JP3417235B2 - 診断システム - Google Patents

診断システム

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JP3417235B2
JP3417235B2 JP33398796A JP33398796A JP3417235B2 JP 3417235 B2 JP3417235 B2 JP 3417235B2 JP 33398796 A JP33398796 A JP 33398796A JP 33398796 A JP33398796 A JP 33398796A JP 3417235 B2 JP3417235 B2 JP 3417235B2
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昭夫 山西
幸夫 岡野
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ミノルタ株式会社
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  • Measuring And Recording Apparatus For Diagnosis (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば人の顔画像
から各種医療診断を行う顔色診断システムなどの診断シ
ステムに関する。
【0002】
【従来の技術】人は興奮状態など血圧が高くなると顔が
紅潮したり、暑いと汗ばんだり、血圧が低くなると青ざ
めたりし、その人の心理状態や生理状態によって顔色が
種々変化する。逆に、その人の顔色によって心理状態や
生理状態を推察することが可能である。例えば皮膚科関
連の書物には、皮膚の一般的な色に対する心理状態や生
理状態の記載があり、また、その他に、紅斑のレベル測
定などについても記載されている。
【0003】近年、このような顔色の変化を分光画像技
術を用いて非接触に計測し、人の心理状態や生理状態を
分光画像の変化として捉える技術が開発されつつある。
例えばCCDカメラ、赤外ビジコンおよびサーマルカメ
ラなどの撮影システムを用いて得た分光画像から例えば
血液分布、発汗分布および温度分布などの計測を行うこ
とができる。また、色診断装置としての分光反射率測定
器は、グラスファイバープローブを皮膚に接触させて、
皮膚の血液の酸素飽和度を測定することができる。さら
に、可視域の3波長間の演算を行い心理物理量の色彩空
間を表示する2次元色彩計がある。
【0004】このような計測技術に通信技術を付加した
ものに、例えば遠隔医療診断などがある。これは、例え
ば救急車内の患者の状態や外傷の様子などの画像を、患
者搬送途中にあらかじめ病院側に送っておいて治療の的
確な準備を行う写真撮影電送システムがある。このよう
な遠隔医療診断においては、医者が、あくまでも患者を
目の前にして診断指導するわけではなく、患者の総合的
な把握をすることができないが、患者の全身の写真や顔
写真情報は、診察する医者にとって非常に有用な情報源
となる。このような写真情報のうち顔情報は、患者の栄
養状態や生理状態さらには精神状態に至るまで、かなり
の情報を読み取ることができるものであり、また、患者
の総合的な健康状態の判断にも結びつくものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、救急車など
から電送されてきた患者の顔などの色情報は、ディスプ
レイの特性や調整不備などで忠実な色再現や一定した特
性を保つことは不可能であり、例えば在宅医療患者の遠
隔診断などで、総合的な患者の状態を知るために画像送
信をするとしても、画像色を再現する際に患者の顔色が
多少微妙に変化して顔色による的確な診断をすることが
できないという問題を有していた。
【0006】本発明は、上記従来の問題を解決するもの
で、ディスプレイの画像色再現に左右されず、顔色など
の皮膚色から得られる客観的生体情報の定量化を図るこ
とで、より的確な診断をすることができる診断システム
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の診断システム
は、各種診断可能な対象物の画像を表示する診断システ
ムであって、対象物の画像を各画素毎に定量化した画像
データとして取り込む撮影手段と、前記画像データから
各種診断に必要な所定データを得る演算手段と、前記撮
影手段によって得られた画像データ及び前記演算手段に
よって得られた所定データの特徴を示す画像データを同
時に前記対象物の皮膚部分の画像で表示する表示手段と
を有することを特徴とするものである。具体的には、上
記演算手段は、画像データの各波長画素データから皮膚
部分の各波長画素データを抽出し、この抽出された皮膚
部分の各波長画素データから、各波長間の演算を行って
前記所定データである血液分布濃度、血液の酸素化レベ
ルおよび色素沈着レベルのうち少なくとも何れかの特徴
を示す画像および計測値を出力し、前記表示手段は、こ
れらの画像および計測値と共に前記画像データを画像表
示することを特徴とするものである。
【0008】この構成により、例えば患者の遠隔診断な
どにおいて、患者の容態の全般的な把握に使われる画像
情報に加えて、顔などの皮膚色の再現特性の不統一にか
かわらず、撮影手段による対象物の撮影時に取り込んだ
画像データにおける色データは画素毎に数値化されてお
り、数値化された色データに基づいて例えば生体状況な
どを的確に示す各種パラメータを物理量として表示する
ので、画像色再現時の色誤差に左右されず、客観的生体
情報の定量化でより的確な診断が可能になる。また、撮
影手段をデジタルカメラとすれば、患者は、普通の写真
撮影と変らない操作で撮影することが可能となり、例え
ばセルフタイマを用いれば患者1人でも撮影が可能とな
る。さらに、合成画像表示に計測値を表示することで、
色再現システムのキャリブレーションが可能となって再
現色が調整可能となり、診断がより正確に行えることに
なる。
【0009】また、好ましくは、本発明の診断システム
における撮影手段は、所定の分光特性を有する光源から
の光で対象物を撮影する。
【0010】この構成により、例えばストロボフラッシ
ュなどの光源を用いれば、光源の分光特性が既知のもの
となり、撮影手段内でその分光特性に基づいた処理をす
れば、測定に及ぼす周辺光の影響をより少なくすること
が可能となる。
【0011】さらに、好ましくは、本発明の診断システ
ムにおける撮影光は間接照明光であることを特徴とす
る。
【0012】この構成により、例えばストロボフラッシ
ュなどの光源の直接照明では、輝度差が付き過ぎてハレ
ーションを起こしたりして、正確な皮膚色情報が捉えら
れずに的確な診断が困難となる可能性があるが、撮影対
象物である例えば顔などへの照明を間接照明とすれば、
より正確な皮膚色情報が得られることになる。
【0013】さらに、好ましくは、本発明の診断システ
ムにおいて、撮影対象物に基準色を示す色部材が設けら
れ、撮影手段に色部材を色基準として色補正をする色補
正手段が設けられていることを特徴とする。
【0014】この構成により、撮影される患者の胸など
に、基準となる基準白色板などの色部材を付ければ、光
源の分光特性の経時変化や周辺光の影響の補正が可能と
なり、画像色の精度がより高められる。
【0015】さらに、好ましくは、本発明の診断システ
ムにおける演算手段は、撮影背景色を均一色とするよう
に画像合成することを特徴とする。
【0016】この構成により、画像合成で撮影背景色を
均一色とすれば、対象物のうち例えば顔画像の抽出が容
易かつ的確なものとなる。通常の青色背景に限らず、適
当な色を選択すれば肌色との対比で判断が容易となって
より正確な診断が可能となる。
【0017】さらに、好ましくは、本発明の診断システ
ムにおける表示手段は、計測値をカラースケールとして
表示することを特徴とする。
【0018】この構成により、合成画像表示にカラース
ケールを表示することで、計測値が見やすく診断がより
早く行える。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る顔色診断シス
テムの実施形態について図面を参照して説明する。
【0020】図1は本発明の一実施形態における顔色診
断システムの構成を示すブロック図である。
【0021】図1において、在宅医療患者の顔画像など
の生体情報を家庭で計測し、それを病院側に電送して撮
影対象物の顔画像から各種医療診断可能に構成した顔色
診断システム1は、家庭側では、在宅患者を撮影すると
共に、その撮影時に在宅患者の画像をその画素ごとに数
値化して取り込むデジタルカメラ2と、このデジタルカ
メラ2に接続され、このデジタルカメラ2とで撮影手段
が構成されており、デジタルカメラ2による撮影に同期
して所定の分光特性の光を撮影対象物としての在宅患者
の顔などに照射する光源としてのストロボフラッシュ3
と、必要に応じたコメントやデータなどを在宅患者側が
入力可能なキーボード4と、各種生体計測プローブがそ
れぞれ接続されているパルスオキシメータ、血圧計、心
電計および体温計などの各種計測器5と、これらのデジ
タルカメラ2、キーボード4および計測器5からの各生
体情報としての画像データを電話回線6を介して送信先
としての病院側に電送する在宅患者生体情報通信ユニッ
ト部7とを有すると共に、病院側では、電話回線6を介
して在宅患者生体情報通信ユニット部7からの各生体情
報としての画像データを受信するモデム8と、このモデ
ム8で受信した画像データをメモリ(図示せず)に保持
すると共に、数値化されている画像データの各色データ
(各波長画素データ)を各種演算処理して各種診断に必
要な所定データ(本実施形態では血液分布濃度、血液の
酸素化レベルおよび色素沈着レベル)を得る画像メモリ
・データ処理部9と、この画像メモリ・データ処理部9
のメモリ(図示せず)に保持された画像データを用いて
患者の顔画像を表示すると共に、各色データが各種演算
処理されて得られた所定データの特徴を示す顔画像およ
びその計測値を4分割表示する画像モニタ部10と、所
定ソフトウェアなどによって画像メモリ・データ処理部
9を制御すると共に画像メモリ・データ処理部9を介し
て画像モニタ部10を表示制御する制御部11とを有し
ている。これらの画像メモリ・データ処理部9および画
像モニタ部10、制御部11によりパーソナルコンピュ
ータ(PC)12が構成されており、医者は、この画像
モニタ部10を見ながらキーボードなどの入力手段(図
示せず)を介して画像モニタ部10のモニタ情報を制御
可能に構成している。
【0022】この顔色診断用のデジタルカメラ2は撮影
装置で構成され、図2に示すように、レンズ群21の後
方にビームスプリッタ22が配設され、このビームスプ
リッタ22の後方には、可視域のカラー画像を得るカラ
ー画像センサであるCCD(電荷転送素子)などの撮像
素子23が画素数だけ配設され、また、ビームスプリッ
タ22の一側面には近赤外領域の画像を得る赤外線画像
センサであるCCD(電荷転送素子)などの撮像素子2
4が赤外線フィルタ25を介して画素数だけ配設されて
いる。この撮像素子23では、ビームスプリッタ22を
直進してきた光26から、青(blue)、緑(gre
en)および赤(red)の可視域の画像データを得る
と共に、撮像素子24では、ビームスプリッタ22で直
角方向に方向を変え、赤外線フィルタ25を介した光2
7からIRの画像データを得るものである。つまり、デ
ジタルカメラ2は、患者の顔の循環状態を把握するため
に、カラー画像を得る撮像素子23の他に近赤外領域に
感度を持つ撮像素子24を有している。また、これらの
青(blue)、緑(green)および赤(red)
の可視域のカラー画像データや、IRの画像データの合
計4波長の各画像データから、各種診断に必要な所定デ
ータ(生体情報)を的確に得るためには、周囲光の影響
を抑制すべく照明光源の分光分布が既知でしかも一定で
ある必要がある。このため、顔色判断用のデジタルカメ
ラ2には、既知の分光特性を有する照射光を撮影に同期
して発光するストロボフラッシュ3が接続されている。
また、ハレーションを抑制して的確な生体情報を得るた
めには、このストロボフラッシュ3は、直接的に被写体
に光照射するのではなく、一旦、被写体以外の部材に光
照射した後に被写体に光照射する間接照明にすることが
望ましい。
【0023】また、在宅患者生体情報通信ユニット部7
は、他の生体情報の演算処理機能や、その表示機能の他
に、顔色判断用のデジタルカメラ2からの画像データを
通信先の病院に電送する通信機能を有している。
【0024】さらに、図3に示すように、パーソナルコ
ンピュータ(PC)12の制御部11は、モデム8で受
信され画像メモリ31に保持された各色データ(各波長
画素データ)に対して、顔画像の皮膚部分の位置を抽出
する画像抽出機能と、顔の皮膚部分のカラー画像を得る
撮像素子23と近赤外領域に感度を持つ撮像素子24か
らの各色データから血液分布濃度情報、その酸素化レベ
ル、および、メラニンなどの沈着色素レベルなど、診断
に必要な各所定データ(各生体情報)を演算して導出す
るアルゴリズムを有した顔色診断演算機能と、この顔色
診断演算機能により演算処理した各生体情報を合成して
画像モニタ10に出力する合成画像作成機能とを有する
ソフトウェアが記録された記録媒体32で制御されてお
り、総合的な患者の状態を把握する目的の顔画像を撮影
するデジタルカメラ2の各出力データから定量化された
客観的な各生体情報が得られるようにしたものである。
【0025】まず、この画像抽出機能とは、家庭から送
られてくる在宅患者を撮影したデジタルカメラ2からの
各画素毎に数値化された画像データから、4波長(R,
G,B,IR)の演算を行って、各種診断に必要な各生
体情報を得るために、患者の顔画像の皮膚部分を抽出す
るように構成されている。つまり、画像抽出機能は、デ
ジタルカメラ2からの可視域の3原色(R,G,B)に
対応した出力に対して、RGB空間で、 a<R<b,c<G<d,e<B<f (a〜f
は定数) を満足する肌色領域を設定して、肌色部の各色データの
みを抜き出すようになっている。なお、RGB空間か
ら、HIS空間やL***空間などに変換した場合は
色相のみで肌色部を抽出することもできる。
【0026】このようにして、肌色部(患者の顔部分)
の色データを抽出した後に、患者の顔の例えば額、鼻お
よび頬などの注目部を顔画像の位置関係から特定し、各
部の計測値を次のような演算機能によって演算する。
【0027】次に、この演算機能とは、患者の顔の皮膚
部分における各画素毎の4波長(R,G,B,IR)の
各色データから、血液濃度、その酸素飽和度、メラニン
などの色素沈着レベルなどの診断に必要な各所定データ
(生体情報)を算出する。
【0028】ここで、皮膚部分の構造や呈色について説
明すると、まず、皮膚の深さ方向の構造については、図
4に示すように、表面を皮脂で覆われた角質層と基底層
からなる表皮41と、その下の、血管42などが分布さ
れている真皮43と、さらにその深部の、皮下脂肪44
からなる脂肪層45とで構成されている。また、これら
の表皮41および真皮43にはメラニン色素46が存在
している。次に、皮膚部分の呈色については、化粧をし
ていない素肌は、メラニン色素、血液の分布密度、動脈
血と静脈血の平均酸素飽和度、皮下脂肪に溶けて存在す
るビリルビン色素やカロチンなどの黄色色素などによっ
て図5のような波長−反射率による分光分布特性を示
す。また、メラニン色素、脂肪に溶けて存在するビリル
ビン色素やカロチンなどの黄色色素、血液の酸素ヘモグ
ロビン、還元ヘモグロビンなどの分光吸収特性を図6に
示している。この図6から判るように、皮膚の分光分布
は、グリーン領域ではヘモグロビン(Hb,HbO2
による吸収が、ブルー領域ではヘモグロビン(Hb,H
bO2)と黄色色素Yが大きく寄与していることが判
る。
【0029】さらに、各画素の4波長の各色データから
各パラメータの濃度値算出については、皮膚表面の分光
分布から、基本的には、メラニン色素M、酸素ヘモグロ
ビン(HbO2)、還元ヘモグロビン(Hb)および黄
色色素Yの4つの未知数に対し、ブルー(B)、グリー
ン(G)、レッド(R)およびIRの4つの波長域に対
する方程式を得ることができる。この方程式によって、
それぞれの濃度値が得られることになる。ここでは、最
も簡単なランベルトベアの法則に従う図7に示す透過の
モデルで説明を行う。
【0030】ただし、図7のxjは濃度、εijは吸光
係数であり、 i=B,G,R,IR j=Hb,HbO2,M(メラニン色素),Y(ビリル
ビン色素やカロチンなどの黄色色素)である。
【0031】yi=y0i・10-Σxj・εij Yi=log(y0i/yi)とすると、
【0032】
【数1】
【0033】となり、各パラメータの濃度は以下のよう
にして求めることができる。
【0034】
【数2】
【0035】また、酸素飽和度Sは、S=HbO2
(HbO2+Hb)として演算することができ、また、
ヘモグロビン濃度は(HbO2+Hb)として演算する
ことができる。
【0036】次に、画像合成作成機能については、図3
に示すように、画像モニタ10の4分割画像の1つに通
常のカラー画像Aを投影する。また、血液濃度、その酸
素飽和度、メラニン色素などの色素沈着レベルなど、算
出された画素毎の、診断に必要な各所定データ(各生体
情報)の特徴を示す計測演算画像a〜cを4分割画像の
残る3つに表示すると共に、各所定データ(各生体情
報)の計測値としてカラースケールdの擬似カラー表示
で上記特徴画像である各計測演算画像a〜cと共にそれ
ぞれ投影すべく、合成画像を作成するようになってい
る。つまり、画像表示を画像モニタ10上に、患者の顔
のカラー画像Aと、計測演算画像として血液濃度画像
a、酸素飽和度画像b、メラニン色素画像cの4分割画
像表示を行うようになっている。これらの計測演算画像
a〜cの各画素値は演算結果の計測データよって与えら
れる。例えば、その計測データが血液濃度画像aと仮定
した場合、その濃度値が高ければ画素値を大きくし、ま
た、その濃度値が低ければ画素値を小さく設定すれば良
い。例えば、図8に示すように、入力画素値が小さい場
合には青傾向、入力画素値が中間の場合には緑傾向、入
力画素値が大きい場合には赤傾向に色付けをする。これ
らの計測演算画像a〜cは白黒画像であるので、図3の
画像モニタ10における計測演算画像a〜cのように、
これを画素値に応じて色付けをして、見やすく判断のし
やすい画像に変換するようになっている。この場合、例
えば計測演算画像aでは顔画像の頬部分a1が赤色にな
っている。このような表示制御は、図3に示す制御部1
1からの各画像データをLUTスイッチャー33を介し
て出力用画像メモリ34で格納し、それをA/D変換部
35を介して画像モニタ10に出力することによって行
われ、いわゆるLUT(Look Up Table)変換をする構
成となっている。
【0037】さらに、上記の他に代表値演算機能とし
て、顔の額、頬および唇などの各部分毎の血液濃度、そ
の酸素飽和度、色素沈着レベルの各画素毎に得られた演
算値の平均値を求める。このとき、パーソナルコンピュ
ータ12は上記画像抽出、合成画像、代表値演算などを
行わせる専用の画像処理装置として働くことになる。ま
た、パーソナルコンピュータ12は患者毎の生体データ
の記録からそのトレンド(傾向)を画像モニタ10で表
示させて医師の診断の手助けとなる情報を提供すること
もできる。
【0038】上記構成により、患者の遠隔診断などにお
いて、患者の容態の全般的な把握として使われる顔のカ
ラー画像情報に加えて、画像出力時における顔色の再現
特性の不統一にかかわらず、デジタルカメラ2によって
顔の撮影時に数値化(定量化)して取り込んだ顔色デー
タを用いて生体状況などを的確に示す各パラメータを画
像メモリ・データ処理部9で各種演算処理して求め、そ
れを物理量として画像モニタ10で、顔のカラー画像A
と共に表示させるようにしたため、医師は画像色再現時
の色誤差に左右されず、定量的で正確な診断ができると
共に、このような各種客観的生体情報の定量化で、より
的確な診断を効率よく行うことができる。このように、
本発明の顔色診断システムは、高忠実な色再現の方向で
はなく、医療診断に必要なより直接的で客観的な生体情
報として定量化して、顔のカラー画像Aと共に直接的な
生体情報である計測演算画像a〜cを表示するようにし
たことで、ディスプレイの画像色再現に左右されず、よ
り的確な診断をするものである。さらに、撮影手段にデ
ジタルカメラ2を用いれば、その撮影は、普通の写真撮
影と変らない操作で撮影することが可能となって、例え
ばセルフタイマなどにより患者1人でも自分で撮影をす
ることができる。
【0039】また、例えばストロボフラッシュ3などの
光源を用いて撮影を行えば、光源の分光特性が既知のも
のとなって各種測定に及ぼす周辺光の影響をより少なく
することができる。また、例えばストロボフラッシュ3
などの光源が直接照明であれば、輝度差が付き過ぎてハ
レーションを起こし、これによって、正確な皮膚の色デ
ータが捉えられず、医師による診断が困難なものとなる
可能性があるが、患者の顔などへの照明を間接照明とす
れば、ハレーションが防止できてより皮膚の色データを
的確に得ることができる。
【0040】さらに、画像モニタ10による4分割の合
成画像表示に顔全体のカラー画像と共に、図3に示すカ
ラースケールdを表示すれば、色再現のキャリブレーシ
ョン(調整)を行うことができて、より正確な医療診断
を行うことができる。また、撮影される患者の胸など
に、図1に示す基準白色板13などの色部材を付けれ
ば、光源の分光特性の経時変化や周辺光の影響の補正を
も行うことができて、画像色の精度をより高くすること
ができる。また、撮影背景色を青色などの均一色とすれ
ば、一般的な画像合成技術であるブルーバックのクロマ
キー技術などによって、顔画像の抽出を容易に行うこと
ができる。また、このようなブルーバック(青色背景)
に限らず、適当な色を選択すれば肌色との対比で医療診
断がより容易なものとなってより的確な診断を行うこと
ができる。
【0041】なお、在宅酸素療法において、本実施形態
では、デジタルカメラ2で在宅患者の顔などを撮影した
画像データと、各種生体計測プローブがそれぞれ接続さ
れているパルスオキシメータ、血圧計、心電計および体
温計などの各種計測器5で計測した計測データとを電話
回線6を介して送信先に電送する構成としたが、計測器
91による計測データのみの場合にも上記実施形態で対
応することができ、この場合には、家庭側の送信手段は
モデム92で送信可能である。例えば、患者の生体情報
としてパルスオキシメータなどの計測器91で計測され
る例えば動脈血酸素飽和度などの計測データをモデム9
2から電話回線93を介して患者の家庭側から病院側の
モデム94に送り、このモデム94でその計測データを
受信した後、パーソナルコンピュータ95のモニタで表
示することで、医師は、日々のデータ変動を監視しつ
つ、例えば酸素吸入流量などの決定に役立てることがで
きる。また、一般的な在宅療法においても、体温、血
圧、心電図などの生体情報を電話回線93を介して患者
の家庭側から病院側に送り、日々の生体情報を把握する
ことで、より的確な投薬の種類や量の決定および日常生
活の指導を行うこともできる。更に、本実施形態では、
在宅患者の眼底を撮影することにより、眼底結膜の微妙
な色調を判断することが可能となる。
【0042】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、患者の容
態の全般的な把握に使われる画像情報の他に、皮膚色の
再現特性の不統一にかかわらず、撮影手段による対象物
の撮影時に色データを数値化して取り込んでおり、撮影
対象物の状況を的確に示すパラメータを物理量として表
示するため、客観的生体情報の定量化を行うことができ
て、画像色再現時の色誤差に左右されず、より的確な診
断を行うことができる。
【0043】また、分光特性が既知の光源を用いて撮影
すれば、測定に及ぼす周辺光の影響をより少ない色表示
とすることができ、より正確な診断をすることができ
る。
【0044】さらに、撮影対象物への照明を間接照明と
すれば、ハレーションなどが防止されて正確な皮膚色デ
ータを得ることができ、より的確な診断を行うことがで
きる。
【0045】さらに、撮影される患者の胸などに、例え
ば基準白色板などの色部材を付ければ、光源の分光特性
の経時変化や周辺光の影響をその色部材の色を基準とし
て補正することができて、画像色の精度をより高めるこ
とができる。
【0046】さらに、撮影背景色を均一色とすれば、顔
画像の抽出が容易となるだけではなく、皮膚色との対比
でより正確な診断を行うことができる。
【0047】さらに、カラースケールを表示すれば、色
再現システムのキャリブレーションを行うことができて
再現色が調整をすることができ、より正確な診断を行う
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における顔色診断システム
の構成を示すブロック図である。
【図2】図1のデジタルカメラ2の要部構成図である。
【図3】図1のパーソナルコンピュータ12の要部構成
を示すブロック図である。
【図4】人の皮膚の深さ方向の構造図である。
【図5】人の皮膚における波長−反射率による分光分布
特性を示す図である。
【図6】人の皮膚における分光吸収特性を示す図であ
る。
【図7】ランベルトベアの法則に従う透過モデル図であ
る。
【図8】図3の表示モニタ10におけるカラースケール
dの入力画素値に対する色を示す図である。
【図9】本発明の他の実施形態における診断システムの
構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 顔色診断システム 2 デジタルカメラ 3 ストロボフラッシュ 4 キーボード 5,91 計測器 6,93 電話回線 7 在宅患者生体情報通信ユニット部 8,92,94 モデム 9 画像メモリ・データ処理部 10 画像モニタ部 11 制御部 12,95 パーソナルコンピュータ(PC) 13 21 レンズ群 22 ビームスプリッタ 23,24 撮像素子 25 赤外線フィルタ 26,27 光 31 画像メモリ 32 記録媒体 33 LUTスイッチャー 34 出力用画像メモリ A カラー画像 a 血液濃度画像 b 酸素飽和度画像 c メラニン色素画像 d カラースケール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−313469(JP,A) 特開 平2−17027(JP,A) 特開 平5−103336(JP,A) 特開 平6−161395(JP,A) 特開 昭62−251731(JP,A) 実開 昭60−65646(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 5/00 101 A61B 5/00 102

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各種診断可能な対象物の画像を表示する
    診断システムであって、 対象物の画像を各画素毎に定量化した画像データとして
    取り込む撮影手段と、 前記画像データから各種診断に必要な所定データを得る
    演算手段と、 前記撮影手段によって得られた画像データ及び前記演算
    手段によって得られた所定データの特徴を示す画像デー
    タを同時に前記対象物の皮膚部分の画像で表示する表示
    手段とを有することを特徴とする診断システム。
  2. 【請求項2】 前記撮影手段は、所定の分光特性を有す
    る光源からの撮影光で対象物を撮影することを特徴とす
    る請求項1記載の診断システム。
  3. 【請求項3】 前記撮影光は間接照明光であることを特
    徴とする請求項2記載の診断システム。
  4. 【請求項4】 前記撮影対象物に基準色を示す色部材が
    設けられ、前記撮影手段に前記色部材を色基準として色
    補正する色補正手段が設けられていることを特徴とする
    請求項1または請求項2記載の診断システム。
  5. 【請求項5】 前記演算手段は、前記画像データの各波
    長画素データから皮膚部分の各波長画素データを抽出
    し、この抽出された皮膚部分の各波長画素データから、
    各波長間の演算を行って前記所定データである血液分布
    濃度、血液の酸素化レベルおよび色素沈着レベルのうち
    少なくとも何れかの特徴を示す画像および計測値を出力
    し、前記表示手段は、これらの画像および計測値と共に
    前記画像データを画像表示することを特徴とする請求項
    1記載の診断システム。
  6. 【請求項6】 前記演算手段は、撮影背景色を均一とす
    るように画像合成することを特徴とする請求項1または
    請求項5記載の診断システム。
  7. 【請求項7】 前記計測値はカラースケールであること
    を特徴とする請求項5記載の診断システム。
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