JP3413875B2 - 圧力容器 - Google Patents
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E30/00—Energy generation of nuclear origin
- Y02E30/30—Nuclear fission reactors
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は圧力容器に関するもので
ある。 【0002】 【従来の技術】図4は従来の原子炉圧力容器の一例を示
すもので、1は上下方向へ延びる筒状の圧力容器胴部、
2は下方の鏡板であり、該鏡板2は、下方へ突出する部
分球殻の周縁部に周方向へ延び且つ上方に向って突出す
る環状の縁部を形成した形状を有し、該縁部の上端部が
前記の圧力容器胴部1の下端部に溶接によって接合され
ている。 【0003】また、圧力容器胴部1の上端部には、上方
の鏡板(図示せず)が溶接により接合されており、この
鏡板と前記の圧力容器胴部1並びに鏡板2によって圧力
容器本体3を構成している。 【0004】前記の鏡板2の周縁部近傍には、上下方向
へ貫通するポンプ軸貫通孔4が複数形成され、また、鏡
板2の下面には、前記のポンプ軸貫通孔4と対応するよ
うにインターナルポンプ5を装着するためのノズル6が
設けられている。 【0005】インターナルポンプ5は、モータを内装し
たポンプ本体7と該ポンプ本体7から上方へ向って延び
且つ前記のモータにより駆動されるポンプ軸8と、該ポ
ンプ軸8の先端部に装着されたインペラ9と、該インペ
ラ9を周方向に取り囲むディフューザ10とを有してい
る。 【0006】前記のポンプ本体7は、上端部がノズル6
の下端部に固着され且つポンプ軸8がポンプ軸貫通孔4
に挿通された状態になっており、また、ディフューザ1
0は、鏡板2に対して固着されている。 【0007】なお、図4において、Jは、圧力容器胴部
1と鏡板2との接合部(溶接継手部)を表している。 【0008】上述した構成を有する原子炉圧力容器で
は、原子炉稼働時にインターナルポンプ5を駆動し、圧
力容器胴部1の内側壁近傍において上方から下方へ向っ
て炉水を流通させることにより、圧力容器本体3の内部
において炉水を循環させている。 【0009】一方、圧力容器本体3の内部圧力が上昇す
ると、図5に示すように、圧力容器胴部1はその内側半
径Rcが、また鏡板2はその内側半径Rsがそれぞれ拡大
する傾向を呈する。 【0010】このときの圧力容器胴部1の変形量δcは
下記の式(1)のように、また鏡板2の変形量δsは下
記の式(2)のように表すことができる。 【0011】 δc=(Rc/Ec)(1−0.5ν)(p・Rc/tc)…(1) (Ec:圧力容器胴部1のヤング係数、ν:圧力容器胴
部1並びに鏡板2のポアソン比、tc:圧力容器胴部1
の端部の肉厚、p:圧力容器胴部1の内部圧力) 【0012】 δs=(Rs/Es)(1−ν)(p・Rs/2ts)…(2) (Es:鏡板2のヤング係数、ts:鏡板2の周縁部の肉
厚) 【0013】また、圧力容器本体3の変形に起因する圧
力容器胴部1と鏡板2との接合部Jの変位量Δsは、図
6に示す相似三角形の関係により下記の式(3)のよう
に表すことができる。 【0014】 Δs=δs・Rc/Rs =(Rc/Es)(1−ν)(p・Rs/2ts)…(3) 【0015】 【発明が解決しようとする課題】上述した構成を有する
原子炉圧力容器では、一般に圧力容器胴部1の変形量δ
cと接合部Jの変位量Δsとが等しくないので、図7に示
すように鏡板2に不連続変形が生じ、ノズル中心線Cn
が下方から上方へ向って圧力容器胴部1の内方から外方
へ傾く傾向を呈し、インターナルポンプ5の回転部分で
あるインペラ9と非回転部分であるディフューザ10と
が干渉することが懸念される。 【0016】このため、従来はノズル中心線Cnの変位
に対処できるようにインペラ9とディフューザ10との
クリアランスを設定したが、圧力容器本体3の内部の炉
水の循環効率を向上させるためには、インペラ9とディ
フューザ10とのクリアランスをできるだけ小さくする
必要がある。 【0017】本発明は圧力容器の変形に起因するノズル
中心線の変位を防止することを目的としている。 【0018】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の圧力容器においては、筒状の圧力容器胴部
と、複数のポンプ軸貫通孔を有し且つ該ポンプ軸貫通孔
と対応するように外面にポンプ取付け用のノズルを設け
た鏡板とを備え、前記のノズルが圧力容器本体の外部に
位置するように鏡板の周縁部を圧力容器胴部の端部に接
合した圧力容器において、前記圧力容器胴部の端部に、
該圧力容器胴部の外側半径よりも大きな曲率半径でノズ
ル側へ向って突出するよう全体を部分球殻形状とした鏡
板の周縁部を接合し、圧力容器胴部の内側半径をRc、
鏡板の内側半径をRs、圧力容器胴部のヤング係数をE
c、鏡板のヤング係数をEs、圧力容器胴部のポアソン比
をνc、鏡板のポアソン比をνs、圧力容器胴部の端部の
肉厚をtc、鏡板の周縁部の肉厚をtsとしたときに、圧
力容器胴部の端部と鏡板の周縁部との肉厚比tc/tsが
{(2−ν)/(1−ν)}(Rc/Rs)(Es/Ec)
と略等しくなるように、圧力容器胴部の端部の肉厚tc
並びに鏡板の周縁部の肉厚tsを定めている。 【0019】 【作用】本発明の圧力容器では、圧力容器胴部の端部と
鏡板の周縁部の肉厚比を適宜調整することによって、圧
力容器胴部の変形量と圧力容器胴部、鏡板間の接合部の
変位量とを略等しくさせ、圧力容器胴部並びに鏡板の変
形に起因するノズル中心線の変位を防止する。 【0020】 【実施例】以下本発明の実施例を図面を参照しつつ説明
する。 【0021】図1は本発明の圧力容器の第1の一実施例
を示すもので、図4と同一の符号を付した部分は同一物
を表わしている。 【0022】本実施例においては、圧力容器本体3を形
成する鏡板2全体を、圧力容器胴部1の外側半径よりも
大きな曲率半径で下側(ノズル6側)へ向って突出する
部分球殻形状に形成し、圧力容器胴部1の端部に、前記
全体を部分球殻形状とした鏡板2の周縁部を接合し、圧
力容器胴部1の下部の肉厚tcを他の部分に比べて大き
く形成している。 【0023】更に、下記の式(4)に表されるごとく、
圧力容器胴部1の変形量δcと接合部Jの変位量Δs(図
5,図6参照)とが等しくなるように、式(4)に前記
の式(1)に表される圧力容器胴部1の内側半径Rc方
向の変形量δcの要件、並びに式(3)に表される接合
部Jの変位量Δsの要件とを代入した式(5)におい
て、圧力容器胴部1及び鏡板2を設計するのにあたり数
値を比較的容易に変更可能な圧力容器胴部1の下端部の
肉厚tcと鏡板2の周縁部の肉厚tsとに着目し、式
(5)を整理した式(6)に表されるごとく、圧力容器
胴部1の下端部と鏡板2の周縁部との肉厚比tc/tsを
適宜調整している。 【0024】Δs=δc …(4) 【0025】 (Rc/Es)(1−ν)(p・Rs/2ts) =(Rc/Ec)(1−0.5ν)(p・Rc/tc)…(5) 【0026】 tc/ts={(2−ν)/(1−ν)}(Rc/Rs)(Es/Ec)…(6) 【0027】上記の鏡板2のヤング係数(見かけのヤン
グ係数)Esは、鏡板2をなす材料のヤング係数Eに対
し図3に基づき下記の式(7)ような補正を行った値と
している。 【0028】 Es=E{(π・dsn−N・dn)/π・dsn}[A−{dn/(Rs・ts)1/2 }]…(7) (N:ポンプ軸貫通孔4の数、dn:ポンプ軸貫通孔4
の直径、dsn:ポンプ軸貫通孔4の配列円の直径、A:
係数1〜1.2) 【0029】これは、ポンプ軸貫通孔4が形成されるこ
とにより鏡板2の剛性が低下するためである。 【0030】なお、圧力容器胴部1の下部の肉厚tcを
他の部分に比べて大きく形成しているのは、ポンプ軸貫
通孔4の数が少なく鏡板2の見かけのヤング係数Esの
低下がほとんどない場合において、圧力容器胴部1の変
形を小さくするためである。 【0031】上述した構成を有する本実施例の圧力容器
では、圧力容器胴部1の下端部の肉厚tcと鏡板2の周
縁部の肉厚tsを前記の式(6)の関係を満たすように
設定しているので、圧力容器胴部1の内側半径Rc方向
の変形量δcと接合部Jの変位量Δsとが略等しくなり、
圧力容器本体3の変形に起因するノズル中心線Cnの変
位を防止することができる。 【0032】よって、図4に示すインペラ9とディフュ
ーザ10とのクリアランスをより小さくすることが可能
となり、圧力容器本体3の内部の炉水の循環効率を向上
させることができる。 【0033】図2は本発明の圧力容器の第2の実施例を
示すもので、図中、図1と同一の符号を付した部分は同
一物を表している。 【0034】本実施例においては、圧力容器本体3を形
成する鏡板2全体を、圧力容器胴部1の外側半径よりも
大きな曲率半径で下側(ノズル6側)へ向って突出する
部分球殻形状に形成し、圧力容器胴部1の端部に、前記
全体を部分球殻形状とした鏡板2の周縁部を接合し、該
鏡板2の周縁部の肉厚tsを他の部分に比べて大きく形
成している。 【0035】更に、圧力容器胴部1の下端部と鏡板2の
周縁部との肉厚比tc/tsを、前記の式(4)〜式
(6)に基づき適宜調整している。 【0036】なお、鏡板2の周縁部の肉厚tsを他の部
分に比べて大きく形成しているのは、ポンプ軸貫通孔4
の数が多く鏡板2の見かけのヤング係数Esが低下して
いる場合において、鏡板2の変形を小さくするためであ
る。 【0037】上述した構成を有する本実施例の圧力容器
においても、圧力容器胴部1の内側半径Rc方向の変形
量δcと接合部Jの変位量Δsとが略等しくなるので、図
1に示すものと同様な作用効果を奏し得る。 【0038】なお、本発明の圧力容器は、上述した実施
例のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱
しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論で
ある。 【0039】 【発明の効果】以上述べたように、本発明の圧力容器に
よれば、圧力容器胴部の端部と鏡板の周縁部の肉厚比を
適宜調整することによって、圧力容器胴部の変形量と圧
力容器胴部、鏡板間の接合部の変位量とを略等しくする
ので、圧力容器本体の変形に起因するノズル中心線の変
位を防止することができる、という優れた効果を奏し得
る。
ある。 【0002】 【従来の技術】図4は従来の原子炉圧力容器の一例を示
すもので、1は上下方向へ延びる筒状の圧力容器胴部、
2は下方の鏡板であり、該鏡板2は、下方へ突出する部
分球殻の周縁部に周方向へ延び且つ上方に向って突出す
る環状の縁部を形成した形状を有し、該縁部の上端部が
前記の圧力容器胴部1の下端部に溶接によって接合され
ている。 【0003】また、圧力容器胴部1の上端部には、上方
の鏡板(図示せず)が溶接により接合されており、この
鏡板と前記の圧力容器胴部1並びに鏡板2によって圧力
容器本体3を構成している。 【0004】前記の鏡板2の周縁部近傍には、上下方向
へ貫通するポンプ軸貫通孔4が複数形成され、また、鏡
板2の下面には、前記のポンプ軸貫通孔4と対応するよ
うにインターナルポンプ5を装着するためのノズル6が
設けられている。 【0005】インターナルポンプ5は、モータを内装し
たポンプ本体7と該ポンプ本体7から上方へ向って延び
且つ前記のモータにより駆動されるポンプ軸8と、該ポ
ンプ軸8の先端部に装着されたインペラ9と、該インペ
ラ9を周方向に取り囲むディフューザ10とを有してい
る。 【0006】前記のポンプ本体7は、上端部がノズル6
の下端部に固着され且つポンプ軸8がポンプ軸貫通孔4
に挿通された状態になっており、また、ディフューザ1
0は、鏡板2に対して固着されている。 【0007】なお、図4において、Jは、圧力容器胴部
1と鏡板2との接合部(溶接継手部)を表している。 【0008】上述した構成を有する原子炉圧力容器で
は、原子炉稼働時にインターナルポンプ5を駆動し、圧
力容器胴部1の内側壁近傍において上方から下方へ向っ
て炉水を流通させることにより、圧力容器本体3の内部
において炉水を循環させている。 【0009】一方、圧力容器本体3の内部圧力が上昇す
ると、図5に示すように、圧力容器胴部1はその内側半
径Rcが、また鏡板2はその内側半径Rsがそれぞれ拡大
する傾向を呈する。 【0010】このときの圧力容器胴部1の変形量δcは
下記の式(1)のように、また鏡板2の変形量δsは下
記の式(2)のように表すことができる。 【0011】 δc=(Rc/Ec)(1−0.5ν)(p・Rc/tc)…(1) (Ec:圧力容器胴部1のヤング係数、ν:圧力容器胴
部1並びに鏡板2のポアソン比、tc:圧力容器胴部1
の端部の肉厚、p:圧力容器胴部1の内部圧力) 【0012】 δs=(Rs/Es)(1−ν)(p・Rs/2ts)…(2) (Es:鏡板2のヤング係数、ts:鏡板2の周縁部の肉
厚) 【0013】また、圧力容器本体3の変形に起因する圧
力容器胴部1と鏡板2との接合部Jの変位量Δsは、図
6に示す相似三角形の関係により下記の式(3)のよう
に表すことができる。 【0014】 Δs=δs・Rc/Rs =(Rc/Es)(1−ν)(p・Rs/2ts)…(3) 【0015】 【発明が解決しようとする課題】上述した構成を有する
原子炉圧力容器では、一般に圧力容器胴部1の変形量δ
cと接合部Jの変位量Δsとが等しくないので、図7に示
すように鏡板2に不連続変形が生じ、ノズル中心線Cn
が下方から上方へ向って圧力容器胴部1の内方から外方
へ傾く傾向を呈し、インターナルポンプ5の回転部分で
あるインペラ9と非回転部分であるディフューザ10と
が干渉することが懸念される。 【0016】このため、従来はノズル中心線Cnの変位
に対処できるようにインペラ9とディフューザ10との
クリアランスを設定したが、圧力容器本体3の内部の炉
水の循環効率を向上させるためには、インペラ9とディ
フューザ10とのクリアランスをできるだけ小さくする
必要がある。 【0017】本発明は圧力容器の変形に起因するノズル
中心線の変位を防止することを目的としている。 【0018】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の圧力容器においては、筒状の圧力容器胴部
と、複数のポンプ軸貫通孔を有し且つ該ポンプ軸貫通孔
と対応するように外面にポンプ取付け用のノズルを設け
た鏡板とを備え、前記のノズルが圧力容器本体の外部に
位置するように鏡板の周縁部を圧力容器胴部の端部に接
合した圧力容器において、前記圧力容器胴部の端部に、
該圧力容器胴部の外側半径よりも大きな曲率半径でノズ
ル側へ向って突出するよう全体を部分球殻形状とした鏡
板の周縁部を接合し、圧力容器胴部の内側半径をRc、
鏡板の内側半径をRs、圧力容器胴部のヤング係数をE
c、鏡板のヤング係数をEs、圧力容器胴部のポアソン比
をνc、鏡板のポアソン比をνs、圧力容器胴部の端部の
肉厚をtc、鏡板の周縁部の肉厚をtsとしたときに、圧
力容器胴部の端部と鏡板の周縁部との肉厚比tc/tsが
{(2−ν)/(1−ν)}(Rc/Rs)(Es/Ec)
と略等しくなるように、圧力容器胴部の端部の肉厚tc
並びに鏡板の周縁部の肉厚tsを定めている。 【0019】 【作用】本発明の圧力容器では、圧力容器胴部の端部と
鏡板の周縁部の肉厚比を適宜調整することによって、圧
力容器胴部の変形量と圧力容器胴部、鏡板間の接合部の
変位量とを略等しくさせ、圧力容器胴部並びに鏡板の変
形に起因するノズル中心線の変位を防止する。 【0020】 【実施例】以下本発明の実施例を図面を参照しつつ説明
する。 【0021】図1は本発明の圧力容器の第1の一実施例
を示すもので、図4と同一の符号を付した部分は同一物
を表わしている。 【0022】本実施例においては、圧力容器本体3を形
成する鏡板2全体を、圧力容器胴部1の外側半径よりも
大きな曲率半径で下側(ノズル6側)へ向って突出する
部分球殻形状に形成し、圧力容器胴部1の端部に、前記
全体を部分球殻形状とした鏡板2の周縁部を接合し、圧
力容器胴部1の下部の肉厚tcを他の部分に比べて大き
く形成している。 【0023】更に、下記の式(4)に表されるごとく、
圧力容器胴部1の変形量δcと接合部Jの変位量Δs(図
5,図6参照)とが等しくなるように、式(4)に前記
の式(1)に表される圧力容器胴部1の内側半径Rc方
向の変形量δcの要件、並びに式(3)に表される接合
部Jの変位量Δsの要件とを代入した式(5)におい
て、圧力容器胴部1及び鏡板2を設計するのにあたり数
値を比較的容易に変更可能な圧力容器胴部1の下端部の
肉厚tcと鏡板2の周縁部の肉厚tsとに着目し、式
(5)を整理した式(6)に表されるごとく、圧力容器
胴部1の下端部と鏡板2の周縁部との肉厚比tc/tsを
適宜調整している。 【0024】Δs=δc …(4) 【0025】 (Rc/Es)(1−ν)(p・Rs/2ts) =(Rc/Ec)(1−0.5ν)(p・Rc/tc)…(5) 【0026】 tc/ts={(2−ν)/(1−ν)}(Rc/Rs)(Es/Ec)…(6) 【0027】上記の鏡板2のヤング係数(見かけのヤン
グ係数)Esは、鏡板2をなす材料のヤング係数Eに対
し図3に基づき下記の式(7)ような補正を行った値と
している。 【0028】 Es=E{(π・dsn−N・dn)/π・dsn}[A−{dn/(Rs・ts)1/2 }]…(7) (N:ポンプ軸貫通孔4の数、dn:ポンプ軸貫通孔4
の直径、dsn:ポンプ軸貫通孔4の配列円の直径、A:
係数1〜1.2) 【0029】これは、ポンプ軸貫通孔4が形成されるこ
とにより鏡板2の剛性が低下するためである。 【0030】なお、圧力容器胴部1の下部の肉厚tcを
他の部分に比べて大きく形成しているのは、ポンプ軸貫
通孔4の数が少なく鏡板2の見かけのヤング係数Esの
低下がほとんどない場合において、圧力容器胴部1の変
形を小さくするためである。 【0031】上述した構成を有する本実施例の圧力容器
では、圧力容器胴部1の下端部の肉厚tcと鏡板2の周
縁部の肉厚tsを前記の式(6)の関係を満たすように
設定しているので、圧力容器胴部1の内側半径Rc方向
の変形量δcと接合部Jの変位量Δsとが略等しくなり、
圧力容器本体3の変形に起因するノズル中心線Cnの変
位を防止することができる。 【0032】よって、図4に示すインペラ9とディフュ
ーザ10とのクリアランスをより小さくすることが可能
となり、圧力容器本体3の内部の炉水の循環効率を向上
させることができる。 【0033】図2は本発明の圧力容器の第2の実施例を
示すもので、図中、図1と同一の符号を付した部分は同
一物を表している。 【0034】本実施例においては、圧力容器本体3を形
成する鏡板2全体を、圧力容器胴部1の外側半径よりも
大きな曲率半径で下側(ノズル6側)へ向って突出する
部分球殻形状に形成し、圧力容器胴部1の端部に、前記
全体を部分球殻形状とした鏡板2の周縁部を接合し、該
鏡板2の周縁部の肉厚tsを他の部分に比べて大きく形
成している。 【0035】更に、圧力容器胴部1の下端部と鏡板2の
周縁部との肉厚比tc/tsを、前記の式(4)〜式
(6)に基づき適宜調整している。 【0036】なお、鏡板2の周縁部の肉厚tsを他の部
分に比べて大きく形成しているのは、ポンプ軸貫通孔4
の数が多く鏡板2の見かけのヤング係数Esが低下して
いる場合において、鏡板2の変形を小さくするためであ
る。 【0037】上述した構成を有する本実施例の圧力容器
においても、圧力容器胴部1の内側半径Rc方向の変形
量δcと接合部Jの変位量Δsとが略等しくなるので、図
1に示すものと同様な作用効果を奏し得る。 【0038】なお、本発明の圧力容器は、上述した実施
例のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱
しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論で
ある。 【0039】 【発明の効果】以上述べたように、本発明の圧力容器に
よれば、圧力容器胴部の端部と鏡板の周縁部の肉厚比を
適宜調整することによって、圧力容器胴部の変形量と圧
力容器胴部、鏡板間の接合部の変位量とを略等しくする
ので、圧力容器本体の変形に起因するノズル中心線の変
位を防止することができる、という優れた効果を奏し得
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の圧力容器の第1の実施例を示す部分断
面図である。 【図2】本発明の圧力容器の第2の実施例を示す部分断
面図である。 【図3】圧力容器本体のポンプ軸貫通孔と該孔の配列円
の直径との関係を示す平面図である。 【図4】従来の原子炉圧力容器の一例を示す部分断面図
である。 【図5】内部圧力の上昇に起因する圧力容器胴部並びに
鏡板の拡大を示す概念図である。 【図6】内部圧力の上昇に起因する圧力容器胴部と鏡板
との接合部の変位量を示す概念図である。 【図7】鏡板の不連続変形によるノズル中心線の変位を
示す概念図である。 【符号の説明】 1 圧力容器胴部 2 鏡板 4 ポンプ軸貫通孔 6 ノズル Rc,Rs 内側半径 tc,ts 肉厚
面図である。 【図2】本発明の圧力容器の第2の実施例を示す部分断
面図である。 【図3】圧力容器本体のポンプ軸貫通孔と該孔の配列円
の直径との関係を示す平面図である。 【図4】従来の原子炉圧力容器の一例を示す部分断面図
である。 【図5】内部圧力の上昇に起因する圧力容器胴部並びに
鏡板の拡大を示す概念図である。 【図6】内部圧力の上昇に起因する圧力容器胴部と鏡板
との接合部の変位量を示す概念図である。 【図7】鏡板の不連続変形によるノズル中心線の変位を
示す概念図である。 【符号の説明】 1 圧力容器胴部 2 鏡板 4 ポンプ軸貫通孔 6 ノズル Rc,Rs 内側半径 tc,ts 肉厚
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 昭59−137663(JP,A)
特開 昭49−38208(JP,A)
特開 平9−171091(JP,A)
特開 平5−71643(JP,A)
特開 平6−281783(JP,A)
特開 平5−100074(JP,A)
特公 平4−56279(JP,B2)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
G21C 13/00
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 筒状の圧力容器胴部と、複数のポンプ軸
貫通孔を有し且つ該ポンプ軸貫通孔と対応するように外
面にポンプ取付け用のノズルを設けた鏡板とを備え、前
記のノズルが圧力容器本体の外部に位置するように鏡板
の周縁部を圧力容器胴部の端部に接合した圧力容器にお
いて、前記圧力容器胴部の端部に、該圧力容器胴部の外
側半径よりも大きな曲率半径でノズル側へ向って突出す
るよう全体を部分球殻形状とした鏡板の周縁部を接合
し、圧力容器胴部の内側半径をRc、鏡板の内側半径を
Rs、圧力容器胴部のヤング係数をEc、鏡板のヤング係
数をEs、圧力容器胴部並びに鏡板のポアソン比をν、
圧力容器胴部の端部の肉厚をtc、鏡板の周縁部の肉厚
をtsとしたときに、圧力容器胴部の端部と鏡板の周縁
部との肉厚比tc/tsが{(2−ν)/(1−ν)}
(Rc/Rs)(Es/Ec)と略等しくなるように、圧力
容器胴部の端部の肉厚tc並びに鏡板の周縁部の肉厚ts
を定めたことを特徴とする圧力容器。
Priority Applications (1)
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JP14770293A JP3413875B2 (ja) | 1993-06-18 | 1993-06-18 | 圧力容器 |
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JP14770293A JP3413875B2 (ja) | 1993-06-18 | 1993-06-18 | 圧力容器 |
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ID=15436321
Family Applications (1)
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KR102243604B1 (ko) * | 2020-08-19 | 2021-04-23 | 이만호 | 이음매 없는 일체형 콘덴세이트 포트 제조방법 |
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1993
- 1993-06-18 JP JP14770293A patent/JP3413875B2/ja not_active Expired - Fee Related
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