JP3410779B2 - 画像入力装置における移動ステージの校正方法 - Google Patents

画像入力装置における移動ステージの校正方法

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JP3410779B2
JP3410779B2 JP24102493A JP24102493A JP3410779B2 JP 3410779 B2 JP3410779 B2 JP 3410779B2 JP 24102493 A JP24102493 A JP 24102493A JP 24102493 A JP24102493 A JP 24102493A JP 3410779 B2 JP3410779 B2 JP 3410779B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、画像入力装置におけ
る移動ステージの校正方法に関し、特に、校正が高精度
かつ自動的に行える校正方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】写真測量の分野では、ある基準線長で撮
影された1対の写真から、撮影されている物体間の位置
関係を求めることが行われており、例えば、航空写真の
場合などでは、予め位置が判っている基準点を複数配置
して、これらの基準点を含んだ状態で撮影して未知点の
位置を求めている。ところで、この種の写真測量では、
まず、撮影された各写真での位置関係を求める必要があ
る。
【0003】このような写真上での位置関係を求める手
段として、近時、撮影された写真を二次元方向に移動可
能な移動ステージ上に載置して、二次元方向に配列され
た画素を有し、行毎に画像信号が順次出力されるCCD
カメラをその上方に固定支持し、移動ステージを順次移
動させて、写真の各部をCCDカメラで順次撮影し、C
CDカメラの画像信号をデジタル信号に変換し、変換さ
れたデジタル信号をコンピュータを使用して、各種の演
算処理を行うことで位置関係を測定するものが提供され
ている。
【0004】このような測定手段で高精度の測定を行う
場合には、測定対象である写真が載置される移動ステー
ジの校正は、必要欠くべからず条件となる。そこで、従
来は、写真を測定する前に、移動ステージの校正を行っ
ていた。この校正は、移動ステージ上にターゲットが描
かれた校正板を載せて、ターゲットの位置を測定するこ
とにより行われ、このような用途に用いられるターゲッ
トは、例えば、線分を十字状に交差させたものが一般的
に用いられていて、十字状のターゲットは、複数が格子
状に配列され、かつ、各ターゲットの交点座標が基準位
置として正確に求められたものである。
【0005】移動ステージを校正する際には、校正板を
ステージ上に載置し、ターゲットをCCDカメラで撮影
して、デジタル化された信号からその交点座標を演算処
理により求め、この測定値と基準座標と比較することに
より誤差が求められる。この場合、ターゲットの測定数
は、要求されている精度に応じて、経験則により知られ
ていて、例えば、格子状に配列されているものの角部に
位置する4点や、あるいは、格子状の9点などが選択さ
れ、移動ステージを操作することにより、CCDカメラ
の撮影位置を順次各測定点に移動させて行われる。
【0006】しかしながら、このような従来の校正方法
には、以下に説明する技術的課題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、前述した従
来の校正方法では、まず、移動ステージに校正板を載せ
たあとの校正操作が手動作業によって行われていたの
で、その操作が面倒な上に、時間がかかり測定の迅速性
に欠けるものであった。また、CCDカメラにより撮影
した画像信号をデジタル化した際には、いわゆるライン
ジッタと呼ばれる誤差が発生し、この誤差が任意の方向
に発生するので、十字状のターゲットでは、このライン
ジッタによる誤差を検出することが非常に困難になり、
校正の精度が十分得られなかった。
【0008】さらに、十字状のターゲットでは、2つの
線分が交差しているため、演算処理によりその交差点の
座標を特定することが難しく、この点からも校正の精度
が低下していた。本発明は、このように従来の問題点に
鑑みてなされたものであって、その目的とするところ
は、校正操作が自動的にでき、しかも、高精度の校正が
行える画像入力装置における移動ステージの校正方法を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、二次元方向に配列された画素を有し、行
毎に画像信号が順次出力されるCCDカメラを有する画
像入力装置における移動ステージの校正方法において、
格子状に配列された複数の円状ターゲットを有し、各円
状ターゲットの中心が基準座標値として予め求められて
いる校正板を前記移動ステージ上に載置する第1工程
と、前記CCDカメラで前記校正板の各円状ターゲット
を順次測定する第2工程と、前記第2工程の各測定によ
って得られたCCDカメラの画像信号を変換したデジタ
ル信号から演算処理により、各円状ターゲットの中心を
測定座標値として求める第3工程と、前記基準座標値と
前記測定座標値の偏差から前記移動ステージの誤差を検
出する第4工程とを有することを特徴とする。
【0010】前記第2工程では、複数の円状ターゲット
の測定数が、要求される測定精度に対応して予め選択可
能に設定され、かつ、選択された測定数における各測定
点間を結ぶ移動距離が最小になるように設定することが
できる。また、前記第3工程の演算処理は、前記デジタ
ル信号を平滑化した後に2値化し、この2値化信号から
前記円状ターゲットの概略輪郭を求め、しかる後に、前
記概略輪郭と2値化前の信号とに基づいて精密輪郭を求
め、この精密輪郭から前記円状ターゲットの中心を求め
て前記測定座標値とすることができる。
【0011】
【作用】上記構成の校正方法によれば、格子状に配列さ
れた複数の円状ターゲットを有し、各円状ターゲットの
中心が基準座標値として予め求められている校正板を移
動ステージ上に載置する第1工程と、CCDカメラで校
正板の各円状ターゲットを順次測定する第2工程と、第
2工程の各測定によって得られたCCDカメラの画像信
号を変換したデジタル信号から演算処理により、各円状
ターゲットの中心を測定座標値として求める第3工程
と、基準座標値と測定座標値の偏差から前記移動ステー
ジの誤差を検出する第4工程とを有しているので、移動
ステージ上に校正板を載せると、校正操作が自動的に行
われる。
【0012】また、この校正操作では、円状ターゲット
を採用しているので、CCDカメラの画像信号をデジタ
ル変換した際にラインジッタが発生したとしても、円形
状を使用することによって、ラインジッタの補正を行う
上で非常に優位となり、中心座標を正確に求めることが
できる。さらにまた、請求項2の構成によれば、複数の
円状ターゲットの測定数が、要求される測定精度に対応
して予め選択可能に設定され、かつ、選択された測定数
における各測定点間を結ぶ移動距離が最小になるように
設定されているので、選択された測定点間の経路を決定
する手順が1つで済むとともに、測定時間も短縮でき
る。
【0013】またさらに、請求項3の構成によれば、演
算処理は、CCDカメラの画像信号を変換したデジタル
信号を平滑化した後に2値化し、この2値化信号から円
状ターゲットの概略輪郭を求め、しかる後に、概略輪郭
と2値化前の信号とに基づいて精密輪郭を求め、この精
密輪郭から前記円状ターゲットの中心を求めて測定座標
値としているので、測定座標値をCCDカメラの画素単
位よりも小さくすることができる。
【0014】
【実施例】以下本発明の好適な実施例について添附図面
を参照して詳細に説明する。図1から図6は、本発明に
かかる画像入力装置における移動ステージの校正方法の
一実施例を示している。図1は、本発明の校正方法が適
用される画像入力処理装置の概略全体図であって、同図
に示す処理装置は、移動ステージ10と、CCDカメラ
12と、A/D変換器14と、演算処理装置16と、メ
モリ18と、キーボード20およびモニタ22,プリン
タ23とを有している。
【0015】移動ステージ10は、X,Yの二次元方向
に移動可能なものであって、演算処理装置16により駆
動が制御されるX,Y軸駆動部24が付設されている。
CCDカメラ12は、二次元方向に配列された多数の画
素を有し、行毎に画像信号が送出されるものであって、
移動ステージ10上に固定支持されている。A/D変換
器14は、CCDカメラ12からの画像信号を受けて、
これを順次デジタル信号に変換して、演算処理装置16
に出力する。
【0016】メモリ18は、演算処理装置16に接続さ
れ、演算処理やX,Y軸駆動部24の制御手順が予め書
き込まれているとともに、A/D変換器14からのデジ
タル信号を格納する。キーボード20は、演算処理装置
16に接続され、初期設定値などがこれを介して入力さ
れる。モニタ22およびプリンタ24は、演算処理装置
16に接続されていて、演算結果やCCDカメラ12で
撮影された画像信号を再生して印字ないしは表示する。
【0017】ここで、本発明の校正方法を説明する前
に、まず、CCDカメラ12のラインジッタについて簡
単に説明する。図2は、CCDカメラ12から送出され
る画像信号の説明図であって、通常、CCDカメラ12
では、行毎に信号が送出されるが、この行毎の信号は、
連続したものではなく、同図に示すように、まず、奇数
行の信号が順次送出され、その後偶数行の信号が送出さ
れる。
【0018】そして、奇数行の信号で構成されるフィー
ルド1と、偶数行の信号で構成されるフィールド2とを
合成すると1画面になる。このような状態で送出される
画像信号は、同期信号により制御されているが、何らか
の原因により同期ズレが発生すると、例えば、直線状の
画像を撮影したものを再生すると、その一部がズレしま
い、このような現象をラインジッタと呼んでいる。
【0019】このようなラインジッタの発生原因は、同
期ズレだけでなく、例えば、画素毎の信号を抽出するサ
ンプリングクロック信号の不均一や、電源を投入した初
期における電源変動,温度変動、および、画像の照明光
の変動などによっても発生し、本発明者らの実測による
と、垂直状に延びる直線を撮影した際に、画素当たり最
大で±約0.3画素程度の大きさで変動することが確認
されている。
【0020】また、このようなランンジッタは、CCD
カメラ12の垂直方向で強く発生するだけでなく、任意
の方向で発生し、このようなラインジッタが発生する
と、移動ステージ10の校正精度が低下することになる
が、従来の十字状のターゲットでは、水平ないしは垂直
方向にラインジッタが発生した場合には、その影響を校
正に反映することができるものの、これらの方向以外に
発生した場合には、校正に反映することが難しいので、
十字状のターゲットでは、二つの線分の交点の中心を演
算処理により正確に求めることは、非常に困難な状況に
なっていた。
【0021】そこで、本発明では、以下の手順により移
動ステージ10の校正を行うようにした。すなわち、ま
ず、第1工程では、格子状に配列された複数の円状ター
ゲットTを有し、各円状ターゲットTの中心が基準座標
値として予め求められている校正板26を前記移動ステ
ージ10上に載置する。続く第2工程では、CCDカメ
ラで前記校正板の各円状ターゲットを順次測定する。
【0022】そして、第3工程では、第2工程の各測定
によって得られたCCDカメラの画像信号を変換したデ
ジタル信号から演算処理により、各円状ターゲットの中
心を測定座標値として求める。さらに、第4工程では、
基準座標値と測定座標値の偏差から前記移動ステージの
誤差を検出するようにした。図3は、本発明の校正方法
で用いる校正板26の詳細を示している。同図に示す校
正板26は、例えば、ガラス乾板から構成されていて、
この乾板状に多数のターゲットTが焼き付けられてい
る。各ターゲットTは、正確に位置が求められて等間隔
に格子状に配列されている。各ターゲットTの円形部の
中心は、(X0,0 )を原点にして、基準座標値(sx
11,sy11〜sxnm,synm)として求められている。
【0023】図4は、前記第2工程で各ターゲットTを
測定する際の測定順を決定する方法を示している。例え
ば、写真測量では、過去の経験に基づいて、移動ステー
ジ10の校正を行う場合に、要求される測定精度に対し
て、測定点の数を順次増加するとともに、移動ステージ
10に対して測定個所が均一に分布するように選択する
ことが知られている。
【0024】例えば、最も低い精度要求であれば、図4
(A)に示すように、移動ステージ10の四隅に位置す
る4点(2×2)が測定点として選択され、これよりも
高い精度要求では、4点の中心を加えた5点が選択さ
れ、さらに高い精度要求では、図4(B)に示すよう
に、4点の中心にそれぞれ4点を加えた9点(3×3)
が測定点として選択されるといったように、一般的に
は、n×n(nは2,3,5,9,17…)の測定点の
数が要求精度に応じて選択されている。
【0025】また、この種の写真測量では、精度要求の
異なる測定対象物を引き続いて測定することも行われて
いる。ところが、このようにして、精度要求に応じて測
定点の数が選択された場合に、単に自動的に校正ができ
るようにするためには、選択された測定点を順次直線で
結ぶ経路を設定しておけば可能である。しかし、例え
ば、精度要求の異なる測定対象物を引き続いて測定する
場合には、既に校正されている測定点を再び校正する必
要はなく、このような手順を採用すると、校正に非常に
時間がかかる。
【0026】また、選択された測定点を順次直線で結ぶ
経路を設定する手順では、選択可能な測定点の数に対応
させて、それぞれ手順を設定しなければならず、手順の
数が非常に多くなる。そこで、本実施例では、測定点の
数の選択およびその経路の設定に以下に説明する手順を
採用した。すなわち、まず、測定点の選択については、
過去の経験則に基づいて、n×n(nは2,3,5,
9,17…)の測定点の数が選択できるように設定し、
精度要求に応じて任意の階層が選択できるようにした。
【0027】つまり、第1階層として4点(2×2)が
測定点として選択されるようにし、第2階層として4点
の中心を加えた5点が選択されるようにし、また、第3
階層として9点(3×3)が測定点として選択されるよ
うにし、さらに、一般式として、第i階層でn×n(n
は2,3,5,9,17…)の測定点の数が選択される
ようにした。
【0028】そして、このような測定点の数の選択に対
して、各測定点を結ぶ際に、移動ステージ10の移動距
離が最小になるように設定した。このときのアルゴリズ
ムとしては、例えば、半導体素子を電気的に接続する際
に、最短距離で各素子を接続する手法、あるいは、セー
ルスマンが複数の都市に散在している顧客を訪問する際
に、最も効率よく顧客を訪問できる経路を選択する手法
が採用される。
【0029】このような手法を本発明の測定点を結ぶ経
路の設定に適用する場合には、まず、第1階層では、図
5のに示すように、四隅の測定点を順次直線で結ぶ経
路が設定され、次の第2階層では、これに引き続いて、
中心の点を結ぶ経路が設定される。さらに、第3階層
では、第2階層に引き続いて、残りの四点を最短経路で
結ぶ経路が設定され、その後は順次i階層まで同様な
手法で経路が設定される。
【0030】つまり、本実施例における測定点を結ぶ経
路の設定では、各階層での測定点が全て連続するように
し、しかも、前の階層に対して追加された測定点を結ぶ
経路を決定する際に、前の階層での終点から追加された
測定点を結ぶ経路が最短になるように設定している。こ
のように経路を設定すると、多数の選択可能なi個の階
層に対して、手順の設定は1つで済む、しかも、精度要
求の異なる測定物を連続して測定する場合には、前の階
層で既に校正した測定点を再度校正することが回避され
るので、校正を迅速に行える。
【0031】図6は、移動ステージ10の校正を行う際
に、演算処理装置16で行われる制御処理手順の具体的
な例を示している。なお、この処理手順では、予め移動
ステージ10に図3に示した校正板26が載置され、精
度要求に対応して選択される階層および選択された階層
に対応する測定点間を結ぶ経路(図5参照)がメモリ1
8に格納されている。また、CCDカメラ12で校正板
26の1つのターゲットTが画面に映し出されるように
調整されている。
【0032】さらに、校正板26の各ターゲットTに対
する基準位置座標値(sx11,sy 11〜sxnm,s
nm)は、予めメモリ18に格納されている。同図に示
す処理手順では、手順がスタートすると、まず、ステッ
プs1で初期設定が行われる。この初期設定は、校正板
26の原点(X0,0 )を合わせ、かつ、測定点の数
(n)を設定したステージが選択される。このような初
期設定が終了すると、ステップs2で、選択された階層
に対する最初の測定点に移動ステージ10が移動させら
れる。
【0033】このときの移動制御は、演算処理部16か
らX,Y軸駆動部24に制御信号を送出して行われる。
移動ステージ10が測定点に移動したことが確認される
と、続くステップs3でCCDカメラ12を介して、タ
ーゲットTの画像情報が取り込まれ、濃度に対応した信
号がCCDカメラ12から送出され、この信号はA/D
変換器14で、例えば、256階調で表されるデジタル
信号に変換される。なお、この場合、CCDカメラ12
の電源は、予め投入されていて、電源電圧の変動の影響
がなく、温度も安定した状態になっているとともに、校
正板26の照明も適正な状態に保たれている。
【0034】そして、A/D変換器14でデジタル化さ
れた信号は、その後ステップs4で平滑化される。この
ときの平滑化処理は、例えば、256階調で表示されて
いるデジタル化信号に対して、3×3または5×5画素
のテンプレートを設定し、これらの各画素に対して重み
付けをした値から、テンプレートの中心の画素に対し
て、新たな値を設定することによって行われる。
【0035】このような平滑化処理を行うことにより、
A/D変換器14で変換されたデジタル信号から伝送誤
差に起因するノイズが除去される。続くステップs5で
は、平滑化処理が施されたデジタル信号(256階調)
がデータとして一旦メモリ18に格納される。次いで、
ステップs6では、デジタル信号(256階調)の2値
化が行われる。
【0036】ここでの2値化処理は、円状ターゲットT
の概略位置を求めるために行われるものであって、例え
ば、256階調の濃度に対して、適当な閾値を設定し、
その閾値の前後で0か1かが判定される。ステップs6
で2値化が終了すると、次のステップs7で、この2値
化された信号に基づいて、ターゲットTの概略輪郭が求
められる。
【0037】このときのアルゴリズムとしては、公知の
輪郭トレーシング手法が採用される。このようにしてタ
ーゲットTの概略輪郭が求められると、続くステップs
8で、ターゲットTの精密輪郭が演算される。このとき
の演算は、ステップs5でメモリ18内に格納されてい
る256階調の元のデータが用いられ、このデータに対
して、所定の部分を抜き出して、抜き出された部分に順
次二次元のMP法(モーメント保存法)のアルゴリズム
を適用することにより行われる。
【0038】このようにしてターゲットTの輪郭を二次
元のMP法により求めると、2値化信号で輪郭を求めた
場合には、CCDカメラ12の画素単位よりも高精度に
輪郭が求められないが、MP法によると画素単位よりも
小さい単位での輪郭を求めることができる。ステップs
8で精密輪郭が求められると、次のステップs9で、求
められた精密輪郭に基づいて、最小2乗法により輪郭に
適合する円が演算され、この円の中心座標が、ステップ
s10でターゲットTの測定座標値(x11, 11)とし
て求められる。
【0039】そして、次のステップs11では、測定点
の数がステップs1で選択した数nか否かが判断され、
これがnでない場合には、ステップs12でnに1を加
算した数を新たにnとして、ステップs2に戻り、移動
ステージ10が次の測定点に移動させられ、ステップs
3からの各処理が続行される。一方、ステップs11で
nが選択された数と一致したと判断されると、ステップ
s13またはs14の処理が行われる。ステップs13
では、ステップs10で求められたデータに基づいてア
フィン変換が行われ、直線性システム誤差が演算され
る。
【0040】この誤差には、CCDカメラ12のライン
ジッタなどのシステム誤差と、移動ステージ10の移動
誤差を含んでおり、これにより移動ステージ10やCC
Dカメラ12の精度が判る。また、ステップs14で
は、アフィン変換とともにデータをバイリニア変換し、
非直線性システム誤差の演算も行われる。このようにし
て、ステップs1で選択された階層で設定されている測
定点の数nに対するターゲットTの中心の全ての測定座
標値(xnm, nm )が求められ、かつ、測定点の数n
に対応した各ターゲットTの基準座標値(sx11,sy
11〜sxnm,synm)との偏差(xδ11, yδ11〜xδ
nm, yδnm)が得られる。
【0041】このように2つの数学的変換によりシステ
ム誤差を求めるのは、CCDカメラ12の非直線性誤差
の一定部分を補正するために設けている。ステップS1
3,14で誤差の演算が終了すると、ステップs15で
その結果をプリンタ23に出力して、手順が終了する。
図7,8は、上記手順により得られた測定結果の一例を
示している。これらの測定結果では、丸がターゲットT
の位置を示し、丸から外方に示した矢印が偏差の方向
で、その長さが大きさを示している。図7に示したもの
がアフィン変換による誤差であり、図8に示したものが
バイリニア変換による誤差である。なお、図7,8に示
した測定結果は、CCDカメラ12として、ソニー株式
会社製カメラ、商品名XC−77、画素数768(H)
×493(V)を使用した場合のものである。
【0042】さて、以上のような校正方法によれば、格
子状に配列された複数の円状ターゲットTを有し、各円
状ターゲットTの中心が基準座標値(sx11,sy11
sx nm,synm)として予め求められている校正板26
を、移動ステージ10上に載置する第1工程と、CCD
カメラ12で校正板26の各円状ターゲットTを順次測
定する第2工程と、第2工程の各測定によって得られた
CCDカメラ12の画像信号を変換したデジタル信号か
ら演算処理により、各円状ターゲットTの中心を測定座
標値(xnm, nm )として求める第3工程と、基準座
標値(sx11,sy11〜sxnm,synm)と測定座標値
(xnm, nm )の偏差(xδ11, yδ 11〜xδnm,
δnm)から移動ステージ10の誤差を検出する第4工程
とを有しているので、移動ステージ10上に校正板26
を載せると、校正操作が自動的に行われる。
【0043】また、この校正操作では、円状ターゲット
Tを採用しているので、CCDカメラ12の画像信号を
デジタル変換した際にラインジッタが発生したとして
も、円形状を使用することによって、ラインジッタを補
正する上で非常に優位になり、中心座標を正確に求める
ことができる。さらにまた、本実施例の校正方法では、
複数の円状ターゲットTの測定数が、要求される測定精
度に対応して予め選択可能に設定され、かつ、選択され
た測定数における各測定点間を結ぶ移動距離が最小にな
るように設定されているので、選択された測定点間の経
路を決定する手順が1つで済むとともに、測定時間も短
縮できる。
【0044】またさらに、本実施例の校正方法では、演
算処理装置16での演算処理は、CCDカメラ12の画
像信号を変換したデジタル信号を平滑化した後に2値化
し、この2値化信号から円状ターゲットTの概略輪郭を
求め、しかる後に、2値化前の信号に基づいて精密輪郭
を求め、この精密輪郭から前記円状ターゲットTの中心
を求めて測定座標値(xnm, nm )としているので、
測定座標値(xnm, nm )の精度をCCDカメラ12
の画素単位よりも小さくすることができ、大幅に測定精
度を向上させることが可能になる。
【0045】なお、上記実施例では、本発明を写真測量
の分野に適用した場合を例示したが、本発明の実施はこ
れに限定されることはなく、二次元方向に移動させるス
テージを用いる測定器に適用することもできる。
【0046】
【発明の効果】以上、実施例で詳細に説明したように、
本発明にかかる画像入力装置における移動ステージの校
正方法によれば、校正操作が自動的にでき、しかも、高
精度の校正が行えるという優れた効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される画像入力装置の全体構成ブ
ロック図である。
【図2】本発明の校正方法で用いるCCDカメラの画像
信号のインターレースの説明図である。
【図3】本発明の校正方法で用いる校正板の説明図であ
る。
【図4】本発明の校正方法における測定点の説明図であ
る。
【図5】本発明の校正方法における測定点間を結ぶ経路
を設定する際の説明図である。
【図6】本発明方法における処理手順の一例を示すフロ
ーチャート図である。
【図7】本発明の校正方法によって得られたアフィン変
換後の誤差を示す説明図である。
【図8】本発明の校正方法によって得られたバイリニア
変換後の誤差を示す説明図である。
【符号の説明】
10 移動ステージ 12 CCDカメラ 14 A/D変換器 16 演算処理装置 18 メモリ 20 キーボード 22 モニタ 23 プリンタ 24 X,Y軸駆動装置 26 校正板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 1/04 106 G01B 11/00 H04N 1/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二次元方向に配列された画素を有し、行
    毎に画像信号が順次出力されるCCDカメラを有する画
    像入力装置における移動ステージの校正方法において、 格子状に配列された複数の円状ターゲットを有し、各円
    状ターゲットの中心が基準座標値として予め求められて
    いる校正板を前記移動ステージ上に載置する第1工程
    と、 前記CCDカメラで前記校正板の各円状ターゲットを順
    次測定する第2工程と、 前記第2工程の各測定によって得られたCCDカメラの
    画像信号を変換したデジタル信号から演算処理により、
    各円状ターゲットの中心を測定座標値として求める第3
    工程と、 前記基準座標値と前記測定座標値の偏差から前記移動ス
    テージの誤差を検出する第4工程とを有することを特徴
    とする画像入力装置における移動ステージの校正方法。
  2. 【請求項2】 前記第2工程では、複数の円状ターゲッ
    トの測定数が、要求される測定精度に対応して予め選択
    可能に設定され、かつ、選択された測定数における各測
    定点間を結ぶ移動距離が最小になるように設定されてい
    ることを特徴とする請求項1記載の画像入力装置におけ
    る移動ステージの校正方法。
  3. 【請求項3】 前記第3工程の演算処理は、前記デジタ
    ル信号を平滑化した後に2値化し、この2値化信号から
    前記円状ターゲットの概略輪郭を求め、しかる後に、前
    記概略輪郭と2値化前の信号とに基づいて精密輪郭を求
    め、この精密輪郭から前記円状ターゲットの中心を求め
    て前記測定座標値とすることを特徴とする請求項1また
    は2記載の画像入力装置における移動ステージの校正方
    法。
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