JP3416943B2 - 陰圧を利用した薬液注入装置 - Google Patents

陰圧を利用した薬液注入装置

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JP3416943B2
JP3416943B2 JP08087598A JP8087598A JP3416943B2 JP 3416943 B2 JP3416943 B2 JP 3416943B2 JP 08087598 A JP08087598 A JP 08087598A JP 8087598 A JP8087598 A JP 8087598A JP 3416943 B2 JP3416943 B2 JP 3416943B2
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    • A61M5/14Infusion devices, e.g. infusing by gravity; Blood infusion; Accessories therefor
    • A61M5/142Pressure infusion, e.g. using pumps
    • A61M5/145Pressure infusion, e.g. using pumps using pressurised reservoirs, e.g. pressurised by means of pistons
    • A61M5/1452Pressure infusion, e.g. using pumps using pressurised reservoirs, e.g. pressurised by means of pistons pressurised by means of pistons
    • A61M5/14526Pressure infusion, e.g. using pumps using pressurised reservoirs, e.g. pressurised by means of pistons pressurised by means of pistons the piston being actuated by fluid pressure

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は薬液注入装置に関す
る。より詳しくは、陰圧を利用して薬液を血管や硬膜
外、皮下、膀胱などに注入するための薬液注入装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】一定の流量の薬液を持続的に注入するた
めに、従来より、シリンジポンプやバルーンインフュー
ザーが使用されている。しかしながら、シリンジポンプ
は一般に構造が複雑で高価であるという欠点を有してお
り、また、バルーンインフューザーは、膨張したゴム弾
性体からなるバルーンの収縮力を利用してバルーン内に
充填した薬液を吐出するものであるため、吐出力が一定
しない等の欠点を有している。そこで、この様な欠点を
解消するものとして、構造が簡単でかつ安価であり、吐
出力が一定の薬液注入装置が提案されている(WO95
/28977号の再公表特許公報)。このものは、図6
に示すように、バレル130と、このバレル130内を
摺動する第1ガスケット140と、バレル130に一体
的に連結されたシリンダ210と、このシリンダ210
に摺動自在且つ気密に挿着された第2ガスケット220
を備えている。そして第1ガスケット140と第2ガス
ケット220はプランジャ250により連結されてお
り、バレル130内に薬液を吸引したときに、第2ガス
ケット220が第1ガスケット140と連動してシリン
ダ210内を摺動し、シリンダ210の内部が減圧され
るように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
薬液注入装置は、第1ガスケット140と第2ガスケッ
ト220がプランジャ250により連結されているた
め、バレル130内に薬液を充填する際に、シリンダ2
10内の陰圧に抗してプランジャ250を引くことにな
り、従って、薬液の充填には相当の力が必要である。本
発明は、如上の事情に鑑みてなされたもので、正確な流
量で薬液の注入を行うことができ、薬液充填に過大な力
を必要としない薬液注入装置を提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の課
題に鑑み鋭意検討の結果、プランジャ内に第2ガスケッ
トを挿着し、バレル内の第1ガスケットとプランジャ内
の第2ガスケットの間の空間を、薬液充填前に予め陰圧
にすることができれば、この陰圧を利用して容易に薬液
の充填を行うことができることに想到し、本発明を完成
した。すなわち本発明は、先端にポート部を備え、中心
軸上に軸部材を備えた基端の開放したバレルと、該バレ
ルの軸部材が流体密に貫通可能な透孔を有する、軸部材
に貫通された状態でバレルの内腔に流体密かつ摺動自在
に挿着された第1ガスケットを先端に備え、基端部が密
封可能な通気口を備えた閉鎖部材で閉鎖された中空のプ
ランジャと、該プランジャの内腔に気密かつ摺動自在に
挿着され、第1ガスケットを貫通してプランジャの内腔
に突出する軸部材の基端と連結された第2ガスケット
と、第1ガスケットと第2ガスケットの間の空間を外気
と連通させるための外気開放手段を含み、プランジャを
前進させた時に第1ガスケットと第2ガスケットの間の
空間が減圧状態になり、プランジャを後退させた時にバ
レルの内腔に薬液が充填されるとともに、第2ガスケッ
トと閉鎖部材の間の空間が実質的に真空状態になり、外
気開放手段を開いて第1ガスケットと第2ガスケットの
間の空間を外気と連通させた時に、プランジャが前進し
て薬液が吐出されるようにしてなる陰圧を利用した薬液
注入装置である。
【0005】ここで、外気開放手段としては、第1ガス
ケットと第2ガスケットの間のプランジャの側壁に第1
ガスケットに近接して穿設された側孔と、バレル内壁と
プランジャ外壁の間の空間と、バレルの側壁に基端に近
接して設けられた側孔と、該バレルの側孔を開閉自在に
閉鎖するバレルの周方向に回動自在な密封部材からなる
ものや、第1ガスケットと第2ガスケットの間のプラン
ジャの側壁に第1ガスケットに近接して穿設された側孔
と、バレル内壁とプランジャ外壁の間の空間と、バレル
の側壁に基端に近接して設けられた通気口と、該通気口
を閉鎖する着脱自在なキャップ部材からなるものが好適
に採用される。尚、閉鎖部材の通気口には外側方向への
気体の流通のみを許容する逆止弁を設けてもよい。ま
た、プランジャを押して第1ガスケットと第2ガスケッ
トの間に陰圧をつくる操作を、平らな机にプランジャの
基端を押し当てて行う場合、プランジャの内腔から閉鎖
部材の通気口を通って排出される空気を逃がすために、
プランジャの基端に近接してエア抜き孔を設けてもよ
い。尚、ポート部には流量制御手段を備えたチューブを
接続してもよい。
【0006】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施例について図面
に基づいて説明する。図1は本発明の薬液注入装置の一
実施例を示す縦断面図であり、図2は本発明の他の実施
例を示す縦断面図、図3は図1に示す薬液注入装置の薬
液充填操作による陰圧の発生状態を示す説明図、図4は
図1に示す薬液注入装置の外気開放手段を開く操作を示
す説明図、図5は図1に示す薬液充填注射器に流量制御
手段を備えたチューブを接続した状態を示す図である。
図1に示すように、本発明の薬液注入装置は、先端にポ
ート部11を備え中心軸上に軸部材12を備えたバレル
1と、軸部材12に貫通された状態でバレル1に挿着さ
れた第1ガスケット3を先端に備え、基端部が通気口4
1を備えた閉鎖部材4で閉鎖された中空のプランジャ2
と、このプランジャ2の内腔に挿着され、軸部材12の
基端と連結された第2ガスケット5と、第1ガスケット
3と第2ガスケット5の間の空間を外気と連通させるた
めの外気開放手段6を含んでなる。図3および図4に示
すように、プランジャ2を前進させた時に生じる第3空
間25の陰圧を利用して薬液が充填され、プランジャ2
を後退させた際に生じる第2空間24の陰圧(実質的に
真空である)を利用して薬液が吐出される。
【0007】バレル1は、通常ポリプロピレンやポリエ
チレン等のプラスチックで形成された先端が閉鎖し基端
の開放した筒状の部材であって、閉鎖した先端にポート
部11を備え、中心軸上に軸部材12を備えている。ポ
ート部11は薬液の吸入口兼吐出口であり、通常チップ
111とこのチップ111の外側に同心状に設けられた
カテーテル(図示していない)等を螺合するための雌型
結合手段112からなる。必要ならば、ポート部11は
吸入口と吐出口を別々に形成してもよい。軸部材12
は、図1に示すように、バレル1の中心軸上にポート部
11を閉鎖しないように設けられた軸状の部材であっ
て、バレル1の先端に固定された基端側の軸部121と
第2ガスケット5が装着される先端側のヘッド122か
らなる。軸部121は、その先端がプランジャ2の第1
ガスケット3の透孔31およびプランジャ2のヘッド2
1の透孔211を貫通してプランジャ2の内腔に突出し
ており、ヘッド122と螺合等の手段で結合されてい
る。ヘッド122には第2ガスケット5が装着されてい
る。尚、ポート部11には、図5に示すように、流量制
御手段71を設けたチューブ7を接続してもよい。
【0008】プランジャ2は、ポリプロピレンやポリエ
チレン等のプラスチックで形成された中空な部材であっ
て、先端に第1ガスケット3が装着されるヘッド21を
備え、基端にフランジ22を備えている。ヘッド21に
は軸部材12が貫通可能な透孔211が設けられてお
り、プランジャ2の基端部はキャップや栓体(図示して
いない)で密封可能な通気口41を備えた閉鎖部材4で
閉鎖されている。第1ガスケット3は、ブチルゴムやイ
ソプレンゴム、オレフィン系エラストマーなどのゴム弾
性材料で形成された摺動部材であり、プランジャ2の先
端のヘッド21に装着されている。第1ガスケット3
は、その中央にバレル1の軸部材12が流体密に貫通可
能な透孔211を有しており、プランジャ2のヘッド2
1とともに軸部材12に貫通された状態でバレル1の内
腔に流体密かつ摺動自在に挿着されている。尚、閉鎖部
材4の通気口41には外側方向への気体の流通のみを許
容する逆止弁42を設けて、キャップ等で通気口41を
密封する手間が要らないようにしてもよい。逆止弁42
としては通常、例えば図1に示すようなダックビルタイ
プのものや、ボール弁やアンブレラタイプのもの等が採
用可能である。また、プランジャ2の基端が塞がれた場
合にプランジャ2の内腔から通気口41を通って排出さ
れる空気を逃がすことができるように、プランジャ2の
基端に近接してエア抜き孔23を設けてもよい。第2ガ
スケット5は、第1ガスケット3と同様のゴム弾性材料
で形成された摺動部材であり、プランジャの内腔に気密
かつ摺動自在に挿着され、第1ガスケットを貫通して延
びる軸部材12のヘッド122に装着されている。
【0009】外気開放手段6は、第1ガスケット3と第
2ガスケット5の間の空間を外気と連通させるための手
段であり、図1や図2に示すような構成等が採用可能で
ある。図1に示す外気開放手段6は、第1ガスケット3
と第2ガスケット5の間のプランジャ2の側壁に第1ガ
スケット3に近接して穿設された側孔61と、バレル1
内壁とプランジャ2外壁の間の空間(第4の空間)15
と、バレル1の側壁に基端に近接して設けられた側孔6
2と、このバレル1の側孔62を開閉自在に閉鎖するバ
レル1の周方向に回動自在な密封部材63からなる。こ
こで密封部材63には外気と連通させるための透孔63
2が設けられており、側孔62を気密に閉鎖する部分6
31は好ましくはゴム弾性材料で形成されている。図2
に示す外気開放手段60は、第1ガスケット3と第2ガ
スケット5の間のプランジャ2の側壁に第1ガスケット
3に近接して穿設された側孔61と、バレル1内壁とプ
ランジャ2外壁の間の空間(第4の空間)15と、バレ
ル1の側壁に基端に近接して設けられた通気口64と、
この通気口64を閉鎖する着脱自在なキャップ部材65
からなる。キャップ部材65の天面内側にはシール性を
良くするためにゴム弾性材料で形成されたシール部材6
51を設けてもよい。
【0010】本発明の薬液注入装置には、図1および図
2に示すように4つの空間が形成されている。バレル1
内壁と第1ガスケット3で囲まれる空間(第1の空間)
14、プランジャ2内壁と閉鎖部材4および第2ガスケ
ット5で囲まれる空間(第2の空間)24、プランジャ
2内壁と第1ガスケット3および第2ガスケット5で囲
まれる空間(第3の空間)25、およびバレル1内壁と
プランジャ2外壁の間の空間(第4の空間)15であ
る。尚、第4の空間15はシール部材13によりシール
されている。以下、図3および図4を用いて薬液の充填
および薬液の吐出の機序について説明する。
【0011】図3aに示すような状態からプランジャ2
を前進させると、第2の空間24内の空気は実質的に全
て通気口41を通って外に排出される一方、密封状態で
拡大された第3の空間25が減圧状態になる(図3b、
3c)。次にこの状態でプランジャ2を後退させると、
第1の空間14に薬液が充填されるとともに、逆止弁4
2により第2の空間24内への外気の流入が阻止される
ので、空気が略完全に排出された第2の空間24が実質
的に真空状態のまま密封状態で拡大される(図3d、3
e)。この時、プランジャ2の後退操作は、第3の空間
25の陰圧を利用できるので、楽に行うことができる。
次に、図4a、4bに示すように、外気開放手段6をバ
レル1の周方向に回動させて第3の空間25を外気と連
通させると、図4cに示すように、外気は密封部材63
の透孔632から側孔62、第4の空間15、側孔61
を通って第3の空間25に導入される。すると、第3の
空間25は大気圧に等しくなるので、第1ガスケット3
およびプランジャ2のヘッド21が略大気圧に等しい力
で押され、プランジャ2は第2ガスケット5方向に前進
する。この時、第1の空間14内の薬液が大気圧に相当
する略一定の吐出力で自動的に吐出される。
【0012】
【発明の効果】以上説明してきたことから明らかなよう
に、本発明の薬液注入装置を採用することにより、実質
的に真空状態の陰圧を利用して薬液を吐出するので正確
な流量で薬液の注入を行うことができる、薬液充填に過
大な力を必要としないので操作者の負担が少ない、等の
効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薬液注入装置の一実施例を示す縦断面
図である。
【図2】本発明の他の実施例を示す縦断面図である。
【図3】図1に示す薬液注入装置の薬液充填操作による
陰圧の発生状態を示す説明図である。
【図4】図1に示す薬液注入装置の外気開放手段を開く
操作を示す説明図である。
【図5】図1に示す薬液充填注射器に流量制御手段を備
えたチューブを接続した状態を示す図である。
【図6】従来技術の例を示す図である。
【符号の説明】
1 バレル 11 ポート部 111 チップ 112 雌型結合手段 12 軸部材 121 軸部 122 ヘッド 13 シール部材 14 第1の空間 15 第4の空間 2 プランジャ 21 ヘッド 211 透孔 22 フランジ 23 エア抜き孔 24 第2の空間 25 第3の空間 3 第1ガスケット 31 透孔 4 閉鎖部材 41 通気口 42 逆止弁 5 第2ガスケット 6、60 外気開放手段 61 側孔 62 側孔 63 密封部材 64 通気口 65 キャップ部材 7 チューブ 71 流量制御手段

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端にポート部を備え、中心軸上に軸部
    材を備えた基端の開放したバレルと、該バレルの軸部材
    が流体密に貫通可能な透孔を有する、軸部材に貫通され
    た状態でバレルの内腔に流体密かつ摺動自在に挿着され
    た第1ガスケットを先端に備え、基端部が密封可能な通
    気口を備えた閉鎖部材で閉鎖された中空のプランジャ
    と、該プランジャの内腔に気密かつ摺動自在に挿着さ
    れ、第1ガスケットを貫通してプランジャの内腔に突出
    する軸部材の基端と連結された第2ガスケットと、第1
    ガスケットと第2ガスケットの間の空間を外気と連通さ
    せるための外気開放手段を含み、プランジャを前進させ
    た時に第1ガスケットと第2ガスケットの間の空間が減
    圧状態になり、プランジャを後退させた時にバレルの内
    腔に薬液が充填されるとともに、第2ガスケットと閉鎖
    部材の間の空間が実質的に真空状態になり、外気開放手
    段を開いて第1ガスケットと第2ガスケットの間の空間
    を外気と連通させた時に、プランジャが前進して薬液が
    吐出されるようにしてなる陰圧を利用した薬液注入装
    置。
  2. 【請求項2】 外気開放手段が、第1ガスケットと第2
    ガスケットの間のプランジャの側壁に第1ガスケットに
    近接して穿設された側孔と、バレル内壁とプランジャ外
    壁の間の空間と、バレルの側壁に基端に近接して設けら
    れた側孔と、該バレルの側孔を開閉自在に閉鎖するバレ
    ルの周方向に回動自在な密封部材からなる請求項1に記
    載の薬液注入装置。
  3. 【請求項3】 外気開放手段が、第1ガスケットと第2
    ガスケットの間のプランジャの側壁に第1ガスケットに
    近接して穿設された側孔と、バレル内壁とプランジャ外
    壁の間の空間と、バレルの側壁に基端に近接して設けら
    れた通気口と、該通気口を閉鎖する着脱自在なキャップ
    部材からなる請求項1に記載の薬液注入装置。
  4. 【請求項4】 閉鎖部材の通気口に外側方向への気体の
    流通のみを許容する逆止弁を設けてなる請求項1〜3の
    いずれかに記載の薬液注入装置。
  5. 【請求項5】 プランジャの基端に近接して閉鎖部材の
    通気口を通って排出される空気を逃がすためのエア抜き
    孔を設けてなる請求項1〜4に記載の薬液注入装置。
  6. 【請求項6】 ポート部に流量制御手段を備えたチュー
    ブを接続してなる請求項1〜5のいずれかに記載の薬液
    注入装置。
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