JP3415702B2 - 液体柔軟仕上剤組成物 - Google Patents

液体柔軟仕上剤組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種繊維に対し、優れ
た柔軟性及び帯電防止性を付与することができる衣料用
の液体柔軟仕上剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】衣料は
着用及び洗濯を繰り返し行う間に、繊維処理剤が洗い落
とされたり、あるいは繊維自体の劣化により硬くなった
りして、好ましくない風合を生じる。そのため、近年、
多くの家庭において、繊維に柔軟性、帯電防止性を付与
することができる柔軟仕上剤が使用されている。現在、
家庭用柔軟仕上剤として市販されているものは、その殆
どが一分子中に1〜2個の長鎖アルキル基と第4級アン
モニウム基とを有するカチオン性界面活性剤(以下、第
4級アンモニウム塩と言う)、とりわけジ(硬化牛脂ア
ルキル)ジメチルアンモニウム塩を主成分とするもので
ある。
【0003】これら柔軟仕上剤による柔軟効果は繊維表
面上に吸着した基剤分子中の親油性部位による潤滑効果
によって繊維表面の摩擦係数が下がり、発現するもので
あるが、優れた柔軟効果を有する柔軟基剤はどうしても
処理衣料布にべたつき感、いわゆるグリージー(Greas
y)感を与えてしまう。このグリージー感の程度は繊維
の種類や編み方等により異なるが、直接肌に接するアン
ダーウェアー、例えば木綿メリヤス編肌着、ナイロント
リコットスリップ、あるいは手が直接触れ、その風合が
敏感に感じとられるタオル等では柔軟処理によりグリー
ジー感がする、又は極端には油っぽくなる(oilyとな
る)などといった問題があった。また、柔軟仕上剤の処
理濃度が高くなると、柔軟効果は増すものの、このグリ
ージー感が一層増してきてしまい、従来の第4級アンモ
ニウム塩を使用した柔軟仕上剤組成物では柔軟効果とグ
リージー感は相関関係にあるものと考えられてきた。
【0004】このような状況のもとで、第4級アンモニ
ウム塩と種々の添加剤を併用する柔軟仕上剤組成物、例
えば非環式第4級アンモニウム塩、特定のポリ第4級ア
ンモニウム塩及びノニオン性化合物を含む柔軟仕上剤
(特公昭60−47384号公報);第4級アンモニウ
ム塩、カチオン性ポリアミド及び脂肪酸グリセリドを含
む柔軟仕上剤(特開昭63−282372号公報);第
4級アンモニウム塩、脂肪酸(塩)及びグリセリドを含
む柔軟仕上剤(特開昭63−295764号公報)等が
提案されている。しかしながら、これらの柔軟仕上剤組
成物が第4級アンモニウム塩を有効成分とする限り、種
々の添加剤を併用しても、前記の如きグリージー感を充
分解決することができず、特に、これらの柔軟仕上剤組
成物を比較的高濃度で処理すると、顕著に不快感を与え
るという問題があった。
【0005】従って、本発明の目的は、高濃度処理にお
いても柔軟処理繊維にグリージー感を与えず、且つ天然
繊維及び合成繊維の双方に有効に柔軟性を付与すること
ができる、洗濯槽におけるすすぎ浴中で使用する液体柔
軟仕上剤組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記のような実情におい
て、本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討の結
果、極めて選択された成分を組み合わせることにより、
上記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成し
た。即ち本発明は、下記の(A)成分、(B)成分、及
び(C)成分を必須成分として含有し、(A)成分、
(B)成分及び(C)成分の配合割合が、〔(A)成
分〕/〔(B)成分+(C)成分〕=99/1〜50/50
(重量比)、〔(A)成分〕/〔(C)成分〕=99/1
〜65/35(重量比)であることを特徴とする液体柔軟仕
上剤組成物を提供するものである。 〔(A)成分〕:下記一般式(I)〜 (IV) で表される
化合物から選ばれる1種又は2種以上。
【0007】
【化6】
【0008】〔式中、 R1基:炭素数10〜24の直鎖のアルキル基とアルケニル基
との混合基を示し、かつアルキル基とアルケニル基との
重量比率が、アルキル基/アルケニル基=80/20〜99.9
95/0.005 である。 R2, R3基:同一又は異なって、炭素数7〜19の直鎖のア
ルキル基又はアルケニル基を示す。 G :5員環又は6員環構造を有するグリコシル基を示
す。 x :糖の平均縮合度を示す1〜3の数である。 y:糖の平均縮合度を示す1〜5の数である。〕 〔(B)成分〕:下記一般式(V)〜(VIII)で表される
化合物の酸塩又は第4級アンモニウム塩から選ばれる1
種又は2種以上。
【0009】
【化7】
【0010】〔式中、 R4:炭素数1〜4のアルキル基又はヒドロキシアルキル
基を示す。 R5,R6:同一又は異なって、 -COO-結合又は-CONH-結合で
中断していてもよい、直鎖又は分岐鎖の炭素数12〜32の
アルキル基又はアルケニル基を示す。〕
【0011】
【化8】
【0012】〔式中、 R7,R8:同一又は異なって、炭素数1〜4のアルキル基又
はヒドロキシアルキル基を示す。 R9,R10: 同一又は異なって、直鎖又は分岐鎖の炭素数11
〜31のアルキル基又はアルケニル基を示す。 p:1〜10の数を示す。〕
【0013】
【化9】
【0014】〔式中、 R11: -COO-結合又は-CONH-結合で中断していてもよい、
直鎖又は分岐鎖の炭素数11〜31のアルキル基又はアルケ
ニル基を示す。 R12:直鎖又は分岐鎖の炭素数11〜31のアルキル基又はア
ルケニル基を示す。〕
【0015】
【化10】
【0016】〔式中、 R13,R14:同一又は異なって、炭素数1〜5のアルキル基
又はヒドロキシアルキル基を示す。 R15:直鎖又は分岐鎖の炭素数20〜44のアルキル基又はア
ルケニル基を示す。 A:炭素数2〜3のアルキレン基を示し、炭素数2のア
ルキレン基と炭素数3のアルキレン基は混合していても
よい。 m:0〜20の数を示す。 n:1〜6の数を示す。〕 〔(C)成分〕:ケルダール(Kjeldahl)法により測定
された窒素原子の含量が 0.1〜4重量%であるカチオン
化セルロース。
【0017】以下、本発明について詳細に説明する。 〔(A)成分〕本発明の(A)成分としては、一般式
(I)で表される直鎖のアルキル基及びアルケニル基を
有するアルキルグリコシド、又は一般式(II)〜(IV)
で表される分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有す
るアルキル又はアルケニルグリコシドから選ばれる1種
又は2種以上が使用される。
【0018】一般式(I)において、R1基は炭素数10〜
24の直鎖のアルキル基とアルケニル基との混合基を示す
が、このアルキル基とアルケニル基との重量比率は、ア
ルキル基/アルケニル基=80/20〜99.995/0.005であ
り、好ましくは95/5〜99.99/0.01、特に好ましくは9
8/2〜 99.99/0.01である。アルキル基とアルケニル
基との重量比率が80/20より小さい場合には、累積処理
された衣料からグリージー感は感じられないが、衣料の
柔軟性が低下してしまう。また、99.995/0.005 より大
きい場合には、衣料に柔軟性を付与することはできる
が、高濃度処理に伴いグリージー感を感じるようにな
る。
【0019】また、一般式(I)において、R1で示され
るアルキル基及びアルケニル基のうち、炭素数14〜18の
アルキル基及びアルケニル基の割合は、全アルキル基及
びアルケニル基の合計量に対して90重量%以上であるこ
とが好ましく、さらに好ましくは95重量%以上である。
90重量%より低い場合には、柔軟仕上剤組成物の保存安
定性が悪くなる。一般式(I)において、R1で示される
アルキル基及びアルケニル基の由来としては、牛脂、豚
脂、パーム油等の天然油脂由来のアルキル基及びアルケ
ニル基や、炭素数10〜24の合成アルコール由来のアルキ
ル基及びアルケニル基が挙げられ、また、必要に応じ
て、分留、蒸留、トップカット等によりアルキル鎖長を
調節することもできる。
【0020】一般式(I)におけるxは糖の平均縮合度
を示し、NMR法によって求めることができる。グリー
ジー感減少の点からxは1〜3であり、好ましくは1〜
2、特に好ましくは1以上 1.5未満、最も好ましくは1
以上 1.4未満である。一般式(I)において、G は5員
環又は6員環構造を有するグリコシル基を示す。また
(G)xで示される糖鎖の結合様式は、1,2 、1,3 、1,4 も
しくは 1,6−結合、α−もしくはβ−ピラノシド結合又
はフラノシド結合のいずれか又はこれらの組み合わせで
ある。更に、一般式(I)中の Gは原料である単糖又は
多糖によってその構造が決定されるが、例えば、アラビ
ノシル基、リキソシル基、リボシル基、キシロシル基、
ガラクトシル基、グルコシル基、マンノシル基、マルト
シル基、キシロビオシル基、イソマルトシル基、セロビ
オシル基、ゲンチビオシル基、ラクトシル基、スクロシ
ル基、ニゲロシル基、ツラノシル基、ラフィノシル基、
ゲンチアノシル基、メレジトシル基等や、下記式で表さ
れるガラクトサミン残基、グルコサミン残基、マンノー
サミン残基等のヘキソサミン類残基、N−アセチル化ガ
ラクトサミン残基、N−アセチル化グルコサミン残基等
のN−アセチル化ヘキソサミン類残基や、ノイラミン酸
残基、シアル酸残基(N−アセチル化ノイラミン酸残
基)、ムラミン酸残基等の含窒素ケトカルボン酸類残基
から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
【0021】
【化11】
【0022】
【化12】
【0023】これらの中で好ましいものは、グルコシル
基、マンノシル基、ガラクトシル基、マルトシル基、ス
クロシル基、又はガラクトサミン残基、N−アセチル化
ガラクトサミン残基、グルコサミン残基、N−アセチル
化グルコサミン残基、マンノーサミン残基、ノイラミン
酸残基、シアル酸残基(N−アセチル化ノイラミン酸残
基)、ムラミン酸残基等の残基である。
【0024】一般式(II)〜(IV)で表されるアルキル
又はアルケニルグリコシドは一般式(I)で表されるア
ルキルグリコシドとは異なり、分岐した長鎖炭化水素基
を有していることが特徴である。一般式(II)〜 (IV)
において、R2及びR3基は同一又は異なって、炭素数7〜
19の直鎖アルキル基又はアルケニル基を示すが、一般式
(I)におけるR1基とは異なり、R2, R3基中にしめるア
ルキル基、アルケニル基の割合は特に限定されない。
【0025】一般式(II)〜 (IV) において、(R2基、
R3基) の好ましい例として、(R2基)=(R3基)=炭素
数9〜19の直鎖のアルキル基、シス−6−ペンタデセニ
ル基、トランス−6−ペンタデセニル基、(R2基、R
3基)=(ペンタデシル基、トリデシル基)、(ペンタ
デシル基、ウンデシル基)、(ペンタデシル基、ノニル
基)、(トリデシル基、ペンタデシル基)、(ウンデシ
ル基、ペンタデシル基)、(ノニル基、ペンタデシル
基)、(ペンタデシル基、シス−6−ペンタデセニル
基)、(ペンタデシル基、トランス−6−ペンタデセニ
ル基)、(シス−6−ペンタデセニル基、ペンタデシル
基)、(トランス−6−ペンタデセニル基、ペンタデシ
ル基)等が挙げられる。さらに好ましくは、(R2基)=
(R3基)=炭素数11〜15の直鎖のアルキル基、又は(R2
基、R3基)=(ペンタデシル基、トリデシル基)、(ペ
ンタデシル基、ウンデシル基)、(トリデシル基、ペン
タデシル基)、(ウンデシル基、ペンタデシル基)であ
る。
【0026】一般式(II)〜 (IV) における、分岐した
長鎖炭化水素基の由来としては、牛脂、パーム油、パー
ム核油、ヤシ油、魚油、豚脂、オリーブ油、ナタネ油、
ヒマシ油等の天然油脂由来の炭化水素基や、分岐した長
鎖炭化水素基を有する合成アルコール由来の炭化水素基
が挙げられる。
【0027】一般式(II)〜 (IV) におけるyは糖の平
均縮合度を示し、NMR法によって求めることができ
る。グリージー感減少の点からyは1〜5であり、好ま
しくは1〜3、特に好ましくは1〜2、最も好ましくは
1以上 1.4未満である。一般式(II)〜 (IV) におけ
る、(G)yで示される糖鎖の結合様式は、1,2、1,3、1,4
もしくは 1,6−結合、α−もしくはβ−ピラノシド結合
又はフラノシド結合のいずれか又はこれらの組み合わせ
である。更に、一般式(II)〜(IV)中のGは、一般式
(I)中のG と同様、原料である単糖又は多糖によって
その構造が決定され、上記一般式(I)中のG として例
示した単糖又は多糖残基が挙げられるが、好ましくはグ
ルコシル基、マンノシル基、ガラクトシル基、マルトシ
ル基、スクロシル基、又は上記式で表されるガラクトサ
ミン残基、N−アセチル化ガラクトサミン残基、グルコ
サミン残基、N−アセチル化グルコサミン残基、マンノ
ーサミン残基、ノイラミン酸残基、シアル酸残基(N−
アセチル化ノイラミン酸残基)、ムラミン酸残基等の残
基である。一般式(I)〜(IV) で表される化合物のう
ちでは、一般式(I)もしくは(II) で表される化合物
が柔軟性の点でより好ましい。
【0028】〔(B)成分〕本発明の(B)成分として
は、上記一般式(V)〜(VIII)で表される化合物の酸塩
又は第4級アンモニウム塩から選ばれる1種又は2種以
上が使用される。上記一般式(V)で表される化合物と
して好ましいものは、下記一般式(V−1)〜(V−
3)で表される化合物である。
【0029】
【化13】
【0030】〔式中、 R4-1:炭素数1〜4のアルキル基又はヒドロキシアルキ
ル基を示す。 R5-1,R6-1:同一又は異なって、直鎖又は分岐鎖の炭素数
13〜21のアルキル基又はアルケニル基を示す。 q,r:同一又は異なって、1〜3の数を示す。〕 上記一般式 (VI) で表される化合物として好ましいもの
は、下記一般式(VI−1)で表される化合物である。
【0031】
【化14】
【0032】〔式中、 R7,R8,q:前記の意味を示す。 R9-1,R10-1:同一又は異なって、直鎖又は分岐鎖の炭素
数13〜21のアルキル基又はアルケニル基を示す。〕 上記一般式(VII) で表される化合物として好ましいもの
は、下記一般式(VII−1)〜(VII−3)で表される化合
物である。
【0033】
【化15】
【0034】〔式中、 R11-1,R11-2,R11-3,R12-1,R12-2,R12-3:同一又は異なっ
て、直鎖又は分岐鎖の炭素数11〜23のアルキル基又はア
ルケニル基を示す。 s:2〜5の数を示す。〕 上記一般式(VIII)で表される化合物として好ましいもの
は、下記一般式(VIII−1)で表される化合物である。
【0035】
【化16】
【0036】〔式中、R13,R14,n:前記の意味を示
す。〕 本発明の(B)成分は上記の一般式(V)〜(VIII)で表
される化合物を酸で中和するか、あるいは4級化剤で4
級化することにより得られる。中和に用いる酸として
は、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸等の無機酸、グリコール
酸等の炭素数1〜5の有機酸が使用できる。好ましくは
塩酸、硫酸、グリコール酸である。また、4級化剤とし
ては、塩化メチル、臭化メチル、ジメチル硫酸、ジエチ
ル硫酸、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等が使
用でき、好ましくは塩化メチル、ジメチル硫酸、エチレ
ンオキシドである。
【0037】本発明の(B)成分の中では、一般式
(V)、 (VI) 又は(VIII)で表される化合物が好まし
く、更に一般式(V)又は(VIII)で表される化合物が柔
軟性の点で好ましい。また、一般式(V)で表される化
合物の中では一般式(V−1)又は(V−3)で表され
る化合物が好ましく、特に一般式(V−3)で表される
化合物が柔軟性の点で好ましい。
【0038】〔(C)成分〕本発明の(C)成分として
は、ケルダール(Kjeldahl)法により測定された窒素原
子の含量が 0.1〜4重量%であるカチオン化セルロース
が使用される。このカチオン化セルロースとは第4級窒
素原子を含有し、無水グルコースを構成単位とした水溶
性の重合体を言う。かかるカチオン化セルロースとして
は、下記一般式(IX)で表される化合物が挙げられる。
【0039】E[-OH]t[-OY]u[-OZ]v (IX) 〔式中、 E基:セルロースより全てのアルコール性水酸基を除い
た残基を示す。 [-OH]基,[-OY]基,[-OZ]基:それぞれセルロースより除
かれた水酸基が結合していた炭素原子において E基と結
合する基を示す。ここで、 Y基は第4級窒素原子を含有
する基を示し、 Z基は第4級窒素原子を含有しない総炭
素数1〜10の置換基を示す。 t,u,v:0以上の数を示し、t+u+v はセルロースの水酸基
の総数を示す。但し、uはカチオン化セルロースにおけ
る窒素原子がカチオン化セルロース分子中に占める含量
(ケルダール法による)が 0.1〜4重量%となるように
選択される。〕 本発明で用いられるカチオン化セルロースは、ケルダー
ル(Kjeldahl)法により測定された窒素原子の含量(以
下、窒素原子含量と言う)が一分子中 0.1〜4重量%、
好ましくは 0.5〜3.5 重量%、さらに好ましくは1〜3
重量%である。窒素原子含量が 0.1〜4重量%の範囲を
外れる(C)成分を使用した場合、得られる液体柔軟仕
上剤組成物において、本発明が所望する柔軟効果が得ら
れない。
【0040】本発明において使用されるカチオン化セル
ロースの製造法については特に限定されないが、例えば
特公昭45−20318号公報、又は特開昭56−62
801号公報、特公昭59−42681号公報等記載の
方法により得ることができる。一般式(IX)における Y基
として、例えば次のような基が例示される。
【0041】
【化17】
【0042】
【化18】
【0043】
【化19】
【0044】一般式(IX)における Z基として、例えば次
のような基が例示される。
【0045】
【化20】
【0046】一般式(IX)で表されるカチオン化セルロー
スの具体例として、例えばJR−125,JR−40
0,JR−30M(以上、ユニオンカーバイド日本
(株)の商標)、Catinal HC−100,Catinal HC
−200,Catinal LC−100,Catinal LC−20
0(以上、東邦化学工業(株)の商標)、NKポリマー
(RE)(日東化学工業(株)の商標)、ジェルナーQ
L100(ダイセル化学工業(株)の商標)等が挙げら
れる。また、本発明においては、カチオン化セルロース
として、30℃、2重量%水溶液をB型粘度計(粘度に応
じて、 No.2 ロータ、 No.3 ロータ、 No.4 ロータを使
用。60rpm)で計測した粘度が20〜5000cps 、さらには75
〜2000cps のものを使用することが、本発明の目的を達
成するために好ましい。
【0047】〔柔軟仕上剤組成物〕本発明の液体柔軟仕
上剤組成物は、必須成分である(A)成分、(B)成分
及び(C)成分、必要に応じて他の任意成分を水中に溶
解又は分散させることにより得られる。本発明の液体柔
軟仕上剤組成物中の(A)、(B)及び(C)成分の配
合割合は、〔(A)成分〕/〔(B)成分+(C)成
分〕=99/1〜50/50(重量比)、好ましくは98/2〜
65/35であり、〔(A)成分〕/〔(C)成分〕=99/
1〜65/35(重量比)、好ましくは90/10〜50/50であ
る。(A)、(B)及び(C)成分の配合割合が上記範
囲を外れる場合、本発明において所望する効果が得られ
ない。
【0048】また、本発明の柔軟仕上剤組成物中の、
(A)、(B)及び(C)成分の合計含有量は3〜30重
量%が好ましく、4〜25重量%が更に好ましい。この合
計含有量が3重量%を下回る場合には、柔軟仕上剤組成
物を使用する場合、一回当たりの使用量が多すぎ使用勝
手が悪くなり、30重量%を上回る場合には、柔軟仕上剤
組成物の粘度が高くなり、柔軟仕上剤組成物の使用時、
ボトルから出にくいなどのトラブルを生じる。
【0049】さらに本発明の液体柔軟仕上剤組成物は、
水中の分散性、保存安定性を向上させるために、炭素数
10〜24の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和のアルコール
又はアミンのアルキレンオキシド(炭素数2〜3)付加
物(付加モル数5〜150 モル)(以下(D)成分と略
記)を配合することができる。この(D)成分の配合量
は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計量に
対して1〜 100重量%の割合が好ましい。
【0050】更に本発明の液体柔軟仕上剤組成物は、保
存安定性を向上させるために、活性水素を3個以上有す
る化合物にエチレンオキシドと必要によりプロピレンオ
キシド及び/又はトリメチレンオキシドが付加してな
り、重量平均分子量が 5,000〜2,000,000 であり、分子
量中に占めるオキシエチレン基部分の割合が55重量%以
上であるポリエーテル化合物又はその誘導体(以下
(E)成分と略記)を柔軟仕上剤組成物中 0.1〜5重量
%配合することができる。
【0051】更に、本発明の液体柔軟仕上剤組成物に
は、任意成分として、炭素数8〜44の直鎖又は分岐鎖の
飽和又は不飽和アルコール、又は脂肪酸、あるいは炭素
数10〜24のアルキル基を分子内に1〜4個有するエステ
ルを組成物中 0.2〜10重量%配合することができる。
【0052】また、本発明の液体柔軟仕上剤組成物に
は、通常の衣料用柔軟仕上剤に配合されている香料、色
素、シリコーン化合物、抗菌剤、イソプロピルアルコー
ル、エチレングリコール、プロピレングリコールなどの
溶剤や、食塩、塩化アンモニウム、塩化カルシウム、塩
化アルミニウムなどの水溶性塩を添加してもよい。ま
た、(A)成分の水に対する分散性をより向上させるた
め、尿素、尿素誘導体(メチル尿素、エチル尿素)、パ
ラトルエンスルホン酸等を配合してもよい。その添加量
は本発明組成物中に0〜10重量%である。
【0053】本発明の液体柔軟仕上剤組成物において、
(A)成分、(B)成分、(C)成分及び他の成分の配
合手順は特に問わないが、一般的には、水、又は水に前
述の(D)成分を溶解させた水溶液を50〜80℃に維持し
つつ、この中へ融点又は軟化点より高い温度に維持した
(A)成分を投入し、攪拌し、次いで(B)成分及び
(C)成分の水溶液を添加し、攪拌を継続した後、冷却
すればよい。また、(A)成分は、(B)成分、(C)
成分又は他の成分と前もって混合して投入しても良い。
また、本発明の液体柔軟仕上剤組成物には、更に組成物
のpHを調整するために、酸性又はアルカリ性の物質を
添加することができる。この場合、本発明組成物のpH
が 1.5〜7.0 の範囲になるように調整することが、組成
物の粘度、保存安定性の点から好ましい。
【0054】
【発明の効果】本発明の液体柔軟仕上剤組成物によれ
ば、高濃度処理においても柔軟処理繊維にグリージー感
を与えず、且つ天然繊維及び合成繊維の双方に、有効に
柔軟性を付与することができる。
【0055】
【実施例】以下、本発明の実施例を示し、本発明をさら
に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものではない。
【0056】実施例1〜13及び比較例1〜10 表1に示す(A)又は(A')成分、表2に示す(B)成
分、表3に示す(C)又は(C')成分、表4に示す
(D)成分及び表5に示す(E)成分、更に表6〜8に
示すその他の成分を使用して、表6〜8に示す液体柔軟
仕上剤組成物を調製した。組成物は、水、又は水に表4
に示す(D)成分を溶解させた水溶液を50〜80℃に加熱
しつつ、その中へ融点又は軟化点より高い温度に維持し
た(A)又は(A')成分を投入し、攪拌し、次いで(B)
成分、及び(C)又は(C')成分、あるいはその他の成
分を投入し、攪拌を継続した後、冷却して得た。(E)
成分を投入する場合には、冷却の数分前に添加した。
尚、いずれの場合にも、塩酸を添加して組成物のpHを
3.0 に調整した。
【0057】得られた柔軟仕上剤組成物について以下の
方法で柔軟性及びグリージー感の評価を行った。その結
果を表6〜8に示す。
【0058】〔柔軟性及びグリージー感の評価〕市販の
木綿タオル、アクリル繊維、ポリエステル繊維を市販洗
剤“アタック”(花王株式会社製、登録商標)にて5回
繰り返し洗濯をし、布についている洗剤を除去した後、
上記で調製した液体柔軟仕上剤組成物を布に対して0.15
重量%(〔(A)又は(A')〕+(B)+〔(C)又は
(C')〕成分合計の重量換算、3.5 °DH硬水使用)に
て25℃、浴比1/30で1分間攪拌下で処理した後、室内
で風乾後、20℃、65%RHの恒温恒湿室にて24時間放置
した。これらの布について柔軟性及びグリージー感の評
価を行った。
【0059】柔軟性及びグリージー感の評価は、ジ硬化
牛脂アルキルジメチルアンモニウムクロリド単独を布に
対して0.15重量%にて処理した布を対照にして一対比較
を行った。評価は次の基準で行った。
【0060】
【表1】
【0061】注) *1:Ca は炭素数aの直鎖アルキル基、CaFb は炭素数a
で2重結合がb個の直鎖炭化水素基を示す。 *2:アルキル基及びアルケニル基の重量比率は、牛脂由
来のアルコールを分留及び部分水添することにより調節
した。
【0062】
【表2】
【0063】
【表3】
【0064】注) *1:ケルダール法にて測定した。 *2:2重量%水溶液を30℃に維持し、B型粘度計にてロ
ータの回転数60rpm で測定した。この場合、(C)成分
水溶液の粘度が、500cps以下では No.2ロータ、 500〜2
000cps では No.3 ロータ、2000〜10000cpsでは No.4
ロータを使用した。
【0065】
【表4】
【0066】
【表5】
【0067】
【表6】
【0068】
【表7】
【0069】
【表8】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−321142(JP,A) 特開 平7−42074(JP,A) 特開 平7−18573(JP,A) 特開 平5−195432(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06M 13/00 - 15/72

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の(A)成分、(B)成分、及び
    (C)成分を必須成分として含有し、(A)成分、
    (B)成分及び(C)成分の配合割合が、〔(A)成
    分〕/〔(B)成分+(C)成分〕=99/1〜50/50
    (重量比)、〔(A)成分〕/〔(C)成分〕=99/1
    〜65/35(重量比)であることを特徴とする液体柔軟仕
    上剤組成物。 〔(A)成分〕:下記一般式(I)〜 (IV) で表される
    化合物から選ばれる1種又は2種以上。 【化1】 〔式中、 R1基:炭素数10〜24の直鎖のアルキル基とアルケニル基
    との混合基を示し、かつアルキル基とアルケニル基との
    重量比率が、アルキル基/アルケニル基=80/20〜99.9
    95/0.005 である。 R2, R3基:同一又は異なって、炭素数7〜19の直鎖のア
    ルキル基又はアルケニル基を示す。 G :5員環又は6員環構造を有するグリコシル基を示
    す。 x :糖の平均縮合度を示す1〜3の数である。 y:糖の平均縮合度を示す1〜5の数である。〕 〔(B)成分〕:下記一般式(V)〜(VIII)で表される
    化合物の酸塩又は第4級アンモニウム塩から選ばれる1
    種又は2種以上。 【化2】 〔式中、 R4:炭素数1〜4のアルキル基又はヒドロキシアルキル
    基を示す。 R5,R6:同一又は異なって、 -COO-結合又は-CONH-結合で
    中断していてもよい、直鎖又は分岐鎖の炭素数12〜32の
    アルキル基又はアルケニル基を示す。〕 【化3】 〔式中、 R7,R8:同一又は異なって、炭素数1〜4のアルキル基又
    はヒドロキシアルキル基を示す。 R9,R10: 同一又は異なって、直鎖又は分岐鎖の炭素数11
    〜31のアルキル基又はアルケニル基を示す。 p:1〜10の数を示す。〕 【化4】 〔式中、 R11: -COO-結合又は-CONH-結合で中断していてもよい、
    直鎖又は分岐鎖の炭素数11〜31のアルキル基又はアルケ
    ニル基を示す。 R12:直鎖又は分岐鎖の炭素数11〜31のアルキル基又はア
    ルケニル基を示す。〕 【化5】 〔式中、 R13,R14:同一又は異なって、炭素数1〜5のアルキル基
    又はヒドロキシアルキル基を示す。 R15:直鎖又は分岐鎖の炭素数20〜44のアルキル基又はア
    ルケニル基を示す。 A:炭素数2〜3のアルキレン基を示し、炭素数2のア
    ルキレン基と炭素数3のアルキレン基は混合していても
    よい。 m:0〜20の数を示す。 n:1〜6の数を示す。〕 〔(C)成分〕:ケルダール(Kjeldahl)法により測定
    された窒素原子の含量が 0.1〜4重量%であるカチオン
    化セルロース。
  2. 【請求項2】 一般式(I)〜 (IV) 中のG がアラビノ
    シル基、リキソシル基、リボシル基、キシロシル基、ガ
    ラクトシル基、グルコシル基、マンノシル基、マルトシ
    ル基、キシロビオシル基、イソマルトシル基、セロビオ
    シル基、ゲンチビオシル基、ラクトシル基、スクロシル
    基、ニゲロシル基、ツラノシル基、ラフィノシル基、ゲ
    ンチアノシル基、メレジトシル基から選ばれる1種又は
    2種以上であることを特徴とする請求項1記載の液体柔
    軟仕上剤組成物。
  3. 【請求項3】 一般式(I)〜 (IV) 中のG がヘキソサ
    ミン類残基、N−アセチル化ヘキソサミン類残基から選
    ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項
    1記載の液体柔軟仕上剤組成物。
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