JPH1057487A - 医療用注射器 - Google Patents

医療用注射器

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JPH1057487A
JPH1057487A JP9165853A JP16585397A JPH1057487A JP H1057487 A JPH1057487 A JP H1057487A JP 9165853 A JP9165853 A JP 9165853A JP 16585397 A JP16585397 A JP 16585397A JP H1057487 A JPH1057487 A JP H1057487A
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JP9165853A
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Frederic Neftel
ネフテル フレデリック
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Debiotech SA
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    • A61M5/31Details
    • A61M5/315Pistons; Piston-rods; Guiding, blocking or restricting the movement of the rod or piston; Appliances on the rod for facilitating dosing ; Dosing mechanisms
    • A61M5/31596Pistons; Piston-rods; Guiding, blocking or restricting the movement of the rod or piston; Appliances on the rod for facilitating dosing ; Dosing mechanisms comprising means for injection of two or more media, e.g. by mixing
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一つ以上に分割された液室にそれぞれ導入し
た一つ以上の液体を、各液室から順次確実に注入できる
医療用注射器を提供する。 【解決手段】 注射器20は、一端に放出孔24を有し
他端が開口する円筒管21と、円筒管21の内壁に密閉
接触して開口端から管内に移動する弾性体からなる加圧
ピストン31と、円筒管21内で放出孔24と加圧ピス
トン31との間に配置される弾性材料からなる少なくと
も一個の自由ピストン33とを備える。加圧ピストン3
1と自由ピストン33と円筒管21とに包囲された空間
からなる液室41には液体を保持できる。自由ピストン
33は、その外表面と内部の空洞部48との間の少なく
とも一部に、凹み可能な側壁35を有する。加圧ピスト
ン31に対向する側の自由ピストンの外面に加わる圧力
が十分に大きくなると、側壁35が空洞部48内方へ凹
み、液室41内の液体が放出孔24に流出できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一端に放出孔を有
し、他端が開口端である円筒管と、弾性材料で作られ、
円筒管の内壁に密閉接触して開口端から円筒管の内側に
移動する加圧ピストンとを備えた医療用注射器に関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】注射針
による病源体の感染及び伝染は今日なお大きな問題であ
る。特に、注射針に接触し感染しやすい医療用注射器の
使用者にとっては必要な操作が多くなればなるほど、ま
た注射を受ける者も注射器が完全滅菌されていない場合
には感染する危険がある。
【0003】他方、複数回の用量を別個に順次注射でき
る可能性に関しては、今日完全には解決されていない。
従って、使用のたび毎に注射器にそれぞれ決まった用量
の液を入れる操作を行わなければならないのが現状であ
る。従来の注射器は円筒管内部が密閉空間になってい
て、使用のたび毎に事前準備を必要とする。多くの場
合、注射器内への薬液導入操作が繁雑な上に、一旦薬液
が導入され使用可能状態にある注射器については、注射
直前に、活性成分を含む液体の一部喪失が起こり得る。
注射器内に収容される分量が、正確に体内に注入される
べき用量である点からすれば、これは損失であることが
明らかであろう。一方、注射器内へ導入した液は注射針
に接しないようにして保存されなければならい。
【0004】本発明は、上記問題点を解決すると同時
に、今日使用されているあらゆる形式の注射器に応用で
きるものである。本発明の目的は、一つ又は複数に分割
された液室に導入した一つ又は複数の液体を、各液室か
ら順次確実に注入できる医療用注射器を提供することに
ある。本発明の他の目的は、注射液が、金属製注射針等
の外部物体との接触を避けて安全に保存され得るような
閉室を、注射器内部に備えることにある。
【0005】本発明のさらに他の目的は、注射器内部に
閉室を有し、注射の際に従来と全く同様の操作で使用で
きる注射器を提供することにある。本発明のさらに他の
目的は、少なくとも二種類の薬液を分離して保存でき、
かつ注射の過程においても二種類の薬液が混合せず、順
次に注射できる医療用注射器を提供することにある。
【0006】本発明のさらに他の目的は、注射器内に導
入した液体が、誤操作等によって誤って流出するのを防
止する安全密閉手段を有する医療用注射器を提供するこ
とにある。特に、注射液の入った注射器を消毒する際に
重大となるこのリスクを、本発明により大幅に低減す
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、一端に放出孔を有しかつ他端が開放端で
ある円筒管と、円筒管の内面に対し密閉接触を維持しつ
つ開放端から円筒管の内側へ移動する弾性体からなる加
圧ピストンとを具備した医療用注射器において、弾性材
料からなる少なくとも一個の自由ピストンを具備し、自
由ピストンは、円筒管内で放出孔と加圧ピストンとの間
に配置され、加圧ピストンと自由ピストンと円筒管とに
よって液室が形成され、自由ピストンは、放出孔側の一
端に密閉手段を備え、加圧ピストン側の他端と密閉手段
との間の部分は、少なくとも一部が円錐台形の表面から
成り、自由ピストンの内部は、放出孔側の一端の入口か
ら密閉手段の高さよりもさらに深い位置まで空洞部が広
がり、自由ピストンの空洞部と円錐台形の表面との間の
少なくとも一部は、少なくとも空洞部の底から一端に渡
るまで、凹み可能な壁になっていて、液体が円錐台形表
面に及ぼす圧力の半径方向合力が凹み可能な壁の半径方
向圧縮力に対する抵抗力と空洞部の内圧との和より大き
くなったときに、空洞部の内方へ落ち込み、自由ピスト
ンの一端が、凹み可能な壁が落ち込んだときに、液体が
放出孔に流れ出ることができるように形成されること、
を特徴とする医療用注射器を提供する。
【0008】本発明によれば、一つ又は複数の中間自由
ピストンを円筒管内に摺動可能に密着挿入し、液間を密
閉分離しているので、注射器内の各液が混合せず容積の
異なる液体も順次注射することができる。本発明によれ
ば、注射器内に配置した少なくとも一つの自由ピストン
によって、注射器の円筒管内の液室間の耐漏液性が完璧
に保証されるので、自由ピストンが円筒管内の放出孔周
囲の端壁、又は他の自由ピストンの背面に当接するとき
に、自由ピストンの後部にある液室、換言すれば、自由
ピストンが一つの場合には自由ピストンと加圧ピストン
との間の液室に、自由ピストンが二つ以上の場合には自
由ピストン同士の間の液室に貯えられていた液体が、凹
み可能な壁の変形又は崩壊によって、確実に注射器から
放出される。自由ピストン後部の液室に収容されている
液体が、加圧ピストンに十分な圧力が加わったとき、又
は複数の自由ピストンを備える場合は液室間の圧力差が
生じたとき以外は、自由ピストンの周囲を通って流出で
きないような安全密閉手段を有する構造になっている。
【0009】本発明では、空洞部を自由ピストンの中心
軸に対して偏心位置に形成し、優先的に凹むことができ
る凹み可能な壁の薄肉部分を形成することが好ましい。
自由ピストン内の空洞部の位置は、例えば、自由ピスト
ンの密閉手段を越えて広がる空洞部の一部分が自由ピス
トンの回転軸を含む空間に含まれ、この部分の横断面の
円形周縁と横断面の一つの直径に直交する線とで画定さ
れ、横断面の半径上で中心から三分の一のところに空間
位置づけることができる。
【0010】空洞部が偏心した位置にある場合、自由ピ
ストンの空洞部の外側の面は、凹み可能な壁を画定する
外表面に近似した円錐台状の面にすることが好ましい。
少なくとも密閉手段を越えて広がる空洞部の部分をほぼ
円錐台形にすると、凹み可能な壁が容易に凹むことがで
きる。凹み可能な壁に加わる圧力が適当に分配されるよ
うに、空洞部の底の縦断面形状は、凹み可能な壁から見
てほぼ凸状の四分割円形、又は空洞部の底の縦断面がほ
ぼ小さい鋭角の頂角になるように角度を決めた斜断面尖
端形とすることが望ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明をその実施の形態に基づいて詳細に説明する。図1〜
図7に示される注射器を参照して説明する。図示の医療
用注射器20は一般的形態のものであり、通常はガラス
又はプラスチックからなる取替式又は詰替式の円筒管21
を備える。円筒管21は、図1〜図7で上端として描かれ
た一端に開端28を有し、その端縁に外向きの折返し22が
形成される。円筒管21の下端である他端は、円筒の端壁
23で狭められて放出孔24に通じる。端壁23はその内側に
周状段部25を形成する。
【0012】注射針は、コネクタ27又は止具により、狭
くなった放出口24に接続されて延出し、円筒管21及び放
出孔24の内部に連通できる。円筒管21の開端28から内部
に進入する棒30の一端には加圧ピストン31が配置され
る。加圧ピストン31は、円筒管内壁に軽度の摩擦下で接
触して移動可能となっている。加圧ピストン31の棒30の
先端で太くなった部分は、ゴム等の密着性物質で作製さ
れる。棒30の他端の頭部32は円筒管21の外部に置かれ
る。この頭部32の径方向寸法は円筒管21の内径寸法より
大きく、頭部32が円筒管21の中に入り込まないようにな
っている。加圧ピストンの位置は、手動式及び機械式の
いずれの場合も、加圧ピストン31の頭部32を円筒管21に
対して押込むか引出すことで調整する。
【0013】円筒管21の内部には、加圧ピストン31と周
状段部25との間に自由ピストン33が配置される。自由ピ
ストン33は、円筒管内壁に軽度の摩擦下で接触して移
動可能となっている。自由ピストン33はゴム等の柔軟材
料で作製され、円筒管21の端壁23に面した側に、開口端
と中空の空洞部48とを備える。自由ピストン33の端面に
おける空洞部48の形状及び配置は、図5、図6、図7、
図12及び図13に示すように円形で同心円位置に形成した
り、或いは図9、図10、図11、図14及び図15に示すよう
に狭く平坦な形状で偏心位置に形成したりすることがで
きる。
【0014】図10の例では、空洞部48が開いており、
患者に注入されるべき注射液の一部がその中を満たす。
従ってここに残った液体の容積分は、患者に注射されず
損失となる。空洞部48の内部体積に相当するこの不要容
積を最小にすることも、本発明の目的である。本発明
は、液体の空洞部内への流入を防ぐ幾つかの手段によっ
て、この問題を解決する。
【0015】第一の解決手段は、図16に示すように、
空洞部の入口を不透性膜56によって完全に遮断し、注射
器内容物の浸入を防ぐことである。ただし、外部からの
そのような液体の圧力を膜を介して空洞部内に伝えるこ
とを可能にするために、不透性膜は十分に薄く、柔軟な
ものとする。この膜は、注射器の円筒管21の端壁23に接
触しないよう、以下で詳述するようにして例えば自由ピ
ストンの壁39に圧着する。不透性膜56は、凹み可能な側
壁すなわち可凹壁35が収縮するときに曲面状に変形する
が、自由ピストン33がもとの密閉状態に戻ると、不透性
膜も初期位置に戻る。不透性膜56の周辺部は、密閉状態
を保つように自由ピストンの壁39に固定される。薄肉側
の壁38が陥没するときに、液体の流れを阻止しないよう
に膜は十分に薄いものにする。
【0016】第二の解決手段は、空洞部48を、可凹壁35
が陥没する際に軽度の応力で収縮変形するような圧縮可
能材で満たすことである。圧縮可能材は例えば嫌水性発
泡体等から形成できる。第三の解決手段は、空洞部48の
入口に逆止弁(図示せず)を設置することである。この
弁は、空気の流入を許容するが、液体の流入を禁じる。
自由ピストン33が収縮すると空洞部48の体積が減少し、
内部の空気は排除されるが、いかなる液体も空洞部48内
に流入しない。
【0017】以上いずれの場合も、自由ピストン33は、
注射器の放出孔24に面しない側に、円筒管の内径より小
さい直径を有する平坦な閉端面34を備える。閉端面34
は、円錐台状の外側面35を経て自由ピストン33の外周部
に接続され、少なくとも一面の形は、一般的に円筒面36
である密閉面から最広部の末端部に至る。図1、図2、
図3、図4、図9、図10及び図13に示されるように、密
閉面36は注射器の円筒管内面に摩擦接触するために二重
又はそれ以上のひだを構成する。自由ピストンの外側面
35には、一般に密閉面36から自由ピストン33の閉端面34
に至るまで伸びる筋37を設けることが好ましい。この筋
は、特に自由ピストンが円筒管21内を摺動する際の転倒
を防止するとともに、後述する役割を果たす。
【0018】本発明の主たる特徴は、自由ピストンの一
端側に、注射器の円筒管の端壁23内面に当接支持される
突起状の当接手段と、空洞部48の開口に隣接配置される
自由ピストン端壁39とを備え、自由ピストン端壁39が当
接手段よりも後退した位置にあって円筒管との接触が完
全に妨げられていることである。例えば、空洞部48の開
口を包囲する自由ピストン端壁に、図8に示すような複
数の突起形の当接手段40、又は図9及び図10に示すよ
うな広面の当接手段40Aが配置される。突起形当接手段4
0又は広面当接手段40A と、後退した位置にある自由ピ
ストン端壁39との間に、注射器の内容物が流入できる空
間が形成される。環状に並ぶ突起形当接手段40又は広面
当接手段40A は、図1、図6及び図10に示すように円
筒管の周状段部に接触する。
【0019】図1、図2、図3及び図4に示すように、
注射器のそれぞれの使用法に従って、自由ピストンを注
射器内の異なる位置に置くことができる。図1では、自
由ピストン33は端壁25に隣接して配置される。この位置
では、注射器内に一液室41が形成される。図2では、同
様に一液室41を有する注射器が、円筒管21の内壁と加圧
ピストン31と自由ピストン33とによって囲まれる密閉空
間に液体を貯留している。
【0020】図3では、注射器20は二個の自由ピストン
33を有する。端壁25に隣接して配置された下方位置の自
由ピストン33と、上方位置又は中間位置の自由ピストン
33Aと、円筒管21の内壁とにより第一液室41が形成され
る。また中間位置の自由ピストン33A と加圧ピストン31
と円筒管21の内壁とにより第二液室41A が形成される。
【0021】図4に示すように、二個の自由ピストンを
用いて三液室を有する注射器を作製することもできる。
最下部の第一液室41は、自由ピストン33と針用密封キャ
ップ45と円筒管21の内壁とによって囲まれる空間に画定
される。第二液室41A は、二個の自由ピストン33及び33
A の間に画定され、第三液室41B は、自由ピストン 33A
と加圧ピストン31との間に画定される。さらに自由ピス
トン33を追加することによって、液室の数を増やすこと
ができる。図4の自由ピストン33が、図1に示されるよ
うに注射器の端壁25に隣接配置される場合には、第一液
室は二個の自由ピストン33及び33A と円筒管21の内壁と
によって囲まれる空間に画定される。この位置では、針
用密封キャップ45は不要である。
【0022】図5は二液室を有する注射器を示す。この
場合、針用密封キャップ45が下方液室41を画定してい
る。上記のように、一個又は複数個の自由ピストン33を
用いて一液室、二液室、三液室又はそれ以上の液室のそ
れぞれに注射液を貯蔵できるような注射器を作製するこ
とができる。
【0023】図4及び図5に示すように液が満たされて
いる注射器の場合には、注射液を放出する際に針用密封
キャップ45を外さなければならない。図1、図2及び図
3に示すように液が満たされている注射器については、
滅菌処理の注射器を使用する必要がある場合にはキャッ
プを外さなければならないが、そうでない場合には注射
器の内容物は密閉されているので、注射器の放出孔にい
かなるキャップも装着する必要がない。
【0024】図4の注射器を使用する場合、針用密封キ
ャップ45を外して加圧ピストンの頭部32に圧力を加える
と、圧力はピストン31に伝わり、ピストン31に隣接する
液室41B の内容物に伝わる。図2のように液が満たされ
ている注射器の場合は、この圧力によって自由ピストン
33が放出孔24の位置まで移動し、自由ピストンの当接手
段40A の表面が端壁25に接触して止まるまで、液室内の
内容物が移動する。
【0025】図4及び図5のように液が満たされている
注射器の場合は、自由ピストンが放出孔24まで移動する
と、液室41内の内容物が放出孔24から外部に放出され
る。図3を参照して説明する。自由ピストン33A が円筒
管21の内面に密閉状態で接触していても、自由ピストン
33A の材料の弾性、及び円筒管21の内面と密閉面36との
間の締付調整可能なシール部に起因して、加圧ピストン
31から液室41A の内容物に加えられた圧力により内容物
が押されて、密閉シール部を越えて溢れ、液室41の内容
物と混合しかねない。
【0026】これを避けるために、放出孔24及び針26の
断面を円筒管21の断面よりはるかに小さくし、自由ピス
トン33A が押されると液室41の内圧を上昇させつつ自由
ピストン33A が放出孔24方向に移動するようにする。こ
うして針から液体が放出される一方で、液室41の内容物
の反力が、自由ピストン33Aの内部の空洞部48の内表面
に同圧でかつ反対方向の圧力を加える。液体に加圧する
とあらゆる方向に同等の圧力を生じることから、空洞部
48の内表面周辺に生じる圧力により、側壁35及び密閉面
36上に半径方向の追加力が生じる。
【0027】このように、隣接する両液室に液体がある
場合、加圧ピストンの頭部32を押す力が大きくなるほ
ど、円筒管21を押す自由ピストンの密着力が強くなる。
液室41に液体がある間は、液室41の内容物が液室41A
に、逆に液室41A の内容物が液室41に流入することが防
止される。液室41の内容物が放出された後は、密閉性を
増強させる力は生じない。
【0028】いかなる密閉性の増強力も存在しなくなる
が、自由ピストンの材料の弾性力及び締付調整可能なシ
ール部の気密力は存在し続ける。自由ピストン33が端壁
25に接触したときに、液室内の内容物を自由ピストン33
の周囲から放出孔24に放出できるようにする手段が設け
られる。加圧ピストンの頭部32を押して、ピストン31か
ら注射器の内容物に加圧すると、一個又は複数個の自由
ピストン33は円筒管21の軸方向に移動する。自由ピスト
ン33が端壁25の位置に達すると、注射器の内容物を介し
て自由ピストンの側壁35に加わる圧力は、自由ピストン
33の弾性材による気密力の最大値(可凹壁35の半径方向
圧縮に対する抵抗力と空洞部48の内圧との和に等しい
値)より大きくなる。弾性材の気密力は、ピストン31か
ら注射器の内容物に伝えられて側壁35に加わる圧力より
小さくなるので、側壁35は内方に収縮すなわち陥没変形
する。陥没する壁の円周上の位置は、図8に示す構造の
自由ピストンに固有なものではなく、図9、図10及び図
11に示す形状の自由ピストンの場合も、自由ピストン
側壁の陥没部分の円周上の位置は、自由ピストン側壁が
薄くなった薄肉側の壁38の位置によって決まる。この壁
38が薄いほど、弾性材の最大気密力は小さくなる。壁が
凹むすなわち空洞部48の内方に向かって変形を始めると
きの力の値は、自由ピストン33の側壁の形状によって決
まる。
【0029】図7に示すように、側壁35が凹むと、液体
は側壁35を越えて当接突起40が作る空間内に流れ込む。
図10に示す例では、薄肉側の壁38が凹むと、注射器内の
内容物は自由ピストン33を越えて、自由ピストン端壁39
と円筒管の端壁25との間の空間に流入し、放出孔24から
針26へ流れることができる。図13、図14及び図15は、
幾つかの改良型の自由ピストンの例を示す。
【0030】図13には、自由ピストン側部を強化する
環の部分が、可凹壁35の優先的窪み領域となるように、
空洞部48内に配置した放射状網筋52を示す。この放射状
網筋52は、薄肉側の壁38の変形に対する抵抗力を強化
する。特に、空洞部48の位置が中心から著しく偏心して
いる場合には、側壁の機械的強度が非常に弱くなる。可
凹壁の強化としては、空洞部内面又は自由ピストン33の
外壁上に、可凹壁の優先的凹み領域の境界を形成するよ
うな強化材を追加することもできる。図13において、
自由ピストン外壁につけた縦溝37がこの役目を果たす。
この縦溝は同時に、液体が自由ピストン33の周囲全体に
流れるのを防ぎ、液体の流れを区切りかつ導く堤防とし
て作用し、特に液体の一部がひだ36の間を満たして流動
残りを生じることにより液体が無駄になるのを防ぐ。
【0031】薄肉側の壁38を強化するもう一つの方法
は、図12に示すように、空洞部内壁の可凹壁側に強化
凸状縦筋50を形成し、かつ凸型縦筋の相補形状の断面を
有する凹形縦溝51を形成することである。凹形の縦溝51
は、可凹壁35が凹む方向で凸型縦筋に対面する位置につ
けられる。この構造では、可凹壁35が凹んだ位置で空洞
部の開口が最小となるので、この位置で空洞部の体積が
最小となる。従って、空洞部内壁の可凹壁側にある強化
凸状縦筋の対面位置に相補形状の凹形縦溝を設けること
により、可凹壁35が凹んだ状態での空洞部48の死体積を
最大限に減少することができる。
【0032】図13は、自由ピストン33の外部に配置さ
れた三重の環状密閉ひだ36を示す。自由ピストン33は、
これら密閉ひだ36により円筒管21に密着して摺動できる
ようになっている。一般的に密閉手段としては、少なく
とも二重のひだがあれば良いが、少なくとも三重ひだに
することが好ましい。自由ピストンの外表面上の少なく
ともそれら密閉ひだ36の間に縦溝37を形成すると、円筒
管とひだとの間に形成された空間、すなわち液体の流動
残りを溜める死空間を減らすことができる。三つの密閉
ひだのうち、少なくとも一つを他のひだより幅広くする
と、自由ピストンが円筒管内を摺動する際に、自由ピス
トンのねじれや傾き変化が生じるのを防止する調整ガイ
ドリングとして作用して安定性を付与する。この幅広の
リングの主機能は、自由ピストンの気密性を大幅に改善
することである。
【0033】幅広リングは、自由ピストンの他端すなわ
ち円筒管21の放出孔24に近い位置に配置され、かつ末端
部に配置したひだから構成するのが好ましい。こうする
と、末端部のひだは、空洞部の開口部位置で空洞部48の
断面が最も広くなっている箇所において自由ピストンを
強化し、密閉性を確実にする。図14及び図15は、可
凹壁35の部分が凸状円弧形である空洞部48の横断面を示
す。可凹壁が空洞部と同様の輪郭を有する形式の自由ピ
ストンでは、可凹壁35が容易に陥没できる。図14で
は、空洞部48の横断面を空洞部体積を最小にするようイ
ンゲン豆形にした。図15では、空洞部48の横断面は半
凸レンズ形であり、可凹壁35が吸着されて変形したまま
元に戻らない状態を避けるため、凸状筋55を設けて可凹
壁35の凹みを制限している。半凸レンズ形の変わりに全
凸レンズ形とすることもできる。
【0034】自由ピストンが確実に作動するためには、
自由ピストンの密閉外面36を越えて広がる空洞部48の部
分の長さが円錐台の高さの少なくとも四分の一以上、好
ましくは半分までであることが好ましい。これにより、
円錐台表面に加わる圧力に対する抗力の合力が、空洞部
を含む自由ピストンの高さまで加わる。図16は、空洞
部48がピストン及び注射管の回転軸Aからずれた偏心位
置にある自由ピストンを縦断面で示す。この場合、空洞
部開口は膜56で封鎖され、空洞部内の力配分が最適にな
るように作製される。これは、空洞部及び円錐台側壁に
加わる圧力の差が所定条件に達したときに、薄肉壁38が
凹むように改良されたものである。密閉ひだ36を越えて
広がる空洞部48の部分は、少なくとも一部が円錐台形で
あり、一般には空洞部の全体を円錐台形にするのが好ま
しい。加圧ピストン31の頭部32に軽く圧力を加えるだけ
で薄肉壁38を凹ませるために、空洞部48の底に隣接する
可凹壁35の一部が抵抗なく変形する領域を形成するよう
な空洞部の底形状とし、可凹壁35の抗力分布が最適にな
るような空洞部の底形状を選択する。空洞部48の底の縦
断面がU字型の場合は、抵抗が大きくなりすぎて凹み難
い。空洞部の一方の壁を外壁面に平行として、空洞部の
壁が自由ピストンの回転軸に対し小さい鋭角を成すよう
にし、薄肉壁38の方に向いている一方の壁と空洞部の他
方の壁とが成す角度に応じた先鋭度の尖形の空洞部先端
部分を形成する。一般に空洞部の底が尖形であることが
好ましい。空洞部の底の形は、縦断面がほぼ四分割の円
周で、この曲面部は可凹壁35の最薄部に対応させるのが
好ましい。円弧の接線と空洞部の底の壁とが成す角度α
(図16)は、可凹壁に沿って加わる力が最適分布する
ような値に選定される。
【0035】他の形状として、空洞部48の底を斜断面形
にすることも可能である。この場合、斜断面の先端が可
凹壁35の最薄部に向くようにする。図5に示す注射器で
注射をする場合、まずキャップ45を取り外し、加圧ピス
トン31を押して円筒管21内で移動させると、液室41の内
容物が注射器外に放出され、次に自由ピストン33の突起
状当接手段40又は広面当接手段40A が、円筒管の端壁23
の周状段部25に接触する位置にくる(図1又は図6)。
【0036】ピストン31が引き続き押されると、液室41
の内容物が圧縮され、自由ピストン33の円錐台状の外表
面と内部(空洞部)との間に圧力差を生じる。液室41A
の内容物を介して自由ピストン33の側壁35に加えられる
圧力が増加すると、可凹壁はピストン内方に収縮し(図
7)、それにより液体は自由ピストンの周囲から突起状
当接手段40と注射器の端壁23とが形成する空間(図10
では広面当接手段40Aから後退した位置にある自由ピス
トン端面39が形成する空間)へ流入し、そして放出孔24
を通って針26から注射される。
【0037】図4の場合は、ピストン31が押されるに従
って、液室41が空になり、自由ピストン33の突起状当接
手段40の表面が注射器の端壁23に接触すると、自由ピス
トン33が収縮して液室41A が空になる。次いで自由ピス
トン33A の突起状当接手段40が自由ピストン33の背面の
閉端面34に接触して、自由ピストン33A の可凹壁35が凹
み、液室41B 内の内容物が両自由ピストン33及び33A の
周囲から放出孔24に流れ出る。
【0038】注射器20の円筒管21内に2個以上の自由ピ
ストンがある場合、第一の自由ピストン33は、円筒管の
端壁23に到達して接触したときに収縮する。次に自由ピ
ストン33A 、33B 等についても、各ピストンが一つ前の
ピストンの背面の閉端面34に到達したときに収縮するこ
とになる。いずれの自由ピストンも(場合によっては円
筒管21の端壁23に当接されるピストンは除いてもよい
が)、収縮した全てのピストンが円筒管21に対しどのよ
うに傾斜している場合にも、上方に存在する各液室41A
、41B 等(図4)から流出した液体を全てのピストン
の周囲から確実に放出孔24に流入させることができ、か
つ自由ピストンの間を離隔して空間を形成できるよう
な、突起状当接手段40の形式の当接手段を有することが
好ましい。
【0039】図17は、当接突起40B をピストンの背面
つまり自由ピストンの閉端面34上に設けた、第二の形式
における第三の変形例による二個の自由ピストン33、33
A を示す。この当接突起40B によって、自由ピストン33
A が自由ピストン33に接触する際に、円筒管21内での各
ピストンの可凹壁の傾き如何に関わらず、ピストン33A
の後方にある液体が二個のピストン33A の周囲から流れ
出ることができるように、円筒管の全断面に渡って両自
由ピストンの間に空間が形成される。
【0040】このように、当接手段によって自由ピスト
ン間に空間が形成されるので、液体は自由ピストンの周
囲をとおり、自由ピストンの可凹壁から自由ピストンの
あらゆる部分に流れ、最後に液体は第一自由ピストン33
を越えて放出される。当接手段によって、第一自由ピス
トンの空洞部が偏心位置にあり、可凹壁の凹みが外周部
に限られているような自由ピストンについても、問題な
く流れ出ることができる。
【0041】本発明による注射器は、数種類の使用法が
可能である。例えば、一個の自由ピストンで二液室を作
り、放出孔24に隣接する第一液室に活性成分を入れ、第
二液室には生理的水、ぶどう糖液、ヘパリン液等の活性
成分洗浄液を入れる使用法がある。他の使用法では、一
個の自由ピストンを注射器端壁に接して置き、この自由
ピストンと加圧ピストンとの間に非凝血剤としてのヘパ
リンを導入する。体内移植されたカテーテルのような細
管を通して、遠隔した他端から注射液を患者に注入する
場合、ヘパリンが最後に注出される液体として控えてい
るため、血液が混入した場合にも血液の凝固を防ぐこと
ができる。この場合、注射器には非凝血剤が既に存在す
るので、次に第二液体(活性成分)を注射器に吸入しさ
えすればよい。このように、他の液体の吸入操作を一回
行うだけで、二種類の液体を注射することができる。本
発明によれば、一本の注射を行う通常の操作で、二種類
の液体を直接に連続かつ分離して注射することができ
る。
【0042】図1の場合、まず注射器20の液室41に一種
類の液体を導入する。このような注射器を使用する場
合、自由ピストン33の前方液室に第二液体を採り入れる
ことが必要な場合がある。注射器に採り入れた第二液体
の容積を容易に知るために、図18に示すような目盛付
注射器を使う。第一の目盛58では、注射器の端壁23側に
零位59が付されている。注射器に採り入れられた第二
液体の容積は、自由ピストンが図18の位置にある場合、
自由ピストンの前端位置の目盛線60で読むことができ
る。第二の目盛62を使えば、注射の際に患者に注入され
た第二液体の量を読むこともできる。第二液体を収容す
る液室を画定する自由ピストンの前端位置が、第二の目
盛62の零位64になるようする。この位置に対応する
目盛が患者に注射されるべき第二液体の全量に相当す
る。この容積がこの注射器の特性であり、第二の目盛62
の零位64がこの注射器の特性となっている。
【0043】図18では、注射途中に、目盛66が既に注
出された第二液体の量を示す。自由ピストン33に使用さ
れる弾性材料は、注射器の内容物と生物学的かつ化学的
に適合性を有するものでなければならない。本発明によ
る注射器は、コマンドボタンを押すと加圧ピストン31が
自動的に押され、患者が一人で容易に一種又は数種の液
体を注射できる自動注射器のような自動注入装置での用
途に、特に有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】使用可能状態にある一液室の医療用注射器の縦
断面図である。
【図2】注射器内部の中間位置に液体が貯えられている
一液室の医療用注射器の縦断面図である。
【図3】使用可能状態にある二液室の医療用注射器の、
図10の線3−3に沿った縦断面図である。
【図4】使用可能状態にある三液室の医療用注射器の縦
断面図である。
【図5】二液室が異なった形式にある医療用注射器の縦
断面図である。
【図6】図5の二液室の医療用注射器の縦断面図で、第
一室の液体が注射器外に注出された状態を示す。
【図7】図6の医療用注射器の縦断面図で、自由ピスト
ンが陥没して第二室の液体が注射器外に注出された状態
を示している。
【図8】第一の形式の自由ピストンの外観図である。
【図9】第二の形式の自由ピストンの外観図である。
【図10】図9に示す第二形式の自由ピストンの横断面
図である。
【図11】図9に外観を示す自由ピストンの、図10の
線11−11に沿った断面正面図である。
【図12】第一形式の自由ピストンの第一の変形例の正
面図である。
【図13】第一形式の自由ピストンの第二の変形例の外
観図である。
【図14】第二形式の自由ピストンの第一の変形例の、
図10の線14−14に沿った断面正面図である。
【図15】第二形式の自由ピストンの第二の変形例の、
図14と同様に図10の線14−14に沿った断面正面
図である。
【図16】変形例による空洞部分を有した自由ピストン
の横断面図である。
【図17】二個の自由ピストンを内装している第二形式
の第三の変形例による医療用注射器の縦断面部分図であ
る。
【図18】目盛付注射器の側面図である。
【符号の説明】
21…円筒管 23…端壁 24…放出孔 31…加圧ピストン 33、33A…自由ピストン 35…凹み可能な側壁 36、36A…密閉面 41、41A、41B…液室 45…キャップ 48…空洞部

Claims (40)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端に放出孔(24)を有しかつ他端が開
    放端である円筒管(21)と、該円筒管(21)の内面に対
    し密閉接触を維持しつつ該開放端から該円筒管(21)の
    内側へ移動する弾性体からなる加圧ピストン(31)とを
    具備した医療用注射器(20)において、 弾性材料からなる少なくとも一個の自由ピストン(33)
    を具備し、該自由ピストン(33)は、前記円筒管(21)
    内で前記放出孔(24)と前記加圧ピストン(31)との間
    に配置され、該加圧ピストン(31)と該自由ピストン
    (33)と該円筒管(21)とによって液室(41、41A 、41
    B )が形成され、 前記自由ピストン(33)は、前記放出孔(24)側の一端
    に密閉手段(36、36A)を備え、前記加圧ピストン(31)
    側の他端(34)と該密閉手段(36、36A)との間の部分
    は、少なくとも一部が円錐台形の表面から成り、 前記自由ピストン(33)の内部は、前記放出孔側(24)
    の一端の入口から前記密閉手段(36、36A)の高さよりも
    さらに深い位置まで空洞部(48)が広がり、 前記自由ピストン(33)の前記空洞部(48)と前記円錐
    台形の表面との間の少なくとも一部は、少なくとも該空
    洞部の底から前記一端に渡るまで、凹み可能な壁(35)
    になっていて、液体が該円錐台形表面に及ぼす圧力の半
    径方向合力が該凹み可能な壁(35)の半径方向圧縮力に
    対する抵抗力と該空洞部(48)の内圧との和より大きく
    なったときに、該空洞部の内方へ落ち込み、 前記自由ピストン(33)の前記一端が、前記凹み可能な
    壁(35)が落ち込んだときに、液体が前記放出孔(24)
    に流れ出ることができるように形成されること、を特徴
    とする医療用注射器。
  2. 【請求項2】 前記円筒管(21)の内部に第一自由ピス
    トン(33)と第二自由ピストン(33A )とを備え、該第
    二自由ピストン(33A )が該第一自由ピストン(33)と
    前記加圧ピストン(31)との間に配置され、該円筒管の
    内部空間が、該第一自由ピストン(33)と該第二自由ピ
    ストン(33A )との間の第一液室(41)と、該第二自由
    ピストン(33A )と該加圧ピストン(31)との間の第二
    液室(41A )とを含む、少なくとも二つの液室に分離さ
    れる請求項1に記載の医療用注射器。
  3. 【請求項3】 前記放出孔(24)に装着された中空針
    (26)を覆うキャップ(45)を備え、前記自由ピストン
    (33)と前記円筒管(21)と該キャップ(45)とによっ
    て、液体を閉じ込める第二液室(41)が形成される請求
    項1に記載の医療用注射器。
  4. 【請求項4】 前記自由ピストン(33)が、前記空洞部
    (48)内への液体流入を妨げる手段(56)を備える請求
    項1に記載の医療用注射器。
  5. 【請求項5】 前記空洞部(48)の入口が、注射器の内
    容物に対し不透性の膜(56)によって密閉され、該膜
    (56)が、該空洞部(48)の外部から該膜に加わる液体
    圧力を該空洞部の内部に伝えることができるように十分
    に薄く柔軟である請求項4に記載の医療用注射器。
  6. 【請求項6】 前記空洞部(48)内への液体流入を妨げ
    る前記手段が、該空洞部内に圧縮される圧縮材料から構
    成され、該圧縮材料が、前記凹み可能な壁が凹む際に圧
    縮する材料である請求項4に記載の医療用注射器。
  7. 【請求項7】 前記圧縮材料が嫌水性発泡体から形成さ
    れる請求項6に記載の医療用注射器。
  8. 【請求項8】 前記空洞部(48)内への液体流入を妨げ
    る前記手段が、該空洞部(48)内に配置された通気性で
    かつ非通液性の逆止弁から構成される請求項4に記載の
    医療用注射器。
  9. 【請求項9】 前記空洞部(48)の内面に前記凹み可能
    な壁(35)の強化部(50、52)を有する請求項1に記載
    の医療用注射器。
  10. 【請求項10】 前記強化部が少なくとも一部の放射状
    網筋(52)から成る請求項9に記載の医療用注射器。
  11. 【請求項11】 前記凹み可能な壁(35)が凹むときに
    前記強化部(50、52)に対面して位置する前記空洞部
    (48)の内面に、該強化部の相補形状部が設けられる請
    求項9に記載の医療用注射器。
  12. 【請求項12】 前記強化部が少なくとも一つの凸状筋
    (50)からなり、該凸状筋(50)の前記相補形状部が少
    なくとも一つの凹状溝(51)からなる請求項11に記載
    の医療用注射器。
  13. 【請求項13】 前記自由ピストンの前記密閉手段が、
    前記円筒管(21)と密接に接触するように、該自由ピス
    トン(33)の外側に配設された円環状の少なくとも二重
    の密閉ひだからなり、液体を該自由ピストンの周囲の一
    部を通って流れるように導くための縦溝(37)が、該自
    由ピストン(33)の外面上で少なくとも該密閉ひだ(3
    6)の間に形成される請求項1又は2に記載の医療用注
    射器。
  14. 【請求項14】 前記自由ピストンの各々の外面に、前
    記凹み可能な壁(35)の特定位置が優先的に凹む範囲を
    規定するための強化面(37)が設置され、該凹み可能な
    壁(35)が凹むときに、該自由ピストンの周囲の一部を
    通って液体の流れを導くための縦溝を備える請求項1又
    は2に記載の医療用注射器。
  15. 【請求項15】 前記密閉手段が少なくとも三重の密閉
    ひだを備え、そのうち少なくとも一個の密閉ひだが、他
    の密閉ひだより厚く、前記自由ピストンの一端側に位置
    する請求項1又は2に記載の医療用注射器。
  16. 【請求項16】 前記空洞部(48)が前記自由ピストン
    (33)の中心軸から偏心した位置に配置され、それによ
    り前記凹み可能な壁の一部(38)に、厚みが薄く凹み易
    い薄肉部分を形成した請求項1又は2に記載の医療用注
    射器。
  17. 【請求項17】 前記自由ピストン(33)の前記密閉手
    段(36、36A) を越えて広がる前記空洞部(48)の部分
    が、該自由ピストン(33)の回転軸を含む空間に含ま
    れ、該部分の横断面が、その円形周縁と該横断面の一つ
    の直径に直交する線とで画定され、該横断面の半径上で
    中心から三分の一のところに位置する請求項16に記載
    の医療用注射器。
  18. 【請求項18】 少なくとも前記密閉手段(36)を越え
    て広がる前記空洞部(48)の部分がほぼ円錐台形である
    請求項16に記載の医療用注射器。
  19. 【請求項19】 前記空洞部(48)が全体として円錐台
    形である請求項18に記載の医療用注射器。
  20. 【請求項20】 前記自由ピストン(33)の前記密閉手
    段(36、36A) を越えて広がる前記空洞部(48)の部分
    が、円錐台形表面の高さの少なくとも四分の一の長さを
    有する請求項1に記載の医療用注射器。
  21. 【請求項21】 前記空洞部(48)の開口が、前記放出
    孔(24)の延長上にあるように、少なくとも前記円筒管
    (21)の回転軸 (A)を取り囲んで配置される請求項1に
    記載の医療用注射器。
  22. 【請求項22】 前記自由ピストンの前記一端に、前記
    放出孔(24)を取り囲む前記円筒管の端壁(23)に当接
    されるようになっている当接手段(40、40A)が設けら
    れ、該当接手段(40、40A) に対して後退位置に、前記空
    洞部(48)の開口に隣接して該円筒管に接触しないよう
    になっている自由壁(39)が設けられる請求項1に記載
    の医療用注射器。
  23. 【請求項23】 注射器の内部に少なくとも二個の前記
    自由ピストンを備え、少なくとも一個の該自由ピストン
    の一端に当接手段(40、40B) が設けられ、該当接手段が
    隣合う他の該自由ピストンに当接して、二個の該自由ピ
    ストンの間に前記円筒管(21)の全断面に広がる空間を
    形成する請求項1に記載の医療用注射器。
  24. 【請求項24】 前記空洞部(48)の底部が、該底部に
    隣接する前記凹み可能な壁(35)の部分のために抵抗力
    の小さい領域を形成するような形状を有する請求項1に
    記載の医療用注射器。
  25. 【請求項25】 前記空洞部(48)の底部が、その縦断
    面が前記凹み可能な壁(35)に向かう凸状円のほぼ四分
    割形状となっている請求項24に記載の医療用注射器。
  26. 【請求項26】 前記空洞部(48)の底部が、その斜断
    面が前記凹み可能な壁(35)に向かう斜断体形状である
    請求項24に記載の医療用注射器。
  27. 【請求項27】 前記空洞部(48)の横断面が前記凹み
    可能な壁(35)に向かう側に、凸状の円弧を形成する請
    求項1に記載の医療用注射器。
  28. 【請求項28】 少なくとも前記密閉手段(36)を越え
    て広がる前記空洞部(48)の部分が、その横断面が半凸
    レンズ形である請求項27に記載の医療用注射器。
  29. 【請求項29】 少なくとも前記密閉手段(36)を越え
    て広がる前記空洞部(48)の部分が、その横断面が全凸
    レンズ形である請求項27に記載の医療用注射器。
  30. 【請求項30】 前記第一液室(41)には活性成分を導入
    し、前記第二液室(41A)には生理的水又はブドウ糖液を
    導入する請求項2に記載の医療用注射器。
  31. 【請求項31】 前記第一液室(41)には活性成分を導入
    し、前記第二液室(41A)には非凝血剤を導入する請求項
    2に記載の医療用注射器。
  32. 【請求項32】 一個の前記自由ピストンを有し、前記
    液室(41)に非凝血剤を導入し、さらに他の液体を導入
    することができる請求項1に記載の医療用注射器。
  33. 【請求項33】 前記非凝血剤がヘパリンである請求項
    31又は32に記載の医療用注射器。
  34. 【請求項34】 前記第一液室(41)には造影剤を導入
    し、前記第二液室(41A)には生理的水又は洗浄用ブドウ
    糖液を導入する請求項2に記載の医療用注射器。
  35. 【請求項35】 一個の前記自由ピストン(33)を有
    し、前記液室(41)にブドウ糖液又は生理的水を導入
    し、さらに他の液体を導入することができる請求項1に
    記載の医療用注射器。
  36. 【請求項36】 前記凹み可能な壁(35)に対面する側
    の前記空洞部(48)に、該凹み可能な壁(35)の凹む動
    作を制限する制限手段(52、55)を設けた請求項1に記
    載の医療用注射器。
  37. 【請求項37】 前記自由ピストン(33)を構成する前
    記弾性体が、注射液と生物学的及び化学的に適合性を有
    するものである請求項1に記載の医療用注射器。
  38. 【請求項38】 自動注射装置と共に用いられる請求項
    1に記載の医療用注射器。
  39. 【請求項39】 前記円筒管(21)に、前記自由ピスト
    ン(33)と該円筒管(21)の端壁(23)との間に吸入し
    た液体容積を量るための第一の目盛(58)を設定した請
    求項1に記載の医療用注射器。
  40. 【請求項40】 前記円筒管(21)に、患者に既に注入
    した液の容積を量るための第二の目盛(62)を設定した
    請求項1に記載の医療用注射器。
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