JP3419913B2 - 荷電粒子ビーム露光方法及び装置 - Google Patents

荷電粒子ビーム露光方法及び装置

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JP3419913B2
JP3419913B2 JP27947494A JP27947494A JP3419913B2 JP 3419913 B2 JP3419913 B2 JP 3419913B2 JP 27947494 A JP27947494 A JP 27947494A JP 27947494 A JP27947494 A JP 27947494A JP 3419913 B2 JP3419913 B2 JP 3419913B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は荷電粒子ビーム露光方法
及び装置に係り、特に荷電粒子ビームが連続的に走査を
行うことにより被露光物上に微細パターンを露光する荷
電粒子ビーム露光方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子ビーム露光装置に代表される荷電粒
子ビーム露光装置は、高解像度及び高精度のパターン描
画が可能であるため、大規模集積回路(LSI)等の微
細なパターンを基板に露光するのに適している。しか
し、例えば電子ビーム露光装置の場合、微細な電子ビー
ムによる一筆書きで基板にパターンを描画する方法では
時間がかかってしまい、スループットを向上することは
難しい。
【0003】そこで、所謂可変矩形露光を用いる電子ビ
ーム露光装置が提案されている。可変矩形露光では、電
子ビームを偏向してマスク上の所定部分を透過させるこ
とにより電子ビームの断面形状を可変成形し、成形され
た電子ビームを基板上に偏向して可変矩形を露光する。
又、電子ビームの偏向に伴って電子ビームの位置、焦点
及び非点収差の補正を行うことにより、シャープなパタ
ーンを高精度で基板上に露光することができる。
【0004】これらの補正に要する演算は、電子ビーム
を基板上の所望の位置に偏向して電子ビームの軌道がそ
の偏向位置に整定されると共に、電子ビームの基板上へ
の照射が禁止されているブランキングが解除されて電子
ビームが実際に基板上に照射されるまでの間に行われ
る。つまり、補正に要する演算は、ブランキングが解除
されるまでに終了していれば良い。
【0005】従って、電子ビーム露光装置のシステムク
ロックや上記補正に関連したクロックが、基板上のレジ
ストの感度の変化や電子ビームの電流密度の変化に伴い
変化しても、露光時間は変化するものの、露光精度や露
光されるパターンのシャープネスは略変化しない。とこ
ろが、この様に電子ビームを一定の位置に停止させて露
光を行い、電子ビームを次の位置に偏向して停止させて
から次の露光を行うといった動作を繰り返すステップ・
アンド・リピート方式では、高いスループットを得るこ
とはできない。
【0006】そこで、電子ビームを一定の位置に停止さ
せることなく、連続的に走査させる(以下、スウィープ
すると言う)ことにより、スループットを向上させる方
法が考えられる。この考えられる方法では、ブランキン
グ・アパーチャ・アレイ(BAA)を用い、BAAの任
意の領域に電子ビームを照射する。BAAは、電子ビー
ムに対するシャッタとして機能するブランキング・アパ
ーチャがマスクにアレイ状に配置されたものであり。B
AA自体は周知である。電子ビームは、上記任意の領域
内のオンとなったブランキング・アパーチャを透過して
基板上に照射されるが、オフとなったブランキング・ア
パーチャを透過した電子ビームは基板上には達しない。
従って、電子ビームが実質的にBAAの任意の領域をス
ウィープするかの如く、オン/オフが制御されるブラン
キング・アパーチャが連続的に一方向へ移動するように
制御すると同時に、各ブランキング・アパーチャのオン
/オフを露光するべきパターンに基づいて射出クロック
に応答して制御することにより、短時間でパターンを露
光することができると考えられる。
【0007】しかし、ブランキング・アパーチャのオン
/オフのタイミングを制御する射出クロックがレジスト
の感度の変化や電子ビームの電流密度の変化に伴って変
化すると、偏向器による電子ビームの走査位置を決定し
たり、電子ビームの偏向位置に依存する収差補正量を設
定するための補正クロックも射出クロックの変化に応じ
て変化する。このため、基板上に露光されるパターンの
配置精度やシャープネスが悪化するという、BAAを用
いて電子ビームによるスウィープを行う場合に特有の問
題が生じてしまう。
【0008】そこで、電子ビームでスウィープを行う場
合には、射出クロックの変化に関係なく、射出クロック
を分周して常に一定のタイミングで上記補正クロックを
一定に補正する方法が考えられるが、この方法には限界
がある。他方、電子ビームを微小偏向範囲内で偏向して
基板上に照射する副偏向器(又は、静電偏向器)は、デ
ィジタル・アナログ(D/A)変換器及びアナログ増幅
器を介して得られる副偏向信号に基づいて電子ビームを
偏向する。しかし、電子ビームでスウィープを行う場合
に、D/A変換器の出力階段波形をアナログ増幅器で鈍
らせてから副偏向器に供給することにより電子ビームに
基板上を滑らかに、且つ、連続的に走査させるには限界
がある。又、一般のアナログ増幅器の立ち上り波形の直
線性は、この様な場合に要求される高精度のものではな
い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記の如く、アナログ
増幅器の鈍りを利用して電子ビームに基板上を滑らか
に、且つ連続的に走査させるには、射出クロックの変化
に関係なく補正クロックを一定に補正する必要がある。
図6は、射出クロックの周波数が高い場合に副偏向器に
より偏向された電子ビームの位置と電子ビームに対する
補正量のディジタル値及びアナログ値の変化とを説明す
る図である。同図中、(a)は射出クロックを示し、
(b)は副偏向器により偏向された電子ビームの位置と
電子ビームに対する補正量のディジタル値及びアナログ
値の変化とを示す。つまり、図6(b)は、D/A変換
器の出力波形と、アナログ増幅器の出力波形とを示す。
【0010】この場合、副偏向器による電子ビームの位
置変化は、アナログ増幅器の鈍り作用によって時間軸に
対してほぼ比例して立ち上がって行く。他方、図7は、
射出クロックの周波数が低い場合に副偏向器により偏向
された電子ビームの位置と電子ビームに対する補正量の
ディジタル値及びアナログ値の変化とを説明する図であ
る。同図中、(a)は図6(a)に示す射出クロックの
1/2の周波数の射出クロックを示し、(b)は副偏向
器により偏向された電子ビームの位置と電子ビームに対
する補正量のディジタル値及びアナログ値の変化とを示
す。つまり、図7(b)は、D/A変換器の出力波形
と、アナログ増幅器の出力波形とを示す。
【0011】この場合、射出クロックの周波数が低いた
め、電子ビームの偏向位置の補正が射出クロックの周波
数の低下に比例して遅くなると、アナログ増幅器の出力
がアナログ増幅器の整定領域に入ってしまい、時間軸上
の位置が変化しても電子ビームの偏向位置が変化しない
領域が発生してしまうという問題がある。この領域が発
生するということは、電子ビームが本来の所望偏向位置
ではなく、所望偏向位置とはずれた位置に偏向されてし
まうことを意味する。又、電子ビームに対する補正量
は、電子ビームの本来の所望偏向位置に対するものであ
るため、所望偏向位置からずれた位置に対しては適切な
補正量とはならないという問題もある。
【0012】図8は、D/A変換器の出力階段波形と、
この出力階段波形をアナログ増幅器で鈍らせた場合のア
ナログ増幅器のアナログ出力波形とを示す図である。こ
の例では、100μmの偏向量が10Vに対応してお
り、ディジタル副偏向データがD/A変換器にセットさ
れる周波数は5MHzに設定されているので、3μse
cが15ステップで走査される。この場合、D/A変換
器の出力階段波形に対するアナログ出力波形の遅れは、
電子ビームの偏向位置のオフセットとして補正すること
ができる。
【0013】しかし、D/A変換器が設定したレベル間
を結ぶアナログ増幅器のアナログ出力波形の非直線特性
は、アナログ増幅器の立ち上がりをいかに調整しても完
全な直線特性に調整できるものではない。このため、電
子ビームの実際の偏向位置の所望偏向位置からのずれは
図9に示すように約0.7μmとなり、要求される偏向
精度を満足するものではないという問題がある。図9
は、図8の一部を拡大して示す図であり、10μmの偏
向量が1Vに対応し、約60〜80mVの誤差が生じる
ので、電子ビームの実際の偏向位置の所望偏向位置から
のずれが約0.7μmとなる。
【0014】電子ビームの偏向精度は、D/A変換器に
ディジタル副偏向データがセットされる周波数を更に高
い周波数に設定すれば向上する。ところが、補正演算に
要する時間やこれに伴うメモリアクセス時間等を考慮す
ると、現在の技術では、D/A変換器にディジタル副偏
向データをセットする周波数は10MHzが限界であ
り、このため電子ビームの実際の偏向位置の所望偏向位
置からのずれは、約0.35μm以下にしか保証できな
いので、より高い精度の保証が要求されてくる。本発明
は、荷電粒子ビームにより基板上のスウィープ偏向領域
を連続的に走査する際に、レジスト感度の変化や荷電粒
子ビームの電流密度の変化により射出クロックが変化し
ても荷電粒子ビームの偏向位置精度を保証すると共に、
射出クロックの分周をして常に補正クロックを補正する
といった動作を必要することなく露光パターンのシャー
プネスの劣化を防止することのできる荷電粒子ビーム露
光方法及び装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、請求項1
記載の、荷電粒子ビームを、ブランキング・アパーチャ
・アレイと、主偏向器と、該主偏向器より小さい偏向領
域内で荷電粒子ビームを偏向させる副偏向器とを介して
基板上に照射して所望のパターンを該基板上に露光する
荷電粒子ビーム露光方法において、該基板上の1つのス
ウィープ偏向領域を該荷電粒子ビームにより連続的に走
査させるため、該ブランキング・アパーチャ・アレイの
ブランキング・アパーチャのオン/オフを、該所望のパ
ターンに基づいて、且つ、オン/オフの制御をされるブ
ランキング・アパーチャの開口が連続的に一方向に移動
するように制御することにより、実質的にブランキング
・アパーチャ・アレイによって整形されたビームを連続
的に該一方向へ基板上においてスウィープするステップ
と、該所望のパターンに応じたディジタル副偏向データ
をアナログ副偏向信号に変換するディジタル・アナログ
変換器に、該1つのスウィープ偏向領域の少なくとも複
数点で該ディジタル副偏向データをセットするステップ
と、該ディジタル・アナログ変換器の出力するアナログ
副偏向信号を直線的に増大するアナログスウィープ回路
のアナログ出力の傾きを定期的に設定するステップとか
らなり、該副偏向器を該スウィープ回路のアナログ出力
に基づいて制御する荷電粒子ビーム露光方法によって達
成される。
【0016】請求項2記載の発明では、請求項1の発明
において、前記傾きを設定するステップは、前記荷電粒
子ビームの電流密度及び前記基板上のレジストの感度の
うち少なくとも一方に基づいて傾きを可変設定する。請
求項3記載の発明では、請求項2の発明において、前記
荷電粒子ビームの電流密度を検出するステップを更に有
する。
【0017】請求項4記載の発明では、請求項2の発明
において、前記レジストの感度を入力するステップを更
に有する。請求項5記載の発明では、請求項1〜4のう
ちいずれか1項の発明において、前記ディジタル・アナ
ログ変換器に前記ディジタル副偏向データをセットする
ステップは、前記ブランキング・アパーチャ・アレイの
各ブランキング・アパーチャをオン/オフさせるタイミ
ングを決定する射出クロックの周波数とは独立してセッ
トのタイミングを一定値に決定する。
【0018】上記の課題は、請求項6記載の、ブランキ
ング・アパーチャ・アレイを介して得られる荷電粒子ビ
ームを露光するべき所望パターンに基づいて主偏向領域
内で偏向する主偏向器と、荷電粒子ビームを該主偏向器
より小さい副偏向領域内で偏向する副偏向器とを備え、
該ブランキング・アパーチャ・アレイと、該主偏向器
と、該副偏向器とを介して得られる荷電粒子ビームを基
板上に照射して該所望のパターンを該基板上に露光する
荷電粒子ビーム露光装置において、該基板上の1つのス
ウィープ偏向領域を連続的に走査させるため、該ブラン
キング・アパーチャ・アレイのブランキング・アパーチ
ャのオン/オフを該所望のパターンに基づいて、且つ、
オン/オフの制御をされるブランキング・アパーチャの
開口が連続的に一方向に移動するように制御することに
より、実質的にブランキング・アパーチャ・アレイによ
って整形されたビームを連続的に該一方向へ基板上にお
いてスウィープする手段と、該所望のパターンに応じた
ディジタル副偏向データをアナログ信号に変換するディ
ジタル・アナログ変換器と、該ディジタル・アナログ変
換器に該ディジタル副偏向データを該1つのスウィープ
偏向領域の少なくとも複数点でセットする手段と、該ア
ナログ・ディジタル変換器の出力アナログ信号を直線的
に増大して該副偏向器へ供給するアナログスウィープ回
路と、該アナログスウィープ回路のアナログ出力信号の
傾きを定期的に設定する手段とを有する荷電粒子ビーム
露光装置によっても達成される。
【0019】請求項7記載の発明では、請求項6の発明
において、前記傾きを設定する手段は、前記荷電粒子ビ
ームの電流密度及び前記基板上のレジストの感度のうち
少なくとも一方に基づいて傾きを可変設定する。請求項
8記載の発明では、請求項7の発明において、前記荷電
粒子ビームの電流密度を検出する手段を更に有する。
【0020】請求項9記載の発明では、請求項7又は8
の発明において、前記レジストの感度を入力する手段を
更に有する。請求項10記載の発明では、請求項6〜9
のうちいずれか1項の発明において、前記ディジタル・
アナログ変換器をセットする手段は、前記ブランキング
・アパーチャ・アレイの各ブランキング・アパーチャを
オン/オフさせるタイミングを決定する射出クロックの
周波数とは独立してセットのタイミングを一定値に決定
する。
【0021】請求項11記載の発明では、請求項6〜1
0のうちいずれか1項の発明において、前記スウィープ
回路の出力アナログ信号を鈍らせて増幅してから前記副
偏向器に供給するアナログ増幅器を更に有する。請求項
12記載の発明では、請求項6〜11のうちいずれか1
項の発明において、前記スウィープ回路の出力段に設け
られたコンデンサを短絡するスイッチを更に有し、該ス
イッチは1回のスウィープ毎に閉じて該コンデンサを放
電することにより前記荷電粒子ビームによる前記基板上
のスウィープを一方向に行わせる。
【0022】
【作用】請求項1記載の発明によれば、荷電粒子ビーム
により基板上のスウィープ偏向領域を連続的に走査する
際に、レジスト感度の変化や荷電粒子ビームの電流密度
の変化によりブランキング・アパーチャのオン/オフの
タイミングを制御する射出クロックが変化しても荷電粒
子ビームの偏向位置精度を保証すると共に、射出クロッ
クの分周をして常に補正クロックを補正するといった動
作を必要することなく露光パターンのシャープネスの劣
化を防止することができる。又、傾きを定期的に設定す
ることにより、直線に近いアナログ出力により副偏向器
を制御して、荷電粒子ビームで基板上の1つのスウィー
プ偏向領域を連続的に走査することができる。
【0023】請求項2記載の発明によれば、傾きを荷電
粒子ビームの電流密度及びレジストの感度のうち少なく
とも一方に基づいて可変設定することにより、荷電粒子
ビームに基板上の1つのスウィープ偏向領域を連続的に
走査させるのに最適な傾きを常に設定することができ
る。請求項3記載の発明によれば、荷電粒子ビームの電
流密度を検出することにより、経時変化等による電流密
度の変化にも対応して常に最適な傾きを設定することが
できる。
【0024】請求項4記載の発明によれば、ユーザが使
用するレジストの感度を入力することにより、この感度
に対して常に最適な傾きを設定することができる。請求
項5記載の発明によれば、ブランキング・アパーチャの
オン/オフのタイミングを制御する射出クロックの周波
数とは無関係にディジタル・アナログ変換器にディジタ
ル副偏向データをセットするタイミングを決定するの
で、たとえ射出クロックの周波数が低くなっても、荷電
粒子ビームに基板上のスウィープ偏向領域を安定に、且
つ、連続的に走査させることができる。
【0025】請求項6記載の発明によれば、荷電粒子ビ
ームにより基板上のスウィープ偏向領域を連続的に走査
する際に、レジスト感度の変化や荷電粒子ビームの電流
密度の変化によりブランキング・アパーチャのオン/オ
フのタイミングを制御する射出クロックが変化しても荷
電粒子ビームの偏向位置精度を保証すると共に、射出ク
ロックの分周をして常に補正クロックを補正するといっ
た動作を必要することなく露光パターンのシャープネス
の劣化を防止することができる。又、傾きを定期的に設
定することにより、直線に近いアナログ出力により副偏
向器を制御して、荷電粒子ビームで基板上の1つのスウ
ィープ偏向領域を連続的に走査することができる。
【0026】請求項7記載の発明によれば、傾きを荷電
粒子ビームの電流密度及びレジストの感度のうち少なく
とも一方に基づいて可変設定することにより、荷電粒子
ビームに基板上の1つのスウィープ偏向領域を連続的に
走査させるのに最適な傾きを常に設定することができ
る。請求項8記載の発明によれば、荷電粒子ビームの電
流密度を検出することにより、経時変化等による電流密
度の変化にも対応して常に最適な傾きを設定することが
できる。
【0027】請求項9記載の発明によれば、ユーザが使
用するレジストの感度を入力することにより、この感度
に対して常に最適な傾きを設定することができる。請求
項10記載の発明によれば、ブランキング・アパーチャ
のオン/オフのタイミングを制御する射出クロックの周
波数とは無関係にディジタル・アナログ変換器にディジ
タル副偏向データをセットするタイミングを決定するの
で、たとえ射出クロックの周波数が低くなっても、荷電
粒子ビームに基板上のスウィープ偏向領域を安定に、且
つ、連続的に走査させることができる。
【0028】請求項11記載の発明によれば、アナログ
増幅器によりアナログスウィープ回路のアナログ出力信
号を鈍らせることにより、副偏向器に供給する信号の直
線性を更に向上することができる。請求項12記載の発
明によれば、簡単な構成を用いてアナログスウィープ回
路を瞬時にリセットすることができる。
【0029】
【実施例】図1は、本発明になる荷電粒子ビーム露光装
置の一実施例を示すブロック図である。本実施例では、
本発明が電子ビーム露光装置に適用されている。図1に
おいて、荷電粒子ビーム露光装置は、データ管理用の中
央制御装置(CPU)1、ディスク装置2、データ展開
回路3、複数のディスク装置からなる記憶装置4、露光
管理用のCPU5、露光管理部6、タイミングコントロ
ーラ7、複数のメモリからなるメモリ装置8、リフォー
カス制御回路9、ブランキング・アパーチャのオン/オ
フ制御回路10、主偏向補正回路11、副偏向補正回路
12、ステージ制御回路13、ローダ制御回路14、電
流計15、アナログ・ディジタル(A/D)変換器1
6、スティグメータ補正回路17、フォーカス補正回路
18、ローダ19、ステージ位置検出器37、A/D変
換器38及び露光部22からなる。
【0030】露光部22は、大略電子銃23、電子レン
ズ24、BAA25、ブランキング部26、アパーチャ
27、電子レンズ28、リフォーカスコイル29、ステ
ィグメータコイル30、フォーカスコイル31、主偏向
器32、副偏向器33及び被露光物である基板又はウエ
ハ41を載置されたステージ34からなる。この様な露
光部22自体は周知であり、例えば特開平2−1835
16号公報にも開示されている。
【0031】尚、本実施例は、ローダ19の構成に特徴
があるものであり、電子ビーム露光装置のその他の部分
の構成は図1の構成に限定されず、各種周知の構成を用
いることも可能である。CPU1は、露光するべきパタ
ーンに関する露光パターンデータを管理する。ディスク
装置2は、各種露光パターンデータを格納している。露
光パターンデータは、CPU1の制御下で読み出され、
データ展開回路3により展開されて記憶装置4に格納さ
れる。CPU5は、展開データが記憶装置4に格納され
たことをCPU1より通知されるので、記憶装置4に格
納された展開データは、CPU5の制御下で、露光管理
部6により読み出されてメモリ装置8に格納される。
【0032】露光管理部6は、CPU5の制御下で、メ
モリ装置8に格納された展開データに基づいてタイミン
グコントローラ7、リフォーカス制御回路9及びステー
ジ制御回路13を制御する。タイミングコントローラ7
は、展開データのメモリ装置8からの読み出しタイミン
グや主偏向補正回路11及び副偏向補正回路12の動作
タイミング等を制御する。 ブランキング・アパーチャ
のオン/オフ制御回路10は、メモリ装置8から読み出
された展開データに基づいて、且つ、オン/オフの制御
をされるBAA25のブランキング・アパーチャが連続
的に一方向に移動するように、BAA25のどのブラン
キング・アパーチャの電極に電流を印加してオンとして
どのブランキング・アパーチャをオフとするかを決定し
て、タイミングコントローラ7からの射出クロックに応
答して対応するブランキング・アパーチャの電極に電流
を印加する。これにより、電子銃23から出射された電
子ビームは、電子レンズ24及びBAA25のオンとさ
れたブランキング・アパーチャを介してアパーチャ27
の方へ進む。他方、BAA25のオフとされたブランキ
ング・アパーチャを通過した電子ビームは、ブランキン
グ部26によりブロックされてウエハ41上まで達する
ことはない。オンとされたアパーチャ27を通った電子
ビームは、電子レンズ28を介してリフォーカスコイル
29、スティグメータコイル30及びフォーカスコイル
31へ導かれる。
【0033】リフォーカス制御回路9は、展開データに
基づいてリフォーカスコイル29を制御する。主偏向補
正回路11は、展開データに基づいて主偏向テーブルを
参照してディジタル主偏向データを補正し、補正された
ディジタル主偏向データをローダ19を介して主偏向器
32に供給する。又、主偏向補正回路11からの補正さ
れたディジタル主偏向データは、スティグメータ補正回
路17を介してスティグメータコイル30に供給される
と共に、フォーカス補正回路18を介してフォーカスコ
イル31に供給される。従って、スティグメータコイル
30、フォーカスコイル31及び主偏向器32は、夫々
スティグメータ補正回路17、フォーカス補正回路18
及び主偏向補正量計算回路11により制御される。又、
副偏向補正回路12は、展開データに基づいて副偏向テ
ーブルを参照してディジタル副偏向データを補正し、補
正されたディジタル副偏向データをローダ19を介して
副偏向器33に供給してこれを制御する。
【0034】ステージ34の位置は、ステージ位置検出
器37により検出され、A/D変換器38を介してCP
U5に通知される。これにより、CPU5は、ステージ
34の位置及び展開データに基づいて、ステージ制御回
路13を露光管理部6を介して制御することにより、ス
テージ34の位置を制御する。電子ビームのウエハ41
上の電流密度は、電流計15により検出され、A/D変
換器16を介してCPU5に通知される。これにより、
CPU5は、経時変化等による電子ビームの電流密度の
変化を常に把握することができ、検出された電流密度に
応じてタイミングコントローラ7から出力される射出ク
ロックの周波数を露光管理部6を介して制御する。つま
り、例えば電流密度が低下すると、射出クロックの周波
数を減少させて露光時間を増加させる。
【0035】ローダ制御回路14は、CPU5の制御下
でローダ19を制御する。ローダ19の制御情報は、例
えばターミナル35からもCPU5に入力される。後述
する如く、ローダ19はディジタル・アナログ(D/
A)変換器、アナログ増幅器等を有し、ローダ制御回路
14によりディジタル副偏向データをD/A変換器にセ
ットするタイミングを制御することが可能である。ロー
ダ19は、主偏向補正回路11からのディジタル主偏向
データをアナログ信号に変換するD/A変換器と、この
D/A変換器の出力アナログ信号を増幅するアナログ増
幅器と、副偏向補正回路12からのディジタル副偏向デ
ータをアナログ信号に変換するD/A変換器と、このD
/A変換器の出力アナログ信号を増幅するアナログ増幅
器等を有する。
【0036】図2は、本実施例におけるローダ19の要
部の構成を示す回路図である。同図では、説明の便宜
上、副偏向補正回路12からのディジタル副偏向データ
をアナログ信号に変換して副偏向器33に供給する部分
のみを示す。図2において、ローダ19は、大略D/A
変換器51,52、接地電圧検出器53、電圧・電流変
換器54、ダイオードブリッジ回路55、定電流源5
6,57、コンデンサ58、スイッチ59及びアナログ
増幅器61とからなる。D/A変換器52には、ローダ
制御回路14からの、D/A変換器51の出力アナログ
信号の傾きを設定する設定情報(制御情報)が供給され
る。この設定情報は、例えばユーザがターミナル35か
らCPU5に所望の傾きを入力すると、CPU5がロー
ダ制御回路14を対応する設定情報を出力するように制
御する。又、CPU5は、設定情報をD/A変換器52
にセットするタイミングを制御する情報をD/A変換器
52に供給するようにローダ制御回路14を制御すると
共に、ディジタル副偏向データをD/A変換器52にセ
ットするタイミングを制御する情報をD/A変換器52
に供給するようにローダ制御回路14を制御する。他
方、接地電圧検出器53には、副偏向補正量計算回路1
2からのディジタル副偏向データが供給される。接地電
圧検出器53は、接地電圧を検出すると、スイッチ59
をオンとする(即ち、閉じる)信号を出力し、その他の
場合はスイッチ59をオフとする(即ち、開ける)信号
を出力する。
【0037】D/A変換器51の出力アナログ信号(階
段波)は、電流・電圧変換器54を介してダイオードブ
リッジ回路55の入力側に供給される。尚、ダイオード
ブリッジ回路55には定電流源56,57が接続されて
おり、これらの定電流源56,57は、D/A変換器5
2の出力アナログ信号により制御されている。つまり、
定電流源56,57から出力される電流値は、D/A変
換器52の出力アナログ信号により一定の値に制御され
ている。ダイオードブリッジ回路55の出力側は、コン
デンサ58を介して接地されている。このコンデンサ5
8は、スイッチ59がオンの期間は短絡されている。
【0038】接地電位が0Vの場合、接地電圧検出器5
3は0Vを検出した時にスイッチ59をオンとする。
又、接地電位が−Vsの場合は、接地電圧検出器53は
−Vsを検出した時にスイッチ59をオンとする。これ
により、ディジタル副偏向データが接地電位であり、偏
向量が0の場合は、次のスウィープ偏向領域の走査を開
始するべくスイッチ59がオンとされてコンデンサ58
に蓄積された電荷が瞬時に放電されるので、電子ビーム
を常にウエハ41上一方向へ走査させることができる。
【0039】電流・電圧変換器54、ダイオードブリッ
ジ回路55、定電流源56,57及びコンデンサ58
は、時間経過に従って所望レベルから次のレベルへステ
ップ状に変化する電子ビームの位置を反映するD/A変
換器51の出力階段波に応じて、所望の出力レベルから
次の所望の出力レベルに向かって時間軸に対して直線的
にアナログ出力を増大するスウィープ回路を構成する。
ノード60から得られるこのスウィープ回路の出力アナ
ログ信号は、アナログ増幅器61で増幅されてから副偏
向器33に供給される。
【0040】他方、D/A変換器52は、スウィープ回
路の出力アナログ信号の傾きを可変するための回路を構
成する。ここで、定電流源56,57から供給される電
流をi、コンデンサ58に蓄積される電荷をQ、コンデ
ンサ58の容量をC、スウィープ回路の出力アナログ電
圧をVとし、スイッチ59がオフであるものとすると、
次の関係が成立する。
【0041】i=dQ/dt Q=CV dV/dt=i/C=一定 i=C×dV/dt 従って、例えば電流iが常に10mAに固定され、容量
Cが3000pF、通常の寄生容量による容量変動が1
5pFであり、1回のスウィープが3μsecである
と、電子ビームの位置精度は、偏向量の0.5%の精度
しか保証することができない。つまり、100μmの領
域を走査する場合、0.5μmの精度不安定要素を含む
ことになる。
【0042】そこで、本実施例では、CPU5は、ディ
ジタル副偏向データがD/A変換器51に1回のスウィ
ープ中複数回セットされるようにローダ制御回路14を
制御する。1回のスウィープ中にセットされる回数は、
CPU5により固定的に設定されていても、ターミナル
35から可変設定可能な構成としても良い。1回のスウ
ィープにより、電子ビームはウエハ41上の1つのスウ
ィープ偏向領域を連続的に走査する。このスウィープ領
域は、副偏向器33により電子ビームをウエハ41上で
偏向可能な副偏向領域内に存在する。
【0043】又、定電流源56,57が供給する電流
を、D/A変換器52の出力により可変設定可能として
いる。つまり、経時変化と共に電子ビームの電流密度が
変化すると、CPU5は電流計15からの通知をA/D
変換器16を介して受取り、通知された電流密度に応じ
てスウィープ回路の出力アナログ信号の傾きを最適なも
のに設定するようローダ制御回路14を制御する。ロー
ダ制御回路14は、例えば電流密度、レジスト感度やデ
ィジタル副偏向データをD/A変換器51にセットする
周波数等に応じて予め求められた最適な傾きをテーブル
として持っており、CPU5から得られる電流密度やレ
ジストの感度等に基づいて最適な傾きをテーブルから読
み出す。これにより、D/A変換器52には、スウィー
プ回路の出力アナログ信号の傾きを、検出された電子ビ
ームの電流密度に対して最適な値に設定する設定情報が
ローダ制御回路14より供給される。
【0044】尚、CPU5によるスウィープ回路の出力
アナログ信号の傾き設定動作は、電子ビームの1回のス
ウィープ中少なくとも1度行う。この傾き設定動作は、
電子ビームの1回のスウィープ中、任意の時点で行って
も、定期的に行っても良い。この傾き設定動作のタイミ
ングは、CPU5により固定的に設定されていても、タ
ーミナル35から可変設定可能な構成としても良い。
又、ウエハ41上のレジストの感度に応じて、ユーザが
ターミナル35から傾きをCPU5に入力しても良く、
CPU5は電子ビームの電流密度及びレジストの感度の
うち少なくとも一方に応じた傾き設定動作を行うように
スウィープ回路をローダ制御回路14を介して制御す
る。
【0045】図3は、射出クロックの周波数が低い場合
に副偏向器33により偏向された電子ビームの位置と電
子ビームに対する補正量のディジタル値及びアナログ値
の変化とを説明する図である。同図中、(a)は射出ク
ロックを示し、(b)は副偏向器33により偏向された
電子ビームの位置と電子ビームに対する補正量のディジ
タル値及びアナログ値の変化とを示す。つまり、同図
(b)中、階段波状のディジタル値がD/A変換器51
の出力を示し、アナログ値がアナログ増幅器61から得
られる出力を示す。
【0046】この場合、副偏向器33による電子ビーム
の位置変化は、アナログ増幅器61の鈍り作用によって
時間軸に対してほぼ比例して立ち上がって行く。図4
は、3μsecで1回のスウィープを行い、ディジタル
副偏向データをD/A変換器51にセットする周波数を
10MHzに設定した場合の、副偏向器33により偏向
された電子ビームの位置と電子ビームに対する補正量の
ディジタル値及びアナログ値の変化とを示す図である。
つまり、同図中、階段波状のディジタル値がD/A変換
器51の出力を示し、アナログ値がノード60から得ら
れる出力を示す。この場合、D/A変換器51の1ステ
ップは、3.3μm/100nsecとなる。従って、
3.3μmに1度電子ビームの位置が再セットされるこ
とになり、コンデンサ58の寄生容量変動は上記の場合
と同様であるため、本実施例では図5に示すように0.
0165μmの精度を保証することができる。図5中、
(a)は図4中丸印で囲んだ部分を拡大して示す図であ
り、(b)は(a)において丸印で囲んだ部分を拡大し
て示す図である。
【0047】上記副偏向器33の1回のスウィープで
は、ウエハ41上の100μm□のスウィープ偏向領域
が30μsecで露光される。このため、主偏向器32
により400個のスウィープ偏向領域で構成された2m
m□の主偏向領域を露光するのには、単純計算では12
msecで済むことになる。従って、直径が8インチの
ウエハ41で120sec、30枚/時間のスループッ
トを満足するものである。つまり、3.3μm/ステッ
プ以上は殆どあり得ない値であるため、露光精度は充分
に上記要求を満たすものである。更に、スウィープ時間
に比例して補正クロックの周波数が増減しても、本実施
例によれば露光精度の劣化は起こらない。尚、ディジタ
ル副偏向データをD/A変換器51にセットする周波数
は10MHzに限定されるものではなく、10MHzよ
り高速なセットが可能であれば10MHzより高い周波
数を使用しても良い。
【0048】又、上記実施例では、露光管理部6、タイ
ミングコントローラ7、リフォーカス回路9、ステージ
制御回路13及びローダ制御回路14は、CPU5とは
別の回路として説明したが、これらの部分の一部又は全
部はCPU5の機能を含めて実行する単一のマイクロプ
ロセッサユニット(MPU)により実現しても良いこと
は言うまでもない。
【0049】更に、本発明の適用は、電子ビーム露光方
法及び装置に限定されず、荷電粒子ビーム露光方法及び
装置であれば良い。以上、本発明を実施例により説明し
たが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、
本発明の範囲内で種々の変形及び改良が可能であること
は言うまでもない。
【0050】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、荷電粒子
ビームにより基板上のスウィープ偏向領域を連続的に走
査する際に、レジスト感度の変化や荷電粒子ビームの電
流密度の変化によりブランキング・アパーチャのオン/
オフのタイミングを制御する射出クロックが変化しても
荷電粒子ビームの偏向位置精度を保証すると共に、射出
クロックの分周をして常に補正クロックを補正するとい
った動作を必要することなく露光パターンのシャープネ
スの劣化を防止することができる。又、傾きを定期的に
設定することにより、直線に近いアナログ出力により副
偏向器を制御して、荷電粒子ビームで基板上の1つのス
ウィープ偏向領域を連続的に走査することができる。
【0051】請求項2記載の発明によれば、傾きを荷電
粒子ビームの電流密度及びレジストの感度のうち少なく
とも一方に基づいて可変設定することにより、荷電粒子
ビームに基板上の1つのスウィープ偏向領域を連続的に
走査させるのに最適な傾きを常に設定することができ
る。請求項3記載の発明によれば、荷電粒子ビームの電
流密度を検出することにより、経時変化等による電流密
度の変化にも対応して常に最適な傾きを設定することが
できる。
【0052】請求項4記載の発明によれば、ユーザが使
用するレジストの感度を入力することにより、この感度
に対して常に最適な傾きを設定することができる。請求
項5記載の発明によれば、ブランキング・アパーチャの
オン/オフのタイミングを制御する射出クロックの周波
数とは無関係にディジタル・アナログ変換器にディジタ
ル副偏向データをセットするタイミングを決定するの
で、たとえ射出クロックの周波数が低くなっても、荷電
粒子ビームに基板上のスウィープ偏向領域を安定に、且
つ、連続的に走査させることができる。
【0053】請求項6記載の発明によれば、荷電粒子ビ
ームにより基板上のスウィープ偏向領域を連続的に走査
する際に、レジスト感度の変化や荷電粒子ビームの電流
密度の変化によりブランキング・アパーチャのオン/オ
フのタイミングを制御する射出クロックが変化しても荷
電粒子ビームの偏向位置精度を保証すると共に、射出ク
ロックの分周をして常に補正クロックを補正するといっ
た動作を必要することなく露光パターンのシャープネス
の劣化を防止することができる。又、傾きを定期的に設
定することにより、直線に近いアナログ出力により副偏
向器を制御して、荷電粒子ビームで基板上の1つのスウ
ィープ偏向領域を連続的に走査することができる。
【0054】請求項7記載の発明によれば、傾きを荷電
粒子ビームの電流密度及びレジストの感度のうち少なく
とも一方に基づいて可変設定することにより、荷電粒子
ビームに基板上の1つのスウィープ偏向領域を連続的に
走査させるのに最適な傾きを常に設定することができ
る。請求項8記載の発明によれば、荷電粒子ビームの電
流密度を検出することにより、経時変化等による電流密
度の変化にも対応して常に最適な傾きを設定することが
できる。
【0055】請求項9記載の発明によれば、ユーザが使
用するレジストの感度を入力することにより、この感度
に対して常に最適な傾きを設定することができる。請求
項10記載の発明によれば、ブランキング・アパーチャ
のオン/オフのタイミングを制御する射出クロックの周
波数とは無関係にディジタル・アナログ変換器にディジ
タル副偏向データをセットするタイミングを決定するの
で、たとえ射出クロックの周波数が低くなっても、荷電
粒子ビームに基板上のスウィープ偏向領域を安定に、且
つ、連続的に走査させることができる。
【0056】請求項11記載の発明によれば、アナログ
増幅器によりアナログスウィープ回路のアナログ出力信
号を鈍らせることにより、副偏向器に供給する信号の直
線性を更に向上することができる。請求項12記載の発
明によれば、簡単な構成を用いてアナログスウィープ回
路を瞬時にリセットすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる荷電粒子ビーム露光装置の一実施
例を示すブロック図である。
【図2】実施例におけるローダの要部の構成を示す回路
図である。
【図3】射出クロックの周波数が低い場合に副偏向器に
より偏向された電子ビームの位置と電子ビームに対する
補正量のディジタル値及びアナログ値の変化とを説明す
る図である。
【図4】3μsecで1回のスウィープを行い、D/A
変換器のサンプリング周波数を10MHzに設定した場
合に副偏向器により偏向された電子ビームの位置と電子
ビームに対する補正量のディジタル値及びアナログ値の
変化とを示す図である。
【図5】図4の一部を拡大して示す図である。
【図6】射出クロックの周波数が高い場合に副偏向器に
より偏向された電子ビームの位置と電子ビームに対する
補正量のディジタル値及びアナログ値の変化とを説明す
る図である。
【図7】射出クロックの周波数が低い場合に副偏向器に
より偏向された電子ビームの位置と電子ビームに対する
補正量のディジタル値及びアナログ値の変化とを説明す
る図である。
【図8】D/A変換器の出力階段波形と、この出力階段
波形をアナログ増幅器で鈍らせた場合のアナログ増幅器
のアナログ出力波形とを示す図である。
【図9】図8の一部を拡大して示す図である。
【符号の説明】
1,5 CPU 2 ディスク装置 3 データ展開回路 4 記憶装置 6 露光管理部 7 タイミングコントローラ 8 メモリ装置 9 リフォーカス制御回路 10 オン/オフ制御回路 11 主偏向補正回路 12 副偏向補正回路 13 ステージ制御回路 14 ローダ制御回路 15 電流計 16,38 A/D変換器 17 スティグメータ補正回路 18 フォーカス補正回路 19 ローダ 22 露光部 23 電子銃 24 電子レンズ 25 BAA 26 ブランキング部 27 アパーチャ 28 電子レンズ 29 リフォーカスコイル 30 スティグメータコイル 31 フォーカスコイル 32 主偏向器 33 副偏向器 34 ステージ 37 ステージ位置検出器 41 ウエハ 51,52 D/A変換器 53 接地電圧検出器 54 電圧・電流変換器 55 ダイオードブリッジ回路 56,57 定電流源 58 コンデンサ 59 スイッチ 60 ノード 61 アナログ増幅器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢原 秀文 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 安田 洋 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−302413(JP,A) 特開 平7−263306(JP,A) 特開 平7−220993(JP,A) 特開 平7−254549(JP,A) 米国特許5546319(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/027

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 荷電粒子ビームを、ブランキング・アパ
    ーチャ・アレイと、主偏向器と、該主偏向器より小さい
    偏向領域内で荷電粒子ビームを偏向させる副偏向器とを
    介して基板上に照射して所望のパターンを該基板上に露
    光する荷電粒子ビーム露光方法において、 該基板上の1つのスウィープ偏向領域を該荷電粒子ビー
    ムにより連続的に走査させるため、該ブランキング・ア
    パーチャ・アレイのブランキング・アパーチャのオン/
    オフを、該所望のパターンに基づいて、且つ、オン/オ
    フの制御をされるブランキング・アパーチャの開口が連
    続的に一方向に移動するように制御することにより、実
    質的にブランキング・アパーチャ・アレイによって整形
    されたビームを連続的に該一方向へ基板上においてスウ
    ィープするステップと、 該所望のパターンに応じたディジタル副偏向データをア
    ナログ副偏向信号に変換するディジタル・アナログ変換
    器に、該1つのスウィープ偏向領域の少なくとも複数点
    で該ディジタル副偏向データをセットするステップと、 該ディジタル・アナログ変換器の出力するアナログ副偏
    向信号を直線的に増大するアナログスウィープ回路のア
    ナログ出力の傾きを定期的に設定するステップとからな
    り、 該副偏向器を該スウィープ回路のアナログ出力に基づい
    て制御する、荷電粒子ビーム露光方法。
  2. 【請求項2】 前記傾きを設定するステップは、前記荷
    電粒子ビームの電流密度及び前記基板上のレジストの感
    度のうち少なくとも一方に基づいて傾きを可変設定す
    る、請求項1記載の荷電粒子ビーム露光方法。
  3. 【請求項3】 前記荷電粒子ビームの電流密度を検出す
    るステップを更に有する、請求項2記載の荷電粒子ビー
    ム露光方法。
  4. 【請求項4】 前記レジストの感度を入力するステップ
    を更に有する、請求項2記載の荷電粒子ビーム露光方
    法。
  5. 【請求項5】 前記ディジタル・アナログ変換器に前記
    ディジタル副偏向データをセットするステップは、前記
    ブランキング・アパーチャ・アレイの各ブランキング・
    アパーチャをオン/オフさせるタイミングを決定する射
    出クロックの周波数とは独立してセットのタイミングを
    一定値に決定する、請求項1〜4のうちいずれか1項記
    載の荷電粒子ビーム露光方法。
  6. 【請求項6】 ブランキング・アパーチャ・アレイを介
    して得られる荷電粒子ビームを露光するべき所望パター
    ンに基づいて主偏向領域内で偏向する主偏向器と、 荷電粒子ビームを該主偏向器より小さい副偏向領域内で
    偏向する副偏向器とを備え、 該ブランキング・アパーチャ・アレイと、該主偏向器
    と、該副偏向器とを介して得られる荷電粒子ビームを基
    板上に照射して該所望のパターンを該基板上に露光する
    荷電粒子ビーム露光装置において、 該基板上の1つのスウィープ偏向領域を連続的に走査さ
    せるため、該ブランキング・アパーチャ・アレイのブラ
    ンキング・アパーチャのオン/オフを該所望のパターン
    に基づいて、且つ、オン/オフの制御をされるブランキ
    ング・アパーチャの開口が連続的に一方向に移動するよ
    うに制御することにより、実質的にブランキング・アパ
    ーチャ・アレイによって整形されたビームを連続的に該
    一方向へ基板上においてスウィープする手段と、 該所望のパターンに応じたディジタル副偏向データをア
    ナログ信号に変換するディジタル・アナログ変換器と、 該ディジタル・アナログ変換器に該ディジタル副偏向デ
    ータを該1つのスウィープ偏向領域の少なくとも複数点
    でセットする手段と、 該アナログ・ディジタル変換器の出力アナログ信号を直
    線的に増大して該副偏向器へ供給するアナログスウィー
    プ回路と、 該アナログスウィープ回路のアナログ出力信号の傾きを
    定期的に設定する手段とを有する、荷電粒子ビーム露光
    装置。
  7. 【請求項7】 前記傾きを設定する手段は、前記荷電粒
    子ビームの電流密度及び前記基板上のレジストの感度の
    うち少なくとも一方に基づいて傾きを可変設定する、請
    求項6記載の荷電粒子ビーム露光装置。
  8. 【請求項8】 前記荷電粒子ビームの電流密度を検出す
    る手段を更に有する、請求項7記載の荷電粒子ビーム露
    光装置。
  9. 【請求項9】 前記レジストの感度を入力する手段を更
    に有する、請求項7又は8記載の荷電粒子ビーム露光装
    置。
  10. 【請求項10】 前記ディジタル・アナログ変換器をセ
    ットする手段は、前記ブランキング・アパーチャ・アレ
    イの各ブランキング・アパーチャをオン/オフさせるタ
    イミングを決定する射出クロックの周波数とは独立して
    セットのタイミングを一定値に決定する、請求項6〜9
    のうちいずれか1項記載の荷電粒子ビーム露光装置。
  11. 【請求項11】 前記スウィープ回路の出力アナログ信
    号を鈍らせて増幅してから前記副偏向器に供給するアナ
    ログ増幅器を更に有する、請求項6〜10のうちいずれ
    か1項記載の荷電粒子ビーム露光装置。
  12. 【請求項12】 前記スウィープ回路の出力段に設けら
    れたコンデンサを短絡するスイッチを更に有し、該スイ
    ッチは1回のスウィープ毎に閉じて該コンデンサを放電
    することにより前記荷電粒子ビームによる前記基板上の
    スウィープを一方向に行わせる、請求項6〜11のうち
    いずれか1項記載の荷電粒子ビーム露光装置。
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