JP3427980B2 - キャブサスペンション装置 - Google Patents

キャブサスペンション装置

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JP3427980B2
JP3427980B2 JP2000118880A JP2000118880A JP3427980B2 JP 3427980 B2 JP3427980 B2 JP 3427980B2 JP 2000118880 A JP2000118880 A JP 2000118880A JP 2000118880 A JP2000118880 A JP 2000118880A JP 3427980 B2 JP3427980 B2 JP 3427980B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明はキャブのサスペンシ
ョン装置に係り、特に、シャシ側からの振動にともなう
キャブの振動を抑制して乗心地を改善することができる
キャブサスペンション装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】シャシ側からキャブに伝達される振動を
低減してキャブの乗心地を改善するために、今年ではシ
ャシに対してキャブをエアスプリングなどを介して搭載
することがある。 【0003】このようなエアスプリングによるキャブサ
スペンション装置を構成するに際して、従来では例えば
図7に示したようにシャシ1の前部に設けたキャブヒン
ジブラケット2から後方に向かうリンクレバー3の後端
をキャブ4の前部下面に設けたチルトヒンジブラケット
5に枢着するとともに、キャブヒンジブラケット2とキ
ャブ3の前部の間にエアスプリング6を介挿してキャブ
4の前部をシャシ1に結合する前部サスペンションAを
構成していた。 【0004】そして、図8に示したように図示しないフ
ローティングバーとシャシ1に取り付けた図示しないリ
ヤアーチに取り付けた平行な一対のエアスプリング7を
介して結合して後部サスペンションBを構成することに
より、キャブ3の後部をシャシ1に結合してシャシ1か
らキャブ3に伝達される振動を低減させるようにしてい
た。なお、フローティングバーにはキャブロック機構な
どを介してキャブ4の後端が係脱可能に結合される。 【0005】しかしながら、このような従来のキャブサ
スペンション装置においては、下方に向かう外力がキャ
ブ4に加えられた場合は、図7に一点鎖線で示したよう
にキャブ4が沈み込みながら前方にのめり込むピッチン
グ運動に対する抑制作用が小さいという不具合があっ
た。 【0006】また、従来のように平行する一対のエアス
プリング7を用いて後部サスペンションBを構成した場
合は、側方からの外力Fによるシャシ1のロール方向a
とキャブ4のロール方向bが一致してしまうために、キ
ャブ4のロールを抑制する効果を得られないという問題
もあった。c、dはシャシ1およびキャブ4のロール中
心である。 【0007】なお、上記のようなキャブ4のピッチング
およびローリングを改善するためには、前部サスペンシ
ョンAおよび後部サスペンションBのエアスプリング
6、7のばね定数を高くすればよいが、この場合はシャ
シ3からキャブ4に伝達する振動の減衰性能が低下する
という致命的な不具合を招いてしまう。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】本発明は上記実情に鑑
みてなされたものであって、シャシからキャブに伝達さ
れる振動の減衰性能を低下させることなくキャブのピッ
チングおよびローリングを改善して乗心地を改善するこ
とができる簡潔構成のキャブサスペンション装置を提供
することを課題としている。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、シャシの前部から後方に向かうリンクレバ
ーの後端をキャブの前部下面に枢着するとともに、該リ
ンクレバーの中間部とキャブの間にエアスプリングを
挿したキャブサスペンションにおいて、前記リンクレバ
ーを後方下位に傾斜させる一方、上方外位に傾斜する一
対のスプリングを介してキャブの後部をシャシに結合し
たことを特徴としている。 【0010】 【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態を図に基
づいて詳細に説明する。なお、図中図7および図8に示
した従来例と同一機能を有する部分には同一の符号を付
してその詳細な説明を省略する。 【0011】図1は本発明に係るキャブサスペンション
装置の一実施形態を示す概略側面図、図2は図1に示し
た後部サスペンションの概略正面図である。これらの図
において、シャシ1の前部に設けたキャブヒンジブラケ
ット2から水平線に対して角度θで下降傾斜するように
後方下位に傾斜するリンクレバー3の後端をキャブ4の
前部下面に設けたチルトヒンジブラケット5に枢着する
とともに、リンクレバー3の中間部とキャブ4の間にエ
アスプリング6を介挿してキャブ4の前部をシャシ1に
結合する前部サスペンションAを構成している。 【0012】そして、図示しないフローティングバーと
シャシ1を上方外位に傾斜する一対のエアスプリング7
を介して結合して後部サスペンションBを構成すること
により、キャブ3の後部をシャシ1に結合してシャシ1
からキャブ3に伝達される振動を低減させるようにして
いる。なお、8は車輪であり、前記フローティングバー
にはキャブロック機構などを介してキャブ4の後端が係
脱可能に結合される。 【0013】図3は前部サスペンションAの具体構造を
示す側面図であり、キャブヒンジブラケット2に水平軸
8およびラバーブッシュ9を介してリンクレバー3の前
端を枢着するとともに、このリンクレバー3の後端とチ
ルトヒンジブラケット5を水平軸10およびラバーブッ
シュ11を介して枢着している。そして、リンクレバー
3の中間部とキャブ4の前部下面の間にエアスプリング
6を配設することにより、このエアスプリング6でキャ
ブ4の前部を支持するようにしている。12はサージタ
ンク、13はキャブヒンジブラケット2とキャブ4を結
合してキャブ4の上下振動を減衰させるショックアブソ
ーバ、14はキャブヒンジブラケット2とチルトヒンジ
ブラケット5を結合してキャブ4の前後振動を減衰させ
るショックアブソーバである。 【0014】前記ラバーブッシュ9、11は同一の構造
を呈しており、図4に示したようにリンクレバー3の目
玉部に嵌合するアウタ9aと水平軸8に外嵌するインナ
9bをラバー9cを介して結合してアウタ9aとインナ
9bの間の振動を吸収するようにしている。そして、イ
ンナ9を挟んだ前後両側に空所9dをラバー9cに設け
ることにより、ラバーブッシュ9の前後方向のばね定数
を低くして前後振動に対する吸収機能をより高くするよ
うにしている。 【0015】なお、前後振動の吸収機能が高いラバーブ
ッシュ9、11の構造は必ずしも上記構造に示したもの
に限定されるものではなく、例えば図5に示したように
インナ9bの上下位置においてのみラバー9cを介して
アウタ9aとインナ9bを結合するようにしたラバーブ
ッシュを用いることができるものであり、必要に応じて
液封タイプのラバーブッシュを用い、あるいは、リンク
レバー3の中間部に長さ吸収機構を介在させて前後振動
の吸振機能をリンクレバー3に付与することもできる。 【0016】一方、図6は後部サスペンションBの具体
構造を示す正面図であり、シャシ1に取り付けたリヤア
ーチ15の上方にフローティングバー16を配設してい
る。なお、キャブ3の後部に設けたキャブロック17を
フローティングバー16に係脱させることにより、常時
はキャブ4の後部をフローティングバー16を介して支
持させつつ、必要に応じてキャブ4の後部をフローティ
ングバー16から切り離してチルトアップさせることが
できるようにしている。 【0017】また、上記のようにキャブ4の後部を支持
するフローティングバー16とシャシ1を上方外位に傾
斜する一対のエアスプリング7を介して結合してキャブ
4の後部荷重をシャシ1に伝達するようにしている。そ
して、シャシ1およびフローティングバー16とエアス
プリング7の結合部にそれぞれボールジョイント18を
介在させるとともに、各エアスプリング7に図示しない
ショックアブソーバを内蔵してフローティングバー16
の上下振動を減衰させるようにしている。19はリヤア
ーチ15とフローティングバー16を結合するショック
アブソーバであり、フローティングバー16の左右振動
を減衰させる。 【0018】上記のような構成になるキャブサスペンシ
ョン装置において、リンクレバー3を後方下位に傾斜さ
せるとともに、リンクレバー3の中間部とキャブ4の間
にエアスプリング6を装着してキャブ4の前部荷重をシ
ャシ1に伝達するようにしている。従って、下方に向か
う外力がキャブ4に加えられた場合は、シャシ1側への
枢着点である前端を中心としてリンクレバー3が下方に
回動してキャブ4側との枢着点であるリンクレバー3の
後端を前方に向かって移動させるとともに、キャブ4の
下方への移動にともなうエアスプリング6の支持反力で
リンクレバー3が下方に回動付勢されると同時に、エア
スプリング6の持ち上げ力でキャブ4の前部が押上付勢
される。 【0019】このために、キャブ4にはエアスプリング
6によってアンチピッチングモーメントが作用すること
になり、キャブ4は図1に二点鎖線で示したように沈み
込みながら前方にスライドするのみとなって従来見られ
たのめり込み運動を起こさないために、乗心地の悪化の
大きな要素であるピッチング運動は生じない。 【0020】一方、後部サスペンションBのエアスプリ
ング7を上方外位に傾斜させているために、キャブ4の
ロール中心dとなるエアスプリング7の延長線の交点が
キャブ4の下方に位置することになる。従って、側方か
らの外力Fによるシャシ1のロール方向aとキャブ4の
ロール方向bが図2に示したように逆方向に向かうこと
になり、側方からの外力Fによるロール角が減少すると
同時に、ロール減衰性能が改善される。cはシャシ1の
ロール中心である。 【0021】さらに、例えばリヤアーチとキャブの後部
(フローティングバー)をエアスプリングを介して結合
した場合は、シャシ1の振幅がリヤアーチで増幅された
後にキャブ4に伝達されるが、本発明のようにエアスプ
リング7をシャシ1に直接的に取り付けた場合は、リヤ
アーチによる増幅作用が行われない。従って、本発明に
よれば、エアスプリング7などのばね定数を低くして乗
心地を高くした場合においても、キャブ4のロール角が
増大することがない。 【0022】なお、上記実施形態においてはエアスプリ
ング7で支えられたフローティングバー16にキャブ4
の後部を係脱可能に結合してキャブ4の後部とエアスプ
リング7の上端を間接的に結合しているが、必ずしもフ
ローティングバー16を設ける必要性はない。また、上
記実施形態においては後部サスペンションBのエアスプ
リング7にショックアブソーバを内蔵して部品点数の増
加を抑制するようにしているが、必ずしもショックアブ
ソーバを内蔵したエアスプリングを用いる必要性はな
い。 【0023】 【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明
は、キャブの前部をシャシに連結するリンクレバーを後
方下位に傾斜させつつリンクレバーの中間部とキャブの
間にエアスプリングをエアスプリングを介挿したもので
あるから、下方に向かう外力にともなうキャブのピッチ
ングが抑制される。また、上方外位に傾斜する一対のエ
アスプリングを介してキャブの後部をシャシに結合して
側方からの外力によるシャシのロール方向とキャブのロ
ール方向を逆方向に向かわせるようにしているために、
側方からの外力によるロール角が減少すると同時に、ロ
ール減衰性能が改善され、キャブの乗心地が改善され
る。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に係るキャブサスペンション装置の一実
施形態を示す概略側面図である。 【図2】図1に示した後部サスペンションの概略正面図
である。 【図3】前部サスペンションの具体構造を示す側面図で
ある。 【図4】ラバーブッシュの一例を示す側面図である。 【図5】ラバーブッシュの変形例を示す側面図である。 【図6】後部サスペンションの具体構造を示す正面図で
ある。 【図7】サスペンション装置の従来例を示す概略側面図
である。 【図8】図7に示した後部サスペンションの概略正面図
である。 【符号の説明】 1 シャシ 2 キャブヒンジブラケット 3 リンクレバー 4 キャブ 5 チルトヒンジブラケット 6 エアスプリング 7 エアスプリング 9、11 ラバーブッシュ 16 フローティングバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62D 24/02

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 シャシの前部から後方に向かうリンク
    レバーの後端をキャブの前部下面に枢着し、該リン
    クレバーの中間部とキャブの間にエアスプリング
    介挿したキャブサスペンションにおいて、前記リンク
    レバー3を後方下位に傾斜させる一方、上方外位に傾斜
    する一対のスプリングを介してキャブの後部をシャ
    に結合したことを特徴とするキャブサスペンション
    装置。
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