JP3427158B2 - 伴侶動物用飼料及びその製造方法 - Google Patents

伴侶動物用飼料及びその製造方法

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JP3427158B2
JP3427158B2 JP06474198A JP6474198A JP3427158B2 JP 3427158 B2 JP3427158 B2 JP 3427158B2 JP 06474198 A JP06474198 A JP 06474198A JP 6474198 A JP6474198 A JP 6474198A JP 3427158 B2 JP3427158 B2 JP 3427158B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は伴侶動物用飼料(ペ
ットフード)及びその製造方法に関する。より詳細に
は、パン状の性状と物性とを有し、栄養バランスに優れ
ると共に嗜好性が良好な伴侶動物用飼料及びその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、犬や猫などのコンパニオンアニマ
ル(一般に伴侶動物と称されるので、本明細書において
は、伴侶動物という)が、家族の一員として飼育される
ようになり、人間の食生活に対する意識が伴侶動物にも
向けられて、伴侶動物用飼料のグルメ化、健康志向が進
んでいる。経済的価値、特に体重を一定期間内にできる
限り増加させることを目的とし、主に家畜栄養学的、経
済的見地などから調製されている産業動物用飼料とは異
なり、伴侶動物用飼料は、人間の食品と同様に、食欲の
喚起(嗜好性)、グルメ化への対応、取扱い易さ、安全
性、保存性などと共に健康面への配慮(健康志向)の要
件を満たすことが期待されている(動薬研究, 7, 2-21,
1986)。従来から各種の伴侶動物用飼料が販売されて
いるが、伴侶動物が伴侶動物用飼料に食いつき、咀嚼及
び/又は燕下する際に、従来の伴侶動物用飼料の場合で
は、その断片物、破片物、破砕物、粉などが生じ易かっ
たので、これらが伴侶動物の飼育されている場所及びそ
の周辺(以下、飼育環境という)、特に室内犬の場合に
は室内又は家屋内を汚すことが多かった。そこで、この
ような問題を回避することも期待されていた。
【0003】また、伴侶動物用飼料は常温で流通され、
保管されることが多いので、製品を製造する場合には、
保存性を確保するために、各種の微生物増殖制御手段が
適用されている。例えば、熱の利用に着目して、缶詰
め、レトルトパウチ製品などが、水分含量や水分活性の
制御に着目して、ドライフードをはじめとする低水分含
量製品、ジャーキータイプやセミモイストタイプのよう
な中間水分製品が製造されている。更に、これらの製品
には、各種の防腐剤、抗菌剤、pH調整剤などが添加さ
れ、微生物の増殖の抑制が図られている。上記の水分活
性(以下、Awという)は製品の水蒸気圧と純水の水蒸
気圧の比で表わされ、当該製品中の水分の存在様式を表
わしており、品質劣下の難易とも相関している。例え
ば、ボツリヌス菌が発育しボツリヌス毒素を産生するた
めの最低Awは0.94、ブドウ球菌が発育しエンテロ
トキシンを産生するための最低Awは0.86と言われ
ている。また、腐敗細菌、一般の酵母やカビの発育に必
要な最低Awはそれぞれ、0.87〜0.98、0.6
2〜0.91と0.80〜0.92程度と言われている
(河端俊治ら共著、「実務食品衛生」、中央法規、p. 2
52)。従って、任意の製品のAwがこれらの値より低い
場合には、これらの微生物は当該製品中では増殖するこ
とができないので、当該製品はこれらの微生物を原因と
する腐敗又は品質劣下を回避することができる。
【0004】なお、特段の定めはないが、水分含量が2
0〜40%で、しかもAwが0.6〜0.85の状態に
ある食品は中間水分食品と呼ばれている(調理科学, 7,
12-22, 1974)。本明細書では便宜上、この範囲を中間
水分状態とし、この範囲を上回る状態及び下回る状態を
それぞれ高水分状態と低水分状態と呼ぶ。Awはコンウ
エイユニットを用いる方法(例えば、相磯和嘉監修、
「食品微生物学」、医歯薬出版社、p. 116)や湿度セン
サーを応用した水分活性測定装置(例えば、Thermocons
ter TH200、Novasina社)などにより容易に計測するこ
とができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、伴侶動
物用飼料として種々の製品が販売されているが、伴侶動
物用飼料のうち低水分状態に属する製品としては、乾燥
パン状やクッキー状の製品がある。しかし、これらは小
麦粉を主原料とするパン(又はクッキー)を単に乾燥さ
せたもので、非常に硬い物性を有するので、幼犬、老齢
犬や猫などの歯の弱い伴侶動物は食することができなか
った。また、この種の製品は硬いと同時に脆い物性も有
するので、歯の強い伴侶動物が食する場合でも、細かく
砕けて、パン屑状の小片を生じ易く、飼育環境や家屋内
を汚すことが多かった。伴侶動物用飼料のうち中間水分
状態に属する製品としては、ジャーキータイプやセミモ
イストタイプの製品及び干し肉状の製品があるが、これ
らの製品にはAwを調整するために各種の水分活性調整
剤(Aw調整剤)が多量に添加されているので、伴侶動
物が食べすぎる場合には、健康を害する恐れがあった
(例えば、食塩の過剰摂取等)。また、ジャーキータイ
プやセミモイストタイプの製品は、脆く噛み応えに欠け
る性状を有していた。一方、干し肉状の製品は、硬い物
性及び粘着性を有するので、幼犬、老齢犬や猫などの歯
の弱い伴侶動物は食する、又は噛み切ることができなか
った。
【0006】このように、従来の伴侶動物用飼料におい
ては、歯の弱い伴侶動物が食することのできるようなパ
ン状飼料や中間水分状態飼料はなく、また断片物などに
よる室内の汚染などの問題があった。本発明者らは、上
記の従来品の問題点を解消すべく、保存性を有し、しな
やかな弾性を特徴とするテクスチャーを有し、幼犬、老
齢犬や猫などの歯の弱い伴侶動物でも食することが可能
で、伴侶動物が食する時に、断片物、破片物、破砕物、
粉などを生じないか、又はその程度の少ない事を特徴と
する伴侶動物用飼料を鋭意検討した結果、原材料として
穀粉と食肉を併用すると共に多孔質状に形成することに
より所期の目的を達成できることを見出して本発明を完
成した。即ち、本発明は、保存性、簡便性、伴侶動物に
対する栄養バランス及び嗜好性に優れた伴侶動物用飼料
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めになされた本発明の要旨は、 (1)穀粉と食肉を含有し、多孔質状の伴侶動物用飼料で
あって、その断面を走査型電子顕微鏡で観察したとき、
長径100〜500μmのほぼ円形の気泡を有すること
を特徴とする伴侶動物用飼料; (2)穀粉が小麦粉である上記(1)記載の伴侶動物用飼料; (3)Awが0.6〜0.9の範囲である上記(1)又は(2)
記載の伴侶動物用飼料; (4)多価アルコール類を含有する上記(1)〜(3)の何れか
に記載の伴侶動物用飼料; (5)穀粉及び食肉を含有する含泡体ドウを調製し、成形
後、加熱処理することからなり、多孔質状の伴侶動物用
飼料であって、その断面を走査型電子顕微鏡で観察した
とき、長径100〜500μmのほぼ円形の気泡を有す
る伴侶動物用飼料を得ることを特徴とする伴侶動物用飼
料の製造方法; (6)Awが0.6〜0.9の範囲となるように加熱処理
する上記(5)記載の伴侶動物用飼料の製造方法;であ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の伴侶動物用飼料は上記の
構成からなり、穀粉と食肉を少なくとも含有する。本発
明で使用される穀粉としては、小麦粉、米粉、ライ麦
粉、えんばく粉、ひえ粉、あわ粉、トウモロコシ粉、大
豆粉などが例示でき、これらの穀粉は2種以上を併用し
てもよい。穀粉を使用することにより、伴侶動物に炭水
化物などの栄養素を供給することができる。上記の穀粉
の中で小麦粉を使用するのが最も好ましく、小麦粉とし
ては、強力粉、中力粉、薄力粉を単独又は適宜組み合わ
せて使用することができ、また係る小麦粉と他の穀粉を
併用してもよい。更に、加熱処理後の伴侶動物用飼料の
弾力を調整するために、小麦粉と小麦グルテン、大豆蛋
白質などを組み合わせてもよい。なお、小麦粉に含まれ
るグルテンに由来する網目構造は、加熱処理されると、
膨化した組織構造を構成することができ、食感の改善に
寄与する。
【0009】本発明で使用される食肉は特に限定され
ず、鶏肉、豚肉、牛肉、羊肉、山羊肉、兎肉、七面鳥
肉、馬肉などを使用するこができるが、風味の点から鶏
肉が好適に使用される。上記の食肉は常法により家畜類
を屠殺し解体して得られる。なお、中間水分又は低水分
状態の製品の品質劣下は主に脂肪の酸化により生じるの
で、使用する食肉は脂肪含量が少ないか脂肪を取り除い
た赤身肉が好適に使用される。また、食肉の共存は、良
質の動物性蛋白質の強化と共に伴侶動物に対する嗜好性
の改善を図ることができる。
【0010】本発明においては、穀粉と共に食肉が使用
されており、中間水分状態でも粘着性を有する食肉の特
性が、穀粉のみではパサパサ又はハードになる組織構造
を改善し、中間水分状態でもしなやかな弾性を発現させ
ることができる。特に、穀粉として小麦粉を使用した場
合、小麦粉に含まれるグルテンに由来する網目構造に食
肉の筋原繊維や筋繊維が配置して組織構造を補強すると
いう効果が得られるので、小麦粉と食肉を併用すること
が好ましい。穀粉(好ましくは小麦粉)と食肉の使用量
は、練り上がり原料混合物(ドウ)において、穀粉が5
〜60重量%(以下、特に明示のない限り%は重量%を
意味する)程度、好ましくは10〜50%程度、食肉が
5〜80%程度、好ましくは20〜50%程度となるよ
うに配合される。
【0011】本発明の伴侶動物用飼料は多孔質状に形成
されており、多孔質状とすることにより、適度な柔軟性
と弾性を有すると共にソフトな食感を有する飼料とする
ことができる。従って、幼犬、老齢犬や猫などの歯の弱
い伴侶動物でも食することが可能であり、また伴侶動物
が食する時に、断片物、破片物、破砕物、粉などの発生
を軽減することができる。飼料を多孔質状とする手段は
特に限定されないが、一般的には、微細な気泡を含有す
るドウ、即ち含泡体ドウを調製した後、加熱処理して膨
化させることにより多孔質状とすることができる。得ら
れた多孔質状飼料の密度は、所望する製品の性状により
適宜選択することができるが、一般に0.2〜1.0g
/cm3程度、好ましくは0.4〜0.8g/cm3程度
に調整される。
【0012】本発明の伴侶動物用飼料においては、Aw
を0.6〜0.9の範囲に調整するのが好ましい。係る
範囲に調整することにより、微生物の増殖を抑制するこ
とができる。より詳細には、食品などに常在する細菌の
種類は、当該食品などの生産の履歴に左右されるので、
食品などの種類により異なり、一様ではない(食品衛生
研究、31, 405, 1981)。食肉に常在又は汚染している
細菌の場合には、家畜が飼育されている環境、飼料、
排泄物などに常在する細菌;家畜を屠殺する際の屠殺
場の環境;家畜自体の腸内容物などに常在する細菌;
食肉を保管、流通させる際の環境に常在する細菌など
に由来する。これらの細菌には、大腸菌、サルモネラ、
カンピロバクター、イエルシニア、リステリア、黄色ブ
ドウ球菌、ウエルシュ菌などの食中毒原因細菌、プソイ
ドモナス属、ミクロコッカス属、スタフィロコッカス
属、クロストリジウム属、いわゆる乳酸菌群(ラクトバ
チルス属、ラクトコッカス属、エンテロコッカス属等)
などの品質劣化の原因に関連する細菌などがある。これ
らの細菌は、上述の黄色ブドウ球菌を除けば、通常、A
w0.90程度以下では生育又は増殖することができな
い(芽胞の場合には発芽することができない)。一方、穀
粉に常在する細菌の場合には、穀物が栽培される環境
(特に土壌)に常在する細菌に由来し、バチルス属細菌
及びその芽胞が主たる汚染細菌であり、Aw0.90程
度以下では生育、増殖又は発芽することができない。
【0013】Awの調整は、ドウの加熱処理条件やドウ
の水分含量を適宜調整することにより行うことができる
が、Aw調整剤を使用してAwの調整を行ってもよい。
Aw調整剤を使用することにより、製品中の自由水が減
少し、Awを低下させることができる。Aw調整剤とし
ては、少量の添加でもモル濃度向上に寄与度が大きい各
種の低分子量物質、例えば、多価アルコール類、食塩、
アミノ酸類、核酸関連物質、有機酸類とその塩類、エチ
ルアルコール等のアルコール類などが例示できる。これ
らのAw調整剤のうち、食塩のような塩類は、過剰に摂
取すると伴侶動物の健康を損ねるおそれがあるので、多
価アルコール類、アミノ酸類などを使用するのが好まし
く、より好ましくは多価アルコール類が使用される。多
価アルコール類としては、例えば、糖類(例えば、砂
糖、ブドウ糖、麦芽糖、水飴等)、糖アルコール(例え
ば、ソルビトール、マンニトール、キシリトール等)、
グリセリン、プロピレングリコールなどが例示でき、こ
れらは単独又は適宜組み合わせて使用することができ
る。また、ドウへの多価アルコール類の添加は、Awの
調整と共に、本発明では穀粉を使用しているので、澱粉
の老化防止と保存期間中のテクスチャーの劣下防止を図
ることができる。
【0014】本発明の伴侶動物用飼料は種々の方法によ
り調製することができるが、好ましい方法としては、穀
粉(好ましくは小麦粉)及び食肉を含有した含泡体ドウ
を調製し、成形後、加熱処理する方法が例示できる。ド
ウ中の穀粉及び食肉の組成は特に限定されないが、練り
上がりドウにおいて、通常、穀粉5〜60%程度、好ま
しくは10〜50%程度、食肉5〜80%程度、好まし
くは20〜50%程度、及び必要量の水からなるように
調整される。また、Aw調整剤を使用する場合には、当
該Aw調整剤は5〜30%程度、好ましくは10〜20
%程度となるように添加される。なお、水の使用量は、
ドウが混練・成形できる程度に、穀粉、食肉、Aw調整
剤などの使用量に応じて適宜調整すればよい。
【0015】ドウの調製方法は特に限定されないが、好
ましくは、まず食肉をサイレントカッター、チョッパー
などにより細挽する。この際、細挽した食肉に気泡が十
分に含まれるように細切しておくのが好ましい。つい
で、細挽した食肉に、穀粉、水及び必要に応じてAw調
整剤などを添加し、十分に混練して気泡を含有させるこ
とにより含泡体ドウを調製することができる。ドウの調
製に際して、起泡剤を添加してもよく、特に穀粉として
小麦粉以外の穀粉を使用する場合には起泡剤を使用する
のが好ましい。起泡剤の添加により、ドウ中に微細な気
泡を均一に含有させることができる。起泡剤としては各
種起泡剤が使用できるが、気泡の安定性などの点から、
大豆蛋白系起泡剤及び/又は酵素分解大豆蛋白系起泡剤
を使用するのが好ましい。
【0016】かくして調製されたドウを成形し、加熱処
理することにより、本発明の伴侶動物用飼料が得られ
る。ドウの成形は、本発明の伴侶動物用飼料を伴侶動物
が食する際の食べ易さ、飼い主の取扱い易さなどに応じ
て適宜な形状に成形すればよく、例えば、板状、スティ
ック状、円板状、ドーナツ状、ハート形状などが例示さ
れる。また、同一の配合から調製したドウから、各々異
なる色調の色素で染色し、又は野菜又はフルーツなどを
配合して異なる外観の複数のドウを調製し、それらを多
層状又は同心円状に組み合わせて成形することもでき
る。
【0017】成形されたドウの加熱手段は特に限定され
ず、例えば、オーブン加熱、マイクロ波加熱などが例示
される。これらの加熱方法は公知であり、常法に準じて
加熱処理を行えばよい。加熱処理後の飼料の水分含量
は、通常20〜40%程度である。上記の加熱処理によ
り、水分の蒸発と気泡の膨張によりドウは膨化し、また
短時間に水分が蒸発するのでAwが低下し、保存性が向
上する。また、穀粉として小麦粉を使用した場合には、
加熱処理により、小麦粉に含まれるグルテンに由来する
網目構造が固定化し、食感が改善される。なお、オーブ
ン加熱の場合には、飼料に独特の色調(狐色)や香気を
生じさせることができる利点があり、一方、マイクロ波
加熱による場合には、ドウの内部から加熱することがで
きるので、均質に膨化させることが可能であり、均一な
気泡を有する飼料を得ることができる利点がある。上記
の加熱処理に際して、得られた飼料のAwが0.6〜
0.9の範囲になるように調整するのが好ましい。前述
のように、Awをこの範囲に調整することより、飼料の
保存性を著しく高めることができる。
【0018】かくして得られた本発明の伴侶動物用飼料
は、パン状の性状を有する飼料であり、ソフトな食感と
適度な柔軟性と弾力性を有するので、幼犬、老齢犬や猫
などの歯の弱い伴侶動物の飼料、おやつなどとして好適
である。勿論、健常な成犬や成猫の飼料、おやつなどと
しても利用することができる。本発明の伴侶動物用飼料
は、包装容器に適当量を収納し、密封することにより製
品化される。包装容器としては、酸素ガス非透過性の包
材を使用するのが好ましい。包装の形態としては、真空
包装、不活性ガス充填包装などが例示されるが、脱酸素
剤(例えば、エージレスTM等)と共に不活性ガス充填包
装するのが好ましい。係る包装形態によれば、保存期間
中における酸素による品質劣化と微生物の増殖を防止す
ることができる。
【0019】本発明は上記の例に限定されるものではな
く、適宜変更して実施することができる。例えば、使用
する食肉又はドウには、当業者が慣用的に用いている添
加物(例えば、食塩、重合リン酸塩、エリソルビン酸ナ
トリウム等の酸化防止剤、植物性蛋白質、脱脂粉乳、カ
ゼインナトリウム、卵白、グルテン、貝殻粉、骨粉、ビ
タミン類、ミネラル類、微量元素、調味料、香料、色
素、保存料、pH調整剤等)及び/又は野菜やフルーツ
を添加することもできる。また、ドウを板状に成形し加
熱処理し、その後にスティック状、円板状、ドーナツ
状、ハート形状などに切断して飼料を調製してもよい。
更に、使用する食肉又はドウに、各種のビタミン類やミ
ネラル類などを配合し、犬又は猫のNRC栄養基準に合
致させることもできる。
【0020】
【発明の効果】本発明の伴侶動物用飼料は、穀粉と共に
食肉を含有しているので、栄養バランスに優れると共に
伴侶動物の嗜好性が高く、また中間水分状態でも柔軟性
及び弾性を保持することができる。更に、多孔質状に形
成されているので、ソフトな食感と適度な柔軟性及び弾
力性を有し、幼犬、老齢犬や猫などの歯の弱い伴侶動物
でも食することが可能であると共に伴侶動物が食する時
でも、断片物、破片物、破砕物、粉などの発生が少ない
という特長を有する。また、本発明の製造方法によれ
ば、上記の特性を有する飼料を簡便且つ確実に製造する
ことができる。
【0021】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に
説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものでは
ない。 実施例1 鶏肉(練り上がり原料混合物100重量部当たり40
部)をサイレントカッターにて、直径5mm以下の肉塊に
なるように細挽し、これに氷(20部)、ソルビトール
(15部)、小麦粉(13部)、植物性蛋白質(5.3
部)、骨粉(5部)、食塩(1部)、調味料(0.5
部)、重合リン酸塩(0.2部)を加え、ドウを調製し
た。なお、サイレントカッターの操作は低速及び高速運
転(刃の回転数;それぞれ1500と3000rpm)を適宜組み
合わせて行い、ドウにより多くの気泡を含ませるように
行った。次いで、このドウを厚さ1cmの板状に成形し、
長辺10cm、短辺1.5cmのサイズに切断し、120℃
に設定したコンベクション・オーブン(CM6、Rational
社)で焼成し、冷却することにより、本発明の伴侶動物
用飼料を得た。得られた伴侶動物用飼料の水分含量、A
w及び密度は、それぞれ22%、0.80、0.59g/
cm3であった。また、物性は適度に柔らかく弾力性に
富んでいた。
【0022】実施例2 実施例1の鶏肉(40部)のかわりに、豚赤身肉(20
部)と牛赤身肉(20部)を用いて、同様の手順により
本発明の伴侶動物用飼料を調製した。得られた伴侶動物
用飼料の水分含量、Awと密度は実施例1に記載の値と
略同様であった。また、物性は適度に柔らかく弾力性に
富んでいた。
【0023】実施例3 実施例1で調製したドウを160℃に設定したオーブン
で焼成し、冷却することにより、本発明の伴侶動物用飼
料を得た。得られた伴侶動物用飼料の水分含量、Aw及
び密度は、それぞれ20%、0.62、0.65g/cm
3であった。また、物性はかなり硬かったが弾力性はあ
った。
【0024】実施例4 実施例1で調製したドウを、常法に準じてマイクロ波照
射加熱した後、冷却することにより、本発明の伴侶動物
用飼料を得た。得られた伴侶動物用飼料の水分含量、A
wと密度は実施例1に記載の値と略同様であった。ま
た、物性は適度に柔らかく弾力性に富んでいた。
【0025】比較例1 下記の市販製品を購入し、分析し、以下の測定結果を得
た。 乾燥パン状の製品:水分含量15%、Aw0.41、
密度0.56g/cm3であった。物性は非常に硬く弾力
性はなかった。強く押すと崩れて粉々になった。 ジャーキー状の製品:水分含量25%、Aw0.8
1、密度1.2g/cm3であった。物性はしなやかで柔
らかく弾力性は少ししかなかった。 セミモイスト状の製品:水分含量31%、Aw0.8
2、密度1.33g/cm3であった。物性はとても柔ら
かいが、弾力性はなかった。 クッキー状の製品:水分含量11%、Aw0.37、
密度0.91g/cm3であった。物性は非常に硬く弾力
性はなかった。
【0026】試験例1テクスチャーの測定 実施例1で得られた伴侶動物用飼料、比較例1の乾燥
パン状の製品及び比較例1のセミモイスト状の製品の
テクスチャーをTensipresser(TTP-50BX、タケトモ電
機)を用いて計測した。得られた結果を表1に示す。表
1に示すように、本発明の伴侶動物用飼料は、しなやか
な弾性を特徴とする測定値を示し、官能的な所見とも一
致した。比較例1の乾燥パン状の製品はしなやかな弾
性に欠ける測定値を示し、官能的な所見とも一致した。
比較例1のセミモイスト状の製品はしなやかな弾性に
欠けると共に、脆く噛み応えに欠ける測定値を示し、官
能的な所見とも一致した。
【0027】
【0028】試験例2走査型電子顕微鏡による組織学的観察 実施例1で得られた伴侶動物用飼料、及び比較例1の
乾燥パン状の製品を切断し、常法により、脱水し、乾燥
し、金蒸着した。そして、走査型電子顕微鏡(JSM-5300
LV、JEOL)により観察した。その結果を図1(本発明
品)及び図2(比較例1の乾燥パン状の製品)に示し
た。図1に示されるように、実施例1で得られた伴侶動
物用飼料の場合には、ほぼ円形に近い形状で、長径約1
00〜500μm程度の気泡が組織切断面の全域に存在
するのが確認された。一方、図2に示されるように、比
較例1の乾燥パン状の製品の場合には、楕円形や複雑
な形状で、長径約100μm〜3mm程度の気泡が組織
切断面の全域に存在するのが確認された。このように、
両者は多孔質である点では一見似ているが、その構造を
よく観察してみると、本発明品はきめ細やかな円形の気
泡が均一に見られるのに対して、比較例1の乾燥パン状
の製品では形や大きさが様々な気泡が不規則に見られる
という違いがあった。
【0029】試験例3 実施例1、2、3及び4で得られた伴侶動物用飼料を犬
6頭と猫6頭に与え、嗜好性を「喜んで食べた」、「普
通に食べた」、「あまり食べなかった」の3段階で評価
した。その結果、いずれの伴侶動物用飼料も全頭喜んで
食べた。一方、比較例1の乾燥パン状の製品について
同様の試験を行ったところ、「喜んで食べた」:犬0頭
と猫0頭、「普通に食べた」:犬3頭と猫0頭、「あま
り食べなかった」:犬3頭と猫6頭であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の伴侶動物用飼料の切断面の走査型電子
顕微鏡写真である。
【図2】市販の乾燥パン状の製品の切断面の走査型電子
顕微鏡写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 重久 保 茨城県つくば市緑ケ原3丁目3番 日本 ハム株式会社 中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭57−36946(JP,A) 特表 平5−501797(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23K 1/16 301 A23K 1/10 A23K 1/14 A23K 1/18

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 穀粉と食肉を含有し、多孔質状の伴侶
    動物用飼料であって、その断面を走査型電子顕微鏡で観
    察したとき、長径100〜500μmのほぼ円形の気泡
    を有することを特徴とする伴侶動物用飼料。
  2. 【請求項2】 穀粉が小麦粉である請求項1記載の伴
    侶動物用飼料。
  3. 【請求項3】 水分活性が0.6〜0.9の範囲であ
    る請求項1又は2記載の伴侶動物用飼料。
  4. 【請求項4】 多価アルコール類を含有する請求項1
    〜3の何れかに記載の伴侶動物用飼料。
  5. 【請求項5】 穀粉及び食肉を含有する含泡体ドウを
    調製し、成形後、加熱処理することからなり、多孔質状
    の伴侶動物用飼料であって、その断面を走査型電子顕微
    鏡で観察したとき、長径100〜500μmのほぼ円形
    の気泡を有する伴侶動物用飼料を得ることを特徴とする
    伴侶動物用飼料の製造方法。
  6. 【請求項6】 水分活性が0.6〜0.9の範囲とな
    るように加熱処理する請求項5記載の伴侶動物用飼料の
    製造方法。
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