JP3425558B2 - くん蒸倉庫の気密構造及びその施工方法 - Google Patents
くん蒸倉庫の気密構造及びその施工方法Info
- Publication number
- JP3425558B2 JP3425558B2 JP2000275806A JP2000275806A JP3425558B2 JP 3425558 B2 JP3425558 B2 JP 3425558B2 JP 2000275806 A JP2000275806 A JP 2000275806A JP 2000275806 A JP2000275806 A JP 2000275806A JP 3425558 B2 JP3425558 B2 JP 3425558B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- airtight structure
- warehouse
- curing
- wall
- fumigation
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
- Building Environments (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は青果物等の植物の防
疫のために好適に使用されるくん蒸倉庫の気密構造及び
その施工方法に関し、より詳細には工期短縮に有利であ
りかつ高い気密度を保持できるくん蒸倉庫の気密構造及
びその施工方法に関する。
疫のために好適に使用されるくん蒸倉庫の気密構造及び
その施工方法に関し、より詳細には工期短縮に有利であ
りかつ高い気密度を保持できるくん蒸倉庫の気密構造及
びその施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】船舶などの輸送機関によって輸入される
青果物などの植物は、法律に定められた害虫駆除を目的
として青酸、メチルブロマイド、ホストキシン等の極め
て毒性の強いガスによるくん蒸処理が義務づけられてい
る。くん蒸倉庫ではこのように極めて毒性の強いガスが
使用されるため、くん蒸倉庫の気密度が厳格に要求され
ている。
青果物などの植物は、法律に定められた害虫駆除を目的
として青酸、メチルブロマイド、ホストキシン等の極め
て毒性の強いガスによるくん蒸処理が義務づけられてい
る。くん蒸倉庫ではこのように極めて毒性の強いガスが
使用されるため、くん蒸倉庫の気密度が厳格に要求され
ている。
【0003】かかるくん蒸倉庫の気密構造には、一般に
ゴム−アスファルトエマルジョンの利用が提案されてい
るが(特公昭58−41107号)、ゴム−アスファル
トエマルジョンは水溶液として噴霧吹き付けを行う必要
があるため施工時の養生(乾燥)に時間がかかり問題が
あった。
ゴム−アスファルトエマルジョンの利用が提案されてい
るが(特公昭58−41107号)、ゴム−アスファル
トエマルジョンは水溶液として噴霧吹き付けを行う必要
があるため施工時の養生(乾燥)に時間がかかり問題が
あった。
【0004】これに対して、構築体上に上述と同じゴム
−アスファルトエマルジョン層を形成した後、この上に
現場発泡により吹き付け発泡させて硬質ウレタンフォー
ム層を形成する気密断熱構造の施工法が提案されている
(特公平7−116762号)。この施工法は毒ガスに
対する気密性を完全に確保できるものの、ゴム−アスフ
ァルトエマルジョンを依然使用するため養生に時間がか
かり工期が長くなる傾向を有していた。
−アスファルトエマルジョン層を形成した後、この上に
現場発泡により吹き付け発泡させて硬質ウレタンフォー
ム層を形成する気密断熱構造の施工法が提案されている
(特公平7−116762号)。この施工法は毒ガスに
対する気密性を完全に確保できるものの、ゴム−アスフ
ァルトエマルジョンを依然使用するため養生に時間がか
かり工期が長くなる傾向を有していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる従来技
術の現状に鑑み創案されたものであり、その目的は養生
時間が短いために工期短縮に有利でありかつくん蒸ガス
に対して高い気密度を保持できるくん蒸倉庫の気密構造
及びその施工方法を提供することにある。
術の現状に鑑み創案されたものであり、その目的は養生
時間が短いために工期短縮に有利でありかつくん蒸ガス
に対して高い気密度を保持できるくん蒸倉庫の気密構造
及びその施工方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者はかかる目的を
達成するために養生時間が長いゴム−アスファルトエマ
ルジョンのような水性施工をしない気密構造について鋭
意検討した結果、本発明の完成に至った。
達成するために養生時間が長いゴム−アスファルトエマ
ルジョンのような水性施工をしない気密構造について鋭
意検討した結果、本発明の完成に至った。
【0007】即ち、本発明は倉庫内壁上にウレタン系プ
ライマー及びポルトランドセメントの混合物からなる接
着層とこの接着層の上に設けられた複数の硬化ポリウレ
タン塗膜層とからなる積層構造を有することを特徴とす
るくん蒸倉庫の気密構造である。
ライマー及びポルトランドセメントの混合物からなる接
着層とこの接着層の上に設けられた複数の硬化ポリウレ
タン塗膜層とからなる積層構造を有することを特徴とす
るくん蒸倉庫の気密構造である。
【0008】また、本発明は下記工程を含むことを特徴
とするくん蒸倉庫の気密構造の施工方法(HM工法と称
する)である: (i) 倉庫内壁上にウレタン系プライマー及びポルト
ランドセメントの混合物を塗布して硬化乾燥する; (ii) プライマー及びセメントの混合物の塗布面に常
温硬化型速硬化性ポリウレタン塗料を塗布して硬化乾燥
する;及び (iii) さらに塗料塗布面に常温硬化型速硬化性ポリウ
レタン塗料を塗布して硬化乾燥する工程を少なくとも1
回繰り返す。
とするくん蒸倉庫の気密構造の施工方法(HM工法と称
する)である: (i) 倉庫内壁上にウレタン系プライマー及びポルト
ランドセメントの混合物を塗布して硬化乾燥する; (ii) プライマー及びセメントの混合物の塗布面に常
温硬化型速硬化性ポリウレタン塗料を塗布して硬化乾燥
する;及び (iii) さらに塗料塗布面に常温硬化型速硬化性ポリウ
レタン塗料を塗布して硬化乾燥する工程を少なくとも1
回繰り返す。
【0009】本発明のくん蒸倉庫の気密構造及びその施
工方法の好ましい態様では、特に倉庫内壁のうち出隅
部、入隅部、壁面打ち継ぎ部及び/又は配管スリーブ部
において前記複数の硬化ポリウレタン塗膜層の間に補強
布を設けることが好ましい。
工方法の好ましい態様では、特に倉庫内壁のうち出隅
部、入隅部、壁面打ち継ぎ部及び/又は配管スリーブ部
において前記複数の硬化ポリウレタン塗膜層の間に補強
布を設けることが好ましい。
【0010】本発明のくん蒸倉庫の気密構造では、塗膜
の接着層としてウレタン系プライマーにポルトランドセ
メントを混合した物を使用しているため、小さな目地部
やクラック等の下地処理をほとんど行わずに塗膜の接着
層を形成することができ、作業効率に極めて優れるもの
である。また、この接着層の上に設けられる硬化ポリウ
レタン塗膜層は溶剤系のため各層施工完了後の養生時間
が水系のものに比較して短く工期短縮に極めて有利であ
る。しかも、複数の硬化ポリウレタン塗膜層は高い気密
性と優れた断熱性を有し、必要により補強布を介在させ
ることにより、その性能を増強させることができる。
の接着層としてウレタン系プライマーにポルトランドセ
メントを混合した物を使用しているため、小さな目地部
やクラック等の下地処理をほとんど行わずに塗膜の接着
層を形成することができ、作業効率に極めて優れるもの
である。また、この接着層の上に設けられる硬化ポリウ
レタン塗膜層は溶剤系のため各層施工完了後の養生時間
が水系のものに比較して短く工期短縮に極めて有利であ
る。しかも、複数の硬化ポリウレタン塗膜層は高い気密
性と優れた断熱性を有し、必要により補強布を介在させ
ることにより、その性能を増強させることができる。
【0011】また、本発明のくん蒸倉庫の気密構造の施
工方法では常温硬化型速硬化性ポリウレタン塗料を塗布
するため、速硬化性で高速タックフリーであり、仕上が
りがきれいなシームレスな塗膜を形成することができ
る。
工方法では常温硬化型速硬化性ポリウレタン塗料を塗布
するため、速硬化性で高速タックフリーであり、仕上が
りがきれいなシームレスな塗膜を形成することができ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明のくん蒸倉庫の気密
構造の一例を説明する。くん蒸倉庫は密閉箱型のもので
あり、その倉庫内壁は一般に平場部、立面部及び天井部
により構成され、その一部に出隅部、入隅部、壁面打ち
継ぎ部、配管スリーブ部などが設けられている。図1は
本発明のくん蒸倉庫の気密構造の積層構造の一例を示す
説明図である。この積層構造では、倉庫内壁1上に接着
層2が形成され、さらにこの接着層2の上に複数の硬化
ポリウレタン塗膜層3が積層されている。特に倉庫内壁
においてコーナー部、継ぎ目が形成される場所には補強
布4が複数の硬化ポリウレタン塗膜層の間に設けられ、
気密性をさらに完全なものとすることができる。
構造の一例を説明する。くん蒸倉庫は密閉箱型のもので
あり、その倉庫内壁は一般に平場部、立面部及び天井部
により構成され、その一部に出隅部、入隅部、壁面打ち
継ぎ部、配管スリーブ部などが設けられている。図1は
本発明のくん蒸倉庫の気密構造の積層構造の一例を示す
説明図である。この積層構造では、倉庫内壁1上に接着
層2が形成され、さらにこの接着層2の上に複数の硬化
ポリウレタン塗膜層3が積層されている。特に倉庫内壁
においてコーナー部、継ぎ目が形成される場所には補強
布4が複数の硬化ポリウレタン塗膜層の間に設けられ、
気密性をさらに完全なものとすることができる。
【0013】接着層2はウレタン系プライマーとポルト
ランドセメントの混合物からなり、混合物中のそれぞれ
の重量比は好ましくは30:70〜70:30、さらに
好ましくは40:60〜60:40である。ウレタン系
プライマーとしては公知の種々のプライマーが使用でき
るが、1成分湿気硬化型ウレタン系プライマーを使用す
ることが好ましい。また、ポルトランドセメントは普通
ポルトランドセメントを使用すれば良く、特に制限はな
い。接着層2の厚さは塗膜層との接着性及び下地処理の
効果を勘案して適宜設定すればよいが、通常0.05〜
1.0mm程度が好適である。塗布量としては0.1〜
0.5kg/m2が好適である。
ランドセメントの混合物からなり、混合物中のそれぞれ
の重量比は好ましくは30:70〜70:30、さらに
好ましくは40:60〜60:40である。ウレタン系
プライマーとしては公知の種々のプライマーが使用でき
るが、1成分湿気硬化型ウレタン系プライマーを使用す
ることが好ましい。また、ポルトランドセメントは普通
ポルトランドセメントを使用すれば良く、特に制限はな
い。接着層2の厚さは塗膜層との接着性及び下地処理の
効果を勘案して適宜設定すればよいが、通常0.05〜
1.0mm程度が好適である。塗布量としては0.1〜
0.5kg/m2が好適である。
【0014】硬化ポリウレタン塗膜層3は常温硬化型速
硬化性ポリウレタン塗料を塗布して硬化乾燥した塗膜層
であり、本発明ではかかる塗膜層3が接着層2上に複数
層設けられる。常温硬化型速硬化性ポリウレタン塗料と
しては公知の種々のポリウレタン塗料が使用できるが、
ポリオールとトリレンジイソシアネートとの反応によっ
て得られるイソシアネート末端プレポリマーを主成分と
する主剤と芳香族ポリアミン架橋剤及び可塑剤を含有す
る硬化剤とを混合して塗工、硬化せしめるタイプのもの
が好ましい。前記塗料の塗膜層の施工方法においては、
例えば前記トリレンジイソシアネートと反応させるポリ
オールの主原料としてポリオキシプロピレンポリオール
及び/又はポリオキシエチレンプロピレンポリオールを
使用し、前記硬化剤中の芳香族ポリアミン架橋剤の主成
分をジエチルトルエンジアミンとし、前記硬化剤中の可
塑剤の使用量をイソシアネート末端プレポリマー100
重量部に対して20〜130重量部とし、前記主剤と前
記硬化剤とを、主剤中のプレポリマーのイソシアネート
基と硬化剤中の芳香族ポリアミンのアミノ基との当量比
が0.8〜2.0となるように施工現場で混合し、塗工
して硬化せしめることが好ましい。硬化ポリウレタン塗
膜層3の厚さは通常1mm〜3mm程度が好適であり、
塗布量としては1〜3kg/m2が好適である。
硬化性ポリウレタン塗料を塗布して硬化乾燥した塗膜層
であり、本発明ではかかる塗膜層3が接着層2上に複数
層設けられる。常温硬化型速硬化性ポリウレタン塗料と
しては公知の種々のポリウレタン塗料が使用できるが、
ポリオールとトリレンジイソシアネートとの反応によっ
て得られるイソシアネート末端プレポリマーを主成分と
する主剤と芳香族ポリアミン架橋剤及び可塑剤を含有す
る硬化剤とを混合して塗工、硬化せしめるタイプのもの
が好ましい。前記塗料の塗膜層の施工方法においては、
例えば前記トリレンジイソシアネートと反応させるポリ
オールの主原料としてポリオキシプロピレンポリオール
及び/又はポリオキシエチレンプロピレンポリオールを
使用し、前記硬化剤中の芳香族ポリアミン架橋剤の主成
分をジエチルトルエンジアミンとし、前記硬化剤中の可
塑剤の使用量をイソシアネート末端プレポリマー100
重量部に対して20〜130重量部とし、前記主剤と前
記硬化剤とを、主剤中のプレポリマーのイソシアネート
基と硬化剤中の芳香族ポリアミンのアミノ基との当量比
が0.8〜2.0となるように施工現場で混合し、塗工
して硬化せしめることが好ましい。硬化ポリウレタン塗
膜層3の厚さは通常1mm〜3mm程度が好適であり、
塗布量としては1〜3kg/m2が好適である。
【0015】補強布4は複数の前記硬化ポリウレタン塗
膜層の間に設けられるが、特に倉庫内壁のうち、出隅
部、入隅部、壁面打ち継ぎ部及び/又は配管スリーブ部
などの気密性の補強がさらに必要な場所に設けられる。
補強布は天然繊維、合成繊維又はそれらの混合繊維等か
らなる布帛であることが好ましく、その厚さは0.1m
m〜30mm程度が好適である。さらにくん蒸倉庫の床
・内壁コーナー部では、上述の積層構造の上に押さえコ
ンクリートや幅木を設けて構造の安定化を図ることがで
きる。
膜層の間に設けられるが、特に倉庫内壁のうち、出隅
部、入隅部、壁面打ち継ぎ部及び/又は配管スリーブ部
などの気密性の補強がさらに必要な場所に設けられる。
補強布は天然繊維、合成繊維又はそれらの混合繊維等か
らなる布帛であることが好ましく、その厚さは0.1m
m〜30mm程度が好適である。さらにくん蒸倉庫の床
・内壁コーナー部では、上述の積層構造の上に押さえコ
ンクリートや幅木を設けて構造の安定化を図ることがで
きる。
【0016】次に、このくん蒸倉庫の気密構造の施工方
法の一例について説明する。まず、倉庫内壁の下地を調
査し、下地の乾燥、下地の平滑性、下地勾配等を確認
し、それぞれが接着層及び塗膜層の積層に最適な状態に
なるようにする。また、下地の浮きや大きなクラック部
や目地が存在する場合は適切な処理剤などを用いて平滑
に処理する。
法の一例について説明する。まず、倉庫内壁の下地を調
査し、下地の乾燥、下地の平滑性、下地勾配等を確認
し、それぞれが接着層及び塗膜層の積層に最適な状態に
なるようにする。また、下地の浮きや大きなクラック部
や目地が存在する場合は適切な処理剤などを用いて平滑
に処理する。
【0017】倉庫内壁の下地を調整した後、その上にウ
レタン系プライマー及びポルトランドセメントの混合物
を塗布して硬化乾燥する。塗布ははけ、こてなどによる
手塗りの他、噴霧機による吹き付けを用いて行うことが
できる。広範囲に効率良く均一に大量塗布するためには
噴霧機による吹き付けが好まれる。硬化乾燥は自然乾燥
及び扇風機による乾燥が可能である。なお、塗布が厚す
ぎると硬化及び溶剤の揮発が遅れ、膨れの原因となるの
で塗布厚を常に注意する必要がある。
レタン系プライマー及びポルトランドセメントの混合物
を塗布して硬化乾燥する。塗布ははけ、こてなどによる
手塗りの他、噴霧機による吹き付けを用いて行うことが
できる。広範囲に効率良く均一に大量塗布するためには
噴霧機による吹き付けが好まれる。硬化乾燥は自然乾燥
及び扇風機による乾燥が可能である。なお、塗布が厚す
ぎると硬化及び溶剤の揮発が遅れ、膨れの原因となるの
で塗布厚を常に注意する必要がある。
【0018】次に、このプライマーとセメントの混合物
からなる接着層の上に常温硬化型速硬化性ポリウレタン
塗料を塗布して硬化乾燥する。常温硬化型速硬化性ポリ
ウレタン塗料は施工現場でイソシアネート末端プレポリ
マーを主成分とする主剤と芳香族ポリアミン架橋剤及び
可塑剤を含有する硬化剤とを電動撹拌機により十分に撹
拌混合してから、塗工して硬化乾燥せしめるようにす
る。本発明ではこのような塗料の塗工硬化乾燥工程を複
数回繰り返し、複数の硬化ポリウレタン塗膜層を形成す
る。本発明の施工方法では上記塗料は手作業による混
合、塗工以外にスタティックミキサー等の自動混合装置
を使用することができ、手塗り塗工以外にそれと同様な
レベリング性を備えた機械塗工も適用することができ
る。本発明の施工方法では、従来吹付け工事が困難であ
ったポリウレタン塗料も吹付け機械(日本ワグナースプ
レーテック(株)、GP−2905、最大吐出量8L/
min、最大圧力210kg/cm2)を使用すること
により吹付け工法が可能になった。
からなる接着層の上に常温硬化型速硬化性ポリウレタン
塗料を塗布して硬化乾燥する。常温硬化型速硬化性ポリ
ウレタン塗料は施工現場でイソシアネート末端プレポリ
マーを主成分とする主剤と芳香族ポリアミン架橋剤及び
可塑剤を含有する硬化剤とを電動撹拌機により十分に撹
拌混合してから、塗工して硬化乾燥せしめるようにす
る。本発明ではこのような塗料の塗工硬化乾燥工程を複
数回繰り返し、複数の硬化ポリウレタン塗膜層を形成す
る。本発明の施工方法では上記塗料は手作業による混
合、塗工以外にスタティックミキサー等の自動混合装置
を使用することができ、手塗り塗工以外にそれと同様な
レベリング性を備えた機械塗工も適用することができ
る。本発明の施工方法では、従来吹付け工事が困難であ
ったポリウレタン塗料も吹付け機械(日本ワグナースプ
レーテック(株)、GP−2905、最大吐出量8L/
min、最大圧力210kg/cm2)を使用すること
により吹付け工法が可能になった。
【0019】本発明では、倉庫内で気密性に問題が生じ
やすい場所ではさらに前記塗料塗布硬化乾燥工程の間で
塗料塗布面に補強布を張り付けるように施工する。補強
布は倉庫内壁の全面に張り付けることもできるが、倉庫
内壁のうち出隅部、入隅部、壁面打ち継ぎ部、配管スリ
ーブ部などに設ければ十分である。
やすい場所ではさらに前記塗料塗布硬化乾燥工程の間で
塗料塗布面に補強布を張り付けるように施工する。補強
布は倉庫内壁の全面に張り付けることもできるが、倉庫
内壁のうち出隅部、入隅部、壁面打ち継ぎ部、配管スリ
ーブ部などに設ければ十分である。
【0020】次に、本発明のくん蒸倉庫の気密構造の施
工例を図2〜7を用いて説明する。図2はくん蒸倉庫の
出隅部及び入隅部が続く領域における気密構造の一例を
示したものである。図2の気密構造では出隅部及び入隅
部の硬化ポリウレタン塗膜層の間に補強布を設け、上部
の塗料塗布面にトップコート5をさらに設けた積層構造
を採用している。図3はくん蒸倉庫の天井・梁・壁コー
ナー部(入隅部)の気密構造の一例、図4は柱・壁コー
ナー部(入隅部)の気密構造の一例、図5は床・内壁コ
ーナー部(入隅部)の気密構造の一例、図6はコンクリ
ート壁面打ち継ぎ部の気密構造の一例、図7は配管スリ
ーブ部の気密構造の一例を示したものである。なお、図
5の気密構造では本発明の積層構造に加えてさらに押さ
えコンクリート6及び幅木7を設置した構造を採用し、
図6の気密構造では打ち継ぎ部分8にコーキング部9及
びガムテープ10を設け、その上にさらに本発明の積層
構造を設置した構造を採用している点が大きな特徴であ
る。
工例を図2〜7を用いて説明する。図2はくん蒸倉庫の
出隅部及び入隅部が続く領域における気密構造の一例を
示したものである。図2の気密構造では出隅部及び入隅
部の硬化ポリウレタン塗膜層の間に補強布を設け、上部
の塗料塗布面にトップコート5をさらに設けた積層構造
を採用している。図3はくん蒸倉庫の天井・梁・壁コー
ナー部(入隅部)の気密構造の一例、図4は柱・壁コー
ナー部(入隅部)の気密構造の一例、図5は床・内壁コ
ーナー部(入隅部)の気密構造の一例、図6はコンクリ
ート壁面打ち継ぎ部の気密構造の一例、図7は配管スリ
ーブ部の気密構造の一例を示したものである。なお、図
5の気密構造では本発明の積層構造に加えてさらに押さ
えコンクリート6及び幅木7を設置した構造を採用し、
図6の気密構造では打ち継ぎ部分8にコーキング部9及
びガムテープ10を設け、その上にさらに本発明の積層
構造を設置した構造を採用している点が大きな特徴であ
る。
【0021】
【実施例】実施例1
ウレタン系プライマー(「ミリオネートCB−30」保
土谷建材工業(株)製)とポルトランドセメントを重量
で1:1の割合で均一に混合したものを0.3kg/m
2の塗布量でくん蒸倉庫の内壁に機械塗工して硬化乾燥
し接着層を形成した。
土谷建材工業(株)製)とポルトランドセメントを重量
で1:1の割合で均一に混合したものを0.3kg/m
2の塗布量でくん蒸倉庫の内壁に機械塗工して硬化乾燥
し接着層を形成した。
【0022】この接着層の上に現場で調製した常温硬化
型速硬化性ポリウレタン塗料(「HC エコプルーフ
W」保土谷建材工業(株))を1.3kg/m2の塗布
量で塗布して硬化乾燥する。そして同じ塗布量で同じ塗
料をさらに2回塗布して硬化乾燥する。なお、倉庫内壁
のうち出隅部、入隅部、壁面打ち継ぎ部、配管スリーブ
部は図2〜7の仕様に従って補強布を設けた。
型速硬化性ポリウレタン塗料(「HC エコプルーフ
W」保土谷建材工業(株))を1.3kg/m2の塗布
量で塗布して硬化乾燥する。そして同じ塗布量で同じ塗
料をさらに2回塗布して硬化乾燥する。なお、倉庫内壁
のうち出隅部、入隅部、壁面打ち継ぎ部、配管スリーブ
部は図2〜7の仕様に従って補強布を設けた。
【0023】以上のようにして形成された実施例1のく
ん蒸倉庫の気密構造に関して、気密性能を調査したとこ
ろ、農林水産省植物防疫所指定燻蒸倉庫「特A級」の気
密性能を十分確保できることを確認した。また、気密構
造の各層の養生(乾燥)も最短3時間まで可能であるこ
とも確認した。
ん蒸倉庫の気密構造に関して、気密性能を調査したとこ
ろ、農林水産省植物防疫所指定燻蒸倉庫「特A級」の気
密性能を十分確保できることを確認した。また、気密構
造の各層の養生(乾燥)も最短3時間まで可能であるこ
とも確認した。
【0024】
【発明の効果】本発明のくん蒸倉庫の気密構造及びその
施工方法は上述のような構成を有するので、以下のよう
な効果を奏することができる: (1) 農林水産省植物防疫所指定燻蒸倉庫「特A級」
の気密性能を有する。 (2) 倉庫内壁に出隅部、入隅部、壁面打ち継ぎ部又
は配管スリーブ部がある場合でもその部分の気密性能を
十分確保することができる。 (3) ウレタン系プライマーとポルトランドセメント
の混合物からなる接着層によって小さな目地部やクラッ
ク等の下地処理が軽減される。 (4) 気密構造の各層の養生(乾燥)時間が短いため
工期が短い。
施工方法は上述のような構成を有するので、以下のよう
な効果を奏することができる: (1) 農林水産省植物防疫所指定燻蒸倉庫「特A級」
の気密性能を有する。 (2) 倉庫内壁に出隅部、入隅部、壁面打ち継ぎ部又
は配管スリーブ部がある場合でもその部分の気密性能を
十分確保することができる。 (3) ウレタン系プライマーとポルトランドセメント
の混合物からなる接着層によって小さな目地部やクラッ
ク等の下地処理が軽減される。 (4) 気密構造の各層の養生(乾燥)時間が短いため
工期が短い。
【図1】本発明のくん蒸倉庫の気密構造の一例を示す説
明図である。
明図である。
【図2】本発明のくん蒸倉庫の出隅部及び入隅部が続く
領域における気密構造の一例を示す。
領域における気密構造の一例を示す。
【図3】本発明のくん蒸倉庫の天井・梁・壁コーナー部
(入隅部)の気密構造の一例を示す。
(入隅部)の気密構造の一例を示す。
【図4】本発明のくん蒸倉庫の柱・壁コーナー部(入隅
部)の気密構造の一例を示す。
部)の気密構造の一例を示す。
【図5】本発明のくん蒸倉庫の床・内壁コーナー部(入
隅部)の気密構造の一例を示す。
隅部)の気密構造の一例を示す。
【図6】本発明のくん蒸倉庫のコンクリート壁面打ち継
ぎ部の気密構造の一例を示す。
ぎ部の気密構造の一例を示す。
【図7】本発明のくん蒸倉庫の配管スリーブ部の気密構
造の一例を示す。
造の一例を示す。
1 倉庫内壁
2 接着層
3 硬化ポリウレタン塗膜層
4 補強布
5 トップコート
6 押さえコンクリート
7 幅木
8 壁面打ち継ぎ部分
9 コーキング
10 ガムテープ
11 配管スリーブ
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI
E04F 13/02 E04F 13/02 A
(56)参考文献 特開 平11−315587(JP,A)
特開 昭54−941561(JP,A)
実開 昭60−101131(JP,U)
特公 昭58−56590(JP,B1)
特公 昭57−50453(JP,B1)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
E04B 1/66
B05D 7/00
B05D 7/24 301
B05D 7/24 302
E04F 13/02
Claims (8)
- 【請求項1】 倉庫内壁上にウレタン系プライマー及び
ポルトランドセメントの混合物からなる接着層とこの接
着層の上に設けられた複数の硬化ポリウレタン塗膜層と
からなる積層構造を有することを特徴とするくん蒸倉庫
の気密構造。 - 【請求項2】 複数の硬化ポリウレタン塗膜層の間に補
強布を有することを特徴とする請求項1記載のくん蒸倉
庫の気密構造。 - 【請求項3】 倉庫内壁のうち出隅部、入隅部、壁面打
ち継ぎ部及び/又は配管スリーブ部に補強布を設けたこ
とを特徴とする請求項2記載のくん蒸倉庫の気密構造。 - 【請求項4】 硬化ポリウレタン塗膜層がポリオールと
トリレンジイソシアネートとの反応によって得られるイ
ソシアネート末端プレポリマーを主成分とする主剤と芳
香族ポリアミン架橋剤及び可塑剤を含有する硬化剤とを
混合して塗工、硬化したものであることを特徴とする請
求項1〜3のいずれか記載のくん蒸倉庫の気密構造。 - 【請求項5】 ウレタン系プライマー及びポルトランド
セメントの混合物中のそれぞれの重量比が30:70〜
70:30であることを特徴とする請求項1〜4のいず
れか記載のくん蒸倉庫の気密構造。 - 【請求項6】 下記工程を含むことを特徴とするくん蒸
倉庫の気密構造の施工方法: (i) 倉庫内壁上にウレタン系プライマー及びポルト
ランドセメントの混合物を塗布して硬化乾燥する; (ii) プライマー及びセメントの混合物の塗布面に常
温硬化型速硬化性ポリウレタン塗料を塗布して硬化乾燥
する;及び (iii) さらに塗料塗布面に常温硬化型速硬化性ポリウ
レタン塗料を塗布して硬化乾燥する工程を少なくとも1
回繰り返す。 - 【請求項7】 塗料塗布硬化乾燥工程の間で塗料塗布面
に補強布を張り付けることを特徴とする請求項6記載の
くん蒸倉庫の気密構造の施工方法。 - 【請求項8】 補強布を倉庫内壁のうち出隅部、入隅
部、壁面打ち継ぎ部及び/又は配管スリーブ部に張り付
けることを特徴とする請求項7記載のくん蒸倉庫の気密
構造の施工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000275806A JP3425558B2 (ja) | 2000-09-12 | 2000-09-12 | くん蒸倉庫の気密構造及びその施工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000275806A JP3425558B2 (ja) | 2000-09-12 | 2000-09-12 | くん蒸倉庫の気密構造及びその施工方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002088934A JP2002088934A (ja) | 2002-03-27 |
JP3425558B2 true JP3425558B2 (ja) | 2003-07-14 |
Family
ID=18761365
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000275806A Expired - Fee Related JP3425558B2 (ja) | 2000-09-12 | 2000-09-12 | くん蒸倉庫の気密構造及びその施工方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3425558B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5990003B2 (ja) * | 2012-02-03 | 2016-09-07 | 清水建設株式会社 | 構造体およびこの補強方法 |
JP2014047585A (ja) * | 2012-09-03 | 2014-03-17 | Misawa Homes Co Ltd | 住宅用コンクリート部材および住宅用コンクリート部材の劣化防止工法 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS56160932A (en) * | 1980-05-13 | 1981-12-11 | Nippon Synthetic Chem Ind | Smoking treatment chamber |
JPS5856590B2 (ja) * | 1980-06-24 | 1983-12-15 | イサム塗料株式会社 | セメント構造物用塗料 |
JPS60101131U (ja) * | 1983-12-15 | 1985-07-10 | ユニ−ク株式会社 | 塗布型防水膜 |
JPH11315587A (ja) * | 1998-05-01 | 1999-11-16 | Taiheiyo Cement Corp | 構造物の防食被覆構造、防食工法および防食パネル |
-
2000
- 2000-09-12 JP JP2000275806A patent/JP3425558B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2002088934A (ja) | 2002-03-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4244901A (en) | Method of bonding structural support members to flat sheets | |
US7168216B2 (en) | Insulated stud panel and method of making such | |
US6516580B1 (en) | Synthetic stucco system with moisture absorption control | |
US5732520A (en) | Synthetic stucco system | |
US4238239A (en) | Dry wall joint and finishing compounds | |
US3646180A (en) | Method of forming a foam cored wall panel having ceramic tile on one face | |
US4294622A (en) | Dry wall joint and finishing compounds | |
US20150007518A1 (en) | Methods and systems for insulating a building | |
US20050055973A1 (en) | Insulated stud panel and method of making such | |
JP3425558B2 (ja) | くん蒸倉庫の気密構造及びその施工方法 | |
KR100716222B1 (ko) | 도막-시트 복합 방수재 및 그 제작방법 | |
JP3165231B2 (ja) | 床用シートの製造法及び床の施工法 | |
JP4575872B2 (ja) | 建築物の壁構造とその施工方法、建築用壁パネル | |
JPH0121282B2 (ja) | ||
JP2001200548A (ja) | 地下構造物壁面の先防水工法 | |
JPH0326270B2 (ja) | ||
JP2002364297A (ja) | 異種防水材料間の接合方法 | |
JPH068553B2 (ja) | 家屋における壁面の施工方法 | |
JP6842124B2 (ja) | Pcカーテンウォールのコンクリート剥落防止工法 | |
US4018961A (en) | Laminar roller rink surface having high solids content primer layer | |
CA2488948C (en) | Insulated stud panel and method of making such | |
JPS6036196B2 (ja) | 建築内、外装材の直貼り用マスチック状接着剤 | |
JP2022158122A (ja) | 建築物用の断熱防水構造および断熱防水方法 | |
JP5279173B2 (ja) | 被覆層形成方法、被覆層、及び塗装装置 | |
JPS636705B2 (ja) |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |