JP3412226B2 - 音声復号装置 - Google Patents

音声復号装置

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JP3412226B2
JP3412226B2 JP01718194A JP1718194A JP3412226B2 JP 3412226 B2 JP3412226 B2 JP 3412226B2 JP 01718194 A JP01718194 A JP 01718194A JP 1718194 A JP1718194 A JP 1718194A JP 3412226 B2 JP3412226 B2 JP 3412226B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ディジタル移動通信な
どを利用し、国際電話諮問委員会勧告G.721に規定
される適応差分パルス符号変調(以下、ADPCMと略
称する)方式の音声符号化による伝送符号を復号する音
声復号装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図3は、従来の音声復号装置の構成を示
すブロック図である。
【0003】図3において、音声復号装置20は、送信
機側からの所定の一定間長の音声符号を多重化した伝送
符号の誤りを検出するための誤り検出器21と、伝送符
号を復号するためのADPCM復号器22を有する。さ
らに、この音声復号装置20は、誤り検出器21で誤り
を検出した時に、出力データにおける振幅が「0」にな
るような誤り時データ23が供給されるとともに、AD
PCM復号器22からの復号信号または誤り時データ2
3を選択して出力データとして送出する選択スイッチ2
4を有する。
【0004】次に、上記従来例の動作について説明す
る。送信機側では、所定の一定間長の音声符号を多重化
した伝送符号を生成して送出する。受信機側の音声復号
装置20では、送信側から伝送された伝送符号ごとに誤
りが検出されたかどうか否かを誤り検出器21で判断し
て選択スイッチ24を切り替える。この誤り検出器21
で誤りを検出しない場合には、受信した伝送符号をAD
PCM復号器22で復号し、この復号信号を選択スイッ
チ24を通じて出力データとして送出する。また、誤り
検出器22が誤りを検出した場合は、この誤りが検出さ
れた伝送符号を復号せずに、出力データにおける振幅が
「0」になるような誤り時データ23を選択スイッチ2
4を通じて出力する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の音声復号装置では、誤り検出器21で誤りを検出し
た場合、正常な音声を誤りとして検出してしまう誤検出
があるため、聴感上の音声品質が劣化するという問題が
ある。また、誤り検出器21で誤りを検出した場合、出
力データにおける振幅を「0」にしているため、以降の
装置で音声出力を行う場合に、音声に途切れが生じると
いう問題がある。
【0006】本発明は、このような従来の問題を解決す
るものであり、異音である可能性が高い部分を検出し、
誤り検出と組み合わせて処理することにより、復号での
異音の発生またはデータ途切れが少なくなり、音声の連
続性がスムーズになり、聴感上での音声品質を向上でき
る優れた音声復号装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の音声復号装置は、誤り検出符号および音声
符号を有する伝送符号を復号する際の誤りを検出する誤
り検出手段と、前記伝送符号を復号する復号手段と、過
去に出力された音声信号を蓄積するデータ蓄積手段と、
現時点で復号された音声信号の異音を検出する異音検出
手段と、現時点での復号された音声信号と相関の高い過
去に出力された音声信号の振幅を抑圧するサプレス手段
と、前記復号手段またはサプレス手段からの復号信号ま
たは前記抑圧された音声信号を選択して出力する選択手
段とを備え、前記誤り検出手段により誤りが検出され、
かつ前記異音検出手段により異音が検出されたときは前
記サプレス手段からの抑圧された音声信号を出力する。
【0008】また、請求項2の発明は、異音検出手段
が、前記異音検出手段は、前記復号手段から復号された
現時点での音声信号の振幅と前記データ蓄積手段で蓄積
された過去に出力された音声信号の振幅との差分の和の
極小値から相関の高い過去の音声信号を検出し、この検
出された音声信号の差分の和としきい値とを比較するこ
とにより異音であるかを判定する手段を備え、前記誤り
検出手段により誤りを検出し、かつ前記異音検出手段に
より異音であると判定したときに相関の高い過去に出力
された音声信号の振幅を前記サプレス手段で抑圧して出
力する構成にした。
【0009】
【作用】このような構成により、本発明の音声復号装置
は、現時点で復号された音声信号の振幅と相関性の高い
と思われる過去に出力された音声信号の振幅との差分の
和をとり、その差分の和としきい値とを比較し、差分の
和がしきい値より大きいときに異音と判定するから、誤
り検出符号とともに異音が検出された場合には、相関性
の高い過去に出力された音声信号の振幅を抑圧して出力
する。したがって、誤り、誤り検出手段により誤りが検
出された場合に、異音の誤検出を少なくして処理するこ
とができ、復号でのデータ途切れも少なくなる。しか
も、音声の近接区間での相関、すなわち、波形が類似す
る特性を利用して、音声の連続性をスムーズにしてい
る。よって、音声出力を行う際に聴感上での音声品質が
向上する。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0011】図1は本発明の音声復号装置の実施例にお
ける構成を示すブロック図である。図1において、音声
復号装置7は、送信機側からの所定の一定間長の音声符
号を多重化した伝送符号の誤りを検出するための誤り検
出器1と、前記伝送符号を復号するためのADPCM復
号器2と、過去に出力された音声信号を蓄積するための
バッファ3と、ADPCM復号器2からの復号信号の異
音を検出するための異音検出機4と、ADPCM復号器
2からの復号信号と相関性の高い過去に出力された音声
信号の振幅を抑圧するためのサプレス装置5と、ADP
CM復号器2からの復号信号またはサプレス装置5から
の相関性の高い過去に出力された音声信号の振幅が抑圧
された復号信号を選択するための選択スイッチ6とを有
している。
【0012】次に、上記実施例の動作について説明す
る。予めバッファ3に蓄積する過去に出力された音声信
号のサンプル数Nと、異音検出器4で異音を検出するた
めのしきい値Mを決定し、音声伝送データから誤り検出
器1で誤りがないと判定した場合、または音声伝送デー
タから誤り検出器1が誤りを検出し、ADPCM復号器
2からの復号信号から異音検出器4で異音がないと判定
した場合は、送信機側からの伝送符号をADPCM復号
機2に供給して復号し、この復号信号が選択スイッチ6
を通じて出力データとして送出される。
【0013】次に、異音検出着の動作について説明す
る。現時点でADPCM復号器から復号した信号をS
(k)、(ただしk=1,2,…n)とし、バッファ3
に蓄積されている過去に出力された音声信号の信号をS
p(i)、(ただしi=1,2,…N)とする。異音検
出器4では、Sp(k)を1サンプルごと(N−n)サ
ンプルまで過去のサンプルにスライドし、それぞれのサ
ンプルの差分の絶対値の和Sn(j)を数1で求める。
【0014】
【数1】
【0015】この差分の和Sn(j)が極小になった場
合のSp(k+j)が、ADPCM復号器2からの復号
信号S(k)との相関性が最も高くなり、類似した信号
であることを示している。ところが、符号に誤りが生じ
ている(異音が生じている)場合には、相関性の高いS
p(k+j)とS(k)の波形が大きく異なり、差分の
和Sn(j)の値も大きくなる。そこで、Sn(j)と
しきい値Mと比較し、Sn(j)>Mである場合には、
異音が生じていると判定することができる。
【0016】また、誤り検出器1が誤りを検出し、異音
検出器4が異音を検出した場合は、相関性が最も高い過
去に出力された音声信号Sp(k+j)の振幅をサプレ
ス装置5で抑圧し、その復号信号が選択スイッチ6を通
じて出力データとして送出される。
【0017】図2は、本実施例における復号信号・誤り
検出符号・異音検出符号・出力データの波形を示してい
る。区間11、12では音声伝送データから誤り検出器
1で誤りがないと判定し、区間13、14では音声伝送
データから誤り検出器1が誤りを検出し、ADPCM復
号器2からの復号信号から異音検出器4で異音がないと
判定した場合であり、送信器側からの伝送符号をADP
CM復号器2に供給して復号され、この復号信号がその
まま選択スイッチ6を通じて出力データとして送出され
る。また、区間15、16、17では誤り検出器1が誤
りを検出し、異音検出器4が異音を検出した場合であ
り、相関性が最も高い過去に出力された音声信号の振幅
をサプレス装置5で抑圧し、その復号信号が選択スイッ
チ6を通じて出力データとして送出される。
【0018】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の音声復号装置は、復号信号の異音である可能性の高い
部分を検出して異音検出符号とし、誤り検出符号と組合
せて処理を行っているため、正常な音声を誤りとして検
出してしまう誤検出を防止できる。また、誤りの処理と
して、ADPCM復号器からの復号信号と相関性の高い
過去に出力された音声信号を検出し、その信号の振幅を
抑圧して出力しているため、復号でのデータの途切れが
少なくなる。つまり、音声での近接区間での相関、すな
わち、波形が類似する特質を利用することにより、音声
の連続性がスムーズになり、音声出力を行う際に聴感上
での音声品質が向上するという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の音声復号装置の一実施例における構成
を示すブロック図
【図2】本実施例における復号信号、誤り検出符号、異
音検出符号、出力データの波形を示す図
【図3】従来の音声復号装置の構成を示すブロック図
【符号の説明】
1 誤り検出器 2 ADPCM復号器 3 バッファ 4 異音検出器 5 サプレス装置 6 選択スイッチ 7 音声復号装置
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G10L 19/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誤り検出符号および音声符号を有する伝
    送符号を復号する際の誤りを検出する誤り検出手段と、
    前記伝送符号を復号する復号手段と、過去に出力された
    音声信号を蓄積するデータ蓄積手段と、現時点で復号さ
    れた音声信号の異音を検出する異音検出手段と、現時点
    での復号された音声信号と相関の高い過去に出力された
    音声信号の振幅を抑圧するサプレス手段と、前記復号手
    段またはサプレス手段からの復号信号または前記抑圧さ
    れた音声信号を選択して出力する選択手段とを備え、前
    記誤り検出手段により誤りが検出され、かつ前記異音検
    出手段により異音が検出されたときは前記サプレス手段
    からの抑圧された音声信号を出力する音声復号装置。
  2. 【請求項2】 前記異音検出手段は、前記復号手段から
    復号された現時点での音声信号の振幅と前記データ蓄積
    手段で蓄積された過去に出力された音声信号の振幅との
    差分の和の極小値から相関の高い過去の音声信号を検出
    し、この検出された音声信号の差分の和としきい値とを
    比較することにより異音であるかを判定する手段を備
    え、前記誤り検出手段により誤りを検出し、かつ前記異
    音検出手段により異音であると判定したときに相関の高
    い過去に出力された音声信号の振幅を前記サプレス手段
    で抑圧して出力することを特徴とする請求項1記載の音
    声復号装置。
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