JP3414787B2 - フッ素樹脂絶縁電線 - Google Patents
フッ素樹脂絶縁電線Info
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- JP3414787B2 JP3414787B2 JP09600093A JP9600093A JP3414787B2 JP 3414787 B2 JP3414787 B2 JP 3414787B2 JP 09600093 A JP09600093 A JP 09600093A JP 9600093 A JP9600093 A JP 9600093A JP 3414787 B2 JP3414787 B2 JP 3414787B2
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Description
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、フッ素樹脂絶縁電線
に係り、さらに詳細には、電気的特性の改善を図るため
に、電気導体上に溶融成形可能なフッ素樹脂ディスパー
ジョンの第１層を介して第２層としてポリ四ふっ化エチ
レン樹脂のディスパージョン層を塗布・焼成してなるフ
ッ素樹脂絶縁電線に関する。
に係り、さらに詳細には、電気的特性の改善を図るため
に、電気導体上に溶融成形可能なフッ素樹脂ディスパー
ジョンの第１層を介して第２層としてポリ四ふっ化エチ
レン樹脂のディスパージョン層を塗布・焼成してなるフ
ッ素樹脂絶縁電線に関する。
【０００２】
【従来の技術】電線を極細化し高密度化によって伝送量
／サイズ比を向上するため、また主として高周波での伝
送特性の優れた電線を得るために、極細の電気導体にフ
ッ素樹脂を極薄く被覆して同軸化した電線の要求が最近
増大している。
／サイズ比を向上するため、また主として高周波での伝
送特性の優れた電線を得るために、極細の電気導体にフ
ッ素樹脂を極薄く被覆して同軸化した電線の要求が最近
増大している。
【０００３】電線に樹脂の絶縁被覆を形成する方法とし
て、樹脂を溶融し押出し被覆する方法がある。しかし、
この方法には次のごとき問題がある。
て、樹脂を溶融し押出し被覆する方法がある。しかし、
この方法には次のごとき問題がある。
【０００４】すなわち、押出し成形可能な樹脂として、
溶融粘度の極めて低い樹脂が市販されているが、一般
に、溶融粘度を下げると耐ストレスクラック性が低下す
るために、実用上の特性を保持するためには溶融粘度を
ある程度以下にすることができない。したがって、樹脂
の特性上２０μｍ程度までの被覆しかできないという問
題がある。
溶融粘度の極めて低い樹脂が市販されているが、一般
に、溶融粘度を下げると耐ストレスクラック性が低下す
るために、実用上の特性を保持するためには溶融粘度を
ある程度以下にすることができない。したがって、樹脂
の特性上２０μｍ程度までの被覆しかできないという問
題がある。
【０００５】また、樹脂として、フッ素樹脂中で最良の
電気特性を有するポリ四ふっ化エチレン樹脂（ＰＴＦ
Ｅ）を使用することが最良であるが、このポリ四ふっ化
エチレン樹脂は溶融粘度が極めて高く、通常の溶融成形
が不可能である。
電気特性を有するポリ四ふっ化エチレン樹脂（ＰＴＦ
Ｅ）を使用することが最良であるが、このポリ四ふっ化
エチレン樹脂は溶融粘度が極めて高く、通常の溶融成形
が不可能である。
【０００６】上述のごとき問題により、溶融押出し被覆
ではなく、ＰＴＦＥ，ＦＥＰ（四ふっ化エチレンー６ふ
っ化プロピレン共重合体），ＰＦＡ（四ふっ化エチレン
パーフッ化アルキルビニルエーテル共重合体）のそれぞ
れを水あるいは有機溶剤に分散させてなるディスパージ
ョンを塗布し焼成することによって薄膜被覆を施すとい
う手法が試みられている。
ではなく、ＰＴＦＥ，ＦＥＰ（四ふっ化エチレンー６ふ
っ化プロピレン共重合体），ＰＦＡ（四ふっ化エチレン
パーフッ化アルキルビニルエーテル共重合体）のそれぞ
れを水あるいは有機溶剤に分散させてなるディスパージ
ョンを塗布し焼成することによって薄膜被覆を施すとい
う手法が試みられている。
【０００７】しかし、ＰＴＦＥディスパージョンは、焼
成しても樹脂粉末が溶融流動して一体化しないために、
バインダ樹脂が必要である。このバインダ樹脂として、
通常はポリアミドイシドなどの高融点エンジニアリング
プラスチックが用いられる。
成しても樹脂粉末が溶融流動して一体化しないために、
バインダ樹脂が必要である。このバインダ樹脂として、
通常はポリアミドイシドなどの高融点エンジニアリング
プラスチックが用いられる。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】ＰＴＦＥディスパージ
ョンを電気導体に塗布し焼成したものにおいては、前述
したようにバインダ樹脂が必要であるので、その電気特
性は前記バインダ樹脂の特性を大幅に反映したものとな
り、望ましいものではないという問題がある。
ョンを電気導体に塗布し焼成したものにおいては、前述
したようにバインダ樹脂が必要であるので、その電気特
性は前記バインダ樹脂の特性を大幅に反映したものとな
り、望ましいものではないという問題がある。
【０００９】
【課題を解決するための手段】前述のごとき従来の問題
に鑑みて、本発明は、フッ素樹脂微粉末を溶媒に分散さ
せてなるフッ素樹脂ディスパージョンを電気導体に塗布
・焼成してなるフッ素樹脂絶縁電線にして、前記電気導
体上に、第１層として溶融成形可能なフッ素樹脂ディス
パージョンの層を、この第１層上にポリ四ふっ化エチレ
ン樹脂のディスパージョンの層を第２層として塗布・焼
成してなり、前記第１層と第２層との被覆厚を２０〜２
５μｍとして誘電率を２．０〜２．０６としたものであ
る。
に鑑みて、本発明は、フッ素樹脂微粉末を溶媒に分散さ
せてなるフッ素樹脂ディスパージョンを電気導体に塗布
・焼成してなるフッ素樹脂絶縁電線にして、前記電気導
体上に、第１層として溶融成形可能なフッ素樹脂ディス
パージョンの層を、この第１層上にポリ四ふっ化エチレ
ン樹脂のディスパージョンの層を第２層として塗布・焼
成してなり、前記第１層と第２層との被覆厚を２０〜２
５μｍとして誘電率を２．０〜２．０６としたものであ
る。
【００１０】
【作用】上述のごとく本発明においては、電気導体上
に、第１層として溶融成形可能なフッ素樹脂ディスパー
ジョンの層を、この第１層上にポリ四ふっ化エチレン樹
脂のディスパージョンの層を第２層として塗布し焼成し
てなるものであるから、電気導体に第１層を容易に被覆
形成することができ、この第１層をバインダ的に用いて
ポリ四ふっ化エチレン層を固定することができる。
に、第１層として溶融成形可能なフッ素樹脂ディスパー
ジョンの層を、この第１層上にポリ四ふっ化エチレン樹
脂のディスパージョンの層を第２層として塗布し焼成し
てなるものであるから、電気導体に第１層を容易に被覆
形成することができ、この第１層をバインダ的に用いて
ポリ四ふっ化エチレン層を固定することができる。
【００１１】溶融成形可能なフッ素樹脂として前記ＰＦ
Ａ，ＦＥＰがある。このＰＦＡやＦＥＰはＰＴＦＥに比
較すると電気特性は多少劣るものの、他の樹脂と比較す
ると、他の樹脂よりはＰＴＦＥと電気特性が近いので、
ＰＴＦＥそのものの電気特性を極力損なわない態様でも
って電気導体に被覆することができるものである。
Ａ，ＦＥＰがある。このＰＦＡやＦＥＰはＰＴＦＥに比
較すると電気特性は多少劣るものの、他の樹脂と比較す
ると、他の樹脂よりはＰＴＦＥと電気特性が近いので、
ＰＴＦＥそのものの電気特性を極力損なわない態様でも
って電気導体に被覆することができるものである。
【００１２】電気導体に塗布するディスバージョンは、
ＰＴＦＥ，ＦＥＰ，ＰＦＡを液体に分散させたもので、
媒体は水系でも有機溶剤系でも良い。また、粉体の粒径
や濃度などは特に限定されるものではない。
ＰＴＦＥ，ＦＥＰ，ＰＦＡを液体に分散させたもので、
媒体は水系でも有機溶剤系でも良い。また、粉体の粒径
や濃度などは特に限定されるものではない。
【００１３】
【実施例】電気導体として０．５ｍｍφのＡｇメッキ銅
線を用い、この銅線上に各種ディスパージョンを塗布し
焼成してフッ素樹脂被覆電線を製造した。ディスパージ
ョンの塗布条件は、表１に示すとおりである。
線を用い、この銅線上に各種ディスパージョンを塗布し
焼成してフッ素樹脂被覆電線を製造した。ディスパージ
ョンの塗布条件は、表１に示すとおりである。
【００１４】
【表１】
表１のディスパージョンは全て水系溶媒に分散してお
り、分散用の界面活性剤を含んでいる。
り、分散用の界面活性剤を含んでいる。
【００１５】電気導体上に第１層として塗布する溶融成
形可能なフッ素樹脂ディスパージョンとしては、表１よ
り明らかなように、ＰＦＡディスパージョン，ＦＥＰデ
ィスパージョンである。
形可能なフッ素樹脂ディスパージョンとしては、表１よ
り明らかなように、ＰＦＡディスパージョン，ＦＥＰデ
ィスパージョンである。
【００１６】表１に示した各種ディスパージョンを適宜
に組合わせた実施例は表２のとおりである。
に組合わせた実施例は表２のとおりである。
【００１７】
【表２】
表２より明らかなように、実施例１はＰＦＡディスパー
ジョンを第１層とし、ＰＴＦＥ＊ディスパージョンを第
２層として電気導体に塗布し焼成した。そのときの塗布
条件は前記表１のとおりである。
ジョンを第１層とし、ＰＴＦＥ＊ディスパージョンを第
２層として電気導体に塗布し焼成した。そのときの塗布
条件は前記表１のとおりである。
【００１８】実施例２は第１層としてＦＥＰディスパー
ジョンを、第２層としてＰＴＦＥ＊ディスパージョンを
塗布し焼成した。
ジョンを、第２層としてＰＴＦＥ＊ディスパージョンを
塗布し焼成した。
【００１９】実施例３，４，５はそれぞれ各種のディス
パージョンを３層に塗布し焼成した場合であって、各種
ディスパージョンは表２のとおりであり、その厚さは表
１のとおりである。
パージョンを３層に塗布し焼成した場合であって、各種
ディスパージョンは表２のとおりであり、その厚さは表
１のとおりである。
【００２０】表２より明らかなように、本実施例によれ
ば比較例に比して誘電率を２．０〜２．０６と低くする
ことができ、かつ被覆厚も２０〜２５μｍと極薄にする
ことができる。
ば比較例に比して誘電率を２．０〜２．０６と低くする
ことができ、かつ被覆厚も２０〜２５μｍと極薄にする
ことができる。
【００２１】
【発明の効果】以上のごとき実施例の説明より理解され
るように、本発明によれば、ＰＴＦＥの電気特性を損う
ことなく電気導体にＰＴＦＥを極薄にしてなるフッ素樹
脂絶縁電線を得ることができる。
るように、本発明によれば、ＰＴＦＥの電気特性を損う
ことなく電気導体にＰＴＦＥを極薄にしてなるフッ素樹
脂絶縁電線を得ることができる。
Claims (2)
- 【請求項１】 フッ素樹脂微粉末を溶媒に分散させてな
るフッ素樹脂ディスパージョンを電気導体に塗布・焼成
してなるフッ素樹脂絶縁電線にして、前記電気導体上
に、第１層として溶融成形可能なフッ素樹脂ディスパー
ジョンの層を、この第１層上にポリ四ふっ化エチレン樹
脂のディスパージョンの層を第２層として塗布・焼成し
てなり、前記第１層と第２層との被覆厚を２０〜２５μ
ｍとして誘電率を２．０〜２．０６としたことを特徴と
するフッ素樹脂絶縁電線。 - 【請求項２】 第２層上に、第３層として溶融成形可能
なフッ素樹脂ディスパージョンの層を塗布・焼成してな
ることを特徴とする請求項１に記載のフッ素樹脂絶縁電
線。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP09600093A JP3414787B2 (ja) | 1993-04-22 | 1993-04-22 | フッ素樹脂絶縁電線 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP09600093A JP3414787B2 (ja) | 1993-04-22 | 1993-04-22 | フッ素樹脂絶縁電線 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06309937A JPH06309937A (ja) | 1994-11-04 |
| JP3414787B2 true JP3414787B2 (ja) | 2003-06-09 |
Family
ID=14152842
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP09600093A Expired - Fee Related JP3414787B2 (ja) | 1993-04-22 | 1993-04-22 | フッ素樹脂絶縁電線 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3414787B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4626014B2 (ja) * | 2000-06-15 | 2011-02-02 | ダイキン工業株式会社 | 高周波信号伝送用製品およびその製法 |
| JP2008243294A (ja) | 2007-03-27 | 2008-10-09 | Fujifilm Corp | テープリール、記録テープカートリッジ、マシンリール及びドライブ装置 |
-
1993
- 1993-04-22 JP JP09600093A patent/JP3414787B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH06309937A (ja) | 1994-11-04 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |