JP3423613B2 - パルプモールド成形体の製造方法 - Google Patents

パルプモールド成形体の製造方法

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JP3423613B2 JP08759298A JP8759298A JP3423613B2 JP 3423613 B2 JP3423613 B2 JP 3423613B2 JP 08759298 A JP08759298 A JP 08759298A JP 8759298 A JP8759298 A JP 8759298A JP 3423613 B2 JP3423613 B2 JP 3423613B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、包装用緩衝材とし
て使用される、柔軟性に富み、復元力に優れたパルプモ
ールド成形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】セルロース系パルプスラリーを成形原料
とするパルプモールド成形体は、主として新聞、雑誌、
段ボール、コピー用紙等の古紙を原料として製造され、
通気性、吸湿性に優れ、固定性、緩衝性があり、また使
用済みのパルプモールドはリサイクルでき焼却による廃
棄物処分も容易に行える等の優れた性質を有するため、
鶏卵用、リンゴ、メロン等の農産物用、びん詰めや缶詰
め等のギフトパッケージ用、或いは小形家電用品、機械
部品用等の緩衝固定材や緩衝包装材として広く利用され
ている。
【0003】また、最近は、緩衝能力が高く、強度も優
れ成形性も良好な発泡スチレンを代表とする合成樹脂発
泡成形体が緩衝包装材として急速に利用されているが、
農産物に対する通気性、吸湿性に難があり、また廃棄物
の環境への影響を考えると問題がある。
【0004】一方、現在使用されているセルロース系の
パルプモールド成形体は、一般的にはみかけ密度0.3
0g/cm3 以上と比較的高く、柔らかさに欠け弾力性
に乏しいため、例えば精密な電子部品等の緩衝包装材と
しては向いていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】こうしたセルロース系
パルプモールド成形体の欠点を解決する方法として、パ
ルプスラリー中に柔軟剤を含有させる方法(特許第25
73142号)、繊維の細片を含有させる方法(特開昭
59−36800号、特開平9−49200号)、乾式
不織布の細片を含有させる方法(特開平9−13300
号)、水性の接着剤と分解温度が100℃以下の発泡剤
を含有させ発泡させる方法(特開平7−41588
号)、中空粒子を用いる方法(特開平3−124895
号、特公昭52−39924号)、発泡性マイクロカプ
セルを添加する方法(特開平5−230798号、特開
平6−58155号、特開平8−92898号)、カー
ルドファイバーを添加する方法(特開平9−41300
号)、プラスチック砕片及びガラス繊維等を添加して混
抄する方法(特開昭63−12798号)等が提供され
ている。
【0006】しかしながら、これらの低密度成形体は合
成樹脂発泡成形体ほどではないが柔軟性、弾力性を有す
るものの、この柔軟性,弾力性は構造強度の弱体を招
き、その結果内包物の固定性に劣るものとなり、また、
物流過程における衝撃によりパルプモールド成形体が破
損し、内包物を傷めることが多くあった。これらの欠点
を補う手段としてパルプモールド成形体表面を樹脂フイ
ルム等で覆う方法(特開昭51−137571号、特開
平3−49929号)が提案されているが、かかる方法
ではいずれもパルプモールド成形体の特徴である通気
性,吸湿性が犠牲にされることとなる。
【0007】また、柔軟性と固定性を有するパルプモー
ルド成形体の製造方法として、紙質の異なるパルプを2
層抄きすることにより、柔軟性と弾力性のある層と構造
強度のある層の2層構造とする方法(特許第25731
42号、特公昭51−34002号)が提案されている
が、柔軟性、弾力性で合成樹脂発泡成形体に比べ十分と
はいえない。
【0008】本発明は上記問題点に鑑み、研究の結果、
パルプモールド成形体の製造方法において、一般的なセ
ルロース系パルプとプラスチックフイルム砕片を積層し
た2層構造とすることにより、上記の問題点が解決され
ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】本発明の目的は、全体に柔軟性,弾力性,
通気性,吸湿性に富み、且つ構造強度があり、更には使
用後の再利用の容易なパルプモールド成形体を、多くの
設備と複雑な工程を要することなく製造する方法を提供
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係るパルプモー
ルド成形体の製造方法は、成形型上にセルロース系パル
プスラリーを堆積してパルプ層を形成した後、このパル
プ層上にプラスチックフイルム砕片に対しセルロース系
パルプを1〜30重量%含むプラスチックフイルム砕片
スラリーを堆積してフイルム層を形成することにより積
層成形体を成形し、該積層成形体を乾燥することを特徴
とする。
【0011】また、本発明に係るパルプモールド成形体
の他の製造方法は、成形型上に、プラスチックフイルム
砕片に対しセルロース系パルプを1〜30重量%含むプ
ラスチックフイルム砕片スラリーを堆積してフイルム層
を形成した後、このフイルム層上にセルロース系パルプ
スラリーを堆積してパルプ層を形成することにより積層
成形体を成形し、該積層成形体を乾燥することを特徴と
する。
【0012】これらの方法により製造されたパルプモー
ルド成形体は、パルプ層の構造強度がフイルム層により
補強されることになり、パルプ層が柔軟性,弾力性に富
む反面、構造強度の弱いものであっても、フイルム層に
よる補強により構造強度のあるパルプモールド成形体が
得られる。
【0013】更に、パルプ層の構造強度を補強するフイ
ルム層を形成するプラスチックフイルム砕片スラリー
は、プラスチックフイルム砕片に対してセルロース系パ
ルプを1〜30重量%含ませたので、プラスチックフイ
ルム砕片の間にパルプ繊維が入り込み、プラスチックフ
イルム砕片の分散性が向上し、これにより形成されたフ
イルム層にあってはプラスチックフイルム砕片間に十分
な隙間が生じ、これが柔軟性,弾力性,通気性を与える
ものとなり、パルプ層が本来的に有する通気性,吸湿性
とあいまって全体として柔軟性,弾力性,通気性,吸湿
性に富むパルプモールド成形体が得られる。また、フイ
ルム層は、プラスチックフイルムが砕片化された状態で
積層されているので、使用後の回収,再利用が容易とな
る。
【0014】前記プラスチックフイルムにあっては、熱
可塑性樹脂フイルムであるとよい。プラスチックフイル
ムを熱可塑性樹脂とすることにより、パルプ層とフイル
ム層の積層成形体を乾燥のために加熱したとき、フイル
ム層の熱可塑性樹脂フイルム砕片の表面が溶融して互い
に接着し構造強度のあるパルプモールド成形体が得られ
る。
【0015】また、前記プラスチックフイルムの厚さに
あっては、5〜250μmとするとよい。プラスチック
フイルムの厚さを5μm以上とすることにより、プラス
チックフイルムの砕片化が容易となる。また、250μ
m以下とすることにより、プラスチックフイルム砕片の
水分散性も良く、柔軟性,弾力性に富むパルプモールド
成形体が得られる。
【0016】また、前記プラスチックフイルム砕片の長
径にあっては0.25〜7.00mmとするとよい。プ
ラスチックフイルム砕片の長径を0.25〜7.00m
mとすることにより成形型上でのフイルム層の形成が容
易となり、またプラスチックフイルム砕片の水分散性も
良く、柔軟性、弾力性に富むパルプモールド成形体が得
られる。
【0017】また、前記積層成形体の乾燥温度にあって
は、プラスチックフイルム砕片の溶融温度以上であると
よい。積層成形体の乾燥温度をプラスチックフイルム砕
片の溶融温度以上とすることにより、乾燥時にフイルム
層のプラスチックフイルム砕片の表面が溶融して互いに
接着し、構造強度のあるパルプモールド成形体が得られ
る。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は本発明により製造されたパ
ルプモールド成形体の一例を示す断面図であり、同図に
より本発明に係るパルプモールド成形体の製造方法の実
施の形態の一例を説明する。
【0019】本発明に係るパルプモールド成形体の製造
方法は、凹凸面を有する金網等の通気性成形型をセルロ
ース系パルプスラリーに投入して適宜の厚さにセルロー
ス系パルプを吸引堆積させてパルプ層1を形成する(第
1層)。次に、このパルプ層1を離型することなく直ち
に、プラスチックフイルム砕片に対しセルロース系パル
プを1〜30重量%含むプラスチックフイルム砕片スラ
リーに投入してセルロース系パルプを含むプラスチック
フイルム砕片を適宜の厚さに吸引堆積させてフイルム層
2を形成し(第2層)、パルプ層1とフイルム層2の積
層成形体3を成形する。この積層成形体3を離型・乾燥
することによりパルプモールド成形体を得る。
【0020】本例では、先ずパルプ層1を形成し、その
上にフイルム層2を形成して積層成形体3を成形してい
るが、この積層順序を逆にしてもよい。即ち、先ず通気
性成形型上にフイルム層を形成し、その上にパルプ層を
形成して積層成形体を形成してもよい。
【0021】前記セルロース系パルプスラリーのセルロ
ース系パルプとしては、針葉樹、広葉樹の化学パルプ、
或いはグランドパルプ、サーモメカニカルパルプ系の機
械パルプの他、古紙パルプ、コットンパルプ、リンター
パルプ、ケナフパルプ等の漂白品、未漂白品、未DP解
品、DP解品を挙げることができるが、特に限定される
ものではない。
【0022】セルロース系パルプスラリーの濃度として
は0.2〜5%程度が良好である。またセルロース系パ
ルプスラリーには、柔軟性を得るために、編布、不織
布、ティッシュ等に柔軟な風合を与えるためのものとし
て通常使用されている薬剤、例えば界面活性剤、ワック
スエマルジョン等の柔軟剤を適宜加えることが望まし
い。
【0023】また、前記プラスチックフイルム砕片スラ
リーのプラスチックフイルムにあっては、熱可塑性樹脂
フイルムであるとよい。この熱可塑性樹脂としては、ポ
リ塩化ビニル、ポリ塩化ビニルデン、ポリスチレン、ポ
リエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ビニロ
ン、ポリオレフィン等を用いることができる。
【0024】これらの熱可塑性樹脂フイルムは、工場に
て直接生産されたものを使用するだけでなく、農業用ビ
ニールハウス、マルチフイルム、ストレッチフイルム等
の廃棄物や回収された紙器容器等から得たラミネートフ
イルム等を利用することができる。特に紙器容器から
は、ラミネートフイルム及びパルプを分離採取できるの
で非常に有用である。
【0025】前記プラスチックフイルムの砕片は、上記
の樹脂フイルムをカッター等の粉砕機を用いて粉砕する
ことで得ることができる。この砕片の大きさにあって
は、フイルム砕片の長径が0.25〜7.00mmであ
ることが望ましい。0.25mm以下ではフイルム層を
第1層としたとき、積層時にフイルム砕片が通気性成形
型を通過してしまい、積層が難しく、また得られるパル
プモールド成形体の柔軟性、弾力性も劣り、更には構造
強度も得られない。一方、7.00mm以上では、フイ
ルム砕片の水分散性が悪く、このフイルム砕片が片寄っ
て積層されるため、得られるパルプモールド成形体全体
としての柔軟性や弾力性が低下する。
【0026】上記プラスチックフイルム砕片の水分散ス
ラリーを得る際に、セルロース系パルプをプラスチック
フイルム砕片に対し1〜30重量%加えるとよい。この
ようにセルロース系パルプを加えることにより、プラス
チックフイルム砕片の間にパルプ繊維が入り込みプラス
チックフイルム砕片の水への分散性が著しく向上し、更
にはこれにより形成されたフイルム層にあって、プラス
チックフイルム砕片間に十分な隙間が生じこれが柔軟
性,弾力性,通気性を与えるものとなり、全体として柔
軟性,弾力性,通気性,吸湿性に富むパルプモールド成
形体が得られる。
【0027】前記セルロース系パルプの添加量として
は、プラスチックフイルム砕片に対して1重量%以下で
は上記効果は望めず、また30重量%以上では柔軟性、
弾力性も劣化する。
【0028】また、前記プラスチックフイルムの厚さに
あっては、5〜250μmが望ましい。5μm以下では
砕片化の際プラスチックフイルムが熱溶融してしまい砕
片化が難しく、一方250μm以上では水分散に安定性
を欠き、このプラスチックフイルム砕片が片寄って積層
されるため、得られるパルプモールド成形体全体として
の柔軟性や弾力性が低下する。
【0029】前記通気性成形型に積層されたパルプ層1
とフイルム層2からなる積層成形体3を離型し、これを
強制乾燥させパルプモールド成形体を得るが、積層成形
体3の乾燥温度はプラスチックフイルム砕片の溶融温度
以上であることが望ましい。積層成形体の乾燥温度をプ
ラスチックフイルム砕片の溶融温度以上とすることによ
り、乾燥時にフイルム層のプラスチックフイルム砕片の
表面が溶融して互いに接着し、構造強度のあるパルプモ
ールド成形体が得られる。
【0030】乾燥温度がプラスチックフイルム砕片の溶
融温度より低いと、パルプモールド成形体からプラスチ
ックフイルム砕片が簡単に剥れ落ちて成形体を構成する
ことが困難になる。乾燥温度の上限にあっては特に制限
されるものではないがパルプ層の乾燥状態、プラスチッ
クフイルム砕片の溶融状態から判断して適宜選択する必
要がある。通常は120℃〜280℃で15分から1分
の乾燥条件が選択される。
【0031】上記のようにして製造されたパルプモール
ド成形体は、包装用緩衝材として望まれる柔軟性、弾力
性,通気性,吸湿性と構造強度を兼ね備えた性質を実現
することができ、更に、フイルム層のプラスチックフイ
ルムは砕片化された状態で積層されるので、使用後の回
収,再利用が容易となる。
【0032】
【実施例】[実施例1] A.セルロース系パルプスラリーの調整 牛乳用紙器飲料容器のリサイクルから得たパルプを1重
量%パルプスラリーになるよう調整した後、このパルプ
の1.2重量%に相当する市販のペーパー用柔軟剤(脂
肪酸ポリアミドアミン活性剤:バイボリュームPリキッ
ド:バイエル株式会社)を添加し、本発明で用いるセル
ロース系パルプスラリーを調整した。 B.熱可塑性プラスチックフイルム砕片スラリーの調整 牛乳用紙器飲料容器のリサイクルから得た剥離ポリエチ
レンフイルム(厚さ12μm〜20μm、融点106
℃)をターボカッター(ターボ工業株式会社製)で粉砕
し、平均長径1.8mmのプラスチックフイルム砕片を
得た。次に、ここで得たプラスチックフイルム砕片に別
途牛乳用紙器飲料容器のリサイクルから得たパルプを、
プラスチックフイルム砕片に対して20重量%添加し、
全体の濃度(プラスチックフイルム砕片とパルプを合わ
せた濃度)が0.5重量%にあるように調整した。 C.成形型の形状 縦3個、横4個の下半球状の凹状部を有する縦300m
m、横450mm、深さ70mm形状の手抄機用金型を
用いた。 D.成形方法 手抄機用金型をセルロース系パルプスラリーに投入後、
手抄機の吸水バルブを開き、減圧度−650mmHgで
2分間吸引してパルプ層を堆積形成した。次に、パルプ
層を離型することなく直ちに手抄機用金型をプラスチッ
クフイルム砕片スラリーに投入し、減圧度−650mm
Hgで2分30秒吸引することによりフイルム層をパル
プ層の上に堆積形成し、さらに余分な水分を吸引除去
後、離型した。
【0033】次に、離型した未乾燥の積層成形体を15
5℃の熱風ドライヤー中で5分間乾燥し、乾燥量215
g/個のパルプモールド成形体を得た。
【0034】このようにして、得られたパルプモールド
成形体におけるパルプとプラスチックフイルム砕片の比
は、解繊して分析した結果、パルプ130g、プラスチ
ックフイルム砕片85gで、パルプとプラスチックフイ
ルム砕片の割合はほぼ3対2であった。パルプとプラス
チックフイルム砕片の割合は、本発明のパルプモールド
成形体が正しく抄造されたか否かを判断する目安とな
り、この比が極端にどちらか一方に片寄っている場合
は、その他方の材料が金型上に予定通り積層されずに透
過したと考えられる。
【0035】[実施例2] A.セルロース系パルプスラリーの調整 実施例1における牛乳用紙器飲料容器に代えて市販のラ
ミネート形印刷用紙(商品名 オーパー:日本製紙株式
会社製)から得たパルプを実施例1と同様にしてセルロ
ース系パルプスラリーに調整した。 B.熱可塑性プラスチックフイルム砕片スラリーの調整 上記ラミネート形印刷用紙より剥離したポリプロピレン
フイルム(厚さ20μm、融点139℃)を実施例1と
同様にして平均長径2.5mmの砕片に粉砕した後、別
途、上記印刷用紙から得たパルプをプラスチックフイル
ム砕片に対して20重量%添加し、実施例1と同様にし
てプラスチックフイルム砕片スラリーに調整した。 C.成形型の形状 実施例1と同様の金型を用いた。 D.成形方法 熱風乾燥温度を160℃に設定した点を除き、実施例1
と同様な方法で、乾燥量220g/個のパルプモールド
成形体を得た。このようにして、得られたパルプモール
ド成形体は、パルプとして133g、プラスチックフイ
ルム砕片として87gで、その割合はほぼ3対2であっ
た。
【0036】[実施例3]セルロース系パルプスラリー
を金型に積層する際の吸引時間、及び/又は熱可塑性プ
ラスチックフイルム砕片スラリーをパルプスラリー上に
積層する際の吸引時間を変更したほかは実施例1と同様
にして乾燥量207g/個のパルプモールド成形体を得
た。このようにして、得られたパルプモールド成形体
は、パルプとプラスチックフイルム砕片の割合がほぼ8
対7であった。
【0037】[実施例4]セルロース系パルプスラリー
を金型に積層する際の吸引時間、及び/又は熱可塑性プ
ラスチックフイルム砕片スラリーをパルプスラリー上に
積層する際の吸引時間を変更したほかは実施例1と同様
にして乾燥量219g/個のパルプモールド成形体を得
た。このようにして、得られたパルプモールド成形体
は、パルプとプラスチックフイルム砕片の割合がほぼ3
対1であった。
【0038】[実施例5] A.セルロース系パルプスラリーの調整 実施例1と同様にしてセルロース系パルプスラリーを調
整した。 B.熱可塑性プラスチックフイルム砕片スラリーの調整 ポリエチレンテレフタレートフイルム(厚さ15μm)
を実施例1と同様にして平均長径3.1mmの砕片に粉
砕した後、実施例1と同様にしてプラスチックフイルム
砕片スラリーに調整した。 C.成形型の形状 実施例1と同様の金型を用いた。 D.成形方法 熱風乾燥温度を262℃に設定した点を除き、実施例1
と同様な方法で、乾燥量216g/個のパルプモールド
成形体を得た。このようにして、得られたパルプモール
ド成形体は、パルプとプラスチックフイルム砕片の割合
がはほぼ3対2であった。
【0039】[実施例6] A.セルロース系パルプスラリーの調整 実施例1と同様にしてセルロース系パルプスラリーを調
整した。 B.熱可塑性プラスチックフイルム砕片スラリーの調整 実施例1と同様にしてプラスチックフイルム砕片スラリ
ーを調整した。 C.成形型の形状 実施例1と同様の金型を用いた。 D.成形方法 手抄機用金型をプラスチックフイルム砕片スラリーに投
入してフイルム層を堆積形成した後、フイルム層を離型
することなく直ちにセルロース系パルプスラリーに投入
してパルプ層をフイルム層の上に堆積形成した点を除
き、実施例1と同様な方法で、乾燥量222g/個のパ
ルプモールド成形体を得た。このようにして、得られた
パルプモールド成形体は、パルプとプラスチックフイル
ム砕片の割合がほぼ3対2であった。
【0040】[比較例1] A.セルロース系パルプスラリーの調整 実施例1と同様にしてセルロース系パルプスラリーを調
整した。 B.熱可塑性プラスチックフイルム砕片スラリーの調整 プラスチックフイルム砕片の平均長径が0.2mmとし
たことを除き、実施例1と同様にしてプラスチックフイ
ルム砕片スラリーを調整した。 C.成形型の形状 実施例1と同様の金型を用いた。 D.成形方法 実施例1と同様な方法で、乾燥量183g/個のパルプ
モールド成形体を得た。このようにして、得られたパル
プモールド成形体は、パルプとプラスチックフイルム砕
片の割合がほぼ3対2であった。
【0041】[比較例2] A.セルロース系パルプスラリーの調整 実施例1と同様にしてセルロース系パルプスラリーを調
整した。 B.熱可塑性プラスチックフイルム砕片スラリーの調整 プラスチックフイルム砕片の平均長径を8.3mmとし
たことを除き、実施例1と同様にしてプラスチックフイ
ルム砕片スラリーを調整した。 C.成形型の形状 実施例1と同様の金型を用いる。 D.成形方法 実施例1と同様な方法で、乾燥量200g/個のパルプ
モールド成形体を得た。このようにして、得られたパル
プモールド成形体は、パルプとプラスチックフイルム砕
片の割合がほぼ3対2であった。
【0042】[比較例3] A.セルロース系パルプスラリーの調整 実施例1と同様にしてセルロース系パルプスラリーを調
整した。 B.熱可塑性プラスチックフイルム砕片スラリーの調整 厚さ300μmのポリエチレンフイルムを用い、これを
平均長径3.1mmの砕片に粉砕したことを除き、実施
例1と同様にしてプラスチックフイルム砕片スラリーを
調整した。 C.成形型の形状 実施例1と同様の金型を用いた。 D.成形方法 実施例1と同様な方法で、乾燥量174g/個のパルプ
モールド成形体を得た。 このようにして、得られたパ
ルプモールド成形体は、パルプとプラスチックフイルム
砕片の割合がほぼ3対2であった。
【0043】[比較例4] A.セルロース系パルプスラリーの調整 実施例1と同様にしてセルロース系パルプスラリーを調
整した。 B.熱可塑性プラスチックフイルム砕片スラリーの調整 実施例1と同様にしてプラスチックフイルム砕片スラリ
ーを調整した。 C.成形型の形状 実施例1と同様の金型を用いた。 D.成形方法 熱風乾燥温度を102℃に設定した点を除き、実施例1
と同様な方法で、乾燥量218g/個のパルプモールド
成形体を得た。このようにして、得られたパルプモール
ド成形体は、パルプとプラスチックフイルム砕片の割合
がほぼ3対2であった。
【0044】[比較例5] A.セルロース系パルプスラリーの調整 実施例1と同様にしてセルロース系パルプスラリーを調
整した。 B.熱可塑性プラスチックフイルム砕片スラリーの調整 プラスチックフイルム砕片スラリー中にパルプを添加し
ていない点を除き、実施例1と同様にしてプラスチック
フイルム砕片スラリーを調整した。 C.成形型の形状 実施例1と同様の金型を用いた。 D.成形方法 実施例1と同様な方法で、乾燥量220g/個のパルプ
モールド成形体を得た。このようにして、得られたパル
プモールド成形体は、パルプとプラスチックフイルム砕
片の割合がほぼ3対2であった。
【0045】[比較例6]実施例1のパルプと実施例1
のプラスチックフイルム砕片を最初から混合してスラリ
ーに調整し、実施例1と同様の金型をスラリーに投入後
吸引して、パルプとプラスチックフイルム砕片の混合す
る単層を形成し、次に、離型した未乾燥の積層成形体を
155℃の熱風ドライヤー中で5分間乾燥し、乾燥量2
05g/個のパルプモールド成形体を得た。このように
して、得られたパルプモールド成形体は、パルプとプラ
スチックフイルム砕片の割合がほぼ3対2であった。
【0046】[比較例7]実施例1と同様にして調整し
たセルロース系パルプスラリーに実施例1と同様の金型
を投入後吸引して、パルプ層を形成し、次に、離型した
未乾燥の積層成形体を155℃の熱風ドライヤー中で5
分間乾燥し、乾燥量203g/個のパルプモールド成形
体を得た。
【0047】[比較例8]実施例1と同様にして調整し
たプラスチックフイルム砕片スラリーに実施例1と同様
の金型を投入後、乾燥量197g/個のフイルム層を形
成したが、これを金型から離型しようとした時点でモー
ルドは崩れてしまい、結局完全な成形体を得ることがで
きなかった。
【0048】[参考例1] 市販桃用発泡スチレン(PSP)成形品 [参考例2] 市販リンゴ用パルプモールド成形品 [試験]実施例1〜6及び比較例1〜8で得られたパル
プモールド成形体、及び参考例として挙げた市販のPS
P成形品とパルプモールド成形体の変形量、変形率、回
復率の試験結果とその性能評価を表1に示す。
【0049】表1 変形量、変形率、回復率は、圧縮試験機KES−G5
(カートーテック株式会社製)を用いて、250g/cm2
加重における変形量により求めた。 変形量=上記加重をかけた場合の変形度合(へこんだ深さ)(mm) 変形率=変形量÷もとの成形体の厚さ×100(%) 回復率=(変形量−最終変形量)÷変形量×100(%) 最終変形量とは加重を除去した後も残っている変形量をいう 性能評価 変形量0.15以下のもの×(変形率・回復率にかかわらず) 変形量0.15より大で 変形率25%以下、回復率45%以下のものを△ 変形率25%以下、回復率45%より大のものを○ 変形率25%より大、回復率45%より大のものを◎ と評価した。
【0050】
【発明の効果】以上のように本発明に係るパルプモール
ド成形体の製造方法によれば、包装用緩衝材として望ま
れる柔軟性、弾力性,通気性,吸湿性と構造強度といっ
た性質を実現することができ、従来合成樹脂発泡成形
体、例えば発泡スチレン成形体を使用せざるを得なかっ
た桃、枇杷などの傷付きやすい青果物の包装用緩衝材と
して好適である。更に、フイルム層のプラスチックフイ
ルムは砕片化された状態で積層されるので、使用後の回
収,再利用が可能となり、ゴミ処理問題に対しても再資
源化の有効な手段となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により製造されたパルプモールド成形体
の一例を示す断面図。
【符号の説明】
1 パルプ層 2 フイルム層 3 積層成形体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−288893(JP,A) 特開 昭53−79951(JP,A) 特開 平9−252932(JP,A) 特開 平10−77600(JP,A) 特開 平6−322700(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21J 1/00 - 7/00 B32B 1/00 - 35/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成形型上にセルロース系パルプスラリー
    を堆積してパルプ層を形成した後、このパルプ層上にプ
    ラスチックフイルム砕片に対しセルロース系パルプを1
    〜30重量%含むプラスチックフイルム砕片スラリーを
    堆積してフイルム層を形成することにより積層成形体を
    成形し、該積層成形体を乾燥することを特徴とするパル
    プモールド成形体の製造方法。
  2. 【請求項2】 成形型上に、プラスチックフイルム砕片
    に対しセルロース系パルプを1〜30重量%含むプラス
    チックフイルム砕片スラリーを堆積してフイルム層を形
    成した後、このフイルム層上にセルロース系パルプスラ
    リーを堆積してパルプ層を形成することにより積層成形
    体を成形し、該積層成形体を乾燥することを特徴とする
    パルプモールド成形体の製造方法。
  3. 【請求項3】 プラスチックフイルムが熱可塑性樹脂フ
    イルムであることを特徴とする請求項1又は2記載のパ
    ルプモールド成形体の製造方法。
  4. 【請求項4】 プラスチックフイルムの厚さが5〜25
    0μmであることを特徴とする請求項1又は2記載のパ
    ルプモールド成形体の製造方法。
  5. 【請求項5】 プラスチックフイルム砕片はその長径が
    0.25〜7.00mmであることを特徴とする請求項
    1又は2記載のパルプモールド成形体の製造方法。
  6. 【請求項6】 積層成形体の乾燥温度がプラスチックフ
    イルム砕片の溶融温度以上であることを特徴とする請求
    項1,2,3,4又は5記載のパルプモールド成形体の
    製造方法。
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