JP3413378B2 - 模様付き皮革の製造方法 - Google Patents

模様付き皮革の製造方法

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  • Treatment And Processing Of Natural Fur Or Leather (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は表面に凹凸からな
る模様を施した皮革の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来皮革は乳頭層の表面(以下、銀面と
呼ぶ。)をそのまま表すか、削り取りにより銀面を消失
させて内部の起毛面(以下、ヌバックと呼ぶ。)を表し
て使用に供されていた。又、表面に模様を付す手段とし
ては着色によるものの他、加熱加圧プレスにより種々の
模様を型押しすることが広く行われていた。
【0003】一方、上記の伝統的な手法による加工手段
に飽き足らず、皮革の表面に模様を付す手段に関して幾
つかの発明が提案されている。その1は、特公昭61−
21998号において公知の発明であり、ここでは銀面
を研削消失させた後に着色した皮革の表面に凹凸模様を
型押しし、型押しした表面を研削することにより着色部
分と皮革の地色からなる模様を有する皮革を得ている。
【0004】その2は、特許第2753690号公報に
おいて公知の発明であり、ここでは銀面を研削消失させ
た後に紺色に着色した皮革の表面にジーンズ織り目を型
押しし、型押しした表面をバフ研磨の強さを部分的に変
化してバフ掛けして型押しした織り目表面を削るととも
に更に皮革内部の未着色の白い部分を一層局部的に革表
面に現出させてジーンズの洗いざらしの表面形状を形成
して後、加脂しメラミン樹脂加工し、皮革製ジーンズを
得ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記の2つの公知発明
は、前者の発明は皮革であるにもかかわらず一見粗目麻
織物地やジーンズ織物地の外観を有する皮革を得ること
を目的とし(同公報第4欄6行目以下参照)、後者の発
明はジーンズの洗いざらしの織布の感触を有する皮革を
得ることを目的としているように(同公報第4欄段落0
007参照)、皮革を素材としながら、皮革の風合いか
ら離れた製品を目指しており、それは銀面を一切消失さ
せていることからも明らかである。
【0006】しかしながら皮革の美しさの原点はその銀
面の魅力にあり、模様を得るために銀面を捨て去り、ヌ
バックのみとした前記公知発明は代用織物地としては優
れているかも知れないが、皮革製品としての魅力は未知
数である。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は以上の従来技
術の問題点に鑑みて創作されたものであり、銀面を残し
ながら且つヌバックも表し、更に立体的な模様を表面に
施すという相反する命題を解決した全く新たな皮革を製
造する方法を提供することを目的とする。即ち、この発
明の模様付き皮革の製造方法は次の工程を有することを
特徴とする。
【0008】皮革の銀面に模様を型押しして、圧縮によ
り得られた凹部と圧縮されなかった凸部からなる模様を
銀面に形成する第1工程。
【0009】型押しされた皮革の凸部を、凹部を消失さ
せない深さの範囲内で削り取り、凸部の銀面を消失させ
てヌバックを表す第2工程。
【0010】第2工程の加工を施した皮に水分を含ませ
ることにより、型押しされて圧縮された凹部の圧縮状態
を解消してその厚みを復帰させる第3工程。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、この発明の具体的実施例を
添付図面に基づいて説明する。
【0012】(前工程)クロム鞣し又はタンニン鞣しさ
れた普通の皮革を、希望する厚みにシェービング(シェ
ービングマシンで革の肉面を削り一定の厚さに調整す
る。)して、通常の工程である中和、染色、加脂、ガラ
干し、ネット張り又はガラス張りによって処理する。こ
の場合、この発明においては染色方法としては浸透染色
よりも表面染色の方が適する。
【0013】(第1工程)前記の工程で得た皮革に、プ
レス機(型部分を図中符号Pとして図示)により皮革L
の銀面からなる表面L1に模様を型押しして(図1参
照)、圧縮により得られた凹部2と圧縮されなかった凸
部1(即ち、皮革の表面L1)からなる模様を銀面に形
成する(図2参照)。この実施例においては皮革Lの底
面から凸部1までの厚みは1.3mmであり、皮革の底
面から凹部2までの厚みは0.9mmとなる。第1工程
においては、銀面は皮革の凹部も含んだ上面全体に表
れ、ヌバックは切断端面にのみ表れる。尚、形成される
模様は図においては図解しやすいものを例示している
が、通常は布状模様が一般的である。
【0014】(第2工程)型押しされた皮革Lの凸部1
の表面を模様を形成する凹部2を消失させない深さの範
囲内で削り取る(図3参照。尚、同図において削り取る
範囲3をクロスハッチングで表している。)。削り取り
の手段としてはサンドペーパーによるバフィング、或い
はシェービングマシンやスプリットマシンによる切削が
想定し得る。第2工程においては凹部2(底部及び側壁
部を含む。)上の銀面以外の銀面は消失し、削り取り後
の新たな凸部1A表面にはヌバックが表れる(図4参
照)。この工程においては皮革Lの底面から凸部1Aま
での厚みは1.0mmとなり、皮革の底面から凹部2ま
での厚みは0.9mmとなる。
【0015】(第3工程)第2工程の削り取り作業が終
わった皮革Lをドラムに戻し、回転させながら水分を含
ませ水に濡れた状態にする。この結果、皮革Lの型押し
されて圧縮された凹部2の圧縮状態は解消されその厚み
は復帰する。この場合、凸部1Aは削り取られて当初の
皮革の厚みより薄くなっているのだから、皮革Lの上面
の凹凸は逆になる(図5参照)。即ち、以前の凹部2は
銀面からなる凸部2Aとなり、以前の凸部1Aはヌバッ
クからなる凹部1AAとなる。この工程においては皮革
Lの底面から新たな凸部2Aまでの厚みは1.3mmと
なり、皮革の底面から新たな凹部1AAまでの厚みは
1.1mmとなる。尚、この工程においてはよりソフト
な革とするため加湿剤を追加したり、防水革とするため
にフッ素樹脂等の防水剤処理をしてもよい。
【0016】(後工程)水戻しした皮革を通常の方法に
よりガラ干し、ネット張りして一連の工程を終了する。
【0017】尚、以上の実施例において皮革としてメタ
リック仕上げやラッカー仕上げを施したものを使用して
もよく、又、ヌバックに着色してもよいことは勿論であ
る。
【0018】
【発明の効果】銀面を有する皮革に型押しを行うこと
により表面に凹凸が生じるが、この場合の凹部分は圧縮
により厚みが薄くなっているだけであり、圧縮を解消す
れば本来の厚みに戻る。この発明はこの点に着目して創
作されたものであり、型押しにより生じた皮革の凹凸の
凸部分の表面を削り取ることにより下地のヌバックを表
すと共に、その部分の厚みを絶対的に減少させ、次いで
皮革に水分を含ませることにより圧縮されていた凹部分
を本来の厚みに戻し、厚みが絶対的に減少された凸部分
と逆転させる。その結果、この発明によれば、凸部分が
銀面で、凹部分がヌバックである模様を有する、皮革の
魅力を最大限に生かした製品を得ることができる。 従来技術における量産可能な凹凸の模様を有する皮革
は全面が銀面であるかヌバックのものしか存在しなかっ
た。即ち、この発明のように銀面からなる表面を保った
上で模様部分がヌバックのものは手作業により彫刻する
以外得ることができず、それも模様部分を構成する凹部
の幅は限定され線画的なものに限られていた。この発明
によれば、模様部分の幅の限定がなくしかも深さの限定
もないものが容易に量産できることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の製造方法の第1工程を示す皮革の
斜視図。
【図2】 同上、第1工程を示す皮革の斜視図。
【図3】 同上、第2工程を示す皮革の斜視図。
【図4】 同上、第2工程を示す皮革の斜視図。
【図5】 同上、第3工程を示す皮革の斜視図。
【符号の説明】
L 皮革 1 (第1工程における)凸部 1A (第2工程における)凸部 1AA(第3工程における)凹部 2 (第1工程における)凹部 2A (第3工程における)凸部

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の工程を有することを特徴とする模様
    付き皮革の製造方法。皮革の銀面に模様を型押しして、
    圧縮により得られた凹部と圧縮されなかった凸部からな
    る模様を銀面に形成する第1工程。型押しされた皮革の
    凸部を、凹部を消失させない深さの範囲内で削り取り、
    凸部の銀面を消失させてヌバックを表す第2工程。第2
    工程の加工を施した皮に水分を含ませることにより、型
    押しされて圧縮された凹部の圧縮状態を解消してその厚
    みを復帰させる第3工程。
  2. 【請求項2】 皮の銀面には着色が施される請求項1記
    載の模様付き皮革の製造方法。
  3. 【請求項3】 皮のヌバックには着色が施される請求項
    1又は2記載の模様付き皮革の製造方法。
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