JP3423736B2 - 金属触媒担体の端部溶接方法 - Google Patents

金属触媒担体の端部溶接方法

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純朋 猪俣
市郎 橋本
宏明 市川
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Denso Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は金属触媒担体、特にハニ
カム状の触媒コアを備えた金属触媒担体の端部溶接方法
に関するものである。 【0002】 【従来の技術】自動車の排気ガス通路に設置される触媒
担体として、金属製のものが多く用いられるようになっ
てきた。金属製の触媒担体は、セラミック製のものに比
べ、昇温特性がよいこと、および圧力損失を小さくでき
ることにおいて有利である。 【0003】金属製の触媒担体は一般に、図4に示すよ
うに、金属薄板の平板3と波板4を交互に渦巻き状に巻
き回して形成したハニカム状の触媒コア2を、金属筒体
のケーシング1に収納して構成されている。そして平板
3と波板4とを結合する方法として、触媒コア2の両端
にレーザ光を端面に対してほぼ垂直方向から照射し、平
板3と波板4の端部を溶接する方法がとられている(例
えば特開昭63−268583号)。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この溶
接方法では、端面からの溶け込み深度は0.1〜0.3
mm程度しか得られず、これ以上の深度を得ようとしてレ
ーザパワーを上げると溶損が生じる。従って溶接強度は
必ずしも充分でなく、排気ガスの温度変化による熱衝撃
や、振動等の繰り返しで、溶接部に剥離が生じるおそれ
がある。 【0005】そこで本発明は、触媒コアの両端で、平板
と波板とを、剥離のおそれがないように強固に溶接する
方法を提供することを課題としてなされたものである。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は図1に例示する
ように、金属薄板の平板3Aと波板4Aを交互に渦巻状
に巻き回した触媒コア2を、その両端を円錐状にして筒
状のケーシング1に挿置する。これにより両円錐状端部
20a,20bには、平板3Aと波板4Aの巻き層間に
帯状に連続する段差部5が形成され、この段差部5に沿
って平板3Aと波板4Aとを溶接するのである。溶接手
段としてはレーザビーム等の高密度エネルギービーム7
の他、アーク放電等の手段を用いることができ、平板3
Aと波板4Aの重ね方向にビームを照射し、またアーク
を発生させる。 【0007】 【作用】段差部5で溶接することにより、充分な溶接長
さを得ることができ、高強度で耐久性のある溶接が可能
となる。 【0008】 【実施例1】図1に本発明の第1の実施例を示す。図1
(A)に示すように、金属薄板の平板3Aと波板4Aを
重ねて順次巻き回してハニカム状の触媒コア2Aを形成
し、これを金属製筒体のケーシング1内に圧入する。そ
して、触媒コア2Aの一方の端面に図略の円錐体を押し
込むことで、押出され側にはケーシング1から突出する
円錐状端部20aが形成され、押込まれ側には凹状の円
錐状端部20bが形成される。 【0009】図1(B)は円錐状端部20aの一部を拡
大して示すもので、平板3Aと波板4Aの端縁間には、
全巻き層にわたって渦巻き状に連続する帯状の段差部5
が形成される。 【0010】次に、このようにして構成された触媒担体
を軸心を中心に矢印E方向に回転させ、両円錐状端部2
0a,20bの段差部5にレーザビーム7を、平板3A
と波板4Aの重ね方向から照射する。そしてビーム7を
矢印F方向に移動させることにより、段差部5に沿って
連続的に平板3Aと波板4Aを溶接する。 【0011】この場合、触媒担体の回転速度が一定で
は、円錐状端部20a,20bの周速度は大径側から小
径側へと変化して溶接条件が異ってくるため、触媒担体
の回転速度およびレーザビーム7の移動速度を、段差部
5の全長にわたり溶接条件が均一となるように調整す
る。 【0012】しかして、この溶接方法によれば段差部5
の幅Lの溶接長さが得られる。そして溶接長さを0.5
mmないしそれ以上とすることにより、剥離のない溶接強
度を得ることができる。 【0013】 【実施例2】図3(A)に示す幅が連続的に変化するテ
ーパ状の平板3Bと、図3(B)に示す平板3Aよりも
若干幅の狭いテーパ状の波板4Bとを、図3(C)に示
すように重ね合わせ、幅の広い側を巻き芯として巻き回
す。 【0014】このようにして得られた触媒コア2Bは両
端が円錐状となり、図2に示すように、筒状のケーシン
グ1に、両端の円錐状端部20c,20dがケーシング
1の両端から突出するように圧入する。 【0015】両円錐状端部20c,20dには、平板3
Bと波板4Bとの幅の差によって決定される幅の連続す
る段差部5が形成され、この段差部5で、上記実施例と
同一の方法で平板3Bと波板4Bを溶接する。 【0016】本実施例では上記段差部5の全長にわたっ
て、その幅を先の実施例よりも更に均一にすることがで
きる。 【0017】以上の実施例では、溶接手段としてレーザ
ビームを用いたが、本発明ではレーザビーム以外の高密
度エネルギービーム、例えば電子ビームによる溶接や、
アーク放電による溶接、例えばTIG溶接を適用するこ
とができる。 【0018】 【発明の効果】本発明によれば、金属触媒担体の平板と
波板の端部を、作業性よく、かつ剥離のないように、強
固に溶接することができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】図1(A)は本発明の溶接方法が適用される触
媒担体の一部切欠き斜視図、図1(B)は図1(A)の
要部拡大図である。 【図2】本発明の溶接方法が適用される他の触媒担体の
一部切欠き斜視図である。 【図3】図3(A)および図3(B)は図2の触媒担体
に用いられる平板および波板の平面図、図3(C)は平
板と波板を重ねた状態を示す平面図である。 【図4】従来の触媒担体の斜視図である。 【符号の説明】 1 外筒 2A,2B 触媒コア 20a,20b,20c,20d 触媒コアの円錐状端
部 3A,3B 平板 4A,4B 波板 5 段差部 7 レーザビーム
フロントページの続き (72)発明者 市川 宏明 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式 会社日本自動車部品総合研究所内 (72)発明者 西村 養 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−268583(JP,A) 実開 平2−50114(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 21/00 - 38/74 B01D 53/86,53/94 B23K 9/025 B23K 26/00

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 金属薄板の平板および波板を交互に巻き
    回した触媒コアを、その両端を円錐状にして筒状のケー
    シング内に挿置し、円錐状端部に形成される巻き層間の
    帯状の段差部に沿って、平板と波板を高密度エネルギー
    ビームまたはアーク放電にて溶接することを特徴とする
    金属触媒担体の端部溶接方法。
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