JP3425246B2 - 殺菌・保存料及び食品の褐変防止剤 - Google Patents

殺菌・保存料及び食品の褐変防止剤

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JP3425246B2
JP3425246B2 JP32605194A JP32605194A JP3425246B2 JP 3425246 B2 JP3425246 B2 JP 3425246B2 JP 32605194 A JP32605194 A JP 32605194A JP 32605194 A JP32605194 A JP 32605194A JP 3425246 B2 JP3425246 B2 JP 3425246B2
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貴弘 那川
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
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  • Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食品領域及び医療領域
における殺菌・保存料及び食品領域における褐変防止剤
に関する。さらに詳しくは食品、食器、医療品、医療用
具などの殺菌・保存料、化粧品、医薬部外品などに使用
する殺菌・保存料、それらの製造過程において使用され
る殺菌・保存料、及び食品、特に褐変し易い果物や野菜
類に使用する褐変防止剤、さらに果物や野菜類を加工す
る場合に使用する褐変防止剤、あるいは褐変現象の一形
態である小麦粉生地におけるホシ(スペック)の発生防
止剤に関する。
【0002】
【従来の技術】微生物による汚染の問題を解決すること
は、食品領域、医療領域をはじめとして、工業的にも一
般家庭的においても重要な課題であり、古くから数々の
殺菌料、保存料や殺菌・保存機器が開発され利用されて
きた。しかしながら、効果、取り扱い易さ、そして安全
性の面から必ずしも満足できるものではなかった。健康
志向との関連でアルカリイオン水、例えばカルシウムイ
オンを含んだ電気分解水などが注目されている一方、最
近、水道水を電気分解して得た酸イオン水にかび類、細
菌類、ウイルスなど種々の微生物に対する静菌・殺菌効
果が認められ、実際に食品や医薬の領域で使用されてい
る。食品では、カット野菜の殺菌やゆで麺の冷却水に用
い、日持ちの向上に利用されている。しかしながら効果
においては、未だ十分に満足できるものではなかった。
この酸イオン水には、殺菌以外に料理を一層美味しくす
る効果、例えばてんぷらのころもがふっくら、パリパリ
する、麺類のゆで上がりのコシが強くなる、炊飯の飯増
などの効果も知られている。横関の調査及び研究によれ
ば、家畜の飲料にパイウォーター、アルカリイオン水、
酸性イオン水、磁化水、セラミック水、電荷水などと称
された機能水が実際に使用されているが、十分な効果が
得られていないことが報告されている(月刊フードケミ
カル Vol.9(No.1), p.118 〜122(1993))。
【0003】食品の褐変を防止することもまた、殺菌・
保存の問題と関連して重要な課題である。食品領域、特
に褐変酵素チロシナーゼを含んでいる果物や野菜類にお
ける褐変、それら果物や野菜類を加工した場合の褐変は
重要な問題であって、古くから数々の褐変防止剤が開発
され利用されてきた。しかしながら効果、取扱い易さ、
そして安全性から必ずしも満足できるものではなかっ
た。食品の褐変防止剤として例えば、亜硫酸、アスコル
ビン酸、クエン酸及びそれらの塩などが知られている。
しかしながら亜硫酸は種々の化合物と反応したり、果物
では悪臭の発生などの欠点がある。アスコルビン酸は、
自己の変色に問題がある。食塩は、多量用いなければ褐
変防止に効果がなく、よって用途が限定される。クエン
酸、塩酸などの酸によりpHを3以下にすることが褐変防
止に有効であることは知られている。しかしながら、例
えばpH2.7程度の0.2%クエン酸溶液を使用しても十分
な効果は期待できず、さらに酸濃度を高くすると酸味が
強くなって用途が限られてしまう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、強力
で且つ安全性の高い殺菌・保存料及び食品の褐変防止剤
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、酸イオン
水の静菌・殺菌効果を増強するために、鋭意研究したと
ころ、酸イオン水中にさらに、脂肪族カルボン酸、コウ
ジ酸、リン酸、それらのナトリウム塩、それらのカリウ
ム塩などが存在すると、酸イオン水単独、あるいは上記
酸や塩単独で示される効果と比較して、静菌・殺菌作用
に相乗効果があることを見出した。また、本発明者ら
は、酸イオン水を利用して果物や野菜の褐変を防止でき
ることを見出し、さらに酸イオン水中に脂肪族カルボン
酸、コウジ酸、リン酸、それらのナトリウム塩、それら
のカリウム塩などが存在すると、酸イオン水単独、ある
いは上記酸や塩単独で示される効果と比較して、褐変防
止作用に相乗効果があることを見出し、本発明を完成さ
せるに至った。従って本発明は、酸イオン水と、脂肪族
カルボン酸、コウジ酸、リン酸、それらのナトリウム塩
及びそれらのカリウム塩からなる群から選ばれる少なく
とも1種を含むことを特徴とする殺菌・保存料である。
本発明はまた、酸イオン水と、脂肪族カルボン酸、コウ
ジ酸、リン酸、それらのナトリウム塩及びそれらのカリ
ウム塩からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むこ
とを特徴とする食品の褐変防止剤である。
【0006】本発明者らはまた、酸イオン水に由来する
塩素臭を除去ないし軽減することを検討した。その結
果、脱塩素処理した酸イオン水中に脂肪族カルボン酸、
コウジ酸、リン酸、それらのナトリウム塩、それらのカ
リウム塩などが存在すると、酸イオン水と上記酸や塩と
の併用と比較して、同等もしくは優れた静菌・殺菌作用
及び褐変防止作用を示すことを見出した。よって本発明
は、上記の殺菌・保存料、また食品の褐変防止剤におい
て、さらに脱塩素処理されていることを特徴とする殺菌
・保存料、また食品の褐変防止剤に関する。
【0007】本発明における脱塩素処理は、使用する酸
イオン水単独に実施してもよいし、酸イオン水と脂肪族
カルボン酸、コウジ酸、リン酸、それらのナトリウム塩
及びそれらのカリウム塩からなる群から選ばれる少なく
とも1種が共存する状態で実施してもよい。脱塩素処理
としては、例えば活性炭による処理、還元剤による処理
が挙げられ、使用する還元剤としてはL−アスコルビン
酸、ピロ亜硫酸、亜硫酸、チオ硫酸や、それらの塩類、
例えばナトリウム塩、カリウム塩などが挙げられる。還
元剤として1種またはそれ以上を使用することができ
る。本発明の好ましい実施態様によれば、上記殺菌・保
存料あるいは食品の褐変防止剤に含まれる脂肪族カルボ
ン酸はクエン酸、乳酸、酢酸、リンゴ酸、アジピン酸、
ソルビン酸及びマレイン酸からなる群から選ばれる少な
くとも1種である。
【0008】本明細書中で記載される“酸イオン水”と
は、通常、酸イオン水、強酸性水、強酸性イオン水、超
酸化水など様々な名称で呼ばれているものを総称して示
すものである。このような酸イオン水は、水道水を電気
分解して得ることができ、既に数社より家庭用、工業用
として市販されている。通常、補助剤として塩化ナトリ
ウムを触媒的に加えて電気分解を行い製造されている。
酸イオン水には、製造元によって多少異なるが、通常、
残留塩素として10〜100ppm 程度が含まれている。
市販されている酸イオン水製造機や強酸性水製造の機器
では、通常pH4以下の酸イオン水が製造できる。例えば
ARV(株)製「アクア リファイン」では、pH2.7以
下、酸化還元電位1,100mV以上の水が製造できる。ま
た、日工(株)製 製麺用電解式強酸性イオン水生成装
置ではpH3以下の強酸性水が製造でき、小麦粉のネリ水
等に使用されている。また旭硝子エンジニアリング
(株)製「アクア リファイン」も上市されている。酸
イオン水中に、脂肪族カルボン酸、コウジ酸、リン酸、
それらのナトリウム塩及びそれらのカリウム塩からなる
群から選ばれる少なくとも1種が存在することによっ
て、各々単独の殺菌・静菌効果や褐変防止効果と比較し
て優れた効果があることは従来知られていなかった。ま
た、カルシウムイオンなどを含む電気分解水の製造にお
いても、これらの酸や塩を含む酸イオン水は知られてい
なかった。
【0009】本発明で使用する脂肪族カルボン酸、コウ
ジ酸、リン酸、それらのナトリウム塩やカリウム塩は、
食品添加物や天然物扱いのものであって市場で入手でき
るものでよい。本発明の殺菌・保存料及び食品の褐変防
止剤の製造において、酸イオン水と上記酸や塩を共存さ
せる手段として、(i) 酸イオン水に上記酸やその塩を添
加する;あるいは(ii)上記酸やその塩が溶解された水溶
液を電気分解することが挙げられる。上記(i) の場合、
使用する酸イオン水は、常法で得られたものでよく、あ
るいは市販されているものでよい。また、上記(ii)の場
合、水溶液とは水道水によるものでよく、電気分解は酸
イオン水の製造に使用される常法で実施すればよい。殺
菌・保存料及び褐変防止剤における上記酸やその塩の含
有量を一定にするためには、上記(i) の手段が簡便で好
ましい。
【0010】本発明の殺菌・保存料あるいは食品の褐変
防止剤における脂肪族カルボン酸、コウジ酸、リン酸、
それらのナトリウム塩及びそれらのカリウム塩からなる
群から選ばれる少なくとも1種の含有量は、使用する対
象物の汚染度や褐変のし易さ等により変動させることが
可能であるが、0.0001重量%〜10重量%程度が適
当であり、さらに0.001重量%〜1重量%が好まし
い。0.0001重量%より少ないと、本発明の目的は達
成されず、また10重量%を越えると酸味が強くなり過
ぎて食品に利用するには適さない。脱塩素処理として、
活性炭を使用する場合、例えば次のように処理すること
ができる。活性炭を酸イオン水に添加し、その後濾過と
いった操作で除去するか、または活性炭をカラム状とし
酸イオン水を通過させて実施する。活性炭の添加量は特
に限定されるものではないが、酸イオン水の塩素濃度が
50ppm 程度の時には、酸イオン水に対して0.01〜2
0重量%、好ましくは0.1〜10重量%程度の添加が適
当であり、活性炭をカラム状として使用する場合には、
適当量のカラムを作成し、通過液の塩素濃度を測定する
ことによりカラムの交換時期を知ることができる。活性
炭による上述の処理を、酸イオン水中に脂肪族カルボン
酸、コウジ酸、リン酸、それらのナトリウム塩やカリウ
ム塩が存在する状態で行ってもよい。
【0011】脱塩素処理をL−アスコルビン酸といった
水溶性の還元剤を用いて実施する場合、酸イオン水に添
加して脱塩素化することができる。添加する時期として
は、酸イオン水中に脂肪族カルボン酸、コウジ酸、リン
酸、それらのナトリウム塩やカリウム塩が存在する状態
に添加してもよい。還元剤の添加量は、酸イオン水中に
含まれる塩素濃度や還元剤の種類によって適宜選択する
ことができる。例えばL−アスコルビン酸の場合、酸イ
オン水の塩素濃度が50ppm 程度の時には酸イオン水に
対して0.0001〜20重量%が適当であり、好ましく
は0.01〜5重量%である。またチオ硫酸ナトリウムで
は、酸イオン水の塩素濃度が50ppm 程度の時には0.0
01〜20重量%が適当であり、好ましくは0.1〜10
重量%で脱塩素処理することができる。以下本明細書
中、活性炭、還元剤などをあわせて脱塩素処理剤ともい
う。通常は、塩素濃度を測定することにより活性炭や還
元剤の添加量を決めることができるので、上記添加量に
限定されるものではなく、また脱塩素処理剤の種類も1
種または複数併用することができる。本発明の殺菌・保
存料及び食品の褐変防止剤の用途によって、完全に塩素
濃度を0ppm にする必要がない場合は、活性炭や還元剤
の添加量を適宜調節することができる。また、L−アス
コルビン酸、ピロ亜硫酸、亜硫酸、チオ硫酸や、それら
の塩類といった還元剤は、それ自身で褐変防止作用を示
すので、それらを過剰に用いて最終的に還元剤が残存し
ていても何ら問題がない。
【0012】本発明の殺菌・保存料及び食品の褐変防止
剤は、上記の必須成分の他に既存の殺菌・保存剤、褐変
防止剤、香料などの添加物を含んでもよい。例えば、食
品領域では、安息香酸類、パラオキシ安息香酸類、次亜
塩素酸類、ソルビン酸類、グリシン、アルコール、しら
こ蛋白、ヒノキチオールなどを単品で、または2種以
上、また慣用の褐変防止剤を1種またはそれ以上含んで
もよい。また、本発明の殺菌・保存料は医療領域におい
て、他の殺菌・保存剤と併用することもでき、例えば抗
生物質、化学療法剤、外皮用殺菌消毒剤(ヨウ素類、ほ
う酸類、過酸化物、アルデヒド類、アルコール類、フェ
ノール類、色素類、陽性石鹸類、陰イオン型界面活性
剤、水銀化合物、グルコン酸クロルヘキシジンなど)と
いった、既に公知の物質と併用することができる。さら
に、本発明の殺菌・保存料の用途として化粧品、医薬部
外品の領域があり、具体的には化粧水、洗顔液、美白化
粧品、ニキビ患者用化粧水などが挙げられる。これらの
用途に用いる場合、本発明の殺菌・保存料を単品で使用
してもよいし、他の有効成分や添加剤と併用してもよ
い。
【0013】本発明の殺菌・保存料及び食品の褐変防止
剤はまた、例えば噴霧式殺菌・保存料、噴霧式褐変防止
剤といった剤形に製剤化することも可能である。このよ
うな製剤化は常法に従って行えばよく、剤形に応じて適
宜添加剤を加えることができる。本発明の殺菌・保存料
及び食品の褐変防止剤は溶液であるので、簡便に使用す
ることができる。本発明の殺菌・保存料の使用方法とし
ては、食品、食器、医療用具などの対象物に直接噴霧す
る、かける、対象物を洗う、すすぐ、漬ける、更に対象
物を本殺菌・保存料中で懸濁、攪拌するといった態様で
使用することが挙げられる。本発明の食品の褐変防止剤
の使用方法としても同様に、果物や野菜といった食品
に、またはそれらを加工する際にカットしたり潰したり
したものに直接噴霧する、かける、それらを洗う、すす
ぐ、漬ける、また褐変防止剤中で懸濁、攪拌することが
挙げられる。さらに詳しくは、医療領域では、食器、医
療用具などを洗浄するとき、水道水に代えて使用すると
効果的である。また洗剤を使用し洗浄した後、すすぎだ
けに使用することもできる。また、食品製造の際に製造
用の水として使用することができる。従来水道水を使用
するところを、本発明の殺菌・保存料や食品の褐変防止
剤で代用することもできる。例えば、果物や野菜のジュ
ースを作る際に通常水を使うところを本発明の殺菌・保
存料や褐変防止剤で代用することができる。さらに、本
発明の殺菌・保存料は食品、医療品の生産ラインなどの
設備を殺菌する場合にも使用できる。また本発明品を、
生麺やしゅうまいの皮などを製造する際の捏ね水として
使用すれば、製品の保存効果を高めると同時にホシの発
生を防止することができる。
【0014】以下、試験例、実施例により本発明を詳細
に説明するが、本発明はこれらの記載に限定されるもの
ではない。
【試験例1】 〔酸イオン水pH2.3とクエン酸を含む殺菌・保存料の効
果〕フスマは微生物による汚染が進みやすく、従来この
点が問題となっている。このようなフスマで本発明の殺
菌・保存料の効果を試験した。使用したフスマの細菌数
は、大腸菌群8,000個/g;生菌数40,000個/g
であった。フスマ25gに各種試験溶液を200ml加
え、時々攪拌しながら30分放置後、および60分放置
後、凍結乾燥した。このようにして得たフスマの大腸菌
群や生菌数を測定することにより効果を判定した。な
お、クエン酸は、食添用無水クエン酸を使用し、酸イオ
ン水は、製造直後のpH2.3のものを使用した。水道水あ
るいは上記酸イオン水にクエン酸を下記の割合で添加し
て試験溶液とした。また、製造後2週間経過した酸イオ
ン水に、クエン酸を加えて得た試験溶液の効果も観察し
た。結果を表1に示す。
【0015】
【表1】 ──────────────────────────────────── 試験溶液との接触時間 30分後 60分後 試験溶液及びそのpH 大腸菌群 生菌数 pH* 大腸菌群 生菌数 ──────────────────────────────────── 水道水 6.2 900 20,000 6.7 690 10,000 ──────────────────────────────────── 水道水+ クエン酸0.28% 2.7 230 4,000 4.8 20 6,000 ──────────────────────────────────── 酸イオン水 2.3 730 30,000 5.4 560 10,000 ──────────────────────────────────── 酸イオン水+ クエン酸0.28% 2.3 0 700 4.6 0 400 ──────────────────────────────────── 製造後2週間経 過の酸イオン水 - - - - 0 300 +クエン酸0.28% [本発明] ──────────────────────────────────── 製造後2週間経 過の酸イオン水 - - - - 0 <300 +クエン酸0.55% [本発明] ──────────────────────────────────── * フスマと試験溶液との混合物のpH
【0016】この結果から明らかなように、クエン酸ま
たは酸イオン水単独での殺菌効果と比較して、本発明の
殺菌・保存料は優れた静菌、殺菌効果を発揮する。また
製造後2週間経過した酸イオン水とクエン酸を含む殺菌
・保存料も同様の優れた効果を示した。
【0017】
【試験例2】 〔酸イオン水pH2.5とクエン酸を含む殺菌・保存料の効
果〕酸イオン水は、製造直後のpH2.5のものを使用し、
試験例1の方法に準じて試験した。結果を表2に示す。
【0018】
【表2】 ───────────────────────────── 試験溶液との接触時間 60分後 試験溶液及びそのpH pH * 大腸菌群 生菌数 ───────────────────────────── 酸イオン水+ クエン酸0.07% 2.5 5.4 690 6,000 ───────────────────────────── 酸イオン水+ クエン酸0.55% 2.2 4.0 0 <300 ───────────────────────────── * フスマと試験溶液との混合物のpH
【0019】無処理のフスマの細菌数が、大腸菌群8,0
00;生菌数40,000個/gであったのに対し、上記
の結果が示すように、本発明の殺菌・保存料は優れた静
菌、殺菌効果を表す。
【0020】
【試験例3】 〔酸イオン水pH3.0とクエン酸を含む殺菌・保存料の効
果〕酸イオン水は、製造直後のpH3.0のものを使用し、
試験例1の方法に準じて試験した。結果を表3に示す。
【0021】
【表3】 ────────────────────────────── 試験溶液との接触時間 60分後 試験溶液及びそのpH pH * 大腸菌群 生菌数 ────────────────────────────── 酸イオン水+ クエン酸0.07% 2.9 5.8 2,000 10,000 ────────────────────────────── 酸イオン水+ クエン酸0.55% 2.6 4.1 0 <300 ────────────────────────────── * フスマと試験溶液との混合物のpH
【0022】無処理のフスマの細菌数が、大腸菌群8,0
00;生菌数40,000個/gであったのに対し、上記
の結果が示すように、本発明の殺菌・保存料は優れた静
菌、殺菌効果を表す。
【0023】
【試験例4】 〔ゆで麺における保存効果〕中力小麦粉に対して、35
重量%の水及び2重量%の食塩を加えたものを、12分
間混捏後麺機にて数回圧延成形して、うどんの生麺線を
得た。これを13分間ゆでた後に水洗した。次にこのゆ
で麺を各種試験溶液に40℃、1分間浸漬後、パックに
詰め20℃及び35℃の2箇所で保存し、菌数測定及び
コロニーの目視観察を行なった。その結果を表4、5及
び6に示した。なお、クエン酸は食添用無水クエン酸を
使用し、酸イオン水はpH2.4のものを使用した。水道水
あるいは酸イオン水にクエン酸を下記の割合で添加して
試験溶液とした。
【0024】
【表4】 ───────────────────────────────── 20℃で3日保存後の観察結果 ─────────────────── 試験溶液及びそのpH ゆで麺のpH 大腸菌群 生菌数 ───────────────────────────────── 水道水 7.5 5.6 200,000 10,000,000 ───────────────────────────────── 水道水+ クエン酸0.4% 2.5 3.6 0 30,000 ───────────────────────────────── 酸イオン水 2.4 4.6 10,000 6,000,000 ───────────────────────────────── 酸イオン水+ クエン酸0.2% 2.3 3.6 0 500 ─────────────────────────────────
【0025】
【表5】 20℃での保存後、コロニーの目視観察の結果 ──────────────────────────────────── 3日後 4日後 5日後 6日後 試験溶液 午前 午後 午前 午後 午前 午後 午前 午後 ──────────────────────────────────── 水道水 − − ± ± + + + + ──────────────────────────────────── 水道水+ クエン酸0.4% − − − − ± ± ± + ──────────────────────────────────── 酸イオン水 − − ± + + + + + ──────────────────────────────────── 酸イオン水+ クエン酸0.2% − − − − − ± ± + ──────────────────────────────────── −:ほとんど認められない、±:少しある、+:多い、++:非常に多い
【0026】
【表6】 35℃での保存後、コロニーの目視観察の結果 ──────────────────────────────────── 3日後 4日後 5日後 6日後 試験溶液 午前 午後 午前 午後 午前 午後 午前 午後 ──────────────────────────────────── 水道水 − ± ± + + + ++ ++ ──────────────────────────────────── 水道水+ クエン酸0.4% − − − ± ± ± ± + ──────────────────────────────────── 酸イオン水 − ± ± + + + + + ──────────────────────────────────── 酸イオン水+ クエン酸0.2% − − − − − ± ± + ──────────────────────────────────── −:ほとんど認められない、±:少しある、+:多い、++:非常に多い
【0027】
【試験例5】上記試験例1と同様のフスマを用いて本発
明の殺菌・保存料の効果を試験した。フスマ25gに各
種試験溶液を200ml添加し、時々攪拌しながら60分
放置後、凍結乾燥した。このようにして得たフスマの大
腸菌群や生菌数を測定することにより効果を判定した。
なお、クエン酸並びにL-アスコルビン酸は食添用を使用
し、チオ硫酸ナトリウムは化学実験用を使用し、酸イオ
ン水は製造直後のpH2.7 のものを使用した。各種試験溶
液の組成及び結果は下記表7に示すとおりである。水道
水あるいは酸イオン水にクエン酸を添加することにより
試験溶液2及び4とし、酸イオン水に還元剤を添加する
ことにより脱塩素処理を実施し、試験溶液5及び6と
し、上記脱塩素処理した酸イオン水にクエン酸を添加し
て、試験溶液7及び8とした。
【0028】
【表7】 ──────────────────────────────────── 60分後 試験溶液 pH* 大腸菌群 生菌数 ──────────────────────────────────── 1.(比較)水道水 6.9 70 10,000 ──────────────────────────────────── 2.(比較)水道水+クエン酸 0.2% 5.1 10 6,000 ──────────────────────────────────── 3.(比較)酸イオン水 6.4 2,000 50,000 ──────────────────────────────────── 4.(本発明)酸イオン水+クエン酸 0.2% 5.0 0 700 ──────────────────────────────────── 5.(比較)酸イオン水+ 5.7 160 7,000 L-アスコルビン酸0.23% ──────────────────────────────────── 6.(比較)酸イオン水+ 6.5 270 10,000 チオ硫酸ナトリウム2.3% ──────────────────────────────────── 7.(本発明)酸イオン水+ 4.7 0 1,000 L-アスコルビン酸0.23%+クエン酸 0.2% ──────────────────────────────────── 8.(本発明)酸イオン水+ 5.3 0 300 チオ硫酸ナトリウム2.3%+クエン酸 0.2% ──────────────────────────────────── * フスマと試験溶液を混合した後のpH
【0029】クエン酸単独(試験溶液2)、酸イオン水
単独(試験溶液3)、脱塩素処理した酸イオン水(試験
溶液5、6)と比較して、本発明による試験溶液4、7
及び8は優れた静菌、殺菌効果を表し、試験溶液7及び
8では塩素臭が軽減されていた。本発明による試験溶液
4、7及び8はほぼ同等の静菌、殺菌効果を表す。
【0030】
【試験例6】 〔褐変防止剤の効果〕リンゴ100gと試験溶液500
mlをミキサーで10分間攪拌して、リンゴジュースを作
成した。これを室温で30分、3時間、及び1日放置し
た後の色調を判定した。クエン酸は、食添用無水クエン
酸を使用した。酸イオン水は、製造直後のpH2.3のもの
を使用した。試験溶液の組成、pH、及び試験結果を表8
に示す。
【0031】
【表8】 ──────────────────────────────── 試験溶液及びそのpH 30分後 3時間後 1日後 ──────────────────────────────── イオン交換水 6.2 +++ +++ +++ ──────────────────────────────── イオン交換水+ クエン酸0.2% 2.7 +++ +++ +++ ──────────────────────────────── 酸イオン水 2.3 ++ +++ +++ ──────────────────────────────── 酸イオン水+ クエン酸0.2% 2.3 - - - ──────────────────────────────── +++ : 強い褐変 ++ : +++より弱い褐変 - : 褐変しない
【0032】この結果から明らかなように、酸イオン水
単独でもわずかに効果があるが、持続性がなかった。一
方、クエン酸単独では褐変防止効果は見られなかった。
酸イオン水とクエン酸を併用すると、強い褐変防止効果
とその持続性が発揮された。
【0033】
【試験例7】ジャガイモのスライスしたものと試験溶液
を乳鉢に入れ、よくすりつぶし懸濁液を作成した。これ
を、室温で30分、3時間、及び1日放置した後の色調
を判定した。試験溶液は試験例6で用いたものと同様の
溶液を使用した。その結果を表9に示す。
【0034】
【表9】 ──────────────────────────────── 試験溶液及びそのpH 30分後 3時間後 1日後 ──────────────────────────────── イオン交換水 6.2 +++ +++ +++ ──────────────────────────────── イオン交換水+ クエン酸0.2% 2.7 - ++ +++ ──────────────────────────────── 酸イオン水 2.3 ++ +++ +++ ──────────────────────────────── 酸イオン水+ クエン酸0.2% 2.3 - - - ──────────────────────────────── +++ : 強い褐変 ++ : +++より弱い褐変 - : 褐変しない
【0035】この結果から明らかなように、酸イオン水
とクエン酸を併用すると、強い褐変防止効果とその持続
性が発揮された。
【0036】
【試験例8】リンゴ100gと試験溶液500mlをミキ
サーで10分間攪拌し、リンゴジュースを作成した。こ
れを、室温で30分、3時間、及び1日間放置した後の
色調を判定した。L−アスコルビン酸、クエン酸は食添
用を使用した。また、酸イオン水は製造直後のpH2.3の
ものを使用した。各試験溶液の組成及び結果は下記表1
0に示すとおりである。酸イオン水に還元剤としてL-ア
スコルビン酸を添加することにより脱塩素処理を実施し
た。試験溶液の調製は、試験例5に準ずる。
【0037】
【表10】 試験溶液 pH 30分後 3時間後 1日後 ──────────────────────────────────── 1.(比較)イオン交換水 6.2 +++ +++ +++ ──────────────────────────────────── 2.(比較)イオン交換水+クエン酸0.2% 2.7 +++ +++ +++ ──────────────────────────────────── 3.(比較) 酸イオン水 2.3 ++ +++ +++ ──────────────────────────────────── 4.(本発明)酸イオン水+クエン酸0.2% 2.3 - - ± ──────────────────────────────────── 5.(比較)イオン交換水+ 3.2 - + + L-アスコルビン酸0.01% ──────────────────────────────────── 6.(比較)イオン交換水+ 3.2 + + ++ L-アスコルビン酸0.005% ──────────────────────────────────── 7.(比較)酸イオン水+ 2.3 - + + L-アスコルビン酸0.01% ──────────────────────────────────── 8.(比較)酸イオン水+ 2.3 + + + L-アスコルビン酸0.005% ──────────────────────────────────── 9.(比較)イオン交換水+ 2.6 - + + L-アスコルビン酸0.01%+クエン酸0.2% ──────────────────────────────────── 10.(比較) イオン交換水+ 2.6 + + + L-アスコルビン酸0.005%+クエン酸0.2% ──────────────────────────────────── 11.(本発明)酸イオン水+ 2.3 - - - L-アスコルビン酸0.01%+クエン酸0.2% ──────────────────────────────────── 12.(本発明) 酸イオン水+ 2.3 - - - L-アスコルビン酸0.005%+クエン酸0.2% ──────────────────────────────────── +++ : 強い褐変 ++ : +++より弱い褐変 + : 少し褐変する ±: 僅かに褐変する - : 褐変しない
【0038】上記の結果より、本発明の褐変防止剤(試
験溶液4、11、12) により、強い褐変防止効果とその持
続性が発揮されることがわかる。また、酸イオン水、L-
アスコルビン酸及びクエン酸の併用は、塩素臭が軽減で
きる上、酸イオン水とクエン酸の併用に比較して、褐変
防止効果は同等か、もしくはそれ以上であって持続性に
優れる。なお、L-アスコルビン酸0.01% あるいは0.005%
の添加では、塩素臭は完全に除去されていない。
【0039】
【試験例9】次に、酸イオン水中の塩素を完全に除去し
た状態で褐変防止効果を検討した。リンゴ100gと試
験溶液500mlをミキサーで10分間攪拌し、リンゴジュ
ースを作成した。これを、室温で30分、3時間、及び
1日間放置した後の色調を判定した。クエン酸並びにL-
アスコルビン酸は食添用を、活性炭並びにチオ硫酸ナト
リウムは化学実験用をそれぞれ使用した。酸イオン水
は、製造直後のpH2.3 のものを使用した。試験溶液の組
成及び結果を下記表11に示す
【0040】
【表11】 試験溶液 pH 30分後 3時間後 1日後 ──────────────────────────────────── 1.イオン交換水 6.2 +++ +++ +++ ──────────────────────────────────── 2.活性炭処理*1酸イオン水 2.4 - + ++ ──────────────────────────────────── 3.活性炭処理*1酸イオン水 2.4 - - - +クエン酸0.2%(本発明) ──────────────────────────────────── 4.チオ硫酸ナトリウム 処理*2酸イオン水 2.8 - - - ──────────────────────────────────── 5.チオ硫酸ナトリウム 処理*2酸イオン水 2.6 - - - +クエン酸0.2%(本発明) ──────────────────────────────────── 6.L-アスコルビン酸処理*3酸イオン水 2.3 - - - ──────────────────────────────────── 7.L-アスコルビン酸処理*3酸イオン水 2.3 - - - +クエン酸0.2%(本発明) ──────────────────────────────────── +++ : 強い褐変 ++ : +++より弱い褐変 + : 少し褐変する ±: 僅かに褐変する - : 褐変しない*1 酸イオン水1リットルに活性炭粒30gを加え、攪拌後濾過して活性炭を除 去した。この時の塩素濃度はオルトトリジン法(残留塩素測定器:SIBATA 製)で検出されなかった。*2 酸イオン水1リットルにチオ硫酸ナトリウム20gを加えた。この時の塩素 濃度はオルトトリジン法(残留塩素測定器:SIBATA製)で検出されなかっ た。*3 酸イオン水1リットルにL-アスコルビン酸2gを加えた。この時の塩素濃度 はオルトトリジン法(残留塩素測定器:SIBATA製)で検出されなかった。
【0041】この試験では、脱塩素処理剤を塩素濃度が
0となる量を加えて試験した。脱塩素処理した溶液には
塩素臭はなかった。溶液中には、脱塩素処理剤が当量
で、過剰には残存していない状態となっていると考えら
れる。酸イオン水にクエン酸等の酸を加えることによ
り、各々単独で使用するよりも褐変防止効果が相乗的に
向上する。上記試験例8及び9から明らかなように、さ
らに、問題となる塩素臭を低減するため、活性炭、また
は還元剤にて脱塩素化することで、褐変防止効果が低減
することはなく、塩素臭が軽減もしくは消失する上に、
同等もしくはそれ以上の褐変防止効果を発揮する。
【0042】
【試験例10】ジャガイモのスライスしたものと試験溶
液を乳鉢に入れ、よくすりつぶし懸濁液を作成した。こ
れを室温で30分、3時間及び1夜放置した後の色調を
判定した。クエン酸並びにL-アスコルビン酸は食添用
を、活性炭並びにチオ硫酸ナトリウムは化学実験用をそ
れぞれ使用した。酸イオン水は、製造直後のpH2.3 のも
のを使用した。試験溶液の調製は試験例8に準じた。な
お、活性炭処理は、酸イオン水1リットルに活性炭30
gを加えて攪拌後、ろ過して活性炭を除去した。試験溶
液の組成及び結果を下記表12に示す。
【0043】
【表12】 試験溶液 pH 30分後 3時間後 1日後 ──────────────────────────────────── 1.イオン交換水 6.2 +++ +++ +++ ──────────────────────────────────── 2.酸イオン水 2.3 ++ +++ +++ ──────────────────────────────────── 3.活性炭処理−酸イオン水 2.4 - + ++ ──────────────────────────────────── 4.活性炭処理−酸イオン水+ 2.4 - - - クエン酸0.2% ──────────────────────────────────── 5.酸イオン水+ 2.6 - - - チオ硫酸ナトリウム 2.3%+クエン酸0.2% ──────────────────────────────────── 6.酸イオン水+ 2.3 - - - L-アスコルビン酸0.23% +クエン酸0.2% ──────────────────────────────────── +++ : 強い褐変 ++ : +++より弱い褐変 + : 少し褐変する - : 褐変しない 上記結果より明らかなように、脱塩素処理した酸イオン
水とクエン酸を併用することで強い褐変防止効果とその
持続性が発揮された。
【実施例1】フスマ10kgにクエン酸220gを含む酸
性イオン水80リットルを加え、30分間攪拌し、加圧
濾過機にて固液分離した。残査を、さらに水20リット
ルで2回洗浄し、乾燥機にて乾燥し乾燥品を得た。分離
液は、濃縮しデキストリンを加えスプレードライヤーに
て乾燥粉末化しエキス末を得た。このようにして得たフ
スマ乾燥品の大腸菌群は0個/gで、生菌数は、1,00
0個/gであった。また乾燥が終了するまでの操作中も
腐敗臭は発生しなかった。エキス末も同様に、大腸菌群
は0個/gで、生菌数は、300個/g以下であった。
また乾燥が終了するまでの操作中も腐敗臭は発生しなか
った。
【0044】
【実施例2】中力小麦粉に対して、35重量%の水及び
2重量%の食塩を加えたものに、12分間混捏後麺機に
て数回圧延成形して、うどんの生麺線を得た。これを1
3分間ゆで、水洗後、クエン酸を0.2%含有する酸イオ
ン水20リットルに40℃で、1分間浸漬後、パックに
詰めた。
【0045】
【実施例3】下記配合の噴霧式殺菌・保存料を製造し
た。 エタノール 10.0 重量% 香料(ペパーミント、メントール) 2.0 〃 グリセリン 20.0 〃 安息香酸エステル 適量 色素 適量 クエン酸 0.01 〃 酸イオン水 残り ────────────────────────────── 100.0 重量% N2 ガスを缶内圧6.5±0.5kg/cm2 となるように加え
た。
【0046】
【実施例4】酸イオン水(pH 2.3) 1リットルに活性炭
30gを加えて攪拌後、ろ過して活性炭を除去すること
によって酸イオン水の脱塩素処理を行った。この酸イオ
ン水にクエン酸2gと食塩5gを添加してギョウザの皮
製造用の捏ね水とした。準強力粉500gにこの捏ね水
185ccを加え、横形製麺ミキサーで10分間混練
し、生地を得た。以後、常法に従いロール圧延を繰り返
し、厚さ約1mmのギョウザの皮を製造した。このギョ
ウザの皮を25℃で保存したところ4日目に腐敗が始ま
ったが、同様にして水道水を捏ね水として使用したギョ
ウザの皮は24時間後に腐敗が始まった。また本発明に
よる捏ね水を使用したギョウザの皮は3日後までホシの
発生が見られなかったが、水道水を捏ね水としたギョウ
ザの皮は半日後にはホシの発生が見られた。
【0047】
【実施例5】リンゴ50g、バナナ30g、砂糖10g
に0.2%のクエン酸を含む酸イオン水500mlを加え、
ミックスジュースを製造した。
【実施例6】ジャガイモをスライスし、0.5%乳酸を含
む酸イオン水に10分間浸漬したところ、一夜放置して
も褐変を起こさなかった。
【実施例7】キャベツを千切りし、0.2%クエン酸を含
む酸イオン水に5分間浸漬しカット野菜を作成した。一
夜放置しても褐変を起こさなかった。
【0048】
【実施例8】酸イオン水(pH 2.4、塩素濃度50ppm)1
リットルにL-アスコルビン酸1gを添加し脱塩素処理酸
イオン水を調製した。リンゴ50g、バナナ30g及び
砂糖10gに、0.2%クエン酸を含む脱塩素処理酸イオ
ン水500mlを加え、ミックスジュースを製造した。
【実施例9】酸イオン水(pH 2.4、塩素濃度50ppm)1
リットルに活性炭30gを添加し、濾過することにより
脱塩素処理酸イオン水を調製した。ジャガイモをスライ
スし、0.5%乳酸を含む脱塩素処理酸イオン水に10分
間浸漬したところ、一夜放置しても褐変を起こさなかっ
た。
【0049】
【実施例10】酸イオン水(pH 2.4、塩素濃度50ppm)
1リットルにL-アスコルビン酸1g及びクエン酸2gを
添加し、0.2%クエン酸を含む脱塩素処理酸イオン水を
調製した。キャベツを千切りし、0.2%クエン酸を含む
脱塩素処理酸イオン水に5分間浸漬しカット野菜を作成
した。一夜放置しても褐変を起こさなかった。
【実施例11】酸イオン水(pH 2.3、塩素濃度50ppm)
1リットルにL-アスコルビン酸1g、チオ硫酸ナトリウ
ム5g及びクエン酸2gを添加し、0.2%クエン酸を含
む脱塩素処理酸イオン水を調製した。リンゴ50g、バ
ナナ30g及び砂糖10gに、0.2%クエン酸を含む脱
塩素処理酸イオン水500mlを加え、ミックスジュース
を製造した。
【0050】
【発明の効果】本発明の殺菌・保存料及び食品の褐変防
止剤は、安全性が高く、酸イオン水単独で使用するより
も優れた静菌、殺菌効果、褐変防止効果を表す。
フロントページの続き (72)発明者 和田 智子 神奈川県茅ヶ崎市南湖2−2−9 (56)参考文献 特開 平1−309671(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01N 37/02 - 37/06 A23L 3/34 - 3/358

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸イオン水と、0.0001〜10重量
    %のクエン酸、そのナトリウム塩及びカリウム塩から選
    ばれる少なくとも1種とを含むことを特徴とする殺菌・
    保存料。
  2. 【請求項2】 さらに脱塩素処理されていることを特徴
    とする請求項1記載の殺菌・保存料。
  3. 【請求項3】 脱塩素処理が活性炭による処理、または
    還元剤による処理であることを特徴とする請求項2記載
    の殺菌・保存料。
  4. 【請求項4】 還元剤がL−アスコルビン酸、ピロ亜硫
    酸、亜硫酸、チオ硫酸及びそれらの塩からなる群から選
    ばれる少なくとも1種である、請求項3記載の殺菌・保
    存料。
  5. 【請求項5】 酸イオン水と、0.0001〜10重量
    %のクエン酸、そのナトリウム塩及びカリウム塩から選
    ばれる少なくとも1種とを含むことを特徴とする食品の
    褐変防止剤。
  6. 【請求項6】 さらに脱塩素処理されていることを特徴
    とする請求項5記載の食品の褐変防止剤。
  7. 【請求項7】 脱塩素処理が活性炭による処理、または
    還元剤による処理であることを特徴とする請求項6記載
    の食品の褐変防止剤。
  8. 【請求項8】 還元剤がL−アスコルビン酸、ピロ亜硫
    酸、亜硫酸、チオ硫酸及びそれらの塩からなる群から選
    ばれる少なくとも1種である、請求項7記載の食品の褐
    変防止剤。
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