JP3420528B2 - シグマデルタ方式d/a変換器 - Google Patents

シグマデルタ方式d/a変換器

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JP3420528B2
JP3420528B2 JP11383599A JP11383599A JP3420528B2 JP 3420528 B2 JP3420528 B2 JP 3420528B2 JP 11383599 A JP11383599 A JP 11383599A JP 11383599 A JP11383599 A JP 11383599A JP 3420528 B2 JP3420528 B2 JP 3420528B2
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義博 花田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明はD/A変換回路に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】現在、デジタルオーディオ装置では、シ
グマデルタ方式D/A変換器を用いるものがある。これ
は、入力サンプルデータをオーバーサンプリングした
後、ノイズシェーパ部にてサンプルクロックの周波数の
数倍から数十倍の高い周波数のノイズシェーパクロック
に従いノイズシェーパ演算を行うことによってオーディ
オ帯域の再量子化ノイズを抑圧させるというものであ
る。このため、オーバーサンプリング部では前値ホール
ドまたは直線補間を用いて入力データを補間し、入力サ
ンプルデータをノイズシェーパ部のクロック周波数でオ
ーバーサンプリングする。ここで、オーバーサンプリン
グ倍率(以下、「Nos」という。)とは、オーバーサ
ンプリングされた後のノイズシェーパ部のクロック周波
数がサンプルクロックの何倍になっているかを示す倍率
を意味する。このようなシグマデルタ方式D/A変換器
は、例えば図7に示すようなものである。入力サンプル
データは一旦入力レジスタ71に入力され、サンプルク
ロックに従って入力サンプルデータは出力される。この
出力は前値ホールドレジスタ72によってオーバーサン
プリングされる。前値ホールドレジスタ72では、入力
サンプルデータをノイズシェーパクロックをNosで分
周して得られたクロックにて取り込み、保持する。すな
わち、ノイズシェーパ部がNosと同回数だけ動作する
度に前値ホールドレジスタには入力サンプルデータが1
つ取り込まれ、Nosと同回数だけ同じデータがノイズ
シェーパ部に出力されることとなる。ノイズシェーパ部
はノイズシェーパ演算部73、量子化器74、加算器7
5からなり、入力サンプルレートの数倍から数十倍の高
い動作レートでノイズシェーパ演算を行う。量子化器7
4の出力は、PWM回路、ローパスフィルタ等からなる
アナログ変換部76によってアナログ量に変換される。
なお、同図では、ノイズシェーパ部を説明の便宜上、ノ
イズシェーパ演算部73、量子化器74、加算器75の
ようにブロックに分けて示したが、実際は全体としてノ
イズシェーパ演算を行うものである。
【0003】また、一般的にD/A変換器は、入力され
たデジタルデータを変換クロックのタイミングに従って
アナログ量に変換して出力しており、変換されたアナロ
グ波形に反映される各デジタルデータの占める時間幅は
完全に同じでなければならない。仮にこの変換クロック
周期に時間変動(ジッタ)が存在していると、各入力サ
ンプルデータの占める時間幅に変動が生じ、アナログ波
形が歪むこととなる。
【0004】特に、シグマデルタ方式D/A変換器の場
合は、ノイズシェーパ部では高いクロック周波数でアナ
ログ量に変換しているため、同じ時間幅のジッタであっ
ても変動率としては大きな値となってしまう。また、ノ
イズシェーパ部の動作原理上、オーディオ周波数帯域よ
り高い周波数域に膨大な量子化雑音成分が存在している
ため、クロックジッタとこの量子化雑音成分との相互作
用によってアナログ波形に大きな歪みを生じてしまうと
いう性質がある。このため、シグマデルタ方式D/A変
換器の変換クロックにはジッタのない高精度のクロック
が要求されている。そこで、シグマデルタ方式D/A変
換器では、D/A変換器側のブロックでクロックを発生
させ、このクロックを入力サンプルデータ発生ブロック
に供給して、D/A変換器側のクロックに同期した入力
サンプルデータを得るという方法が一般的に用いられて
きた。この方法では、D/A変換器にジッタ精度の良い
クロックを供給することが可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法では、クロックをD/A変換器側から入力サンプル
データ発生ブロック側へ送ってこのブロックを制御する
必要があるため、一体型CDプレーヤー等の比較的小規
模なシステム構成にしか応用できない。例えば、FM放
送やTV放送受信機、あるいは他の装置で発生されたデ
ジタルデータを受けるD/A変換装置等、データ発生側
を受信側から制御できないようなシステムには応用でき
ない。
【0006】すなわち、外部から入力されるデジタルデ
ータをシグマデルタ方式D/A変換器でD/A変換する
場合、次のような方法が考えられるが、いずれも問題を
有している。
【0007】第1の方法は、外部から入力されたサンプ
ルクロックに同期した逓倍クロックをPLL等により作
成し、これを用いてD/A変換するというものである。
この方法では、PLLにより得られたクロックはジッタ
品質に問題があり、PLLの構成を工夫することによっ
て品質を上げることにも限界があり、この方法をサンプ
ルクロックのNos倍のクロックを必要とするシグマデ
ルタ方式D/A変換器に用いることは困難である。
【0008】第2の方法は、外部から入力されたサンプ
ルクロックとは非同期にD/A変換器側で水晶発振器等
によって精度の高いクロックを発生させ、これを用いて
D/A変換するというものである。このようなものの問
題について、例えば、図8(a)及び(b)に図7のシ
グマデルタD/A変換器におけるサンプルクロックを8
A、入力レジスタ71から出力される入力サンプルデー
タの状態を8B、ノイズシェーパクロックをC、前値ホ
ールドレジスタ72のホールドクロックを8D、前値ホ
ールドレジスタ72から出力されるサンプルデータの状
態を8Eとして説明する。ノイズシェーパクロックの周
期をNos倍した前値ホールドレジスタのホールド時間
が、サンプルクロック周期より大きい場合には、変換動
作が間に合わず入力サンプルデータが無視されるという
状況が発生する。また、図8(b)に示すように、ホー
ルド時間がサンプルクロック周期より短い場合には、入
力サンプルデータが間に合わず、同じ入力サンプルデー
タを2回D/A変換してしまうという状況が発生する。
また、サンプルクロックの周期とホールド時間とが殆ど
同じであったとしても、互いに同期していないことによ
って次第に互いの位相がずれて行き、上記2つの問題の
いずれかが生じる。このように非同期方式では、入力サ
ンプルデータが無視されたり、同じデータが2回D/A
変換されたりして、変換後のアナログ波形に占める入力
サンプルデータの時間幅が0となったり2倍となったり
と言うような入出力サンプル数の違いによって、アナロ
グ波形が大きく歪むこととなる。
【0009】また、第3の方法は次のようなものであ
る。外部から入力されたサンプルクロックとは非同期に
D/A変換器側のブロックで、サンプルクロックの周波
数のNos倍に一致した周波数の変換クロックを発生さ
せる。また、入力サンプルデータをサンプルクロックに
従って一旦FIFOバッファに蓄える。次に、変換クロ
ックを(1/Nos)分周して得た読込クロックにてF
IFOバッフアから入力サンプルデータを読み出し、ノ
イズシェーパ演算部に与え、変換クロックに従ってD/
A変換を行う。サンプルクロックとデータ読込クロック
とが同期していないことによる入出力サンプル数の違い
はFIFOバッファ内に蓄えられるデータ数の増減で吸
収される。入出力サンプル数がFIFOバッファ内に保
持可能なデータ数を越えたり、0以下にならない限り、
歪みのないアナログ波形を得ることができる。しかしな
がら、サンプルクロックとデータ読込クロックとの最大
位相誤差(=連続再生時間×周波数誤差)の大きさに対
応できる容量のFIFOバッファが必要となり、システ
ム構成が複雑かつ大規模になってしまうという欠点を有
している。また、FIFOバッファ内に蓄えられるデー
タ数の分だけ入力に対して遅延が生じることとなり、リ
アルタイム応答を要求される用途には使用できない。
【0010】また、第1〜第3の方法の何れにおいて
も、サンプルクロックとノイズシェーパ部の動作クロッ
クとの位相が一致してしまった場合にはチャタリングに
似た現象が生じてしまう。すなわち、サンプルクロック
の微少なジッタ変動に応じてホールド時間±1つ分の変
動を生じる。
【0011】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明では、前
値ホールドレジスタのオーバーサンプリング倍率(No
s)を可変とし、サンプルクロックとノイズシェーパク
ロックとが同期していないことによるホールドクロック
とサンプルクロックの位相誤差を吸収させる工夫が採用
されている。例えば、本来Nos=48で動作するよう
にノイズシェーパクロックの周波数が設定されていた場
合、同期していないことに起因する位相誤差が累積して
一定値に達すると、オーバーサンプリング倍率(No
s)を+1して49にまたは−1して47にして位相誤
差を吸収するように構成してある。このときサンプル時
間幅の変動率は±1/Nosの比較的小さな値に抑えら
れる。
【0012】また、前値ホールドレジスタの直前にプリ
フェッチレジスタを設け、ノイズシェーパクロックの位
相をずらして得られたプリフェッチクロックに従って入
力サンプルデータを一旦このレジスタに取り込んでから
前値ホールドレジスタに出力し、上記プリフェッチクロ
ックと上記サンプルクロックとを監視して上記サンプル
データのサンプルホールドタイミングと上記プリフェッ
チクロックのサンプルホールドタイミングとが互いに近
傍となったときに、上記位相のずれを複数の値の中から
最適なものを選択して設定する。これによって、両者の
タイミングの一致によってサンプルクロックの微少なジ
ッタ変動に応じてオーバーサンプリング倍率に大きな変
動が生じるというような問題を防ぐことが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】サンプルクロックに従って入力さ
れる入力サンプルデータを実質的に特定のオーバーサン
プリング倍率にてオーバーサンプリングする前値ホール
ドレジスタと、
【0014】上記サンプルクロックの周波数に上記オー
バーサンプリング倍率を乗じた周波数のノイズシェーパ
クロックに従って上記前値ホールドレジスタの出力のノ
イズシェーパ演算を行うノイズシェーパ部と、上記ノイ
ズシェーパクロックと上記サンプルクロックとの位相誤
差が蓄積されて上記サンプルクロックの1周期の近傍と
なったタイミングに上記前値ホールドレジスタのオーバ
ーサンプリング倍率を初期値に+1または−1を加えた
値に変更する制御回路とからなるシグマデルタ方式D/
A変換器を構成することが好ましい。
【0015】サンプルクロックに従って入力される入力
サンプルデータを上記サンプルクロックの周波数の特定
のオーバーサンプリング倍率を乗じた周波数のノイズシ
ェーパクロックに基づいて得られたプリフェッチクロッ
クでサンプルホールドするプリフェッチレジスタと、上
記プリフェッチレジスタの出力を上記ノイズシェーパク
ロックに従ってサンプルホールドし、入力サンプルデー
タを実質的に上記オーバーサンプリング倍率にてオーバ
ーサンプリングする前値ホールドレジスタと、上記前値
ホールドレジスタの出力を上記ノイズシェーパクロック
に従ってノイズシェーパ演算を行うノイズシェーパ部
と、上記ノイズシェーバークロックに対して異なる位相
ずれを有する複数のクロックの何れかを選択して上記プ
リフェッチクロックとし、上記プリフェッチクロックと
上記サンプルクロックとを監視して両者のサンプルホー
ルドタイミングが互いに近傍となったタイミングに、上
記クロックを切り換えることによって、上記前値ホール
ドレジスタのオーバーサンプリング倍率を初期値に+1
または−1を加えた値に変更する制御回路とからなるシ
グマデルタ方式D/A変換器を構成することも好まし
い。
【0016】上記制御回路は上記ノイズシェーパクロッ
クに対して進み方向に位相ずれを有するクロックと当該
進み側クロックと同じずれ幅で遅れ方向に位相のずれを
有するクロックとを切り換えるものであることも好まし
い。また、上記制御回路は、上記サンプルクロックのサ
ンプルホールドタイミングで生成され、上記特定タイミ
ングに上記複数のクロックと重なるパルス幅のクロック
と上記選択されたクロックとのANDを取って得られた
クロックを上記プリフェッチクロックとすることを特徴
とすることも好ましい。
【0017】
【実施例】本発明に係わるシグマデルタ方式D/A変換
器の詳細を図1に示す一実施例にそって説明する。
【0018】図1において図7と同じ符号で示した構成
要素は図7に示したものと同じものを示し、その動作に
ついても上述したものと同じものである。本例はサンプ
ルクロックと非同期なノイズシェーパクロックで動作す
るノイズシェーパ部を備えたシグマデルタ方式D/A変
換器であり、以下に述べる構成によって高精度なD/A
変換を実現する。同図において1はプリフェッチレジス
タであり、2は制御回路としての位相シフト部であり、
3は前値ホールドレジスタである。
【0019】プリフェッチレジスタ1は位相シフト部2
の出力するプリフェッチクロックに従って入力レジスタ
71の出力を取り込んで保持、すなわち、サンプルホー
ルドして出力する。なお、入力レジスタ71は外部より
入力される入力サンプルデータをサンプルクロックに従
ってサンプルホールドする。
【0020】位相シフト部2は、図2に示すように、第
1位相シフタ21、第2位相シフタ22、選択回路23
及び判定回路24から構成してある。第1位相シフタ2
1、第2位相シフタ22はともにノイズシェーパクロッ
クを受け、それぞれノイズシェーパクロックに対して+
90度、−90度の位相のずれを有するクロックP1、
P2を発生する。選択回路23は判定回路24からの選
択信号を受けて、クロックP1、P2を選択的に出力す
るものであり、その出力がプリフェッチクロックとな
る。判定回路24はサンプルクロックとプリフェッチク
ロックとを受け、両者の位相を比較して互いの位相が近
傍になったタイミングで選択信号の状態を切り換える。
この状態の切替によって選択回路23の出力するクロッ
クが切り換えられる。後述するようにこの切替は、サン
プルクロックとノイズシェーパクロックとが同期してい
ないことに起因する位相誤差が累積して1サンプルクロ
ック分に達する直前になされる。これによって図1の前
値ホールドレジスタ3のオーバーサンプリング倍率をそ
の初期値に+1または−1を加えた値に変更して位相誤
差を吸収し、入力サンプルデータが無視されたり、同じ
データが2回D/A変換されたりすることを防ぐのであ
る。前値ホールドレジスタ3はノイズシェーパクロック
に従ってプリフェッチレジスタの出力をサンプルホール
ドする。図1において、ノイズシェーパ演算部73、量
子化器74、加算器75からなるノイズシェーパ部はノ
イズシェーパクロックに従ってノイズシェーパ演算を行
う。アナログ変換部76はノイズシェーパ部の出力をア
ナログ量に変換して出力する。
【0021】次に本例の動作について、上述の図1及び
図2に加えて、図3及び図4のタイミングチャートを参
照しながら説明する。図3において、Aはサンプルクロ
ックであり、Bは入力レジスタ71の出力する入力サン
プルデータであり、Cは位相シフト部2の出力するプリ
フェッチクロックであり、Dはプリフェッチレジスタの
出力するサンプルデータであり、Eはプリフェッチクロ
ックであり、Fは前値ホールドレジスタの出力するサン
プルデータである。図4において、P1、P2は上述し
たとおり、ノイズシェーパクロックに対して+90度、
−90度の位相のずれを有するクロックP1、P2を示
してあり、Gは判定回路24の出力する選択信号であ
る。なお、同図において図3に示したものと同じ符号は
図3のものと同じ信号を示してある。
【0022】入力レジスタ71はサンプルクロックAの
立下がりのタイミングに入力サンプルデータをサンプル
ホールドし、このようなサンプルホールドタイミング毎
に出力されるサンプルデータはa、b、c、dと順に変
化する。プリフェッチレジスタ1はプリフェッチクロッ
クCの立下がり毎に入力レジスタ71の出力をサンプル
ホールドする。前値ホールドレジスタ3はノイズシェー
パクロックEの立下がり毎にプリフェッチレジスタ1の
出力をサンプルホールドする。
【0023】ここで、説明の便宜上前値ホールドレジス
タ3の実質的なオーバーサンプリング倍率をNos=4
としてある。すなわち、前値ホールドレジスタ3でのホ
ールド時間は通常ノイズシェーパクロックの周期のNo
s(=4)倍となっている。また、サンプルクロックA
とノイズシェーパクロックEとは非同期であり、データ
ホールド時間はサンプルクロック周期より短いとする。
サンプルクロックAとノイズシェーパEとの位相が特定
のタイミングにおいて一致していたとしても位相は徐々
にずれる。その位相誤差は蓄積され、サンプルクロック
AとノイズシェーパEとの位相が再び一致する際には、
サンプルクロックAの1周期分となる。このようなタイ
ミングにおいて、従来のものでは入力サンプルデータが
無視されたり、同じデータが2回D/A変換されたりし
て、変換後のアナログ波形に占める入力サンプルデータ
の時間幅が0となったり2倍となったりし、その結果、
アナログ出力波形の歪みが入出力サンプル数の違いによ
って生じることになる。
【0024】さて、このようなタイミングの直前、位相
シフト部2では次のような動作が行われる。図4に示す
ように当初プリフェッチクロックCとしてノイズシェー
パクロックEの位相を+90度ずらしたクロックP1が
選択されているとすると、クロックP1の位相とサンプ
ルクロックAの位相とが近づいていく。判定回路24
は、クロックP1の位相とサンプルクロックAの位相と
の差が所定の範囲内Hとなると、クロックP1、サンプ
ルクロックAのサンプルホールドタイミングが互いに近
傍となったとして選択信号Gを“H”から、“L”とす
る。これを受けた選択回路23はその出力をノイズシェ
ーパクロックEの位相を−90度ずらしたクロックP2
に切り換える。
【0025】この切替は、図3ではサンプルデータbの
タイミングに起こるものとして示してあり、これによっ
て前値ホールドレジスタ3のオーバーサンプリング倍率
をNos=5として位相誤差を吸収する。これにより、
従来のもののタイミングチャート図8(b)と比較すれ
ば明らかなとおり、前値ホールドレジスタ3においてサ
ンプルホールドされる1サンプルデータあたりの時間変
動が小さくなる。すなわち、サンプルデータの時間幅が
0となったり2倍となったりすることがなく、アナログ
出力波形の歪みを抑えることが可能となる。Nosの変
更はプリフェッチクロックの位相の切替によるものであ
り、次のサンプルデータcではNos=4に戻る。
【0026】また、図4に示すように、再びプリフェッ
チクロックCの位相とサンプルクロックAの位相とが所
定値H以下となり、判定回路24は選択信号Gを“L”
から“H”にする。これを受けた選択回路23はその出
力をクロックP1に切り換える。
【0027】また、サンプルクロックAの位相とプリフ
ェッチクロックCの位相とが一致してしまうと、細かい
ジッタ変動に応答して前値ホールドレジスタのホールド
時間がプリフェッチクロック+1または−1パルス分細
かく変動してしまうが、サンプルクロックAとプリフェ
ッチクロックCとを監視し、両者の位相差が所定範囲内
に入った際にクロックP1、P2を切り換えることによ
って両者の位相が一致したまま動作し続けることを避
け、オーバーサンプリング倍率の変動を最小限に抑える
ことができる。
【0028】なお、図示しないが、ホールド時間がサン
プルクロック周期より長くなるような場合では、プリフ
ェッチクロックの切替によってオーバーサンプリング倍
率は−1され、図8(a)のようにデータが無視される
ということが避けられる。
【0029】以上のように上記実施例では、オーバーサ
ンプリング倍率を可変とすることにより、サンプルクロ
ックとノイズシェーパクロックとが同期していない場合
の歪みの発生を実用レベルに抑えることが可能である。
これにより、従来クロックジッタが問題となって使用で
きなかった用途においてもシグマデルタ方式D/A変換
器を使用することが可能となる。
【0030】また、動作時におけるサンプルクロックと
ノイズシェーパクロックとの相対関係によってオーバー
サンプリング倍率が自動的に決定されるため、両クロッ
クの自由な組み合わせで使用することが可能となる。す
なわち、サンプルクロックの周波数の整数倍の周波数で
さえありさえすれば任意のノイズシェーパクロックを用
いることができる。
【0031】また、サンプルクロックとノイズシェーパ
クロックとが同期しているものに本例の構成を応用する
場合は、両クロックの組み合わせの自由度が増すことは
勿論のこと、上述したジッタによる悪影響を抑えること
が可能となる。
【0032】また、上記実施例では位相シフト部の出力
するクロックをノイズシェーパクロックと同一周波数と
したが、これに限るものではない。例えば、図5に示す
ように位相シフト部を構成しても良い。また、図6のタ
イミングチャートに図5の各部の出力を示す。図5にお
いて51は分周回路であり、ノイズシェーパクロックE
を1/8分周し、互いに180度位相のずれたクロック
P51、クロックP52を発生する。52、53は位相
比較回路である。位相比較回路52はサンプルクロック
AとクロックP51とを比較しており、サンプルクロッ
クAの立ち下がりとクロックP51とが重なるタイミン
グに出力を発生する。比較回路53はサンプルクロック
AとクロックP52とを比較しており、サンプルクロッ
クAの立ち下がりとクロックP52とが重なるタイミン
グに出力を発生する。54は選択回路であり、位相比較
回路52、53からの出力に応答してクロックP51、
P52を選択的に出力するものであり、位相比較回路5
2からの出力を受けた場合は、クロックP52を出力
し、位相比較回路53からの出力を受けた場合は、クロ
ックP51を出力する。55は位相シフタであり、サン
プルクロックの位相をずらしたクロックP53を出力す
る。ここではサンプルクロックをその“H”状態の期間
分だけ位相を遅らせるものとする。56はANDゲート
であり、選択回路54の出力するクロックP54と位相
シフタの出力するクロックP53とのANDを取って出
力する。このANDゲート56の出力するクロックP5
5は、サンプルクロックとほぼ同期したものとなり、こ
れをプリフェッチクロックとして用いるのである。この
他の構成は上記実施例と同じで良く、図5に示す位相シ
フト部を用いた場合も、上記実施例と同様の作用、効果
を奏する。
【0033】
【発明の効果】本発明では、サンプルクロックとノイズ
シェーパクロックとが同期していない場合の歪みの発生
を実用レベルに抑えることを可能とする。これにより、
従来クロックジッタが問題となって使用できなかった用
途においてもシグマデルタ方式D/A変換器を使用する
ことが可能となる。
【0034】また、動作時におけるサンプルクロックと
ノイズシェーパクロックとの相対関係によってオーバー
サンプリング倍率が自動的に決定されるため、両クロッ
クの自由な組み合わせで使用することが可能となる。す
なわち、サンプルクロックの周波数の整数倍の周波数で
あれば任意のノイズシェーパクロックを用いることがで
きる。
【0035】また、サンプルクロックとノイズシェーパ
クロックとが同期しているものに応用した場合では、サ
ンプルクロックのジッタ変動による悪影響を抑えること
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のシグマデルタ方式D/A変
換器の構成を示す説明図。
【図2】図1の要部の構成を説明するための説明図。
【図3】図1の動作説明のためのタイミングチャート。
【図4】図2の動作説明のためのタイミングチャート。
【図5】他の実施例の構成を説明するための説明図。
【図6】図5の動作説明のためのタイミングチャート。
【図7】従来のシグマデルタ方式D/A変換器の構成を
示す説明図。
【図8】図7の動作説明のためのタイミングチャート。
【符号の説明】
1 プリフェッチレジスタ 2 位相シフト部(制御回路) 3 前値ホールドレジスタ 73 ノイズシェーパ演算部(ノイズシェーパ部) 74 量子化器(ノイズシェーパ部) 75 加算器(ノイズシェーパ部) 21 第1位相シフタ(制御回路) 22 第2位相シフタ(制御回路) 23 選択回路(制御回路) 24 判定回路(制御回路) 51 分周回路(制御回路) 52 位相比較回路(制御回路) 53 位相比較回路(制御回路) 54 選択回路(制御回路) 55 位相シフタ(制御回路) 56 ANDゲート(制御回路)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03M 3/02 H03M 1/08

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サンプルクロックに従って入力される入
    力サンプルデータを実質的に特定のオーバーサンプリン
    グ倍率にてオーバーサンプリングする前値ホールドレジ
    スタと、 上記サンプルクロックの周波数に上記オーバーサンプリ
    ング倍率を乗じた周波数のノイズシェーパクロックに従
    って上記前値ホールドレジスタの出力のノイズシェーパ
    演算を行うノイズシェーパ部と、 上記ノイズシェーパクロックと上記サンプルクロックと
    の位相誤差が蓄積されて上記サンプルクロックの1周期
    の近傍となったタイミングに上記前値ホールドレジスタ
    のオーバーサンプリング倍率を初期値に+1または−1
    を加えた値に変更する制御回路とを備えることを特徴と
    するシグマデルタ方式D/A変換器。
  2. 【請求項2】 サンプルクロックに従って入力される入
    力サンプルデータを上記サンプルクロックの周波数の特
    定のオーバーサンプリング倍率を乗じた周波数のノイズ
    シェーパクロックに基づいて得られたプリフェッチクロ
    ックでサンプルホールドするプリフェッチレジスタと、 上記プリフェッチレジスタの出力を上記ノイズシェーパ
    クロックに従ってサンプルホールドし、入力サンプルデ
    ータを実質的に上記オーバーサンプリング倍率にてオー
    バーサンプリングする前値ホールドレジスタと、 上記前値ホールドレジスタの出力を上記ノイズシェーパ
    クロックに従ってノイズシェーパ演算を行うノイズシェ
    ーパ部と、 上記ノイズシェーバークロックに対して異なる位相ずれ
    を有する複数のクロックの何れかを選択して上記プリフ
    ェッチクロックとし、上記プリフェッチクロックと上記
    サンプルクロックとを監視して両者のサンプルホールド
    タイミングが互いに近傍となったタイミングに、上記ク
    ロックを切り換えることによって、上記前値ホールドレ
    ジスタのオーバーサンプリング倍率を初期値に+1また
    は−1を加えた値に変更する制御回路とを備えることを
    特徴とするシグマデルタ方式D/A変換器。
  3. 【請求項3】 上記制御回路は上記ノイズシェーパクロ
    ックに対して進み方向に位相ずれを有するクロックと当
    該進み側クロックと同じずれ幅で遅れ方向に位相のずれ
    を有するクロックとを切り換えるものであることを特徴
    とする請求項2記載のシグマデルタ方式D/A変換器。
  4. 【請求項4】 上記制御回路は、上記サンプルクロック
    のサンプルホールドタイミングで生成され、上記特定タ
    イミングに上記複数のクロックと重なるパルス幅のクロ
    ックと上記選択されたクロックとのANDを取って得ら
    れたクロックを上記プリフェッチクロックとすることを
    特徴とする請求項2記載のシグマデルタ方式D/A変換
    器。
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