JP3425305B2 - 地絡回線選択保護継電方法とその装置 - Google Patents

地絡回線選択保護継電方法とその装置

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JP3425305B2
JP3425305B2 JP23211496A JP23211496A JP3425305B2 JP 3425305 B2 JP3425305 B2 JP 3425305B2 JP 23211496 A JP23211496 A JP 23211496A JP 23211496 A JP23211496 A JP 23211496A JP 3425305 B2 JP3425305 B2 JP 3425305B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高抵抗接地の多回
線併架系統に於ける零相循環電流対策を施した地絡回線
選択保護継電方法とその装置に係わり、とくに併架系統
双方の系統周波数が異なる場合にも適用可能な零相循環
電流対策を施した地絡回線選択保護継電方法とその装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】60〜154KVの高圧系統では、中点
を高抵抗で接地した高抵抗接地系統が用いられる。この
ような系統に対する従来の零相循環電流対策を施した地
絡回線選択保護継電方式に於いては、1線地絡事故発生
前後で変化しない電圧、即ちその大きさ、位相の変化が
ほぼ無視でき、一定と見なすことができる電圧として、
線間電圧Vab、Vbc、Vcaの3組を取り出し、それらを
30゜位相(遅延)した電圧を基準ベクトルとして、零
相電流の事故発生前後の変化分の有効分を求める方法を
採用していた。以下、この従来方式を説明する。
【0003】図3は、上記従来の地絡回線選択保護継電
方式の構成を示すブロック図で、3相の各線間電圧を基
準ベクトルとして演算することから、1号線事故検出用
としての判定要素150Ga、150Gb、150Gc、
2号線事故検出用としての回線選択判定要素250G
a、250Gb、250Gcが設けられている。更に、各
相電圧Va、Vb、Vcを入力として事故相判別を行うた
めの不足電圧継電器27Ga、27Gb、27Gcを設
け、これにより事故回線を判定している。なお、上記で
電圧Vab、Va等は正確にはその電圧の振幅と位相を表
すベクトル量であり、通常は文字Vの上部に矢印やドッ
トを付して表すが、本文及び添付図面では、これらを省
略している。この点は以下に於いても同様で、電圧V、
電流Jは、とくに断わらない限りベクトル量を表すもの
とする。
【0004】図3に於いて、回線選択判定用の地絡回線
選択継電器(回線選択判定要素)150Gaを例にと
り、上記従来方式の動作を説明する。いま、系統に事故
が発生する前に零相循環電流J0tnが流れていたとす
る。この時、事故発生前の1号線零相電流をJ01(t−
n)、2号線零相電流をJ02(t−n)とすると
【数1】J01(t−n)=J0tn J02(t−n)=−J0tn となる。従って、地絡回線選択継電器150Gaに入力
される回線間差電流をJ0(t−n)とすると、
【数2】J0(t−n)=J01(t−n)−J02(t−
n)=2・J0tn となる。次に1号線側F点にa相1線地絡事故が発生し
事故電流として1号線側にJ0F1、2号線側にJ0F2が流
れ、事故発生前から流れていた零相循環電流J0tnに重
畳されると、事故発生の1号線零相電流J01(t)、2号
線零相電流J02(t)は
【数3】J01(t)=J0tn+J0F1 J02(t)=−J0tn+J0F2 となる。したがって、事故発生後の回線間差電流をJ0
(t)とすると、
【数4】J0(t)=J01(t)−J02(t)=2・J0
tn+(J0F1−J0F2) となる。ここで、事故電流成分の回線間差電流(J0F1
−J0F2)を
【数5】J0F1−J0F2≡△J0 とおくと、(数4)は
【数6】J0(t)=2・J0tn+△J0 とかける。こうして、事故発生前の回線間差電流J0
(t−n)は(数2)により、また事故発生後の回線間
差電流J0(t)は(数6)で与えられ、この差が事故
による零相循環電流の増加分△J0を与えている。即ち
(数2)及び(数6)から
【数7】J0(t)−J0(t−n)=△J0 である。
【0005】ここで事故回線の判定には、零相循環電流
成分2J0tnを除いた事故電流成分△J0=(J0F1−J0
F2)のみの有効分(零相電圧V0との同相成分)を求め
る必要がある。いま、事故発生後の零相電圧をV0と
し、この電圧とJ0(t)、J0(t−n)、△J0との
位相差をそれぞれθt、θtn、△θとすると、それぞれ
のベクトル関係は図4に示すとおりとなる。回線間差電
流の内の事故電流成分△J0の有効分(V0との同相成
分)は|△J0|cos△θであるが、これは(数7)か
ら、事故発生前の回線間差電流J0(t−n)のV0との
同相成分|J0(t−n)|cosθtnと、事故発生後の回
線間差電流J0(t)のV0との同相成分|J0(t)|c
osθtの差として
【数8】|△J0 |cos△θ=|J0(t)|cosθt−|
J0(t−n)|cosθtn で与えられる。この関係は、図4の幾何学的解析からも
容易に導くことができる。
【0006】ところが、事故発生以前の循環電流のみの
ときは接地抵抗には電流が流れず、従って零相電圧V0
が0である。このため、(数8)に於ける事故発生前の
回線間差電流J0(t−n)の有効分|J0(t−n)|
cosθtnを直接求めることができない。ところが、線間
電圧Vabはa相1線地絡を想定した場合、事故の前後に
於いてその位相変化は極めて小さく、かつ図5に示した
ようにその電圧Vabを30°遅らせた電圧Vab(30)
はa相1線地絡事故時の零相電圧V0とほぼ同相となる
ことが知られている。そこで前述したように、電圧Vab
(30)を基準ベクトルとして従来はa相地絡の事故検
出を行っていた。即ち、図5のように基準ベクトルVab
(30)をV0とみなし、事故発生前回線間差電流の有
効成分|J0(t−n)|cosθtnと、事故発生後回線間
差電流の有効成分|J0(t)|cosθtをそれぞれ算出
し、その差から零相循環電流成分2・J0tnを除去した
事故電流成分△J0のみの有効分|△J0|cos△θを求
め、事故回線検出を行っていた。
【0007】図6は以上に説明した、従来形の回線選択
判定要素150Gaの回路構成例を示すもので、まず導
入された線間電圧Vabは移相回路61により30°遅延
されて基準ベクトルVab(30)となる。有効分演算回
路62は、零相循環電流の各時点の、基準ベクトルVab
(30)と同相の成分を算出してメモリ63へ格納する
と同時に演算器64へ入力する。演算器64は、現時点
の有効分演算回路62出力からnサンプル前の時点にメ
モリーに格納された零相電流の有効分を差し引く。この
時点がもしa相1線地絡事故が発生した直後のサンプル
点であれば、演算回路62出力は|J0(t)|cosθt
に相当し、メモリ63出力は|J0(t−n)|cosθtn
に相当するので、上記差分は(数8)に示した値とな
る。そこで判定回路65はこの差分が所定の事故検出レ
ベル以上か否かを判定することにより事故検出を行うこ
とができる。
【0008】なお、この有効分|ΔJ0|cos△θから事
故回線の検出を行うには、その有効分の1サンプルの値
だけでは判定できないので、少なくとも1サイクルを判
定期間とし、その期間内のデータを取り込んでその実行
値、あるいはピーク値などが所定の値を超えたかどうか
を判定する必要がある。従って実効的に遅延動作を行う
メモリ63の遅延時間n(単位はサンプル周期)は、上
記の判定期間がmサンプルのデータを含むとすると、n
>mの条件を満たしている必要があり、一般にはnとし
て系統交流の2〜3サイクル分程度のサンプル数に相当
する値が用いられる。
【0009】図3の他の回線選択判定要素の構成及び動
作も同様であり、これらによって各相の地絡事故検出が
行われるが、各回線選択判定要素波その基準ベクトルと
して相間電圧を用いている。このため、何らかの原因に
より、事故でないときに相間電圧が変化すると、その電
圧を基準ベクトルとする回線選択判定要素が誤動作する
可能性がある。これはどの回線選択判定要素についても
同様である。従って図3のように、不足電圧継電器27
Ga〜27Gc とANDゲートを用いてより確実な検出
を行えるようにしている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上に説明した従来技
術では、各系統ごとに3個の回線選択判定要素が、従っ
て図3の例では6個の回線選択判定要素を必要とし、更
に事故相判別のために3個の不足電圧継常器を必要とし
た。このため回路が大型・複雑化するという問題があっ
た。
【0011】更に、併架する系統双方の系統周波数が異
なる場合には、次の問題が生じる。いま周波数f1とf2
の2系統が図7のように併架されているとする。そうす
ると、事故発生時の事故電流J0F1、J0F2は周波数f1
であるが、零相循環電流J0tnは周波数f2の系統からの
誘導により生じるものであるから、その周波数がf2と
なる。いまここで、f1=60Hz、f2=50Hzを例
にとり、また基準電圧を図5で述べた例の通りVab(3
0)(60Hz)とした場合の、零相循環電流J0(5
0Hz)と事故電流△J0=J0F1+J0F2(60Hz)
の電圧、電流の波形例を描いてみると図8のようにな
る。この図に示すとおり、事故発生前では、基準電圧V
ab(30)(60Hz)と、零相循環電流J0tn(5
0Hz)の周波数が異なるため、有効分演算で正確な値
が得られない。また、事故発生後、零相循環電流2J0t
nに事故電流△J0 が重畳され、(数6)で示した零相
電流J0(t)=2・J0tn+△J0は、50Hz、60
Hzの重畳波形となる。したがって、基準電圧Vab(3
0)を基準とした有効分は正確に求めることができな
い。
【0012】本発明の目的は、その構成がより少ない要
素で実現でき、かつ系統の周波数が相互に異なる併架系
統にも適用可能な、零相循環電流対策を施した地絡回線
選択保護継電方法とその装置を提供するにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、保護対象系統
の1号線の零相電流と2号線の零相電流との差電流及び
零相電圧を取り込んでディジタル化し、前記差電流をデ
ィジタル遅延手段により予め定めた事故判定に必要な時
間だけ遅延させた遅延差電流とその時点に取り込んだ差
電流との差を事故電流成分として求めることによって、
前記保護対象系統と併架された別の系統からの誘導によ
り発生する零相循環電流を除去した事故電流成分を抽出
し、該抽出した事故電流成分の前記取り込んだ零相電圧
との同相成分を算出することにより前記保護対象系統の
事故検出を行うようにしたことを特徴とする地絡回線選
択保護継電方法を開示する。
【0014】更に本発明は、保護対象系統と併架された
別の系統との周波数とが異なっている場合に、その各々
の周波数に対して前記差電流を30゜間隔でサンプリン
グしたときの各サンプリング周波数の最小公倍数として
定まる周波数を公倍サンプリング周波数として前記差電
流のディジタル化を行い、該ディジタル化した差電流の
前記ディジタル遅延手段による遅延、及び前記事故電流
成分の算出を前記公倍サンプリング周波数でディジタル
化されたデータを対象とした処理により行うことを特徴
とする請求項1に記載の地絡回線選択保護継電方法を開
示する。
【0015】更に本発明は、保護対象系統の1号線の零
相電流と2号線の零相電流との差電流を取り込んでディ
ジタル化するための第1のディジタル化手段と、保護対
象系統の零相電圧を取り込んでディジタル化するための
第2のディジタル化手段と、前記第1のディジタル化手
段によりディジタル化された差電流を予め定めた事故判
定に必要な時間だけ遅延するための遅延手段と、前記第
1のディジタル化手段によりディジタル化された差電流
と前記遅延手段により遅延された差電流との差を算出し
て事故電流成分として出力するための演算手段と、該手
段により算出された前記事故電流成分の前記零相電圧と
の同相成分を有効成分として算出するための有効成分算
出手段と、該手段により算出された前記有効成分を用い
て前記保護対象系統の地絡事故発生を判定するための判
定手段と、を備えたところの回線選択判定要素を用いて
構成したことを特徴とする地絡回線選択保護装置を開示
する。
【0016】更に本発明は、第1のディジタル化手段
は、前記保護対象系統の周波数と該保護対象系統に併架
された別系統の周波数とが異なっている場合に、その各
々の周波数に対して前記差電流を30゜間隔でサンプリ
ングしたときの各サンプリング周波数の最小公倍数とし
て定まる周波数を公倍サンプリング周波数として前記差
電流のディジタル化を行い、前記遅延手段及び演算手段
は、前記公倍サンプリング周波数でディジタル化された
差電流データに対する処理を行うように構成したことを
特徴とする請求項4に記載の地絡回線選択保護装置を開
示する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。図1は、本発明になる地絡回線選択保護継電装置
の特徴とする回線選択判定要素の構成例を示すブロック
図で、入力回路11、メモリ12、演算器13、有効分
演算回路14、及び判定回路15等から成っている。
【0018】入力回路11は、本装置をディジタルリレ
ーとして実現するために、入力された零相電圧V0と同
循環電流J0をディジタル化する回路である。図9はそ
の回路例を示すもので、入力変成器91、92を介して
導入された零相電圧V0、零相電流J0は、アナログフィ
ルター93、94にそれぞれ入力され、ディジタル変換
時に誤差要因となる高調波成分が除去される。その後、
サンプリングホルダー95、96でA/D変換を行うの
に必要な時間だけ保持され、マルチプレクサ97で逐次
切り替えられてA/D変換器10でディジタル信号に変
換される。
【0019】ここで、一般にディジタルリレーでは、リ
レー演算を30°ごとのサンプリングデータを用いて実
施される。このため、A/D変換のためのサンプリング
周波数fs は、系統周波数がf1=60Hzの場合、1
サイクル360°を30°ごとに12サンプリングする
ため、サンプリング周波数fs60は
【数9】 fs60=12×f1=12×60Hz=720Hz であり、同様に系統周波数がf2=50Hzの場合のサ
ンプリング周波数fs50は
【数10】fs50=12×50Hz=600Hz である。
【0020】図1のメモリ12は、ディジタル化された
零相循環電流J0を取り込み、後の判定回路15による
事故判定に必要な時間長(TDとする)にわたってその
サンプリング値を保持する。即ち時間TDの遅延を電流
J0に与える。演算器13は、各時点の電流J0のサンプ
ル値と、メモリ12でTDだけ遅延されたサンプル値と
の差を求める。
【0021】図10は、上記メモリ12及び演算器13
の動作例を示す図である。ここでは、図7で説明したよ
うに、2つの周波数の異なる系統が併設されている場合
を示している。この系統での事故発生を考えると、図8
で説明したように事故発生前の電流J0=2・J0tn+△
J0の△J0は0で、周波数f1の電流波形を示すが、事
故発生後は周波数f2の事故電流△J0が加算された波形
になる。これを時間TDだけメモリ12で遅延させると
(図ではTDを周波数f1の3サイクル分としている)、
その波形は図10に(2・J0tn+△J0)・Mと示した
波形になる。従ってこれと2・J0tn+△J0との差が演
算器13で算出されると、事故発生からTDの間、事故
発生前の循環電流2・J0tnは消去され、事故電流△J0
だけが演算器13から出力される。
【0022】尚、以上の説明では、異なる周波数の併架
系統を前提としたが、同一周波数の系統が併架されてい
るときでも、全く同様にして事故電流成分ΔJ0を取り
出すことができることは明らかである。
【0023】ところで、周波数の異なる系統が併架され
ている場合には、図10で説明したように零相電流に周
波数の異なる成分(図10の例ではf1=60Hz、f2=
50Hz)が重畳されている。今f1=60Hz(保護対象
系統)、f2=50Hzであると仮定すると、事故電流成
分ΔJ0はf1=60Hz、零相循環電流成分2J0tnはf2
=50Hzとなる。従ってこの両成分を持つ情報のメモリ
12への格納、演算器13による演算のためには、保護
対象系統のみを考えたサンプリング周波数fS60=72
0Hzでは正確な出力が行えない。従って、メモリ12及
び演算器13の零相電流処理部分では、fS60=720H
zと周波数50Hzのときのサンプリング周波数fS50=6
00Hzの最小公倍数であるfs=3600Hzでサンプリ
ングしたデータを用いる必要がある。従って入力回路1
1の零相電流J0のサンプリングをfs=3600Hzで
サンプリングする構成とし、そのサンプリングデータを
ディジタル化した信号を対象にメモリ12での遅延、演
算器13での差分処理を行うようにする。そしてこの処
理で事故判定に必要なサンプル数の零相循環電流を消去
した事故電流成分ΔJ0(60Hz)が求まったあとは、
そのデータを間引いて、サンプリング周波数fS60=7
20Hz信号として処理を行う。上記の零相電流J0のサ
ンプリングから演算器13までの処理以外の図1の入力
回路11の零相電圧V0のサンプリング部、有効分演算
回路14、判定回路15等はfS60=720Hzでサンプ
リングされたディジタルデータを処理する回路で構成す
ればよい。
【0024】なお、併架されている系統が同じ周波数の
場合は、図1の回路はすべてfS60=720Hz(60Hz
系統の場合)でのサンプリングデータを処理する回路で
構成すればよいことは明らかである。
【0025】さて、以上に説明した回路とその動作によ
り、事故発生前の零相電流の有効成分を求めなくても定
常的な零相循環電流2・J0tnが除去されて事故電流成
分ΔJ0のみをを取り出すことができた。事故後には零
相電圧V0が発生しているから、その電圧V0 と上記の
ようにして取り出された事故電流成分ΔJ0とから、Δ
J0の電圧V0に対する同相成分、即ち有効成分|ΔJ0
|cosΔθを有効分演算回路14で算出し、事故判定回
路15は、従来技術と同様にこの算出された有効成分|
ΔJ0|cosΔθの値を所定の判定期間にわたって取り込
み、事故判定を行う。
【0026】図2は、図1に示した回路選択判定要素を
用いた地絡回線選択保護継電装置の構成例を示すブロッ
ク図で、回路選択判定要素201、202の各々が図1
の構成を有している。入力の零相電圧は電圧検出器PD
から、また零相電流は電流変成器CT1、CT2出力の
差分により求めている。
【0027】この構成によれば、1号線、2号線の各々
について回路選択判定要素は1個だけでよく、従来のよ
うに各回線ごとに3個の回路選択判定要素を設ける必要
がなくなり、また、事故相判別のための不足電圧継電器
も不要となるから、大幅に構成が簡単になる。更に併架
系統の周波数が異なっている場合でも正しく動作し、零
相循環電流対策を施した選択保護継電方式を実施するこ
とが可能になる。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、1つの系統の1号線と
2号線の各々について1つの回路選択判定要素を設置す
るだけで系統の地絡事故検出が可能となり、構成が簡単
かつ経済的な装置とすることができる効果があり、さら
に併架系統の周波数が異なっているときでも、系統周波
数と異なる零相循環電流の影響を除去できるので、本発
明により地絡事故検出が行えるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】保護対象系統の特徴とする回路選択判定要素の
構成例を示すブロック図である。
【図2】図1の回路を回路選択判定要素として用いた地
絡回線選択保護継電装置の構成例を示すブロック図であ
る。
【図3】従来の地絡回線選択保護継電装置の構成例を示
すブロック図である。
【図4】零相電流変化分と零相電圧の関係を示すベクト
ル図である。
【図5】従来の零相電圧有効成分検出方法を説明するた
めのベクトル図である。
【図6】従来の回路選択判定要素の構成例を示すブロッ
ク図である。
【図7】周波数の異なる2系統が併架された状態を示す
図である。
【図8】周波数の異なる2系統が併架されているときの
零相電流の波形例を示す図である。
【図9】図1の入力回路に於けるディジタル化処理の例
を示すブロック図である。
【図10】周波数の異なる2系統が併架されているとき
の図1の回路選択判定要素の動作説明図である。
【符号の説明】
11 入力回路 12 メモリ 13 演算器 14 有効分演算回路 15 判定回路 201、202 回路選択判定要素
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 靖隆 東京都千代田区神田駿河台四丁目6番地 株式会社日立製作所電力事業部内 (72)発明者 一ノ瀬 典文 茨城県日立市東金沢町一丁目15番25号 株式会社日立エレクトリックシステムズ 内 (72)発明者 前田 隆文 東京都千代田区内幸町1丁目1番3号 東京電力株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−225441(JP,A) 特開 昭58−54821(JP,A) 特開 昭63−304174(JP,A) 特開 昭58−66528(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02H 3/16 H02H 3/26 - 3/28 H02H 3/34 - 3/38

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 保護対象系統の1号線の零相電流と2号
    線の零相電流との差電流及び零相電圧を取り込んでディ
    ジタル化し、 前記差電流をディジタル遅延手段により予め定めた事故
    判定に必要な時間だけ遅延させた遅延差電流とその時点
    に取り込んだ差電流との差を事故電流成分として求める
    ことによって、前記保護対象系統と併架された別の系統
    からの誘導により発生する零相循環電流を除去した事故
    電流成分を抽出し、該抽出した事故電流成分の前記取り
    込んだ零相電圧との同相成分を算出することにより前記
    保護対象系統の事故検出を行うようにしたことを特徴と
    する地絡回線選択保護継電方法。
  2. 【請求項2】 前記差電流及び零相電圧のディジタル化
    は、当該保護対象系統の電圧及び電流を30゜間隔でサ
    ンプリングして行うことを特徴とする請求項1に記載の
    地絡回線選択保護継電方法。
  3. 【請求項3】 前記保護対象系統と併架された別の系統
    との周波数とが異なっている場合に、その各々の周波数
    に対して前記差電流を30゜間隔でサンプリングしたと
    きの各サンプリング周波数の最小公倍数として定まる周
    波数を公倍サンプリング周波数として前記差電流のディ
    ジタル化を行い、該ディジタル化した差電流の前記ディ
    ジタル遅延手段による遅延、及び前記事故電流成分の算
    出を前記公倍サンプリング周波数でディジタル化された
    データを対象とした処理により行うことを特徴とする請
    求項1に記載の地絡回線選択保護継電方法。
  4. 【請求項4】 保護対象系統の1号線の零相電流と2号
    線の零相電流との差電流を取り込んでディジタル化する
    ための第1のディジタル化手段と、 保護対象系統の零相電圧を取り込んでディジタル化する
    ための第2のディジタル化手段と、 前記第1のディジタル化手段によりディジタル化された
    差電流を予め定めた事故判定に必要な時間だけ遅延する
    ための遅延手段と、 前記第1のディジタル化手段によりディジタル化された
    差電流と前記遅延手段により遅延された差電流との差を
    算出して事故電流成分として出力するための演算手段
    と、 該手段により算出された前記事故電流成分の前記零相電
    圧との同相成分を有効成分として算出するための有効成
    分算出手段と、 該手段により算出された前記有効成分を用いて前記保護
    対象系統の地絡事故発生を判定するための判定手段と、 を備えたところの回線選択判定要素を用いて構成したこ
    とを特徴とする地絡回線選択保護装置。
  5. 【請求項5】 前記第1及び第2のディジタル化手段
    は、前記保護対象系統周波数に対して30゜間隔でサン
    プリングしてディジタル化処理を行うように構成したこ
    とを特徴とする請求項4に記載の地絡回線選択保護装
    置。
  6. 【請求項6】 前記第1のディジタル化手段は、前記保
    護対象系統の周波数と該保護対象系統に併架された別系
    統の周波数とが異なっている場合に、その各々の周波数
    に対して前記差電流を30゜間隔でサンプリングしたと
    きの各サンプリング周波数の最小公倍数として定まる周
    波数を公倍サンプリング周波数として前記差電流のディ
    ジタル化を行い、 前記遅延手段及び演算手段は、前記公倍サンプリング周
    波数でディジタル化された差電流データに対する処理を
    行うように構成したことを特徴とする請求項4に記載の
    地絡回線選択保護装置。
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