JP3415981B2 - 半導体装置、その製造方法、および表面保護膜 - Google Patents

半導体装置、その製造方法、および表面保護膜

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JP3415981B2 JP00251496A JP251496A JP3415981B2 JP 3415981 B2 JP3415981 B2 JP 3415981B2 JP 00251496 A JP00251496 A JP 00251496A JP 251496 A JP251496 A JP 251496A JP 3415981 B2 JP3415981 B2 JP 3415981B2
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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置おそび
その製造方法と表面保護膜とに係り、特に、ポリイミド
で表面保護された半導体素子を備える半導体装置おそび
その製造方法と、半導体素子の保護に好適な表面保護膜
とに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、耐熱性高分子の前駆体である感光
性耐熱材料としては(イ)特公平5−67026号に芳香族テ
トラカルボン酸二無水物をオレフィン不飽和アルコール
と反応させてオレフィン芳香族テトラカルボン酸ジエス
テルを合成し、この化合物とジアミンとをカルボジイミ
ドを縮合剤として用いた脱水縮合反応により重合させた
もの、及び(ロ)特開昭60−100143号に芳香族テトラカ
ルボン酸二無水物と、芳香族ジアミンおよびシロキサン
骨格を有する脂肪族ジアミンを共重合させて得られるポ
リアミド酸をイソシアネートオルガノ(メタ)アクリレー
トにより変性し、光重合開始剤を加えたものが知られて
いる。
【0003】このような感光性耐熱材料を適当な有機溶
剤に溶解してワニスとし、該ワニスを基板に塗布、乾燥
して塗膜とした後に、必要な場合には適当なフォトマス
クを介して紫外線照射した後に現像し、リンス処理すれ
ば、所望のレリーフ・パターンが得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
(イ)の材料は、最終硬化膜としたときの膜の可撓性や
強度が低いため、膜にクラックが生じやすかった。特
に、(イ)の材料を半導体素子の表面保護膜として用い
る半導体装置では、熱衝撃サイクル試験において外部か
らかかる熱などの応力に耐えきれず、表面保護膜にクラ
ックが生じたり、半導体装置の信頼性を損ねる場合があ
った。特に、半導体素子を樹脂封止する場合、封止工程
における圧力による応力が、表面保護膜のクラック発生
の原因となることがあった。
【0005】これは、オレフィン芳香族テトラカルボン
酸ジエステルがカルボキシル基に隣接した立体的にかさ
高いエステル基を有しているため、ジアミンとの脱水重
縮合に際して重合が十分に進まず、得られるポリマーの
分子量が低いためと考えられる。
【0006】また、上記(ロ)の材料は高分子量のポリ
アミド酸に感光基を導入しているため最終硬化膜の機械
特性は比較的良好であるが、ワニスの安定性が低い、イ
ソシアネート化合物による変性の際に全芳香族ポリアミ
ド酸を用いるとワニスがゲル化しやすく、この材料を用
いて表面保護する半導体素子装置の製造工程では、安定
な材料の供給が困難であった。また、用いうる構造がシ
ロキサン骨格を有するものに限られる等の問題点があっ
た。
【0007】ワニスがゲル化するのは、イソシアネート
化合物がポリアミド酸のカルボキシル基と反応するのみ
ならず脱水剤としても作用するためポリマー内にイミド
環が形成して溶剤に不溶化するためと考えられる。ま
た、ワニスの安定性が低いのは、イソシアネート化合物
とポリアミド酸との反応性が低いために、合成後も未反
応のイソシアネート化合物が残り、これが長期的に徐々
に反応するためと考えられる。
【0008】そこで、本発明は、上記の欠点を無くし、
前駆体組成物が安定であり、機械特性に優れた素子表面
保護膜と、該保護膜を有する半導体装置と、該装置の製
造方法とを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、感光基として
用いられる炭素−炭素2重結合を有するイソシアネート
化合物をポリアミド酸に反応させる際に、触媒を添加す
れば高分子量のポリアミド酸に効率良く感光基を導入す
ることができ、上記目的を達成できるとの着想に基いて
なされたものである。
【0010】本発明者らは、下記一般式(化2)で表さ
れる繰返し単位を有するポリアミド酸と下記一般式(化
3)で表される炭素−炭素2重結合を有するイソシアネ
ート化合物を触媒の存在下反応させて、下記一般式(化
1)で表される繰返し単位を有する感光性ポリイミド前
駆体を製造すれば、得られる感光性ポリイミド前駆体の
溶液(ワニス)は保存安定性が良く、さらに、最終硬化
膜が機械特性に優れるにちがいないと考えた。
【0011】
【化2】
【0012】(但し、式中R1は少なくとも4個以上の
炭素を含む4価の有機基、R2は芳香族環または珪素を
含有する2価の有機基を示す)
【0013】
【化3】
【0014】(但し、R3、R4、R5は水素、アルキル
基、フェニル基、ビニル基、プロペニル基から選択され
た基、R6は2価の有機基を示す)
【0015】
【化1】
【0016】(但し、式中R1は少なくとも4個以上の
炭素を含む4価の有機基、R2は芳香族環またはケイ素
を含有する2価の有機基、R3、R4、R5は水素、アル
キル基、フェニル基、ビニル基、プロペニル基から選択
された基、R6は2価の有機基を示す)しかし、重合体
のカルボキシル基は、その立体障害のため反応性に乏し
い。また、脱水縮合剤を用いれば、上述のような問題が
生じるだけでなく、比較的高価な縮合剤を大量に用いな
ければならないためコストが高くなってしまう。そこ
で、本発明者らは、少量で反応を促進することのできる
触媒について鋭意検討した結果、ホスフィンオキシド
が、カルボキシル基を有する重合体のアミド化反応の触
媒となることを見出した。発明者らの研究の結果、ホス
フィンオキシドのうち、特に、第3級ホスフィンオキシ
ドが有効であり、下記一般式(化4)で表される化合物
は、カルボキシル基を有する重合体のアミド化反応に対
して、優れた触媒として働くことがわかった。
【0017】
【化4】
【0018】(但し、R7、R8、R9はアルキル基、フ
ェニル基、ベンジル基、および−R10OR11のうちか
ら、それぞれ独立に選択された基、R10は2価の有機
基、R11は1価の有機基を示す)
【0019】
【0020】 これらの触媒は、縮合剤と異なり微量で反
応を促進することができるため、縮合剤に比べてコスト
を削減することができるのみならず、得られた前駆体ワ
ニスから除去する必要がないため、好ましい。また、本
発明では、三塩化リンや塩化チオニルといったハロゲン
化剤を用いる場合のように、反応生成物(ポリイミド前
駆体ワニス)からハロゲンを除去する必要もない。
【0021】本発明では、高分子量のポリアミド酸をベ
ースポリマとして用い、これをアミド化して感光性前駆
体を得るため、該前駆体を硬化させて得られる最終硬化
膜の機械的特性が優れている。さらに、本発明によれ
ば、触媒がカルボキシル基とイソシアネート基との反応
を促進するため、イミド環が形成されることなく、合成
後も未反応のイソシアネート化合物が残らないため、安
定なワニスが得られる。
【0022】そこで、上記目的を達成するため、本発明
では、以上の新たな知見を基に、表面保護膜を備える半
導体素子と、外部との導通のための外部端子とを備える
半導体装置であって、表面保護膜が、上記一般式(化
1)で表される構造単位を有する感光性ポリイミド前駆
体を含むポリイミド前駆体組成物を加熱硬化させて得ら
れたポリイミドからなるものが提供される。なお、上記
ポリイミド前駆体は、上記一般式(化2)で表される構
造単位を有するポリアミド酸と、上記一般式(化3)で
表されるイソシアネート化合物とを、上述の触媒の存在
下で反応させれて得られたものである。さらに、本発明
では、このポリイミドからなる表面保護膜が提供され
る。なお、本発明の表面保護膜は、α線遮蔽膜として用
いることもできる。
【0023】なお、ここで半導体素子は、例えば、半導
体集積回路素子や、個別トランジスタ素子である。ま
た、本発明は、樹脂からなる封止部材により封止された
樹脂封止型半導体装置に適用すると、特に有効である。
上述のように、樹脂による封止工程において、表面保護
膜に圧力がかかるが、本発明を適用すれば、この圧力に
よってもクラックが発生しないからである。
【0024】さらに、本発明では、半導体素子表面の少
なくとも一部に、上述のポリイミド前駆体を含むポリイ
ミド前駆体組成物を加熱硬化させて、ポリイミドからな
る表面保護膜を形成する工程と、この保護膜を備える半
導体素子を外部端子に搭載する半導体搭載工程とを備え
る半導体装置の製造方法が提供される。なお、この製造
方法は、外部端子上に搭載した半導体素子を樹脂で封止
する封止工程を、さらに備えていてもよい。
【0025】上記構造単位を有する感光性ポリイミド前
駆体を含むポリイミド前駆体組成物を加熱硬化させて得
られたポリイミド膜は、機械特性に優れるため、表面保
護膜として封止材の応力に対する優れた強度を有する。
このため、表面保護膜にクラックが発生することが回避
され、半導体装置の信頼性が向上する。これは、感光性
ポリイミド前駆体の合成において、感光基として用いら
れる炭素−炭素二重結合を有する基を備えるイソシアネ
ート化合物を、ポリアミド酸のカルボキシル基と反応さ
せる際に、触媒を用いることで、高分子量のポリアミド
酸に効率よく感光基を導入することができることによ
る。高分子量のポリアミド酸をベースポリマとして用い
るため、最終硬化膜であるポリイミド膜の機械的特性を
向上できる。なお、ポリアミド酸の重量平均分子量は、
良好な機械特性を得るため、2万〜10万とすることが
望ましい。
【0026】
【発明の実施の形態】次に、本発明の半導体装置につい
て、図1に示すリード・オン・チップ型(以下、LOC
型と略す)の樹脂封止型半導体装置を例に説明する。な
お、本発明の半導体装置は、LOC型には限られず、チ
ップ・オン・リード型(以下、COL型と略す)など、
他の形態の樹脂封止型半導体装置であってもよい。
【0027】本発明の樹脂封止型半導体装置は、表面の
少なくとも一部にポリイミドからなる表面保護膜2を備
える半導体素子1と、外部端子3と、表面保護膜2を介
して半導体素子1および外部端子3を接着する接着部材
4と、半導体素子1および外部端子3間の導通を図るた
めの金による配線5と、半導体素子1および配線5の全
体を封止する封止部材6とを備える。なお、図1に示す
半導体装置では、外部端子3はリードフレームを兼ねて
いる。
【0028】また、COL型の樹脂封止型半導体装置の
例として、図3に個別トランジスタ装置を示す。図3に
示す個別トランジスタ装置は、ポリイミドからなる表面
保護膜66を備える個別トランジスタ素子71と外部端
子70と、リードフレーム65と、接着部材72と、ト
ランジスタ素子71と外部端子70との導通を図るため
の金による配線線67と、素子71及び配線線67の全
体を封止する封止部材68とを備える。
【0029】トランジスタ素子71は、コレクタを兼ね
たシリコン基板61と、基板61に作り込まれたベース
62とエミッタ63と、基板61のベース62およびエ
ミッタ63の作られている側の表面に形成されたSiO
2層64とからなる。SiO2層64には、ベース62と
エミッタ63の電極部に、ボンディングパッド部を形成
するための貫通孔が形成されており、該貫通孔にはアル
ミニウムが充填されて、ボンディングパッド部の導体層
65を形成している。上記の表面保護膜は、このボンデ
ィングパッド部に貫通孔が設けられており、配線67
は、このボンディングパッド部の導体層65と外部端子
70とを接続している。
【0030】本発明では、表面保護膜2,66を、上記
一般式(化1)で表される構造単位を有する感光性ポリ
イミド前駆体を含むポリイミド前駆体組成物を加熱硬化
させて得られたポリイミドの膜とし、この感光性ポリイ
ミド前駆体に、上記一般式(化2)で表わされるポリア
ミド酸と、上記一般式(化3)で表わされるイソシアネ
ート化合物とを、触媒の存在下で反応させて得られたも
のを用いることで、応力による表面保護膜のクラック発
生を抑止する。
【0031】この感光性ポリイミド前駆体を含むポリイ
ミド前駆体組成物を加熱硬化させて得られるポリイミド
膜は、機械的特性が良好なため、封止工程での圧力によ
る表面保護膜のクラック発生が押さえられ、半導体装置
の信頼性を向上できる。従って、半導体、特に、モール
ド樹脂により封止される樹脂封止型半導体装置の半導体
の表面保護膜に適している。
【0032】つぎに、本発明の半導体装置の製造方法に
ついて、図2を用いて詳述する。なお、図2には、図1
に示したLOC型半導体装置の製造方法を示したが、本
発明の製造方法は、LOC型半導体装置の製造方法には
限らず、半導体素子と外部端子(リードフレーム)とを
あらかじめ接着してからモールド樹脂により封止して得
られる半導体装置であれば、COL型など他の半導体装
置の製造にも適用できる。
【0033】(1)表面保護膜形成工程 図2(a)に示すように、素子領域および配線層を作り
込んだシリコンウエハ9上にポリイミドからなる表面保
護膜2を形成する。なお、表面保護膜2はあらかじめ定
められたパターンを形成しており、ボンディングパッド
部7、スクライブ領域8の部分で素子1の表面が露出し
ている。ボンディングパッド部7、スクライブ領域8と
を除くパターンの表面保護膜2を形成するには、感光性
ポリイミド前駆体を含むポリイミド前駆体組成物を、半
導体素子基板9上に塗布して乾燥被膜を形成した後に、
フォトマスクを介して紫外線または放射線を照射し、次
いで現像してポリイミド前駆体のパターンを得、さらに
加熱硬化してポリイミドからなるパターンとすればよ
い。
【0034】このようにして表面保護膜2を形成したシ
リコンウエハ9のスクライブ領域8を切断して、表面保
護膜2を備える半導体素子1(図2(b)に示す)を得
る。なお、本発明では、シリコンウエハ9を切断し半導
体素子1を得たのち、得られた半導体素子1の表面に感
光性ポリイミド前駆体を含むポリイミド前駆体組成物を
形成し、これを加熱硬化させて、表面保護膜2を備える
半導体素子1を作製してもよい。しかし、ここで説明し
たように、シリコンウエハ9上にあらかじめ表面保護膜
2を形成してからこれを切断し、表面保護膜2を備える
半導体素子1を得る方法は、簡便なため好ましい。
【0035】上述のように、スクライブ領域8でウエハ
9を切断する場合には、半導体装置の表面保護膜2は、
半導体素子基板(ウエハ)9の表裏一方の面のうち、外
部端子との導通を図るための配線を接続するボンディン
グパッド部7と、半導体素子間を切断するためのスクラ
イブ領域8とには、表面保護膜2が存在しないようにで
きる材料が適している。感光性を有するポリイミド前駆
体組成物を用いることは、表面保護膜2の形成におい
て、フォトエッチング技術によりパターン加工すること
ができるため、特に半導体の表面保護膜に適している。
【0036】(2)素子搭載工程 ポリイミドフィルムの表裏一方の面にポリアミドイミド
エーテル層を形成し、接着部材4を得る。この接着部材
4のポリアミドイミドエーテル層を形成していない側に
外部端子3を、ポリアミドイミドエーテル層を形成して
いる側にポリアミドイミドエーテル層と表面保護膜2と
が対向するように半導体素子1を、それぞれ配置し、4
00℃にて熱圧着して、図2(c)に示すような半導体
素子1と外部端子3とが表面保護膜2および接着部材4
介して接続されたものを得る。さらに、図2(d)に
示すように、半導体素子1のボンディングパッド部7と
外部端子3との間にワイヤーボンダーで金線5を配線し
て、半導体素子1と外部端子3との導通を確保する。
【0037】(3)封止工程 図2(e)に示すように、シリカ含有エポキシ系樹脂を
用いて、成型温度180℃、成型圧力70kg/cm2
でモールドすることにより、封止部材6を形成する。最
後に、外部端子3を所定の形に折り曲げることにより、
図2(f)に示す樹脂封止型半導体装置が得られる。な
お、この封止工程は、不必要であれば省略できる。
【0038】つぎに、上記一般式(化1)で表わされる
構造単位を有するポリイミド前駆体と、該前駆体の調製
に用いられる(化2)で表わされるポリアミド酸、(化
3)で表わされるイソシアネート、および触媒と、該前
駆体を含む感光性組成物とについて詳述する。
【0039】上記一般式(化1)および(化2)の繰り
返し単位におけるR1としては、最終的に得られるポリ
イミド膜の機械特性および耐熱性の点から、下記構造式
群(化8)のうちの少なくともいずれかにより表わされ
るものが好ましいが、これらに限定されない。R1は、
これらのうちの一種でもよく、異なった2種以上の基が
混在してもよい。
【0040】
【化8】
【0041】また、上記一般式(化1)および(化2)
の繰り返し単位におけるR2としては、最終的に得られ
るポリイミド膜の機械特性および耐熱性の点から、下記
構造式群(化9)、(化10)および(化11)のうち
の少なくともいずれかにより表わされるものが好ましい
が、これらに限定されない。R2は、これらのうちの一
種でもよく、異なった2種以上の基が混在してもよい。
【0042】
【化9】
【0043】
【化10】
【0044】
【化11】
【0045】上記一般式(化3)においてR3、R4、R
5は、水素、アルキル基(好ましくは、炭素数1〜
3)、フェニル基、ビニル基、およびプロペニル基から
それぞれ独立に選択された基である。また、R6は、2
価の有機基であるが、炭素数1〜3のアルキル基が好ま
しい。
【0046】一般式(化3)で表される炭素−炭素2重
結合を有するイソシアネート化合物の好適なものの例と
しては、2−イソシアネートエチルメタクリレート、3
−イソシアネートプロピルメタクリレート、2−イソシ
アネートエチルアクリレート、3−イソシアネートプロ
ピルアクリレート、イソシアネートエチル−2,4−ペ
ンタジエノエート等が挙げられるがこれらに限定されな
い。これらのなかで、2−イソシアネートエチルメタク
リレート、2−イソシアネートエチルアクリレートが、
感光性の点から特に好ましい。
【0047】上記一般式(化4)において、R7、R8
よびR9は、それぞれ、アルキル基(好ましくは炭素数
1〜8)、フェニル基、ベンジル基、および−R10OR
11のうちから独立に選択された基である。また、R10
2価の有機基であり、アルキレン基(好ましくは炭素数
1〜8)が好ましい。R11は1価の有機基であり、アル
キル基(好ましくは炭素数1〜8)が好ましい。
【0048】一般式(化4)で表される触媒の好適なも
のの例としてはトリ−n−ブチルホスフィンオキシ
ド、トリフェニルホスフィンオキシド、トリ−n−オク
チルホスフィンオキシド、ジフェニルエチルホスフィン
オキシド、エチルメチルフェニルホスフィンオキシド、
ジフェニルメトキシメチルホスフィンオキシド、ジフェ
ニルモルホリノメチルホスフィンオキシド、ジフェニル
ベンジルホスフィンオキシド等が挙げられるがこれらに
限定されない。これらのうち、ジフェニルエチルホスフ
ィンオキシド、エチルメチルホスフィンオキシドは、特
に効率よくアミド化を触媒する。
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】本発明のポリイミド前駆体は、溶媒中、触
媒の存在下で、重合体と、イソシアネート化合物とを反
応させることにより得られる。この際用いられる溶媒
は、重合体、イソシアネート化合物、および触媒が溶解
し、これらと反応しないものであればよく、溶解性の観
点から非プロトン性極性溶媒が望ましい。具体的には、
N−メチル−2−ピロリドン、N−アセチル−2−ピロ
リドン、N−ベンジル−2−ピロリドン、N,N−ジメ
チルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジ
メチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルトリアミ
ド、N−アセチル−ε−カプロラクタム、ジメチルイミ
ダゾリジノン、ジエチレングリコールジメチルエーテ
ル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、γ−ブ
チロラクトンなどを用いることができる。これらは単独
で用いても良いし、混合系として用いることも可能であ
る。
【0053】上述の感光性ポリイミド前駆体を含むポリ
イミド前駆体組成物は、感光性ポリイミド前駆体を含
み、さらに、必要に応じて、増感剤、光重合助剤、およ
び/または共重合モノマを含んでもよく、また、適当な
溶剤(例えば、上述の反応溶媒など)をさらに含んでも
よい。必要に応じて加えられる増感剤の量は、感光性ポ
リイミド前駆体100重量部に対し、0.1〜30重量
部が望ましい。必要に応じて加えられる光重合助剤の量
は、感光性ポリイミド前駆体100重量部に対し0.1
〜30重量部が望ましい。必要に応じて加えられる共重
合モノマーの量は、感光性ポリイミド前駆体100重量
部に対し1〜100重量部が望ましい。この様な組成で
あれば、感光性ポリイミド前駆体を含むポリイミド前駆
体組成物を用いることは、表面保護膜の形成において、
フォトエッチング技術により、現像性を損なうことなく
パターン化加工することができるため、特に半導体素子
の表面保護膜に適している。
【0054】本発明によって製造した感光性ポリイミド
前駆体は実用に供しうる感光感度を達成するため、増感
剤を添加して、感光性ポリイミド前駆体組成物として実
用に供することが望ましい。好ましい増感剤の例として
は、ミヒラケトン、ビス−4,4’−ジエチルアミノベ
ンゾフェノン、ベンゾフェノン、3,5−ビス(ジエチ
ルアミノベンジリデン)−N−メチル−4−ピペリド
ン、3,5−ビス(ジメチルアミノベンジリデン)−N
−メチル−4−ピペリドン、3,5−ビス(ジエチルア
ミノベンジリデン)−N−エチル−4−ピペリドン、
3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノ)クマ
リン、リボフラビンテトラブチレート、2−メチル−1
−{4−(メチルチオ)フェニル}−2−モルフォリノ
プロパン−1−オン、2,4−ジメチルチオキサント
ン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソ
プロピルチオキサントン、3,5−ジメチルチオキサン
トン、3,5−ジイソプロピルチオキサントン、1−フ
ェニル−2−(エトキシカルボニル)オキシイミノプロ
パン−1−オン、ベンゾインエーテル、ベンゾインイソ
プロピルエーテル、ベンズアントロン、5−ニトロアセ
ナフテン、2−ニトロフルオレン、アントロン、1,2
−ベンズアントラキノン、1−フェニル−5−メルカプ
ト−1H−テトラゾール、チオキサンテン−9−オン、
10−チオキサンテノン、3−アセチルインドール、
2,6−ジ(p−ジメチルアミノベンザル)−4−カル
ボキシシクロヘキサノン、2,6−ジ(p−ジメチルア
ミノベンザル)−4−ヒドロキシシクロヘキサノン、
2,6−ジ(p−ジエチルアミノベンザル)−4−カル
ボキシシクロヘキサノン、2,6−ジ(p−ジエチルア
ミノベンザル)−4−ヒドロキシシクロヘキサノン、
4,6−ジメチル−7−エチルアミノクマリン、7−ジ
エチルアミノ−4−メチルクマリン、7−ジエチルアミ
ノ−3−(1−メチルベンゾイミダゾリル)クマリン、
3−(2−ベンゾイミダゾリル)−7−ジエチルアミノ
クマリン、3−(2−ベンゾチアゾリル)−7−ジエチ
ルアミノクマリン、2−(p−ジメチルアミノスチリ
ル)ベンゾオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノス
チリル)キノリン、4−(p−ジメチルアミノスチリ
ル)キノリン、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベ
ンゾチアゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)
−3,3−ジメチル−3H−インドール等が挙げられる
が、これらに限定されない。
【0055】これらのうち、ミヒラケトン、ビス−4,
4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、3,3’−カル
ボニルビス(7−ジエチルアミノ)クマリン、2,4−
ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサン
トン、または、2,4−ジイソプロピルチオキサントン
を用いることが、特に好ましい。
【0056】増感剤の好適な配合割合は、一般式(化
1)で表される感光性ポリイミド前駆体100重量部に
対し、0.1〜30重量部が好ましく、更に好ましくは
0.3〜20重量部の範囲である。この範囲を逸脱する
と増感効果が得られなかったり、現像性に好ましくない
影響を及ぼすことがある。また、増感剤として1種類の
化合物を用いても良いし、数種を混合して用いてもよ
い。
【0057】本発明で用いられる感光性ポリイミド前駆
体を含む感光性ポリイミド前駆体組成物には、実用に供
しうる感光感度を達成するため、光重合助剤を添加して
もよい。光重合助剤には、4−ジエチルアミノエチルベ
ンゾエート、4−ジメチルアミノエチルベンゾエート、
4−ジエチルアミノプロピルベンゾエート、4−ジメチ
ルアミノプロピルベンゾエート、4−ジメチルアミノイ
ソアミルベンゾエート、N−フェニルグリシン、N−メ
チル−N−フェニルグリシン、N−(4−シアノフェニ
ル)グリシン、4−ジメチルアミノベンゾニトリル、エ
チレングリコールジチオグリコレート、エチレングリコ
ールジ(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロ
ールプロパンチオグリコレート、トリメチロールプロパ
ントリ(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリ
スリトールテトラチオグリコレート、ペンタエリスリト
ールテトラ(3−メルカプトプロピオネート)、トリメ
チロールエタントリチオグリコレート、トリメチロール
プロパントリチオグリコレート、トリメチロールエタン
トリ(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリ
スリトールヘキサ(3−メルカプトプロピオネート)、
チオグリコール酸、α−メルカプトプロピオン酸、t−
ブチルペルオキシベンゾエート、t−ブチルペルオキシ
メトキシベンゾエート、t−ブチルペルオキシニトロベ
ンゾエート、t−ブチルペルオキシエチルベンゾエー
ト、フェニルイソプロピルペルオキシベンゾエート、ジ
t−ブチルジペルオキシイソフタレート、トリt−ブチ
ルトリペルオキシトリメリテート、トリt−ブチルトリ
ペルオキシトリメシテート、テトラt−ブチルテトラペ
ルオキシピロメリテート、2,5−ジメチル−2,5−
ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン、3,3',4,
4'−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベン
ゾフェノン、3,3',4,4'−テトラ(t−アミルペ
ルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3',4,
4'−テトラ(t−ヘキシルペルオキシカルボニル)ベ
ンゾフェノン、2,6−ジ(p−アジドベンザル)−4
−ヒドロキシシクロヘキサノン、2,6−ジ(p−アジ
ドベンザル)−4−カルボキシシクロヘキサノン、2,
6−ジ(p−アジドベンザル)−4−メトキシシクロヘ
キサノン、2,6−ジ(p−アジドベンザル)−4−ヒ
ドロキシメチルシクロヘキサノン、3,5−ジ(p−ア
ジドベンザル)−1−メチル−4−ピペリドン、3,5
−ジ(p−アジドベンザル)−4−ピペリドン、3,5
−ジ(p−アジドベンザル)−N−アセチル−4−ピペ
リドン、3,5−ジ(p−アジドベンザル)−N−メト
キシカルボニル−4−ピペリドン、2,6−ジ(p−ア
ジドベンザル)−4−ヒドロキシシクロヘキサノン、
2,6−ジ(m−アジドベンザル)−4−カルボキシシ
クロヘキサノン、2,6−ジ(m−アジドベンザル)−
4−メトキシシクロヘキサノン、2,6−ジ(m−アジ
ドベンザル)−4−ヒドロキシメチルシクロヘキサノ
ン、3,5−ジ(m−アジドベンザル)−N−メチル−
4−ピペリドン、3,5−ジ(m−アジドベンザル)−
4−ピペリドン、3,5−ジ(m−アジドベンザル)−
N−アセチル−4−ピペリドン、3,5−ジ(m−アジ
ドベンザル)−N−メトキシカルボニル−4−ピペリド
ン、2,6−ジ(p−アジドシンナミリデン)−4−ヒ
ドロキシシクロヘキサノン、2,6−ジ(p−アジドシ
ンナミリデン)−4−カルボキシシクロヘキサノン、
2,6−ジ(p−アジドシンナミリデン)−4−ヒドロ
キシメチルシクロヘキサノン、3,5−ジ(p−アジド
シンナミリデン)−N−メチル−4−ピペリドン、4,
4’−ジアジドカルコン、3,3’−ジアジドカルコ
ン、3,4’−ジアジドカルコン、4,3’−ジアジド
カルコン、1,3−ジフェニル−1,2,3−プロパン
トリオン−2−(o−アセチル)オキシム、1,3−ジ
フェニル−1,2,3−プロパントリオン−2−(o−
n−プロピルカルボニル)オキシム、1,3−ジフェニ
ル−1,2,3−プロパントリオン−2−(o−メトキ
シカルボニル)オキシム、1,3−ジフェニル−1,
2,3−プロパントリオン−2−(o−エトキシカルボ
ニル)オキシム、1,3−ジフェニル−1,2,3−プ
ロパントリオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、
1,3−ジフェニル−1,2,3−プロパントリオン−
2−(o−フェニルオキシカルボニル)オキシム、1,
3−ビス(p−メチルフェニル)−1,2,3−プロパ
ントリオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、1,3
−ビス(p−メトキシフェニル)−1,2,3−プロパ
ントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシ
ム、1−(p−メトキシフェニル)−3−(p−ニトロ
フェニル)−1,2,3−プロパントリオン−2−(o
−フェニルオキシカルボニル)オキシム等を用いること
ができるが、これらに限定されない。
【0058】これらのうち、特に、4−ジエチルアミノ
エチルベンゾエート、4−ジメチルアミノエチルベンゾ
エート、4−ジエチルアミノプロピルベンゾエート、4
−ジメチルアミノプロピルベンゾエート、4−ジメチル
アミノイソアミルベンゾエート、ペンタエリスリトール
テトラチオグリコレート、または、ペンタエリスリトー
ルテトラ(3−メルカプトプロピオネート)を用いるこ
とが好ましい。
【0059】本発明において用いる光重合助剤の好適な
配合割合は、一般式(化1)で表されるポリマー100
重量部に対し0.1〜30重量部が好ましく、更に好ま
しくは0.3〜20重量部の範囲である。この範囲を逸
脱すると目的とする増感効果が得られなかったり、現像
性に好ましくない影響をおよぼすことがある。また、1
種類の化合物を用いても良いし、数種を混合して用いて
もよい。
【0060】本発明によって製造した感光性ポリイミド
前駆体を含むポリイミド前駆体組成物には、実用に供し
うる感光感度を達成するため、共重合モノマーを添加し
てもよい。共重合モノマーは、炭素−炭素二重結合を有
する化合物であり光重合反応を容易にするものである。
共重合モノマーの好ましいものの例としては、1,6−
ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコ
ールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレー
ト、ペンタエリスリトールジアクリレート、トリメチロ
ールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトール
トリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアク
リレート、テトラメチロールプロパンテトラアクリレー
ト、テトラエチレングリコールジアクリレート、1,6
−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグ
リコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタ
クリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、
トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエ
リスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリト
ールヘキサメタクリレート、テトラメチロールプロパン
テトラメタクリレート、テトラエチレングリコールジメ
タクリレート等が挙げられるがこれらに限定されない。
【0061】これらのうち、1,6−ヘキサンジオール
ジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、
トリメチロールプロパントリアクリレート、または、ペ
ンタエリスリトールトリアクリレートを用いることが、
特に好ましい。
【0062】上記共重合モノマーの好適な配合割合は、
一般式(化1)で表されるポリマー100重量部に対し
1〜100重量部が好ましく、更に好ましくは3〜50
重量部の範囲である。この範囲を逸脱すると目的とする
効果が得られなかったり、現像性に好ましくない影響を
およぼすことがある。また、1種類の化合物を用いても
良いし、数種を混合して用いてもよい。
【0063】本発明で用いられる感光性ポリイミド前駆
体組成物は、所望のパターンのポリイミド膜を形成する
ために、適当な有機溶媒に溶解した溶液(ワニス)状態
であってもよい。この場合に用いる溶媒としては、溶解
性の観点から非プロトン性極性溶媒が望ましく、具体的
にはN−メチル−2−ピロリドン、N−アセチル−2−
ピロリドン、N−ベンジル−2−ピロリドン、N,N−
ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルトリ
アミド、N−アセチル−ε−カプロラクタム、ジメチル
イミダゾリジノン、ジエチレングリコールジメチルエー
テル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、γ−
ブチロラクトンなどが好適な例としてあげられる。これ
らは単独で用いても良いし、混合系として用いることも
可能である。また、塗布性を改善するために、トルエ
ン、キシレン、メトキシベンゼン等の芳香族系溶剤をポ
リマーの溶解に悪影響を及ぼさない範囲で混合しても差
し支えない。
【0064】本発明で用いられる感光性ポリイミド前駆
体は、乾燥塗膜または加熱硬化後のポリイミド被膜と支
持基板の接着性を向上させるため、適宜支持基板を接着
助剤で処理することもできる。
【0065】本発明の感光性ポリイミド前駆体を用いれ
ば、通常のフォトリソグラフィー技術でパターン加工
し、加熱硬化することにより、所望のパターンのポリイ
ミド膜を得ることができる。支持基板への本組成物の塗
布には、スピンナーを用いた回転塗布、浸漬、噴霧印
刷、スクリーン印刷などの手段が可能であり、適宜選択
することが出来る。塗布膜厚は、塗布条件、本組成物の
固形分濃度等によって調節可能である。
【0066】この前駆体組成物を塗布した後、乾燥する
と、支持基板上に本発明によるポリイミド前駆体を含む
組成物の塗膜が形成される。この塗膜に、フォトマスク
を介して紫外線を照射し、次いで未露光部を現像液で溶
解除去することにより、所望のレリーフ・パターンが得
られる。
【0067】現像液としては、上記組成物の良溶媒が用
いられ、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−ア
セチル−2−ピロリドン、N−ベンジル−2−ピロリド
ン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホ
スホルトリアミド、N−アセチル−ε−カプロラクタ
ム、ジメチルイミダゾリジノン、ジエチレングリコール
ジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエ
ーテル、γ−ブチロラクトンなどを単独、あるいはメタ
ノール、エタノール、イソプロピルアルコール、トルエ
ン、キシレン、1,2−ジメトキシエタン、2−メトキ
シエタノール、1−アセトキシ−2−メトキシエタン、
水等の貧溶媒との混合液として用いることができる。
【0068】つぎに、現像によって形成したレリーフ・
パターンをリンス液により洗浄して、現像溶剤を除去す
る。リンス液には、現像液との混和性の良いメタノー
ル、エタノール、イソプロピルアルコール、トルエン、
キシレン、1,2−ジメトキシエタン、2−メトキシエ
タノール、1−アセトキシ−2−メトキシエタン、水な
どが用いられる。
【0069】上記の処理によって得られたレリーフ・パ
ターンのポリマは、ポリイミドの前駆体からなり、15
0℃から450℃までの範囲から選ばれた加熱温度で処
理することにより、高耐熱性を有し、機械特性の優れた
ポリイミドのパターンが得られる。
【0070】以上詳述したように、本発明によれば、あ
らかじめ重合した高分子量のポリアミド酸に感光基を導
入することにより得られた高分子量のポリイミド前駆体
を用いるため、最終的に得られたポリイミドからなる表
面保護膜の機械的特性が優れている。従って、特に封止
工程における圧力など、封止材による応力によっても、
表面保護膜にクラックが発生しないため、この膜を備え
る半導体装置の信頼性を向上させることができた。
【0071】また、本発明の感光性ポリイミド前駆体の
製造方法によれば、触媒がカルボキシル基とイソシアネ
ート基との反応を促進するため、イミド環が形成される
ことなく、製造後も未反応のイソシアネート化合物が残
らないため、ポリマ溶液(ワニス)を、保存安定性の優
れたものにすることができた。従って、本発明によれ
ば、半導体装置の製造における表面保護工程において、
安定な材料供給を行なうことができる。
【0072】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて説明す
る。 (参考合成例1) 窒素気流下で、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル
10g(0.05モル)をN−メチル−2−ピロリドン
とN,N−ジメチルアセトアミドの1:1混合液119
gに溶解し、アミン溶液を調合した。次に、この溶液を
氷冷によって約15℃の温度に保ちながら、撹拌しつつ
ピロメリット酸二無水物10.9g(0.05モル)を
加えた。加え終えてから、更に15℃で5時間反応さ
せ、ポリアミド酸溶液を得た。
【0073】このポリアミド酸溶液74g(ポリアミド
酸0.027モル)に、t−ブチルカテコール0.04
gと3−メチル−1−フェニル−3−ホスホレン−1−
オキシド0.02gとを入れ、60℃で撹拌し溶解させ
た。5分間撹拌後、イソシアネートエチルメタクリレー
ト6.9g(0.053モル)を反応溶液に滴下し、6
0℃で2時間反応させた。得られたポリマ溶液(ワニ
ス)の濃度は15重量%であり、室温で一週間後もゲル
化すること無く安定であった。また、このポリマの重量
平均分子量をGPC(ゲル・パーミエーション・クロマ
トグラフィー)で測定したところ、ポリスチレン換算で
44000であった。さらに、プロトンNMR(核磁気
共鳴)スペクトルで確認したところ、ポリアミド酸中の
全カルボキシル基の90%に感光基が結合されていた。
【0074】この溶液に対し、3,5−ビス(4−ジエ
チルアミノベンジリデン)−1−メチル−4−アザシク
ロヘキサノン100mgと4−ジエチルアミノエチルベ
ンゾエート200mgを加えて、5μm孔のフィルタを
用いて加圧濾過した。これにより、感光性ポリイミド前
駆体を含むポリイミド前駆体組成物溶液(以下、組成物
1と呼ぶ)を得た。
【0075】つぎに、組成物1感光性および最終硬化膜
の膜特性について検討した。まず、得られた濾液(組成
物1)を、スピンナを用いてシリコンウエハ上に回転塗
布し、ついで、90℃で30分間乾燥して20μm厚の
塗膜を得た。この塗膜を縞模様のパターンを有するフォ
トマスクで未着被覆し、500Wの高圧水銀灯で紫外線
照射した。露光後、N−メチル−2−ピロリドン4容、
水1容からなる現像液で現像し、ついで、イソプロピル
アルコールでリンスしてレリーフパターンを得た。現像
後、膜厚の露光量依存性を測定し、感度を求めたとこ
ろ、感度200mJ/cm2であった。なお、現像後膜
厚が塗布膜厚の半分になる露光量を感度とした。
【0076】感度の4倍の露光量により、シャープな端
面を持つ5μm幅のレリーフパターンが得られた。この
パターンを200℃30分間、400℃30分間加熱し
て最終的にポリイミドのパターンを得た。これとは別
に、パターンを形成しないことのほかは上記と全く同一
の処理をした厚さ10μmのポリイミドフィルムを作成
し、伸び特性を測定したところ、伸びは10%と良好で
あった。
【0077】(参考合成例2) 窒素気流下で、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル
9.5g(0.0475モル)と1,3−ビス(3−ア
ミノプロピル)テトラメチルジシロキサン0.62g
(0.0025モル)とを、N−メチル−2−ピロリド
ンとN,N−ジメチルアセトアミドとの1:1混合液1
41gに溶解し、アミン溶液を調合した。つぎに、この
溶液を氷冷によって約15℃の温度に保ちながら、撹拌
しつつ3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン
酸二無水物14.7g(0.05モル)を加えた。加え
終えてから、更に15℃で5時間反応させ、ポリアミド
酸溶液を得た。
【0078】このポリアミド酸溶液70g(ポリアミド
酸0.021モル)に、t−ブチルカテコール0.04
gと3−メチル−1−フェニル−3−ホスホレン−1−
オキシド0.02gとを入れ、60℃で撹拌し溶解させ
た。5分間撹拌後、反応溶液にイソシアネートエチルメ
タクリレート5.5g(0.042モル)を滴下し、6
0℃で2時間反応させた。得られたポリマ溶液(ワニ
ス)の濃度は15%であり、室温で一週間後もゲル化す
ること無く安定であった。また、このポリマの重量平均
分子量をGPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグ
ラフィー)で測定したところ、ポリスチレン換算で39
000であった。さらに、プロトンNMRスペクトルで
確認したところ、ポリアミド酸中の全カルボキシルの9
2%に感光基が結合されていた。
【0079】この溶液に、ミヒラケトン100mgと
1,3−ジフェニル−1,2,3−プロパントリオン−
2−(o−エトキシカルボニル)オキシム200mgと
を加えて、5μm孔のフィルタを用いて加圧濾過した。
これにより、感光性ポリイミド前駆体を含むポリイミド
前駆体組成物溶液(以下、組成物2と呼ぶ)が得られ
た。
【0080】つぎに、組成物1感光性および最終硬化膜
の膜特性について検討した。まず、得られた濾液(組成
物2)をスピンナを用いてシリコンウエハ上に回転塗布
し、ついで90℃で30分間乾燥して20μm厚の塗膜
を得た。この塗膜を縞模様のパターンを有するフォトマ
スクで未着被覆し、500Wの高圧水銀灯で紫外線照射
した。露光後、N−メチル−2−ピロリドン4容、水1
容から成る現像液で現像し、ついでイソプロピルアルコ
ールでリンスして、レリーフパターンを得た。現像後、
膜厚の露光量依存性を測定し、感度を求めたところ、1
50mJ/cm2であった。なお、現像後膜厚が塗布膜
厚の半分になる露光量を感度とした。
【0081】感度の4倍の露光量により、シャープな端
面を持つ5μm幅のレリーフパターンが得られた。この
パターンを200℃30分間、400℃30分間加熱し
て最終的にポリイミドのパターンを得た。これとは別
に、パターンを形成しないことのほかは上記と全く同一
の処理をした厚さ10μmのポリイミドフィルムを作成
し、伸び特性を測定したところ伸びは10%と良好であ
った。
【0082】(合成例6、参考合成例3〜6) 表1、表2に示す酸二無水物、ジアミン、イソシアネー
ト、触媒を用い、参考合成例3および参考合成例1
と同様にして、合成例1〜6、参考合成例4および6
参考合成例2と同様にして、それぞれ、感光性ポリイミ
ド前駆体を合成し、得られた感光性ポリイミド前駆体を
含む溶液(ワニス)の安定性を観察した。結果を表1お
よび表2に示す。なお、表1および表2において、得ら
れたポリマ溶液(ワニス)の安定性は、室温で1週間放
置してもゲル化しないものを良好とした。ここで用いた
ワニスの濃度は15%であり、溶剤はN−メチル−2−
ピロリドンとN,N−ジメチルアセトアミドの1:1混
合液を用いた。
【0083】
【表1】
【0084】
【表2】
【0085】さらに、得られた感光性ポリイミド前駆体
ワニスに、表3および表4に示す増感剤、光重合助剤、
共重合モノマを添加して、ポリイミド前駆体組成物(組
成物3〜12)を調製し、このポリイミド前駆体組成物
を用い、参考合成例1と同様にしてポリイミド膜を形成
し、感度、膜の伸び、引っ張り強度特性を検討した結果
を、表3および表4に示す。成膜、評価条件は参考合成
例1、2で用いたのと同様の条件を用い、膜厚は10〜
20μmに設定した。なお、表3および表4において、
( )内に示した各成分の量は、感光性ポリイミド前駆
体の量を100重量部としたときの重量部である。この
表3および表4では、感度は、測定波長365nmで3
00mJ/cm2以下のものを良好とした。最終ポリイ
ミドの伸びは5%以上を良好とした。引っ張り強度は8
0MPa以上を良好とした。
【0086】
【表3】
【0087】
【表4】
【0088】(参考例1) 組成物1を用いて、図1に示す半導体装置を作製し、表
面保護膜2にクラックが発生するか否か観察した。な
お、本実施例では、ダイナミックランダムアクセスメモ
リ(DRAM))を作製したが、図3に示すような個別
トランジスタ装置も、個別トランジスタ素子および配線
層を作り込んだシリコンウエハを出発材料として用いる
ことにより、同様に作製できる。
【0089】まず、素子領域および配線層を作り込んだ
シリコンウエハ9上に、参考合成例1により得られた組
成物1をスピンナでシリコンウエハ上に回転塗布し、次
いで90℃で30分間乾燥して20μm厚の感光性被膜
を得た。この被膜を所望のパターンを有するフォトマス
クで未着被覆し、500Wの高圧水銀灯で紫外線照射し
た。露光後、N−メチル−2−ピロリドン4容、水1容
から成る現像液で現像し、ついでイソプロピルアルコー
ルでリンスした。これにより、感光性被膜の内、光のあ
たらなかったボンディングパッド部とスクライブ領域と
の被膜が除去されて、所望のパターンのポリイミド前駆
体膜が得られた。このパターンを200℃で30分間、
次いで350℃で30分間窒素雰囲気中で加熱硬化させ
て、所望のパターンのポリイミドである表面保護膜2を
得た。得られたポリイミド膜の膜厚は10μmであっ
た。
【0090】次に、表面保護膜2の形成されたシリコン
ウエハをスクライブ領域8で切断して、表面保護膜2を
備えた半導体素子1を得た。この半導体素子1表面に、
下部にポリアミドイミドエーテルの接着層を持つポリイ
ミドフィルム上に支持された外部端子3を400℃にて
熱圧着した。しかる後に、半導体素子のボンディングパ
ッド部7と外部端子3間をワイヤーボンダーで金線5を
配線し、さらにシリカ含有エポキシ系樹脂を用いて、成
型温度180℃、成型圧力70kg/cm2でモールド
することにより、樹脂封止部6を形成した。最後に、外
部端子3を所定の形に折り曲げることにより、DRAM
(Dynamic Random Access Memory)の完成品を得た。
【0091】得られたDRAMでは、封止工程での圧力
による表面保護膜2のクラック発生はなかった。また、
このDRAMについて、−55〜150℃の熱衝撃サイ
クル試験を400サイクル行ったが、表面保護膜2のク
ラック発生はなく、信頼性の高い半導体装置が得られ
た。
【0092】(実施例1〜6、参考例2〜6) 組成物1の代わりに、合成例1〜6及び参考合成例2〜
により得られた組成物2〜12を用い、実施例1と同
様にしてDRAMを得たところ、封止工程での圧力によ
る表面保護膜のクラック発生はなかった。また、このD
RAMについて、−55〜150℃の熱衝撃サイクル試
験を400サイクル行ったが、表面保護膜2のクラック
発生はなく、信頼性の高い半導体装置が得られた。
【0093】(比較例1)合成例1で合成したポリアミ
ド酸溶液20gに、イソシアネートエチルメタクリレー
ト1.55g(0.01モル)を加えて室温で放置した
ところ2日後に溶液はゲル化した。このため、半導体素
子装置の製造工程への安定な材料供給が困難であった。
【0094】(比較例2)窒素気流下に、γ−ブチロラ
クトン50容量部に溶けたベンゾフェノンテトラカルボ
ン酸二無水物32.2重量部に対し、ヒドロキシエチル
メタクリレート26重量部および1、4−ジアザビシク
ロ(2、2、2)オクタンを加えた。16時間反応させ
た後、N−メチル−2−ピロリドン50容量部に溶けた
4、4’−ジアミノジフェニルエーテル16重量部の溶
液を加えた。その後、反応溶液に、γ−ブチロラクトン
100容量部に溶けたジシクロヘキシルカルボジイミド
36重量部の溶液を滴下した。反応溶液を、室温で1夜
放置した後、沈殿物を濾別した。
【0095】得られた濾液に対し、ミヒラケトン100
mgと1、3−ジフェニル−1、2、3−プロパントリ
オン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム200
mgを加えて、5μm孔のフィルタを用いて加圧濾過し
て、感光性ポリイミド前駆体組成物溶液を得た。
【0096】組成物1に代わりにこの感光性ポリイミド
前駆体組成物を用い、実施例1と同様にしてDRAMを
得、−55〜150℃の熱衝撃サイクル試験を400サ
イクル行ったところ、表面保護膜2のクラック発生し
た。本比較例により得られたDRAMは、信頼性の低い
使用に耐えない製品であった。
【0097】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明では、高分
子量のポリアミド酸に感光基を導入して得られる感光性
ポリイミド前駆体を含むポリイミド前駆体組成物を用い
てポリイミド膜を形成するため、機械特性のよい最終硬
化膜が得られる。このため、本発明のポリイミド膜から
なる表面保護膜は、機械的特性に優れており、この表面
保護膜を備える本発明の半導体装置は、封止工程におけ
る圧力や、外部から加えられた熱による応力によっても
表面保護膜にクラックが発生せず、信頼性が高い。ま
た、本発明によれば、ポリイミド前駆体組成物(ワニ
ス)の保存安定性が高いため、半導体素子装置の製造に
おける表面保護工程に、安定に材料を供給することが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の半導体装置の一例である樹脂封止型
のダイナミックランダムアクセスメモリを示す断面図で
ある。
【図2】 本発明の半導体装置の製造方法の一例を示す
説明図である。
【図3】 本発明の半導体装置の一例である樹脂封止型
の個別トランジスタ装置を示す断面図である。
【符号の説明】
1…半導体素子、2…表面保護膜、3…外部端子、4…
接着部材、5…金線、6…封止部材、7…ボンディング
パッド部、8…スクライブ領域、9…素子領域および配
線層を作り込んだシリコンウエハ、61…基板、62…
ベース、63…エミッタ、64…SiO2層、65…導
体層、66…表面保護膜、67…金配線、68…封止部
材、70…外部端子、71…個別トランジスタ素子。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹元 一成 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株式会社日立製作所 生産技術研究所内 (72)発明者 片岡 文雄 東京都千代田区神田駿河台四丁目6番地 株式会社日立製作所内 (56)参考文献 特開 平7−304871(JP,A) 特開 平2−157845(JP,A) 特開 平1−105242(JP,A) 特開 昭63−226639(JP,A) 特開 平1−118513(JP,A) 特開 平1−113460(JP,A) 特開 平2−277062(JP,A) 特開 平7−228657(JP,A) 特開 平7−228656(JP,A) 特開 平7−238133(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03F 7/00 - 7/42

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体素子と、外部との導通のための外部
    端子と、該半導体素子の表面を保護する表面保護膜とを
    備える半導体装置において、 上記表面保護膜は、 下記一般式(化1)で表わされる構造単位を有するポリ
    イミド前駆体を含むポリイミド前駆体組成物を加熱硬化
    させて得られたポリイミドからなり、 【化1】 (ただし、式中、R1は少なくとも4個以上の炭素を含
    む4価の有機基、R2は芳香族環またはケイ素を含有す
    る2価の有機基、R3、R4およびR5は、それぞれ、水
    素、アルキル基、フェニル基、ビニル基およびプロペニ
    ル基から独立に選択された基、R6は2価の有機基を示
    す)上記ポリイミド前駆体は、 下記一般式(化2)で表される構造単位を有するポリア
    ミド酸と、 【化2】 (ただし、式中、R1は少なくとも4個以上の炭素を含
    む4価の有機基、R2は芳香族環またはケイ素を含有す
    る2価の有機基を示す)下記一般式(化3)で表される
    イソシアネート化合物とを、 【化3】 (ただし、R3、R4およびR5は、それぞれ、水素、ア
    ルキル基、フェニル基、ビニル基およびプロペニル基か
    ら独立に選択された基、R6は2価の有機基を示す)触
    媒の存在下で反応させて得られたものであり、 上記触媒は、下記一般式(化4)で表わされる化合物を
    含むホスフィンオキシドであ ることを特徴とする半導体
    装置。【化4】 (ただし、R 7 、R 8 、およびR 9 は、それぞれ、アルキ
    ル基、フェニル基、ベンジル基、および−R 10 −O−R
    11 から独立に選択された基を示し、R 10 は2価の有機
    基、R 11 は1価の有機基を示す)
  2. 【請求項2】半導体素子表面の少なくとも一部に、下記
    一般式(化1)で表わされる構造単位を有するポリイミ
    ド前駆体を含むポリイミド前駆体組成物を加熱硬化させ
    て得られるポリイミドからなる保護膜を形成する保護膜
    形成工程と、 【化1】 (ただし、式中、R1は少なくとも4個以上の炭素を含
    む4価の有機基、R2は芳香族環またはケイ素を含有す
    る2価の有機基、R3、R4およびR5は、それぞれ、水
    素、アルキル基、フェニル基、ビニル基およびプロペニ
    ル基から独立に選択された基、R6は2価の有機基を示
    す)上記保護膜を備える半導体素子を外部端子に搭載す
    る半導体搭載工程とを備える半導体装置の製造方法にお
    いて、 上記ポリイミド前駆体は、 下記一般式(化2)で表される構造単位を有するポリア
    ミド酸と、 【化2】 (ただし、式中、R1は少なくとも4個以上の炭素を含
    む4価の有機基、R2は芳香族環またはケイ素を含有す
    る2価の有機基を示す)下記一般式(化3)で表される
    イソシアネート化合物とを、 【化3】 (ただし、R3、R4およびR5は、それぞれ、水素、ア
    ルキル基、フェニル基、ビニル基およびプロペニル基か
    ら独立に選択された基、R6は2価の有機基を示す)触
    媒の存在下で反応させて得られたものであり、 上記触媒は、下記一般式(化4)で表わされる化合物を
    含むホスフィンオキシドで あることを特徴とする半導体
    装置の製造方法。【化4】 (ただし、R 7 、R 8 、およびR 9 は、それぞれ、アルキ
    ル基、フェニル基、ベン ジル基、および−R 10 −O−R
    11 から独立に選択された基を示し、R 10 は2価の有機
    基、R 11 は1価の有機基を示す)
  3. 【請求項3】半導体素子の表面を保護する表面保護膜に
    おいて、 下記一般式(化1)で表わされる構造単位を有するポリ
    イミド前駆体を含むポリイミド前駆体組成物を加熱硬化
    させて得られたポリイミドからなり、 【化1】 (ただし、式中、R1は少なくとも4個以上の炭素を含
    む4価の有機基、R2は芳香族環またはケイ素を含有す
    る2価の有機基、R3、R4およびR5は、それぞれ、水
    素、アルキル基、フェニル基、ビニル基およびプロペニ
    ル基から独立に選択された基、R6は2価の有機基を示
    す)上記ポリイミド前駆体は、 下記一般式(化2)で表される構造単位を有するポリア
    ミド酸と、 【化2】 (ただし、式中、R1は少なくとも4個以上の炭素を含
    む4価の有機基、R2は芳香族環またはケイ素を含有す
    る2価の有機基を示す)下記一般式(化3)で表される
    イソシアネート化合物とを、 【化3】 (ただし、R3、R4およびR5は、それぞれ、水素、ア
    ルキル基、フェニル基、ビニル基およびプロペニル基か
    ら独立に選択された基、R6は2価の有機基を示す)触
    媒の存在下で反応させて得られたものであり、 上記触媒は、下記一般式(化4)で表わされる化合物を
    含むホスフィンオキシドであ ることを特徴とする表面保
    護膜。【化4】 (ただし、R 7 、R 8 、およびR 9 は、それぞれ、アルキ
    ル基、フェニル基、ベンジル基、および−R 10 −O−R
    11 から独立に選択された基を示し、R 10 は2価の有機
    基、R 11 は1価の有機基を示す)
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