JP3424608B2 - 有害物に汚染された物質の無害化処理方法 - Google Patents

有害物に汚染された物質の無害化処理方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダイオキシン類
(ポリ塩化ジベンゾパラジオキシンの他、ポリ塩化ジベ
ンゾフランおよびコプラナPCB等を指す)、ポリ塩化
ビフェニル、DDT等の有機塩素系有害物に汚染された
物質で、特に、土壌等を始めとする比較的低濃度の汚染
を受けた物質の無害化処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリ塩化ジベンゾパラジオキシンをはじ
めとするダイオキシン類は、ゴミ焼却施設で、特に塩素
を含有する廃プラスチック等の比較的低温での処理の際
発生し、現在の社会問題となっている。そのため、連続
高温燃焼の実施よる発生の抑制やバグフィルター等の集
塵方法の改善が行われているが、ダイオキシン類の発生
そのものを抑えることはできず、焼却灰や集塵ダスト中
にはダイオキシンが含まれている。従って、焼却灰や集
塵ダスト中のダイオキシンの処理が必要とされている
が、高温プラズマを用いた処理が試験的に試みられてい
るにすぎず、新しい簡便な処理法の開発が望まれている
のが現状である。
【0003】ポリ塩化ビフェニルは水に不溶であるが有
機溶媒には溶解し、難燃性ないしは不燃性で、化学的に
非常に安定で、電気的絶縁性に優れており、蒸気圧も低
いなど優れた性質を持っているため多方面で利用されて
いた。しかし、ポリ塩化ビフェニルは野生生物や人体に
対する毒性が極めて高く、1960年代の中頃から、そ
れによる汚染の広がりが問題となり、1971年をもっ
て生産、販売が禁止され、回収・保管が義務づけられる
ようになった。従って、その有毒性から廃棄はもちろ
ん、運搬することもできず、保管されているのが現状で
あり、無害化処理のための方策としては、熱プラズマを
用いた超高温分解処理や高温高圧容器を用いた超臨界水
による分解処理が試験的に試みられている程度である。
【0004】それに対して、特表平8−504665号
公報に、ポリ塩化ビフェニル、DDT、ダイオキシン類
などがメカノケミカル処理により無害化できると記載さ
れている。しかし、いずれの処理においても、ほとんど
が12時間またはそれを超える長時間を要しており、処
理後の濃度も必ずしも満足できるものではない。しか
も、現実に存在しているそれら有害物に汚染された物
質、例えば、1ppm未満の極めて低い濃度で、焼却
灰、集塵飛灰、集塵ダスト、土壌等の中に混入した状態
にあるダイオキシン類や、保管用の容器から漏れて土壌
等に染み込んだ状態にあるポリ塩化ビフェニル等の無害
化処理についての具体的な条件は示されていない。
【0005】また、ポリ塩化ビフェニルやダイオキシン
類を始めとする有機塩素系有害物の処理方法は他にもい
くつか提案されているが、実際には処理が進んでいな
い。これは、処理費用が高いことも一因ではあるが、汚
染土壌を始めとする現実に存在している汚染物質では有
害物の濃度が低く、また、処理すべき対象物の量も膨大
なものになり、処理効率が悪いためでもある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような状
況に鑑みなされたもので、その目的は、現実に存在する
ダイオキシン類、ポリ塩化ビフェニル、DDT等の有機
塩素系有害物に汚染された物質で、特に土壌等を始めと
する比較的低濃度の汚染を受けた物質の効率的な無害化
処理方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、下記
(1)または(2)の有害物に汚染された物質の無害化
処理方法にある。
【0008】(1)有機塩素系有害物に汚染された物質
中の有機塩素系有害物を有機溶媒で抽出し、抽出後の液
に酸化アルミニウムおよび二酸化珪素を含有する物質の
うちの少なくとも一方を混合し、その後有機溶媒を揮発
除去し、有機溶媒を除去した後の残渣と、酸化カルシウ
ムおよび酸化カルシウムを含有する物質のうちの少なく
とも一方とを混合し、メカノケミカル処理する有害物に
汚染された物質の無害化処理方法。
【0009】
【0010】(2)有機塩素系有害物に汚染された物質
中の有機塩素系有害物を有機溶媒で抽出し、抽出後の液
に酸化カルシウムおよび酸化カルシウムを含有する物質
のうちの少なくとも一方を混合した後、その混合した液
から有機溶媒を揮発除去し、前記有機溶媒を除去した後
の残渣をメカノケミカル処理する有害物に汚染された物
質の無害化処理方法。
【0011】上記(1)または(2)に記載の無害化処
理方法において、酸化カルシウムを含有する物質とし
て、鉄鋼スラグを用いてもよい。
【0012】ここで、「有機塩素系有害物」とは、前記
のように、ダイオキシン類(ポリ塩化ジベンゾパラジオ
キシンの他、ポリ塩化ジベンゾフランおよびコプラナP
CB等を指す)、ポリ塩化ビフェニル、DDT等、塩素
を置換基として有し、人体、動植物に対して、強い毒性
を示す有機化合物をいう。
【0013】「酸化カルシウムを含有する物質」とは、
酸化カルシウムを主要成分として含有する物質をいう。
【0014】「鉄鋼スラグ」とは、鉄鋼生産で発生する
スラグで、例えば、高炉スラグ(徐冷スラグ、水砕スラ
グのいずれでも可)、転炉スラグ、取鍋残留スラグ、電
気炉スラグ、二次精錬スラグ、取鍋精錬スラグ等をい
う。
【0015】なお、「メカノケミカル処理」とは、例え
ば、ボールミル等の衝撃粉砕装置で機械的エネルギーを
加えつつ被処理物を混合粉砕する処理で、ボールの落下
に伴う衝撃力による粉砕の過程で被処理物は物理的に引
きちぎられ、活性の高い分子面ができる。そのため、メ
カノケミカル処理を行うことによって、常温では起こり
得ない反応(メカノケミカル反応)を進行させることが
できる。
【0016】化学的に安定な有機塩素化合物であるダイ
オキシン類、ポリ塩化ビフェニル等を、酸化カルシウム
および酸化カルシウムを含有する物質のうちの少なくと
も一方と混合し、メカノケミカル処理を施すことにより
無害化できるのは、ダイオキシン類、ポリ塩化ビフェニ
ル等を構成する元素間の結合のうち炭素と塩素の結合力
が比較的弱く、機械的エネルギーを加えることによって
両者を切り離すことができ、かつ、離脱した塩素と酸化
カルシウムとが反応して安定な塩化カルシウムを生成す
るという原理に基づいている。
【0017】本発明者らは、酸化カルシウムを用いて現
実に存在する有機塩素系有害物に汚染された土壌等の無
害化処理をメカノケミカル処理で行うに際して、水分が
反応速度に与える影響が多大であり、場合によっては無
害化反応が停止したり、より有害な物質を生成したりす
ることを見いだした。
【0018】現実に存在する有機塩素系有害物に汚染さ
れた土壌等においては、通常、数十%の水分が含まれて
いる。従って、これら汚染土壌等に直接メカノケミカル
処理を施して無害化しようとすると、常に水分の影響を
受けることになる。
【0019】また、本発明者らは、上記メカノケミカル
処理において、酸化アルミニウム、二酸化珪素等が無害
化処理において反応促進効果があることを見いだした。
【0020】さらに、汚染土壌を始めとする現実に存在
している汚染物質では有害物の濃度が低く、処理対象物
の量が膨大なものになり、処理効率が悪いので、メカノ
ケミカル処理に先立ち、有機塩素系有害物を有機溶媒で
抽出し、濃縮することを試みた。その結果、汚染物質に
含まれる有機塩素系有害物以外の有機物も同時に抽出さ
れ、半液体状、またはペースト状の混合物質が得られる
が、適切な処理を施せば、有害物の濃化が可能で、無害
化処理を効率よく行えることを確認した。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の有害物に汚染され
た物質の無害化処理方法について詳細に説明する。
【0022】本発明の無害化処理方法の一つは、有機塩
素系有害物に汚染された物質中の有機塩素系有害物を有
機溶媒で抽出し、抽出後の液に酸化アルミニウムおよび
二酸化珪素を含有する物質のうちの少なくとも一方を混
合し、その後有機溶媒を揮発除去し、有機溶媒を除去し
た後の残渣と、酸化カルシウムおよび酸化カルシウムを
含有する物質のうちの少なくとも一方とを混合し、メカ
ノケミカル処理する方法である。
【0023】
【0024】この方法においては、まず、有機塩素系有
害物を有機溶媒で抽出する。
【0025】抽出に用いる有機溶媒は、有機塩素系有害
物を抽出できるものであれば特に限定されないが、抽出
後の液からの有機溶媒の除去のし易さ等を考慮すると、
低沸点で、一般的に用いられているもの、例えば、トル
エン、キシレン、アセトン、クロロベンゼン、O-ジクロ
ロベンゼン、クロロホルム等が好ましく、特に、ダイオ
キシン類、ポリ塩化ビフェニル、DDT等を無害化の対
象とする場合は、ベンゼン環および/または塩素(置換
基)を含む溶媒が抽出効率が高く、好ましい。抽出に使
用する有機溶媒の量は、処理対象物の容量の3倍程度が
望ましい。
【0026】抽出操作は、攪拌機能を持つ容器内で行う
のがよい。ソクスレー抽出器またはこれに類似した構造
を有する抽出装置を用い、溶媒を繰り返し循環させて
(揮発−液化を繰り返して)、有害物の抽出と濃縮を繰
り返し行うのが、抽出効率が向上するので、好ましい。
【0027】有機溶媒による抽出工程では、処理対象の
有害物以外の有機物も有機溶媒中に混入し、また、水分
も有機溶媒に懸濁した状態で混入してくる。したがっ
て、このまま次の工程へ進めてもよいが、その他の固形
成分を含めて、この段階で抽出後の液を一旦濾過するの
が望ましい。
【0028】次いで、抽出後の液に酸化アルミニウムお
よび/または二酸化珪素を含有する物質を加えて攪拌す
る。このように、抽出後の液に酸化アルミニウムおよび
/または二酸化珪素含有物質を混合することにより、後
に行うメカノケミカル処理において、メカノケミカル反
応を促進することができる続いて、有機溶媒を揮発除
し、残渣を酸化アルミニウムおよび/または二酸化珪
素含有物質に付着させた状態で取り出す
【0029】溶媒が除去された後の残渣には、他の有機
物も含まれており、半液体状、あるいはペースト状とな
っている。水分も含まれており、これを除去しておくの
が望ましい。除去方法は特に限定されないが、110℃
程度での加熱が最も簡便で、一般的である。なお、ダイ
オキシン類、ポリ塩化ビフェニル、DDT等は蒸気圧が
低いため蒸発することはない。
【0030】その後、残渣に、酸化カルシウムおよび/
または酸化カルシウムを含有する物質を混合し、遊星型
ボールミル等を用いて粉砕する。粉砕時間は2〜3時間
であるが、反応速度が遅く、数時間を超える場合もあ
る。なお、酸化カルシウムや酸化カルシウムを含有する
物質は、あらかじめ粉砕しておくと反応を促進させるこ
とができ、好ましい。
【0031】粉砕処理時間は、使用する粉砕装置の構造
に基づく粉砕衝撃力が大きいほど、ボールの個数が多い
ほど、ボールの単重が大きいほど、また、ボールに対す
る処理対象物(有機塩素系有害物に汚染された物質)の
重量比率が小さいほど、短くなる。しかし、処理時間を
短くするためにボールに対する処理対象物の比率を低下
させると、全体としての処理効率を低下させることにな
る。したがって、実際には、個々の粉砕装置と運転条件
に応じて、処理対象物毎にあらかじめ処理時間とダイオ
キシン類やポリ塩化ビフェニルの濃度変化の関係を求め
ておき、処理対象物のそれぞれについて必要とされる最
終濃度に応じて決定すればよい。
【0032】この方法を用いると、有害物を無機固体に
付着させた状態で取り出すことができ、その取扱いが容
易になり、かつ、これらの無機固体が粉砕効果を高めて
反応を促進するので、無害化処理効率も向上する。
【0033】本発明の無害化処理方法の他の一つは、有
機塩素系有害物に汚染された物質中の有機塩素系有害物
を有機溶媒で抽出し、次いで、抽出後の液に酸化カルシ
ウムおよび酸化カルシウムを含有する物質のうちの少な
くとも一方を混合した後、有機溶媒を揮発除去し、その
残渣をメカノケミカル処理する方法である。
【0034】この方法においても、水分を除去しておく
のが望ましく、例えば、抽出後の液に無水硫酸マグネシ
ウム、無水硫酸ナトリウム、無水硫酸カルシウム等の粉
末(脱水剤)を添加して脱水処理を行うのが好適であ
る。その後、脱水剤を濾別除去し、残った液に酸化カル
シウムおよび/または酸化カルシウムを含有する物質を
混合し、以下、上記の操作を行う。
【0035】この方法を用いると、酸化カルシウムおよ
び/または酸化カルシウムを含有する物質に付着させた
状態で有害物を取り出すことができ、その取扱いが容易
になり、かつ、酸化カルシウムや酸化カルシウムを含有
する物質と処理対象物との分散混合が促進され、無害化
処理効率も向上する。
【0036】酸化カルシウム(酸化カルシウム含有物質
を混合した場合は、その中の酸化カルシウム)の混合量
は、多いほど短時間で有機塩素系有害物に汚染された物
質に含まれる有機塩素系有害物の濃度を低下させること
ができる。前述したように、有機塩素系有害物から離脱
した塩素と酸化カルシウムとが反応して安定な塩化カル
シウムを生成するが、酸化カルシウムの混合量が、この
塩化カルシウム生成の反応式から求められる酸化カルシ
ウムのモル数(これを、ここでは「反応当量」という)
の2倍以上になるように酸化カルシウムおよび/または
酸化カルシウム含有物質を混合すれば、メカノケミカル
処理によって効率的に無害化することができる。なお、
処理後は、有機塩素系有害物から除かれた塩素は塩化カ
ルシウムになっているので、そのまま投棄しても害はな
い。
【0037】上記本発明の無害化処理方法において、酸
化カルシウムおよび/または酸化カルシウムを含有する
物質とともに酸化アルミニウムや二酸化珪素を含有する
物質、例えばボーキサイト、アルミナ煉瓦、珪砂、珪石
煉瓦等を混合すれば、反応が促進されるので望ましい。
さらに、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化クロム、
炭化シリコン等も同様の反応促進効果を示すが、酸化ア
ルミニウムや二酸化珪素の混合物、化合物が安価で、か
つ無害である。
【0038】前記の酸化カルシウムを含有する物質とし
ては、鉄鋼スラグを使用することができる。鉄鋼スラグ
としては、前記のように、例えば、高炉スラグ、転炉ス
ラグ、取鍋残留スラグ、電気炉スラグ、二次精錬スラ
グ、取鍋精錬スラグ等があげられるが、特に、酸化アル
ミニウムや二酸化珪素を含むスラグを用いる方が反応が
促進されるので好ましい。
【0039】酸化カルシウム、酸化カルシウムを含有す
る物質、酸化アルミニウムや二酸化珪素を含有する物質
にあらかじめ粉砕処理(予備粉砕処理)を施しておけ
ば、メカノケミカル反応を促進することができる。この
場合、粒径5mm以下に粉砕しておくのが好ましく、前
述した水分の影響を考慮すると、予備粉砕した直後に処
理対象物に混合するのが望ましい。例えば、粒径1mm
以下まで予備粉砕したとしても、1週間以上保管したも
のを使用すると、吸湿現象と表面の活性度の低下により
反応速度は著しく低下するからである。
【0040】本発明の無害化処理方法で使用できる粉砕
機としては、ボールミル、遊星型ボールミル、アトライ
ターミル、ロッドミル、ロールミル、クラッシャーミル
等があげられる。この中でも重力加速度の数倍以上の衝
撃が与えられるタイプの粉砕機、例えば遊星型ボールミ
ルが好ましい。粉砕容器および粉砕用のボールの材質
は、特に限定されることはないが、ステンレス鋼、クロ
ム鋼、タングステンカーバイト、メノウ等が望ましい。
【0041】上記本発明の方法によれば、現実に存在し
ているダイオキシン類、ポリ塩化ビフェニル、DDT等
の有機塩素系有害物に汚染された物質で、特に土壌等を
始めとする比較的低濃度の汚染を受けた物質を、短時間
で、酸化カルシウムや酸化カルシウム含有物質等の使用
量も少なく、効率的に無害化処理することができる。
【0042】
【実施例】(実施例1)ダイオキシン類に汚染されてい
る土壌1kgにトルエン3リットルを加え、攪拌槽で約
1時間抽出を行った後、濾過して土壌を取り除き、取り
除いた土壌の内の約50gを抽出した液に戻した。その
液からエバポレーターで有機溶剤を揮発除去し、得られ
た残渣を110℃で約2時間乾燥し、デシケーター内で
常温まで冷却した。このとき得られた残渣は約86gで
あった。その後、この残渣にあらかじめ粉砕しておいた
酸化カルシウム100gを混合し、遊星ボールミルで4
時間のメカノケミカル処理を行い、得られた混合試料に
ついて、GC−MS(ガスクロマトグラフ質量分析計)
によりダイオキシンの分析を実施した。なお、分析は、
ダイオキシン類に汚染されている土壌および溶媒抽出残
渣についても行った。
【0043】表1にダイオキシンの分析結果を示す。
【0044】
【表1】
【0045】この実施例では、100gの酸化カルシウ
ムで1kgの土壌の処理が可能であった。しかし、土壌
を直接処理する場合は、約1kgの酸化カルシウムが必
要であり、また、この実施例で使用した200gを処理
単位とする遊星ボールミルで処理すると、10回の処理
が必要で、全量の処理には40時間を要することとな
る。
【0046】(実施例2)ポリ塩化ビフェニルに汚染さ
れている土壌1kgにトルエン3リットルを加え、攪拌
槽で約1時間抽出を行った後、濾過して土壌を取り除
き、抽出後の液に無水硫酸ナトリウムの粉末を100g
加えて脱水処理を行った。次いで、脱水剤を濾過して除
去し、残った抽出後の液に高炉徐冷スラグ60gを加え
て攪拌した後、その液からエバポレーターで有機溶媒を
揮発除去し、残渣を高炉スラグに付着させた状態で取り
出した。このとき得られた残渣は約83gであった。そ
の後、この残渣に遊星ボールミルで4時間のメカノケミ
カル処理を施し、得られた混合試料について、GC−M
Sによりポリ塩化ビフェニルの分析を実施した。なお、
分析は、ポリ塩化ビフェニルに汚染されている土壌およ
び溶媒抽出残渣についても行った。また、高炉徐冷スラ
グは、あらかじめ予備粉砕処理を行って粒径5mm以下
にしたものを使用した。
【0047】表2にポリ塩化ビフェニルの分析結果を示
す。
【0048】
【表2】
【0049】この実施例では、60gの高炉スラグで4
時間のメカノケミカル処理を行い、1kgの土壌の処理
が可能であったが、土壌を直接処理する場合は、この実
施例で使用した200gを処理単位とする遊星ボールミ
ルで処理すると、10回の処理が必要で、全量の処理に
は40時間を要することとなる。
【0050】
【発明の効果】本発明の無害化処理方法によれば、ダイ
オキシン類、ポリ塩化ビフェニル、DDT等の有機塩素
系有害物に汚染された物質で、特に土壌等を始めとする
比較的低濃度の汚染を受けた物質を、短時間で、酸化カ
ルシウム等の使用量も少なく、効率的に無害化処理する
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B09C 1/02 B09C 1/08 B09B 3/00 A62D 3/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機塩素系有害物に汚染された物質中の有
    機塩素系有害物を有機溶媒で抽出し、抽出後の液に酸化
    アルミニウムおよび二酸化珪素を含有する物質のうちの
    少なくとも一方を混合し、その後有機溶媒を揮発除去
    し、有機溶媒を除去した後の残渣と、酸化カルシウムお
    よび酸化カルシウムを含有する物質のうちの少なくとも
    一方とを混合し、メカノケミカル処理することを特徴と
    する有害物に汚染された物質の無害化処理方法。
  2. 【請求項2】有機塩素系有害物に汚染された物質中の有
    機塩素系有害物を有機溶媒で抽出し、抽出後の液に酸化
    カルシウムおよび酸化カルシウムを含有する物質のうち
    の少なくとも一方を混合した後、その混合した液から有
    機溶媒を揮発除去し、前記有機溶媒を除去した後の残渣
    をメカノケミカル処理することを特徴とする有害物に汚
    染された物質の無害化処理方法。
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