JP3419723B2 - シャッター付サッシ - Google Patents

シャッター付サッシ

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シャッター付サッ
シに係り、特に施工性の向上等を図ったシャッター付サ
ッシに関する。
【0002】
【従来の技術】サッシにシャッターを組み合わせたシャ
ッター付サッシとしては、例えば特開平11−2103
59号公報、特開平11−217972号公報、特許第
2666976号公報、実用新案登録第2529459
号公報等に記載されているように、種々のものが提案さ
れている。シャッター付サッシとしては、外枠であるシ
ャッター枠と内枠であるサッシ枠とが一体に形成された
もの、シャッター枠とサッシ枠とが別体に形成されたも
の、シャッターの駆動が電動式のものや経済的な手動式
のもの等がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】シャッター枠とサッシ
枠が一体に形成されたものにおいては、建物の躯体への
取付けが一度にでき施工が容易であるが、サッシ枠のみ
を好みの障子の種類のものに選択して取付けるというこ
とはできない。これに対して、シャッター枠とサッシ枠
が別体に形成されたものにおいては、障子の種類の異な
るサッシ枠を選択的に取付けることが可能であるが、シ
ャッター枠とサッシ枠を建物の躯体に別々に取付けなけ
ればならなかったので、施工に手間がかかる問題があっ
た。一方、シャッターの巻き軸を回す操作部材を室内側
から操作する場合に、従来技術では、シャッター枠(外
枠)が室内側に露出していなかったので、現場でサッシ
枠(内枠)に加工するか、躯体に工事をしなければ操作
部材を室内側に出せなかった。
【0004】本発明は、前記事情を考慮してなされたも
ので、内枠を好みのものに組み替えることができると共
に、建物の躯体への取付けが一度にでき施工が容易であ
るシャッター付サッシを提供することを目的とする。ま
た、本発明の目的は、建物の躯体および内枠には操作部
材を挿通するための加工を要しないシャッター付サッシ
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のうち、請求項1
に係る発明は、建物の躯体に取付けられる四方枠からな
る外枠と、この外枠の内周に取付けられた複数種類の窓
サッシから任意に選択された四方枠からなる内枠とを備
え、前記外枠の上枠内には外枠の室外側を開閉自在に遮
蔽するシャッターのシャッター本体が収容されているこ
とを特徴とする。
【0006】請求項2に係る発明は、建物の躯体に取付
けられる四方枠からなる外枠と、この外枠の内周に取付
けられた複数種類の窓サッシから任意に選択された四方
枠からなる内枠とを備え、前記外枠の上枠内には外枠の
室外側を開閉自在に遮蔽するシャッターのシャッター本
体が収容され、前記外枠に前記シャッター本体を手動操
作する操作部材を室内側に挿通する挿通口を設けてなる
ことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を添
付図面に基いて詳述する。図1は本発明の実施の形態を
示すシャッター付サッシの縦断面図、図2は同シャッタ
ー付サッシの一部省略横断面図、図3は同シャッター付
サッシのシャッター本体の概略的平面図、図4は外枠か
らシャッターの操作部材を室内側に挿通する部分を示す
分解斜視図、図5は同操作部材の挿通状態を示す斜視図
である。
【0008】これらの図に示すように、シャッター付サ
ッシ1は、建物の躯体2に取付けられる四方枠からなる
外枠(シャッター枠ともいう。)3と、この外枠3の内
周に着脱可能に取付けられた四方枠からなる内枠(サッ
シ枠ともいう。)4とを備えている。本実施の形態のシ
ャッター付サッシ1は、躯体2に対して室外側半分が室
外側へ突出した状態に取付けられる半外付タイプに構成
されている。前記外枠3は、上枠3a、下枠3bおよび
左右の縦枠3cからなり、その上枠3aの内部には外枠
3の室外側を開閉自在に遮蔽するシャッター5のシャッ
ター本体6が収容されている。外枠3を構成する枠材
は、例えばアルミニウム合金の押出形材からなってい
る。
【0009】シャッター本体6は、横長の金属製板材
(スラット)を上下方向によろい状につないでなるシャ
ッター板7を巻き取るための巻き軸8と、この巻き軸8
を回転可能に支持する支持枠9とを備えている。シャッ
ター5は手動式であり、内枠4に取付けられた障子10
が閉鎖状態でもシャッター本体6を室内側から手動で操
作可能とするために、前記巻き軸8の一端にはテープ状
の操作部材11を巻き取った巻取部12が直接設けられ
ている。
【0010】すなわち、このシャッター5は、前記巻取
部12から操作部材11を引っ張り出すと、巻取部12
を介して巻き軸8が巻取方向に回転駆動されてシャッタ
ー板7が巻き上げられ、逆に操作部材11を緩めると、
シャッター板7が自重あるいはシャッター本体6に内蔵
されたバネの力で巻き下げられると共に、巻き軸8を介
して巻取部12が巻取方向に回転されて操作部材11が
巻取部12に巻き取られるように構成されている。シャ
ッター板7の巻き軸8の巻取方向と操作部材11の巻取
部12の巻取方向は、逆になっている。
【0011】前記シャッター板7は下端に端板(エンド
スラット)を有し、シャッター板7もしくは端板には、
端板が下枠3bに当接した閉鎖位置でシャッター板7が
開放されないよう縦枠3cもしくは下枠3bに対して施
解錠するためのロック機構が設けられていてもよい。こ
のロック機構は、障子が閉鎖状態もしくは嵌め殺しであ
っても、室内側から施解錠できるように構成されている
ことが好ましい。外枠3の両縦枠3cには、シャッター
板7および端板の両側部を上下方向に案内するガイド溝
13が設けられている。このガイド溝13は、図示例で
は縦枠3cに別体で設けられているが、縦枠3cに一体
形成されていてもよい。
【0012】前記内枠4は、上枠4a、下枠4bおよび
左右の縦枠4cからなっている。内枠4を構成する枠材
は、例えばアルミニウム合金の押出形材からなってい
る。内枠4は、複数種類の窓サッシから任意に選択され
ている。すなわち、内枠4は、その内側に取付けられる
障子10により種類が異なり、その異なる種類の中から
選択的に縦枠3内に取付可能とされている。内枠4の内
周は障子10の種類により構造が異なっているが、内枠
4の外周(枠回り)は統一化されている。内枠4に取付
けられる障子10としては、縦辷り、引違い、片引き、
上げ下げ等の開閉可能な各種の障子があり、また、開閉
可能な障子以外に、嵌め殺しであってもよい。
【0013】前記外枠3には、前記シャッター本体6を
手動操作する前記操作部材11を室内側に挿通するため
の挿通口14が設けられている。図示例のシャッター付
サッシ1においては、外枠3における上枠3aの背面部
下側および内枠4における上枠4aの背面部が室内側に
露出しており、その室内露出部にはこれを覆う横長のカ
バー部材15が着脱可能に取付けられている。前記外枠
3の縦枠3cは内壁部3xと外壁部3yを有するホロー
(中空)構造であるが、上枠3aの端部を縦枠3cの内
壁部3xに当接させるのではなく、内壁部3xにおける
上枠3aの端部と対応する部分を切り欠くことにより、
上枠3aの端部を縦枠3cの外壁部3yの内側面に当接
させて接合している。
【0014】そこで、前記上枠3aの背面部下側におけ
る前記操作部材11の巻取部12と対応する部分には、
図4にも示すように、操作部材11を室内側に挿通させ
るための挿通口14が形成され、この挿通口14には操
作部材11を案内する上下一対のガイドローラ16が取
付けられている。前記カバー部材15は、外枠3におけ
る上枠3aの背面部に形成された断面L字状の突起部1
7に引掛けられる引掛部18と、内枠4における上枠4
aの室内突出縁部19の上部に載置されてネジ止めされ
る断面逆U字状のU字ホール部20とを上下に有してい
る。
【0015】前記挿通口14から室内側に挿通された操
作部材11を下方へ導くために、前記カバー部材11の
U字ホール部20には操作部材11を挿通するための切
欠部21が形成され、この切欠部21には、操作部材1
1を挿通する挿通孔23を有する蓋24がネジ25で着
脱可能に取付けられている。室内側には、前記挿通孔2
3を通って下方へ導かれた操作部材11を巻き取るため
の巻取装置26が取付けられている。
【0016】以上の構成からなるシャッター付サッシ1
は、工場または現場で組立てられ、建築現場の建物の躯
体2に取付けられる。前記内枠4は、複数種類の窓サッ
シから任意に選択可能とされているため、すなわち、内
側に取付けられる障子10により種類が異なり、その異
なる種類の中から選択的に外枠3内に取付可能とされて
いるため、バラエティーに富み、内枠4を好みのタイプ
のもの(例えば、引違いサッシや嵌め殺しサッシ等)に
組み替えることができる。また、外枠3と内枠4とは別
体に形成されているが、外枠3の内周に内枠4が取付け
られているため、外枠3を建物の躯体2に取付けるだけ
でシャッター付サッシ1を一回で取付けることができ、
施工が容易である。
【0017】前記外枠3の上枠3a内には外枠3の室外
側を開閉自在に遮蔽するシャッター5のシャッター本体
6が収容され、外枠3にはシャッター本体6を手動操作
する操作部材11を室内側に挿通する挿通口14が設け
られているため、建物の躯体2および内枠4には操作部
材11を挿通するための加工を一切要することなく室内
側に操作部材11を通すことができ、しかも、内枠4の
障子10が閉鎖状態または嵌め殺しであったとしても操
作部材11の操作により室内側からシャッター5を容易
に開閉操作することができる。また、シャッター付サッ
シ1においては、シャッター5が手動式であるため、コ
ストの低減が図れる。
【0018】シャッター5を開ける場合には、シャッタ
ー本体6の巻き軸8に設けた巻取部12に巻き取られて
いる操作部材11を室内側へ引き出せばよく、これによ
り巻取部12を介して巻き軸8が巻取方向に回転駆動さ
れてシャッター板7が巻き上げられる。室内側に引き出
された操作部材11は、巻取装置26に自動的に巻き取
られる。シャッター5を閉める場合には、巻取装置26
から操作部材11を引き出して緩めればよく、これによ
りシャッター板7が自重あるいはシャッター本体6に内
蔵されたバネの力で巻き下げられる。この時、巻き軸8
を介して巻取部12が巻取方向に回転され、操作部材1
1が巻取部12に巻き取られる。
【0019】前記外枠3に設けた挿通口14には操作部
材11を案内するガイドローラ16が設けられているた
め、操作部材11が挿通口14の縁部に引っ掛かること
がなく、操作部材11を円滑に操作することができる。
また、前記挿通口14およびガイドローラ16はカバー
部材15で覆い隠されているため、室内側から見えるこ
とがなく、従ってシャッター付サッシ1の見栄えが悪く
なることはない。
【0020】図6,図7は本発明の他の実施の形態を示
している。本実施の形態において、前記実施の形態と同
一ないし均等の部分は、同一参照符号を付して説明を省
略し、異なる部分について説明する。本実施の形態のシ
ャッター付サッシ1は、建物の躯体2の室外面に取付け
られる外付けタイプに構成されている。また、シャッタ
ー本体6の巻き軸8を直接でなく間接的に操作部材11
により駆動するように構成されている。
【0021】外枠3の縦枠3cは、ホロー構造とされて
おらず、この縦枠3cの内側に内枠4の縦枠4cが着脱
可能に取付けられている。前記実施の形態では、外枠3
における縦枠3cの外面部3yが躯体2の開口27に位
置されているのに対し、本実施の形態では、内枠4にお
ける縦枠4cが躯体2の開口27に位置されている。従
って、シャッター本体6の巻き軸8の端部に操作部材1
1の巻取部12を設けると、躯体2や内枠4に操作部材
11の挿通口を設けない限り、操作部材11を室内側に
挿通することが困難となる。このため、前記巻き軸8の
端部にギヤ28,29を介して操作部材11の巻取部1
2を連結することにより、巻取部12を巻き軸8の端部
よりも内側すなわち躯体2の開口27領域に配置し、巻
き軸8を操作部材11によりギヤ28,29を介して間
接的に駆動するようにしてある。この場合も前記実施の
形態と同様に、操作部材11を室内側に挿通する挿通口
14は、外枠3の上枠3aに設けられている。
【0022】以上、本発明の実施の形態を図面により詳
述してきたが、本発明は前記実施の形態に限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲での種々の
設計変更等が可能である。例えば、挿通口は、前記実施
の形態では外枠の上枠の縦枠との連結部に近い端部に設
けられているが、外枠の縦枠に設けてもよい。また、挿
通口は、前記実施の形態では上枠の室内側の面に設けら
れているが、縦枠の室内側の面、上枠の枠内側の面、あ
るいは、縦枠の枠内側の面に設けてもよい。更に、前記
実施の形態では、挿通口は上枠に設けたカバー部材によ
り覆われ室内側に直接露出せず、上枠とは別部材のカバ
ー部材に設けた挿通孔を有する蓋体からなる誘導部材に
よって操作部材を室内側に誘導しているが、誘導部材を
備えたカバー部材は縦枠に取付けてあってもよい。ま
た、上枠または縦枠に設けられた挿通口は、室内側に直
接露出していてもよい。
【0023】前記実施の形態では、操作部材としてテー
プ状のものが示されているが、操作部材としては、テー
プ状以外に、紐状、チェーン状等であってもよい。ま
た、操作部材は、巻取部に巻き取る巻取り式でなく無端
ベルト式ないし巻き掛け式であってもよい。この場合、
シャッター本体の巻き軸に、無端状の操作部材を巻き掛
けるためのプーリないしベルト車を直接または間接的に
設ければよい。巻き掛け式の場合、巻取装置は不用であ
る。シャッターは電動式であってもよく、その場合、停
電時や故障時に操作部材により手動で操作するように構
成されていてもよい。シャッター付サッシは、窓タイプ
でも、テラスタイプでもよい。また、シャッター付サッ
シの外枠や内枠、障子は、断熱構造とされていてもよ
い。
【0024】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、次のよう
な効果を奏することができる。
【0025】(1)請求項1に係る発明は、建物の躯体
に取付けられる四方枠からなる外枠と、この外枠の内周
に取付けられた複数種類の窓サッシから任意に選択され
た四方枠からなる内枠とを備え、前記外枠の上枠内には
外枠の室外側を開閉自在に遮蔽するシャッターのシャッ
ター本体が収容されているため、内枠を好みのものに組
み替えることができると共に、建物の躯体への取付けが
一度にでき施工が容易である。
【0026】(2)請求項2に係る発明は、建物の躯体
に取付けられる四方枠からなる外枠と、この外枠の内周
に取付けられた複数種類の窓サッシから任意に選択され
た四方枠からなる内枠とを備え、前記外枠の上枠内には
外枠の室外側を開閉自在に遮蔽するシャッターのシャッ
ター本体が収容され、前記外枠に前記シャッター本体を
手動操作する操作部材を室内側に挿通する挿通口を設け
てなるため、内枠を好みのものに組み替えることがでで
ると共に、建物の躯体への取付けが一度にでき施工が容
易であり、しかも、建物の躯体および内枠には操作部材
を挿通するための加工を要することなく室内側に操作部
材を通すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示すシャッター付サッシ
の縦断面図である。
【図2】同シャッター付サッシの一部省略横断面図であ
る。
【図3】同シャッター付サッシのシャッター本体の概略
的平面図である。
【図4】外枠からシャッターの操作部材を室内側に挿通
する部分を示す分解斜視図である。
【図5】同操作部材の挿通状態を示す斜視図である。
【図6】本発明の他の実施の形態を示すシャッター付サ
ッシの一部省略横断面図である。
【図7】同シャッター付サッシの縦断面図である。
【符号の説明】
1 シャッター付サッシ 2 建物の躯体 3 外枠 3a 外枠の上枠 4 内枠 6 シャッター本体 10 障子 14 挿通口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E06B 3/32 E06B 9/17 E06B 9/58

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建物の躯体に取付けられる四方枠からな
    る外枠と、この外枠の内周に取付けられた複数種類の窓
    サッシから任意に選択された四方枠からなる内枠とを備
    え、前記外枠の上枠内には外枠の室外側を開閉自在に遮
    蔽するシャッターのシャッター本体が収容されているこ
    とを特徴とするシャッター付サッシ。
  2. 【請求項2】 建物の躯体に取付けられる四方枠からな
    る外枠と、この外枠の内周に取付けられた複数種類の窓
    サッシから任意に選択された四方枠からなる内枠とを備
    え、前記外枠の上枠内には外枠の室外側を開閉自在に遮
    蔽するシャッターのシャッター本体が収容され、前記外
    枠に前記シャッター本体を手動操作する操作部材を室内
    側に挿通する挿通口を設けてなることを特徴とするシャ
    ッター付サッシ。
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