JP3420357B2 - 弾性表面波素子の製造方法 - Google Patents
弾性表面波素子の製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、四ほう酸リチウム単結
晶基板を用いた弾性表面波装置の製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】弾性表面波共振子は基本波による直接発
振が得られ、且つ高いQが得られる上、その共振特性を
圧電基板表面に形成する電極設計により決められるとい
う特徴がある。 【0003】このような性質上、VHF〜UHF帯の周
波数領域で動作可能な共振子を小型軽量に形成するのに
適しており、この周波数帯を利用するTVのRFモジュ
レータや各種無線電話、通信機器に応用されている。 【0004】一方、弾性表面波フィルタも、上記周波数
帯の中間周波フィルタとしてAV機器や通信機器に広く
用いられているのは周知の通りである。 【0005】上記弾性表面波素子の基板材料としては、
チタン酸鉛(PT)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZ
T)、タンタル酸リチウム(LT)、ニオブ酸リチウム
(LN)、水晶など種々の圧電性材料が用いられてお
り、これら従来の材料は、例えばPT、PZTは焼結体
でありコスト的に有利であるが耐熱性が低い、LNは電
気機械結合係数が大きいが温度係数も大きい、水晶は温
度特性は良好であるが電気機械結合係数が小さく挿入損
失が大きいなど一長一短があるが、用途に合わせて使い
分けられてきた。 【0006】例えば、通信機分野で使用される弾性表面
波フィルタには、厳しい温度特性の仕様に適合させるべ
く、水晶が多用されてきた。 【0007】しかしながら、移動体通信の分野におい
て、アナログ通信からデジタル通信へ移行する動きにあ
るが、この場合に用いられる弾性表面波フィルタは、温
度係数が小さいことと同時に、比帯域を大きく取る必要
から電気機械結合係数も大きくなければならず、従来の
圧電材料では対応が困難であった。 【0008】その中で、四ほう酸リチウム(以下、単に
LBOという)は電気機械結合係数が大きく、結晶方位
を例えば45゜Xカットとし、伝播方向をZ方向に選択
することによって温度係数を小さくできるというような
特徴があるため、デジタル移動体通信用の周波数250
MHz程度の中間周波バンドパスフィルタ等への応用が
考えられている。 【0009】また、LBOは表面波の反射効率が大きい
という特徴があり、共振子や共振器型フィルタでは反射
の本数を少なくできることから、基板サイズを従来より
も10〜20%小型化することができる。 【0010】以上のように、LBOは弾性表面波素子の
基板材料として可能性を秘めた材料である反面、その取
扱いが難しいという問題がある。すなわち、LBOは酸
や水に溶解する性質がある。そのために製造工程におい
ては種々の配慮が必要になる。例えば、電極パターン形
成工程においては、エッチング法は基板表面がエッチン
グ液に侵されるために採用できず、リフトオフ法が用い
られる。 【0011】また、周波数(共振子では共振周波数、フ
ィルタでは帯域を代表する中心周波数)の調整工程も問
題となる。一般に弾性表面波素子を製造する場合、量産
時の歩留まりを高めるために周波数調整工程が不可欠に
なる。これを弾性表面波共振子を例に取って説明する
と、1組の弾性表面波共振子はすだれ状の励振電極と一
対の反射電極とで構成されているが、所定の周波数特性
を得るには、電極ピッチはほぼ圧電基板の音速を周波数
で割った値で決められる。実際の表面波では電極膜が質
量を持つため、そのままでは伝播速度が所定値より小さ
くなる。従って素子を設計する際はこのことを考慮して
最適な膜厚を選択し、電極パターンを設計するが、実際
には電極パターン幅、電極膜厚み、基板のカット方位な
ど、工程上や材料のばらつきにより周波数が所定値から
分布を持ったものになる。そのために、電極パターン形
成後に周波数調整を行うのである。 【0012】この周波数調整は電極パターン形成後に電
極膜厚みを操作することで行う方法が知られている。電
極膜をエッチングしてその厚みを薄くすれば伝播速度が
大きくなって周波数が上がるし、また電極膜上に、実際
には素子の表面の全面にスパッタリングによってSiO
2 膜を形成しても周波数が上がる。 【0013】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のSiO
2 膜を被着形成しても周波数が上がるように調整する場
合、SiO2 膜の膜厚が増加してもこれによる周波数の
変化量が小さいため、スパッタリングなどによる成膜時
間が長時間化してしまう。 【0014】また、SiO2 は、水分を吸着する性質
(水分吸着性)をもつ材料であるため、上述のように水
でエンチッグされやすいLBO基板においては、LBO
基板とSiO2 膜との界面がSiO2 に吸着された水分
により侵されてしまい、例えば周波数が変動してしまう
ことがあった。 【0015】本発明は上述の問題点に鑑みて案出された
ものであり、その目的はLBO基板を用いた弾性表面波
素子の周波数の調整が簡単且つ確実に行え、且つその調
整が極めて短時間で行え、さらに周波数の調整後に、周
波数の変動が皆無となる弾性表面波装置の製造方法を提
供することにある。 【0016】 【課題を解決するための手段】本発明は、各素子領域に
電極パターンを形成した大型四ほう酸リチウム単結晶基
板を切断してなる弾性表面波素子を、基板に接合及び電
気的に接続し、蓋体で気密封止した弾性表面波装置の製
造方法であって、前記大型四ほう酸リチウム単結晶基板
の各素子領域に、所望周波数特性より低い周波数特性と
なるように電極パターンを形成する工程と、前記各素子
領域毎に切断して弾性表面波素子を形成する工程と、前
記弾性表面波素子を、素子表面が露出するように前記基
板に接合及び電気的に接続する工程と、前記弾性表面波
素子を基板に接合及び電気的に接続した状態で、周波数
特性が所定値となるよう電極パターンを形成した素子表
面に、Si3N4膜を被着する工程と、前記弾性表面波素
子を基板と蓋体とで気密封止する工程と、からなる弾性
表面波装置の製造方法である。 【0017】 【作用】本発明は、LBO基板上に予め所期の周波数に
比較して低くなるようにAlなどの電極パターンを形成
した弾性表面波素子を、電極パターン形成後、気密容器
を構成する基板に実装した状態で、弾性表面波素子のL
BO基板の表面に、Si3N4膜を形成し、その膜厚に比
例して上昇する周波数の変化を利用して、所定周波数に
調整するものである。 【0018】特に、LBO基板上に形成するSi3 N4
膜は、従来のSiO2 膜に比較して、周波数の変化量を
大きくすることができるため、周波数の調整が短時間で
行える。 【0019】LBO基板上に、Si3 N4 膜やSiO2
膜を形成することによって周波数が上昇するのは、例え
ば表層媒質(Si3 N4 膜、又はSiO2 膜)と下層媒
質(LBO基板)との横波速度の関係によるものと考え
られる。即ち、表層媒質の横波速度をVs2 、下層媒質
の横波速度をVs1 とした時、Vs2 >Vs1 の時に
は、存在する表面波のモードは1種類となり、この表面
波の速度は、表層媒質の厚みが0の時、下層媒質のレイ
リー波速度Vr1 に一致し、表層媒質の厚みが厚くなる
に従って伝搬速度が次第に速くなる。ここで、表層媒質
としてのSi3 N4 膜とSiO2 膜との横波速度が異な
るため、周波数の変動量に差が生じるものと考えられ
る。 【0020】また、水分吸着性の観点から、Si3 N4
膜は、SiO2 膜に比較して水分吸着性が殆どないない
ため、Si3 N4 膜をLBO基板上に被着形成しても、
水分などを吸着しないため、LBO基板の表面が、水分
などによって侵される(周波数が低下してしまう)こと
がなく、所定周波数が維持できる。 【0021】 【実施例】以下、本発明の弾性表面波装置の製造方法
を、図面に基づいて詳説する。 【0022】図1(a)〜(g)の主要工程における断
面図に沿って説明する。尚、図1(a)〜図1(e)ま
では、複数の弾性表面波素子、例えば弾性表面波共振
子、弾性表面波フィルタなどが複数素子抽出できる大型
LBO基板を示し、図1(f)〜図1(g)は、複数の
弾性表面波素子に切断した後のLBO基板を示してい
る。また、製造工程で気密容器に実装する工程を必要と
するが、図面上では省略した。 【0023】まず、厚みを所定値に設定し、且つ表面を
完全に研磨した45゜XカットのLBO基板1を準備す
る。 【0024】次に、図1(a)に示すように、LBO基
板10の表面全面にスピンコートによりポジ型のレジス
ト層2を塗布形成する。 【0025】次に、図1(b)に示すように、露光処理
を行う。具体的には、複数の素子に対応するネガの電極
パターンを形成したマスク3を基板10に密着させて紫
外線4を露光する。マスク3の3a部分は電極形成部分
に対応した透光部であり、3b部分は遮光部である。 【0026】次に、図1(c)に示すように、レジスト
パターン現像を行う。具体的には、ポジ型レジスト用現
像液に基板を浸漬することにより、露光部すなわち電極
形成部分のみのレジスト層2が溶解除去され、レジスト
パターン2bを形成する。 【0027】次に、図1(d)に示すように、電極パタ
ーンとなる金属層を被着形成する。 【0028】具体的には、レジストパターン2bが形成
されたLBO基板10全面に、例えばAlを蒸着して、
電極層となる金属層を被膜形成する。金属層は、LBO
基板10表面に直接被着する金属層5aと、レジストパ
ターン2b上に被着する金属層5bとがある。なお、金
属層は、Alに限らず、金などを使用しても良い。 【0029】次に、図1(e)に示すように、リフトオ
フ法によって、レジストパターン2bを除去して、所定
形状の電極パターンの形成を行う。具体的には、金属層
5a、5bが被着されたLBO基板10をレジスト剥離
液中に投入し、所定の超音波を与えことによって、レジ
ストパターン2bとその上に被着した金属層5bを除去
し、LBO基板10上に、レジストパターン2bによっ
て所定形状に規制された金属層5aのみ残存させる。 【0030】尚、各素子の周波数は、金属層5aの線幅
や金属層5aの膜厚になどによって決定されるため、図
1(b)〜図1(d)の工程で周波数を充分に考慮し
て、レジスト膜2の露光・現像及び金属層の被着を行う
必要がある。特に、重要なことは、最終的に得たい所期
の周波数に対して、図1(e)の工程が終了した時点の
周波数を0.1〜0.2%程度小さくなるように設計す
ることである。 【0031】次に、図1(f)に示すように、個々の素
子を抽出するため、LBO基板10を切断する。具体的
には、ダイシング装置により図1(e)の点線部分で切
断して個別素子毎に切断する。そして、各素子の周波数
を測定して、周波数の目標値からのずれ量に応じて数段
階のグループに層別する。 【0032】その後、図に示していないが、気密容器に
各弾性表面波素子をマウントする。気密性容器とは、例
えば、セラミックからなる基板と蓋体とから成り、基板
の一主面には、弾性表面波素子と機械的に接合する領
域、弾性表面波素子の電極と電気的に接続する電極パッ
ド、この電極パッドと導通し、外部の配線基板などに接
続するための端子電極などが形成されている。このよう
な気密容器の基板の所定位置に、上述の工程を経て形成
された弾性表面波素子を接合して、弾性表面波素子の電
極と基板の接続用電極パッド間に導電性接着材やワイヤ
ボンディング細線などによって電気的に接続を行う。
尚、この工程での実装とは、弾性表面波素子表面が露出
するように、気密容器の基板に接着するまでであり、後
述する図1(g)に示す工程が終了した後に、気密容器
の蓋体でもって気密封止を行う。 【0033】また、気密容器として、リード端子が植設
された金属製ステムと金属製キャップとを用いる場合、
金属製ステムの所定位置に素子を接着して、素子の電極
とリード端子との間をワイヤボンディング細線によって
電気的に接続を行う。 【0034】次に、図1(g)に示すように、気密容器
の例えばとなる基板上に実装されたLBO素子1の表面
に、所定膜厚のSi3N4膜を形成して、周波数の調整処
理を行う。 【0035】別された1グループの素子群をまとめてこ
の素子群の弾性表面波素子1に対して、容器を構成する
基板に実装された状態で素子1の表面に夫々に所定膜厚
のSi3N4膜6を被着形成し、膜厚に比例する周波数の
上昇を利用して所期の周波数値に調整を行う。 【0036】具体的なSi3 N4 膜6の形成方法とし
て、例えばスパッタリング方法、プラズマCVD方法な
どが挙げられる。これは、層別された1グループの素子
1群をまとめて整列治具に配置して、例えばスパッタリ
ング装置に投入する。尚、整列治具は、素子1の表面が
露出するように、気密容器を固定するとともに、スパッ
タリング装置の外部の周波数測定装置と素子1の電極、
または気密容器の端子電極とが電気的に接続するように
なっている。 【0037】そして、スパッタのターゲットとしてSi
3N4焼結体を用い、真空排気後、Arなどの不活性ガス
を流入して、所定ガス圧で高周波電力を印加して、スパ
ッタリングを行う。これにより、Si3N4膜6は、所定
電極パターンの金属層5a及び所定電極パターンの金属
層5a間から露出するLBO基板上、即ち弾性表面波素
子1の表面にSi3N4膜6を形成する。 【0038】このSi3 N4 膜6の膜厚が増加するに従
い、表層媒質の横波速度などが変化して、結果として周
波数が上昇する。このSi3 N4 膜6の形成時に周波数
を測定装置で測定し、所期の周波数となった時点で形成
を終了する。 【0039】尚、プラズマCDV方法で、Si3 N4 膜
6を形成する場合、治具に整列した素子1をグロー放電
分解装置に投入し、グロー放電分解装置の内部に、シラ
ン(SiH4 )ガスとアンモニア(NH3 )ガスとを導
入して、所定ガス圧でグロー放電を行う。 【0040】以上の製造方法によれば、LBO基板を用
いた弾性表面波素子1上に、所定膜厚のSi3N4膜6を
形成することにより、周波数の調整が簡単に行うことが
できる。 【0041】また、Si3 N4 の水分吸着性は、SiO
2 に比較して極めて低いため、製造工程中で外部から何
等かの原因によって、湿気などが与えられた場合であっ
ても、Si3 N4 膜6中に水分が吸着することがないた
め、この水分によるLBO基板が侵されることが一切な
く、調整を行った周波数が変動することが一切ない。 【0042】また、Si3 N4 膜6は、SiO2 膜の被
着形成による周波数の変動量が大きいため、Si3 N4
膜の形成による周波数の調整が迅速に行うことができ
る。 【0043】この点について、本発明者らは、本発明の
ようにターゲットにSi3 N4 を用いてスパッタリング
してSi3 N4 膜を形成した場合の周波数の変動量と、
比較例として、ターゲットにSi2 Oを用いてスパッタ
リングしてSiO2 膜を形成した場合の周波数の変動量
とを測定した。尚、素子としては、共振器型フィルタを
例とするので、周波数はフィルタ帯域を代表する中心周
波数で示す。 【0044】図2(a)、(b)は、ターゲットにSi
3 N4 を用いてスパッタリングを行った場合のスパッタ
時間に対する中心周波数の変化量を示す特性図である。
尚、図2(a)は高周波出力を200Wに設定した場
合、図2(b)は同じく400Wに設定した場合を示
す。 【0045】また、図3(a)、(b)は、ターゲット
にSiO2 を用いてスパッタリングを行った場合のスパ
ッタ時間に対する中心周波数の変化量を示す特性図であ
る。 【0046】尚、図3(a)は高周波出力を200Wに
設定した場合、図3(b)は同じく400Wに設定した
場合を示す。 【0047】図2(a)、図3(a)を比較すると、例
えばスパッタ時間、2分間で、本発明のようにSi3 N
4 膜では、中心周波数を約300kHzを上昇させるこ
とができるものの、SiO2 膜では、中心周波数を約5
0kHzしか上昇させることができない。 【0048】また、図2(b)、図3(b)も同様で、
例えばスパッタ時間、2分間で、本発明のようにSi3
N4 膜では、中心周波数を約1000kHzを上昇させ
ることができるものの、SiO2 膜では、中心周波数を
約150kHzしか上昇させることができない。 【0049】また、図2(a)、図2(b)のように、
例えばスパッタリングにおいて、高周波出力値によるス
パッタ時間と周波数の変動量との関係を標準化しておけ
ば、周波数の変化量の推測ができ、例えば、図1(g)
のSi3 N4 膜6の成膜中での周波数の測定を省略する
ことができ、所期の周波数に近づいた時点で周波数の測
定・確認のみとすることができる。 【0050】なお、気密容器の封止に関して、上述の表
面実装に対応するように気密容器のセラミック基板上に
LBO基板を用いた弾性表面波素子1を実装した場合、
弾性表面波素子1を内部に封止するように、セラミック
製蓋体とセラミック基板とを低融点ガラスや金属層を介
してシーム溶接などによって気密封止する。 【0051】また、金属製ステム基板に弾性表面波素子
1を実装した場合、金属製キャップとステム基板とを抵
抗溶接などによって気密封止する。尚、封止した気密容
器の内部空間は、N2、Ar、Heなどの不活性ガスを
充填する。 【0052】ここで、本発明は、弾性表面波素子1の表
面にSi3N4膜6が形成されているので、気密性封止の
信頼性が、金属製気密容器に比較して、一般的に低いと
される表面実装型のセラミック基板の容器を、積極的に
用いても、特性を安定的に維持することができる。 【0053】また、上述の実験では、共振型フィルタを
用いておこなっているが、共振子の共振周波数について
も同様の傾向を示し、本発明は、LBO基板を用いた弾
性表面波素子、たとえば、フィルタ、共振子などに広く
用いることができる。 【0054】 【発明の効果】本発明によれば、電極パターン形成後の
弾性表面波素子上に、所定膜厚のSi3 N4 膜を被着形
成することにより、周波数を上げて所期値に簡単に調整
することができる。 【0055】また、Si3 N4 膜を被着形成することに
より、周波数の変化量を大きくすることができるため、
周波数の調整に要する時間を短縮することができる。 【0056】さらに、水分にエッチングされやすいLB
O基板において、特に水分吸着性が殆ど皆無のSi3N4
膜を被着形成することにより、周波数の調整後に周波数
のドリフトが発生することがなくなり、安定した周波数
特性を維持することができる。 【0057】
晶基板を用いた弾性表面波装置の製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】弾性表面波共振子は基本波による直接発
振が得られ、且つ高いQが得られる上、その共振特性を
圧電基板表面に形成する電極設計により決められるとい
う特徴がある。 【0003】このような性質上、VHF〜UHF帯の周
波数領域で動作可能な共振子を小型軽量に形成するのに
適しており、この周波数帯を利用するTVのRFモジュ
レータや各種無線電話、通信機器に応用されている。 【0004】一方、弾性表面波フィルタも、上記周波数
帯の中間周波フィルタとしてAV機器や通信機器に広く
用いられているのは周知の通りである。 【0005】上記弾性表面波素子の基板材料としては、
チタン酸鉛(PT)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZ
T)、タンタル酸リチウム(LT)、ニオブ酸リチウム
(LN)、水晶など種々の圧電性材料が用いられてお
り、これら従来の材料は、例えばPT、PZTは焼結体
でありコスト的に有利であるが耐熱性が低い、LNは電
気機械結合係数が大きいが温度係数も大きい、水晶は温
度特性は良好であるが電気機械結合係数が小さく挿入損
失が大きいなど一長一短があるが、用途に合わせて使い
分けられてきた。 【0006】例えば、通信機分野で使用される弾性表面
波フィルタには、厳しい温度特性の仕様に適合させるべ
く、水晶が多用されてきた。 【0007】しかしながら、移動体通信の分野におい
て、アナログ通信からデジタル通信へ移行する動きにあ
るが、この場合に用いられる弾性表面波フィルタは、温
度係数が小さいことと同時に、比帯域を大きく取る必要
から電気機械結合係数も大きくなければならず、従来の
圧電材料では対応が困難であった。 【0008】その中で、四ほう酸リチウム(以下、単に
LBOという)は電気機械結合係数が大きく、結晶方位
を例えば45゜Xカットとし、伝播方向をZ方向に選択
することによって温度係数を小さくできるというような
特徴があるため、デジタル移動体通信用の周波数250
MHz程度の中間周波バンドパスフィルタ等への応用が
考えられている。 【0009】また、LBOは表面波の反射効率が大きい
という特徴があり、共振子や共振器型フィルタでは反射
の本数を少なくできることから、基板サイズを従来より
も10〜20%小型化することができる。 【0010】以上のように、LBOは弾性表面波素子の
基板材料として可能性を秘めた材料である反面、その取
扱いが難しいという問題がある。すなわち、LBOは酸
や水に溶解する性質がある。そのために製造工程におい
ては種々の配慮が必要になる。例えば、電極パターン形
成工程においては、エッチング法は基板表面がエッチン
グ液に侵されるために採用できず、リフトオフ法が用い
られる。 【0011】また、周波数(共振子では共振周波数、フ
ィルタでは帯域を代表する中心周波数)の調整工程も問
題となる。一般に弾性表面波素子を製造する場合、量産
時の歩留まりを高めるために周波数調整工程が不可欠に
なる。これを弾性表面波共振子を例に取って説明する
と、1組の弾性表面波共振子はすだれ状の励振電極と一
対の反射電極とで構成されているが、所定の周波数特性
を得るには、電極ピッチはほぼ圧電基板の音速を周波数
で割った値で決められる。実際の表面波では電極膜が質
量を持つため、そのままでは伝播速度が所定値より小さ
くなる。従って素子を設計する際はこのことを考慮して
最適な膜厚を選択し、電極パターンを設計するが、実際
には電極パターン幅、電極膜厚み、基板のカット方位な
ど、工程上や材料のばらつきにより周波数が所定値から
分布を持ったものになる。そのために、電極パターン形
成後に周波数調整を行うのである。 【0012】この周波数調整は電極パターン形成後に電
極膜厚みを操作することで行う方法が知られている。電
極膜をエッチングしてその厚みを薄くすれば伝播速度が
大きくなって周波数が上がるし、また電極膜上に、実際
には素子の表面の全面にスパッタリングによってSiO
2 膜を形成しても周波数が上がる。 【0013】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のSiO
2 膜を被着形成しても周波数が上がるように調整する場
合、SiO2 膜の膜厚が増加してもこれによる周波数の
変化量が小さいため、スパッタリングなどによる成膜時
間が長時間化してしまう。 【0014】また、SiO2 は、水分を吸着する性質
(水分吸着性)をもつ材料であるため、上述のように水
でエンチッグされやすいLBO基板においては、LBO
基板とSiO2 膜との界面がSiO2 に吸着された水分
により侵されてしまい、例えば周波数が変動してしまう
ことがあった。 【0015】本発明は上述の問題点に鑑みて案出された
ものであり、その目的はLBO基板を用いた弾性表面波
素子の周波数の調整が簡単且つ確実に行え、且つその調
整が極めて短時間で行え、さらに周波数の調整後に、周
波数の変動が皆無となる弾性表面波装置の製造方法を提
供することにある。 【0016】 【課題を解決するための手段】本発明は、各素子領域に
電極パターンを形成した大型四ほう酸リチウム単結晶基
板を切断してなる弾性表面波素子を、基板に接合及び電
気的に接続し、蓋体で気密封止した弾性表面波装置の製
造方法であって、前記大型四ほう酸リチウム単結晶基板
の各素子領域に、所望周波数特性より低い周波数特性と
なるように電極パターンを形成する工程と、前記各素子
領域毎に切断して弾性表面波素子を形成する工程と、前
記弾性表面波素子を、素子表面が露出するように前記基
板に接合及び電気的に接続する工程と、前記弾性表面波
素子を基板に接合及び電気的に接続した状態で、周波数
特性が所定値となるよう電極パターンを形成した素子表
面に、Si3N4膜を被着する工程と、前記弾性表面波素
子を基板と蓋体とで気密封止する工程と、からなる弾性
表面波装置の製造方法である。 【0017】 【作用】本発明は、LBO基板上に予め所期の周波数に
比較して低くなるようにAlなどの電極パターンを形成
した弾性表面波素子を、電極パターン形成後、気密容器
を構成する基板に実装した状態で、弾性表面波素子のL
BO基板の表面に、Si3N4膜を形成し、その膜厚に比
例して上昇する周波数の変化を利用して、所定周波数に
調整するものである。 【0018】特に、LBO基板上に形成するSi3 N4
膜は、従来のSiO2 膜に比較して、周波数の変化量を
大きくすることができるため、周波数の調整が短時間で
行える。 【0019】LBO基板上に、Si3 N4 膜やSiO2
膜を形成することによって周波数が上昇するのは、例え
ば表層媒質(Si3 N4 膜、又はSiO2 膜)と下層媒
質(LBO基板)との横波速度の関係によるものと考え
られる。即ち、表層媒質の横波速度をVs2 、下層媒質
の横波速度をVs1 とした時、Vs2 >Vs1 の時に
は、存在する表面波のモードは1種類となり、この表面
波の速度は、表層媒質の厚みが0の時、下層媒質のレイ
リー波速度Vr1 に一致し、表層媒質の厚みが厚くなる
に従って伝搬速度が次第に速くなる。ここで、表層媒質
としてのSi3 N4 膜とSiO2 膜との横波速度が異な
るため、周波数の変動量に差が生じるものと考えられ
る。 【0020】また、水分吸着性の観点から、Si3 N4
膜は、SiO2 膜に比較して水分吸着性が殆どないない
ため、Si3 N4 膜をLBO基板上に被着形成しても、
水分などを吸着しないため、LBO基板の表面が、水分
などによって侵される(周波数が低下してしまう)こと
がなく、所定周波数が維持できる。 【0021】 【実施例】以下、本発明の弾性表面波装置の製造方法
を、図面に基づいて詳説する。 【0022】図1(a)〜(g)の主要工程における断
面図に沿って説明する。尚、図1(a)〜図1(e)ま
では、複数の弾性表面波素子、例えば弾性表面波共振
子、弾性表面波フィルタなどが複数素子抽出できる大型
LBO基板を示し、図1(f)〜図1(g)は、複数の
弾性表面波素子に切断した後のLBO基板を示してい
る。また、製造工程で気密容器に実装する工程を必要と
するが、図面上では省略した。 【0023】まず、厚みを所定値に設定し、且つ表面を
完全に研磨した45゜XカットのLBO基板1を準備す
る。 【0024】次に、図1(a)に示すように、LBO基
板10の表面全面にスピンコートによりポジ型のレジス
ト層2を塗布形成する。 【0025】次に、図1(b)に示すように、露光処理
を行う。具体的には、複数の素子に対応するネガの電極
パターンを形成したマスク3を基板10に密着させて紫
外線4を露光する。マスク3の3a部分は電極形成部分
に対応した透光部であり、3b部分は遮光部である。 【0026】次に、図1(c)に示すように、レジスト
パターン現像を行う。具体的には、ポジ型レジスト用現
像液に基板を浸漬することにより、露光部すなわち電極
形成部分のみのレジスト層2が溶解除去され、レジスト
パターン2bを形成する。 【0027】次に、図1(d)に示すように、電極パタ
ーンとなる金属層を被着形成する。 【0028】具体的には、レジストパターン2bが形成
されたLBO基板10全面に、例えばAlを蒸着して、
電極層となる金属層を被膜形成する。金属層は、LBO
基板10表面に直接被着する金属層5aと、レジストパ
ターン2b上に被着する金属層5bとがある。なお、金
属層は、Alに限らず、金などを使用しても良い。 【0029】次に、図1(e)に示すように、リフトオ
フ法によって、レジストパターン2bを除去して、所定
形状の電極パターンの形成を行う。具体的には、金属層
5a、5bが被着されたLBO基板10をレジスト剥離
液中に投入し、所定の超音波を与えことによって、レジ
ストパターン2bとその上に被着した金属層5bを除去
し、LBO基板10上に、レジストパターン2bによっ
て所定形状に規制された金属層5aのみ残存させる。 【0030】尚、各素子の周波数は、金属層5aの線幅
や金属層5aの膜厚になどによって決定されるため、図
1(b)〜図1(d)の工程で周波数を充分に考慮し
て、レジスト膜2の露光・現像及び金属層の被着を行う
必要がある。特に、重要なことは、最終的に得たい所期
の周波数に対して、図1(e)の工程が終了した時点の
周波数を0.1〜0.2%程度小さくなるように設計す
ることである。 【0031】次に、図1(f)に示すように、個々の素
子を抽出するため、LBO基板10を切断する。具体的
には、ダイシング装置により図1(e)の点線部分で切
断して個別素子毎に切断する。そして、各素子の周波数
を測定して、周波数の目標値からのずれ量に応じて数段
階のグループに層別する。 【0032】その後、図に示していないが、気密容器に
各弾性表面波素子をマウントする。気密性容器とは、例
えば、セラミックからなる基板と蓋体とから成り、基板
の一主面には、弾性表面波素子と機械的に接合する領
域、弾性表面波素子の電極と電気的に接続する電極パッ
ド、この電極パッドと導通し、外部の配線基板などに接
続するための端子電極などが形成されている。このよう
な気密容器の基板の所定位置に、上述の工程を経て形成
された弾性表面波素子を接合して、弾性表面波素子の電
極と基板の接続用電極パッド間に導電性接着材やワイヤ
ボンディング細線などによって電気的に接続を行う。
尚、この工程での実装とは、弾性表面波素子表面が露出
するように、気密容器の基板に接着するまでであり、後
述する図1(g)に示す工程が終了した後に、気密容器
の蓋体でもって気密封止を行う。 【0033】また、気密容器として、リード端子が植設
された金属製ステムと金属製キャップとを用いる場合、
金属製ステムの所定位置に素子を接着して、素子の電極
とリード端子との間をワイヤボンディング細線によって
電気的に接続を行う。 【0034】次に、図1(g)に示すように、気密容器
の例えばとなる基板上に実装されたLBO素子1の表面
に、所定膜厚のSi3N4膜を形成して、周波数の調整処
理を行う。 【0035】別された1グループの素子群をまとめてこ
の素子群の弾性表面波素子1に対して、容器を構成する
基板に実装された状態で素子1の表面に夫々に所定膜厚
のSi3N4膜6を被着形成し、膜厚に比例する周波数の
上昇を利用して所期の周波数値に調整を行う。 【0036】具体的なSi3 N4 膜6の形成方法とし
て、例えばスパッタリング方法、プラズマCVD方法な
どが挙げられる。これは、層別された1グループの素子
1群をまとめて整列治具に配置して、例えばスパッタリ
ング装置に投入する。尚、整列治具は、素子1の表面が
露出するように、気密容器を固定するとともに、スパッ
タリング装置の外部の周波数測定装置と素子1の電極、
または気密容器の端子電極とが電気的に接続するように
なっている。 【0037】そして、スパッタのターゲットとしてSi
3N4焼結体を用い、真空排気後、Arなどの不活性ガス
を流入して、所定ガス圧で高周波電力を印加して、スパ
ッタリングを行う。これにより、Si3N4膜6は、所定
電極パターンの金属層5a及び所定電極パターンの金属
層5a間から露出するLBO基板上、即ち弾性表面波素
子1の表面にSi3N4膜6を形成する。 【0038】このSi3 N4 膜6の膜厚が増加するに従
い、表層媒質の横波速度などが変化して、結果として周
波数が上昇する。このSi3 N4 膜6の形成時に周波数
を測定装置で測定し、所期の周波数となった時点で形成
を終了する。 【0039】尚、プラズマCDV方法で、Si3 N4 膜
6を形成する場合、治具に整列した素子1をグロー放電
分解装置に投入し、グロー放電分解装置の内部に、シラ
ン(SiH4 )ガスとアンモニア(NH3 )ガスとを導
入して、所定ガス圧でグロー放電を行う。 【0040】以上の製造方法によれば、LBO基板を用
いた弾性表面波素子1上に、所定膜厚のSi3N4膜6を
形成することにより、周波数の調整が簡単に行うことが
できる。 【0041】また、Si3 N4 の水分吸着性は、SiO
2 に比較して極めて低いため、製造工程中で外部から何
等かの原因によって、湿気などが与えられた場合であっ
ても、Si3 N4 膜6中に水分が吸着することがないた
め、この水分によるLBO基板が侵されることが一切な
く、調整を行った周波数が変動することが一切ない。 【0042】また、Si3 N4 膜6は、SiO2 膜の被
着形成による周波数の変動量が大きいため、Si3 N4
膜の形成による周波数の調整が迅速に行うことができ
る。 【0043】この点について、本発明者らは、本発明の
ようにターゲットにSi3 N4 を用いてスパッタリング
してSi3 N4 膜を形成した場合の周波数の変動量と、
比較例として、ターゲットにSi2 Oを用いてスパッタ
リングしてSiO2 膜を形成した場合の周波数の変動量
とを測定した。尚、素子としては、共振器型フィルタを
例とするので、周波数はフィルタ帯域を代表する中心周
波数で示す。 【0044】図2(a)、(b)は、ターゲットにSi
3 N4 を用いてスパッタリングを行った場合のスパッタ
時間に対する中心周波数の変化量を示す特性図である。
尚、図2(a)は高周波出力を200Wに設定した場
合、図2(b)は同じく400Wに設定した場合を示
す。 【0045】また、図3(a)、(b)は、ターゲット
にSiO2 を用いてスパッタリングを行った場合のスパ
ッタ時間に対する中心周波数の変化量を示す特性図であ
る。 【0046】尚、図3(a)は高周波出力を200Wに
設定した場合、図3(b)は同じく400Wに設定した
場合を示す。 【0047】図2(a)、図3(a)を比較すると、例
えばスパッタ時間、2分間で、本発明のようにSi3 N
4 膜では、中心周波数を約300kHzを上昇させるこ
とができるものの、SiO2 膜では、中心周波数を約5
0kHzしか上昇させることができない。 【0048】また、図2(b)、図3(b)も同様で、
例えばスパッタ時間、2分間で、本発明のようにSi3
N4 膜では、中心周波数を約1000kHzを上昇させ
ることができるものの、SiO2 膜では、中心周波数を
約150kHzしか上昇させることができない。 【0049】また、図2(a)、図2(b)のように、
例えばスパッタリングにおいて、高周波出力値によるス
パッタ時間と周波数の変動量との関係を標準化しておけ
ば、周波数の変化量の推測ができ、例えば、図1(g)
のSi3 N4 膜6の成膜中での周波数の測定を省略する
ことができ、所期の周波数に近づいた時点で周波数の測
定・確認のみとすることができる。 【0050】なお、気密容器の封止に関して、上述の表
面実装に対応するように気密容器のセラミック基板上に
LBO基板を用いた弾性表面波素子1を実装した場合、
弾性表面波素子1を内部に封止するように、セラミック
製蓋体とセラミック基板とを低融点ガラスや金属層を介
してシーム溶接などによって気密封止する。 【0051】また、金属製ステム基板に弾性表面波素子
1を実装した場合、金属製キャップとステム基板とを抵
抗溶接などによって気密封止する。尚、封止した気密容
器の内部空間は、N2、Ar、Heなどの不活性ガスを
充填する。 【0052】ここで、本発明は、弾性表面波素子1の表
面にSi3N4膜6が形成されているので、気密性封止の
信頼性が、金属製気密容器に比較して、一般的に低いと
される表面実装型のセラミック基板の容器を、積極的に
用いても、特性を安定的に維持することができる。 【0053】また、上述の実験では、共振型フィルタを
用いておこなっているが、共振子の共振周波数について
も同様の傾向を示し、本発明は、LBO基板を用いた弾
性表面波素子、たとえば、フィルタ、共振子などに広く
用いることができる。 【0054】 【発明の効果】本発明によれば、電極パターン形成後の
弾性表面波素子上に、所定膜厚のSi3 N4 膜を被着形
成することにより、周波数を上げて所期値に簡単に調整
することができる。 【0055】また、Si3 N4 膜を被着形成することに
より、周波数の変化量を大きくすることができるため、
周波数の調整に要する時間を短縮することができる。 【0056】さらに、水分にエッチングされやすいLB
O基板において、特に水分吸着性が殆ど皆無のSi3N4
膜を被着形成することにより、周波数の調整後に周波数
のドリフトが発生することがなくなり、安定した周波数
特性を維持することができる。 【0057】
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(g)は本発明の弾性表面波素子の製
造方法の主要工程における断面図である。 【図2】本発明の製造方法に用いるSi3 N4 膜のスパ
ッタリング時間と中心周波数の変動量を示す特性図であ
り、(a)は高周波出力200W時の、(b)は高周波
出力400W時の特性図である。 【図3】SiO2 膜のスパッタリング時間と中心周波数
の変動量を示す特性図であり、(a)は高周波出力20
0W時の、(b)は高周波出力400W時の特性図であ
る。 【符号の説明】 10・・・LBO基板 5a・・・電極パターンの金属層 6・・・・Si3 N4 膜
造方法の主要工程における断面図である。 【図2】本発明の製造方法に用いるSi3 N4 膜のスパ
ッタリング時間と中心周波数の変動量を示す特性図であ
り、(a)は高周波出力200W時の、(b)は高周波
出力400W時の特性図である。 【図3】SiO2 膜のスパッタリング時間と中心周波数
の変動量を示す特性図であり、(a)は高周波出力20
0W時の、(b)は高周波出力400W時の特性図であ
る。 【符号の説明】 10・・・LBO基板 5a・・・電極パターンの金属層 6・・・・Si3 N4 膜
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平6−232684(JP,A)
特開 平5−259802(JP,A)
特開 平2−301210(JP,A)
特開 平4−150512(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
H03H 3/08 - 3/10
H03H 9/145
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 各素子領域に電極パターンを形成した大
型四ほう酸リチウム単結晶基板を切断してなる弾性表面
波素子を、基板に接合及び電気的に接続し、蓋体で気密
封止した弾性表面波装置の製造方法であって、 前記大型四ほう酸リチウム単結晶基板の各素子領域に、
所望 周波数特性より低い周波数特性となるように電極パ
ターンを形成する工程と、 前記各素子領域毎に切断して弾性表面波素子を形成する
工程と、 前記弾性表面波素子を、素子表面が露出するように前記
基板に接合及び電気的に接続する工程と、 前記弾性表面波素子を基板に接合及び電気的に接続した
状態で、 周波数特性が所定値となるよう電極パターンを
形成した素子表面に、Si3N4膜を被着する工程と、前記弾性表面波素子を基板と蓋体とで気密封止する工程
と 、 からなる弾性表面波装置の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26516394A JP3420357B2 (ja) | 1994-10-28 | 1994-10-28 | 弾性表面波素子の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26516394A JP3420357B2 (ja) | 1994-10-28 | 1994-10-28 | 弾性表面波素子の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08125478A JPH08125478A (ja) | 1996-05-17 |
JP3420357B2 true JP3420357B2 (ja) | 2003-06-23 |
Family
ID=17413491
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26516394A Expired - Fee Related JP3420357B2 (ja) | 1994-10-28 | 1994-10-28 | 弾性表面波素子の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3420357B2 (ja) |
-
1994
- 1994-10-28 JP JP26516394A patent/JP3420357B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH08125478A (ja) | 1996-05-17 |
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