JP3427400B2 - 電気掃除機用吸込具 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、電気掃除機の吸込具に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の電気掃除機の吸込具は、
例えば、特開昭６３−１９７４２２号公報に示すような
構成があった。その構成について、図８において説明す
る。

【０００３】上部ケース１および下部ケース２からな
り、下面３に吸込口４を形成した吸込具本体５と、吸込
口４に設けたギヤ部を備えた回転子６と、このギヤ部を
介し回転子６を駆動するモーター７を設け、前記モータ
ー７の回転方向を切替える切替えスイッチ８を設け、前
記切替えスイッチ８のアクチュエータ９を切り替えるレ
バー１０を下部ケース２の下面３に突出して設け、吸込
具本体５の前進、後進の進行に連動して前記レバー１０
が動作して、前記モーター７の回転方向が切替わる構成
となっていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】このような従来の構成
においては、掃除していた途中で電話などがかかってき
た時、うっかりして吸込具本体５をそのままにしておく
と、回転子６は回転したままとなり子供が誤って吸込具
本体５を床面から上げて回転子６に触ると大変危険であ
り、大きな怪我をすることとなる。また、モーター７の
回転方向を切替えるレバー１０を下部ケース２の下面３
に突出して設けているため、子供が誤ってこのレバー１
０を切替えると危険は二重にも三重にもふくれ上がって
安全面で大きな課題があった。

【０００５】また、切替えスイッチのアクチュエータ９
あるいは、アクチュエータ９を切り替えるレバー１０の
回動軸受け等が被掃除面の塵埃雰囲気中に構成されてい
るため、掃除作業中に塵埃が徐々に摺動部、回動部に付
着していき、ひいてはアクチュエータ９、レバー１０の
動きが固くなりモーター７の回転方向が切替わらなくな
るという問題があった。

【０００６】本発明は、上記課題を解決するもので、子
供に対しても安全性がすぐれ、動作耐久性を向上させた
信頼性の高い電気掃除機用吸込具を提供することを第一
の目的としている。

【０００７】第二の目的は、さらに動作性を良くするた
め、防塵体を形成し塵埃の侵入を防ぎ、動作耐久性を向
上させた電気掃除機用吸込具を提供することである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成する為に、第一の手段は、上部ケースと、下面に吸込
口を形成した下部ケースとで形成された吸込具本体と、
前記吸込口に設けた回転子を駆動するモーターと、アク
チュエータを有しかつ前記モーターの回転方向を制御し
しかも前記アクチュエータの中間位置で前記モーターへ
の電源を開路する切替スイッチと、前記スイッチを内蔵
するスイッチ室と、前記アクチュエータを中間位置に付
勢する弾性体と、下部ケースの下面に形成されかつ操作
部を収納する操作室と、一端が前記アクチュエータに連
結され、他端は前記操作部の上端と一体的に形成された
レバーとで構成し、前記操作部の下端は掃除面に当接し
かつ前記弾性体の付勢力に抗して回動自在とし、前記レ
バーと前記操作部を連結する軸を回動保持する軸受部を
前記スイッチ室と操作部の側壁にそれぞれ分離構成し、
前記軸受部間の空間部が吸引通路に連通してなるもので
ある。

【０００９】第二の手段は、スイッチ室の側壁に形成し
た軸受部の端部に、防塵体をレバーと操作部を連結する
軸に一体的に形成したものである。

【００１０】

【作用】上記、第一の手段の様に吸込具本体を空中に持
ち上げた際には、前記レバーの前進、後進時に動作した
範囲のほぼ中間に位置するようにばね等で附勢し、この
時、前記モーターの回転が停止するように切替えスイッ
チにＯＦＦのポジションを設けた構成であるため、掃除
していた途中で電話などがかかってきた時、うっかりし
て吸込具本体をそのままにしておくと、回転子は回転し
たままとなっているが、子供が誤って吸込具本体を床面
から上げると、自動的に回転子が停止することとなり回
転子に万一触れても安全である。

【００１１】さらに掃除作業中には、掃除機本体の吸引
によりモーターの保護用電気部品（正特性サーミスタ
ー）を冷却するためアームの吸引孔より吸引され制御回
路室に気流が発生し制御回路室が負圧となる、それに伴
いスイッチ室を構成する上部ケース、下部ケースの突き
合わせ部のわずかな隙間より内気が引き出され徐々に負
圧となる。

【００１２】ここでレバーと操作部を連結する軸と軸受
部のわずかな隙間より塵埃を含んだ操作室の外気が吸い
込まれることになるが、軸を回動保持する軸受部をスイ
ッチ室と操作室の側壁にそれぞれ分離構成したことによ
り、塵埃を含んだ外気はスイッチ室への侵入が阻止され
アクチュエータの摺動部、回動部に塵埃が徐々に付着し
動作不良もなく耐久性に優れ信頼性の高い構造が得られ
るものである。

【００１３】次に第二の手段においては、スイッチ室の
側壁に形成した軸受部の端部に、防塵体をレバーと操作
部を連結する軸に、防塵体を一体的に形成したものであ
り、塵埃を含んだ操作室の外気が吸い込まれスイッチ室
内へのごみの侵入を防塵体により塵埃をはね跳ばすある
いは、気流の方向を変える等隙間をカバーするものでス
イッチ室への塵埃侵入が防止できるもので、切替えスイ
ッチの動作耐久性を確保できる。以上より安全性にすぐ
れ、信頼性の高い、使い勝手の良い電気掃除機用吸込具
を提供することができる。

【００１４】

【実施例】以下、本発明の第一、第二手段による一実施
例について図１〜図７に基づいて説明する。

【００１５】２０は、内部に電動送風機、収塵部（図示
せず）を内蔵した掃除機本体、２１は吸込具本体で延長
管２２、ホース２３を介して掃除機本体２０と連通して
いる。２４は電源コードで、ホース２３の内部の導線と
結線することにより、掃除機本体２０と吸込具本体２１
とは電気的に結合されている。

【００１６】吸込具本体２１は、上部ケース２５および
下部ケース２６からなり、下面２７に吸込口２８を形成
している。吸込口２８に設けたギヤ部２９を備えた回転
子３０と、ギヤ部２９、ベルト３１を介して回転子３０
を駆動するモーター３２を設けている。前記モーター３
２の回転方向を切替える切替えスイッチ３３を設け、こ
の切替えスイッチ３３のアクチュエータ３４には、摺動
体３５が嵌合されている。この摺動体３５には、前後に
ばね３６、３７がそれぞれ設けられておりアクチュエー
タ３４を前後に摺動させるとばね３６、３７がリブ３
８、３９により圧縮されるため、アクチュエータ３４は
前後の動作範囲のほぼ中間に位置するようになる。４０
は、切り替えスイッチ３３を取りつけるスイッチ室であ
り、上部ケース２５と下部ケース２６とで構成されてい
る。

【００１７】４１はレバーであり、軸４２を支点として
回動自在に設けられており、アクチュエータ３４に嵌合
された摺動体３５の円筒部４３に回動自在に嵌合した嵌
合部４４と下部ケース２６の底面に形成した操作室４５
に位置する操作部４６とで構成されている。レバー４１
の操作部４６を前後に動作させると、嵌合部４４が回動
しアクチュエータ３４は後、前と動作することとなる。

【００１８】レバー４１の軸４２は、スイッチ室４０と
操作室４５の側壁にそれぞれ分離構成した軸受部４７に
より回動自在に保持されている。また、レバー４１は、
カーペットなどの掃除面に対し吸込具本体２１を前進、
後進させるとカーペットとの接触抵抗によりレバー４１
の操作部４６が図３の左右に動作する。

【００１９】次に掃除機本体２０の吸引によりモーター
３２の保護用電気部品４８（正特性サーミスター）を冷
却するためアーム４９の側壁には吸引孔５０が設けられ
ている、吸引孔５０より吸引されることにより制御回路
室５１に気流が発生し保護用電気部品４８の温度上昇を
一定に保ち性能保持を行うものである。前記分離構成し
た軸受部４７間の空間部は制御回路室５１に連通してい
る。５２は、レバー４１の軸４２を回動保持する軸受部
４７の両端に形成した防塵体である。

【００２０】このような構成において、吸込具本体２１
を空中に浮かした場合は、アクチュエータ３４、およ
び、レバー４１は前後の動作範囲のほぼ中間に位置して
いるため、図５に示すように切替えスイッチ３３の端子
５３が電気的接続がされていないＯＦＦの位置となり、
モーター３２は回転しない。

【００２１】次に掃除面上で吸込具本体２１を前進させ
ると、レバー４１が後方に回動してアクチュエータ３４
が前方に移動し図６に示すように切替えスイッチ３３の
端子５３を介してモーター３２に接続され回転子３０が
一定方向に回転される。また、吸込具本体２１を後進さ
せると、上記と逆に動作し、図７に示すように切替えス
イッチ３３の端子５３を介してモーター３２に接続され
回転子３０が上記と逆回転する。

【００２２】この一実施例における動作、作用を説明す
る。第一の手段により、吸込具本体２１を空中に持ち上
げた際には、切替えスイッチ３３がＯＦＦのポジション
になるような構成であるため、掃除していた途中で電話
などがかかってきた時、うっかりして吸込具本体２１を
そのままにしておいても、子供が誤って吸込具本体２１
を触って床面から上げたときには、ばね３６、３７の附
勢力によりレバー４１、摺動体３５が中央部に位置し回
転子３０が停止することとなり回転子３０に万一触れて
も安全である。

【００２３】また掃除作業中には、掃除機本体２０の吸
引によりモーター３２の保護用電気部品４８（正特性サ
ーミスター）を冷却するためアーム４９の吸引孔５０よ
り吸引され制御回路室５１に気流が発生し制御回路室５
１が負圧となる、それに伴いスイッチ室４０を構成する
上部ケース２５、下部ケース２６の突き合わせ部のわず
かな隙間より内気が引き出され徐々に負圧となる。

【００２４】ここでレバー４１の軸４２と軸受部４７の
わずかな隙間より塵埃を含んだ操作室４５の外気が吸い
込まれることになるが、軸４２を回動保持する軸受部４
７をスイッチ室４０と操作室４５の側壁にそれぞれ分離
構成したことにより、塵埃を含んだ外気は直接に制御回
路室５１を介しアーム４９の吸引孔５０より掃除機本体
２０へと吸引されるもので、スイッチ室４０への塵埃の
侵入が阻止されアクチュエータ３４、レバー４１、ばね
３６、３７、切替えスイッチ３３等の摺動部、回動部に
塵埃が徐々に付着し動作不良をすることもなく耐久性に
優れ信頼性の高いものとなる。

【００２５】第二の手段により、レバー４１の軸４２を
回動保持する軸受部４７の両端に、防塵体５２を軸４２
へ一体的に形成したものであり、塵埃を含んだ操作室４
５の外気が吸い込まれスイッチ室４０内へのごみの侵入
を防塵体５２により塵埃をはね跳ばすあるいは、気流の
方向を変える等、軸４２と軸受部４７との隙間をカバー
するものでスイッチ室４０への塵埃侵入が防止できるも
のであり動作耐久性を確保できる。

【００２６】

【発明の効果】このように、本発明は、第一の手段にお
いて、吸込具本体を空中に持ち上げた際には、切替えス
イッチがＯＦＦのポジションになるような構成であるた
め、小さい子供に対しても安全である。

【００２７】またレバーと操作部を連結する軸を回動保
持する軸受部を、前記スイッチ室と操作室の側壁にそれ
ぞれ分離構成したもので、操作室よりの塵埃を含んだ外
気は軸受部を通過後に直接に制御回路室を介しアームの
吸引孔より掃除機本体へと吸引される。従ってスイッチ
室への塵埃の侵入が阻止されアクチュエータ、レバー、
ばね、切替えスイッチ等の摺動部、回動部に塵埃が徐々
に付着し動作不良をすることもなく耐久性に優れ信頼性
の高いものが得られるものである。

【００２８】次に第二の手段により、スイッチ室の側壁
に形成した軸受部の端部に、防塵体を一体的に形成した
ものであり、塵埃を含んだ操作室の外気が吸い込まれス
イッチ室内へのごみの侵入を防塵体により塵埃をはね跳
ばすあるいは、気流の方向を変える等、軸と軸受部との
隙間をカバーするものでスイッチ室への塵埃侵入が防止
できるものであり動作耐久性を確保できる。以上より安
全性にすぐれ、信頼性の高い、使い勝手の良い電気掃除
機用吸込具を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す電気掃除機用吸込具の
横断面図

【図２】同電気掃除機用吸込具の上部ケースを取り外し
た状態の平面図

【図３】同電気掃除機用吸込具の要部断面図

【図４】同電気掃除機の外観斜視図

【図５】同電気掃除機用吸込具を空中に持ち上げたとき
の回路図

【図６】同電気掃除機用吸込具を前進させたときの回路
図

【図７】同電気掃除機用吸込具を後進させたときの回路
図

【図８】従来例を示す電気掃除機用吸込具の縦断面図

【符号の説明】

２１ 吸込具本体 ２５ 上部ケース ２６ 下部ケース ３３ 切り替えスイッチ ３４ アクチュエータ ４０ スイッチ室 ４１ レバー ４２ 軸 ４５ 操作室 ４７ 軸受部 ５１ 制御回路室 ５２ 防塵体

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平４−288108（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−197422（ＪＰ，Ａ) 特開 昭62−217930（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−269057（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A47L 9/04

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上部ケースと、下面に吸込口を形成した
   下部ケースとで形成された吸込具本体と、前記吸込口に
   設けた回転子を駆動するモーターと、アクチュエータを
   有しかつ前記モーターの回転方向を制御ししかも前記ア
   クチュエータの中間位置で前記モーターへの電源を開路
   する切替スイッチと、前記スイッチを内蔵するスイッチ
   室と、前記アクチュエータを中間位置に付勢する弾性体
   と、下部ケースの下面に形成されかつ操作部を収納する
   操作室と、一端が前記アクチュエータに連結され、他端
   は前記操作部の上端と一体的に形成されたレバーとで構
   成し、前記操作部の下端は掃除面に当接しかつ前記弾性
   体の付勢力に抗して回動自在とし、前記レバーと前記操
   作部を連結する軸を回動保持する軸受部を前記スイッチ
   室と操作部の側壁にそれぞれ分離構成し、前記軸受部間
   の空間部が吸引通路に連通してなることを特徴とする電
   気掃除機用吸込具。
2. 【請求項２】 スイッチ室の側壁に形成した軸受部の端
   部に、防塵体をレバーと操作部を連結する軸に一体的に
   形成した請求項１記載の電気掃除機用吸込具。