JP3415803B2 - 吸音材 - Google Patents

吸音材

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JP3415803B2
JP3415803B2 JP2000098890A JP2000098890A JP3415803B2 JP 3415803 B2 JP3415803 B2 JP 3415803B2 JP 2000098890 A JP2000098890 A JP 2000098890A JP 2000098890 A JP2000098890 A JP 2000098890A JP 3415803 B2 JP3415803 B2 JP 3415803B2
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隆 藤井
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藤井義通商株式会社
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  • Porous Artificial Stone Or Porous Ceramic Products (AREA)
  • Soundproofing, Sound Blocking, And Sound Damping (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、道路、鉄道、工場
等の騒音を吸音する吸音材に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄道の軌道あるいは高速道路等の周囲に
設けられる吸音材は、野外に設置されることから耐水
性、耐候性に優れることが要求されている。耐候性があ
り、不燃性を有し屋外における吸音材として、無機発泡
体をセメントと共に成型し空隙を設けた吸音材として、
特開平8−333819号、特開平11−199299
号が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、セメント製の
ものは、空隙にダストが目詰まりをおこし吸音効果が低
下する欠点がある。また、重量があるため作業性に劣っ
ている。一方、工場の機械設備の周辺に用いる吸音材
は、機械の形状に応じて適宜切断して設置する必要があ
り加工性に優れたものが要求されるが、セメント製品は
加工性が劣っている。
【0004】本発明は、吸音性に優れ、目詰まりするこ
となく長期間吸音効果が低下せず、加工が容易で、か
つ、軽量な吸音材を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】発泡体とアスファルトを
混練りし、プレスして比重が0.40〜0.60となる
ようにした吸音材で、目詰まりせず、長期間吸音効果が
得られる。発泡体を主成分とし、比重を0.40〜0.
60と軽量化したので作業性が向上した。また、コスト
低減や加工性を高めるために無機発泡体を用い、さらに
発泡体がはがれ落ちるのを防止するため吸音面以外を樹
脂で被覆した。
【0006】具体的には、粒度1.2〜2.5mmのガ
ラス発泡体75〜85重量%とアスファルト25〜15
重量%を混練りして、プレスして比重が0.40〜0.
60となるようにした吸音材である。アスファルトは、
針入度60〜90(25℃、1/10mm)、軟化点8
0〜100℃のものである。
【0007】
【発明の実施の態様】発泡体は、ガラス発泡体、シリカ
発泡体、炭素発泡体、プラスチック発泡体等の中空部を
有するもので、中でも発泡ガラスビーズ等のガラスを主
成分とする無機発泡体は吸水率が低く好ましい。ガラス
リサイクル品を焼成発泡したものは低コストで製造でき
る。発泡体の粒度は、1.2〜2.5mmのものを用い
る。粒度が1.2mmより小さくなると密度が増すため
吸音率が低下し、また、2.5mmより大きくなると特
定の周波数領域のみ吸音率があがり、周波数全体では吸
音効果が低下するので吸音材として好ましくない。
【0008】アスファルトは、針入度60〜90(25
℃、1/10mm)、軟化点80〜100℃のものを用
いることにより、温度依存性が小さく冬期の低温時に発
生するクラックや夏期高温時の流動を防ぐことができ
る。また、タフネス20.0N・m以上、テナシティ1
5.0N・m以上のものが好ましい。アスファルトに
は、必要に応じて熱可塑性エラストマー、ゴム、架橋剤
を添加して粘弾性及び強度等のアスファルトの特性を調
整する。
【0009】熱可塑性エラストマーは、例えば、スチレ
ン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー(SB
S)、スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリ
マー(SIS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチ
レンブロックコポリマー(SEBS)、スチレン−エチ
レン−プロピレン−スチレンブロックコポリマー(SE
PS)などをあげることができる。
【0010】ゴムとしては、ニトリルゴム(NBR)、
スチレンブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム
(IR)、ブタジエンゴム(BR)、クロロプレンゴム
(CR)、エチレンプロピレンゴム(EPR)などをあ
げることができ、これらのうち、スチレンブタジエンゴ
ム(SBR)が好ましい。
【0011】架橋剤は、イオウ、ジチオジモルホリン、
チウラムジスルフィドのようなジスルフィド化合物、パ
ーオキサイド、キノンジオキシムなどをあげることがで
きる。
【0012】発泡体とアスファルトの配合割合は、発泡
体75〜85重量%、アスファルト25〜15重量%
で、発泡体80重量%、アスファルト20重量%が特に
好ましい。アスファルトが25重量%を超えると500
〜800Hzの吸音率は高まるが、800Hzを超える
と吸音率が低下する(図4参照)。また、アスファルト
が15重量%未満の場合は発泡体の結合が弱くなり、好
ましくない。
【0013】上記配合割合のものを、プレスして比重
0.40〜0.60になるように成型して吸音材とす
る。比重が0.40未満だと強度、吸音率とも劣り、
0.60を超えると吸音率が低下する。
【0014】製造方法は、粒度1.2〜2.5mmの発
泡体75〜85重量%と針入度60〜90(25℃、1
/10mm)、軟化点80〜100℃のアスファルト2
5〜15重量%をミキサーで溶融混練する。このとき必
要に応じて、熱可塑性エラストマー、ゴム、架橋剤を添
加する。注型後、プレスして比重が0.40〜0.60
になるように成型し、冷却して吸音材を得る。吸音材
は、用途に応じて側面、端面または裏面を樹脂で被覆し
て補強する。樹脂としては、アクリル系、ウレタン系、
ビニル系の塗料のコーティング剤を用いることができ
る。
【0015】鉄道の軌道へ利用するときは、吸音材を線
路下の枕木間に設置する。このとき、吸音面となる上面
以外をアクリルエマルジョンで塗布被覆する。また、高
速道路の防音壁として用いるときは、吸音材を防錆処理
したH形鋼等の支柱に嵌挿、固定するか、コンクリート
等の壁面に直接固定する。この場合も吸音面以外をアク
リルエマルジョンで塗布被覆して補強する。
【0016】(1)発泡体の粒度による吸音率 図1に示す無機発泡体(商品名:Gライト、クリスタル
クレイ(株)製)とアスファルト(商品名:ドレイニッ
ジECO、昭和シェル石油(株)製)を図2に示す配合
割合でミキサーで攪拌・混合し(160℃、5分間)、
200mm×200mm×50mmの型枠に流し込み、
プレス成型して比重を0.55にした。その後24時間
自然冷却し、脱型して試料No.1〜4を得た。無機発
泡体とアスファルトの吸音率を調べ、その結果を図3に
示す。試料No.1とNo.3及び試料No.2とN
o.4を比較するとアスファルト量が一定で、粒度を変
化させると、粒度は、1.2〜2.5mmのものが、
2.5〜3.0mmのものより吸音率が優れていること
がわかる。なお、吸音率の測定は、JIS A 140
5に基づいた。
【0017】(2)アスファルト量による吸音率 図1に示す無機発泡体(商品名:Gライト1号、クリス
タルクレイ(株)製)を用い、アスファルトの量を1
5、20、30重量%と変化させて吸音率を測定し、結
果を図4に示す。アスファルトが30重量%のものは、
低い周波数で優れるが、全体として吸音率が低下してい
ることがわかる。
【0018】
【実施例】実施例 図1に示す無機発泡体(商品名:Gライト1号、クリス
タルクレイ(株)製)80重量%とアスファルト(商品
名:ドレイニッジECO、昭和シェル石油(株)製)2
0重量%をミキサーで攪拌・混合し(160℃、5分
間)、200mm×200mm×50mmの型枠に流し
込み、プレス成型して比重を0.50とした。その後2
4時間自然冷却させ、脱型後、側面にアクリルエマルジ
ョンを塗布被覆して吸音材を得た。JIS A 140
5に基づき吸音率を測定し、その結果を図5に示す。
【0019】
【発明の効果】本発明の吸音材は、吸音性に優れ、目詰
まりが防止できるので吸音効果が長期間持続する。無機
発泡体とし、比重が0.40〜0.60であるため軽量
で作業性が向上し、発泡体が主成分なので容易に切断で
き、現場加工性が高い。製造工程が簡単で、しかも、発
泡体にリサイクルガラスの焼成体を用いれば、安価に製
造することができる。側面、又は端面を樹脂で被覆した
ので、発泡体が分離せず、強度も高まる。
【0020】道路、工場、ごみ処理施設、電力施設、機
械室等の防音壁に用いることができる。鉄道の枕木間で
線路下に敷設することによって、電車の走行時の騒音を
防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】無機発泡体の性状
【図2】無機発泡体とアスファルトの配合
【図3】無機発泡体の粒度による吸音率を示す図
【図4】アスファルト量による吸音率を示す図
【図5】本発明の吸音率を示す図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI E04B 1/86 C04B 111:27 // C04B 111:27 111:40 111:40 G10K 11/16 A (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G10K 11/162 C04B 26/26 C04B 32/00 C04B 38/08 E01F 8/00 E04B 1/86 C04B 111:27

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発泡体と針入度60〜90、軟化点80〜
    100℃であるアスファルトを混練りし、プレスして比
    重を0.40〜0.60とした吸音材。
  2. 【請求項2】請求項1において、発泡体が粒度1.2〜
    2.5mmの無機発泡体である吸音材。
  3. 【請求項3】請求項1〜2のいずれかにおいて、発泡体
    75〜85重量%、アスファルト25〜15重量%であ
    る吸音材。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかにおいて、吸音面
    以外を樹脂で被覆した吸音材。
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