JP3413023B2 - 架線の状態監視装置 - Google Patents

架線の状態監視装置

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JP3413023B2
JP3413023B2 JP21697896A JP21697896A JP3413023B2 JP 3413023 B2 JP3413023 B2 JP 3413023B2 JP 21697896 A JP21697896 A JP 21697896A JP 21697896 A JP21697896 A JP 21697896A JP 3413023 B2 JP3413023 B2 JP 3413023B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、列車用架線の状態
を監視する架線の状態監視装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、列車の架線の検査は保線員の巡
視点検により行われている。そのため、列車の架線の検
査には多大な労力を要しており、自動で架線の検査を行
うことが要望されている。そこで、例えば、試験車両の
屋根に架線の状態を監視するためのカメラを設置して、
その試験車両の走行線路の架線の摩耗を測定するような
ことが工夫されている。これは、試験車両が走行する線
路の架線を自ら検査するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、試験車両は自
らが走行している線路の架線を監視するものであるの
で、低速走行とならざるを得ず、深夜などの営業運転外
の時間帯に実施するところとなっている。これは、架線
の弛みや異物の絡みつきのような異変があったり、架線
のクロス点で高さや張り方の調整不良があると、測定以
前に試験車両のパンタグラフが架線を引っかけて、その
パンタグラフまたは架線を破損することもあり得るから
である。つまり、異変を試験車両の通過前に発見し処置
することは不可能に近いケースとされている。このよう
に架線の検査に対する労力や能率の面からも満足できる
ものとは言えなかった。
【0004】また、その検査の周期は日単位や月単位く
らいにしかならないため、営業運転中に発生した架線の
異変は、直接、列車運行の障害となる可能性がある。も
し、運行列車のパンタグラフが使用不能になると、その
列車の除去や後続列車の待機などで、長時間の運休が発
生することにもなる。
【0005】本発明の目的は、短周期で列車の架線を自
動検査し、突発性の架線の弛みや異物の絡みつきのよう
な異変を検出することができる架線の状態監視装置を得
ることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、列車
の屋根に搭載されその列車の走行する複線の反対車線の
架線の状態を撮像するカメラと、カメラからの撮像に基
づいて反対車線の架線の状態を監視し架線の異変を検出
する処理装置と、処理装置での架線の監視状態を表示出
力する画像出力装置と、列車の走行する複線の線路情報
を予め記憶するための記憶装置と、処理装置での架線の
監視状態を地上局に送信する無線送信装置とを列車に備
えたものである。
【0007】請求項1の発明では、列車の屋根に搭載さ
れたカメラでその列車の走行する複線の反対車線の架線
の状態を撮像し、処理装置はカメラからの撮像及び記憶
装置の複線の線路情報に基づいて反対車線の架線の状態
を監視し架線の異変を検出する。そして、その処理装置
での架線の監視状態は画像出力装置に表示出力される。
また、処理装置での架線の監視状態は、無線送信装置に
て地上局に送信される。
【0008】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、架線の同一監視点を同時に撮像する複数台のカメラ
を設け、処理装置は複数台のカメラからの撮像を多重化
処理するようにしたものである。
【0009】請求項2の発明では、請求項1の発明の作
用に加え、複数台のカメラで架線の同一監視点を同時に
撮像し、処理装置では複数台のカメラからの撮像を多重
化処理して架線の撮像に信頼性を持たせる。
【0010】請求項3の発明は、請求項1又は請求項2
の発明において、処理装置は、記憶装置に記憶した複線
の線路情報に基づいてカメラの仰角を制御し架線を撮像
するようにしたものである。
【0011】請求項3の発明では、請求項1又は請求項
2の発明の作用に加え、架線を撮像に際し、処理装置
は、正常状態での架線位置を記憶装置に記憶した複線の
線路情報に基づいて算出し、カメラの仰角をその架線位
置になるように制御する。
【0012】請求項4の発明は、請求項1の発明におい
て、複数台のカメラを列車の進行方向に直列に間隔を保
って配置し、先頭カメラでは架線の監視点の点画像の異
変をトリガーとして捉え、次のカメラではそのトリガー
を受けて監視点の高さ方向の画像を撮像し、その次のカ
メラでは監視点の長さ方向の画像を撮像するようにした
ものである。
【0013】請求項4の発明では、請求項1の発明の作
用に加え、列車の進行方向に直列に間隔を保って配置さ
れた複数台のカメラのうち、先頭カメラでは架線の監視
点の点画像の異変をトリガーとして捉える。点画像の異
変が検出されたときはその詳細を撮像するべく、次のカ
メラではそのトリガーを受けて監視点の高さ方向の画像
を撮像し、その次のカメラでは監視点の長さ方向の画像
を撮像する。
【0014】請求項5の発明は、請求項1の発明におい
て、処理装置は、カメラで撮像した架線の画像が、所定
位置からずれていることをそのずれの大きさで、欠損し
ていることをその欠損の長さで、それぞれ判定し、架線
の異変の異常レベルを判定するようにしたものである。
【0015】請求項5の発明では、請求項1の発明の作
用に加え、架線の異変の異常レベルの判定は、処理装置
にて、カメラで撮像した架線の画像の所定位置からのず
れの程度、架線の画像の欠損の程度により判定する。
【0016】請求項6の発明は、請求項1の発明におい
て、記憶装置は、複線の線路情報に加えて、処理装置が
検出した架線の異変をその種類毎に仕分けして記憶する
ようにしたものである。
【0017】請求項6の発明では、請求項1の発明の作
用に加え、処理装置が検出した架線の異変は、その種類
毎に仕分けされて記憶装置に記憶される。
【0018】請求項7の発明は、請求項1の発明の作用
に加え、画像出力装置は、処理装置での架線の監視状態
を列車の走行距離に対応させてオンラインでトレンド表
示するようにしたものである。
【0019】請求項7の発明では、請求項1の発明の作
用に加え、処理装置での架線の監視状態は、列車の走行
距離に対応させてオンラインで画像出力装置にトレンド
表示される。
【0020】請求項8の発明は、請求項1の発明におい
て、列車の無線送信装置からの監視状態を受信する無線
受信装置と、無線受信装置で受信した架線の監視状態を
監視する監視装置と、処置の必要な架線の異変を検出し
たときは列車保安制御系にその旨を送信する信号通信装
置とを地上局に備えたものである。
【0021】請求項8の発明では、請求項1の発明の作
用に加え、列車の無線送信装置から送信されてきた架線
の監視状態は地上局の無線受信装置で受信され、地上局
の監視装置でその架線の監視状態を監視する。そして、
処置の必要な架線の異変である場合には、信号通信装置
にて列車保安制御系にその旨を送信する。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。図1は本発明の実施の形態を示す構成図である。
まず、本発明では監視対象が架線という本来真っ直ぐ
で、位置関係も恒常的に固定されているという条件を利
用する。すなわち、列車の屋根にカメラを搭載し、その
カメラにて撮像される架線の画像を処理して行う。これ
は、架線の監視点のポインターの直線的追跡という単純
な処理で行うことができるからである。また、複線区間
で走行する一方の列車から反対車線の架線の状態を監視
する。これにより、動く列車を利用した移動式の架線の
状態監視が実現する。これに用いる列車は試験車両とは
限らず、営業列車のいくつかにも配備し、短周期での自
動検査を可能とする。
【0023】図1において、複線区間の架線1のうちの
一方を監視対象とし、その監視対象となった架線1の反
対車線に列車2を走行させる。その列車2の屋根には反
対車線の架線1を撮像するためのカメラ3を搭載する。
カメラ3としてはCCD式または赤外線式カメラを使用
する。
【0024】列車2の走行により撮像された反対車線の
架線1の状態は、連続的に処理装置4に入力される。処
置装置4では入力される撮像のうち架線の位置する部分
を所定の周期で読み取る。これは、架線の監視点のポイ
ンターの直線的追跡という処理を行うためである。図1
では架線1のa点を読み取る場合を示している。
【0025】すなわち、処理装置4は、記憶装置5に予
め記憶されている複線の線路情報、距離計測装置6で計
測された列車2の走行距離、及び速度検出装置7で検出
された列車2の走行速度に基づいて、反対車線の各地点
における正常状態の架線位置(a点)を演算し、その正
常状態の架線位置に対応するカメラ3より入力される撮
像部分を所定の周期で読み込む。
【0026】もし、架線の点画像が読み込めなかったと
きは、架線が弛んでいるか欠損しているか等であり、架
線に異変が発生している可能性がある。一方、所定の周
期で架線1の点画像が切れ目なく読み込めるときは、架
線1は正常状態であると判断できる。このように、処理
装置4は架線1の撮像画像の特徴である長さ方向に切れ
目のない線状の物体であることを認識できる画像を抽出
する。
【0027】そして、この処理装置4での架線1の監視
状態は画像出力装置8に表示出力される。画像出力装置
8において、得られた画像が曲がっていたり、切れ目が
あったときには、運転員は架線1に異変があると認識す
ることになる。この一連の処理機能によって、架線1の
弛みや異物の絡みつきのような異変を検知することがで
きる。ついでに、パンタグラフによる架線1の押上りと
その後の自由振動、あるいはパンタグラフの離線が観測
されれば、架線1の総合的な監視を行えることになり信
頼性が向上する。
【0028】一方、処理装置4での架線1の監視状態
は、無線送信装置9にて地上局10にも送信される。列
車2の無線送信装置9から送信されてきた架線1の監視
状態は、地上局10の無線受信装置11で受信され、地
上局10の監視装置12でその架線1の監視状態を監視
する。そして、処置の必要な架線の異変である場合に
は、信号通信装置13にて列車保安制御系にその旨を送
信する。つまり、地上局10では列車2から得られた異
変情報を監視装置12で監視するとともに、既存の信号
保安制御系の信号通信装置13にその異変情報を伝え
る。これにより、異変の発生した架線1に列車が突入す
ることを防止することができる。
【0029】次に、列車2の屋根に設けるカメラ3を多
重化することも可能である。図2に、カメラ3を3重化
した場合のものを示している。3台のカメラ3a、3
b、3cは列車2の屋根のそれぞれ別の位置に設置され
ている。この3台のカメラ3は架線1の同一監視点aを
同時に撮像する。処理装置4ではこれら3台のカメラ3
a、3b、3cからの撮像を多重化処理して架線1の撮
像に信頼性を持たせる。
【0030】すなわち、列車2の屋根に3台のカメラ3
a、3b、3cを位置と向きをずらして設置し、架線1
の同一監視点aを同時に撮像する。カメラ3a、3b、
3cは天候やレンズの曇りなどで信頼性が低下するの
で、たとえ1台のカメラ3が撮影不能になっても、他の
2台で状態監視を継続させる。これにより、信頼性を高
めることができる。また、カメラ3の位置と向きをずら
しているので、一時的に2台までのカメラ3に鳥などの
視界を遮るものが侵入してきても、残り1台で所望の画
像を得ることができる。このように、多重化処理として
は、多数決やOR条件成立を考慮して状態監視の信頼性
を高め、天候や架線1の背景色との関係でカメラの画質
が鮮明でない場合に対処できるようにしている。
【0031】次に、この実施の形態ではカメラの仰角を
制御できるようにしている。図3はその説明図である。
カメラ2の仰角θは架線1までの高さhと水平距離rと
で決まる。そして、それらの関係は、tanθ=h/r
で規定される。したがって、予め設計図または実測によ
り求められた複線の線路情報、例えば、複線間の線路間
隔、路面の高さ、及び路面の傾きをデータベースとして
記憶装置5に記憶させておき、処理装置4はその複線の
線路情報及び距離計測装置6からの走行距離計測値か
ら、該当するデータを引き出して監視点aの高さhと水
平距離rを求め、カメラ3の仰角θを算出する。そし
て、カメラ3のこの仰角を制御する機機に対し、処理装
置4はその仰角制御指令を出力することになる。
【0032】このように、処理装置4は架線の撮像に際
し、架線が正常状態であるときの架線位置を記憶装置5
に記憶した複線の線路情報に基づいて算出し、カメラ3
の仰角をその架線位置になるように制御する。つまり、
複線間の線路間隔、路面高さおよび路面の傾きをパラメ
ータとして、架線の撮像位置を撮像スコープ内の所定位
置にもってくるようにカメラ3の仰角を制御する。
【0033】次に、図4に示すように、3台のカメラ3
A、3B、3Cを列車の進行方向にしたがって直列に設
け、先頭のカメラ3Aで架線1の異変を検出し、その次
の2台のカメラ3B、3Cでその異変の詳細を撮像する
ようにしてもよい。すなわち、3台のカメラ3A、3
B、3Cを列車2の進行方向に直列に間隔を保って配置
し、先頭カメラ3Aでは架線1の監視点aの点画像の異
変をトリガーとして捉え、次のカメラ3Bではそのトリ
ガーを受けて監視点aの高さ方向の画像を撮像し、その
次のカメラ3Cでは監視点aの長さ方向の画像を撮像す
る。
【0034】図4において、列車2の屋根上に列車2の
進行方向に直列に3台のカメラ3A、3B、3Cを設け
る。そして、図4(a)に示すように、先頭カメラ3
(a)は列車2が高速になっても監視点aが所定の位置
にあることだけは見逃さないように必要最小限の点画像
の処理を行う。
【0035】そして、先頭カメラ3Aが異変をトリガー
として検知した場合には、図4(b)に示すように、列
車2の走行により監視点aが相対的に移動して次のカメ
ラ3Bの監視範囲に入るタイミングで高さ方向の画像を
撮像する。次のカメラ3Bの監視範囲に入るタイミング
は、速度検出装置7から得られる列車2の走行速度から
処理装置4にて求められる。同様に、図4(c)に示す
ように、その次のカメラ3Cもその監視タイミングを合
わせて長さ方向の画像を撮像する。
【0036】こうすることで、カメラ3Aによる異変の
トリガーがない限り、カメラ3B、3Cに対する画像処
理が不要となる。したがって、処理内容を時間的に無理
なく充実させることができ、その異変が一時的な障害物
によるものか、架線1に異変が起きたのかを確度よく見
分けることができる。つまり、画像として異変がなけれ
ば、一時的な障害物と判断する。
【0037】図5は、図4に示した3台のカメラ3A、
3B、3Cで撮像した架線1の画像が、所定位置からず
れていることをそのずれの大きさで、あるいは欠損して
いることをその欠損の長さで、それぞれ架線1の異変の
異常レベルを判定する場合の説明図である。
【0038】図5において、横軸xは架線1の長さ方向
の撮像位置を示し、縦軸yは、架線1の高さ方向の撮像
位置を示す。図4の各々のカメラ3A、3B、3Cで撮
像された架線1の点画像p、高さ方向の画像r及び長さ
方向の画像qが異変の判定のしきい値枠mの内外いずれ
にあるかを処理装置4で判定する。
【0039】まず、先頭カメラ3Aで撮像された点画像
pは、しきい値枠mの範囲外にあるので、処理装置4は
カメラ3B及びカメラ3Cに対し高さ方向及び長さ方向
の撮像を指示する。図5に示すように、カメラ3Bで撮
像された画像はしきい値枠mの範囲内にあるので、架線
1の高さ方向には異常はないと判断する。一方、カメラ
3Cで撮像された画像はしきい値枠mを逸脱しているの
で、長さ方向に異常があると判断する。
【0040】つまり、カメラ3A、3B、3cで撮像し
た架線1の画像が、所定位置からずれていることをその
ずれの大きさで、あるいは欠損していることをその欠損
の長さでそれぞれ判定する。カメラ3Aでの点画像pは
しきい値枠mを外れているので、異変が存在することを
検出していることになる。そして、カメラ3Bでの画像
rはしきい値枠mの範囲内であるので、架線1が一時的
に振動して上下したものであり、高さ方向の異常はない
と判定する。そして、カメラ3Cで撮像した長さ方向の
画像はしきい値枠mを逸脱しているので、例えば架線1
の欠損が発生していると判定する。もし、長さ方向の画
像もしきい値枠m内に入っている場合は障害物(例えば
支柱や鳥等)の影響で長さ方向の画像が決心したものと
判断し異常はないと判定する。
【0041】ここで、しきい値の決め方は、列車走行や
風の影響に伴う揺れの範囲を越えたものというのが基本
的考え方であり、架線1の設置基準である普通鉄道構造
規則が数値的根拠となる。その他に、走行キロ程の距離
誤差など、諸々の計測誤差も考慮に入れて定められる。
【0042】次に、図6は記憶装置5に記憶されるデー
タベースの説明図である。図6に示すように、記憶装置
5には、複線の線路情報14に加えて、処理装置4が検
出した架線の異変情報15がその種類毎に仕分けして記
憶される。
【0043】処理装置4での状態監視で得られた画像デ
ータはデータベースとして記憶装置5に収録して再利用
を可能とする。画像データのロケーンョンとしての日
付、路線、走行キロ程ごとに記憶エリアを確保し、異変
情報15に関する検索用キーワードとして、高さ方向の
異変16、長さ方向の異変17、障害物による見かけ上
の異変18に分けて検索できるようにして、異変の形状
にどのようなものがあるか、履歴を積み重ねて傾向を把
握する。つまり、撮像された画像をしきい値枠mからの
ずれの大きさ、欠損の長さなどの異常の特徴ごとに仕分
けして記憶させ、新たに計測された異常が既に記憶され
ているどの異常に類似する異常であるかの判定に資す
る。
【0044】特異な画像の例として、反対車線の列車と
離合したときに、パンタグラフの摺動火花が観測される
かも知れない。これは障害物による異変18に記憶され
るが、集電性能を見るデータとしての利用も可能であ
る。
【0045】次に、図7は、カメラ3で撮像された架線
1の位置情報を画像出力装置8の状態監視画面上に軌跡
として描くトレンド表示するようにしたものであり、走
行キロ程のどの位置で異変が発生しているかをオンライ
ンで監視できるようにする。
【0046】図7において、横軸uは走行キロ程を示
し、縦軸vは架線1の監視点aの高さ方向の軌跡と画像
として異変と判断された箇所のマーキングbを示す。ま
た、駅やトンネルで監視不能になったところは、軌跡が
途切れて表示される。異変の判定用基線として、正常状
態時の中心線t0と普通鉄道構造規則を数値的根拠とし
た上下限線tu、tdが描かれているので、直ちに異変
を読みとることができる。
【0047】次に、図8は本発明の実施の形態における
架線の状態監視装置の処理動作を示すフローチャートで
ある。まず、架線の状態監視装置を構成する各装置をス
タンバイさせる(S1)。そして、列車2を走行させて
架線1の監視を開始すると共に(S2)、記憶装置5の
複線の線路情報(データベース)を参照してカメラ3の
仰角を制御する(S3)。
【0048】架線1の監視は、図4に示した要領で、ま
ず架線1に異変があるか否かを判定する(S4)。その
判定で異変があると判定されたときは、図5に示した要
領で、その異変はしきい値枠を超えているか否かを判定
する(S5)。その異変がしきい値枠を超えていないと
きは、障害物による見かけ上の異変18としてその旨を
記憶装置5に記憶し(S6)、その撮像を画像出力装置
8に表示する(S7)。一方、ステップ4での判定で、
異常でないと判定されたときは、その撮像した画像を画
像出力装置8に表示出力する(S7)。そして、架線1
の監視中であるか否かを確認して(S8)、架線1の監
視中であるときは一定の時間だけ遅延してステップS4
に戻る。
【0049】一方、ステップS5の判定で、検出された
異変がしきい値枠を超えているときはその異変(高さ方
向の異変、長さ方向の異変)を記憶装置5の異変情報1
5に記憶する(S9)。そして、その異常の位置を確認
し信号保安系へ通報する(S10)と共に、その旨を画
像出力装置8に表示出力する(S7)。そして、架線1
の監視中であるか否かを確認して(S8)、架線1の監
視中であるときは一定の時間だけ遅延してステップS4
に戻り、ステップS4からステップS8の処理動作を繰
り返し行う。ステップ8の判定で、架線1の監視が終了
したと判定されたときは列車2を停止し監視を終了する
(S11)。
【0050】このように、複線の反対車線を始発から終
着までの間でその架線状態を撮像し、撮像された画像か
ら得られる異変情報を速やかに処置し、異変の形態別に
分類してデータベース化も進める。そして、処置の必要
な異変を検出したときは、信号保安系にて反対車線を走
行中の列車に緊急停止の赤信号又は徐行運転の黄信号を
伝達する。これにより、架線の異変箇所に列車が突入す
ることを禾然に防止することができる。
【0051】ここで、列車の屋根にカメラ3を設けた場
合には、駅構内や上下線で別々に分かれたトンネルなど
では架線の状態監視を行うことはできないので、カメラ
3を地上側の数ヶ所に取り付けて、カメラ3の首振り制
御やカメラ移動のためのガイドレールを設置することも
考えられる。そうした場合には、必要な監視領域を確保
することができるので、監視の範囲が広がり信頼性が向
上する。
【0052】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、架
線を短周期で自動検査することが可能となり、検査結果
から即時に架線の弛みや異物の絡みつきのような異変を
判定することができる。また、反対車線を走行する列車
へ異変を通報することができるので、当該列車が架線の
異変箇所に突入することを阻止して列車の運行障害やパ
ンタグラフ破損を未然に防止することができる。
【0053】また、例えば、地震後に架線や線路の状態
確認を行う場合においても、復旧した線路を走行する列
車に対して、反対車線の架線の状態監視を分担して行う
ようにすれば、ダイヤの復旧はかなり早くなると考えら
れる。
【0054】また、撮像した架線の太さや形状をオフラ
インで再生して調査できるので、架線の摩耗監視の目的
のためにも役立つ。架線の張り具合やパンタグラフの離
線状況の全線に亘るデータが収録されていれば、摩耗の
程度との関係を明らかにできる。異変がありそうな箇所
は、架線の支持金具や碍子の状態も、カメラのスコープ
やズーム機能を活用することで容易に観測できる。全線
の摩耗調査は多大な労力を費やすが、こうして本発明を
活用することで労力の大部分を省くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施の形態を示す構成図であ
る。
【図2】図2は、本発明の実施の形態におけるカメラを
3重化した場合の3台のカメラの配置を示す説明図であ
る。
【図3】図3は、本発明の実施の形態におけるカメラの
仰角制御の説明図である。
【図4】図4は、本発明の実施の形態での異変の詳細を
撮像する際の説明図であり、図4(a)は先頭カメラ3
Aが監視点aをとらえたタイミングの説明図、図4
(b)は次のカメラ3Bが監視点aをとらえたタイミン
グの説明図、図4(c)はその次にカメラ3Cが監視点
aをとらえたタイミングの説明図である。
【図5】図5は、本発明の実施の形態での異変の異常レ
ベルを判定する場合の説明図である。
【図6】図6は、本発明の実施の形態での記憶装置に記
憶されるデータベースの説明図である。
【図7】図7は、本発明の実施の形態での画像出力装置
に表示される架線の軌跡表示の説明図である。
【図8】図8は本発明の実施の形態における架線の状態
監視装置の処理動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 架線 2 列車 3 カメラ 4 処理装置 5 記憶装置 6 距離計測装置 7 速度検出装置 8 画像出力装置 9 無線送信装置 10 地上局 11 無線受信装置 12 監視装置 13 信号通信装置 14 複線の線路情報 15 異変情報 16 高さ方向の異変 17 長さ方向の異変 18 障害物により見かけ上の異変

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 列車の屋根に搭載されその列車の走行す
    る複線の反対車線の架線の状態を撮像するカメラと、前
    記カメラからの撮像に基づいて前記反対車線の架線の状
    態を監視し前記架線の異変を検出する処理装置と、前記
    処理装置での前記架線の監視状態を表示出力する画像出
    力装置と、前記列車の走行する複線の線路情報を予め記
    憶するための記憶装置と、前記処理装置での前記架線の
    監視状態を地上局に送信する無線送信装置とを前記列車
    に備えたことを特徴とする架線の状態監視装置。
  2. 【請求項2】 前記架線の同一監視点を同時に撮像する
    複数台のカメラを設け、前記処理装置は前記複数台のカ
    メラからの撮像を多重化処理するようにしたことを特徴
    とする請求項1に記載の架線の状態監視装置。
  3. 【請求項3】 前記処理装置は、前記記憶装置に記憶し
    た複線の線路情報に基づいて前記カメラの仰角を制御し
    前記架線を撮像するようにしたことを特徴とする請求項
    1又は請求項2に記載の架線の状態監視装置。
  4. 【請求項4】 複数台の前記カメラを列車の進行方向に
    直列に間隔を保って配置し、先頭カメラでは前記架線の
    監視点の点画像の異変をトリガーとして捉え、次のカメ
    ラではそのトリガーを受けて前記監視点の高さ方向の画
    像を撮像し、その次のカメラでは前記監視点の長さ方向
    の画像を撮像するようにしたことを特徴とする請求項1
    に記載の架線の状態監視装置。
  5. 【請求項5】 前記処理装置は、前記カメラで撮像した
    架線の画像が、所定位置からずれていることをそのずれ
    の大きさで、欠損していることをその欠損の長さで、そ
    れぞれ判定し、架線の異変の異常レベルを判定するよう
    にしたことを特徴とする請求項1に記載の架線の状態監
    視装置。
  6. 【請求項6】 前記記憶装置は、前記複線の線路情報に
    加えて、前記処理装置が検出した前記架線の異変をその
    種類毎に仕分けして記憶するようにしたことを特徴とす
    る請求項1に記載の架線の状態監視装置。
  7. 【請求項7】 前記画像出力装置は、前記処理装置での
    前記架線の監視状態を前記列車の走行距離に対応させて
    オンラインでトレンド表示するようにしたことを特徴と
    する請求項1に記載の架線の状態監視装置。
  8. 【請求項8】 前記地上局は、前記列車の無線送信装置
    からの監視状態を受信する無線受信装置と、前記無線受
    信装置で受信した前記架線の監視状態を監視する監視装
    置と、処置の必要な前記架線の異変を検出したときは列
    車保安制御系にその旨を送信する信号通信装置とを備え
    たことを特徴とする請求項1に記載の架線の状態監視装
    置。
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