JP3413267B2 - ラジカル硬化性樹脂の硬化収縮及びその硬化物の強度低下防止方法 - Google Patents

ラジカル硬化性樹脂の硬化収縮及びその硬化物の強度低下防止方法

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JP3413267B2
JP3413267B2 JP33891993A JP33891993A JP3413267B2 JP 3413267 B2 JP3413267 B2 JP 3413267B2 JP 33891993 A JP33891993 A JP 33891993A JP 33891993 A JP33891993 A JP 33891993A JP 3413267 B2 JP3413267 B2 JP 3413267B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はラジカル硬化性樹脂の硬
化時の収縮及び得られる硬化物の強度低下を防止する方
法に関する。ラジカル硬化性樹脂として不飽和ポリエス
テル樹脂や不飽和ウレタン樹脂等が知られており、これ
らのラジカル硬化性樹脂から得られる硬化物が高分子系
材料として広く利用されている。これらの高分子系材料
は硬化収縮に基因する反り、クラック、凹凸等の欠陥の
ない表面外観、所望の強度及び物性を具備するものであ
ることが要請される。本発明はかかる要請に応えるラジ
カル硬化性樹脂の硬化収縮及びその硬化物の強度低下防
止方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ラジカル硬化性樹脂の硬化収縮を
防止する手段として、1)ラジカル硬化性樹脂に可溶性
の熱可塑性高分子を含有させておき、硬化時に該熱可塑
性高分子を微細状に相分離させてミクロドメインを形成
させ、そして相分離させた熱可塑性高分子の熱膨張を利
用して硬化収縮を防止する手段( 26th AnnualTechnica
l Conference SPI 12F 1971 )、2)ラジカル硬化性樹
脂に対して不溶性の架橋高分子の微粒子を含有させる手
段(特開昭48−81984)、3)無機微粒子を含有
させる手段等がある。
【0003】ところが、1)の従来手段には、a)熱可
塑性高分子を相分離させてミクロドメインを形成させる
のに硬化温度や硬化速度等の影響が大きく、適切な条件
設定をすることが極めて繁雑であり、b)ラジカル硬化
性樹脂の種類によってその効果が一様でないため、適用
範囲が制約されるという欠点がある。2)の従来手段に
は、c)硬化収縮を防止する効果が総じて低いという欠
点がある。とりわけ1)及び2)の従来手段には、d)
硬化物の熱間強度の低下が避けられないという欠点があ
る。3)の従来手段には、e)硬化物の曲げ、引張り等
の強度物性が総じて低下しやすいという欠点がある。か
かる強度低下を改善する目的で表面処理剤をコーティン
グすることや、反応性処理剤、例えばシランカプリング
剤を用いて反応性基を表面に導入すること等も行なわれ
ているが、かかる表面処理操作は極めて繁雑であり、無
機微粒子の種類によっては所望の効果が得られない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、前記した1)〜3)の従来手段における
a)〜e)の欠点である。
【0005】
【課題を解決するための手段】しかして本発明者らは上
記の課題を解決するべく鋭意研究した結果、α,β−エ
チレン性不飽和基を有する有機基で変性された特定の架
橋ポリオルガノシロキサンからなる球状粒子をラジカル
硬化性樹脂に対して所定割合で含有させることが正しく
好適であることを見出した。
【0006】すなわち本発明は、ラジカル硬化性樹脂を
硬化するに当たり、ラジカル硬化性樹脂100重量部に
対して下記の架橋ポリオルガノシロキサンからなる平均
粒子径0.1〜30μmの球状粒子を1〜300重量部
含有させることを特徴とするラジカル硬化性樹脂の硬化
収縮及びその硬化物の強度低下防止方法に係る。
【0007】架橋ポリオルガノシロキサン:下記のA群
から選ばれる1種又は2種以上のシロキサン単位と下記
のB群から選ばれる1種又は2種以上のシロキサン単位
とから主構成されており、且つA群のシロキサン単位/
B群のシロキサン単位=1/99〜30/70(モル
%)の割合で有し、また下記の式3で示されるシロキサ
ン単位、下記の式5で示されるシロキサン単位及び下記
の式6で示されるシロキサン単位から選ばれる1種又は
2種以上のシロキサン単位を合計量として全シロキサン
単位中15モル%以上有する架橋ポリオルガノシロキサ
【0008】A群;下記の式1で示されるシロキサン単
位、式2で示されるシロキサン単位及び式3で示される
シロキサン単位B群;下記の式4で示されるシロキサン
単位、式5で示されるシロキサン単位及び式6で示され
るシロキサン単位
【0009】
【式1】
【式2】
【式3】
【式4】
【式5】
【式6】
【0010】式1〜式6において、X1〜X4:ケイ素原
子に直結した炭素原子を有しており、且つα,β−エチ
レン性不飽和基を有する有機基R1〜R4:ケイ素原子に
直結した炭素原子を有する、非ラジカル重合性の、置換
又は非置換炭化水素基
【0011】本発明で用いる球状粒子は架橋ポリオルガ
ノシロキサンで形成されている。この架橋ポリオルガノ
シロキサンはα,β−エチレン性不飽和基を有する有機
基すなわちラジカル重合性の有機基で変性された架橋ポ
リオルガノシロキサンである。A群のシロキサン単位に
は式1で示されるシロキサン単位、式2で示されるシロ
キサン単位及び式3で示されるシロキサン単位が包含さ
れる。式1、式2及び式3において、X1〜X4はケイ素
原子に直結した炭素原子を有しており、且つα,β−エ
チレン性不飽和基を有する有機基である。α,β−エチ
レン性不飽和基には、メタクリロイル基、アクリロイル
基、ビニル基、アリール基、メタアリール基等がある。
かかるα,β−エチレン性不飽和基を有する有機基とし
ては、1)アクリロイルオキシプロピル基、メタクリロ
イルオキシエチル基、メタクリロイルオキシ−2−メチ
ルエチル基等の(メタ)アクリロイルオキシアルキル
基、2)ビニル基、アリール基、メタアリール基等の
α,β−エチレン性不飽和炭化水素基、3)ビニールオ
キシプロピル基、ビニールオキシ−2−メチルエチル基
等のビニールオキシアルキル基等が挙げられるが、なか
でも(メタ)アクリロイルオキシプロピル基、ビニル
基、(メタ)アリール基が有利に選択される。
【0012】式2において、R1はケイ素原子に直結し
た炭素原子を有する、非ラジカル重合性の、置換又は非
置換炭化水素基である。かかる非置換炭化水素基として
はアルキル基、シクロアルキル基、芳香族炭化水素基等
が挙げられるが、なかでもメチル基、エチル基等のアル
キル基又はフェニル基が有利に選択される。また置換炭
化水素基としては、置換基としてエポキシ基、シアノ
基、カルバミド基、アミノ基等を有する置換炭化水素基
が挙げられるが、なかでもγ−グリシドキシ基、β−
(3,4−エポキシ)シクロヘキシルエチル基等のエポ
キシ基を置換基とする炭化水素基、ウレイドプロピル
基、アミノプロピル基、N,N−ジメチルアミノプロピ
ル基、N−(アミノプロピル)アミノプロピル基等が有
利に選択される。式2で示されるシロキサン単位は非置
換炭化水素基を有するシロキサン単位と置換炭化水素基
を有するシロキサン単位とを任意の比率にすることがで
きる。
【0013】B群のシロキサン単位には、式4で示され
るシロキサン単位、式5で示されるシロキサン単位及び
式6で示されるシロキサン単位が包含される。式4及び
式5において、R2〜R4は式2のR1について前記した
ものの中から適宜に選択できるが、有利に選択できるも
のはR1の場合と同様である。
【0014】本発明で用いる球状粒子を形成する架橋ポ
リオルガノシロキサンはA群から選ばれる1種又は2種
以上のシロキサン単位とB群から選ばれる1種又は2種
以上のシロキサン単位とから主構成されており、且つA
群のシロキサン単位/B群のシロキサン単位=1/99
〜30/70(モル%)の割合で有し、また式3で示さ
れるシロキサン単位、式5で示されるシロキサン単位及
び式6で示されるシロキサン単位から選ばれる1種又は
2種以上のシロキサン単位を合計量として全シロキサン
単位中15モル%以上有する架橋ポリオルガノシロキサ
ンである。本発明で用いる球状粒子はかかる架橋ポリオ
ルガノシロキサンからなるものであって、平均粒子径が
0.1〜30μmの球状粒子、好ましくは平均粒子径が
0.3〜10μmのほぼ真球を呈する球状粒子である。
【0015】本発明で用いる球状粒子を形成する架橋ポ
リオルガノシロキサンは、加水分解によってシラノール
基を形成し得る化合物を出発原料とし、公知の水性懸濁
重合法によって製造することができる。かかる水性懸濁
重合法としては特開平4−296311に開示された方
法が適用できる。
【0016】本発明で用いる球状粒子を形成する架橋ポ
リオルガノシロキサンはA群から選ばれる1種又は2種
以上のシロキサン単位とB群から選ばれる1種又は2種
以上のシロキサン単位とで主構成されているが、主鎖の
末端に各種のシリル基が導入されたものを包含する。か
かるシリル基としては、1)トリメチルシリル基、トリ
エチルシリル基等のトリアルキルシリル基、2)グリシ
ドキシプロピル・ジメチルシリル基、ウレイドプロピル
・ジメチルシリル基等の置換基を有するアルキルシリル
基、3)メタクリロイルオキシプロピル・ジメチルシリ
ル基、ビニル・ジメチルシリル基等のα,β−エチレン
性不飽和基を有するシリル基等が挙げられるが、なかで
もトリアルキルシリル基が有利に選択できる。主鎖の末
端への前記したようなシリル基の導入は、ポリオルガノ
シロキサンの製造時、その分子量を調節する上で好都合
である。かかる末端シリル基の導入割合は全シロキサン
単位に対して通常1モル%以下とする。
【0017】本発明はラジカル硬化性樹脂を硬化させる
に当たり、前記した架橋ポリオルガノシロキサンで形成
された平均粒子径0.1〜30μmの球状粒子を含有さ
せて、該ラジカル硬化性樹脂の硬化収縮と得られる硬化
物の強度低下を防止するものである。本発明において、
球状粒子の含有割合はラジカル硬化性樹脂100重量部
に対して1〜300重量部とするが、50〜250重量
部とするのが好ましい。球状粒子は1種又は2種以上を
含有させることができるが、平均粒子径の異なる2種の
球状粒子を用いるのが好ましく、2種の球状粒子の平均
粒子径の比が3倍以上となるものを用いるのが更に好ま
しい。
【0018】本発明は用いるラジカル硬化性樹脂の種類
を特に制限するものではない。ラジカル硬化性樹脂は、
エチレン性不飽和単量体成分として、1)α,β−不飽
和ジカルボン酸とグリコール類とから得られる不飽和ポ
リエステル、2)ビスフェノール類とエピクロルヒドリ
ンとから得られるエポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸と
の反応生成物であるビニルエステル、3)ポリイソシア
ネートとヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとの
ウレタン化反応によって得られる不飽和ウレタン、4)
ポリイソシアネート、ポリオール及びヒドロキシアルキ
ル(メタ)アクリレートとのウレタン化反応によって得
られる不飽和オリゴウレタン、5)ポリオール、ポリカ
ルボン酸又は(メタ)アクリル酸とのエステル化反応に
よって得られる不飽和オリゴエステル等を含有してお
り、通常これらと共重合可能なビニル単量体、例えばス
チレン、ジビニルベンゼン、メタクリル酸メチル等で適
宜の濃度に希釈されている。
【0019】本発明において、ラジカル硬化性樹脂を硬
化させる方法としては、1)ラジカル重合開始剤を用い
て室温若しくは加熱下にラジカル硬化させる方法、2)
光重合開始剤存在下に紫外線や電子線等のエネルギー線
を用いて光硬化させる方法がある。1)のラジカル硬化
にはラジカル重合開始剤を用いる公知の方法が適用でき
る。ラジカル重合開始剤としては、過酸化ジベンゾイ
ル、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエー
ト、t−ブチルパーオキシベンゾエート、1,1−ジ−
t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロ
ヘキサン、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パー
オキシジカーボネート等が挙げられ、これらは1種又は
2種以上の混合系が使用され得る。またラジカル重合開
始剤に加えて、N,N−ジメチル−p−トルイジン、
N,N−ジメチルアニリン等の芳香族第三級アミン、オ
クテン酸コバルト、ナフテン酸コバルト等のコバルト塩
を硬化促進剤として用いることができる。
【0020】前記した2)の光硬化には、光重合開始剤
とエネルギー線を用いる公知の方法が適用できる。光重
合開始剤としては、1)ベンゾイン、α−メチルベンゾ
イン、アントラキノン、クロルアントラキノン、アセト
フェノン等のカルボニル化合物、2)ジフェニルスルフ
ィド、ジフェニルジスルフィド、ジチオジカーバメート
等のイオウ化合物、3)α−クロルメチルナフタレン、
アントラセン等の多環芳香族化合物が挙げられる。ラジ
カル硬化性樹脂に対するこれらの光重合開始剤の使用割
合は特に制限されないが、通常ラジカル硬化性樹脂10
0重量部に対し光重合開始剤が0.1〜10重量部とな
るようにする。光重合開始剤と共に、n−ブチルアミ
ン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルアミノベ
ンゼンスルホン酸ジアリルアミド、N,N−ジメチルア
ミノエチルメタクリレート等の光増感剤を用いることが
できる。またエネルギー線としては、可視光線、紫外
線、電子線等があるが、紫外線が有利に適用できる。
【0021】本発明の方法は光硬化による光学的立体造
形に適用するのが最も効果的であり、寸法精度、外観、
物性の優れた光硬化物を得ることができる。かかる光学
的立体造形に適用するにはラジカル硬化性樹脂のエチレ
ン性不飽和単量体成分として特開平4−72353、特
開平4−314715等に開示されている不飽和ウレタ
ンを用いるのが好ましい。
【0022】光学的立体造形法としては各種の方法が知
られており(特開昭56−144478、特開昭60−
247514、特開平1−204915、特開平3−4
1126等)、これには例えば、最初に硬化層を形成し
た後、該硬化層の上に未硬化の組成物を供給し、これに
エネルギー線を照射してつぎの硬化層を形成する操作を
繰り返して行ない、所望の硬化造形物を形成し、必要に
応じて更にポストキュアする方法がある。
【0023】
【実施例】試験区分1(架橋ポリオルガノシロキサンの
合成及び粒子の形成) 架橋ポリオルガノシロキサンa〜e,r−1,r−2を
次のように合成すると共に粒子を形成した。その内容を
表1に示した。 ・架橋ポリオルガノシロキサンaの合成及び粒子aの形
成 フラスコに水658ml及び28%アンモニア水8.3g
を仕込み、室温下、内容物が2層状態を保つよう緩慢に
撹拌しながら、エチルオルソシリケート6.4g(0.
031モル)、オクタメチルシクロテトラシロキサン2
4.7g(0.084モル)、メチルトリメトキシシラ
ン75.4g(0.553モル)及びγ−メタクリロキ
シプロピルトリメトキシシラン19.8g(0.08モ
ル)の混合物を1時間かけて滴下し、2層状態の溶液界
面において加水分解しつつ縮重合した。反応の進行に伴
い生成物が下層へ徐々に沈降して該下層は白濁したが、
約2時間で2層状態は消失して均一系になった。引続き
室温で2時間撹拌し、更に60℃で3時間撹拌した後、
室温まで冷却して、生成した白色微粒子を濾別した。そ
してこの白色微粒子を洗浄し、乾燥して、架橋ポリオル
ガノシロキサンaからなる粒子aを78.3g得た。こ
こで得られた架橋ポリオルガノシロキサンaからなる粒
子aは、平均粒子径が1.0μm、長径と短径との比が
1.04のほぼ真球状の微粒子であった。
【0024】・架橋ポリオルガノシロキサンbの合成及
び粒子bの形成 架橋ポリオルガノシロキサンaの合成及び粒子aの形成
と同様に、水658ml、28%アンモニア水8.3g、
エチルオルソシリケート83.4g(0.40モル)、
メチルトリメトキシシラン70.2g(0.515モ
ル)、グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン
5.5g(0.025モル)、γ−メタクリロキシプロ
ピルトリメトキシシラン12.4g(0.05モル)及
びトリメチルメトキシシラン1.0g(0.01モル)
の混合物を用いて、加水分解及び縮重合を行ない、架橋
ポリオルガノシロキサンbからなる粒子bを72.5g
得た。得られた架橋ポリオルガノシロキサンbからなる
粒子bは、平均粒子径が0.3μm、長径と短径との比
が1.01以下の真球状の微粒子であった。
【0025】・架橋ポリオルガノシロキサンcの合成及
び粒子cの形成 架橋ポリオルガノシロキサンaの合成及び粒子aの形成
と同様に、水658ml、28%アンモニア水8.3g、
エチルオルソシリケート93.8g(0.45モル)、
メチルトリメトキシシラン54.5g(0.40モル)
及びビニルトリメトキシシラン22.2g(0.15モ
ル)の混合物を用いて、加水分解及び縮重合を行ない、
架橋ポリオルガノシロキサンcからなる粒子cを10
1.0g得た。得られた架橋ポリオルガノシロキサンc
からなる粒子cは、平均粒子径が1.2μm、長径と短
径との比が1.02の真球状の微粒子であった。
【0026】・架橋ポリオルガノシロキサンdの合成及
び粒子dの形成 架橋ポリオルガノシロキサンaの合成及び粒子aの形成
と同様に、水658ml、28%アンモニア水8.3g、
ジ(メタクリロイルオキシプロピル)ジメトキシシラン
22.9g(0.067モル)及びメチルトリメトキシ
シラン126.9g(0.933モル)の混合物を用い
て、加水分解及び縮重合を行ない、架橋ポリオルガノシ
ロキサンdからなる粒子dを82.5g得た。得られた
架橋ポリオルガノシロキサンdからなる粒子dは、平均
粒子径が2.6μm、長径と短径との比が1.01の真
球状の微粒子であった。
【0027】・架橋ポリオルガノシロキサンr−1の合
成及び粒子r−1の形成 架橋ポリオルガノシロキサンaの合成及び粒子aの形成
と同様に、水658ml、28%アンモニア水8.3g及
びメチルトリメトキシシラン136.0g(1.0モ
ル)の混合物を用いて、加水分解及び縮重合を行ない、
架橋ポリオルガノシロキサンr−1からなる粒子r−1
を68.0g得た。得られた架橋ポリオルガノシロキサ
ンr−1からなる粒子r−1は、平均粒子径が1.2μ
m、長径と短径との比が1.02の真球状の微粒子であ
った。
【0028】・架橋ポリオルガノシロキサンr−2の合
成及び粒子r−2の形成 架橋ポリオルガノシロキサンaの合成及び粒子aの形成
と同様に、水658ml、28%アンモニア水8.3g、
ジメチルジメトキシシラン135.0g(0.9モ
ル)、メチルトリメトキシシラン6.8g(0.05モ
ル)及びエチルオルソシリケート6.7g(0.05モ
ル)の混合物を用いて、加水分解及び縮重合を行ない、
架橋ポリオルガノシロキサンr−2からなる粒子r−2
を68.0g得た。得られた架橋ポリオルガノシロキサ
ンr−2からなる粒子r−2は、ゴム状の不定形粒子で
あった。
【0029】
【表1】
【0030】表1において、 A/B:A群のシロキサン単位/B群のシロキサン単位
(モル%) A−1〜A−4:それぞれ下記の式7〜式10で示され
るシロキサン単位 B−1〜B−4:それぞれ下記の式11〜式14で示さ
れるシロキサン単位 C−1:下記の式15で示される末端シリル基
【0031】
【式7】
【式8】
【式9】
【式10】
【式11】
【式12】
【式13】
【式14】
【式15】
【0032】試験区分2(ラジカル硬化性樹脂組成物の
調製及びそれを用いた光学的立体造形法による硬化物の
製造並びにその評価) ・ラジカル硬化性樹脂組成物の調製 使用材料として下記に示したラジカル硬化性樹脂100
重量部及び光重合開始剤5重量部、並びに加える場合の
架橋ポリオルガノシロキサンからなる粒子、その他の粒
子又は熱可塑性高分子を表2又は表3に示した割合で混
合用容器にとり、ペイントシェーカーを用いて均一とな
るまで撹拌混合して、ラジカル硬化性樹脂組成物を調製
した。尚、熱可塑性高分子を加える場合には、表3に示
した割合でラジカル硬化性樹脂100重量部に予め均一
溶解しておいたものを使用した。
【0033】・・使用材料 ラジカル硬化性樹脂:グリセリンモノアクリレート・モ
ノメタクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト/トリレンジイソシアネート=1/1/1(モル比)
で反応させて得られる不飽和ウレタン60部をトリエト
キシル化トリメチロールプロパントリアクリレート40
部に溶解させた不飽和ウレタン樹脂光重合開始剤:1−
ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名イル
ガキュア184、チバガイギー社製) 架橋ポリオルガノシロキサンからなる粒子:表2に示し
たものを使用した その他の粒子:表3に示したものを使用した 熱可塑性高分子:表3に示したものを使用した
【0034】・硬化物の製造とその評価 上記で調製したラジカル硬化性樹脂組成物を充填した容
器を装着の三次元NCテーブル及びヘリウム・カドミウ
ムレーザー光(波長3250オングストローム)制御シ
ステムで主構成された光学的立体造形装置を用い、ラジ
カル硬化性樹脂組成物の表面に対し垂直方向から集束さ
れたヘリウム・カドミウムレーザー光を照射して、直径
150mm×厚さ10mmの円板を造形した。そして造形し
た円板を長さ127mm×幅12.7mmにダイヤモンドカ
ッターを用いて切断し、試験片を作製した。この試験片
について、下記の方法で硬化収縮率、熱変形温度、曲げ
強度及び引張り強度を測定した。その結果を表2及び表
3に示した。
【0035】・・硬化収縮率:試験片の密度D1及び造
形に用いたラジカル硬化性樹脂の密度D2を測定し、下
記の式で硬化収縮率を算出した 硬化収縮率(%)=[(1/D2)−(1/D1)/(1
/D2)]×100 ・・熱変形温度:JIS−K6919に準じて測定した ・・曲げ強度:JIS−K6919に準じて測定した ・・引張り強度:JIS−K6919に準じて測定した
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】表2及び表3において、 使用量:重量部 a〜d、r−1、r−2:試験区分1で合成したポリオ
ルガノシロキサン *1:シリカ微粒子(平均粒子径1.2μm) *2:スチレン−ジビニルベンゼン共重合架橋高分子 *3:ポリイソブチルメタクリレート(平均分子量約5
0000) *4:ポリプロピレンアジペート(平均分子量約550
0)
【0039】試験区分3(キャスト成形法による硬化物
の製造とその評価) ・ラジカル硬化性樹脂組成物の調製 使用材料として下記に示したラジカル硬化性樹脂100
重量部、ラジカル開始剤1重量部及び硬化促進剤0.0
075重量部を用いた他は試験区分2の場合と同様の方
法で表4に示した割合のラジカル硬化性樹脂組成物を調
製した。
【0040】・・使用材料 ラジカル硬化性樹脂:プロピレングリコールと無水マレ
イン酸とを反応させて得られる不飽和ポリエステル(酸
価31)100部にハイドロキノン0.01部とスチレ
ン50部を加えて溶解した不飽和ポリエステル樹脂 ラジカル開始剤:メチルエチルケトンパーオキサイド 硬化促進剤:ナフテン酸コバルト 架橋ポリオルガノシロキサンからなる粒子:表4に示し
たものを使用した その他の微粒子:表4に示したものを使用した 熱可塑性高分子:表4に示したものを使用した
【0041】・硬化物の製造とその評価 上記で調製したラジカル硬化性樹脂組成物を、厚さ5mm
のガラス板(25cm×25cm)2枚で外径5mmのポリエ
チレンチューブを挟み、3mmのクリアランスを有する注
型槽に流し込み、該注型槽を35℃の恒温槽中で2時間
保持して硬化物を得た。この硬化物を注型槽から取り出
し、更に80℃で12時間ポストキュアを行なった。こ
こで得られた硬化物を下記の試験に供した。結果を表4
に示した。
【0042】・・硬化物の外観:反りやクラックの程度
を肉眼観察し、下記の基準で判定した。 ◎;クラックや反りが全く認められない ○;クラックや反りが殆どない △;クラックや反りが僅かに認められる ×;クラックや反りが多い ・・熱変形温度、曲げ強度及び引張り強度:試験区分2
で示した方法によった
【0043】
【表4】
【0044】表4において、 使用量:重量部 a〜d、r−1、r−2、*1〜*4:表2及び表3と
同じ *5:炭酸カルシウム(平均粒子径2μm、商品名S−
Lite1200、日東粉化工業社製)
【0045】
【発明の効果】既に明らかなように、以上説明した本発
明には、ラジカル硬化性樹脂の硬化時の収縮及び得られ
る硬化物の強度低下を防止できるという効果がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 1/00 - 101/16

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラジカル硬化性樹脂を硬化するに当た
    り、ラジカル硬化性樹脂100重量部に対して下記の架
    橋ポリオルガノシロキサンからなる平均粒子径0.1〜
    30μmの球状粒子を1〜300重量部含有させること
    を特徴とするラジカル硬化性樹脂の硬化収縮及びその硬
    化物の強度低下防止方法。架橋ポリオルガノシロキサ
    ン:下記のA群から選ばれる1種又は2種以上のシロキ
    サン単位と下記のB群から選ばれる1種又は2種以上の
    シロキサン単位とから主構成されており、且つA群のシ
    ロキサン単位/B群のシロキサン単位=1/99〜30
    /70(モル%)の割合で有し、また下記の式3で示さ
    れるシロキサン単位、下記の式5で示されるシロキサン
    単位及び下記の式6で示されるシロキサン単位から選ば
    れる1種又は2種以上のシロキサン単位を合計量として
    全シロキサン単位中15モル%以上有する架橋ポリオル
    ガノシロキサン A群;下記の式1で示されるシロキサン単位、式2で示
    されるシロキサン単位及び式3で示されるシロキサン単
    位 B群;下記の式4で示されるシロキサン単位、式5で示
    されるシロキサン単位及び式6で示されるシロキサン単
    位 【式1】 【式2】 【式3】 【式4】 【式5】 【式6】 式1〜式6において、 X1〜X4:ケイ素原子に直結した炭素原子を有してお
    り、且つα,β−エチレン性不飽和基を有する有機基 R1〜R4:ケイ素原子に直結した炭素原子を有する、非
    ラジカル重合性の、置換又は非置換炭化水素基
  2. 【請求項2】 球状粒子が平均粒子径0.3〜10μm
    のものである請求項1記載のラジカル硬化性樹脂の硬化
    収縮及びその硬化物の強度低下防止方法。
  3. 【請求項3】 ラジカル硬化性樹脂が不飽和ポリエステ
    ル、不飽和オリゴエステル、不飽和ウレタン及び不飽和
    オリゴウレタンから選ばれる1種又は2種以上のエチレ
    ン性不飽和単量体成分を含有するものである請求項1又
    は2記載のラジカル硬化性樹脂の硬化収縮及びその硬化
    物の強度低下防止方法。
  4. 【請求項4】 硬化方法が光硬化方法である請求項1、
    2又は3記載のラジカル硬化性樹脂の硬化収縮及びその
    硬化物の強度低下防止方法。
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