JP3418266B2 - 生ごみ処理機の攪拌装置 - Google Patents

生ごみ処理機の攪拌装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各家庭で生ごみを容易
に処理することのできる生ごみ処理機の攪拌装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図3に示すのは、本出願人が発明し先に
出願した家庭用の生ごみ処理機の断面図であり、頂部に
開口を有する有底のプラスチック製筒状容器1と、筒状
容器1の頂部開口に着脱自在にはまる上蓋2と、筒状容
器1内を攪拌する攪拌装置3と、筒状容器の下部に取り
付けられた車輪4からなる。
【0003】筒状容器1は、その側壁の下半部と底壁が
二重壁構造となっており、二重壁構造の内壁側5が二重
壁構造の部分より上に一体的に延び側壁の上半部をも構
成し、外壁側6は内壁側5の縮小した下半部の外周には
まり、内壁側5の上半部と段差なくつながっている。筒
状容器1の二重壁構造の部分は上記攪拌装置3の攪拌領
域(攪拌翼7が到達する範囲)よりやや上までカバー
し、二重壁構造の内壁側5の底部には攪拌翼7の先端の
回転軌跡にほぼ沿った形状にRが付けられている。
【0004】上蓋2には複数の開口部8が形成され、そ
の開口部8には水(雨水)を通さないが内部からの水蒸
気を通す商品名ゴアテックス(登録商標)の防水透湿性
膜9が張られている。防水透湿性膜とは、使用条件下で
水は通さないが水蒸気や空気は透過する性質の膜であ
り、例えば、ポリテトラフロロエチレンを延伸加工した
連続多孔質構造フィルム(商品名ゴアテックス=登録商
標)が挙げられる。容器内部の水蒸気は、容器の内外の
水蒸気分圧の差により防水透湿性膜を通して容器外に自
然に拡散し、また、外の空気は該防水透湿性膜を通し容
器内に自然に拡散してくる。
【0005】攪拌装置3は筒状容器1の側壁に水平に回
転自在に支持されたシャフト10と、シャフト10に放
射状に取り付けられた複数の攪拌翼7を有し、人力又は
電動モータ等により回転駆動される。車輪4は、外壁側
6に回転自在に取り付けられる。車輪4に対応する箇所
では外壁側が内壁側5の方にへこみ、車輪4は筒状容器
1の輪郭から飛び出さないように収められている。
【0006】この生ごみ処理機の使用に際しては、頂部
開口から筒状容器1内に攪拌翼7の先端がのぞく程度に
オガ屑等の微生物の着床材を入れ、その中に生ごみと生
ごみの分解に適する1種又は2種以上の微生物を添加
し、内部を攪拌し生ごみと微生物とを混合させる。微生
物による生ごみの分解が進むと、分解によって発生する
水分はいったんはオガ屑に吸収されるが、分解時の自己
発熱もあって水蒸気となり、容器内外の水蒸気分圧の差
により防水透湿性膜9を抜けて容器外に絶えず放散す
る。このため容器内は水分でベトベトになることがな
く、また、二重壁構造のため断熱性がよく、通気口に張
られた防水透湿性膜のため外気の直接の浸入がなく、外
気温度が下がっても容器内温度が下がりにくいなど、筒
状容器1内部は生ごみを分解する微生物にとり好適な環
境に保たれ、生ごみは腐敗することなく速やかに水と二
酸化炭素に分解される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記生ごみ
処理機の筒状容器1内は、内壁5の底部に攪拌翼7の先
端の回転軌跡にほぼ沿った形状にRが付けられているの
で、攪拌不良となるデッドポイントがほとんどなく、攪
拌翼7が回転することにより均一に攪拌されるが、例え
ば内壁側5の内面と攪拌翼7の間に大きく固い生ごみを
噛み込んだようなとき、生ごみを破砕して攪拌翼7を回
転させるには大きい力が必要であり、また、生ごみが破
砕できないときは攪拌翼7を回転することができず、駆
動源が電動モータの場合焼損したりヒューズが飛んだり
するという問題がある。
【0008】本発明は、先願発明に関わる生ごみ処理機
の上記問題点を解決しようとするもので、容器内面と攪
拌翼の間に大きく固い生ごみを噛み込んだときでも攪拌
翼にかかる負荷を軽減でき、引続き回転させることがで
きる攪拌装置を得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、処理容器内で
回転するシャフトとそのまわりに放射状に取り付けられ
た攪拌翼を備える生ごみ処理機の攪拌装置において、該
攪拌翼の一部又は全部を弾性体で構成しその部分が自在
に湾曲するようにしたことを特徴とするもので、好まし
い具体的態様として、攪拌翼の先端部を弾性体で構成し
たこと、その場合、弾性体の先に幅広の補助部材を取り
付けたこと、また、弾性体がコイルバネであること等が
挙げられる。なお、上記弾性体は、コイルバネ以外のバ
ネ、ゴム製品、プラスチック製品など、応力に応じて変
形し、応力が除かれたとき元の形状に戻るものであれば
何でもよい。
【0010】
【作用】上記攪拌装置では、攪拌翼の一部又は全部を弾
性体で構成しその部分が自在に湾曲するようにしたの
で、攪拌翼が容器内面との間に大きく固い生ごみを噛み
込んだときは、攪拌抵抗が大きくなることで弾性体部分
がひずんで湾曲し、攪拌翼は生ごみをすり抜けるように
回転する。
【0011】一方、攪拌翼が処理容器内の収容物(生ご
み+着床材)をかき分けて上昇し、収容物から先端をの
ぞかせようとするとき、その攪拌翼にかかる負荷が急に
小さくなり、湾曲していた弾性体が元の形に復帰し攪拌
翼が処理容器内で収容物を飛散させる。攪拌翼全体を弾
性体で構成したり攪拌翼の途中を弾性体で構成すること
もできるが、収容物の飛散をできるだけ小さく抑えるた
め、攪拌翼の先端部分に弾性体を用いるのがよい。
【0012】また、攪拌翼の先端部分を弾性体で構成し
たとき、弾性体が幅広のものであればよいが、例えばコ
イルバネのようなものを用いた場合、着床材の上に投入
した生ごみを着床材の中に引き込む作用が小さい。この
ようなときは弾性体の先に幅広の補助部材を取り付け生
ごみの引き込み作用をアップさせるとよい。
【0013】
【実施例】以下、図1及び図2を参照して、本発明の実
施例を説明する。ここに示す生ごみ処理機は、攪拌装置
の部分を除いて図3に示す生ごみ処理機と基本的には同
一である(同一箇所には同一番号を付けている)。
【0014】図1に示す攪拌装置13は、筒状容器1の
側壁に軸支されたシャフト14と、シャフト14のまわ
りに放射状に取り付けられた攪拌翼15と、シャフト1
4を回転させるラチェット方式の駆動機構16から構成
される。シャフト14は、二重壁構造の内壁側5に取り
付けられた軸受部材17に軸支されたメインシャフト1
8と、主軸18にボルト止めされたパイプ状シャフト1
9からなる。20はスペーサである。攪拌翼15は、パ
イプ状シャフト19のまわりに固定された基体部21
と、その先端に形成されたオネジ部分22にねじ込まれ
たコイルバネ23からなる。
【0015】ラチェット方式の駆動機構16は、メイン
シャフト18の端部に固定された歯車24と、内壁側5
に取り付けられたフレーム25に固定された固定軸26
と、固定軸26に回転自在にはまるスリーブ27と、ス
リーブ27の一端に固定され前記歯車24に噛み合う歯
車28と、スリーブ27に間欠的な回転運動を与えるラ
チェット29と、差込みピン30とペダル31を備え固
定軸26に回転自在にはめられる駆動部材32からな
る。(ラチェット29は6角形の内側形状を有する爪車
と爪車の外周の歯に係合する爪からなり、スリーブ27
の6角形の外側形状をした箇所27aにはまり込み、こ
れに動力を伝達する。)そして、この駆動機構16は二
重壁構造の内壁側5と外壁側6の間の空間に収められ、
ボルト33により外壁側6とほぼ面一に取り付けられる
カバー34で被われている。
【0016】なお、駆動部材32は固定軸26に対し着
脱自在であり、固定軸26に取り付けるとき図1に示す
ように差込みピン30をラチェット29に形成された穴
に差し込むことで、ペダル31に加えられる駆動力をラ
チェット29の爪から爪車を経てスリーブ27に伝達す
ることができる。また、ラチェット29の爪は図示しな
いバネにより反駆動方向に付勢されており、ペダル31
を踏んでスリーブ27を回転させたあとペダル31から
足を離すと、ラチェット29の爪は(当然ペダル31
も)バネの付勢力で逆方向に回転し元の位置に復帰す
る。
【0017】この攪拌装置13の使用にあたっては、駆
動部材32を固定軸26にはめ、差込みピン30をラチ
ェット29の穴に差込み、ペダル31を繰り返し踏む。
その駆動力はラチェット29、スリーブ27、歯車2
8、24、メインシャフト18を介して攪拌翼15を間
欠回転させる。処理容器の中には着床材が図1に仮想線
sで示す辺りまで入れられ、生ごみはその着床材の上に
投入されるが、攪拌翼15が回転することで着床材の中
に引き込まれ、着床材と混ぜ合わされる。なお、この実
施例では攪拌翼15のコイルバネ23の先端が内壁側5
の内面に近接して設けられているが、実験の結果、無負
荷状態でコイルバネ23の先端が内壁側5の内面に少し
接触するぐらいに設定しておく方が生ごみのより均一な
攪拌が可能となる。
【0018】図2に示す実施例における攪拌翼35は前
記実施例におけるコイルバネ23の先端に引き込み用の
補助部材36を取り付けたもので、攪拌翼35が回転す
る際この補助部材36が内壁側5の内面に軽く接触する
ように設定されている。補助部材36は幅の広い円形ヘ
ッド37を有するボルト状のもので、コイルバネ23の
先端にねじ込まれている。この実施例の攪拌翼35は、
補助部材36がコイルバネ23より幅広であるので、生
ごみを着床材の中に引き込む作用が強く、内部で生ごみ
と着床材を混ぜ合わせる作用も強い。
【0018】
【発明の効果】本発明の攪拌装置によれば、処理容器内
面と攪拌翼の間に大きく固い生ごみを噛み込んでも、攪
拌翼がバネの作用で変形しその生ごみをすり抜けるの
で、攪拌翼を無理なく回転させることができる。そして
何回も回転させているうちに大きい生ごみは少しずつ破
砕され、着床材と均一に混ざり、微生物の作用で速やか
に分解される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に関わる生ごみ処理機の攪拌装
置の断面図である。
【図2】他の実施例に関わる生ごみ処理機の攪拌装置の
断面図である。
【図3】先願発明に関わる生ごみ処理機の断面図であ
る。
【符号の説明】
5 二重壁構造の内壁側 6 同じく外壁側 13 攪拌装置 14 シャフト 15、35 攪拌翼 16 駆動機構 23 コイルバネ 36 引き込み用の補助部材

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 処理容器内で回転するシャフトとそのま
    わりに放射状に取り付けられた撹拌翼を備える生ごみ処
    理機の撹拌装置において、該撹拌翼の一部又は全部を
    イルバネで構成しその部分が自在に湾曲するようにした
    ことを特徴とする生ごみ処理機の撹拌装置。
  2. 【請求項2】 撹拌翼の先端部をコイルバネで構成した
    ことを特徴とする請求項1に記載された撹拌装置。
  3. 【請求項3】 コイルバネの先に幅広の補助部材を取り
    付けたことを特徴とする請求項2に記載された撹拌装
    置。
  4. 【請求項4】 処理容器内で回転するシャフトとそのま
    わりに放射状に取り付けられた撹拌翼を備える生ごみ処
    理機の撹拌装置において、該撹拌翼の先端部を弾性体で
    構成してその部分が自在に湾曲するようにし、かつ前記
    弾性体の先に幅広の補助部材を取り付けたことを特徴と
    する生ごみ処理機の撹拌装置。
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