頼度演算部30の第2例を示す図
である。前述した図7に示す信頼度演算部30(第1
例)は、 Walshシンボル時間の先行するTws=−1から
現在のTws=0への信号変遷に着目して信頼度R〔W0
(0),W0 (−1)〕を算出するものであるが、図8
に示す第2例の信頼度演算部30は、現在(Tws=0)
から後行するTws=+1への信号変遷に着目して信頼度
R〔W0 (0),W0 (+1)〕を算出するものであ
る。このことについては既に述べたとおりであり、上記
(7),(8),(9)および(10)式が適用され
る。
【0075】この第2例の第1例に対するハードウェア
上の変更点は、図8における信号遷移回路38にある。
図7に示した信号遷移回路32と同一構成であるが出力
の取り出し方が異なる。現在の位相角Φ(0)に対して
後行する位相角Φ(+1)を取り出すためである。ただ
し、この場合フリップフロップ33−2は不要となるの
で削除可能である。
【0076】第1例の信頼度演算部30(図7)と第2
例の信頼度演算部30(図8)はそれぞれ単独で用いる
ことができるが、好ましくは両者を同時に用いる。図9
は信頼度演算部30の第3例を示す図(その1)、図1
0は同図(その2)である。図9および図10に示す第
3例の信頼度演算部30は、図7および図8にそれぞれ
示す、先行位相差ΔΦ(−1)を利用する演算部および
後行位相差ΔΦ(+1)を利用する演算部を合体し、し
かもこれら2つの演算部からの各信頼度を処理手段43
により処理し、一層精度の高い信頼度R0 (0), R1
(0)…R63(0)を算出するものである。なお、図9
における上側部は、図7の左半分に相当し、図9におけ
る下側部は図8の左半分に相当する。そして図10にお
ける上側部の第1の信頼度演算部41と、図10におけ
る下側部の第2の信頼度演算部42は、いずれも図7お
よび図8に示す演算部分39と同一の構成である。
【0077】かくのごとくここに例示した信頼度演算部
30を備えた信頼度算出手段(21)は、(i)アダマ
ール変換後に得たIチャネル相関電力(Ei )およびQ
チャネル相関電力(Eq )の各値より、現在の Walshシ
ンボル時間Tws=0およびこれに先行する Walshシンボ
ル時間Tws=−1の各々について作成された2つの受信
位相角Φ(0),Φ(−1)を各 Walsh番号(W0 , W
1 …W63)毎に得、これら受信位相角の間の第1の位相
差角に基づいて第1の信頼度を演算して出力する第1の
信頼度演算部41と、(ii)アダマール変換後に得たI
チャネル相関電力(Ei )およびQチャネル相関電力
(Eq )の各値より、現在の Walshシンボル時間Tws=
0およびこれに後行する Walshシンボル時間Tws=+1
の各々について作成された2つの受信位相角Φ(0),
Φ(+1)を各 Walsh番号毎に得、これら受信位相角の
間の第2の位相差角に基づいて第2の信頼度を演算して
出力する第2の信頼度演算部42と、を有している。そ
してさらに(iii )上述した第1の信頼度および前記第
2の信頼度に対し所定の処理を行って、求める信頼度
(R)を出力する処理手段43を有している。
【0078】ここに上記処理手段43は、上記の第1の
信頼度および第2の信頼度の平均値をとる平均回路44
とするのが好適である。上記の平均回路44は、例え
ば、上記第1および第2の信頼度を表す信号を加算する
加算器45と、この加算器45の出力を平均化する1/
2割算器46とによって構成することができる。
【0079】図11は信頼度演算部30の第4例を示す
図(その1)、図12は同図(その2)である。この第
4例の信頼度演算部30は、上述した第3例の信頼度演
算部30に比べて処理手段43(図12)の構成が異な
る。この第4例は、先行位相差角ΔΦ(−1)に基づき
得られた第1の信頼度R1 と、前記後行位相差角ΔΦ
(+1)に基づき得られた第2の信頼度R2 のうちいず
れか大きい方の信頼度を選択して、求める信頼度Rとす
るようにしたものである。これは、 Walsh番号(W0 ,
W1…W63)毎に行う。結局、128(=64×2)通
りの信号変遷の中から、最大の信頼度を選択することに
なる。
【0080】したがって、任意の Walsh番号Wn (n=
0,1,2…63)についての信頼度Rn (0)は、下
記(12)式のようになる。
【0081】
【数12】
【0082】ただしmax{ }は、{ }内のい
ずれか大きい方を選択することを意味する。図12を参
照すると、上記の処理手段43は最大値選択部47から
構成されており、上記(12)式に従った選択を行う。
具体例として、本図では、各 Walsh番号対応に設けたセ
レクタ48によりその最大値選択部47を構成してい
る。この第4例による信頼度演算部30によれば、次の
ような固有の効果が得られる。
【0083】この固有の効果とは、送信側からの送信信
号がバースト信号になっても、正しく信頼度Rが得られ
ることである。IS−95に定義されるリバースリンク
では、パワーコントロールグループ(=6 Walshシンボ
ル)を単位としたバースト信号になることがある。これ
は、例えば送信側からの音声の発生間隔が長くなると伝
送レートを下げるようにし、この結果、送信信号がバー
スト信号になってしまうからである。このようなバース
ト信号を受信するとき、既に述べた先行位相差角により
得た第1の信頼度は全く信頼できなくても、既に述べた
後行位相差角により得た第2の信頼度は正しいというこ
とが起こり得、またこの逆のことも起こり得る。そうす
ると、第1の信頼度および第2の信頼度のうち大きい方
の信頼度は上記バースト信号による影響を受けなかった
可能性が高く、この大きい方の信頼度は正しいものとし
て利用することができる。これが第4例による固有の効
果である。
【0084】図13は信頼度演算部30の第5例を示す
図(その1)、図14は同図(その2)である。この第
5例の信頼度演算部30の構成は、例えば図7に示した
第1例の構成に対し、重み付け回路51を付加したもの
である。すなわち、この第5例においては、信頼度Rの
算出に際し、位相差角ΔΦが小さくなるにつれて信頼度
Rをより大きくするような重み付けを行い、さらに必要
ならば位相差角ΔΦが大きくなるにつれて信頼度Rをよ
り小さくする。
【0085】これまでの説明では信頼度Rは上記(3)
式や(7)式で表すように、一次関数的に変化するもの
として取り扱ってきたが、この第5例では、システム状
況に応じて、この一次関数に上述したような重み付けを
するものとする。位相差角が0deg に近付くにつれて、
信頼度を急峻に1に近付けるというものである。ここで
上記のシステム状況とはいろいろな状況が考えられる。
例えば上述したバースト信号が発生するようなシステム
も1つの状況である。また無線伝搬路上のノイズの分布
状況も1つの状況である。実際に運用するシステムに応
じてケースバイケースで重み付けを設定するのがよい。
【0086】図14を参照すると、信頼度演算部30
は、位相差角ΔΦが大きくなるにつれて信頼度Rをより
小さくし、その位相差角ΔΦが小さくなるにつれて信頼
度Rをより大きくするような重み付け回路51を含むよ
うに構成している。そしてその重み付け回路51の実現
例として二乗回路52を示している。この場合の信頼度
R〔Wn (0), W0 (0)〕は、下記(13)式で表
すことができる。nは、n=0,1…63である。
【0087】
【数13】
【0088】図15は信頼度演算部30の第6例を示す
図である。この第6例の信頼度演算部30は、例えば図
7に示した第1例に対し、周波数差補償部54を加えた
ものである。すなわちこの第6例においては、信頼度R
の算出に際し、受信した基準搬送波周波数と送信側の基
準搬送波周波数との間の周波数差により生ずる位相差角
ΦΔf分を補償して上記の算出を行うようにする。すな
わち、上記(6)式に示した信頼度R〔Wn (−1),
W0 (0)〕は下記(14)式のように表される。
【0089】
【数14】
【0090】これまでの説明では、その周波数差はほと
んど0(Δf=0)として信頼度Rを算出した。これは
IS−95の規格上、Δfは300Hz以下と定義されて
いるからである。しかしながら、次世代の移動通信シス
テムの運用面からすると、Δf≦300Hzといった制約
をもっと緩めることが求められる。例えば、Δf≒10
00Hzといったところまで、高精度の信頼度Rを得られ
るようにしておくのが望ましい。
【0091】図39を参照すると、例えばベクトルW35
について示した受信位相角Φは、位相面上において固定
として信頼度Rを算出したが、上記の周波数差Δfが無
視できないとすると、このΔfの大きさに比例した速度
で各ベクトルは位相面上を回転し始める、すなわち、例
えばΦΔf=k・Δf(kは比例定数)とし、kは1Wa
lsh シンボル時間に対応させて定めればよい。この回転
を見かけ上止めるのが、図15に示す周波数差補償部5
4である。この実現例として、本図では減算器55を示
している。かくのごとく、第6例に基づく信頼度演算部
30は、受信した基準搬送波周波数と送信側の基準搬送
波周波数との間の周波数差により位相差角ΔΦを補償す
る周波数差補償部54を含むように構成されている。
【0092】なお周波数差Δfは、受信側(復調側)に
設けられる自動周波数弁別回路の出力を利用して求める
ことができる。あるいはあらかじめ上記周波数差Δfを
机上計算等により計算し、これを用いるようにしても良
い。図16は信頼度演算部30の第7例を示す図(その
1)、図17は同図(その2)である。
【0093】この第7例の信頼度演算部30の構成は、
例えば図7に示した第1例の構成に対し、信頼度補償部
57(図17)を付加したものである。なお図16中の
新たなフリップフロップ段58は時間調整用のフリップ
フロップである。この第7例は次のような基本概念をも
とに成立するものである。すなわち、信頼度Rの算出に
際し、各 Walsh番号(W0 , W1 …W63)毎に検出され
た Walshシンボル時間毎の既述した相関エネルギーE0
, E1 …E63(図2参照)に基づいて演算した補償信
頼度Renをさらに加味する、という概念である。さらに
具体的には、この第7例では、現在の Walshシンボル時
間に検出する相関エネルギー(E0 , E1…E63)より
も1 Walshシンボル時間(Tws)前に、各 Walsh番号毎
に検出された各相関エネルギーEn のうちの最大の相関
エネルギーEmax に対する各 Walsh番号毎の相関エネル
ギーの比として、補償信頼度Renを演算するようにす
る。
【0094】したがってこの補償信頼度Renは、基本的
には下記(15)式で表すことができる。
【0095】
【数15】
【0096】ただし、n=0,1…63である。Renは
エネルギー(e)に注目して得た信頼度(R)という意
味である。既述した位相差角ΔΦにのみ着目した場合、
ΔΦが小さい程、信頼度(R)は高くなる。ところが、
ΔΦは小さいにもかかわらず相関エネルギー(エネルギ
ー算出部(I2 +Q2 )17からの相関エネルギー)が
小さく、そのΔΦに基づいて算出した信頼度(R)が確
からしくない、というケースも起こり得る。上述した基
本概念はこのようなケースを想定して生まれたものであ
る。すなわち、信頼度演算部30は、各 Walsh番号毎に
検出された Walshシンボル時間毎の相関エネルギーに基
づいて補償信頼度を演算して、この補償信頼度Renを信
頼度に対してさらに加味する信頼度補償部57を含むよ
うにする。
【0097】そして図16および17に示すハードウェ
ア構成によれば、信頼度補償部57は、現在の Walshシ
ンボル時間に検出する相関エネルギーよりも1 Walshシ
ンボル時間前に、各 Walsh番号毎に検出された各相関エ
ネルギーEn のうちの最大の相関エネルギーEmax を選
択し、この最大の相関エネルギーEmax に対する各 Wal
sh番号毎の相関エネルギーEn の比の値を補償信頼度R
enとして出力する。このRenは、既に述べた信頼度に加
味される。図17に示す例は、その信頼度に対し、Ren
が乗算部59にて乗算される。
【0098】上記(15)式によれば、一番エネルギー
の高い Walsh番号のベクトルが補償信頼度1(Ren=
1)ということになる。さらに詳しく、全てのベクトル
について一般化して表すと、補償信頼度Ren〔Wn (−
1), W0 (0)〕は、下記(16)式で表される。
【0099】
【数16】
【0100】ここで−1は1 Walshシンボル時間前であ
ることを表す。結局、図16および図17に示す最終的
な信頼度(R)は、一般化(R〔Wn(−1), W0
(0)〕)して表すと下記(17)式のようになる。
【0101】
【数17】
【0102】かくして、位相差角のみならず相関エネル
ギーまでも加味した、一層高精度な信頼度(R)が得ら
れる。上述した第7例では、既述の基本概念を、1 Wal
shシンボル時間前に検出された相関エネルギーEn (−
1)を用いて実現しているが、同様のことは1 Walshシ
ンボル時間後に検出される相関エネルギーEn (+1)
を用いても実現できる。すなわち、現在の Walshシンボ
ル時間に検出する相関エネルギーEn (0)に続いて1
Walshシンボル時間後に、各 Walsh番号W0 , W1 …W
63毎に、検出される各相関エネルギーEn (+1)のう
ちの最大の相関エネルギーEmax に対する各 Walsh番号
毎の相関エネルギーの比として、補償信頼度Renを演算
するようにする。
【0103】この場合の図17の信頼度補償部57は、
現在の Walshシンボル時間に検出する相関エネルギーに
続いて1 Walshシンボル時間後に、各 Walsh番号毎に検
出される各相関エネルギーEn (+1)のうちの最大の
相関エネルギーEmax を選択し、この最大の相関エネル
ギーEmax に対する各 Walsh番号毎の相関エネルギーE
n (+1)の比の値を補償信頼度Renとして出力するこ
とになる。
【0104】したがって上記(16)式は、下記(1
8)式のように変更される。
【0105】
【数18】
【0106】ここで+1は1 Walshシンボル時間後であ
ることを表す。また上記(17)式は、下記(19)式
のように変更される。
【0107】
【数19】
【0108】以上述べた第7例の信頼度演算部30を取
り入れた復調装置を以下に説明する。図18は本発明に
基づく復調装置の第2実施例を示す図である。この第2
実施例では、信頼度算出手段21は、位相差角ΔΦを第
1入力情報とするのみならず(図6と同じ)、上記第7
例での相関エネルギーEn をも第2入力情報としてい
る。
【0109】図19は本発明に基づく復調装置の第3実
施例を示す図である。図18に示す第2実施例と比較す
ると、相関エネルギーに着目した上記第2入力情報の取
り出し方が異なる。図18においては図示するEn とし
て信頼度算出手段21に取り込まれたが、図19ではE
n ′として該手段21に取り込まれる。かくのごとく第
3実施例は、相関エネルギーEn に基づいて補償信頼度
Renを演算するとき、この相関エネルギーEn として既
述の補正相関エネルギーすなわち最大エネルギー選択部
(MAX SEL)19に入力されるべき相関エネルギ
ーを用いるものであり、図19ではこれをEn ′として
示す。本図を参照すると、信頼度演算部30は、信頼度
補償部57(図17)に印加すべき相関エネルギーとし
て補正相関エネルギーを印加するためのフィードバック
部61を備える。なお62は時間調整のためのフリップ
フロップである。
【0110】図20は第3実施例(図19)に適用され
る信頼度演算部30の一例を示す図(その1)、図21
は同図(その2)である。図20および21に示す信頼
度演算部30は、図16および図17に示す信頼度演算
部と殆ど同じである。異なるのは時間調整用のフリップ
フロップ段58が排除された点である。これは、第3実
施例では演算部30の後段側の信号(En′)を使用す
るからである。
【0111】上述した補償信頼度Renを乗算した最終的
な信頼度Rは、例えばR〔Wn (−1), W0 (0)〕
について見ると、下記(20)式のようになる。
【0112】
【数20】
【0113】すなわち、位相差角ΔΦに基づき算出され
た信頼度(R)に対し相関エネルギー(En ,En ′)
に基づき算出された補償信頼度(Ren)を乗算して最終
的な信頼度を得るようにする。この(20)式に、既述
の(13)式に示した重み付けの考え方を適用し、種々
のシステム状況に対応させることができる。
【0114】第1の重み付け方法は、位相差角ΔΦが小
さくなるにつれて信頼度Rをより大きくするような重み
付けを行う。すなわち、信頼度計算回路36と乗算部5
9との間に二乗回路52を備える。上記(20)式に当
てはめると、下記(21)式のようになる。
【0115】
【数21】
【0116】第2の重み付け方法は、さらに、補償信頼
度(Ren)が1に近付くにつれて補償信頼度(Ren)が
より急峻に1に近付くような重み付けを行う。すなわ
ち、乗算部59と最大信頼度選択回路37との間に二乗
回路52を備える。上記(20)式に当てはめると、下
記(22)式のようになる。
【0117】
【数22】
【0118】図22は本発明に基づく復調装置の第4実
施例を示す図(その1)、図23は同図(その2)であ
る。この第4実施例は図37に示すようにフィンガー復
調部11が複数の復調器(Finger)11−1〜11−4
から構成されることに特に着目したものであり、信頼度
の算出に際し、各フィンガー復調部11において各 Wal
sh番号(W0 , W1…W63)毎に検出された Walshシン
ボル時間(Tws)毎の相関エネルギー(E0, E1 …E6
3)を加味するようにするものであり、ここに複数の復
調器11−1〜11−4から同様に出力される各相関エ
ネルギーを Walsh番号毎に合成したものを用いて補償信
頼度Renの演算を行うものである。
【0119】図37に示す複数の復調器(Finger)は常
に全てが動作しているとは限らない。本図中の第1の復
調器11−1(Finger1)のみで動作するということも
あり、以上の説明は、主として1つの復調器のみに注目
して行ってきた。なお、これら4つの復調器のいずれを
アクティブにすべきかは、マルチパスフェージングの状
況をサーチャーが分析し、かつ、適合する各位相遅延を
決定して適当な2以上の復調器をアクティブにする。
【0120】このように2以上の復調器(11−1〜1
1−4のいずれか)がアクティブになっているときは、
これらアクティブな復調器からそれぞれ出力された相関
エネルギーを、各 Walsh番号対応に、合成して、信頼度
算出手段21(信頼度演算部30)に入力するようにす
る。これを行うのが図22に示すエネルギー合成部64
である。したがってこの場合は本来の合成手段23によ
る全Finger出力の合成の他に、エネルギー合成という第
2の合成が加わることになる。
【0121】このようにすると、2以上の復調器のいず
れかからは必ず正しい相関エネルギーが出力されている
確率がきわめて高く、複数フィンガーにおける相関エネ
ルギーを用いて算出した補償信頼度Renを用いることに
より結果的により一層精度の高い信頼度Rを得ることが
できる。かくのごとく上述した第4実施例は、復調が、
相互に並列接続された複数の復調器(Finger)11−1
〜11−4からなるフィンガー復調部11により行われ
るとき、全ての復調器からそれぞれ収集して得た各相関
エネルギーE0 , E1 …En を合成するエネルギー合成
部64を有し、このエネルギー合成部64からの合成相
関エネルギーを既述の信頼度補償部57に入力すること
を特徴とするものである。
【0122】図24は本発明に基づく復調装置の第5実
施例を示す図(その1)、図25は同図(その2)であ
る。図24および図25に示す構成はこの第5実施例の
考え方を前述した第4実施例に適用した構成を一例とし
て示しているが、他の各実施例に対しても同様に適用で
きる。このことは、本発明の説明全体についても同様で
ある。
【0123】第5実施例も図37に示すようにフィンガ
ー復調部11が複数の復調器(Finger)11−1〜11
−4から構成されることに特に着目したものであり、複
数の復調器(Finger)において同様に生成される各相関
エネルギーを、各 Walsh番号(W0 , W1 …W63)対応
に入力して精度の高い信頼度Rを得、相関エネルギーに
乗算するとともに、さらに、各フィンガー復調部11か
らの相関エネルギーの加算後に各フィンガー復調部11
で算出した信頼度Rを用いて所定の演算により最適な信
頼度を得て、各 Walsh番号毎に乗算するようにしたもの
である。これにより、他Fingerからの補正相関エネルギ
ーを合成(合成手段23による)した値をさらに最適化
し、一層正確な復調を行うことが可能となる。
【0124】図24および25を参照すると、第5実施
例においては、復調が、相互に並列接続された複数の復
調器からなるフィンガー復調部により行われるとき、全
ての復調器11−1〜11−4からそれぞれ収集して得
た各信頼度Rを各 Walsh番号対応に入力して最適な信頼
度を選択し(この最適な選択の例については後述す
る)、さらに、各 Walsh番号対応に、補正相関エネルギ
ーにさらに乗算する信頼度最適化手段66を備えること
を特徴としている。
【0125】そしてその信頼度最適化手段66は、各 W
alsh番号対応に入力された信頼度Rをもとに最適な信頼
度を決定する信頼度決定部67と、この信頼度決定部6
7により決定された信頼度を最大エネルギー選択手段1
9の前段にて各 Walsh番号対応の各補正相関エネルギー
にさらに乗算する乗算部68とから構成することができ
る。
【0126】図26は信頼度決定部67の第1例を示す
図である。この信頼度決定部67は、上記の最適な信頼
度を、全ての復調器(Finger1〜Finger4)11−1〜
11−4からそれぞれ収集して得た各信頼度Rf1〜Rf4
の平均値をとることにより生成するようにしたものであ
り、そのために平均回路69を採用する。つまり(Rf1
+Rf2+Rf3+Rf4/4の計算を行う。この場合、既述
のサーチャーにより、例えば2つの復調器11−1およ
び11−2のみがアサインされていたとするならば、上
記の計算は(Rf1+Rf2)/2となる。なお、いずれの
復調器がアサインされているかは、サーチャー等から取
得すればよい。
【0127】各復調器(Finger)により、各 Walsh番号
毎に得られる補正相関エネルギーは常に正しいという保
証はない。仮にノイズ等により、例えば Walsh番号W0
の補正相関エネルギーE0 が例えば復調器11−1にお
いて異常に大きく現れるということがあり得る。つまり
Rf1が異常値となる。このような場合、他の3つの正常
な値Rf2〜Rf4をそのRf1に作用させて(平均化させ
て)、Rf1が支配的な値とならないように抑制すること
ができる。これにより正しい復調が期待できる。
【0128】図27は信頼度決定部67の第2例を示す
図である。この信頼度決定部67は、全ての復調器11
−1〜11−4からそれぞれ収集して得た各信頼度Rf1
〜Rf4の中から、これら復調器の各々において生成され
た補正相関エネルギーEf1〜Ef4のうち2番目に大きい
補正相関エネルギーを生成している復調器からの信頼度
を選択して上記の最適な信頼度(最適化信頼)とするよ
うにしたものである。
【0129】前述したように、仮にノイズ等により例え
ば Walsh番号W0 の補正相関エネルギーE0 が例えば復
調器11−1において異常に大きく現れるということが
あり得る。このような場合、その次に大きい(2番目に
大きい)補正相関エネルギー例えばE1 を生成している
復調器からの信頼度を用いると、かなりの確率で正しい
復調がなされる。これは種々の実験あるいはシミュレー
ション結果に基づくものである。
【0130】図27を参照すると、比較回路71は、復
調器の各々において生成された補正相関エネルギーのう
ち2番目に大きい補正相関エネルギーを割り出す。そし
て、選択回路72は、復調器からそれぞれ収集して得た
各信頼度のうち、比較回路71により割り出した2番目
に大きい補正相関エネルギーを生成している復調器から
の信頼度を選択する。
【0131】図28は図27に示す信頼度決定部67を
用いた場合の復調装置を示す図(その1)、図29は同
図(その2)である。ただしこの信頼度決定部67を、
第5実施例(図24および25)に適用した場合の例で
示す。図29に示すように、各信頼度決定部67は、自
Fingerにおける補正相関エネルギー、信頼度のみでな
く、他Fingerからの補正相関エネルギー、信頼度も入力
とする。
【0132】図30は信頼度決定部67の第3例を示す
図である。この第3例は、前述の第2例(図27)に比
べ、格段に大きな補正相関エネルギーに支配された信頼
度をさらにきめ細かく排除することができるようにした
ものである。具体的には、復調器11−1〜11−4の
各々において生成された補正相関エネルギーEf1〜Ef4
のうち1番目に大きい補正相関エネルギーAが予め定め
た設定値B(補正相関エネルギーとして大きすぎた値と
なり、その信頼度が正確でない、という可能性が高いと
考えられる値を設定すればよい)よりも大きいときの
み、2番目に大きい補正相関エネルギーを生成している
復調器からの信頼度(Rf1〜Rf4のいずれか)をもって
目的とする最適な信頼度とし、一方、この1番目に大き
い補正相関エネルギーが該設定値Bよりも小さいとき
は、その最適な信頼度として信頼度=1を設定するよう
にしたものである。これを行うのが比較/選択手段74
である。71と72のブロックは図27に示したとおり
である。該手段74は、例えば比較回路75と選択回路
(SEL2)76とからなり、比較回路75は、A>B
のときは、選択回路76に対して、既述の選択回路(S
EL1)72からの2番目に大きいエネルギー( No.
2)に対応する出力を選択せしめ、A<Bのときは、選
択回路76に対し、信頼度=1を最適化信頼度として出
力せしめる。上記設定値Bとしては、エネルギーが1番
目に大きいFingerからのエネルギー値を予め設定する。
【0133】図31は信頼度決定部67の第4例を示す
図である。図30に示す第3例と異なるのは、比較回路
75の一方の入力に印加すべき設定値Bが固定値(第3
例の場合)ではなく、相対値となっていることである。
この相対値は、2番目に大きい( No.2)補正相関エネ
ルギーのα(α>1)倍とする。αは実例では、α=
2,α=4等である。このαはシステムパラメータとな
る。
【0134】このために、図31において、第4例の信
頼度決定部67を構成する比較/選択手段74内には乗
算器(×α)77がさらに設けられる。既に述べたよう
に2番目に大きいエネルギーは通常異常値を示さないこ
とが実験的に確かめられており、この値を設定値とする
ことにより融通性に富んだリバースリンクを実現するこ
とができる。
【0135】かくのごとく上記第4例では設定値Bを、
補正相関エネルギーEf1〜Ef4のうち2番目に大きい補
正相関エネルギーのα倍(α>1)とするようにしたも
のであり、このために、図31に示すごとく、2番目に
大きい補正相関エネルギーをα倍(α>1)する乗算器
77をさらに備え、このα倍の乗算器77の出力をもっ
て上記の設定値Bとするように構成する。
【0136】以上詳述した各種の実施例により、リバー
スリンクにおける誤り率特性は大幅に向上する(後述の
図36参照)。しかしながら、アダマール変換部16か
らの出力に対し、 Walsh番号W0 〜W63毎の64通りの
演算や計算を行うため、膨大な処理プロセスならびにハ
ードウェアが必要になる。これを解決するために本発明
では以下に述べる2つの手法を提案する。第1の手法は
間引き処理であり、第2の手法は高速動作処理である。
まず上記第1の手法について説明する。
【0137】図32は間引き処理手段を有する復調装置
を示す図(その1)、図33は同図(その2)である。
なおこの間引き処理手段は前述した各実施例に適用でき
るが、ここでは図22および23の第4実施例に適用し
た場合を例示している。この間引き処理によると(第1
の手法)、信頼度Rを算出すべき相関エネルギー(E0
, E1 …E63のいずれか)を、各 Walsh番号W0 , W1
…W63のうち、各該 Walsh番号の相関エネルギーの中
で1番目に大きい相関エネルギーからm番目(1<m<
64の整数)に大きい相関エネルギーまでのm個の相関
エネルギーに対応する各 Walsh番号についての相関エネ
ルギーとするように間引きを行うものである。
【0138】実験結果によると、m=8としたとき、す
なわち64個の Walsh番号対応の相関エネルギーのうち
ベスト8を選択して信頼度の算出を行った場合、その正
確さは、64の相関エネルギー全てについて算出した場
合にかなり近いことが分かった。つまり、このような間
引き処理では当然演算誤差が発生し、誤り率特性は若干
劣化するが、実用上問題がないことが分かった。mの値
はm=8に限らず、m=4でもm=16でもよい。演算
誤差とハードウェア規模の兼ね合いで適宜決めればよ
い。
【0139】図32および33を参照すると、上述した
間引き処理は、間引き処理手段80により行われる。該
手段80は、各 Walsh番号のうち、各該 Walsh番号の相
関エネルギーの中で1番目に大きい相関エネルギーから
m番目(1<m<64の整数)に大きい相関エネルギー
までのm個の相関エネルギーに対応する各 Walsh番号に
ついてのみ、図2に示した信頼度算出手段21および補
正手段23にて処理を行わせるように機能する。
【0140】間引き処理手段80の具体例として、図で
は、ソータ部81とベストm選択部82を示している。
ソータ部81は、各 Walsh番号(W0 , W1 …W63)に
対応する64の相関エネルギーを入力し、その中からベ
スト8(m=8のとき)を選定し、かつ、順に並べ変え
る。さらにその8つの相関エネルギーを信頼度算出手段
21に与える。
【0141】このとき、ソータ部81にて選択したベス
ト8の情報は、ベストm選択部82にも与えられる。そ
して、該当するベスト8の相関エネルギー(Eb0
bm)がFF25、乗算器24に入力され、信頼度が乗
算され、さらに、加算器18によって他のフィンガーか
らのベスト8の相関エネルギーが加算(同一の Walsh番
号のものが加算)され、MAX SEL19に与えられ
る。また、ベスト8の相関エネルギーとともに、対応す
る Walsh番号情報もMAX SEL19に入力される。
MAX SEL19は、入力されたベスト8の相関エネ
ルギーについてのみ大小判定を行ない、最大の相関エネ
ルギーのものに対応する Walsh番号を出力する。したが
って、各フィンガーについて乗算器24、加算器18等
をベストm対応(この場合は、8)設ければ十分であ
り、回路規模を簡略化することができる。次に高速動作
処理(第2の手法)について説明する。図34は高速動
作する信頼度演算部分39′を示す図である。例えば図
7(信頼度演算部30の第1例)を例にとって見ると、
信頼度演算部分39は、第1にW0 についてW0 〜W63
との演算を行い、第2にW1 についてW0 〜W63との演
算を行い、…、W63についてW0 〜W63との演算を行う
ので(図3のTws=−1の列を参照)、実際に信頼度演
算部分39を、LSIchipで組み立てるとそのハー
ドウェア量は膨大なものになる。しかし、W0 〜W63の
いずれについても実行すべきプロセスは同じ(データは
異なるが)であるので、選択部(SEL1)84を設け
ることにより高速動作させるようにしたのが、信頼度演
算部分39′である。例えば64倍に高速動作させる。
64倍に高速化し処理時間tを、t0 〜t63に64分割
する。信頼度演算部分39′は、処理時間t0 では、選
択部84によりW0 を選択しW0 についてW0 〜W63と
の演算を行う。次にt1 では選択部84によりW1 を選
択し、W1 についてW0 〜W63との演算を行う。以下、
t2 →t3 →…t63について同様である。
【0142】かくして信頼度演算部分39′は、各 Wal
sh番号について64回多重使用されるが、その分ハード
ウェア量は激減する。図35は高速動作する信頼度演算
部分39″を示す図である。本図の構成では、選択部
(SEL2)85と選択部(SEL3)86とメモリ8
7とを、図34の場合に比べてさらに追加することによ
り、減算器34と絶対値回路35と信頼度計算回路36
をさらに64倍に高速動作(4096倍)させ、これら
の部分(34,35および36)のハードウェア量を激
減させるようにしている。
【0143】選択部(SEL2)85は、前述した処理
時間t0 をさらに64分割した処理時間t′00, t′01
…t′063 の各時間でFF33−2側の各出力を、W0
からW63迄順次減算器34に印加し、同様に前述した処
理時間t1 をさらに64分割した処理時間t′10, t′
11…t′163 の各時間でFF33−2側の各出力を、W
0 からW63まで順次減算器34に印加し、…前述した処
理時間t63をさらに64分割した処理時間t′630,
t′631 …t′6363の各時間でFF33−2側の出力
を、W0 からW63まで順次減算器34に印加する。
【0144】選択部(SEL3)は、処理時間t′00〜
t′063 ,t′10〜t′163 …t′630 〜t′6363にお
いて各々信頼度計算回路36から得られた出力を順次選
択し、さらに、次段のメモリ87に一旦格納する。最大
信頼度選択回路37は、そのメモリ87内の格納データ
より最大値を選択する。かくのごとく、上記の第2の手
法は、 Walsh番号W0 , W1 …W63毎の相関エネルギー
E0 , E1 …E63について、各相関エネルギーの値の確
からしさを信頼度Rとして算出するときに、その算出の
ための処理時間(t)を、その Walsh番号の数(64)
によって分割し、分割された各処理時間(t0 , t1
…, t′00, t′01…)の中で、その算出のための処理
を高速動作により行わせることを特徴とするものであ
る。
【0145】図36は誤り率特性を表すグラフである。
いわゆるEb /No vs BER特性であり、横軸に
はEb /No(帯域で正規化されたノイズ量)をとり、
縦軸にはBER(Bit Error Rate)をとって示す。本グ
ラフ中、曲線Cは図38に示す従来の復調装置によって
得られる特性を表し、曲線CR は図2に示す本発明の復
調装置によって得られる特性、すなわち信頼度Rを掛け
合せることによって得られる特性を表す。これにより、
本発明による誤り率特性(CR )は、従来の誤り率特性
(C)に対し約1dBの利得を有することが分かる。
【0146】なお本グラフに示す特性は、ビタビ符号/
復号を採用した場合の特性であり、また、フィンガー復
調部11は、2Finger動作しているときの特性である。
なお、本実施例においては、特にIS−95で提案され
ている、非同期検波を行うリバースチャネルへの適応を
想定して説明しているが、本発明は、この実施例に限定
されるものではなく、OQPSK変調方式に限らず他の
変調信号方式によって送信された変調信号と既知コード
との相関により、信号決定を行う受信装置ならびにシス
テムへの適用が可能である。また、実施例においては、
Walshコードを既知コードとして用いたが、擬似ランダ
ム系列(PN)符号等の相関特性を持つ信号を既知コー
ドとして用いることも可能である。さらに、本実施例に
おいては、連続する Walsh時間についての相関を利用し
たが、Tws=−2における相関とTws=0における相関
との関係を信号決定に反映させることもできる。ただ
し、時間的に離れるに従って、前述した実施例でのΦΔ
f等を考慮しなければならなくなる。また、本実施例に
おいては、信号決定の対象の受信信号に対して時間的に
前又は後の受信信号と既知コードとの相関を用いて信頼
度なるものを算出し、各相関エネルギーに乗算すること
により、信号決定に反映させているが、本発明に基づけ
ば、従来は用いていなかった、信号決定の対象の受信信
号に対して時間的に前又は後の受信信号と既知コードと
の相関を利用して信号決定に反映させることを特徴とす
ることから、信号決定の対象の受信信号に対して時間的
に前又は後の受信信号と既知コードとの相関から確から
しいと考えられる既知コードより、送信側から送信され
たものとして確からしいものとして信号決定を行うよう
な他の演算手法を用いることもできる。
【0147】
【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明によれ
ば、信頼度(R)という概念を取り入れることによっ
て、非同期方式のリバースリンクでありながら、同期方
式のリバースリンクで達成する誤り率特性とほぼ同等の
良好な誤り率特性が実現される。このため、上記図36
の特性を参酌すると、移動通信システムにおいて、各セ
ルラーは、ユーザ数を従来よりも約25%増加させる収
容能力を備えることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る無線通信システムの基本構成を示
す図である。
【図2】本発明に係る復調方法を実現する復調装置の基
本構成を示す図である。
【図3】信頼度Rを導出する原理を説明するための図
(その1)である。
【図4】信頼度Rを導出する原理を説明するための図
(その2)である。
【図5】現在の受信系列とその前後の受信系列を図解的
に示す図である。
【図6】本発明に基づく復調装置の第1実施例を示す図
である。
【図7】信頼度演算部30の第1例を示す図である。
【図8】信頼度演算部30の第2例を示す図である。
【図9】信頼度演算部30の第3例を示す図(その1)
である。
【図10】信頼度演算部30の第3例を示す図(その
2)である。
【図11】信頼度演算部30の第4例を示す図(その
1)である。
【図12】信頼度演算部30の第4例を示す図(その
2)である。
【図13】信頼度演算部30の第5例を示す図(その
1)である。
【図14】信頼度演算部30の第5例を示す図(その
2)である。
【図15】信頼度演算部30の第6例を示す図である。
【図16】信頼度演算部30の第7例を示す図(その
1)である。
【図17】信頼度演算部30の第7例を示す図(その
2)である。
【図18】本発明に基づく復調装置の第2実施例を示す
図である。
【図19】本発明に基づく復調装置の第3実施例を示す
図である。
【図20】第3実施例(図19)に適用される信頼度演
算部30の一例を示す図(その1)である。
【図21】第3実施例(図19)に適用される信頼度演
算部30の一例を示す図(その2)である。
【図22】本発明に基づく復調装置の第4実施例を示す
図(その1)である。
【図23】本発明に基づく復調装置の第4実施例を示す
図(その2)である。
【図24】本発明に基づく復調装置の第5実施例を示す
図(その1)である。
【図25】本発明に基づく復調装置の第5実施例を示す
図(その2)である。
【図26】信頼度決定部67の第1例を示す図である。
【図27】信頼度決定部67の第2例を示す図である。
【図28】図27に示す信頼度決定部67を用いた場合
の復調装置を示す図(その1)である。
【図29】図27に示す信頼度決定部67を用いた場合
の復調装置を示す図(その2)である。
【図30】信頼度決定部67の第3例を示す図である。
【図31】信頼度決定部67の第4例を示す図である。
【図32】間引き処理手段を有する復調装置を示す図
(その1)である。
【図33】間引き処理手段を有する復調装置を示す図
(その2)である。
【図34】高速動作する信頼度演算部分39′を示す図
である。
【図35】高速動作する信頼度演算部分39″を示す図
である。
【図36】誤り率特性を表すグラフである。
【図37】公知のリバースリンク復調部を表す図であ
る。
【図38】図37に示すフィンガー復調部11の具体的
構成を示す図である。
【図39】受信側(基地局2)における Walsh番号ごと
の相関値を、横軸にIch(Ei0〜Ei63)をとり縦軸にQ
ch(Eq0〜Eq63)をとって表した図である。
【図40】図38におけるエネルギー算出部17からの
出力を位相面上で表した一例を示す図である。
【符号の説明】
1…端末 2…基地局 3…無線伝搬路 4…畳み込み符号器 5…インターリーバ 6…M系列直交変調器 7…OQPSK変調器 8…送信器 9…受信器 10…OQPSK復調部 11…フィンガー復調部 11−1〜11−4…復調器(Finger) 12…デインターリーバ 13…畳み込み復号器 14…合成部 15…逆拡散部 16…アダマール変換部 17…エネルギー算出部 18…加算器 19…最大エネルギー選択部 21…信頼度算出手段 22…補正手段 23…合成手段 24…乗算部 25…FF部 30…信頼度演算部 31…受信位相角作成回路 32…信号遷移回路 34…減算器 35…絶対値回路 36…信頼度計算回路 37…最大信頼度選択回路 38…信号遷移回路 39…信頼度演算部分 41…第1の信頼度演算部 42…第2の信頼度演算部 43…処理手段 44…平均回路 45…加算器 46…1/2割算器 47…最大値選択部 48…セレクタ 51…重み付け回路 52…二重回路 54…周波数差補償部 55…減算器 57…信頼度補償部 58…フリップフロップ段 59…乗算部 61…フィードバックループ部 62…フリップフロップ 64…エネルギー合成部 66…信頼度最適化手段 67…信頼度決定部 68…乗算部 69…平均回路 71…比較回路 72…選択回路 74…比較/選択手段 75…比較回路 76…選択回路 77…乗算器 80…間引き処理手段 81…ソータ部 82…ベストm選択部 100…無線通信システム 110…送信装置 120…受信装置 121…信号再生手段 123…反映手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平11−284601(JP,A) 国際公開97/031432(WO,A1) 国際公開98/005128(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04B 1/69 - 1/713 H04J 13/00 - 13/06 H04L 27/00 - 27/38

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 M系列直交変調されて各 Walsh番号に対
    応する Walshコードとして送信側より送信された無線出
    力信号を受信部にて受信し、Iチャネル入力信号および
    Qチャネル入力信号として再生して、アダマール変換後
    の出力から各前記 Walsh番号毎の相関エネルギー(E0
    , E1 ,…)を得、これらの相関エネルギーのうち最
    大の相関エネルギーを選択してこれに該当する Walsh番
    号に相当する信号を受信信号として復調する、M系列直
    交変調を用いた無線通信システムにおける復調方法にお
    いて、 前記 Walsh番号毎の相関エネルギーについて、各該相関
    エネルギーの値の確からしさを信頼度として算出し、 各前記相関エネルギーに対し、それぞれに対応する前記
    信頼度を加味して補正相関エネルギーを得、 得られた各前記補正相関エネルギーを用いてその中から
    前記の最大の相関エネルギーを選択すると共に、 前記信頼度を、各前記 Walsh番号毎に検出された現在の
    Walshシンボル時間における受信位相角と、それに先行
    する Walshシンボル時間における受信位相角との間の位
    相差角に基づいて算出した各信頼度のうちの最大の信頼
    度により定めることを特徴とするM系列直交変調を用い
    た無線通信システムにおける復調方法。
  2. 【請求項2】 M系列直交変調されて各 Walsh番号に対
    応する Walshコードとして送信側より送信された無線出
    力信号を受信部にて受信し、Iチャネル入力信号および
    Qチャネル入力信号として再生して、アダマール変換後
    の出力から各前記 Walsh番号毎の相関エネルギー(E0
    , E1 ,…)を得、これらの相関エネルギーのうち最
    大の相関エネルギーを選択してこれに該当する Walsh番
    号に相当する信号を受信信号として復調する、M系列直
    交変調を用いた無線通信システムにおける復調方法にお
    いて、 前記 Walsh番号毎の相関エネルギーについて、各該相関
    エネルギーの値の確からしさを信頼度として算出し、 各前記相関エネルギーに対し、それぞれに対応する前記
    信頼度を加味して補正相関エネルギーを得、 得られた各前記補正相関エネルギーを用いてその中から
    前記の最大の相関エネルギーを選択すると共に、 前記信頼度を、各前記 Walsh番号毎に検出された現在の
    Walshシンボル時間における受信位相角と、それに後行
    する Walshシンボル時間における受信位相角との間の位
    相差角に基づいて算出した各信頼度のうちの最大の信頼
    度により定めることを特徴とするM系列直交変調を用い
    た無線通信システムにおける復調方法。
  3. 【請求項3】 M系列直交変調されて各 Walsh番号に対
    応する Walshコードとして送信側より送信された無線出
    力信号を受信部にて受信し、Iチャネル入力信号および
    Qチャネル入力信号として再生して、アダマール変換後
    の出力から各前記 Walsh番号毎の相関エネルギー(E0
    , E1 ,…)を得、これらの相関エネルギーのうち最
    大の相関エネルギーを選択してこれに該当する Walsh番
    号に相当する信号を受信信号として復調する、M系列直
    交変調を用いた無線通信システムにおける復調方法にお
    いて、 前記 Walsh番号毎の相関エネルギーについて、各該相関
    エネルギーの値の確からしさを信頼度として算出し、 各前記相関エネルギーに対し、それぞれに対応する前記
    信頼度を加味して補正相関エネルギーを得、 得られた各前記補正相関エネルギーを用いてその中から
    前記の最大の相関エネルギーを選択すると共に、 前記信頼度を、 各前記 Walsh番号毎に検出された現在の Walshシンボル
    時間における受信位相角と、それに先行する Walshシン
    ボル時間における受信位相角との間の先行位相差角に基
    づいて算出した各信頼度のうちの最大の信頼度および各
    前記 Walsh番号毎に検出された現在の Walshシンボル時
    間における受信位相角と、それに後行する Walshシンボ
    ル時間における受信位相角との間の後行位相差角に基づ
    いて算出した各信頼度のうちの最大の信頼度から定める
    ことを特徴とするM系列直交変調を用いた無線通信シス
    テムにおける復調方法。
  4. 【請求項4】 M系列直交変調されて各 Walsh番号に対
    応する Walshコードとして送信側より送信された無線出
    力信号を受信部にて受信し、Iチャネル入力信号および
    Qチャネル入力信号として再生して、アダマール変換後
    の出力から各前記 Walsh番号毎の相関エネルギー(E0
    , E1 ,…)を得、これらの相関エネルギーのうち最
    大の相関エネルギーを選択してこれに該当する Walsh番
    号に相当する信号を受信信号として復調する、M系列直
    交変調を用いた無線通信システムにおける復調装置にお
    いて、 前記 Walsh番号毎の相関エネルギーについて、各該相関
    エネルギーの値の確からしさを信頼度として算出する信
    頼度算出手段と、 各前記相関エネルギーに対し、それぞれに対応する前記
    信頼度を加味して補正相関エネルギーを得る補正手段
    と、 得られた各前記補正相関エネルギーを用いてその中から
    前記の最大の相関エネルギーを選択する最大エネルギー
    選択手段とを有すると共に、 前記信頼度算出手段は信頼度演算部を有し、 該信頼度演算部は、前記アダマール変換後に得たIチャ
    ネル相関電力(Ei )およびQチャネル相関電力(Eq
    )を各前記 Walsh番号毎に入力し、連続する2つの Wa
    lshシンボル時間の各々について前記Iチャネルおよび
    Qチャネル相関電力の各値より受信位相角を演算し、得
    られた該受信位相角に基づいて前記信頼度を出力するこ
    とを特徴とするM系列直交変調を用いた無線通信システ
    ムにおける復調装置。
  5. 【請求項5】 相関特性を有する既知コードと、該既知
    コードに基づいて位相変調された送信側からの位相変調
    波を復調して得られた受信信号との間の相関を用いて
    信に用いられた既知コードを特定することにより、該受
    信信号の信号決定を行う信号再生手段と、 前記信号決定の対象となる現在の前記受信信号に対し時
    間的に前又は後に現れる受信信号と、前記既知コードと
    の間の前記相関を、現在の受信位相角と、それに先行又
    は後行する受信位相角との間の位相差角を用いて、前記
    信号再生手段での前記信号決定に反映させる反映手段
    と、 を備えることを特徴とする受信装置。
  6. 【請求項6】 送信すべきデータを、相関特性を有する
    既知コードに基づいて位相変調を加えた位相変調波とし
    て送信する送信装置と、 前記既知コードと、送信された前記位相変調波を復調し
    て得られた受信信号との間の相関を用いて送信に用いら
    れた既知コードを特定することにより、該受信信号の信
    号決定を行う信号再生手段、および前記信号決定の対象
    となる現在の前記受信信号に対し時間的に前又は後に現
    れる受信信号と、前記既知コードとの間の前記相関を、
    現在の受信位相角と、それに先行又は後行する受信位相
    角との間の位相差角を用いて、前記信号再生手段での前
    記信号決定に反映させる反映手段、を備える受信装置
    と、 を含むことを特徴とする無線通信システム。
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