JP3417861B2 - 連鋳における鋳型内溶鋼流の制御方法 - Google Patents

連鋳における鋳型内溶鋼流の制御方法

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JP3417861B2 JP37346998A JP37346998A JP3417861B2 JP 3417861 B2 JP3417861 B2 JP 3417861B2 JP 37346998 A JP37346998 A JP 37346998A JP 37346998 A JP37346998 A JP 37346998A JP 3417861 B2 JP3417861 B2 JP 3417861B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、連続鋳造において
鋳型内の溶鋼流を静磁場の作用によって制御することに
よって、内部欠陥のない鋳片を製造する為の制御方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】図1は、従来の連続鋳造法における鋳片
中の溶鋼流の様子を示す概略説明図であり、図中1は短
辺側鋳型、2は長辺側鋳型、3は浸漬ノズル、4は溶
鋼、5は凝固殻、6は非金属介在物、15はガイドロー
ルを夫々示す。尚図1(a)は長辺側から見た断面図で
あり、図1(b)は短辺側から見た断面図である。
【0003】この様な連続鋳造においては、溶鋼4は鋳
型内中心部に設置された浸漬ノズル3から両側の短辺
(短辺側鋳型)に向けて略水平乃至斜め下方に噴出され
るが、鋳型内に注入された溶鋼流(図1、2中、記号A
で示す)が深く潜り込むと、溶鋼よりも軽い気泡やアル
ミナ等も溶鋼流に乗って鋳片内に深く入り込み、溶鋼表
面上に浮上分離されずに、湾曲内側に非金属介在物6と
して捕捉されることになる。そして、これが鉄鋼製品の
内部欠陥となる。
【0004】こうした不都合を回避するという観点か
ら、溶鋼流速が早い領域に静磁界を作用させて溶鋼流動
を減速する技術が様々提案されている。例えば、特開昭
57−17356号には、図2[図2(a)は長辺側か
ら見た断面図、図2(b)は短辺側から見た断面図]に
示す様に、鋳型の周囲に電気コイル7と鉄芯8からなる
電磁石9を配置し、この電磁石9によって発生する静磁
場を溶鋼流速が早い領域に作用させて溶鋼流動を減速す
る技術が開示されている。
【0005】しかしながら、静磁場を局所的に作用させ
ると、前記図2(a)に示す様に溶鋼流Aは磁場の弱い
領域を迂回するので、溶鋼流Aの潜り込みを十分に抑制
できず、電磁石を配置しただけの効果が発揮されない。
【0006】こうしたことから、例えば特開平2−28
4750号には、断面が長方形のスラブ鋳片またはブル
ーム鋳片(以下、これらを一括して単に「鋳片」と呼ぶ
ことがある)を製造する連続鋳造機の鋳型において、そ
の長辺方向(以下、「幅方向」と言うことがある)の全
域に静磁場を作用させて溶鋼流の迂回経路を断つ技術が
提案されている。また、例えば特開平5−55220号
には、磁場作用領域を鋳型の上下2段とする技術も提案
されており、ある程度の品質改善が発揮されている。
【0007】しかしながらこれらの技術は、いずれも鋳
型短辺近傍(幅方向の両端部付近)の領域では、下降流
の抑制効果が不十分であり、鋳片内部の非金属介在物の
欠陥が低減しないという問題があった。そしてこうした
問題が生じる原因としては、次の様に考えられる。上記
した技術はいずれも、断面空間が長方形の鋳型を流下す
る溶鋼流に対して鋳型短辺方向(以下、「厚み方向」と
言うことがある)の磁場を作用させる技術であるが、こ
うした磁場を作用させると図3に示す様に、鋳型幅中央
部においては鋳型幅方向の電流が誘起され、磁場と電流
が水平面内で直交するので、フレミングの法則に従って
上向きの電磁力が発生し、溶鋼流が制動されることにな
る。これに対して鋳型短辺面近傍部では、鋳型厚み方向
に磁場を作用させても、鋳型幅方向には電流が誘起され
にくいため、水平面内で磁場と電流が直交した場合に発
生する鉛直上向きの電磁力が弱い。従って、短辺面に沿
った溶鋼の潜り込みを十分に抑制できず、幅方向両端部
では内部に多くの非金属介在物が残存することになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らも上記した
課題を解決するという観点から、以前から検討を重ねて
おり、その研究の一環として、鋳片両側の長辺の外側の
夫々に1組または複数組の電気コイルを、これらのコイ
ルの軸方向が鋳片断面の長辺方向に略平行となる様に配
置して電磁石を構成し、且つ溶鋼中に鋳型長辺方向の磁
場が貫通する様にした溶鋼流の制御装置について提案し
ている(特願平10−87665号)。こうした制御装
置の構成を図面によって説明する。
【0009】図4は、本発明者らが先に提案した制御装
置の一構成例を示す縦断面図であり、図中7a,7bは
電気コイル、8bは鉄芯(コア)、12は鋳型フレー
ム、13はフットロール、14はトップカバー、15,
15aはガイドロール、16,16aはロールスタンド
フレームを夫々示す(3は前述した浸漬ノズルであ
る)。また図5は図4における鋳型付近の構成を説明す
る為の平面図であり、図中20は長辺銅板バックプレー
ト、21は長辺銅板、22は短辺銅板バックプレート、
23は短辺銅板であり、これらによって鋳型が構成され
る。また25aは磁極N、25bは磁極Sを夫々示す。
【0010】図4、5に示した制御装置では、軸方向が
鋳型幅方向にほぼ平行な1組の電気コイル7a,7bを
鉄芯8bに巻付けて鋳型断面両側の長辺の脇に配置する
ことによって電磁石が構成され、両コイルに同一方向の
直流電流Eを通電する様に構成されている。こうした構
成を採用することによって、鋳片の幅方向(図5のB方
向)の磁場を効果的に作用させることができたのであ
る。
【0011】この技術によれば、短辺に沿った溶鋼の潜
り込みを十分に抑制することができるので、鋳片内部に
残留する非金属介在物介在物を大幅に低減することがで
きる様になった。しかしながら、この技術においても下
記に示す様な若干の問題があり、依然として改善の余地
が残されていた。
【0012】上記の様な制御装置において、溶鋼中に磁
場を貫通させるためには、通常鉄芯を有する電磁石が用
いられる。そして、同じ磁束密度を得るために必要な鉄
芯断面積は、磁場が溶鋼中を貫通する距離が長くなるに
つれて大きくなる。こうしたことから、鋳片の長辺方向
に磁場を貫通させる際には、鋳片の幅が大きくなるほど
断面積の大きな鉄芯が必要となり、特に幅の広い鋳片で
は、現実的には十分な磁束密度を確保することが困難に
なっていた。
【0013】例えば、高さが500mm、鋳片短辺方向
の長さ(厚み)が500mm程度の断面形状を有する鉄
芯によって、鋳片長辺方向の長さ(幅)が1000mm
程度までの狭い鋳片に対して、磁束密度2000Gau
ss(ガウス)程度の長辺方向磁場を作用させて溶鋼流
を制御し、鋳片の品質の向上を図ることは可能である。
しかしながら、幅が1500mmを超える様な広幅の鋳
片に対しては、鋳片の一方の短辺壁から他方の短辺壁ま
で溶鋼中を一方向に貫通させることによって、鋳片品質
を十分に向上させる様な強力な磁場を発生させることは
難しいという問題がある。
【0014】本発明は上記事情に着目してなされたもの
であって、その目的は、広幅の鋳片に対しても狭幅の鋳
片に対するのと同様に、溶鋼流動制御に十分な磁束密度
の長辺方向磁場を作用させることによって、内部欠陥の
ない鋳辺を製造することのできる連鋳における鋳型内鋼
流の制御方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決した本発
明の制御方法とは、断面が長方形のスラブ鋳片またはブ
ルーム鋳片を製造する連続鋳造機の鋳型内中心部に設置
された浸漬ノズルから両側の短辺に向けて略水平乃至斜
め下方に溶鋼を噴出させ、その噴流の一部が両側の短辺
に衝突して下方に曲げられて生じる下降流に対して、長
辺方向の静磁場を作用させて、前記鋳片内部の溶鋼流を
制御する様にした鋳型内溶鋼流の制御方法において、一
方の短辺から長辺方向中央部までの区間と、長辺方向中
央部から他方の短辺までの区間との2区間の溶鋼中に、
夫々互いに180度逆向きの長辺方向の磁場を貫通する
様にしたところに要旨を有するものである。
【0016】本発明の上記目的は、断面が長方形のスラ
ブ鋳片またはブルーム鋳片を製造する連続鋳造機の鋳型
内中央部に設置された浸漬ノズルから両側の短辺に向け
て略水平乃至斜め下方に溶鋼を噴出させ、その噴流の一
部が両側の短辺に衝突して下方に曲げられて生じる下降
流に対して、長辺方向の静磁場を作用させて、前記鋳片
内部の溶鋼流を制御する様にした鋳型内溶鋼流の制御方
法において、鋳片両側の長辺の外側の夫々に長辺方向に
複数の電気コイルを配置すると共に、電気コイルの通電
方向を鋳片の長辺方向の長さに応じて選択することによ
り、狭幅の鋳片を鋳造する際には、一方の短辺側から他
方の短辺側までの区間の溶鋼中を長辺方向の磁場が一方
向に貫通する様にし、また広幅の鋳片を鋳造する際に
は、一方の短辺から長辺方向中央部までの区間と、長辺
方向中央部から他方の短辺までの区間との2区間の溶鋼
中に、夫々互いに180度逆向きの長辺方向の磁場を貫
通する様にすることによっても達成される。
【0017】
【発明の実施の形態および実施例】本発明者らは上記従
来の問題を考慮し、断面が長方形のスラブ鋳片またはブ
ルーム鋳片を製造する連続鋳造機の鋳型内中心部に設置
された浸漬ノズルから両側の短辺に向けて略水平乃至斜
め下方に溶鋼を噴出させ、その噴流の一部が両側の短辺
に衝突して下方に曲げられて生じる下降流に対して、長
辺方向の静磁場を作用させて、前記鋳片内部の溶鋼流を
制御する様にした制御装置において、広幅の鋳片に対し
ても狭幅の鋳片に対するのと同様に、溶鋼流動制御に十
分な磁束密度の長辺方向磁場を作用させる装置構成につ
いて様々な角度から検討した。
【0018】その結果、一方の短辺から長辺方向中央部
までの区間と、長辺方向中央部から他方の短辺までの区
間との2区間の溶鋼中に、夫々互いに180度逆向きの
長辺方向の磁場を貫通する様に構成すれば、上記目的に
適う制御装置が実現できることを見出し、本発明を完成
した。
【0019】本発明方法を、図面によって詳細に説明す
る。図6は本発明方法を実施する為に構成される制御装
置の鋳型付近の一構成例を示す水平断面図であり、図7
はその縦断面図である。これらの図において、前記図5
と対応する部分には同一の参照符号を付すことによっ
て、重複説明を回避する(但し、7c,7dは電気コイ
ルである)。また、図6、7には説明の便宜上図示して
いないが、この制御装置においても、前記図4に示した
様な鋳型フレーム12、フットロール13、トップカバ
ー14、ガイドロール15,15aおよびロールスタン
ドフレーム16,16a等を備えるものである。
【0020】尚、電気コイル7c,7dにおいて◎印お
よび●印は、電気コイル内での直流電流の方向を示して
おり、同じ印を付した電気コイル部分では同じ方向の電
流が流れていることを意味する(後記図9〜12におい
ても同じ)。また図示した構成では、長辺鋳型背面の両
中央部の磁極N10a,10bの夫々に電気コイル7
c,7dを巻き付けることによって電磁石が構成される
と共に、これら電気コイル7c,7dの外周に鉄芯8b
を周回させることによって、外部への磁束の漏洩を防止
する様にされている。
【0021】上記制御装置では、図示した様に両長辺鋳
型の中央部の背面に磁極N10a,10b、両短辺鋳型
の背面に磁極S26a,26bを配置し、長辺方向中央
部から両側の短辺に向かう幅方向磁場(図6中、記号G
で示す)を発生させるものである。但し、磁場の方向は
図6に示したものに限らず、例えば後記図12に示す様
に、両側の短辺から長辺中央部に向かう磁場を発生させ
る様にしても、本発明の目的が達成される。またこうし
た方向の磁場を発生させるためには、図6における磁極
Nと磁極Sとが逆になる様に電気コイル7c,7dの直
流電流の方向を調整すれば良い良い。即ち、本発明で
は、一方の短辺から長辺中央部までの区間と、長辺方向
中央部から他方の短辺までの2区間の溶鋼中に、夫々互
いに180度逆向きの長辺方向磁場を発生させるもので
ある。
【0022】通常、一つの連続鋳造機で種々異なる幅の
鋳片が製造されるのであるが、前記図6、7に示した短
辺部の磁極S26a,26bはこうした事態に対応でき
る様に構成されたものである。即ち、磁極S26aおよ
び磁極S26bは、一対の鋳型短辺銅板23の背面に配
置されるものであるが、鋳片の幅W(図6参照)に応じ
て鋳型短辺銅板が幅方向(図6、7における左右方向)
に動くのに連動して、磁極N26a,26aもスライド
動作させる様に構成されている(この点に関しては、図
9、10に関連して後述する)。
【0023】また、前記磁極N10の先端部の長辺方向
長さLは、鋳片の幅Wとの関係を考慮して設定すれば良
いが、例えば幅Wが最も狭いスラブ鋳片で通常650m
m程度であるので500mm程度であれば良い。また、
コイルの外周を水平に周回する鉄芯8bの長辺方向の内
寸法は、前記幅Wが最も広いスラブ鋳片で1800mm
程度であるので、1850mm程度であれば良い。
【0024】上記した様な構成を採用して、幅方向の両
側で180度逆向きの長辺方向磁場を作用させることに
よって、鋳片の水平方向断面内の溶鋼下降流速分布が均
一化され、鋳片への介在物の侵入が防止できて内部欠陥
のない鋳片が得られるのであるが、こうした効果が発揮
される理由については次の様に考えることができる。
【0025】上記の様に、幅方向の両側で180度逆向
きの長辺方向磁場を作用させた場合には、長辺方向中央
部(浸漬ノズル3の下方)には、磁束密度の低い領域が
形成されることになる。そして、鋳片の幅が1m程度以
上に広い場合には、浸漬ノズル3から噴出される溶鋼噴
流が両側の短辺鋳型に衝突する位置と、長辺方向の磁場
を作用させる領域との位置関係を適切に選定すれば、長
辺方向中央部の磁束密度の弱い領域から溶鋼流が深く潜
り込むことによって、鋳片の内部品質悪化を防止するこ
とができる。
【0026】即ち、図8に示す様に、浸漬ノズル3から
略水平乃至斜め下方に噴出した溶鋼流が鋳型短辺銅板に
衝突して下方に曲げられて生じる下降流に対して長辺方
向磁場を作用(作用領域をHで示す)させると、下降流
は制動力を受けつつ、再び長辺方向の中央部に向かう方
向に曲げられ、長い距離を迂回して戻ってくる(この溶
鋼の流れを図中Jで示す)。その結果、長辺方向の中央
部の磁束密度が低い領域(この領域をKで示す)に達す
る溶鋼流は、既に流速が十分に低減しており、この流れ
に乗って介在物が深く潜り込むおそがなくなり、こうし
た作用によって鋳片の内部品質悪化を防止することがで
きるのである。
【0027】但し、鋳片幅が1m程度以下と狭い場合に
は、長辺方向中央部から短辺までの距離が短くなるの
で、前記図8に示した様に中央部に戻ってきた溶鋼流
は、その流れに流速が残っているので、その流れが前記
領域Kを介して再び下方に向かえば、介在物が深く潜り
込んでしまうことがあり得る。
【0028】従って、幅の狭い鋳片を製造する際には、
鋳片方向中央部に磁束密度の弱い領域が形成されない様
に、長辺方向全体に亘って一様に幅方向磁場を作用させ
ることが好ましい。この様な場合には、前記図6、7に
示した様に短辺鋳型背面の磁極を短辺に連動させる構成
とすれば、幅の狭い鋳片の製造時は磁極間の距離が低減
し、磁気抵抗も低減することになるので、溶鋼中に長辺
方向磁場を一方向に貫通させても、高い磁束密度を得る
ことが容易となり、わざわざ溶鋼流に作用させる磁束を
2区間に分割する必要もなくなる。
【0029】こうしたことから、鋳片幅に応じて片側の
磁場の向きを逆転させることによって、幅広の鋳片に対
しても、幅狭の鋳片に対しても、効果的に下降流を抑制
することが可能となり、常に内部品質の優れた鋳片を製
造することができる。こうした構成について、図面を用
いて更に具体的に説明する。
【0030】図9、10は本発明方法を実施する為に構
成される制御装置の他の構成例を示す概略説明図であ
る。通常1つの連続鋳造機で種々異なる幅の鋳片が製造
されることは前述した通りであるが、前記図9、10に
示した制御装置は、こうした事態に対応できる様に構成
されたものである。
【0031】この制御装置では、鋳片両側の長辺の外側
の夫々に長辺方向に複数の電気コイル7e,7f;7
g,7hが配置されると共に、一対の鋳型短辺銅板23
の夫々の背面に磁極27aおよび27bが配置される。
この装置構成は、鋳片の幅Wに応じて鋳型短辺銅板23
が幅方向に動くのに連動して、磁極27a,27bもス
ライド動作させる共に、前記コイル7e〜7hの通電方
向を選択することによって、磁場の方向を調節できるよ
うに構成されたものである。尚、図9、10に示した電
気コイル7e〜7hでは、コイルの軸方向が幅方向と平
行(図面の左右方向)となる様に配置されたものであ
る。
【0032】そして、幅の狭い鋳片の場合には、図9に
示す様に磁極27aおよび磁極27bの間を狭くして短
辺銅板23間の距離を小さくし、幅の広い鋳片を鋳造す
る場合には、図10に示す様に磁極27aおよび磁極2
7bの間を広げて短辺銅板23間の距離を大きくできる
様に構成されている。
【0033】また、幅の狭い鋳片を鋳造する場合には、
図9に示す様に、電気コイル7e,7f;7g,7hの
通電方向を同一方向とすることによって、一方の短辺側
から他方の短辺側までの区間の溶鋼中を長辺方向の磁場
が一方向に貫通する様にされる。この際には、図示する
様に、例えば前記磁極27aはN極、磁極27bはS極
となっているが、電気コイルの通電方向を調整すること
によって、逆になるようにしても良く、この場合には磁
場の方向は図9に示した逆向きになる。
【0034】一方、幅の広い鋳片を鋳造する場合には、
図10に示す様に長辺方向の複数の電気コイル7e,7
fおよび7g,7hの通電方向を逆方向(対向する電気
コイル7e,7g;7f,7hは同一方向)とすること
によって、一方の短辺から長辺方向中央部までの区間
と、長辺方向中央部から他方の短辺までの区間との2区
間の溶鋼中に、夫々互いに180度逆向きの長辺方向の
磁場を貫通する様に構成される。この際には、図示する
様に、例えば前記磁極27a、27bはS極となってお
り、鉄芯の長辺方向中央部がN極となっているが、電気
コイルの通電方向を調整することによって、逆になるよ
うにしても良く、この場合には磁場の方向は図10に示
した方向とは逆向きになる。
【0035】即ち、本発明方法では、図9、10に示し
た様な制御装置を用い、電気コイルの通電方向を鋳片の
幅に応じて選択することにより、狭幅の鋳片を鋳造する
際には、一方の短辺側から他方の短辺側までの区間の溶
鋼中を長辺方向の磁場が一方向に貫通する様にし、また
広幅の鋳片を鋳造する際には、一方の短辺から長辺方向
中央部までの区間と7、長辺方向中央部から他方の短辺
までの区間との2区間の溶鋼中に、夫々互いに180度
逆向きの長辺方向の磁場を貫通する様にしたものであ
る。
【0036】図11、12は本発明方法を実施する為に
構成される制御装置の更に他の構成例を示す概略説明図
である。前記図9、10に示した電気コイル7e〜7h
では、コイルの軸方向が幅方向(図面の左右方向)と平
行となる様に配置されたものであるが、この制御装置で
は、鋳片両側の長辺の外側に夫々長辺方向に複数配置さ
れた電気電気コイル7i,7j;7h,7lの軸方向が
厚み方向(図面の上下方向)と平行となる様に構成され
たものである。こうした、装置構成においても前記図
9、10に示した装置と同様に、上記の様な制御を行な
うことができる。尚、図11は前記図9(幅の狭い鋳片
を鋳造する場合)、図12は前記図10(幅の広い鋳片
を鋳造する場合)に、夫々対応するものである。
【0037】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、連
続鋳造における鋳型内の溶鋼流を、静磁場の方向を適正
な方向に規制して適切に制御することによって、内部欠
陥のない鋳片を製造できる様になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の連続鋳造法における鋳片中の溶鋼流の様
子を示す概略説明図である。
【図2】溶鋼流速が早い領域に静磁界を作用させて溶鋼
流動を減速する技術の概略説明図である。
【図3】鋳型短辺方向の磁場を作用させた場合の溶鋼流
の状態を説明する為の図である。
【図4】本発明者らが先に提案した制御装置の一構成例
を示す縦断面図である。
【図5】図4における鋳型付近の構成を説明する為の平
面図である。
【図6】本発明方法を実施する為に構成される制御装置
の鋳型付近の一構成例を示す水平断面図である。
【図7】本発明方法を実施する為に構成される制御装置
の鋳型付近の縦断面図である
【図8】本発明の制御装置を用いたときの下降流の様子
を示す説明図である。
【図9】本発明方法を実施する為に構成される制御装置
の他の構成例を示す概略説明図である。
【図10】本発明方法を実施する為に構成される制御装
置の他の構成例を示す概略説明図である。
【図11】本発明方法を実施する為に構成される制御装
置の更に他の構成例を示す概略説明図である。
【図12】本発明方法を実施する為に構成される制御装
置の更に他の構成例を示す概略説明図である。
【符号の説明】
1 鋳型(短辺側) 2 鋳型(長辺側) 3 浸漬ノズル 4 溶鋼 5 凝固殻 6 非金属介在物 7,7a〜7l 電気コイル 8,8b 鉄芯 9,9a 電磁石 15,15a〜15c ガイドロール 16,16a ロールスタンドフレーム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−294743(JP,A) 特開 昭59−76647(JP,A) 特開 昭55−2000(JP,A) 特開 平6−304719(JP,A) 特開 平5−293596(JP,A) 特開 平11−285789(JP,A) 特開 平5−177317(JP,A) 特開 平8−155610(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 11/115 B22D 11/04 311 B22D 11/11

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 断面が長方形のスラブ鋳片またはブルー
    ム鋳片を製造する連続鋳造機の鋳型内中心部に設置され
    た浸漬ノズルから両側の短辺に向けて略水平乃至斜め下
    方に溶鋼を噴出させ、その噴流の一部が両側の短辺に衝
    突して下方に曲げられて生じる下降流に対して、長辺方
    向の静磁場を作用させて、前記鋳片内部の溶鋼流を制御
    する様にした鋳型内溶鋼流の制御方法において、一方の
    短辺から長辺方向中央部までの区間と、長辺方向中央部
    から他方の短辺までの区間との2区間の溶鋼中に、夫々
    互いに180度逆向きの長辺方向の磁場を貫通する様に
    したことを特徴とする連鋳における鋳型内溶鋼流の制御
    方法。
  2. 【請求項2】 断面が長方形のスラブ鋳片またはブルー
    ム鋳片を製造する連続鋳造機の鋳型内中央部に設置され
    た浸漬ノズルから両側の短辺に向けて略水平乃至斜め下
    方に溶鋼を噴出させ、その噴流の一部が両側の短辺に衝
    突して下方に曲げられて生じる下降流に対して、長辺方
    向の静磁場を作用させて、前記鋳片内部の溶鋼流を制御
    する様にした鋳型内溶鋼流の制御方法において、鋳片両
    側の長辺の外側の夫々に長辺方向に複数の電気コイルを
    配置すると共に、電気コイルの通電方向を鋳片の長辺方
    向の長さに応じて選択することにより、狭幅の鋳片を鋳
    造する際には、一方の短辺側から他方の短辺側までの区
    間の溶鋼中を長辺方向の磁場が一方向に貫通する様に
    し、また広幅の鋳片を鋳造する際には、一方の短辺から
    長辺方向中央部までの区間と、長辺方向中央部から他方
    の短辺までの区間との2区間の溶鋼中に、夫々互いに1
    80度逆向きの長辺方向の磁場を貫通する様にしたこと
    を特徴とする連鋳における鋳型内溶鋼流の制御方法。
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