JP3420293B2 - 巻線機 - Google Patents

巻線機

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JP3420293B2
JP3420293B2 JP21567993A JP21567993A JP3420293B2 JP 3420293 B2 JP3420293 B2 JP 3420293B2 JP 21567993 A JP21567993 A JP 21567993A JP 21567993 A JP21567993 A JP 21567993A JP 3420293 B2 JP3420293 B2 JP 3420293B2
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勉 古屋
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ワイヤ(導線)を繰
り出すニードルを、直線運動機構と揺動機構とにより被
巻装部の回りで繰り返し回動させると共に、トラバース
機構によりそのニードルを横ずらしさせながら被巻装部
の回りにワイヤを巻き付けていく巻線機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、このようにニードルを、直線運動
機構と揺動機構とにより被巻装部の回りで繰り返し回動
させると共に、トラバース機構により横ずらしをさせな
がら被巻装部の回りにワイヤを巻き付けていく巻線機と
しては、例えば特開昭60−257747号公報に記載
されているものがある。
【0003】これを簡単に説明すると、図5に示すよう
にベース板1に主軸2が直線運動機構により矢示Aの上
下方向に移動可能に支持されると共に、揺動機構により
主軸2の軸心を中心として矢示Bの方向にも往復回動可
能に支持されていて、その主軸2の上端にアームホルダ
3がねじ止め固定されている。
【0004】そのアームホルダ3には、揺動アーム4が
軸5によって揺動可能に取付けられており、その揺動ア
ーム4の上端にはワイヤ(導線)15を繰り出して被巻
装部26に巻き付けるニードル9が固定されていて、下
端部には先端側に丸みを持たせたカムフォロワ6が取付
けられている。そして、その揺動アーム4全体が軸5よ
りも上側に取り付けられた引張スプリング7により常時
矢示C方向に回動付勢され、それによってカムフォロワ
6がトラバース機構10の矢示E方向に移動可能な摺動
カム11の摺動面11aに接するようになっている。
【0005】そのトラバース機構10は、モータによっ
て回転される送りねじ(雄ねじ)を回転させた時に、そ
の送りねじに螺合して摺動カム11と一体で移動する雌
ねじ側が、図5の矢示E方向に移動するものである。
【0006】また、主軸2を上下移動させる直線運動機
構は、図5では図示を省略しているが、モータの回転軸
に固定されたクランクホイールに回転中心から偏心させ
て固定したクランクピンを、主軸2の下端に断面をコ字
状として固定した駒の水平方向に向けたそのコ字溝内に
係合させたものであり、モータを回転させてクランクホ
イールを回転させるとクランクピンが上下動し、それに
係合する駒を介して主軸2が矢示A方向に往復運動をす
る。
【0007】その主軸2は、図5では煩雑となるため図
示を省略しているが、外周面にスプラインが形成されて
いて、そのスプラインの溝に直交する水平方向に、揺動
機構の往復運動するラックがかみ合っている。したがっ
て、ニードル9は、ワイヤ15を繰り出しながら直線運
動機構により矢示A方向に往復運動されながら揺動機構
により矢示B方向に往復回動されることによって被巻装
部26の回りを回動し、そこにワイヤ15を巻き付けて
いく。
【0008】また、そのニードル9の回動動作に連動し
て、ニードル9の横ずらし(矢示E方向のずらし)がト
ラバース機構10によって行なわれるため、ワイヤ15
が同一個所にだけ巻かれるようなことなしに整列状態に
巻かれていく。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな摺動カムにカムフォロワが常に摺接する構成のトラ
バース機構10を有する巻線機の場合には、その摺接部
が比較的早い段階で摩耗してしまうため、その部分を消
耗部品として定期的に交換する必要があった。特に、高
速巻きを行なった場合には、その摺接部の消耗度合いは
激しく、例えばカムフォロワを硬球で形成してそれを転
動自在に保持金具で保持しているものでは、短期間でそ
の硬球が保持金具から脱落してしまうこともある程であ
る。
【0010】また、図5に示した巻線機のように、カム
フォロワ6を摺動カム11に押し付ける付勢力を、揺動
アーム4の上部側に取り付けた引張スプリング7の付勢
力によって行なっている場合には、太いワイヤ(例えば
0.6mm以上)を被巻装部26に巻き付けると、その
巻き付けられたワイヤからの張力によって揺動アーム4
が引張スプリング7の引張力に抗して図で左方側に引っ
張られるようになるので、カムフォロワ6が設定どうり
の加圧力で摺動カム11に押し付けられなくなって、ト
ラバース機構10による横ずらしが正確に行われなくな
って、整列度の悪いワイヤの巻き付けになり易いという
ことがあった。
【0011】したがって、このような構成の巻線機で
は、細いワイヤを巻く場合に限られてしまうため不便で
あった。
【0012】この発明は、上記の問題点に鑑みてなされ
たものであり、被巻装部に巻き付けるワイヤを同一個所
にだけ巻き付けた時のように巻き崩れが生じたり、ワイ
ヤがたるんだり、さらにはクロス線となったりしないよ
うにして整列度の高いワイヤの巻き付けができるように
し、しかもその整列度の高いワイヤの巻き付けを細線か
ら太線まで同一の装置で行えるようにすることを目的と
する。また、高速巻きを行なっても、著しく早期に消耗
してしまう部品がないようにすることも目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明は上記の目的を
達成するため、上述したような巻線機において、ワイヤ
を繰り出しながら移動されるニードルを端部に取付ける
軸を、軸線方向にワイヤを通すための中心孔を有する第
1軸と、その第1軸を相対回動不能で軸線方向にのみ相
対変位可能に嵌入させる第2軸と、その第2軸を相対回
動不能で軸線方向にのみ相対変位可能に嵌入させ、外周
面が固定部に回動可能に支持された第3軸とによって構
成し、上記第3軸を揺動機構に所定角度範囲で往復回動
されるように連結し、第2軸を直線運動機構によって上
記軸線方向に移動されるスライダに相対回動のみ可能に
保持させ、ニードルを横ずらしさせるトラバース機構
、上記スライダに相対回転のみ可能に保持されて駆動
源によって回転されるトラバース軸と、そのスライダに
上記軸線方向にのみ相対変位可能に装着されると共に
1軸の基端部に相対回転のみ可能に連結された軸連結部
材と、その軸連結部材によって移動される第1軸の軸線
方向の変位をその第1軸の径方向の変位に変える変位方
向変換部材とを設け、その変位方向変換部材にニードル
を装着し、トラバース軸の一端部にねじ部を形成すると
共に、上記軸連結部材にトラバース軸のねじ部と螺合す
るねじ部を形成し、トラバース軸が回転された時に互い
に螺合する上記ねじ部の送りに応じて上記軸連結部材が
上記スライダに対して上記軸線方向に移動し、その軸連
結部材の移動により第1軸が上記軸線方向に移動するこ
とにより変位方向変換部材がニードルを第1軸の軸心を
通る径方向に横ずらし移動させると共に、そのニードル
が上記揺動機構により第1軸の軸心を中心として往復回
動するようにしたものである。
【0014】また、上記巻線機において、上記直線運動
機構と揺動機構とを同一の駆動源で駆動し、トラバース
機構のトラバース軸を上記駆動源と異なる駆動源で独自
に駆動するようにするとよい。
【0015】
【作用】このように構成した巻線機は、直線運動機構に
よって第2軸が軸線方向に往復運動されると、その第2
軸はスライダに相対回動のみ可能に保持されて、そのス
ライダにはトラバース軸が相対回転のみ可能に取り付け
られていて、さらにそのトラバース軸と第1軸の基端部
とは軸連結部材の互いに螺合するねじ部を介して連結さ
れているので、第1軸がニードルと共に第2軸の移動に
連動する。
【0016】また、揺動機構によって第3軸が揺動され
るので、その第3軸と第2軸と第1軸とは、互いに相対
回動不能で軸線方向にのみ相対変位可能に嵌入されてい
るので、それらが全て連動して所定角度範囲において往
復回動することによってニードルが往復回動する。した
がって、ニードルは、この直線運動機構による往復運動
をしながら揺動機構によって所定角度範囲を往復回動さ
れるため被巻装部の回りを回動し、そこにニードルが繰
り出すワイヤを巻き付けていく。
【0017】さらに、このニードルによる被巻装部への
ワイヤの巻き付け動作に連動して、トラバース機構のト
ラバース軸を回転させることにより、その軸の一端部に
形成しているねじ部が螺合する軸連結部材が第1軸の軸
線方向に移動し、その軸連結部材には第1軸の基端部が
回転のみ可能に取付けられているので第1軸が軸線方向
に移動する。
【0018】そして、その第1軸の先端部には、第1軸
の軸線方向の変位をその軸の径方向の変位に変える変位
方向変換部材を介してニードルが装着されているので、
ニードルの巻き付け動作に連動してニードルが横ずらし
されるため、巻き崩れ等のない整列度の高いワイヤの巻
き付けができる。
【0019】また、このトラバース軸を直線運動機構及
び揺動機構と異なる駆動源で独自に駆動するようにすれ
ば、ニードルの横ずらし量を使用するワイヤの線径に対
応させて任意に変えることができるので、1巻きごとに
線径分だけ横ずらしさせることができるようになるの
で、より整列度の高いワイヤの巻き付けができる。
【0020】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて具
体的に説明する。図1はこの発明の一実施例を示す巻線
機の全体構成図、図2はその巻線機に設けられているト
ラバース機構の主要な部分とその周辺を示す断面図であ
る。
【0021】この巻線機は、図1に示すように軸21の
上端部に取付けられてワイヤ(導線)15を繰り出しな
がら移動されるニードル22と、軸21を矢示Aの軸線
方向に往復運動させる直線運動機構23と、軸21をそ
の軸心を中心として矢示B方向に往復回動させる揺動機
構24と、ニードル22を軸21の径方向(矢示E方
向)に横ずらしさせるトラバース機構25とを備えてい
る。
【0022】そして、軸21の後述する中心孔を通して
供給されるワイヤ15を保持したニードル22を、直線
運動機構23と揺動機構24とにより被巻装部(テー
ス)26の回りを繰り返し回動させ、さらにトラバース
機構25によりニードル22を図1で矢示E方向(ニー
ドルの長手方向に沿う方向でありニードルの回動位置に
よっては変わる)に横ずらしさせて、巻き崩れ等が生じ
ない整列度の高いワイヤの巻き付けができるようにして
いる。
【0023】直線運動機構23は、駆動源であるモータ
27の回転軸に固定したプーリ28と支持部29,30
を介して装置の固定部31に回転自在に保持されたホイ
ール回転軸32に固定されたプーリ33との間にタイミ
ングベルト34を張装し、そのホイール回転軸32の一
端側にホイール35を固定して、そのホイール35の図
1で左端面に、クランクピン36をホイールの回転中心
に対して偏心させて固定している。
【0024】そのクランクピン36には、ロッド37の
一端を回転自在に嵌入させ、そのロッド37の他端をス
ライダ38の一側面にピン39を介して回動自在に嵌入
させ、それを図示しない部材により抜け止め防止をして
いる。なお、クランクピン36は、ホイール35の回転
中心からの距離を調整できるようになっていて、それを
調整することによってスライダ38を介して軸21の上
下方向のストロークを変えることができるようになって
いるが、その調整機構はこの発明には直接関係しないた
め、その図示を省略する。
【0025】揺動機構24は、略中央に回転運動を直線
運動に変える運動方向変換部(公知の変換機構)41を
有しており、その運動方向変換部41の部分が装置の固
定部31に固定されている。
【0026】その運動方向変換部41は、回転側の回転
軸41aが図1で右方に突出していて、そこにプーリ4
2が固定されている。そして、そのプーリ42と直線運
動機構23のホイール回転軸32に固定されたプーリ4
3との間にタイミングベルト44を張装し、モータ27
が回転するとそれに連動して回転軸41aが回転するよ
うにしている。
【0027】運動方向変換部41の直線運動部41b
は、2本のガイドロッド45,45に案内されて図1で
手前と奥側に直線移動するスライドブロック46に固定
されており、そのスライドブロック46の左端にはラッ
ク47が形成(別体で形成してもよい)されている。そ
して、そのラック47が、回動自在に固定部に支持され
た軸の一端に固定されたセクタギヤ49にかみ合い、そ
のセクタギヤ49と一体で回動するギヤ51が、軸21
の最も外側に位置する第3軸(詳しい説明は後述する)
63に固定されたギヤ52にかみ合っている。
【0028】軸21は、3重に嵌入された第1軸61と
第2軸62と第3軸63とからなり、それらが互いに外
周面と内周面の両方あるいはその一方に形成されたスプ
ラインで係合し、互いに相対回動不能で軸線方向(矢示
A方向)にのみ相対変位可能になっている。
【0029】すなわち、軸線方向にワイヤ15を通すた
めの中心孔61b(図2)を有する最も内側の第1軸61
の外側に、その第1軸61よりも若干短くてその第1軸
61を相対回動不能で軸線方向にのみ相対変位可能にす
る第2軸62を嵌入させ、その外側に第2軸62に比べ
て更に短くてその第2軸62を相対回動不能で軸線方向
にのみ相対変位可能にする第3軸63を嵌入させ、その
外周面を固定部31と一体の支持部材50に4個のボー
ルベアリングを介して回動可能に支持させている。
【0030】そして、この第1,第2,第3の各軸6
1,62,63を互いに相対回動不能で軸線方向にのみ
相対変位可能にするため、第1軸61には外周面側に第
1外スプラインを形成し、第2軸にはその第1外スプラ
インに係合する第2内スプラインを内周面側に形成する
と共に外周面側に第2外スプラインを形成し、第3軸に
はその第2外スプラインに係合する第3内スプラインを
内周面側にそれぞれ適宜所要の長さで形成しているが、
その図示は一部を図2に示す以外は煩雑となるため省略
する。
【0031】その第3軸63は、揺動機構24のギヤ5
1にかみ合うギヤ52に一体に固定されていて、ギヤ5
1の回動により所定角度範囲で軸心を中心として矢示B
方向に往復回動される。また、図2に示すように、第2
軸62の下部に形成した段部にスリーブ55を嵌入さ
せ、それを下側からねじ部に螺着したナット56で固定
して、そのスリーブ55を2個のボールベアリング5
4,54を介してスライダ38の上部スライダ38a側
に取付け、その第2軸62を軸21の矢示Aの軸線方向
に移動されるスライダ38に相対回動のみ可能に保持さ
せている。
【0032】そのスライダ38の上部スライダ38aと
一体に固定された下部スライダ38b内には、摺動孔3
8cが形成されていて、そこにトラバース機構25を構
成する1部品である軸連結部材58が、そのスライダ3
8に対して矢示Aの軸線方向にのみ相対変位可能に収納
されており、その摺動孔38c内に、ワイヤ15を通す
ための中心孔59aを有し、スライダ38に先端側の鍔
部59cによって相対回転のみ可能に保持されるトラバ
ース軸59の一端部に形成した雄ねじ部59bを突出さ
せている。
【0033】そして、その雄ねじ部59bに、軸連結部
材58の下方に形成した雌ねじ部58aが螺合してい
る。また、その軸連結部材58には、第1軸61の基端
部(下部)61aを相対回転のみ可能にメタル軸受64,
64を介して連結し、トラバース軸59が回転した時に
互いに螺合する雄ねじ部59bと雌ねじ部58aとによ
る送りに応じて、第1軸61が軸連結部材58を介して
スライダ38に対して矢示Aの軸線方向に移動するよう
にしている。なお、図2で65,66及び77は、オイ
ル等の侵入を防ぐためのシールである。
【0034】トラバース軸59は、図1に示すように装
置の固定部31に支持部材78によって回転自在に保持
されている。そして、駆動源であるモータ68からの回
転力が、ギヤ69,70,79及び装置の固定部31に
固定されている保持部材67に軸受を介して回転自在に
取り付けられているギヤ71に伝達され,さらにその回
転力がギヤ71の内周面に形成している内スプライン7
1aによって、それに係合するトラバース軸59の外周
面に形成している外スプライン59dに伝達されて、ト
ラバース軸59が回転駆動される。
【0035】また、第2軸62の先端(上端)には、図
3に明示するようにニードルホルダ72を固定して、そ
のニードルホルダ72に径方向に形成した溝72aにニ
ードル22を移動可能に収納すると共に、そのニードル
22の一側面に突出させたピン73に、L字状に形成さ
れて略中央がピン74によって揺動可能に支持された変
位方向変換部材であるレバー75の一端部に形成したU
字溝を係合させているる。
【0036】そして、そのレバー75の他端部に同様に
形成したU字溝を、図4に示すようにニードルホルダ7
2内に第2軸62の内側を通して突出させた第1軸61
に基部がナットで固定されて水平方向へ突出するピン7
6に、図3に示すように係合させている。したがって、
図1に示す軸連結部材58の矢示A方向への移動による
第1軸61の変位を、レバー75によって第1軸61の
径方向(矢示E方向)の変位に変えることができるの
で、ワイヤ15の被巻装部26への巻き付け時にニード
ル22を第1軸61の軸心を通る径方向に横ずらしさせ
ることができる。
【0037】この巻線機は、ワイヤ15を被巻装部26
へ巻くときには、図1に示すモータ27を回転させる。
すると、直線運動機構23のホイール回転軸32がプー
リ28、タイミングベルト34、プーリ33を介して回
転されることによってホイール35が回転し、ロッド3
7がクランクピン36により図で上下方向に往復運動さ
れる。
【0038】したがって、スライダ38が、その内部に
収納している軸連結部材58と共に上下方向に往復運動
し、そのスライダ38に相対回動のみ可能に保持されて
いる軸21の第2軸62が上下運動する。また、軸連結
部材58は、雌ねじ部58a(図2)がトラバース軸5
9の雄ねじ部59bに螺合し、そのトラバース軸59は
その上端側に一体に固定されている鍔部59cがスライ
ダ38に対して相対回転のみ可能に保持されているの
で、スライダ38と共に同じストロークで上下方向に往
復運動する。
【0039】したがって、その軸連結部材58に軸受を
介して相対回転のみ可能に連結されている第1軸61も
第2軸62と共に上下運動する。なお、この際に軸21
の最も外側に位置する第3軸63は、前述したように装
置の固定部31にボールベアリング及び支持部材50を
介して回動可能に支持されているため上下運動はしな
い。
【0040】また、この第1,第2の各軸61,62の
上下運動に伴ってトラバース軸59が上下運動をする
が、ギヤ71の内面には内スプライン71aが形成され
ていて、そこにトラバース軸59の外周面に形成されて
いる外スプライン59dが係合しながら上下移動するの
で、トラバース軸59の上下往復運動に全く支障を来さ
ない。
【0041】さらに、直線運動機構23に連動してプー
リ42と43との間に張装されたタイミングベルト44
が回動して回転軸41aが回転し、それによって揺動機
構24が駆動されるので、スライドブロック46が図1
で手前と奥側に往復直線運動し、そこに形成されている
ラック47にかみ合うセクタギヤ49が往復揺動する。
【0042】したがって、そのセクタギヤ49と軸を介
して一体のギヤ51が所定角度範囲で往復回動し、それ
にかみ合って回動されるギヤ52と一体の第3軸63が
図1の矢示B方向に所定角度範囲で往復回動するため、
互いにスプラインを介して係合する第2,第1の各軸6
2,61が回動して、軸21全体が矢示B方向に往復回
動する。
【0043】このようにして、軸21は第1,第2の各
軸61,62が、図1の矢示A方向に往復直線運動しな
がら、第1,第2,第3の各軸61,62,63の全て
が矢示B方向に所定角度だけ往復回動するので、その第
2軸62の先端にニードルホルダ72を介して保持さ
れ、第1軸61の先端部にレバー75を介して装着され
ているニードル22が、第1軸61の軸心を中心として
被巻装部26の回りを回動する。
【0044】その際にニードル22は、図示しないワイ
ヤ供給部からトラバース軸59の中心孔59a(図2)
から軸連結部材58内を通し、第1軸62内の中心孔6
1b(図2)を通して導かれたワイヤ15を、軸線方向
に沿って形成された中心孔22a(図3参照)を通して
繰り出しながら繰り返し回動されるので、被巻装部26
の回りにワイヤ15が巻かれる。
【0045】さらに、このニードル22によるワイヤ1
5の被巻装部26への巻き付けに連動してモータ68が
回転され、各ギヤ69,70,79を介してギヤ71が
回転し、そのギヤ71の内スプライン71aに外スプラ
イン59dが係合するトラバース軸59が回転する。
【0046】すると、その先端の図2に示す雄ねじ部5
9bの回転により、それに螺合する軸連結部材58の雌
ねじ部58aが押し上げられるため軸連結部材58が図
1で上昇し、その軸連結部材58に基端部61aが相対
回転のみ可能に連結された軸21の第1軸61が、上記
ねじ部の送りに応じた量だけ上方に移動する。そのた
め、図3に示すように、その上方に移動する第1軸61
によってレバー75の一端部が押し上げられるため、ニ
ードル22が矢示F方向(第1軸61の径方向)に、そ
の第1軸61の変位に応じた量だけ横ずらしされる。
【0047】したがって、この横ずらし量を、ニードル
22が被巻装部26の回りを1回動する度に、その巻き
付けたワイヤ15の線径分だけニードル22が横ずらし
されるようにしておけば、被巻装部26の同一個所にだ
けワイヤ15が巻き付けられるようなことがなくなるの
で、ワイヤの巻き崩れやたるみ、さらにはクロス線とな
るのを防止することができる。
【0048】そして、この実施例では、直線運動機構2
3と揺動機構24とを同一の駆動源であるモータ27で
駆動し、トラバース機構25のトラバース軸59をその
モータ27と異なる駆動源であるモータ68によって独
自に駆動するようにしているので、線径の異なるワイヤ
を巻く場合であっても、ワイヤを横ずらしする量を常に
使用するワイヤの線径に合わせて設定することができる
ので、使用するワイヤの線径如何に係らず常に整列度の
高いワイヤの巻き付けができる。
【0049】なお、トラバース機構25によるワイヤの
横ずらしは、ワイヤの巻き付けが被巻装部26の終端ま
で達したときには、モータ68を逆回転させてニードル
22を今度は逆方向に同様に横ずらしさせていき、それ
を繰り返していく。
【0050】ところで、従来の図5で説明した巻線機の
トラバース機構10のように、摺動カム11にカムフォ
ロワ6が常時摺接する場合には、そのカムフォロワ6の
摺接部が比較的早い段階で摩耗してしまうため、それを
消耗部品として定期的に交換する必要があったので面倒
であった。また、このような摺動部分を有する巻線機
は、耐久性の面で高速巻きには適さないということもあ
った。
【0051】さらに、図5に示した巻線機では、カムフ
ォロワ6の摺動カム11への押し付けを、揺動アーム4
の上部側に取り付けた引張スプリング7の付勢力によっ
て行なっていたため、太いワイヤの巻き付けを行ったと
きにはワイヤの張力が揺動アーム4に引張スプリング7
の付勢力に抗して作用し、カムフォロワ6が摺動カム1
1に所定の加圧力で押し付けられなくなってしまうこと
があったので、太いワイヤを巻くには適さないというこ
ともあった。
【0052】しかしながら、この実施例によれば、ニー
ドル22の上下方向の往復運動の際に摺接するようなカ
ムをトラバース機構25に一切使用していないので、摩
耗による消耗部品の定期的な交換を気にする必要がな
い。また、トラバース機構25が、雄ねじ部と雌ねじ部
の螺合位置を変えることによってニードル22を第1軸
61及びレバー75を介して横ずらしさせる構成であ
り、被巻装部26に巻き付けたワイヤ15からの張力が
ワイヤの横ずらし量に影響を与えるような構成にはなっ
ていないので、細線から太線までのワイヤを同一の装置
で高い整列度で巻き付けることができる。
【0053】なお、軸21は、それを構成する3本の軸
が互いに相対回動不能で軸線方向にのみ相対変位可能に
嵌入させたものであれば、それらの各軸間の係合はスプ
ラインに限るものではない。
【0054】例えば、第1軸の外周面と第2軸の内周面
のいずれか一方の面に軸線方向に同一幅の溝を所定の長
さで例えば周方向で180°位相を異ならせて形成し、
他方の軸にその溝に対応させてその各溝内をガタなく摺
動するキー状の部材を一体に形成し、同様に第2軸の外
周面と第3軸の内周面との間にも同様な溝とキー状の部
材を形成するようにしてもよい。
【0055】また、例えば最も内側の第1軸をワイヤ通
し用の中央孔を有する角柱で形成し、第2軸の内周面に
それをガタなく嵌入させる角孔を形成するようにして
も、それらの軸を互いに相対回動不能で軸線方向にのみ
相対変位可能にすることができ、それ以外の軸形状であ
っても、軸が互いに相対回動不能で軸線方向にのみ相対
変位可能に嵌入するものであればよい。
【0056】さらに、図1に示す軸21とトラバース軸
59は、必ずしも同一軸線上に配置する必要はなく、例
えばスライダ38及び軸連結部材58を同図で横幅を共
に大きくして、トラバース軸59の雄ねじ部59b(図
2)と鍔部59cを軸21の軸線から図で左方側になる
ように配置し、ワイヤ15をトラバース軸59内を通さ
ずに軸連結部材58とスライダ38の底面にワイヤ通し
用の孔を開けて、そこからワイヤ15を軸21の中心孔
61b(図2)に直接通すようにすることもできる。こ
のようにすれば、トラバース軸59に中心孔が不要とな
る。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、この発明による巻
線機によれば、ワイヤを被巻装部に同一の個所にだけ巻
き付けて巻き崩れを起こさせたり、たるませて巻き付け
たり、さらにはクロス線にしたりすることなしに、高い
整列度で巻き付けることができる。そして、その巻き付
けるワイヤを、細線から太線まで同一の装置で高い整列
度で巻くことができる。
【0058】また、高速巻きを行なっても、著しく早期
に消耗してしまうような部品がないので、定期的に部品
交換をする必要がないため手間が省ける。さらに、トラ
バース機構のトラバース軸を直線運動機構及び揺動機構
の駆動源と異なる駆動源で独自に駆動するようにすれ
ば、ニードルの横ずらし量を使用するワイヤの線径に対
応させて任意に変えることができるので、1巻きごとに
ワイヤの線径分だけ横ずらしさせることにより、より整
列度の高いワイヤの巻き付けができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す巻線機の全体構成図
である。
【図2】同じくその巻線機に設けられているトラバース
機構の主要な部分とその周辺を示す断面図である。
【図3】同じくその巻線機のニードルの装着部周辺を示
す縦断面図である。
【図4】図3と90°異なる位置で切断した縦断面図で
ある。
【図5】従来のニードルを被巻装部の回りで繰り返し回
動させると共にトラバース機構により横ずらしさせる機
能を備えた巻線機の一例を示す側面図ある。
【符号の説明】
15 ワイヤ 21 軸 22 ニードル 23 直線運動機構 24 揺動機構 25 トラバース機構 26 被巻装部 27,68 モータ(駆動源) 38 スライダ 58 軸連結部材 58a 雌ねじ部 59 トラバース軸 59b 雄ねじ部 61 第1軸 61b 中心孔 62 第2軸 63 第3軸 75 レバー(変位方向変換部材)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸の端部に取付けられてワイヤを繰り出
    しながら移動されるニードルと、前記軸を軸線方向に往
    復運動させる直線運動機構と、前記軸をその軸心を中心
    として往復回動させる揺動機構と、前記ニードルを前記
    軸の径方向に横ずらしさせるトラバース機構とを備え、
    前記ニードルを回動させながら横ずらしさせてワイヤを
    被巻装部に巻き付けていく巻線機において、 前記軸を、軸線方向に前記ワイヤを通すための中心孔を
    有する第1軸と、その第1軸を相対回動不能で軸線方向
    にのみ相対変位可能に嵌入させる第2軸と、その第2軸
    を相対回動不能で軸線方向にのみ相対変位可能に嵌入さ
    せ、外周面が固定部に回動可能に支持された第3軸とに
    よって構成し、 前記第3軸を前記揺動機構に所定角度範囲で往復回動さ
    れるように連結し、前記第2軸を前記直線運動機構によ
    って前記軸線方向に移動されるスライダに相対回動のみ
    可能に保持させ、 前記トラバース機構に、前記スライダに相対回転のみ可
    能に保持されて駆動源によって回転されるトラバース軸
    と、前記スライダに前記軸線方向にのみ相対変位可能に
    装着されると共に前記第1軸の基端部に相対回転のみ可
    能に連結された軸連結部材と、該軸連結部材によって
    される前記第1軸の軸線方向の変位を該第1軸の径方
    向の変位に変える変位方向変換部材とを設け、該変位方向変換部材に前記ニードルを装着し、前記トラ
    バース軸の一端部にねじ部を形成すると共に、前記軸連
    結部材に前記トラバース軸のねじ部と螺合するねじ部を
    形成し、前記トラバース軸が回転された時に互いに螺合
    する前記ねじ部の送りに応じて前記軸連結部材が前記ス
    ライダに対して前記軸線方向に移動し、該軸連結部材の
    移動により前記第1軸が前記軸線方向に移動することに
    より前記変位方向変換部材が前記ニードルを前記第1軸
    の軸心を通る径方向に横ずらし移動させると共に、該ニ
    ードルが前記揺動機構により前記第1軸の軸心を中心と
    して往復回動するようにした ことを特徴とする巻線機。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の巻線機において、前記直
    線運動機構と前記揺動機構とを同一の駆動源で駆動し、
    前記トラバース機構のトラバース軸を前記駆動源と異な
    る駆動源で独自に駆動するようにしたことを特徴とする
    巻線機。
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