JP3427733B2 - 蒸気発生プラントの給水制御方法及びその装置 - Google Patents

蒸気発生プラントの給水制御方法及びその装置

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JP3427733B2 JP17010698A JP17010698A JP3427733B2 JP 3427733 B2 JP3427733 B2 JP 3427733B2 JP 17010698 A JP17010698 A JP 17010698A JP 17010698 A JP17010698 A JP 17010698A JP 3427733 B2 JP3427733 B2 JP 3427733B2
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  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蒸気発生プラント
の給水制御方法とその装置とに係り、特に沸騰水型原子
炉発電プラントに適用するのに好適な給水制御に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】原子炉発電プラントにあっては、スクラ
ム発生時、原子炉出力が大幅に低下することによって原
子炉内のボイドが減少し、原子炉水位が大幅に低下す
る。その場合、プラントに設置されている給水制御装置
は、予め設定されている水位設定値と原子炉内の実際の
水位との偏差が大きく、この偏差が主水位制御器出力に
そのまま変換されると、原子炉水位のオーバーシュート
が大きくなるおそれがあるので、原子炉水位がスクラム
設定値(例えばL3)以下に下がると同時に、原子炉水
位設定点を通常の水位設定値からL3設定値に変更し、
これにより原子炉水位偏差を小さくして原子炉水位のオ
ーバーシュートを抑制している。
【0003】しかしながら、タービン駆動給水ポンプが
通常時のままと同様に稼動しているのではその給水容量
が大きく、結果的に必要以上の給水が炉内に注入されて
しまい、原子炉水位高高設定値(L8)に到達する可能
性があるため、タービン駆動給水ポンプをトリップさせ
る必要がある。ただしその場合、スクラム後の原子炉で
は残留熱による蒸気が発生しているため、少量の給水が
必要となる。
【0004】そこで、従来の給水制御装置においては原
子炉スクラム時、タービン駆動給水ポンプの稼動中に原
子炉水位がL3設定値に変更されると、原子炉水位が減
少から増加に転じるが、そのときの適切なタイミングの
ときに、給水ポンプをタービン駆動給水ポンプからバッ
クアップ用である小容量の電動機駆動給水ポンプに切り
替え、またL3設定値と原子炉水位との偏差である原子
炉水位偏差信号を三/単切換器の切り替えにより主水位
制御器に入力させ、これにより主水位制御器がL3設定
値と原子炉水位との偏差信号に基づき電動機駆動給水ポ
ンプを駆動し、原子炉水位を徐々に回復することができ
るものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く、従来技術
の給水制御装置は、原子炉スクラム時、原子炉出力が低
下すると共に主蒸気流量も低下すると、主水位制御器に
入力される偏差信号が増加し、一時的に過給水状態を示
し、給水流量が減少してしまうので、主水位制御器に入
力される偏差信号を原子炉水位と原子炉水位設定値との
偏差のみに切り替える、三/単要素制御とし、これによ
り、主水位制御器から原子炉水位の偏差に応じた給水流
量要求信号が出力される。
【0006】ところが、上記機能により、スクラム後の
原子炉水位は徐々に回復していくものの、回復過程にお
いては、大容量のタービン駆動給水ポンプから、バック
アップ用の電動機駆動給水ポンプに切り替えたにも関わ
らず、主水位制御器からの給水流量増加信号により原子
炉への給水流量が過給水となり、原子炉水位がオーバー
シュートしてしまい、しかも原子炉スクラム後の崩壊熱
による冷却材の体積膨張により、原子炉水位はさらに上
昇することとなる。
【0007】そのため、スクラム後の原子炉水位回復過
程において、原子炉水が原子炉水位高高設定値(L8)
に達してしまい、主蒸気管への冷却水の流入を防止する
ための給水ポンプが全台自動的に停止してしまうと云う
問題がある。また、このように一度停止した給水ポンプ
を再度起動させようとすると、運転員にとって大きな負
担であり、この復旧作業にかなりの労力を要する問題が
ある。
【0008】本発明の目的は、原子炉スクラムの発生に
より原子炉水位が低下した後の水位回復過程において、
原子炉の水位が不安定に上昇することを確実に抑制する
ことができ、その後の水位オーバーシュートを最小限に
抑えることができる蒸気発生プラントの給水制御方法及
び給水制御装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、原子炉内に給
水する第1給水ポンプの制御器と、該第1給水ポンプの
バックアップ用としての第2給水ポンプの制御器と、こ
れら各制御器を制御すると共に、原子炉のスクラム発生
時、原子炉の水位の低下に基づき第1給水ポンプをトリ
ップしかつ第2給水ポンプを起動する主水位制御器と、
前記スクラム発生時、前記主水位制御器に入力すべき信
号を、主蒸気流量の信号,給水流量の信号及び原子炉水
位信号から求めた信号と水位設定値の信号との偏差に基
づいて得られた三要素制御の信号から、前記原子炉水位
信号と前記水位設定値の信号との偏差に基づいて得られ
た単要素制御の信号に切り替える切替手段とを有する蒸
気発生プラントの給水制御方法において、前記スクラム
発生により原子炉内の水位が所定の水位設定点より低下
した後、水位が増加する状態になったとき、第1給水ポ
ンプのトリップ信号と前記切替手段の単要素制御への切
替信号とを出力した際に、前記主水位制御器が前記第2
給水ポンプの制御器に対し一定時間ゼロ出力して、前記
第2給水ポンプの起動を一定時間遅らせる工程を有する
ことを特徴とするものである。また、本発明は、原子炉
に給水する第1給水ポンプの制御器と、該第1給水ポン
プのバックアップ用としての第2給水ポンプの制御器
と、これら各制御器を制御すると共に、原子炉のスクラ
ム発生時、原子炉の水位の低下に基づき第1給水ポンプ
をトリップしかつ第2給水ポンプを起動する主水位制御
器と、原子炉の水位に基づき制御上の基準水位を設定す
る原子炉水位判定部と、前記スクラム発生時、前記主水
位制御器に入力すべき信号を、主蒸気流量の信号,給水
流量の信号及び原子炉水位信号から求めた信号と前記基
準水位設定値の信号との偏差に基づいて得られた三要素
制御の信号から、前記原子炉水位信号と前記基準水位設
定値の信号との偏差に基づいて得られた単要素制御の信
号に切り替える切替手段とを有する給水制御装置におい
て、前記スクラム発生により原子炉内の水位が所定の水
位設定点より低下した後、水位が増加する状態になった
とき、第1給水ポンプのトリップ信号と前記切替手段の
単要素制御への切替信号を出力する信号出力手段と、該
信号出力手段よりトリップ信号及び切替信号が出力され
た時点で、前記 主水位制御器が前記第2給水ポンプの制
御器に対し一定時間ゼロ出力して、前記第2給水ポンプ
の起動を一定時間遅らせる手段を有することを特徴とす
るものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図1乃
至図5により説明する。図1は本発明方法を適用した沸
騰水型原子力発電プラントを示す要部の概略配管図、図
2は本発明方法を適用した給水制御装置の一実施例を示
す概略図、図3は給水制御装置における原子炉水位判定
部を示す構成図、図4は同じく給水制御装置における主
水位制御器を示す構成図、図5は原子炉スクラム後の水
位挙動を示す説明図である。
【0011】沸騰水型原子力プラントの通常運転時にお
いては、図1に示すように、原子炉圧力容器(蒸気発生
部)1内の炉心2で冷却水が加熱されることにより蒸気
となる。この蒸気は、原子炉圧力容器1から吐出され、
主蒸気配管4を通ってタービン(図示せず)に送られ、
タービンから排気された蒸気は、図示しない復水器にて
凝縮されて水となる。
【0012】そして、復水器から吐出された凝縮水、す
なわち原子炉の冷却水となる給水は、給水配管3にて復
水脱塩器(図示せず),復水ポンプ(図示せず),及び
低圧給水加熱器(図示せず)に供給される。さらに、低
圧給水加熱器を経た給水は、給水配管3の途中に設けら
れた分岐管3A,3Bにある二台のタービン駆動給水ポ
ンプ(以下、TD−RFPという)4A,4Bにより加
圧され、次いで高圧給水加熱器(図示せず)で加熱され
た後に原子炉圧力容器1内に供給されることとなる。図
示していない低圧および高圧給水加熱器には、主蒸気配
管4の抽気蒸気が給水の加熱源として供給される。この
抽気蒸気は、各々給水加熱器内で凝縮され、ドレンとし
て復水器に導かれる。
【0013】TD−RFP4A,4Bは、図示しないタ
ービンから抽気管6A,6Bを経た抽気蒸気がタービン
5A,5Bにそれぞれ供給され、これらが運転すること
によって駆動される。このTD−RFP4A,4Bの回
転数制御は抽気管6A,6Bの途中位置に設けた抽気加
減弁7A,7Bの開度が調節されることにより行われ
る。抽気加減弁7A,7Bは、給水制御装置15からの
信号S1,S2に基づいて開度が制御され、タービン5
A,5Bに対する抽気蒸気量を調節することにより、T
D−RFP4A,4Bの回転数が制御される。
【0014】なお、抽気管6A,6Bには加減弁7A,
7Bより上流側に蒸気止め弁8A,8Bが設けられ、該
加減弁7A,7Bは給水制御装置15からのトリップ信
号S5,S6に基づいて作動し、タービン5A,5Bが
停止することによりTD−RFP4A,4Bをトリップ
させる。
【0015】また、給水配管3の途中には分岐管3A,
3Bと並列に分岐管3C,3Dが配管され、これら分岐
管3C,3Dにモータ駆動給水ポンプ(以下、MD−R
FPという)9A,9Bが設けられている。このMD−
RFP9A,9Bは、原子炉の通常運転時には前記TD
−RFP4A,4Bのバックアップ用として待機状態に
あり、原子炉のスクラム発生時、前記TD−RFP4
A,4Bがトリップしたときにモータ10A,10Bに
よって駆動されることにより原子炉内に必要最少量給水
するものである。そのときの給水流量制御は、分岐管3
C,3DにおいてMD−RFP9A,9Bの下流側に設
けた給水調節弁11A,11Bの開度の調節により行わ
れる。なお、給水調節弁11A,11Bは給水制御装置
15からの信号S3,S4により制御される。
【0016】そのため、前記給水制御装置15は、抽気
加減弁7A,7Bと、給水調節弁11A,11Bとを制
御し、またTD−RFP4A,4B及びMD−RFP9
A,9Bを以下に述べるように制御している。
【0017】即ち、給水制御装置15は大別すると図2
に示すように、原子炉の実際の水位の大きさに基づき制
御上の基準位置を設定する原子炉水位判定部19と、T
D−RFP4A,4B用の制御器17A,17Bと、M
D−RFP9A,9B用の制御器18A,18Bと、こ
れら各制御器17A,17B,18A,18Bを制御す
る主水位制御器16と、この主水位制御器16に入力さ
れる信号を切り替える三/単切換器23とにより構成さ
れている。
【0018】このうち、原子炉水位判定部19は図2及
び図3に示すように、原子炉圧力容器1内の水位計12
によって計測された水位信号S7,スクラム信号S10
に基づき原子炉内の制御上の基準水位を設定し、該設定
した水位設定値の信号S11を演算部24に出力するよ
うにしている。また原子炉水位判定部19は、三/単切
換器23を切り替え制御するようにしており、通常運転
時では、三/単切換器23を図示の如く三要素制御の位
置に切り替え、スクラム発生時では水位の変化に応じ三
/単切換器23を単要素制御の位置に切り替えるように
している。
【0019】ここで、三/単切換器23は通常の運転
時、図2に示す如く三要素制御の位置にあり、主蒸気流
量計14からの計測信号S8と給水流量計13からの計
測信号S9との偏差を演算器20により求め、その求め
た偏差にミスマッチゲイン手段21によりある値を乗算
して求め、該求めた値と水位計12からの水位信号S7
の値とを演算器22により加算して求め、その求めた値
と水位設定値S11との偏差を演算器24によって求め
ることにより三要素制御としての信号S15が得られ、
それが主水位制御器16に入力される。またスクラム発
生時、原子炉水位判定部19により三/単切換器23が
単要素制御の位置に切り替えられたとき、原子炉の水位
信号S7がそのまま通過し、かつこれと水位設定値S1
1との偏差を演算器24によって求めることにより単要
素制御としての信号S15が得られ、それが主水位制御
器16に入力される。
【0020】従って、原子炉水位判定部19は、原子炉
のスクラム信号S10が入力されると、そのときの水位
信号S7の変化に基づき三/単切換器23の単要素制御
の位置への切り替え,水位設定値S11の変更,トリッ
プ信号S5・S6の出力などを実行するようにしてい
る。
【0021】前記主水位制御器16は、三/単切換器2
3,演算器24を介し原子炉水位信号S7,主蒸気流量
の信号S8,給水流量の信号S9と水位設定値S11と
の偏差に基づいて得られた三要素制御または単要素の信
号S15が入力されると、図2に示すように、各制御器
17A,17B,18A,18Bをそれぞれ制御する。
この場合、通常の運転時において主水位制御器16は三
要素制御の信号に基づき給水流量要求信号S14を出力
することにより、TD−RFP4A,4Bを駆動すべく
その制御器17A,17Bを制御し、またスクラム発生
時において主水位制御器16は単要素制御の信号に基づ
き給水流量要求信号S14を出力することにより、MD
−RFP9A,9Bを駆動すべくその制御器18A,1
8Bを制御する。そして、制御器18A,18Bからは
タービン加減弁開度要求信号S1,S2が出力され、制
御器19A,19Bからは調整弁開度要求信号S3,S
4が出力される。
【0022】従って、原子炉の通常運転時、スクラムが
発生すると、そのスクラム信号S10が水位信号S7と
共に原子炉水位判定部19に入力され、原子炉水位判定
部19は、図3にステップ31にて示すように、原子炉
水位がスクラム時の水位設定点(L3)以下になったと
きに、その旨の信号S17を出力することにより、水位
設定値をL3に変更し(接点がBからAに切り替わ
り)、その変更した値の水位設定値L3を、図2に示す
如く演算部24に対し新たなスクラム設定値S11とし
て出力し、主水位制御器16に入力される信号S15で
ある水位偏差を小さくする。この場合、水位設定値がL
3に変更された時点では、主水位制御器16に対して
は、まだ三/単切換器23が図2に示す如く三要素制御
の位置状態にあるので、変更された水位設定値L3の信
号S11と三/単切換器23の三要素制御の位置を経た
信号との偏差の信号S15が入力されることとなる。
【0023】これにより、原子炉スクラム後、原子炉出
力が減少し、原子炉水位は一旦低下するが、その後、崩
壊熱による冷却材体積の膨張によって次第に増加に転ず
ることとなる。このような原子炉水位が増加に転じつつ
あるとき、原子炉水位判定部19は、図3にステップ3
2にて示すように、三要素制御信号S15が水位偏差h
以下にあって、かつスクラム信号S10が入力されてか
ら第一時間監視手段33によりΔt1秒経過すると、ア
ンド回路34が作動し、TD−RFP4A,4Bを停止
すべくトリップ信号S5,S6を出力すると共に、三/
単切換器23に対し単要素制御の位置に切り替えるべく
切り替え信号S12を出力する。この場合の時間Δt1
は、全てのスクラム事象において原子炉水位が減少から
増加に転ずる時間から割り出されたものである。これに
より、トリップ信号S5,S6が出力されると、TD−
RFP4A,4Bが停止されると共に、MD−RFP9
A,9Bが起動され、主水位制御器16によって給水流
量要求信号S14が出力されたMD−RFP制御器18
A,18Bにより、MD−RFP9A,9Bを制御する
ので、原子炉水位は徐々に回復することとなる。
【0024】しかしながら、主水位制御器16には水位
信号S7と水位設定値L3の信号S11との偏差信号S
15が入力され続けるため、それによる給水流量要求信
号S14に基づきMD−RFP9A,9Bが駆動される
ので、原子炉水位がオーバーシュートするおそれがあ
る。
【0025】そこで、実施例の給水制御装置において
は、スクラム時、原子炉水位判定部19がTD−RFP
4A,4Bのトリップ信号S5,S6および三/単切換
器23の切り替え信号S12を出力した時点で、一定の
時間Δt2を経過した後で主水位制御器16に対しゼロ
リセット信号S13を出力するようにしたものである。
【0026】具体的に述べると、原子炉水位判定部19
は図3に示すように、アンド回路34の出力側にあるト
リップ信号S5,S6の線Aと切替信号S12の線Bと
のうち、該切替信号12の線Bと平行に設けられた線C
に第二時間監視手段35を設けている。この第二時間監
視手段35は、図2,図3及び図5に示すように、アン
ド回路34よりトリップ信号S5,S6および切り替え
信号S12が出力されると、主水位制御器16およびM
D−RFP用の制御器18A,18Bに対し、ある一定
の時間Δt2秒の間だけゼロリセット信号S13を出力
し、主水位制御器16がその時間の間ではMD−RFP
用の制御器18A,18Bをゼロ制御し、即ち、制御器
18A,18Bが一定の時間の間だけまだ起動しないよ
うにしている。この一定の時間とは、MD−RFP9
A,9Bの起動時間を遅らせることにより原子炉内水位
の上昇を抑え、全台が自動的にトリップするのを防ぐの
に要する時間であり、本例では図5(a)に示す如く、
水位が水位設定値L3付近まで回復する時間としている
が、これに限らず、発電プラント及び給水制御装置の大
きさに応じ適宜に選定される。
【0027】そのため、原子炉水位判定部19がゼロリ
セット信号S13を出力すると、主水位制御器16はM
D−RFP用の制御器18A,18Bに対しゼロ出力す
るように構成されている。この主水位制御器16の構成
について述べると、該主水位制御器16は図4に示すよ
うに、積分動作部41と第一スイッチ42と比例動作部
43と第二スイッチ44とを有している。そして通常で
は、三要素信号S15が入力されると、積分動作部41
がその信号15にΔt,(1/T)を乗算した値S19
を求めると共に、その値に積分初期値S18を加算して
求め、該求めた値が第1スイッチ42を経た信号と、比
例動作部43が信号S15に比例ゲインGを乗算した値
の信号S20とを加算し、これを第二スイッチ44を介
して給水流量要求信号S14として出力し、即ち、水位
偏差信号として出力する。なお、Tは積分時定数、Δt
は制御周期である。
【0028】一方、主水位制御器16にゼロリセット信
号S13が入力されると、第1,第2スイッチ42,4
4が共に接点bからaに切り替わり、積分動作の信号S
19が流れなくなると共に、比例動作の信号S20が流
れ、その信号S20のみが出力されようとするが、第2
スイッチ44が接点aとなることによりってゼロに変換
されるので、主水位制御器16から出力される給水流量
要求信号S14は結果的にゼロ出力する。なお、主水位
制御器16において信号S13が入力されると、積分動
作回路中の積分初期値S18もゼロとなるので、信号S
13の入力が停止した後の通常制御状態では、水位偏差
量に応じた積分動作の信号S19に初期値ゼロが加算さ
れ、水位偏差に応じた信号を出力するようにしている。
【0029】実施例の給水制御装置は、原子炉スクラム
時、上述の如く原子炉水位判定部19がトリップ信号S
5,S6を出力すると共に、三/単切換器23への切り
替え信号S12とを出力した時点で、第二時間監視手段
35がΔt2時間の間だけゼロリセット信号S13を出
力するので、トリップ信号S5,S6の出力により制御
器17A,17Bを介しTD−RFP4A,4Bがトリ
ップすると共に、主水位制御器16がその時間分MD−
RFP用の制御器18A,18Bにゼロ出力する。
【0030】これにより、第二時間監視手段35による
Δt2時間の間では主水位制御器16がゼロ出力する
と、その間のMD−RFP9A,9Bに対する制御器1
8A,18Bの制御起動が停止した状態となり、原子炉
内における水位変化が崩壊熱による原子炉冷却材体積の
膨張による増加のみとなってしまうので、それだけ原子
炉の水位の上昇を確実に抑制することができる。
【0031】そのため、第二時間監視手段35による一
定時間Δt2が経過した後、主水位制御器16に水位偏
差信号S15が入力されると、該主水位制御器16がそ
れに基づいてMD−RFP用の制御器18A,18Bを
制御するが、その際、原子炉水位が図5に示す如く水位
設定点付近に増加していることとなるので、一定時間Δ
t2の経過後に主水位制御器16に入力される水位偏差
を最小限に抑えることができ、その後の水位オーバーシ
ュートを最小限に抑えることができる。
【0032】従って、本発明方法では、図5(a)に示
すように、原子炉水位が減少し、その減少から上昇へ変
化する適切なタイミングでTD−RFP4A,4Bのト
リップ(MD−RFP9A,9Bの起動)及び三/単切
換器23の切り替えを行い、その時点で主水位制御器1
6の出力を一定時間Δt2の間ゼロに保持することによ
り、原子炉水位のオーバーシュートを最小限に抑えるこ
とができる。
【0033】そして、図5(a)に示す如く、原子炉水
位の上昇と共に原子炉内の圧力が徐々に上昇し、安全弁
の設定値に達すると、給水制御装置15により逃がし弁
が解放されることにより、原子炉圧力が同図(b)に示
す如く低下し、冷却材中のボイド量が増加することによ
って原子炉水位も増加するが、原子炉スクラム後の水位
回復過程においては、原子炉水位のオーバーシュートが
前述の如く最小限に抑制されることにより、原子炉水位
が高高設定値(L8)となるのを確実に回避することが
できる。その結果、従来技術のように原子炉水位が高高
設定値になって給水ポンプが全台自動的に停止するとい
うのを確実に防止することかでき、運転員の負担を軽減
することができる。
【0034】また、実施例の給水制御装置は、原子炉水
位判定部19が前述の如く、原子炉水位判定部19がM
D−RFP4A,4Bに対するトリップ信号を出力しか
つ三/単切換器24に対する単要素制御の切り替え信号
を出力した時点で、第二時間監視手段35が一定時間Δ
t2の間主水位制御器16の出力がゼロとなるように保
持するように構成したので、上記方法発明を的確に実施
し得る。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、原子炉スクラムの発生
により原子炉水位が低下した後の水位回復過程におい
て、トリップ信号と三要素から単要素制御への切替信号
を出力した際に、第2給水ポンプの制御器に対し一定時
間ゼロ出力するので、原子炉の水位の上昇を確実に抑制
することができ、その後の水位オーバーシュートを最小
限に抑えることができる効果がある。
【0036】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を適用した沸騰水型原子力発電プラ
ントを示す要部の概略配管図。
【図2】本発明方法を適用した給水制御装置の一実施例
を示す概略図。
【図3】給水制御装置における原子炉水位判定部を示す
構成図。
【図4】同じく給水制御装置における主水位制御器を示
す構成図。
【図5】原子炉スクラム発生時の水位挙動を示す説明
図。
【符号の説明】
1…原子炉圧力容器、2…炉心、4A,4B…タービン
駆動給水ポンプ(TD−RFP)、5A,5B…タービ
ン、7A,7B…抽気加減弁、8A,8B…蒸気止め
弁、9A,9B…電動機駆動給水ポンプ(MD−RF
P)、10A,10B…モータ、11A,11B…給水
調節弁、15…給水制御装置、16…主水位制御器、1
7A,17B…TD−RFP用の制御器、18A,18
B…MD−RFP用の制御器、23…三/単切換器、3
5…第2時間監視手段、Δt2…一定時間、S5,S6
…トリップ信号、S13…ゼロリセット信号。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G21D 3/08 GDB R G21D 3/04 GDB H

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原子炉内に給水する第1給水ポンプの制御
    器と、 該第1給水ポンプのバックアップ用としての第2給水ポ
    ンプの制御器と、 これら各制御器を制御すると共に、原子炉のスクラム発
    生時、原子炉の水位の低下に基づき第1給水ポンプをト
    リップしかつ第2給水ポンプを起動する主水位制御器
    と、 前記スクラム発生時、前記主水位制御器に入力すべき信
    号を、主蒸気流量の信号,給水流量の信号及び原子炉水
    位信号から求めた信号と水位設定信号との偏差に基づい
    て得られた三要素制御の信号から、前記原子炉水位信号
    と前記水位設定値の信号との備差に基づいて得られた単
    要素制御の信号に切り替える切替手段とを有する蒸気発
    生プラントの給水制御方法において、前記スクラム発生により原子炉内の水位が所定の水位設
    定点より低下した後、水位が増加する状態になったと
    き、第1給水ポンプのトリップ信号と前記切替手段の単
    要素制御への切替信号とを出力した際に、前記主水位制
    御器が前記第2給水ポンプの制御器に対し一定時間ゼロ
    出力して、 前記第2給水ポンプの起動を一定時間遅らせ
    る工程を有することを特徴とする蒸気発生プラントの給
    水制御方法。
  2. 【請求項2】 前記一定時間は、原子炉内水位の上昇を抑
    え、給水ポンプの全台が自動的にトリップするのを防ぐ
    のに要する時間であることを特徴とする請求項1記載の
    蒸気発生プラントの給水制御方法。
  3. 【請求項3】 前記一定時間は、原子炉内水位が前記所定
    の水位設定点近辺まで回復する時間であることを特徴と
    する請求項2記載の蒸気発生プラントの給水制御方法。
  4. 【請求項4】原子炉に給水する第1給水ポンプの制御器
    と、該第1給水ポンプのバックアップ用としての第2給
    水ポンプの制御器と、 これら各制御器を制御すると共に、原子炉のスクラム発
    生時、原子炉の水位の低下に基づき第1給水ポンプをト
    リップしかつ第2給水ポンプを起動する主水位制御器
    と、 原子炉の水位に基づき制御上の基準水位を設定する原子
    炉水位判定部と、 前記スクラム発生時、前記主水位制御器に入力すべき信
    号を、主蒸気流量の信号,給水流量の信号及び原子炉水
    位信号から求めた信号と前記基準水位設定値の信号との
    偏差に基づいて得られた三要素制御の信号から、前記原
    子炉水位信号と前記基準水位設定値の信号との偏差に基
    づいて得られた単要素制御の信号に切り替える切替手段
    とを有する給水制御装置において、前記スクラム発生により原子炉内の水位が所定の水位設
    定点より低下した後、水位が増加する状態になったと
    き、第1給水ポンプのトリップ信号と前記切替手段の単
    要素制御への切替信号を出力する信号出力手段と、該信
    号出力手段よりトリップ信号及び切替信号が出力された
    時点で、前記主水位制御器が前記第2給水ポンプの制御
    器に対し一定時間ゼロ出力して、 前記第2給水ポンプの
    起動を一定時間遅らせる手段を有することを特徴とする
    蒸気発生プラントの給水制御装置。
  5. 【請求項5】前記一定時間は、原子炉内水位の上昇を抑
    え、給水ポンプの全台が自動的にトリップするのを防ぐ
    のに要する時間であることを特徴とする請求項4記載の
    蒸気発生プラントの給水制御装置。
  6. 【請求項6】前記一定時間は、原子炉内水位が前記所定
    の水位設定点近辺まで回復する時間であることを特徴と
    する請求項5記載の蒸気発生プラントの給水制御装置。
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