JP3417086B2 - インクジェット記録ヘッドの撥液膜形成装置 - Google Patents
インクジェット記録ヘッドの撥液膜形成装置Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インク吐出口から液滴
として吐出されるインク液の液滴を被記録媒体に付着さ
せて記録を行うインクジェット記録ヘッドの撥液膜形成
装置に関する。特に、インク吐出口が形成されたヘッド
前端面に撥液膜形成用処理液を塗布する工程において、
比較的簡単な設備で前記記録ヘッドの量産化が可能なイ
ンクジェット記録ヘッド撥液膜形成装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、インクジェット記録ヘッドのイン
ク吐出口が形成されたヘッド前端面に撥液膜を形成する
撥液膜形成方法およびその装置としては、例えば下記
(J01)および(J02)の技術が知られている。 (J01)(特開昭62−39252号公報記載の技術) 上部中央部に加圧室または減圧室を凹設した取付台にイ
ンクジェット記録用ノズル板を載置して、前記ノズル板
に表面処理剤を吹き付けてノズル板表面上に表面処理層
を設ける際に、加圧室から大気中へまたは大気中から減
圧室へ流れる空気流を前記ノズル板に穿孔されたノズル
に生じさせるインクジェット記録用ノズル板の表面処理
方法が記載されている。 【0003】 (J02)(特開平5−64892号公報記載の技術) インクジェット記録ヘッド前端面に開口する複数のイン
ク吐出口から気体を吐出しながら、前記ヘッド前端面に
撥液剤を塗布する撥液剤塗布工程、および撥液剤が塗布
されたインクジェット記録ヘッドを回転させて撥液剤を
ヘッド端面に均一に分布させる撥液剤均一化工程を順次
行って、ヘッド前端面に一様な厚さの撥液膜を形成する
インクジェット記録ヘッド前端面撥液膜形成方法および
その装置が記載されている。この撥液膜形成方法および
その装置においては、マニホルドに設けられたインク収
容室の連通孔およびインク供給路を介してインク吐出口
が連通している。また、前記マニホルドは気体供給装置
に接続されると共にヘッドチップの上面および側面を覆
うように配置されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】(J01)の技術では、
加圧室の外周に形成された溝にOリングを挿入し、押さ
え板でノズル板をOリングへ押して気体の供給を行って
いる。しかしながら、ノズル板の材質としてシリコン等
の脆性材が用いられている場合、押さえ板とノズル板と
の接触、押さえ付けによるノズル板のひび割れ、それに
伴う微小粉末の飛散等により、撥液膜にゴミ異物の混入
が生じる。その結果、撥液膜が劣化しやすくなり耐久性
が低下する。また、ノズル板を取付台に載置する度に押
さえ板をネジで固定しているため、量産性に劣るという
問題点がある。一方、減圧室外周の溝にOリングを挿入
した場合は、スプレーによる処理液がOリングの外側へ
侵入する。その結果、Oリングのシール性が悪化し、さ
らに長時間の使用による処理液の余液が固化して、やが
て塵埃が発生する。これらの対策として、治具の洗浄が
必要となり、製造工程の増加につながるという問題点が
ある。 【0005】(J02)の技術では、記録ヘッド前端面に
撥液膜を形成する前に、ヘッドチップにマニホルドを接
着する等の工程を経ている。したがって、それまでの工
程の無塵化または撥液膜形成工程の直前に洗浄を必要と
し、かつ撥液膜を加熱硬化するためにマニホルド等の使
用材質を耐熱性のものに選定する必要がある。また、イ
ンクジェット記録ヘッドの製造工程がある程度進行した
後に撥液処理をするために、撥液処理の失敗による歩留
まり低下が製品の製作コストを大きく上昇させる。一
方、量産性の見地からも、ワーク形状が大きくなること
により、多数個の同時処理がしにくくなる。しかも、処
理加工等の製造設備や一時保管設備のスペースも大きく
なることから、コストの増大につながるという問題点が
ある。 【0006】そこで、本発明は、前述の実情に鑑み、下
記の事項を課題とするものである。 (O01) 撥液処理の失敗による歩留まり低下が製品の
大きなコストアップを招かないようにすること。 (O02) 撥液処理工程中に塵埃が発生しない環境とし
て、インクジェット記録ヘッドの吐出口端面に均一な撥
液膜を形成すると共に、撥液膜の耐久性や強度を向上さ
せること。 (O03) 被撥液処理部材のワーク形状を小さくするこ
とにより、製造設備および保管設備の小型化を可能と
し、かつ量産性に優れた撥液膜形成装置および方法方を
提供すること。また、撥液膜形成装置の構造を簡素化し
て設備の保守点検を容易にすること。 (O04) 撥液処理工程での使用材料の選択の自由度を
大きくすること。 【0007】 【課題を解決するための手段】次に、前記課題を解決す
るために案出した本発明を説明するが、本発明の要素に
は、後述の実施例の要素との対応を容易にするため、実
施例の要素の符号をカッコで囲んだものを付記する。本
発明を後述の実施例の符号と対応させて説明する理由
は、本発明の理解を容易にするためであり、本発明の範
囲を実施例に限定するものではない。 【0008】 【0009】(本発明) また、本発明は、インク供給口(13)が形成された供
給口端面(14)および前記インク供給口(13)に連
通する複数のインク吐出口(9)が形成された吐出口端
面(10)を有するインクジェット記録ヘッドチップ
(1)を載置する治具(21)と、この治具(21)に
載置された前記ヘッドチップ(1)の吐出口端面(1
0)に対向する位置に配置されて前記吐出口端面(1
0)に撥液膜形成用処理液を噴霧するスプレー装置(6
1)とを備えたインクジェット記録ヘッドの撥液膜形成
装置(51)において、下記の要件を備えたことを特徴
とする。 (Y02) 前記治具(21)は、前記ヘッドチップ
(1)の供給口端面(14)と密着するチップ吸着面
(23)とこのチップ吸着面(23)に前記ヘッドチッ
プ(1)を案内するガイド壁(24)とを有すること、 (Y03) 前記チップ吸着面(23)には、前記ヘッド
チップ(1)の供給口端面(14)を吸着する空気吸引
孔(35)が形成され、この空気吸引孔(35)は負圧
発生装置(25)に接続されていること、 (Y04) 前記チップ吸着面(23)には、さらに前記
供給口端面(14)のインク供給口(13)に接続する
気体供給孔(38)が形成され、この気体供給孔(3
8)は気体供給装置(27)に接続されていること。 【0010】 【0011】 【作用】次に、本発明の作用を説明する。 (本発明の作用) また、前述の特徴を備えた本発明のインクジェット記録
ヘッドの撥液膜形成装置(51)では、治具(21)の
ガイド壁(24)に案内されながら、インク供給口(1
3)が形成された供給口端面(14)を下面としてイン
クジェット記録ヘッドチップ(1)を前記治具(21)
に載置する。この際、治具(21)の載置面は、負圧発
生装置(25)に接続する空気吸引孔(35)が形成さ
れているので、負圧発生装置(25)を作動させると、
前記ヘッドチップ(1)の供給口端面(14)を吸着し
て密着するチップ吸着面(23)として作用する。ま
た、チップ吸着面(23)には、さらに前記インク供給
口(13)に接続する気体供給孔(38)が形成されて
いるので、気体供給孔(38)に接続する気体供給装置
(27)を作動させると、インク供給口(13)に連通
する複数のインク吐出口(9)から気体を吐出させるこ
とが可能である。前記ヘッドチップ(1)をチップ吸着
面(23)に吸着させた後、複数のインク吐出口(9)
から気体を吐出させながら、スプレー装置(61)によ
り撥液膜形成用処理液を噴霧すると、インク吐出口
(9)が形成された吐出口端面(10)に撥液膜が均一
に形成され、インク吐出口(9)の周辺の撥液性を高く
することができる。 【0012】このような本発明のインクジェット記録ヘ
ッドの撥液膜形成装置(51)によれば、インク供給口
(13)を介してインク吐出口(9)から気体が吐出さ
れるヘッドチップ(1)と治具(21)との接続密閉は
負圧吸引力により行われる。そのため、ヘッドチップ
(1)に外力が加わらず、ヘッドチップ(1)の割れや
欠けの発生がなく、それ故に微小粉末の発生もない。ま
た、微小なヘッドチップ(1)に直接気体を供給できる
ため、インクジェット記録ヘッドの製造工程の初期段階
で撥液処理が可能となり、被撥液処理部材のワーク形状
も小さくなる。したがって、被撥液処理部材のワーク形
状(治具を除いた部品の形状)を小さくすることができ
るので、製造設備および保管設備の小型化を可能とし、
かつ量産性に優れた撥液膜形成装置および方法方を提供
することができる。また、撥液膜形成装置の構造を簡素
化して設備の保守点検を容易にすることもできる。さら
に、撥液処理工程での使用材料の選択の自由度を大きく
することも可能となる。 【0013】 【実施例】次に、図面を参照しながら本発明の一実施例
のインクジェット記録ヘッドの撥液膜形成方法およびそ
の装置を説明するが、本発明は以下の実施例に限定され
るものではない。本発明の一実施例のインクジェット記
録ヘッドの撥液膜形成方法は、例えば下記(i)〜(vi
i)の工程の後に実施される。 (i)チャネルウェハー作製工程 LSI等の半導体製造技術と同様にして、シリコン基板
を製造した後エッチングによりチャネルおよびインク供
給路を形成する。 (ii)ヒータウェハー作製工程 工程(i)と同様に、シリコン基板を製造して基板上に
ヒータおよび電極回路を形成した後、電極部分を被覆す
る。 (iii)ヒータウェハーとチャネルウェハーとの貼り合
わせ工程 両ウェハーを接着剤で貼り合わせて接合体を製造する。 (iv)ダイシング工程 前記接合体を切削刃で切断してインクジェット記録ヘッ
ドチップを製造する。 (v)ライトエッチ工程 前記工程(iv)でチップ側面に露出した接着剤等の屑・
粉末を完全に除去する。 (vi)洗浄工程 ヘッドチップを有機溶剤および水で数回洗浄して、ヘッ
ドチップに付着した塵埃や挟雑物を除去する。 【0014】(vii)撥液前処理工程 撥液膜形成用処理液がシリコン基板上に塗布しやすく、
かつその後形成される撥液膜が剥離し難くするために、
前処理工程が実施される。 a)UV/O3 での撥液処理面の洗浄 撥液処理面以外をマスクして紫外線照射およびオゾンの
吹き込みを行いながら、撥液処理面を洗浄する。 b)カップラーの塗布と加熱硬化 シランカップリング剤やチタンカップリング剤等のカッ
プラー含有塗布液を撥液処理面に塗布した後、ヘッドチ
ップまたは塗布面を加熱してカップラーを硬化させる。
なお、この工程b)は、後述の撥液膜形成方法と同様の
方法を採用することが可能である。また、前述の各工程
(i)〜(vii)では、従来公知の種々の方法を採用する
ことができる。 【0015】次に前述の工程(i)〜(vii)の後で実施
されるインクジェット記録ヘッドの撥液膜形成工程およ
びその工程で使用されるインクジェット記録ヘッドの撥
液膜形成装置の一実施例について説明する。図1は前記
インクジェット記録ヘッドの斜視図であり、図2は図1
の部分的拡大断面図である。また、図3はインクジェッ
ト記録ヘッドチップの内部拡大図を示し、図3Aは図2
のIIIa−IIIa線断面図であり、図3Bはヒータウェハー
の部分的平面図である。 【0016】図1〜3において、インクジェット記録ヘ
ッドチップ1の構成要素であるヒータウェハー2上に
は、LSI技術等により共通電極K1と複数の個別電極
K2と、それらを接続する複数のヒータ3、とが形成さ
れている。このヒータウェハー2上には、前記各ヒータ
3を囲むピット部を有する厚膜樹脂層が形成されてい
る。前記インクジェット記録ヘッドチップ1は、前記ヒ
ータウェハー2と、その上面にポリイミド樹脂製の接着
剤を用いて固着されたチャネルウェハー6とから構成さ
れている。前記ヒータウェハー3のサイズは、長さ11
mm,幅3.0mm,厚さ0.6mmである。また、チャネル
ウェハー2のサイズは、長さ11mm、幅2.3mm、厚さ
0.6mmである。なお、ウェハー2,3の各サイズは、
これらの数値に限定されるものではない。 【0017】前記チャネルウェハー6には、前記複数の
ヒータ3に対応して、図3で左右方向に延びる複数の断
面V字型のインク吐出路形成用チャネル7が紙面に垂直
な方向に並んで形成されており、前記各インク吐出路形
成用チャネル7と前記ヒータウェハー2とによって断面
3角形の複数のインク吐出路8が形成されている。前記
各インク吐出路8の前端はインク吐出口9として前記イ
ンクジェット記録ヘッドチップ1の前端面10に開口し
ている。以下、前記インクジェット記録ヘッドチップ1
の前端面10を吐出口端面10ともいう。したがって、
前記断面3角形の各インク吐出路8には、その底面にそ
れぞれ前記ヒータ3が配置されている。 【0018】また、このチャネルウェハー6には、前記
各インク吐出路8の後端に接続するとともに左右方向に
延びるインク供給路形成用チャネル11が形成されてい
る。このインク供給路形成用チャネル11と、前記ヒー
タウェハー2によりインク供給路12(図3A参照)が
形成されている。前記インク供給路12は、前記チャネ
ルウェハー6の前記ヒータウェハー2との接合面と反対
側の側面14に形成された3個のインク供給口13に連
通している。前記3個のインク供給口13が形成された
前記側面14を供給口端面14ともいう。前記インク供
給口13は、インクジェット記録ヘッドが完成して使用
される場合に、インクタンクのインクが供給される部分
である。 【0019】ここで、前記ヘッドチップ1を下記に述べ
る治具(21)に載置したとき、前記したカップラーの
薄膜(図示せず)に撥液処理される面、すなわち吐出口
端面10がヘッドチップ1の前面となり、治具(21)
上に載置される側のインク供給口13が形成された面、
すなわち供給口端面14が下面となる。 【0020】次に、前記インクジェット記録ヘッドチッ
プを載置して吐出口端面に撥液膜を形成するための治具
について説明する。図4はヘッドチップを載置する本発
明における治具の斜視図である。図5は治具の上面図で
あって、図5Aには内部構造を破線で示しており、図5
Bはその要部拡大図である。図6は治具の正面図であっ
て、図6Aには内部構造を破線で示しており、図6Bは
その要部拡大図である。図7は図5の矢印VII から見た
治具の側面図である。図4〜図7において、21は後部
に低い段差を有するアルミ製ブロックからなる治具であ
り、その前端上縁の中央部に前記ヘッドチップ1を収容
する載置部22が設けられている。載置部22は前面上
端部を略直方体状に切除して形成されている。載置部2
2の底面がヘッドチップ1の供給口端面14を載置しか
つ吸着するチップ吸着面23として、また3つの側面が
チップ吸着面23にヘッドチップ1を案内するガイド壁
24として機能する。なお、載置部22の後部両端部に
は、ヘッドチップ1の挿入や取り出し時にその角部が損
傷しないように、円筒状凹部が形成されている。 【0021】図4,5,6において治具21の左側板の
中央上部には、空気吸引管等を介して負圧発生装置25
と接続される負圧接続口26が形成されている。治具2
1右側板の前側下部には、気体供給管等を介して気体供
給装置27と接続される加圧接続口28が形成されてい
る。また、治具21の前面中央部には左右方向に細長い
気体室29が穿孔されている。治具21の前面の気体室
29の両側には後述するマスクプレート(図8参照)を
固定するネジ孔30が形成されている。前記ネジ孔30
の上方には2つの空気吸引口31がそれぞれ穿孔されて
いる。治具21の下面には上方へ延びて前記気体室29
に連通する流路穴(後記の副気体供給流路の一部)が穿
孔されており、その下部を盲栓32で閉塞している。治
具21後部の低段差部には左右に2つの留ネジ孔33が
上下方向に貫通している。 【0022】前記チップ吸着面23には、幅30μmの
左右方向に細長い矩形状の凹溝34が形成されている。
なお、溝の形状、寸法等は任意に変更可能である。図5
Bに図示するように、凹溝34には計4個の空気吸引孔
35が穿孔されている。これらの空気吸引孔35は、そ
れぞれ前記空気吸引口31に連通する副空気吸引流路3
6および主空気吸引流路37を介して前記負圧接続口2
6に連通している。また、チップ吸着面23の長手方向
中央部には、前記気体室29に達する3個の気体供給孔
38が間隔をおいて穿孔されている。そして、気体室2
9は、これに連通する前記流路穴の上部を副気体供給流
路39として、その上流側に接続する主気体供給流路4
0を介して前記加圧接続口28に連通している。 【0023】したがって、空気吸引孔35からは前記負
圧発生装置25へ空気が吸引されるようになっており、
気体供給孔38へは気体供給装置27から気体が送気さ
れるようになっている。そして、ヘッドチップ1を前記
載置部22のチップ吸着面23に載置したとき、気体供
給孔38はその開口面がヘッドチップ1のインク供給口
13と合致する位置に穿孔されており、吸着面23と前
記供給口端面14とは気密に接触するようになってい
る。図8は前記吐出口端面10の撥液処理時に治具21
の前面を覆う金属製マスクプレート41を示す。このマ
スクプレート41の中央部には吐出口端面10と合致す
る窓42が左右方向に細長く形成されていて、窓42の
下方左右側にはマスクプレート41を前記ネジ孔30に
ネジ止めするネジ挿通孔43が穿設されている。 【0024】図9は前記治具を載置した撥液膜形成装置
全体の正面図を示している。同図において、撥液膜形成
装置51は、下部が複数本の垂直枠および水平枠からな
る架台52によって囲まれ制御機器を収容する制御室5
3と、上部がインクジェット記録ヘッドチップ1の移送
および撥液処理を行う作業室54とに仕切られている。
架台52の下端隅部には4本の脚55が固設されてい
る。これらの脚55はキャスタ式として撥液膜形成装置
51を移動自在とすることが可能である。制御室53内
には、ロボットコントローラ56とこのコントローラ5
6および作業室54に配設された被制御機器類を電気的
に制御する制御盤57とが収容されている。制御室53
の外側の側壁上部には、動作指令を電気信号によって制
御盤57に送信する操作盤58が配置されている。 【0025】作業室54内には、ヘッドチップ載置部5
9、ヘッドチップ1を移送するロボット本体(ロボット
RV−M2;三菱電機社製)60、撥液膜形成用処理液
を噴霧するスプレー装置61および前記治具21を載置
固定する回転可能な載置台62が、左から右方向に順次
配設されている。なお、スプレー装置61の後方(図9
で紙面の裏側の方向)に、処理液を加熱硬化する熱風吹
出式または赤外線照射式の加熱装置(図示せず)が配設
されている。載置部59には、パレット上に未処理もの
と処理済みものとに区分けされたヘッドチップ1が堆積
されている。スプレー装置61はヘッドチップ1の吐出
口端面10に対向する位置に配置されている。また、前
記撥液膜形成用処理液は撥液処理剤とこれを溶解する溶
剤からなる。撥液処理剤としては、従来公知の種々のも
のを使用することができるが、例えば、ポリテトラフル
オロエチレン、シリコーンオイル等を溶剤に溶かしたも
のを使用する。 【0026】ロボット本体60は、載置部59から未処
理のヘッドチップ1を吸着して治具21に載置すると共
に、撥液処理済みのヘッドチップ1を吸着して載置部5
9に戻す動作を繰り返すロボットハンド63とアーム6
4とを備えている。ヘッドチップ1を吸着するには、例
えば本発明と同様に、ロボットハンド63に吸着面を形
成して負圧発生装置を作動させればよい。このようなロ
ボット本体60のヘッドチップ移送動作は、ロボットハ
ンド63に組み込まれヘッドチップ1の取出位置、治具
21の載置位置および戻し位置を検出するセンサやロボ
ットコントローラ56により制御される。また、ロボッ
ト本体60の始動と停止やスプレー装置61等の前記被
制御機器類の駆動操作は、操作盤58からの指令によ
り、前記制御盤57に組み込まれた電気シーケンスに従
って制御されるようになっている。 【0027】(実施例の作用)以上のような構成を備え
た実施例の作用を説明する。最初に、治具21後部の留
ネジ穴33にネジを挿通して、治具21を載置台62上
にネジ止めする。次に、ネジ挿通孔43およびネジ孔3
0にネジを挿通してマスクプレート41を治具21にネ
ジ止めする。これにより、窓42に合致する前記インク
ジェット記録ヘッドチップ1の吐出口端面10を除い
て、治具21の前面およびその上方がマスクプレート4
1で覆われる。したがって、治具21の前面に穿孔され
た気体室29および空気吸引口31の開口面も閉塞され
る。また、撥液処理時に、ヘッドチップ1および治具2
1の上面に撥液膜形成用処理液が付着するようなことが
ない。 【0028】このように、治具21の前面をマスクした
状態で、前記載置部59のパレットから未処理のヘッド
チップ1をロボットハンド63により取り出し、治具2
1の載置部22に移送する。この際、ヘッドチップ1
は、その供給口端面14とは逆の面を前記ハンド63に
吸着して、ガイド壁24とマスクプレート41の裏面に
案内されながら、供給口端面14が前記載置部22上
(チップ吸着面23)に載置される。ヘッドチップ1の
載置部22への載置時には、例えば前述のハンド用負圧
発生装置の作動を停止してロボットハンド63の吸着力
を無効とする。また、これに先立ってヘッドチップ1が
治具21の上方に位置する時に、気体供給孔38から気
体を供給口端面14に吹き付けて該面を清掃する。 【0029】気体供給孔38は、前述したとおり、気体
供給装置27と接続する加圧接続口28、主気体供給流
路40、副気体供給流路39および気体室29の順に連
通しているので、例えば窒素ガスボンベの電磁弁の開成
やコンプレッサの作動等により、気体供給装置27から
気体が吹き出すようになっている。ヘッドチップ1の載
置部22への載置後、負圧発生装置25が作動し、ヘッ
ドチップ1の供給口端面14をチップ吸着面23に負圧
吸引して、両面15,23が密着する。空気吸引孔35
は、前述したとおり、負圧発生装置25と接続する負圧
接続口26、主空気吸引流路37および副空気吸引流路
36の順に連通しているので、例えば真空ポンプの作動
等により、チップ吸着面23に刻設された凹溝34が負
圧に保たれる。ヘッドチップ1がチップ吸着面23に吸
着されると、前記気体供給孔38がインク供給口13と
接続されているので、気体供給装置27から供給される
気体は、ヘッドチップ1のインク供給口13、チャネル
6およびインク供給路5を経てインク吐出口13より吐
出される。 【0030】このようにして、インク吐出口13より気
体を吐出させながら、スプレー装置61を作動させて、
撥液膜形成用処理液がヘッドチップ1の撥液処理面すな
わち吐出口端面10へ噴霧される。この撥液処理工程時
には、前記マスクプレート41に形成された窓42によ
り、ヘッドチップ1は予めカップラーが塗布された吐出
口端面10のみ塗布されるようになっており、吐出口端
面10以外に処理液が回り込むことを防止している。撥
液処理工程終了後、治具21を載置した載置台62を回
転させて、ヘッドチップ1の撥液処理された吐出口端面
10を後方(図9で紙面の裏側の方向)に配設された前
記加熱装置に対向させる。次いで、加熱装置からの熱風
の吹出または赤外線の照射により、処理液中の撥液処理
剤が加熱硬化されてインク吐出口13を除く吐出口端面
10に撥液膜が均一の厚さに形成される。 【0031】その後、撥液処理済みのヘッドチップ1を
ロボットハンド63に吸着して、載置部59の処理済み
用パレット上に移送する。これらの一連の動作は、操作
盤58から撥液処理開始指令を制御盤57に入力するこ
とにより、制御盤57とロボットコントローラ56間の
電気シーケンスに従って、作業室54に配設されたロボ
ット本体60およびその他の機器類が制御されるように
なっている。そして、操作盤58からの停止指令により
撥液処理を随意停止することができるが、そのまま処理
を継続する場合は、未処理のヘッドチップ1の全てを撥
液処理し終わると自動的に一連の動作が停止するように
なっている。 【0032】(変更例)以上、本発明の実施例を詳述し
たが、本発明は、前記実施例に限定されるものではな
く、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内
で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更
実施例を下記に例示する。 (H01) 実施例では、インクジェット記録ヘッドチッ
プを載置する治具の載置部を1つしか形成してないが、
ヘッドチップを複数個載置できるように変更してもよ
い。この場合、気体室および凹溝は1つでよく、空気吸
引口に代えて、副空気吸引流路に連通する空気吸引室を
治具の前面に形成しておくことが望ましい。また、ロボ
ットハンドに複数個のヘッドチップを同時に吸引する吸
着部をもうけ、未処理のヘッドチップを複数個同時に載
置部から取り出し搬送するように構成することが可能で
ある。 【0033】 【発明の効果】本発明のインクジェット記録ヘッドの撥
液膜形成装置は下記の効果を奏する。 (E01) 本発明によれば、ヘッドチップを治具へ押さ
え付けるようなことがないから、ヘッドチップの割れや
欠けの発生を防止できる。したがって、従来それらに起
因して生じる微小粉末の撥液処理面への付着による撥液
膜の不均一、異物の混入による撥液膜の強度や耐久性の
低下を防止することが可能となる。 (E02) 本発明では、治具を介してヘッドチップに直
接気体を供給するようにしたので、インクジェット記録
ヘッドの製造工程初期の段階で撥液膜が形成される。こ
のため、従来の製造工程半ばでの撥液処理に比べて、撥
液処理工程でたとえ不良品が発生したとしても、それに
よる製品コストに占める割合は小さくなり、結局はコス
トの低減につながる。 【0034】(E03) 従来の撥液処理装置では、ヘッ
ドチップに塗布された撥液処理液を加熱により硬化して
いるため、耐熱性材料の使用が必須の条件となってい
る。しかし、本発明では、インクジェット記録ヘッドの
製造工程の初期に撥液処理を行うため、ヘッドチップ以
外の使用部材の材料選択の自由度が大きい。 (E04) インクジェット記録ヘッドに組み立てた後で
撥液膜を形成する従来の場合に比べて、本発明の撥液膜
形成装置で扱う被処理部材の体積/重量は、1/30〜
1/50と大幅に低下する。そのため、撥液処理用の製
造設備の小型化による設備コストおよび設備設置スペー
スの低減の他に、一度に多数個の処理が可能であること
から、設備能力のアップを図ることができる。 (E05) 本発明では、ヘッドチップ自体を治具の載置
部に吸着した後撥液処理を施すものである。そのため、
従来使用している治具や例えばヘッドチップを移送する
ロボットハンドに比べて、撥液膜形成装置の構造がシン
プルになることから、設備の保守性にも優れている。
として吐出されるインク液の液滴を被記録媒体に付着さ
せて記録を行うインクジェット記録ヘッドの撥液膜形成
装置に関する。特に、インク吐出口が形成されたヘッド
前端面に撥液膜形成用処理液を塗布する工程において、
比較的簡単な設備で前記記録ヘッドの量産化が可能なイ
ンクジェット記録ヘッド撥液膜形成装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、インクジェット記録ヘッドのイン
ク吐出口が形成されたヘッド前端面に撥液膜を形成する
撥液膜形成方法およびその装置としては、例えば下記
(J01)および(J02)の技術が知られている。 (J01)(特開昭62−39252号公報記載の技術) 上部中央部に加圧室または減圧室を凹設した取付台にイ
ンクジェット記録用ノズル板を載置して、前記ノズル板
に表面処理剤を吹き付けてノズル板表面上に表面処理層
を設ける際に、加圧室から大気中へまたは大気中から減
圧室へ流れる空気流を前記ノズル板に穿孔されたノズル
に生じさせるインクジェット記録用ノズル板の表面処理
方法が記載されている。 【0003】 (J02)(特開平5−64892号公報記載の技術) インクジェット記録ヘッド前端面に開口する複数のイン
ク吐出口から気体を吐出しながら、前記ヘッド前端面に
撥液剤を塗布する撥液剤塗布工程、および撥液剤が塗布
されたインクジェット記録ヘッドを回転させて撥液剤を
ヘッド端面に均一に分布させる撥液剤均一化工程を順次
行って、ヘッド前端面に一様な厚さの撥液膜を形成する
インクジェット記録ヘッド前端面撥液膜形成方法および
その装置が記載されている。この撥液膜形成方法および
その装置においては、マニホルドに設けられたインク収
容室の連通孔およびインク供給路を介してインク吐出口
が連通している。また、前記マニホルドは気体供給装置
に接続されると共にヘッドチップの上面および側面を覆
うように配置されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】(J01)の技術では、
加圧室の外周に形成された溝にOリングを挿入し、押さ
え板でノズル板をOリングへ押して気体の供給を行って
いる。しかしながら、ノズル板の材質としてシリコン等
の脆性材が用いられている場合、押さえ板とノズル板と
の接触、押さえ付けによるノズル板のひび割れ、それに
伴う微小粉末の飛散等により、撥液膜にゴミ異物の混入
が生じる。その結果、撥液膜が劣化しやすくなり耐久性
が低下する。また、ノズル板を取付台に載置する度に押
さえ板をネジで固定しているため、量産性に劣るという
問題点がある。一方、減圧室外周の溝にOリングを挿入
した場合は、スプレーによる処理液がOリングの外側へ
侵入する。その結果、Oリングのシール性が悪化し、さ
らに長時間の使用による処理液の余液が固化して、やが
て塵埃が発生する。これらの対策として、治具の洗浄が
必要となり、製造工程の増加につながるという問題点が
ある。 【0005】(J02)の技術では、記録ヘッド前端面に
撥液膜を形成する前に、ヘッドチップにマニホルドを接
着する等の工程を経ている。したがって、それまでの工
程の無塵化または撥液膜形成工程の直前に洗浄を必要と
し、かつ撥液膜を加熱硬化するためにマニホルド等の使
用材質を耐熱性のものに選定する必要がある。また、イ
ンクジェット記録ヘッドの製造工程がある程度進行した
後に撥液処理をするために、撥液処理の失敗による歩留
まり低下が製品の製作コストを大きく上昇させる。一
方、量産性の見地からも、ワーク形状が大きくなること
により、多数個の同時処理がしにくくなる。しかも、処
理加工等の製造設備や一時保管設備のスペースも大きく
なることから、コストの増大につながるという問題点が
ある。 【0006】そこで、本発明は、前述の実情に鑑み、下
記の事項を課題とするものである。 (O01) 撥液処理の失敗による歩留まり低下が製品の
大きなコストアップを招かないようにすること。 (O02) 撥液処理工程中に塵埃が発生しない環境とし
て、インクジェット記録ヘッドの吐出口端面に均一な撥
液膜を形成すると共に、撥液膜の耐久性や強度を向上さ
せること。 (O03) 被撥液処理部材のワーク形状を小さくするこ
とにより、製造設備および保管設備の小型化を可能と
し、かつ量産性に優れた撥液膜形成装置および方法方を
提供すること。また、撥液膜形成装置の構造を簡素化し
て設備の保守点検を容易にすること。 (O04) 撥液処理工程での使用材料の選択の自由度を
大きくすること。 【0007】 【課題を解決するための手段】次に、前記課題を解決す
るために案出した本発明を説明するが、本発明の要素に
は、後述の実施例の要素との対応を容易にするため、実
施例の要素の符号をカッコで囲んだものを付記する。本
発明を後述の実施例の符号と対応させて説明する理由
は、本発明の理解を容易にするためであり、本発明の範
囲を実施例に限定するものではない。 【0008】 【0009】(本発明) また、本発明は、インク供給口(13)が形成された供
給口端面(14)および前記インク供給口(13)に連
通する複数のインク吐出口(9)が形成された吐出口端
面(10)を有するインクジェット記録ヘッドチップ
(1)を載置する治具(21)と、この治具(21)に
載置された前記ヘッドチップ(1)の吐出口端面(1
0)に対向する位置に配置されて前記吐出口端面(1
0)に撥液膜形成用処理液を噴霧するスプレー装置(6
1)とを備えたインクジェット記録ヘッドの撥液膜形成
装置(51)において、下記の要件を備えたことを特徴
とする。 (Y02) 前記治具(21)は、前記ヘッドチップ
(1)の供給口端面(14)と密着するチップ吸着面
(23)とこのチップ吸着面(23)に前記ヘッドチッ
プ(1)を案内するガイド壁(24)とを有すること、 (Y03) 前記チップ吸着面(23)には、前記ヘッド
チップ(1)の供給口端面(14)を吸着する空気吸引
孔(35)が形成され、この空気吸引孔(35)は負圧
発生装置(25)に接続されていること、 (Y04) 前記チップ吸着面(23)には、さらに前記
供給口端面(14)のインク供給口(13)に接続する
気体供給孔(38)が形成され、この気体供給孔(3
8)は気体供給装置(27)に接続されていること。 【0010】 【0011】 【作用】次に、本発明の作用を説明する。 (本発明の作用) また、前述の特徴を備えた本発明のインクジェット記録
ヘッドの撥液膜形成装置(51)では、治具(21)の
ガイド壁(24)に案内されながら、インク供給口(1
3)が形成された供給口端面(14)を下面としてイン
クジェット記録ヘッドチップ(1)を前記治具(21)
に載置する。この際、治具(21)の載置面は、負圧発
生装置(25)に接続する空気吸引孔(35)が形成さ
れているので、負圧発生装置(25)を作動させると、
前記ヘッドチップ(1)の供給口端面(14)を吸着し
て密着するチップ吸着面(23)として作用する。ま
た、チップ吸着面(23)には、さらに前記インク供給
口(13)に接続する気体供給孔(38)が形成されて
いるので、気体供給孔(38)に接続する気体供給装置
(27)を作動させると、インク供給口(13)に連通
する複数のインク吐出口(9)から気体を吐出させるこ
とが可能である。前記ヘッドチップ(1)をチップ吸着
面(23)に吸着させた後、複数のインク吐出口(9)
から気体を吐出させながら、スプレー装置(61)によ
り撥液膜形成用処理液を噴霧すると、インク吐出口
(9)が形成された吐出口端面(10)に撥液膜が均一
に形成され、インク吐出口(9)の周辺の撥液性を高く
することができる。 【0012】このような本発明のインクジェット記録ヘ
ッドの撥液膜形成装置(51)によれば、インク供給口
(13)を介してインク吐出口(9)から気体が吐出さ
れるヘッドチップ(1)と治具(21)との接続密閉は
負圧吸引力により行われる。そのため、ヘッドチップ
(1)に外力が加わらず、ヘッドチップ(1)の割れや
欠けの発生がなく、それ故に微小粉末の発生もない。ま
た、微小なヘッドチップ(1)に直接気体を供給できる
ため、インクジェット記録ヘッドの製造工程の初期段階
で撥液処理が可能となり、被撥液処理部材のワーク形状
も小さくなる。したがって、被撥液処理部材のワーク形
状(治具を除いた部品の形状)を小さくすることができ
るので、製造設備および保管設備の小型化を可能とし、
かつ量産性に優れた撥液膜形成装置および方法方を提供
することができる。また、撥液膜形成装置の構造を簡素
化して設備の保守点検を容易にすることもできる。さら
に、撥液処理工程での使用材料の選択の自由度を大きく
することも可能となる。 【0013】 【実施例】次に、図面を参照しながら本発明の一実施例
のインクジェット記録ヘッドの撥液膜形成方法およびそ
の装置を説明するが、本発明は以下の実施例に限定され
るものではない。本発明の一実施例のインクジェット記
録ヘッドの撥液膜形成方法は、例えば下記(i)〜(vi
i)の工程の後に実施される。 (i)チャネルウェハー作製工程 LSI等の半導体製造技術と同様にして、シリコン基板
を製造した後エッチングによりチャネルおよびインク供
給路を形成する。 (ii)ヒータウェハー作製工程 工程(i)と同様に、シリコン基板を製造して基板上に
ヒータおよび電極回路を形成した後、電極部分を被覆す
る。 (iii)ヒータウェハーとチャネルウェハーとの貼り合
わせ工程 両ウェハーを接着剤で貼り合わせて接合体を製造する。 (iv)ダイシング工程 前記接合体を切削刃で切断してインクジェット記録ヘッ
ドチップを製造する。 (v)ライトエッチ工程 前記工程(iv)でチップ側面に露出した接着剤等の屑・
粉末を完全に除去する。 (vi)洗浄工程 ヘッドチップを有機溶剤および水で数回洗浄して、ヘッ
ドチップに付着した塵埃や挟雑物を除去する。 【0014】(vii)撥液前処理工程 撥液膜形成用処理液がシリコン基板上に塗布しやすく、
かつその後形成される撥液膜が剥離し難くするために、
前処理工程が実施される。 a)UV/O3 での撥液処理面の洗浄 撥液処理面以外をマスクして紫外線照射およびオゾンの
吹き込みを行いながら、撥液処理面を洗浄する。 b)カップラーの塗布と加熱硬化 シランカップリング剤やチタンカップリング剤等のカッ
プラー含有塗布液を撥液処理面に塗布した後、ヘッドチ
ップまたは塗布面を加熱してカップラーを硬化させる。
なお、この工程b)は、後述の撥液膜形成方法と同様の
方法を採用することが可能である。また、前述の各工程
(i)〜(vii)では、従来公知の種々の方法を採用する
ことができる。 【0015】次に前述の工程(i)〜(vii)の後で実施
されるインクジェット記録ヘッドの撥液膜形成工程およ
びその工程で使用されるインクジェット記録ヘッドの撥
液膜形成装置の一実施例について説明する。図1は前記
インクジェット記録ヘッドの斜視図であり、図2は図1
の部分的拡大断面図である。また、図3はインクジェッ
ト記録ヘッドチップの内部拡大図を示し、図3Aは図2
のIIIa−IIIa線断面図であり、図3Bはヒータウェハー
の部分的平面図である。 【0016】図1〜3において、インクジェット記録ヘ
ッドチップ1の構成要素であるヒータウェハー2上に
は、LSI技術等により共通電極K1と複数の個別電極
K2と、それらを接続する複数のヒータ3、とが形成さ
れている。このヒータウェハー2上には、前記各ヒータ
3を囲むピット部を有する厚膜樹脂層が形成されてい
る。前記インクジェット記録ヘッドチップ1は、前記ヒ
ータウェハー2と、その上面にポリイミド樹脂製の接着
剤を用いて固着されたチャネルウェハー6とから構成さ
れている。前記ヒータウェハー3のサイズは、長さ11
mm,幅3.0mm,厚さ0.6mmである。また、チャネル
ウェハー2のサイズは、長さ11mm、幅2.3mm、厚さ
0.6mmである。なお、ウェハー2,3の各サイズは、
これらの数値に限定されるものではない。 【0017】前記チャネルウェハー6には、前記複数の
ヒータ3に対応して、図3で左右方向に延びる複数の断
面V字型のインク吐出路形成用チャネル7が紙面に垂直
な方向に並んで形成されており、前記各インク吐出路形
成用チャネル7と前記ヒータウェハー2とによって断面
3角形の複数のインク吐出路8が形成されている。前記
各インク吐出路8の前端はインク吐出口9として前記イ
ンクジェット記録ヘッドチップ1の前端面10に開口し
ている。以下、前記インクジェット記録ヘッドチップ1
の前端面10を吐出口端面10ともいう。したがって、
前記断面3角形の各インク吐出路8には、その底面にそ
れぞれ前記ヒータ3が配置されている。 【0018】また、このチャネルウェハー6には、前記
各インク吐出路8の後端に接続するとともに左右方向に
延びるインク供給路形成用チャネル11が形成されてい
る。このインク供給路形成用チャネル11と、前記ヒー
タウェハー2によりインク供給路12(図3A参照)が
形成されている。前記インク供給路12は、前記チャネ
ルウェハー6の前記ヒータウェハー2との接合面と反対
側の側面14に形成された3個のインク供給口13に連
通している。前記3個のインク供給口13が形成された
前記側面14を供給口端面14ともいう。前記インク供
給口13は、インクジェット記録ヘッドが完成して使用
される場合に、インクタンクのインクが供給される部分
である。 【0019】ここで、前記ヘッドチップ1を下記に述べ
る治具(21)に載置したとき、前記したカップラーの
薄膜(図示せず)に撥液処理される面、すなわち吐出口
端面10がヘッドチップ1の前面となり、治具(21)
上に載置される側のインク供給口13が形成された面、
すなわち供給口端面14が下面となる。 【0020】次に、前記インクジェット記録ヘッドチッ
プを載置して吐出口端面に撥液膜を形成するための治具
について説明する。図4はヘッドチップを載置する本発
明における治具の斜視図である。図5は治具の上面図で
あって、図5Aには内部構造を破線で示しており、図5
Bはその要部拡大図である。図6は治具の正面図であっ
て、図6Aには内部構造を破線で示しており、図6Bは
その要部拡大図である。図7は図5の矢印VII から見た
治具の側面図である。図4〜図7において、21は後部
に低い段差を有するアルミ製ブロックからなる治具であ
り、その前端上縁の中央部に前記ヘッドチップ1を収容
する載置部22が設けられている。載置部22は前面上
端部を略直方体状に切除して形成されている。載置部2
2の底面がヘッドチップ1の供給口端面14を載置しか
つ吸着するチップ吸着面23として、また3つの側面が
チップ吸着面23にヘッドチップ1を案内するガイド壁
24として機能する。なお、載置部22の後部両端部に
は、ヘッドチップ1の挿入や取り出し時にその角部が損
傷しないように、円筒状凹部が形成されている。 【0021】図4,5,6において治具21の左側板の
中央上部には、空気吸引管等を介して負圧発生装置25
と接続される負圧接続口26が形成されている。治具2
1右側板の前側下部には、気体供給管等を介して気体供
給装置27と接続される加圧接続口28が形成されてい
る。また、治具21の前面中央部には左右方向に細長い
気体室29が穿孔されている。治具21の前面の気体室
29の両側には後述するマスクプレート(図8参照)を
固定するネジ孔30が形成されている。前記ネジ孔30
の上方には2つの空気吸引口31がそれぞれ穿孔されて
いる。治具21の下面には上方へ延びて前記気体室29
に連通する流路穴(後記の副気体供給流路の一部)が穿
孔されており、その下部を盲栓32で閉塞している。治
具21後部の低段差部には左右に2つの留ネジ孔33が
上下方向に貫通している。 【0022】前記チップ吸着面23には、幅30μmの
左右方向に細長い矩形状の凹溝34が形成されている。
なお、溝の形状、寸法等は任意に変更可能である。図5
Bに図示するように、凹溝34には計4個の空気吸引孔
35が穿孔されている。これらの空気吸引孔35は、そ
れぞれ前記空気吸引口31に連通する副空気吸引流路3
6および主空気吸引流路37を介して前記負圧接続口2
6に連通している。また、チップ吸着面23の長手方向
中央部には、前記気体室29に達する3個の気体供給孔
38が間隔をおいて穿孔されている。そして、気体室2
9は、これに連通する前記流路穴の上部を副気体供給流
路39として、その上流側に接続する主気体供給流路4
0を介して前記加圧接続口28に連通している。 【0023】したがって、空気吸引孔35からは前記負
圧発生装置25へ空気が吸引されるようになっており、
気体供給孔38へは気体供給装置27から気体が送気さ
れるようになっている。そして、ヘッドチップ1を前記
載置部22のチップ吸着面23に載置したとき、気体供
給孔38はその開口面がヘッドチップ1のインク供給口
13と合致する位置に穿孔されており、吸着面23と前
記供給口端面14とは気密に接触するようになってい
る。図8は前記吐出口端面10の撥液処理時に治具21
の前面を覆う金属製マスクプレート41を示す。このマ
スクプレート41の中央部には吐出口端面10と合致す
る窓42が左右方向に細長く形成されていて、窓42の
下方左右側にはマスクプレート41を前記ネジ孔30に
ネジ止めするネジ挿通孔43が穿設されている。 【0024】図9は前記治具を載置した撥液膜形成装置
全体の正面図を示している。同図において、撥液膜形成
装置51は、下部が複数本の垂直枠および水平枠からな
る架台52によって囲まれ制御機器を収容する制御室5
3と、上部がインクジェット記録ヘッドチップ1の移送
および撥液処理を行う作業室54とに仕切られている。
架台52の下端隅部には4本の脚55が固設されてい
る。これらの脚55はキャスタ式として撥液膜形成装置
51を移動自在とすることが可能である。制御室53内
には、ロボットコントローラ56とこのコントローラ5
6および作業室54に配設された被制御機器類を電気的
に制御する制御盤57とが収容されている。制御室53
の外側の側壁上部には、動作指令を電気信号によって制
御盤57に送信する操作盤58が配置されている。 【0025】作業室54内には、ヘッドチップ載置部5
9、ヘッドチップ1を移送するロボット本体(ロボット
RV−M2;三菱電機社製)60、撥液膜形成用処理液
を噴霧するスプレー装置61および前記治具21を載置
固定する回転可能な載置台62が、左から右方向に順次
配設されている。なお、スプレー装置61の後方(図9
で紙面の裏側の方向)に、処理液を加熱硬化する熱風吹
出式または赤外線照射式の加熱装置(図示せず)が配設
されている。載置部59には、パレット上に未処理もの
と処理済みものとに区分けされたヘッドチップ1が堆積
されている。スプレー装置61はヘッドチップ1の吐出
口端面10に対向する位置に配置されている。また、前
記撥液膜形成用処理液は撥液処理剤とこれを溶解する溶
剤からなる。撥液処理剤としては、従来公知の種々のも
のを使用することができるが、例えば、ポリテトラフル
オロエチレン、シリコーンオイル等を溶剤に溶かしたも
のを使用する。 【0026】ロボット本体60は、載置部59から未処
理のヘッドチップ1を吸着して治具21に載置すると共
に、撥液処理済みのヘッドチップ1を吸着して載置部5
9に戻す動作を繰り返すロボットハンド63とアーム6
4とを備えている。ヘッドチップ1を吸着するには、例
えば本発明と同様に、ロボットハンド63に吸着面を形
成して負圧発生装置を作動させればよい。このようなロ
ボット本体60のヘッドチップ移送動作は、ロボットハ
ンド63に組み込まれヘッドチップ1の取出位置、治具
21の載置位置および戻し位置を検出するセンサやロボ
ットコントローラ56により制御される。また、ロボッ
ト本体60の始動と停止やスプレー装置61等の前記被
制御機器類の駆動操作は、操作盤58からの指令によ
り、前記制御盤57に組み込まれた電気シーケンスに従
って制御されるようになっている。 【0027】(実施例の作用)以上のような構成を備え
た実施例の作用を説明する。最初に、治具21後部の留
ネジ穴33にネジを挿通して、治具21を載置台62上
にネジ止めする。次に、ネジ挿通孔43およびネジ孔3
0にネジを挿通してマスクプレート41を治具21にネ
ジ止めする。これにより、窓42に合致する前記インク
ジェット記録ヘッドチップ1の吐出口端面10を除い
て、治具21の前面およびその上方がマスクプレート4
1で覆われる。したがって、治具21の前面に穿孔され
た気体室29および空気吸引口31の開口面も閉塞され
る。また、撥液処理時に、ヘッドチップ1および治具2
1の上面に撥液膜形成用処理液が付着するようなことが
ない。 【0028】このように、治具21の前面をマスクした
状態で、前記載置部59のパレットから未処理のヘッド
チップ1をロボットハンド63により取り出し、治具2
1の載置部22に移送する。この際、ヘッドチップ1
は、その供給口端面14とは逆の面を前記ハンド63に
吸着して、ガイド壁24とマスクプレート41の裏面に
案内されながら、供給口端面14が前記載置部22上
(チップ吸着面23)に載置される。ヘッドチップ1の
載置部22への載置時には、例えば前述のハンド用負圧
発生装置の作動を停止してロボットハンド63の吸着力
を無効とする。また、これに先立ってヘッドチップ1が
治具21の上方に位置する時に、気体供給孔38から気
体を供給口端面14に吹き付けて該面を清掃する。 【0029】気体供給孔38は、前述したとおり、気体
供給装置27と接続する加圧接続口28、主気体供給流
路40、副気体供給流路39および気体室29の順に連
通しているので、例えば窒素ガスボンベの電磁弁の開成
やコンプレッサの作動等により、気体供給装置27から
気体が吹き出すようになっている。ヘッドチップ1の載
置部22への載置後、負圧発生装置25が作動し、ヘッ
ドチップ1の供給口端面14をチップ吸着面23に負圧
吸引して、両面15,23が密着する。空気吸引孔35
は、前述したとおり、負圧発生装置25と接続する負圧
接続口26、主空気吸引流路37および副空気吸引流路
36の順に連通しているので、例えば真空ポンプの作動
等により、チップ吸着面23に刻設された凹溝34が負
圧に保たれる。ヘッドチップ1がチップ吸着面23に吸
着されると、前記気体供給孔38がインク供給口13と
接続されているので、気体供給装置27から供給される
気体は、ヘッドチップ1のインク供給口13、チャネル
6およびインク供給路5を経てインク吐出口13より吐
出される。 【0030】このようにして、インク吐出口13より気
体を吐出させながら、スプレー装置61を作動させて、
撥液膜形成用処理液がヘッドチップ1の撥液処理面すな
わち吐出口端面10へ噴霧される。この撥液処理工程時
には、前記マスクプレート41に形成された窓42によ
り、ヘッドチップ1は予めカップラーが塗布された吐出
口端面10のみ塗布されるようになっており、吐出口端
面10以外に処理液が回り込むことを防止している。撥
液処理工程終了後、治具21を載置した載置台62を回
転させて、ヘッドチップ1の撥液処理された吐出口端面
10を後方(図9で紙面の裏側の方向)に配設された前
記加熱装置に対向させる。次いで、加熱装置からの熱風
の吹出または赤外線の照射により、処理液中の撥液処理
剤が加熱硬化されてインク吐出口13を除く吐出口端面
10に撥液膜が均一の厚さに形成される。 【0031】その後、撥液処理済みのヘッドチップ1を
ロボットハンド63に吸着して、載置部59の処理済み
用パレット上に移送する。これらの一連の動作は、操作
盤58から撥液処理開始指令を制御盤57に入力するこ
とにより、制御盤57とロボットコントローラ56間の
電気シーケンスに従って、作業室54に配設されたロボ
ット本体60およびその他の機器類が制御されるように
なっている。そして、操作盤58からの停止指令により
撥液処理を随意停止することができるが、そのまま処理
を継続する場合は、未処理のヘッドチップ1の全てを撥
液処理し終わると自動的に一連の動作が停止するように
なっている。 【0032】(変更例)以上、本発明の実施例を詳述し
たが、本発明は、前記実施例に限定されるものではな
く、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内
で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更
実施例を下記に例示する。 (H01) 実施例では、インクジェット記録ヘッドチッ
プを載置する治具の載置部を1つしか形成してないが、
ヘッドチップを複数個載置できるように変更してもよ
い。この場合、気体室および凹溝は1つでよく、空気吸
引口に代えて、副空気吸引流路に連通する空気吸引室を
治具の前面に形成しておくことが望ましい。また、ロボ
ットハンドに複数個のヘッドチップを同時に吸引する吸
着部をもうけ、未処理のヘッドチップを複数個同時に載
置部から取り出し搬送するように構成することが可能で
ある。 【0033】 【発明の効果】本発明のインクジェット記録ヘッドの撥
液膜形成装置は下記の効果を奏する。 (E01) 本発明によれば、ヘッドチップを治具へ押さ
え付けるようなことがないから、ヘッドチップの割れや
欠けの発生を防止できる。したがって、従来それらに起
因して生じる微小粉末の撥液処理面への付着による撥液
膜の不均一、異物の混入による撥液膜の強度や耐久性の
低下を防止することが可能となる。 (E02) 本発明では、治具を介してヘッドチップに直
接気体を供給するようにしたので、インクジェット記録
ヘッドの製造工程初期の段階で撥液膜が形成される。こ
のため、従来の製造工程半ばでの撥液処理に比べて、撥
液処理工程でたとえ不良品が発生したとしても、それに
よる製品コストに占める割合は小さくなり、結局はコス
トの低減につながる。 【0034】(E03) 従来の撥液処理装置では、ヘッ
ドチップに塗布された撥液処理液を加熱により硬化して
いるため、耐熱性材料の使用が必須の条件となってい
る。しかし、本発明では、インクジェット記録ヘッドの
製造工程の初期に撥液処理を行うため、ヘッドチップ以
外の使用部材の材料選択の自由度が大きい。 (E04) インクジェット記録ヘッドに組み立てた後で
撥液膜を形成する従来の場合に比べて、本発明の撥液膜
形成装置で扱う被処理部材の体積/重量は、1/30〜
1/50と大幅に低下する。そのため、撥液処理用の製
造設備の小型化による設備コストおよび設備設置スペー
スの低減の他に、一度に多数個の処理が可能であること
から、設備能力のアップを図ることができる。 (E05) 本発明では、ヘッドチップ自体を治具の載置
部に吸着した後撥液処理を施すものである。そのため、
従来使用している治具や例えばヘッドチップを移送する
ロボットハンドに比べて、撥液膜形成装置の構造がシン
プルになることから、設備の保守性にも優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明において、撥液処理されるインクジェ
ット記録ヘッドチップの斜視図である。 【図2】 図1の部分的拡大断面図である。 【図3】 インクジェット記録ヘッドチップの内部拡大
図を示し、図3Aは図2のIIIa−IIIa線断面図であり、
図3Bはヒータウェハーの部分的平面図である。 【図4】 ヘッドチップを載置する本発明における治具
の斜視図である。 【図5】 図4に示す治具の上面図であって、図5Aに
は内部構造を破線で示しており、図5Bはその要部拡大
図である。 【図6】 図4に示す治具の正面図であって、図6Aに
は内部構造を破線で示しており、図6Bはその要部拡大
図である。 【図7】 図5の矢印VII から見た治具の側面図であ
る。 【図8】 本発明における撥液膜形成用処理液を吐出口
端面に塗布する際、治具の前面を覆うマスクプレートの
正面図である。 【図9】 本発明の撥液膜形成装置全体の一実施例を示
す正面図である。 【符号の説明】 1…インクジェット記録ヘッドチップ、2…チャネルウ
ェハー、6…ヒータウェハー、5…インク供給路、7…
インク供給口、13…インク吐出口、14…吐出口端
面、15…供給口端面、21…治具、22…載置部、2
3…チップ吸着面、24…ガイド壁、25…負圧発生装
置、26…負圧接続口、27…気体供給装置、28…加
圧接続口、34…凹溝、35…空気吸引孔、38…気体
供給孔、41…マスクプレート、51…撥液膜形成装
置、53…制御室、54…作業室、59…ヘッドチップ
載置部、60…ロボット本体、61…スプレー装置、6
2…載置台。
ット記録ヘッドチップの斜視図である。 【図2】 図1の部分的拡大断面図である。 【図3】 インクジェット記録ヘッドチップの内部拡大
図を示し、図3Aは図2のIIIa−IIIa線断面図であり、
図3Bはヒータウェハーの部分的平面図である。 【図4】 ヘッドチップを載置する本発明における治具
の斜視図である。 【図5】 図4に示す治具の上面図であって、図5Aに
は内部構造を破線で示しており、図5Bはその要部拡大
図である。 【図6】 図4に示す治具の正面図であって、図6Aに
は内部構造を破線で示しており、図6Bはその要部拡大
図である。 【図7】 図5の矢印VII から見た治具の側面図であ
る。 【図8】 本発明における撥液膜形成用処理液を吐出口
端面に塗布する際、治具の前面を覆うマスクプレートの
正面図である。 【図9】 本発明の撥液膜形成装置全体の一実施例を示
す正面図である。 【符号の説明】 1…インクジェット記録ヘッドチップ、2…チャネルウ
ェハー、6…ヒータウェハー、5…インク供給路、7…
インク供給口、13…インク吐出口、14…吐出口端
面、15…供給口端面、21…治具、22…載置部、2
3…チップ吸着面、24…ガイド壁、25…負圧発生装
置、26…負圧接続口、27…気体供給装置、28…加
圧接続口、34…凹溝、35…空気吸引孔、38…気体
供給孔、41…マスクプレート、51…撥液膜形成装
置、53…制御室、54…作業室、59…ヘッドチップ
載置部、60…ロボット本体、61…スプレー装置、6
2…載置台。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平5−64892(JP,A)
特開 平6−198894(JP,A)
特開 昭63−122557(JP,A)
特開 昭62−39252(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
B41J 2/135
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 インク供給口が形成された供給口端面お
よび前記インク供給口に連通する複数のインク吐出口が
形成された吐出口端面を有するインクジェット記録ヘッ
ドチップを載置する治具と、この治具に載置された前記
ヘッドチップの吐出口端面に対向する位置に配置されて
前記吐出口端面に撥液膜形成用処理液を噴霧するスプレ
ー装置とを備えた撥液膜形成装置において、下記の要件
を備えたことを特徴とするインクジェット記録ヘッドの
撥液膜形成装置、 (Y02) 前記治具は、前記ヘッドチップの供給口端面
と密着するチップ吸着面とこのチップ吸着面に前記ヘッ
ドチップを案内するガイド壁とを有すること、 (Y03) 前記チップ吸着面には、前記ヘッドチップの
供給口端面を吸着する空気吸引孔が形成され、この空気
吸引孔は負圧発生装置に接続されていること、 (Y04) 前記チップ吸着面には、さらに前記供給口端
面のインク供給口に接続する気体供給孔が形成され、こ
の気体供給孔は気体供給装置に接続されていること。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25390794A JP3417086B2 (ja) | 1994-10-19 | 1994-10-19 | インクジェット記録ヘッドの撥液膜形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25390794A JP3417086B2 (ja) | 1994-10-19 | 1994-10-19 | インクジェット記録ヘッドの撥液膜形成装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08118658A JPH08118658A (ja) | 1996-05-14 |
JP3417086B2 true JP3417086B2 (ja) | 2003-06-16 |
Family
ID=17257723
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25390794A Expired - Fee Related JP3417086B2 (ja) | 1994-10-19 | 1994-10-19 | インクジェット記録ヘッドの撥液膜形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3417086B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002210984A (ja) * | 2001-01-12 | 2002-07-31 | Ricoh Co Ltd | ノズル形成部材並びに液滴吐出ヘッド及びその製造方法 |
CN100402296C (zh) * | 2005-09-19 | 2008-07-16 | 英志企业股份有限公司 | 喷墨印头芯片结构 |
JP6201655B2 (ja) * | 2013-11-08 | 2017-09-27 | セイコーエプソン株式会社 | 液体噴射ヘッドの製造方法 |
-
1994
- 1994-10-19 JP JP25390794A patent/JP3417086B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08118658A (ja) | 1996-05-14 |
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