JP3421061B2 - プロペラファンおよびこれを備えた空気調和機 - Google Patents

プロペラファンおよびこれを備えた空気調和機

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JP3421061B2
JP3421061B2 JP22668292A JP22668292A JP3421061B2 JP 3421061 B2 JP3421061 B2 JP 3421061B2 JP 22668292 A JP22668292 A JP 22668292A JP 22668292 A JP22668292 A JP 22668292A JP 3421061 B2 JP3421061 B2 JP 3421061B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プロペラファンおよび
これを備えた空気調和機に係り、特に、性能,強度に優
れた上、製造が容易で運搬性にも優れ、省資源化に貢献
する構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、プロペラファンにおいて、ハブの
頭部に段差を設けて、製造および運搬性を良好にする技
術として、例えば、実開昭58−73998号公報、実
公昭54−26885号公報等が知られている。前者
は、ハブの一端側の外径を他端側の内径より若干小にし
たものであり、後者は、ハブの前径部に係合溝、後径部
に係合突起を備えたもので、ファンを積み重ねて梱包す
るのに便利となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術はプロペラファンのハブ部の風の流れを良好にし
て性能を向上させた上で、さらに積み重ね性を良くし、
翼の変形防止等を改良する点について配慮されていなか
った。また、ハブ部外周はプロペラファン前面の中央の
空気が流入し通過する部分なので、騒音の面から、ハブ
部外周形状は重要な要素であった。
【0004】本発明は、上記従来技術の問題点を解決す
るためになされたもので、風の流れを良好にするハブ形
状を得るとともに、ハブの頭部、リブ、ボスおよび翼の
形状改良により優れた性能とし、それに加えて製造作業
が容易で積み重ね性および強度を向上させ、運搬性の良
好なプロペラファンを提供することを、その目的とする
ものである。また、本発明の他の目的は、上記プロペラ
ファンを組立品として用い、製品をコンパクト化し、省
資源に貢献する空気調和機を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係るプロペラファンの構成は、ハブの周囲
に翼を有し、ハブの内方にリブと回転軸を嵌入すべき中
央のボスとを有するプロペラファンにおいて、前記ハブ
が、当該ハブの軸方向の一端の開口部と、他方の外方に
ハブの外径とわずかの段差を成して大きな丸みを有して
なる頭部と、この頭部に連続して段差部側から開口部側
に向かって内径を大にし肉厚の薄くなる円筒部とで形成
され、前記開口部の内径が前記段差部の外径よりわずか
に大きく、ファンの積み重ね時に、ハブの開口部側の円
筒部端が他方のファンの段差部に接するようにしたもの
である。ここで、円筒部端の肉厚は段差部近傍の肉厚よ
りも小であり、段差部の寸法が段差部近傍の肉厚よりも
小である。
【0006】より詳しくは、ハブの円筒部および頭部の
内側から中央のボスに至る放射状のリブを設け、開口部
側に位置するリブの開放端が、前記頭部の丸みに見合う
形状であり、翼の後縁部に、回転軸に対して少なくとも
ほぼ直角な直線的な部分を有する最後縁ラインを形成
し、ハブの頭部、またはその反対の開口部を前記翼の後
縁部とほぼ同一面にし、ハブの頭部中央に凹部を設ける
とともに、中央ボスの一端を開口部側にリブ開放端より
突出する凸部を形成し、ファンの積み重ね時に、前記凸
部が他方のファンの前記凹部に挿入可能にしたものであ
る。
【0007】また、上記他の目的を達成するために、本
発明に係る空気調和機の構成は、翼の後縁部に、回転軸
に対してほぼ直角あるいは直線的な後縁ラインを有した
上記のプロペラファンを用い、翼の前縁側に熱交換器、
後縁側にガードを配置し、前記後縁ラインがガードとほ
ぼ平行になるようにしたものであり、ファンモータのハ
ウジングの一部をハブ内に収納し、ハブの頭部をガード
側あるいは熱交換器のいずれかにに対向させたものであ
る。
【0008】さらに、プロペラファンの吐出側寄りの径
方向外周に、吸込側端のベル状部で連続した内方位置に
て吐出端を吸込側にずらした第一円筒部と外方位置にて
吐出端を吐出側にずらした第二円筒部との構成により吐
出側に段差空間を形成したマウスリングを配置し、前記
第一円筒部の吐出端近傍に翼の後縁を位置させ、第二円
筒部の吐出端をガードに近づけて配置させたものであ
る。
【0009】
【作用】上記の各技術的手段による働きは次のとおりで
ある。すなわち、頭部の大きな丸み部および段差は、風
の流入あるいは流出をスムーズにさせ、丸み部はハブの
強度を向上させる。円筒部端が他方のファンの頭部の丸
み部にかぶさることにより積み重ね性が向上する。円筒
部を段差部側から開口部側に向かって内径を大にし肉厚
の薄くなる構造にすることにより、段差をわずかなもの
に抑えることができるとともに製造作業が容易になる。
【0010】また、リブの開放端を頭部の丸みに見合う
形状にすることにより、ファンの積み重ね時に深く積み
重ねることを可能にするほか、リブの幅が得られ、頭部
の丸みとともに強度を大にできる。また、翼の後縁部
の、回転軸に対しほぼ直角な直線状の最後縁ラインは風
量増加に貢献するほか、積み重ね時、あるいは単品を台
上に置く場合に、台に接する部分が多く安定性が大とな
り変形防止に貢献する。
【0011】さらに、上記プロペラファンを空気調和機
に用いる場合に、最後縁ラインは危険防止ガードとの距
離確保を最小限にし、ハブの頭部形状に見合うリブ形状
はハブ内へのファンモータの部分収納量を大にし、ファ
ンモータの軸方向の端面位置にほぼ一致する面まで伸ば
した翼幅と相俟って製品のコンパクト化、省資源に貢献
する。
【0012】
【実施例】以下、本発明の各実施例を図1ないし図5を
参照して説明する。 〔実施例 1〕まず、プロペラファンの一実施例を図1
ないし図3を参照して説明する。図1は、本発明の一実
施例に係るプロペラファンの断面図、図2は、図1のプ
ロペラファンの積み重ね実施例の側面図、図3は、図2
の状態におけるハブ部の拡大断面図である。
【0013】図1において、1は翼、2はハブ、3は、
ハブ2の内方にあり回転軸を嵌入すべき中央のボス、4
は、ハブ2の内方にあるリブで、これらによってプロペ
ラファンを構成している。ハブ2は、大きな丸み5aを
有する頭部5と円筒部7とを外面として構成し、頭部5
と円筒部7との境界にわずかな段差部6があり、円筒部
7は該段差部6側から開口部7a側に向かって内径を大
にして肉厚を薄くしており、開口部7aの内径を段差部
6の外径と等しく、もしくはわずかに大きくし、円筒部
7端の肉厚T1および段差部6の寸法T2は段差部近傍の
肉厚T3よりも小さく、開口部7a側に位置するリブ4
の開放端のラインは頭部5に見合った形状に形成されて
いる。
【0014】8は、頭部5の中央に設けられた凹部であ
って、その凹部8の口径は、反対位置にある前記中央の
ボス3の外径よりわずかに大に形成されている。aは段
差部6から頭部頂面までの距離であって、ハブ2の開口
部7a端から中央のボス3までの距離bよりも大になっ
ている。また、中央のボス3は、開口部7a側にリブ開
放端より凸部3aを形成している。
【0015】1aは、風の入り口側になる翼1の前縁で
あって、外径寄りを吸込側に向かって先細にして風が次
第に翼全体に流入するように形成されている。1bは、
風の出口側になる翼1の後縁であって、最後縁ライン1
1は最後縁点(一般にはファン外径近傍)の位置に合
わせて他の部分の翼幅を増すように形成され、回転軸に
対して少なくともほぼ直角な直線的な部分を形成してい
る(従来の一般的なものは、後縁が内方から外径側に行
くにつれ吐出側に傾く形状をしていた)。また、前記開
口部7aと上記後縁ライン1b1はほぼ同一面上に位置
している。
【0016】上記の如く構成したプロペラファンにおい
ては、運転時に、頭部5には大きな丸み5aがあるので
軸心からの空気をスムーズに案内して流入させることが
できる。したがって、ハブ2近傍の翼部が有効に作用
し、また、乱れの発生も少なくなるので、ハブ2近傍の
翼幅増加と相俟って送風量を増加させ、騒音を低減でき
るという効果がある。
【0017】従来技術におけるハブの角にある段差部で
は、ハブへの流入点あるいは流出点となるために乱れが
促進されたのに対し、本実施例では丸み5aと円筒部7
の間に段差部6があるので、ほぼハブに沿う流れが得ら
れて流れをスムーズにする効果がある。また、円筒部7
の肉厚にテーパを持たせて段差部6の寸法T2をハブ主
要部肉厚T3よりも小にする工夫をしてあることにより
空気を一層スムーズに流すことができる。
【0018】実験によれば、外径400mm、ハブ外径
110mmのプロペラファンを、一分間回転数555r
pmで運転した結果、単独性能試験において、風量2
1.5m3/min(無負荷の最大風量28.7m3/m
inに対し最大効率点付近の風量)点において従来の同
一外径の角形ハブ段差部寸法3mmのものが圧力21P
a、騒音34dBであったのに対し、段差部寸法1mm
の本実施例構造のハブでは圧力23Pa、騒音33dB
の良好な性能が得られた。すなわち、段差部の縮小は風
量に換算すると4.6%の増加に加えて騒音は1dBの
低減効果が得られることを確かめた。
【0019】また、製造工程に関しては、頭部5の大き
な丸み5aの構成および円筒部7の内径側の傾斜肉厚
は、射出成形時の型抜き性を良好にし、型の寿命を伸ば
す効果があるばかりか、頭部5の大きな丸み5aに見合
うリブの開放端の形状により、図2,図3に示すよう
に、製作順に段差部6まで深く積み重ねができ、積み重
ね時に丸み5aはガイドの役割を果たして深く重なるこ
と、翼の最後縁ライン1b1とハブ円筒部7がほぼ同一
面にしてあること、中央のボス3も他方ファンの頭部5
の凹部8に嵌まること、および頭部5の凹部8端が水平
で翼1の後縁ライン1bとともに台上に接することか
ら、プロペラファンを複数個重ねても安定して置くこと
ができ、コンパクトに整理して置くことができる。
【0020】これに加えて、最下段のファンは台上に接
する部分が多いので変形防止の効果がある。積み重ねた
翼は、段差部6がストッパーとなるので荷重がかかるこ
とが無く、変形されるようなことがない。したがって、
成形順に現場に重ね合わせが可能となり製作能率が向上
し、作業スペースも少なくてすむ。運搬作業に関しても
同様に、プロペラファン複数個がコンパクトに安定して
積み重ねができ、運搬回数を減らすとともに梱包材を少
なくでき、変形防止の効果も得られる。
【0021】また、一般にプロペラファンを回転させた
場合、遠心力により翼の根元に大きな応力が加わり、ハ
ブ2をリブ4を境に多角形に変形させようとする応力が
作用するものである。しかし、本実施例においては、リ
ブ4はハブ2の開口部7a端に向けて広く形成すること
ができるため、積み重ねを深くできる利点と合わせ、頭
部の丸みとともに運転に対する強度も得られるという効
果がある。
【0022】このように、本実施例によれば、ハブの頭
部の大きな丸みとハブ主要部肉厚より小さな段差、丸み
に見合うリブの構成によりファン性能を向上させ、ファ
ンの回転強度も向上させることができる。また、円筒部
端が他方のファンの頭部に深くかぶさることにより、積
み重ね性が向上するとともに、製造能率および運搬作業
性が向上し、梱包材も節約できる。さらに、翼の後縁部
に回転軸に対し直角な最後縁ラインをハブ端とほぼ同一
面にすることにより、一層積み重ね性を向上させ、重み
による変形防止の効果も得ることができる。また、リブ
の開放端を頭部の丸みに見合う形状にすることにより、
リブの幅が得られ強度を確保できる。
【0023】次に、このようなプロペラファンを空気調
和機に適用した場合の実施例を説明する。 〔実施例 2〕図4は、図1の実施例のプロペラファン
をルームエアコンの室外ユニットに用いた実施例を示す
空気調和機の縦断面図である。図1と同一符号のものは
同一物を示す。
【0024】図4に示す翼1の形状は、後縁1bを広い
範囲で吐出側となるユニット前面のガード12側にほぼ
平行になるまで伸ばして直線的な最後縁ライン1bを構
成して翼面積を増加させ、また、ハブ2の一端の開口部
7aとほぼ同一面位置にしてある。翼1の前縁1aは外
径寄りを吸込側すなわち熱交換器11側に多く広げて回
転方向と合わせて先細にしてある。
【0025】14はファンモータであって、該ファンモ
ータ14のハウジングの一部を前記ハブの開口部7aに
内方のリブ4に近接するまで深く挿入して、ガード12
との間にてハブ2を回転可能に配置してある。ファンモ
ータ14のモータ軸15は、ボス3に嵌入されねじ16
により固定されている。ガード12は、丸鋼製で指挿入
等の危険防止のためユニットの最外側から翼1に対向し
て所定の距離を確保している。
【0026】17はマウスリングで、このマウスリング
17は、プロペラファンの後縁寄りの径方向外周にわず
かに離れて配置して圧力仕切り作用をするもので、マウ
スリング17より上流、すなわち熱交換器11までの間
を負圧にするものである。前記マウスリング17は、特
に小径で吸込側にずれた第一円筒部17aと、それに対
し第一円筒部17aの外側で同心大径で吐出側にずれ、
ガード10に近接した第二円筒部17bとの2円筒形で
構成し、これらは第一円筒部17aの吸込側先端のベル
形状部17bで連続し吐出側先端で軸方向に寸法Jと軸
と垂直な径方向に寸法Kの段差空間17cを形成してい
る。17eはリング用リブである。18はモータ支持で
ガード10に取り付けてある。19はユニットの上板、
20はベースである。
【0027】プロペラファンを上記構成のごとく配置し
て用いることにより、後縁1b側では、指挿入の危険防
止に対してガード12と翼の最後縁ライン1b1および
ハブ2との間の距離を最小限に確保しつつ翼面積が後縁
1b側に大きく得ることができる。一方、前縁側も、熱
交換器11側に向かって伸びる翼1は、翼幅を広げて面
積を大きくしつつ、回転方向に対し先細にして、風が次
第に翼全体に流入するようになっている。特にハブ部に
ついては段差部6が小さく、かつ、吸込側は大きな丸み
のある流線形となっているほか、前記段差部は従来のよ
うにハブ端部になるのではなく円筒部7と丸み付き頭部
の途中にあるので、風をスムーズに流入させ乱れの発生
を少なくする。したがって、風量を増加させ騒音の発生
も少なくできる。
【0028】次に、マウスリング17の段差空間17c
について説明する。通常の単一円筒形あるいは絞り形の
マウスリングにおいては、プロペラファンの回転により
翼周辺に負圧部ができると、マウスリング近傍の吐出空
気が翼に向かって逆流して翼先端に必然的にできる、い
わゆる翼端渦と干渉する。しかし、本実施例のマウスリ
ング17においては、第一円筒部17aの吐出側先端に
段差空間17cを設け、これに合わせ翼後縁1bを内方
にある第一円筒部17aの吐出近傍にしてあるので、吐
出側の径方向の外方側から逆流が生じてきても急激なへ
こみ構造の段差空間17cによって壁面から浮くことに
なる。
【0029】一方、翼先端渦は段差空間17c側に吸い
寄せられることになるため、その分プロペラファンとし
て吐出作用をする有効部外径が大きくなって吐出流は段
差空間17cに近づき、これにより逆流しようとする空
気は段差空間17cより翼1に入ることなく吐出流に誘
引されて吐出されてしまう。また、上記のとおりプロペ
ラファンの有効部外径が大きくなるため、送風有効面積
が増加して風量を増加できる。さらに、第二円筒部17
bはユニットの外部空気に対して遮断壁となるのでファ
ン吐出側周囲の静圧を高めることがなくなり、吸込側に
おいても切り口のないベル状部17dからスムーズに風
を流入させるので風を効率良く送り出す効果があり、風
量を増加させ騒音も低くできる。
【0030】次に全体的な構造に関して説明する。プロ
ペラファン単品については、図1の実施例でも述べたよ
うに成形時の型抜き性が良い、作業スペースが少ない、
翼の変形がしない、運搬性が良い、梱包材が少ないなど
の効果がある。空気調和機としては、ガード12の位置
を考慮して翼1の最後縁ライン1b1をガード12にほ
ぼ平行な直線的に構成して安全上所定の距離を確保して
いる。
【0031】空気調和機は、上記の安全上の距離を確保
しつつ、前記翼1の最後縁ライン1b1をハブ2の一端
の開口部とほぼ同一面位置にし、ハブ開口部7aの内方
にファンモータの一部を挿入しており、前記最後縁ライ
ン1b1の構成と他方の前縁1aの延長と先細化による
翼面積の増加、および吸込側にファンモータが無いこと
による風量の増加、翼幅増加による低揚力係数化にとも
なう騒音の低下分の翼ねじり角の減少を可能にし、ひい
ては羽根車厚みの低減が可能となることから、ユニット
の薄形化が実現できる。
【0032】また、マウスリング17の構造に関して
も、段差空間17cに逆流防止効果があるのでガード1
2に安全上問題無い範囲で近付けることができる。ま
た、ガード12に対し、第二円筒部17bは、円形にて
ガードが翼1側にへこみ変形する場合のストッパーを成
すと同時に、吐出側先端位置を案内としてガード12位
置の距離Lを所定値に管理するのに都合の良いものとな
るほか、上下左右方向からの物品,指などの挿入を防止
できる効果があり、これによってもユニットの薄形化に
貢献できる。さらに、マウスリング17はベル状部17
dで一体にしてあるのでプラスチック成形品として左右
に別れる型で容易に製造でき、内部の放射状の補強リブ
17eを複数設けて2重円筒の軽量強固なものが得られ
る。
【0033】次に、上記マウスリング17とプロペラフ
ァンとの関係で風量と騒音の両方の性能上良好なる寸法
関係について説明する。第一円筒部17aの吐出側先端
は丸みの無いストレート形が翼部への逆流防止という意
味から適している。段差空間17cの軸方向寸法Jはプ
ロペラファン外径Dに対して3〜10%が良好であり、
10%を越えると負荷が大きい場合(ユニットの小形
化、熱交換器露付きまたは着霜などによる通風抵抗増)
には吐出流は拡大流となるので、第二円筒部17bが抵
抗となって風量を低下させ騒音も高くなる。3%より小
さい場合には翼1に届く逆流が発生し翼先端渦の吸い寄
せ効果も無くなる。
【0034】段差空間17cの軸に直角な径方向寸法K
はプロペラファン外径Dに対して2〜8%が良好であ
り、8%を越えると空間が広すぎることによりこの部分
への渦の吸い寄せ効果が無くなり、その代りに逆流が空
間部を越えて翼部先端渦と干渉を生じ2%より小さい場
合においては、翼1に届く逆流が発生し、翼先端渦の吸
い寄せ効果も無くなり、第二円筒部17bの抵抗も増加
して風量が低下し騒音も高くなる。
【0035】また、プロペラファンの最後縁ライン1b
1との位置関係の寸法Cは、第一円筒部17aの吐出側
先端を基準に翼が吐出側に入った場合を+、吸込側に入
った場合を−で記すとプロペラファン外径Dに対して−
5〜+5%が良好であって、しかも段差部軸方向寸法J
と第一円筒部幅Wの50%以下の範囲にすることにより
逆流防止と翼先端渦の吸い寄せ効果が良く得られる。
【0036】以上説明してきたプロペラファンの構造、
ファンモータ位置との関係、マウスリングの関係にもと
づき試作した暖房能力4.5kWのセパレートエアコン
用室外ユニットの例で具体的に効果を説明する。改良前
ユニット寸法は高さ520mm×奥行き250mm、フ
ァン寸法が外径425mm、羽根車厚み135mm、ハ
ブは単なる円筒型、翼形状は後縁ラインが次第に吸込側
に傾く通常の鎌形、マウスリングは軸方向厚み65m
m、入り口はR12mmの1/4円丸みの単純円筒型を
用いて、送風運転性能は風量22m3/minで騒音4
1dBであった。
【0037】これに対し、改良した試作品は、ユニット
寸法が高さ520mm×奥行き205mm、ファン寸法
が外径400mm、羽根車厚み110mm、ハブは頭部
R30mm付き、ハブ頭部と長さ50mmのハブ円筒部
間に0.5mmの段差付き積み重ね可能形状、翼形状は
軸方向に直角な後縁ライン保有形でハブ頭部と同一面に
位置付け、マウスリングは軸方向全厚み65mmで吐出
側に高さ20mm幅25の段差空間が付き、入口R10
mmの1/2円の2円筒形、ファンモータは吐出ガード
部に取り付けてハブに約1/3挿入した図4の実施例に
酷似した仕様において、送風運転性能は風量が改良前と
同じく22m3/minで騒音は40dBとなり、改良
前よりも1dB低くなることを確認することができた。
【0038】すなわち、ファン体積は72%と小形にな
り、ユニット奥行き寸法は45mm(体積82%に)薄
形になるほか、ファンの運搬箱も改良前が5個積み重ね
用で750mm高さの箱を要したのに対し、半分以下の
325mm高さで、しかもファン外径の小さい分縦横寸
法も小となり体積で38%小形にできた。すなわち、性
能を従来と同じく維持する場合には、製品材料および梱
包運搬材料等の省資源化に大きな貢献が得られ、資源の
リサイクルという点でも有利となり、作業スペースも少
なくて良いことになる。顧客に対しても据付けスペース
が少なくてすむという利点がある。材料に余裕を持たせ
る場合には性能向上させて騒音の低減あるいは省エネル
ギーに効果を得ることができる。
【0039】〔実施例 3〕図5は、プロペラファンを
ルームエアコンの室外ユニットに用いた他の実施例を示
す空気調和機の縦断面図である。図中、図4と同一符号
のものは先の実施例と同等部を示す。図5の実施例は、
図4の実施例に対して、ハブ22の向きを反対にしたも
のである。すなわち、ハブ22の頭部25をガード12
に対向させ、円頭部27の開口部27aを熱交換器に対
向させ、ファンモータ34のハウジングの一部を開口部
27aに挿入し、ファンモータ34の後端は翼1の前縁
1a先端とほぼ同一面に翼幅を広くしてある。
【0040】頭部25の中央には、ボス23の直径より
も若干大きな径の凹部28を設け、ファンモータ34の
モータ軸35をボス23に貫通させ、凹部28内でナッ
ト36によりモータ軸35とボス23を固定している。
29はモータ支持であってベース30に取り付けてあ
る。また、翼1の後縁ライン1b1はハブ22の頭部2
5とほぼ同一面になるよう翼1の幅を広く形成してい
る。
【0041】本実施例においては、図4の実施例と同じ
効果を得るほかに、特にファンモータ34を熱交換器1
1側に配置してハブ22の頭部25をガード12側にし
てあるので、ガード12を取り外すのみでプロペラファ
ンの取付けあるいはサービス作業が容易に実施できるほ
か、ハブ22の頭部25の凹部28を大きめにしてある
のでナット36の締め付け作業も容易である。
【0042】また、構造的にもナット36が頭部25位
置よりはみだすことも無く、翼1の前縁1aの先端およ
び後縁ライン1b1をハブ22の頭部25およびファン
モータ34の後端とほぼ同一面までにしてユニットの内
部スペースを有効に活用しているので奥行き寸法の小さ
いコンパクトな製品が得られる効果がある。また、ファ
ンモータ34は、翼前縁1aと熱交換器11との間のフ
ァン中央空間に配置するので、ファンモータ34の大形
化が必要な場合にコンパクト化に有効である。
【0043】上記〔実施例 2,3〕によれば、プロペ
ラファンを空気調和機に用いた場合、性能向上はもとよ
り奥行寸法をコンパクトにして省資源に貢献することが
できる。また、吐出側寄りに段差空間のある2円筒形の
ファン用マウスリングと組み合わせることにより逆流の
心配が無くなり性能が向上し、寸法管理の精度が増して
さらに〔実施例 1〕で記した効果を増大させることが
できる。
【0044】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、風の流れを良好にするハブ形状を得るとともに、
ハブの頭部、リブ、ボスおよび翼の形状改良により優れ
た性能が得られ、それに加えて製造作業が容易で積み重
ね性および強度を向上させ運搬性の良好なプロペラファ
ンを提供することができる。また、本発明によれば、上
記プロペラファンを組立品として用い、製品をコンパク
ト化し、省資源に貢献する空気調和機を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るプロペラファンの断面
図である。
【図2】図1のプロペラファンの積み重ね実施例の側面
図である。
【図3】図2の状態におけるハブ部の拡大断面図であ
る。
【図4】図1の実施例のプロペラファンをルームエアコ
ンの室外ユニットに用いた実施例を示す空気調和機の縦
断面図である。
【図5】プロペラファンをルームエアコンの室外ユニッ
トに用いた他の実施例を示す空気調和機の縦断面図であ
る。
【符号の説明】
1 翼 1a 前縁 1b 後縁 1b1 最後縁ライン 2,22 ハブ 3,23 ボス 3a 凸部 4,24 リブ 5,25 頭部 5a 丸み 6,26 段差部 7,27 円筒部 7a,27a 開口部 8,28 凹部 11 熱交換器 12 ガード 14,34 ファンモータ 15,35 モータ軸 17 マウスリング 17c 段差空間
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04D 29/32 F24F 5/00 F25B 13/00

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハブの周囲に翼を有し、ハブの内方にリ
    ブと回転軸を嵌入すべき中央のボスとを有するプロペラ
    ファンにおいて、 前記ハブが、当該ハブの軸方向の一端の開口部と、他方
    の外方にハブの外径とわずかの段差を成して大きな丸み
    を有してなる頭部と、この頭部に連続して段差部側から
    開口部側に向かって内径を大にし肉厚の薄くなる円筒部
    とで形成され、 前記開口部の内径が前記段差部の外径よりわずかに大き
    く、 ファンの積み重ね時に、ハブの開口部側の円筒部端が他
    方のファンの段差部に接するようにしたことを特徴とす
    るプロペラファン。
  2. 【請求項2】 円筒部端の肉厚が段差部近傍の肉厚より
    も小であることを特徴とする請求項1記載のプロペラフ
    ァン。
  3. 【請求項3】 段差部の寸法が段差部近傍の肉厚よりも
    小であることを特徴とする請求項1記載のプロペラファ
    ン。
  4. 【請求項4】 ハブの円筒部および頭部の内側から中央
    のボスに至る放射状のリブを設け、開口部側に位置する
    リブの開放端が、前記頭部の丸みに見合う形状であるこ
    とを特徴とする請求項1記載のプロペラファン。
  5. 【請求項5】 翼の後縁部に、回転軸に対して少なくと
    もほぼ直角な直線的な部分を有する最後縁ラインを形成
    し、ハブの開口部を前記翼の後縁部とほぼ同一面にした
    ことを特徴とする請求項1記載のプロペラファン。
  6. 【請求項6】 翼の後縁部に、回転軸に対して少なくと
    もほぼ直角な直線的な部分を有する最後縁ラインを形成
    し、ハブの頭部の頂面を前記翼の後縁部とほぼ同一面に
    したことを特徴とする請求項1記載のプロペラファン。
  7. 【請求項7】 ハブの頭部中央に凹部を設けるととも
    に、中央ボスの一端を開口部側にリブ開放端より突出す
    る凸部を形成し、ファンの積み重ね時に、前記凸部が他
    方のファンの前記凹部に挿入可能にしたことを特徴とす
    る請求項1ないし6記載のいずれかのプロペラファン。
  8. 【請求項8】 ハブの頭部端に軸心に直角な頂面を有す
    ることを特徴とする請求項1または6記載のいずれかの
    プロペラファン。
  9. 【請求項9】 翼の後縁部に、回転軸に対してほぼ直角
    あるいは直線的な後縁ラインを有した請求項1ないし請
    求項6記載のいずれかのプロペラファンを用い、翼の前
    縁側に熱交換器、後縁側にガードを配置し、前記後縁ラ
    インがガードとほぼ平行であることを特徴とする空気調
    和機。
  10. 【請求項10】 ファンモータのハウジングの一部をハ
    ブ内に収納し、ハブの頭部をガード側あるいは熱交換器
    のいずれかにに対向させたことを特徴とする請求項9記
    載の空気調和機。
  11. 【請求項11】 ハブの頭部中央に凹部を設け、ハブ内
    方の中央のボス部にモータ軸を嵌入させ、前記ハブの凹
    部内でナットにより軸とボスを固定したことを特徴とす
    る請求項9または10記載のいずれかの空気調和機。
  12. 【請求項12】 プロペラファンの吐出側寄りの径方向
    外周に、吸込側端のベル状部で連続した内方位置にて吐
    出端を吸込側にずらした第一円筒部と外方位置にて吐出
    端を吐出側にずらした第二円筒部との構成により吐出側
    に段差空間を形成したマウスリングを配置し、前記第一
    円筒部の吐出端近傍に翼の後縁を位置させたことを特徴
    とする請求項9または10記載のいずれかの空気調和
    機。
  13. 【請求項13】 第二円筒部の吐出端をガードに近づけ
    て配置させたことを特徴とする請求項12記載の空気調
    和機。
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