JP3410641B2 - 樹脂含浸紙基材の製造方法と樹脂含浸紙基材を用いた建築用板材 - Google Patents
樹脂含浸紙基材の製造方法と樹脂含浸紙基材を用いた建築用板材Info
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Description
製造方法と樹脂含浸紙基材を用いた建築用板材に関する
ものである。
11に示すように合板の基板aの表面にMDFボード
(中密度繊維板)bを積層し、MDFボードbの表面に
表面単板cを積層して一体化して形成されている。
面単板cとの間にMDFボードbを介装したものは耐キ
ャスター性、耐ストッキング性、耐クラック性等が優れ
ている反面、寸法安定性が悪いという問題やコスト的に
問題ある。この問題を解決するためにMDFボードbの
代わる材料として、紙材に熱硬化性樹脂のような樹脂を
含浸させて硬化させた樹脂含浸紙基材を用いることも検
討されている。このような樹脂含浸紙基材を用いると、
MDFボードbを用いるものに比べて寸法安定性を向上
できるが、コスト的には問題がある。つまり、樹脂を含
浸させる紙材としては特別に加工した含浸用紙を使用し
ているためにコスト的に高くつくという問題がある。
あって、寸法安定性を向上できると共にコスト的に安価
にできる樹脂含浸紙基材の製造方法と樹脂含浸紙基材を
用いた建築用板材を提供することを課題とする。
に本発明の請求項1の樹脂含浸紙基材の製造方法は、古
紙を再生した紙材の表裏面の澱粉を除去する澱粉除去工
程と、澱粉を除去した紙材に樹脂を含浸させる樹脂含浸
工程と、含浸した樹脂を均一化する均一化工程と、水分
を除去する乾燥工程と、表層部を平滑にして樹脂を硬化
させる樹脂硬化工程とを具備することを特徴とする。古
紙を再生した紙材の澱粉を除去し、紙材に樹脂を含浸さ
せ、含浸した樹脂を均一化し、乾燥して樹脂を硬化させ
ることにより、順次連続的に樹脂含浸紙基材を形成する
ことができる。古紙を再生した紙材を用いることで樹脂
含浸紙基材を安価に製造できる。古紙を再生した紙材を
用いても、紙材の表裏面の澱粉を除去することで、古紙
を使用したとしても樹脂をスムーズに含浸させることが
できる(古紙を再生した紙材は表面が澱粉にて覆われて
いて樹脂が含浸しにくい)。
方法は、請求項1において、澱粉除去工程は、ナイロン
ブラシ、ステンレスブラシ等のブラシで紙材の表裏面を
サンディングすることにより表裏面の澱粉を除去するこ
とを特徴とする。ナイロンブラシ、ステンレスブラシ等
のブラシにて紙材の表裏面を容易にサンディングするこ
とにより容易に表裏面の澱粉を除去して樹脂の含浸性を
向上させることができる。
方法は、請求項1において、澱粉除去工程は、温水に紙
材をデッピングすることにより紙材の表裏面の澱粉を除
去することを特徴とする。温水に紙材をデッピングする
ことにより澱粉を溶かすように除去でき、樹脂の含浸性
を向上させることができる。
方法は、請求項1において、樹脂含浸工程は、含浸槽へ
の紙材のデッピングで行うものであって、含浸槽に紙材
をデッピングするとき紙材を略鉛直方向に入れてエアー
の付着を防止することを特徴とする。紙材を含浸槽にデ
ッピングするだけで容易に樹脂を含浸させることができ
る。このとき紙材を含浸槽の樹脂内に略鉛直方向に入れ
るためにエアーの付着を防止して樹脂の含浸むらができ
るのを防止できる。
方法は、請求項4において、樹脂含浸工程では、含浸槽
内の樹脂の液温を上げて樹脂の粘度を下げることにより
樹脂の含浸量を増加させることを特徴とする。これによ
り樹脂の紙材への含浸性を向上して含浸時間を短縮でき
て生産性を向上できる。
1により得られた樹脂含浸紙基材を合板、MDFボー
ド、パーチクルボード等の基板に積層したことを特徴と
する。基板に樹脂含浸紙基材を貼ることで寸法安定性が
よいと共にコスト的に安価な建築用板材を得ることがで
きる。
6において、上記樹脂含浸紙基材の表面側に表面単板を
貼る代わりに樹脂含浸紙基材を積層して表面層としたこ
とを特徴とする。
6において、表面単板の下方に設ける樹脂含浸紙基材の
層の厚みは0.8mm以上であることを特徴とする。樹
脂含浸紙基材の厚さを0.8mm以上とすることで耐キ
ャスター性を確保することができる。
た紙材に樹脂が含浸させ、樹脂を硬化させることにより
形成されるが、古紙を再生した紙材としてはコスト的に
雑種紙を活用することが望ましい。雑種紙の成分の一例
として、新聞古紙、綿くず、パルプよりなるものがあ
る。古紙を再生した紙材は単層(1プライ)が望まし
い。複数層の場合(例えば3プライの場合)、積層面に
おいて含浸性が低下し、中間層部分に十分に含浸されな
く、中間層にて剥離する。紙材の厚みは耐キャスター性
をMDFボード並に(へこみ量が0.07mm)確保す
るためには0.8mm以上必要とする。厚みが0.8m
m以下のものでも含浸させる樹脂量を増やせば表面硬度
が向上するが、後述するように表面単板を接着した時の
二次接着性が低下してパンク現象が発生する。また紙材
の含水率は8%以下が望ましい。含水率が15%以上の
場合、樹脂を含浸したときの含浸性が低下する。
すると次の通りである。
スクリーン(除塵)→フローテーター(脱インク)→シ
ックナー(脱水)→リファイナー(叩解)→チェスト
(パルプの貯蔵)→リファイナー→ワイヤーパート(紙
層の形成)→プレスパート(搾水)→ドライヤーパート
(蒸気のよる乾燥)→リール(巻取り)上記ドライヤー
パートでは多筒ドライヤーまたはヤンキードライヤーで
行う。多筒ドライヤーは沢山のシリンダーを並べて紙の
両面を交互に少しづつ乾燥して行くタイプである。ヤン
キードライヤーは、直径3m以上の大きな筒に湿紙を貼
り付けるようにして半周回転(進行)する間に目標とす
る紙の水分まで乾かしてしまうタイプである。このタイ
プは湿紙がドライヤー表面から一度も離れることなく乾
燥されることから、紙の片側表面が平滑(光沢)になる
と共に寸法安定性がよくなる。
する工程の一例を示す。
にロールから巻き戻すように供給され、図1(b)に示
すように澱粉除去工程にて紙材1の澱粉が除去される。
本例の場合、上下に配置したステンレスブラシ、ナイロ
ンブラシ等のブラシ2間に紙材1を通すことで紙材1の
表裏がサンディングされて表裏の澱粉が除去され、樹脂
の含浸性が向上させられる。澱粉が除去された紙材1は
図1(c)に示すように樹脂含浸工程で含浸槽3内の樹
脂液4に浸漬されて樹脂が含浸させられる。このとき樹
脂液4の温度が例えば60℃程度になるように加熱され
ている。この樹脂が含浸された樹脂含浸紙5が図1
(d)に示すように均一化工程でスポンジロールのよう
な弾性ロール6の間に通されて含浸させた樹脂の塗着の
均一化が図られる。このとき弾性ロール6間に通す前に
水が塗布されて弾性ロール6への樹脂の付着が防止され
る。次いで図1(e)に示すように乾燥工程で樹脂含浸
紙5が乾燥機7に通され、上下のノズル8から熱風を吹
き付けることで樹脂の水分を除去する乾燥が行われる。
次いで図1(f)に示すように樹脂硬化工程で上下の熱
ロール9間に樹脂含浸紙5が通されて樹脂が硬化されて
樹脂含浸紙基材10が形成される。この熱ロール9に通
すときの条件は、例えばロール温度が180℃でロール
圧が5〜10Kg/cm2 である。次いで図1(g)に
示すように定寸カット工程で樹脂含浸紙基材10がカッ
ター14等で定寸にカットされる。このとき例えば、3
尺×6尺の寸法にカットされる。定寸にカットされた樹
脂含浸紙基材10が別工場や別工程に送られ、図1
(h)に示すように複合プレス工程で、合板等の基板1
1の上に接着剤等を介して樹脂含浸紙基材10が積層さ
れ、ホットプレス12でプレスすることで複合して床材
のような建築用板材13が形成される。
板材13を製造する工程の一例の概略であるが、その詳
細を以下さらに説明する。
ン樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂等
の熱硬化性樹脂があるが、硬化性、含浸性、取り扱い
性、澱粉との相溶性及びコストの面からメラミン樹脂が
望ましい。主成分としての樹脂の種類はメラミン樹脂が
最適であるが、老化性に問題があり、添加剤を添加する
ことが望ましい。添加剤としてはSBR樹脂(ラテック
ス)、塩化ビニル樹脂、EVA(エチレン酢酸ビニル樹
脂)、フッ素樹脂等があるが、老化性やコストの面から
SBR樹脂が最適である。また上記のように添加剤を添
加する場合、主剤となる樹脂に対して添加剤の配合割合
は主剤80に対して添加剤20程度が、老化性、湿熱性
から最適である。また樹脂の固形分と水分の割合は固形
分50%に対して水分が50%程度が好ましい。固形分
が60%以上になると紙材1への含浸性が低下し、固形
分の割合が少なくなると強度的に問題ある。
にてナイロンブラシ、ステンレスブラシ等のブラシ2間
に通すことで、紙材1の表裏面をサンディングして表裏
面の澱粉を除去するようになっている。図2(a)に示
すように紙材1の表層部は繊維質部15と澱粉層16を
有するが、上記のようにサンディングすることにより澱
粉層16が除去されて図2(b)のように空隙17がで
きる。このように澱粉を除去することで樹脂の含浸性を
向上させることができる(澱粉層が樹脂の含浸性を低下
させている。)。
2によるサンディングの代わりに、温水へのディピング
により行っている。温水(30℃〜100℃)に紙材1
をデッピングすることにより紙材1の表裏面の澱粉を除
去している。温水に紙材1をデッピングすることにより
澱粉を溶かすように除去でき、樹脂の含浸性を向上させ
ることができる。例えば、無処理の紙材1に樹脂を含浸
させる場合、樹脂の含浸に10分程度の時間を要した
が、50℃程度の温水にディピングして澱粉を除去した
場合、樹脂の含浸に要する時間が6分程度となり、80
℃程度の温水にディピングして澱粉を除去した場合、樹
脂の含浸に要する時間が3分程度となった。このことよ
り温水にディピングして澱粉を除去すると含浸性が向上
し、また温水の温度を高くする程、澱粉を十分に除去し
て含浸性を向上できることがわかる。
内の樹脂液4に浸漬されて樹脂が含浸させられる。含浸
槽3の樹脂液4に紙材1をデッピングするとき紙材1を
略鉛直方向に入れてエアーの付着を防止するようになっ
ている。つまり、図3に示すように複数個のガイドロー
ラ18を配置して紙材1の送りをガイドしており、紙材
1を樹脂液4に浸けるように導入するとき紙材1が鉛直
方向に入るようになっている。紙材1を斜めに入れたり
すると、エアーを巻き込みやすく、エアーの付着により
樹脂の含浸むらが生じるおそれがあるが、紙材1を鉛直
方向に入れると、エアーの付着を防止して樹脂の含浸む
らをなくすことができる。
4の液温を上げて樹脂液4の粘度を下げ、含浸量を増加
させている。これにより樹脂の紙材1への含浸性を向上
して含浸時間を短縮できて生産性を向上できる。例え
ば、樹脂液4の液温が25℃の場合、樹脂の含浸に要す
る時間が10分程度であったのが、樹脂液4の液温が4
0℃の場合、7分程度となり、樹脂液4の温度を上げた
方が含浸性が向上した。このとき、樹脂液4の液温は、
非水系(溶剤型)樹脂の場合、20℃〜60℃が望まし
く、水系の樹脂の場合40℃〜100℃が望ましい。
せるとき、樹脂に着色剤(染料)を入れ、紙材1の色に
より、樹脂の含浸量をチェックすることも好ましい。こ
のように樹脂の含浸量をチェックすることで樹脂の含浸
量が適性であるか容易に判断できる。また紙材1の表面
に漂白剤を塗り、乾燥させた後、樹脂の含浸を行い、単
板との積層時に接着剤に中に着色剤(染料)を入れるこ
とも好ましい。この場合、接着剤による接着状態をチェ
ックできる。
せるとき、真空含浸、真空加圧含浸、加圧含浸(空気加
圧、液加圧)、吸引含浸等で含浸させることが望まし
い。上記のように含浸させることより、複層(2プライ
以上)の紙材1であっても含浸させることができる。複
層の紙材1は単層の紙材に比べて積層面での含浸性が低
下して均一に含浸できないが、上記のようにすると複層
の紙材1でも均一に含浸できる。真空含浸する条件は、
例えば単層の紙材1の場合、気圧が10トール〜60ト
ールで含浸時間は1分であり、複層の紙材1の場合、気
圧が5トール〜30トールで含浸時間は1分である。
脂含浸紙5は、均一化工程でスポンジロール、ゴムロー
ル等の弾性ロール6間に通して、塗着した樹脂の均一化
を図る。このとき弾性ロール6の硬度はゴム硬度で5°
〜40°である。ロールの硬度が高い場合や鉄ロールの
場合には塗着樹脂の均一化が図れない。つまり、鉄ロー
ル19の場合、図4(b)の符号Aに示す部分(斜線で
示す部分)に樹脂の溜まりができて樹脂の均一化ができ
ないが、弾性ロール6の場合、図4(a)に示すように
してスムーズに均一化できる。図4で符号25はロール
軸である。
(条件は、例えば、10トールで60℃である。)、高
周波乾燥、自然乾燥(室内乾燥)、天乾燥(野外乾
燥)、電気乾燥、及び上記乾燥の組み合わせ(例えば、
自然乾燥後に高周波乾燥)がある。
紙5の樹脂の硬化が行われる。この熱圧工程の硬化の手
段としては、熱風、熱ロール、紫外線または赤外線、高
周波等がある。
程であることが望ましい。熱板工程の場合は、樹脂の硬
化が進み過ぎ、表面が硬くなり過ぎて表面材としての単
板を接着したとき単板のとの接着性が悪くなる。表面が
硬くなり過ぎると、単板との接着時に単板の湿気が紙材
1側に移行できなくなり、湿気の逃げ場がなくなって単
板に割れが発生する(パンク現象)。熱板工程では図5
(a)に示すように樹脂含浸紙5が上下より熱板20に
よりプレスされて行われるが、熱板プレスにより時間の
経過と共に紙材1の中層部分の樹脂が表層部に押し出さ
れる。このより、図5(b)(c)に示すように紙材1
の表層部の樹脂層が密になり(符号Bに示すクロスハッ
チングの部分)、単板との接着時に湿気が紙材1側へ移
行できない。熱ロール工程の場合(上下で一対の熱ロー
ル9を進行方向に多数並べた多筒工程となっている。)
図6(a)のように行われ、加圧→開圧→加圧→開圧の
繰り返しと、線状での加圧となるために、樹脂が紙材1
の表層部と中層部に均一に分散される。つまり、図6
(b)(c)に示すように紙材1の表層部と中層部の樹
脂が均一に分散され(符号Cに示すハッチングの部
分)、熱板工程のように表層部の樹脂の層が密でないた
めに単板との接着時に紙材1側へ湿気が移行できる。ま
た熱ロール9で熱圧するときある程度加圧するために剥
離強度等が向上する。樹脂硬化時に加圧しないと紙材1
の中層部では剥離強度が低下する。つまり、熱風硬化の
場合、硬化はするが、剥離強度が弱くなる。また加圧す
ることにより、紙材1の中層部においても樹脂が十分に
硬化する状態を作ることができる。
積層して形成されていることも好ましい。つまり、乾燥
工程で乾燥した樹脂含浸紙5を複数枚積層し、樹脂硬化
工程で熱圧にて複数枚を一体化して複数枚を一体に積層
した樹脂含浸紙基材10を形成することもできる。
接着剤等を介して樹脂含浸紙基材10が積層され、樹脂
含浸紙基材10の表面側に表面単板23が積層され、ホ
ットプレス12でプレスすることで複合して図7に示す
床材のような建築用板材13が形成される。基板11と
しては合板、MDFボード、パーチクルボード、OSB
(ウェハーボードの一種でオリエンテッドスタンダード
ボード)等がある。このように基板11に樹脂含浸紙基
材10を貼ることで寸法安定性がよいと共にコスト的に
安価な建築用板材13を得ることができる。上記樹脂含
浸紙基材10の表面側に表面単板23を貼る代わりに別
の樹脂含浸紙基材10を積層して表面層としてもよい。
貼るとき樹脂含浸紙基材10と基板11との間には接着
剤として水性ビニルウレタン系接着剤が塗布されること
が好ましい。樹脂含浸紙基材10と基板11との間に水
性ビニルウレタン系接着剤が塗布されていると、間にポ
ーラスな状態を作って接着性を向上させることができる
(SBR系接着剤であると接着性が悪い。)。また樹脂
含浸紙基材10に表面に表面単板23を貼るとき、樹脂
含浸紙基材10の表面をサンデングして表面に表面単板
23を貼ることが好ましい。樹脂含浸紙基材10の表面
をサンデングして表面を粗面化することにより表面単板
23を接着剤で接着するとき接着性を向上させることが
できる。
て一体化する場合、複数枚の樹脂含浸紙基材10間に変
成メラミン樹脂を塗布して一体化することが好ましい。
つまり、樹脂を含浸して乾燥した樹脂含浸紙5を積層す
るとき、樹脂含浸紙5間に変成メラミン樹脂を塗布して
いる。塗布する樹脂をメラミン樹脂のみとした場合、分
子量が少ないために紙材1内に樹脂が入り混み、図8
(a)のように接着層ができないが、変成メラミン樹脂
(本例の場合、例えばメラミン樹脂にラテックスを加え
たもの)を塗布し、分子量を上げることで図8(b)に
示すように接着層24を形成して接着強度を上げること
ができる。また樹脂含浸紙5間に変成メラミン樹脂(例
えばメラミン樹脂にラテックスを加えたもの)以外の、
熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂の混合物が塗布されている
ことも好ましい。
て一体化する場合、隣合う樹脂含浸紙基材10の紙材1
の反り方向を逆に向けたことも好ましい。つまり、隣合
う樹脂含浸紙基材10の紙材1の反りの関係が図9
(a)の状態または図9(b)の状態になるように組み
合わせる。このようにすると建築用板材13の反りを少
なくできる。
紙材1に含浸させる樹脂は変成メラミン樹脂(本例の場
合、例えばメラミン樹脂にラテックスを加えたもの)が
好ましい。メラミン樹脂の場合、分子量が少ないために
紙材1全体に樹脂層がばらけてしまうが、変成メラミン
樹脂(例えばメラミン樹脂にラテックスを加えたもの)
の場合、図10に示すように紙材1の内部にメラミン層
のような分子量の少ない層D、表面にラテックス層のよ
うな分子量の大きい層Eが形成され、老化性を防止する
ことができる。紙材1に含浸させる樹脂は変成メラミン
樹脂(例えばメラミン樹脂にラテックスを加えたもの)
以外の、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂の混合物でもよ
い。
ワックス)を0.2〜5%入れて紙材1の繊維質の膨潤
性を防いだり、劣化性を防止したりしてもよい。
した紙材の表裏面の澱粉を除去する澱粉除去工程と、澱
粉を除去した紙材に樹脂を含浸させる樹脂含浸工程と、
含浸した樹脂を均一化する均一化工程と、水分を除去す
る乾燥工程と、表層部を平滑にして樹脂を硬化させる樹
脂硬化工程とを具備するので、古紙を再生した紙材の澱
粉を除去し、紙材に樹脂を含浸させ、含浸した樹脂を均
一化し、乾燥して樹脂を硬化させることにより、順次連
続的に樹脂含浸紙基材を形成することができるものであ
り、また古紙を再生した紙材を用いることで樹脂含浸紙
基材を安価に製造できるものである。さらに古紙を再生
した紙材を用いても、紙材の表裏面の澱粉を除去するこ
とで、紙材に樹脂をスムーズに含浸させることができる
ものである。
いて、澱粉除去工程は、ナイロンブラシ、ステンレスブ
ラシ等のブラシで紙材の表裏面をサンディングすること
により表裏面の澱粉を除去するので、ナイロンブラシ、
ステンレスブラシ等のブラシにて紙材の表裏面を容易に
サンディングすることにより容易に表裏面の澱粉を除去
して樹脂の含浸性を向上させることができるものであ
る。
いて、澱粉除去工程は、温水に紙材をデッピングするこ
とにより紙材の表裏面の澱粉を除去するので、温水に紙
材をデッピングすることにより澱粉を溶かすように除去
でき、樹脂の含浸性を向上させることができるものであ
る。
いて、樹脂含浸工程は、含浸槽への紙材のデッピングで
行うので、紙材を含浸槽にデッピングするだけで容易に
樹脂を含浸させることができるものであり、しかも紙材
を含浸槽の樹脂内に略鉛直方向に入れてにエアーの付着
を防止するため、樹脂の含浸むらができるのを防止でき
るものである。
いて、樹脂含浸工程では、含浸槽内の樹脂の液温を上げ
て樹脂の粘度を下げることにより樹脂の含浸量を増加さ
せるので、樹脂の紙材への含浸性を向上して含浸時間を
短縮できて生産性を向上できるものである。
り得られた樹脂含浸紙基材を合板、MDFボード、パー
チクルボード等の基板に積層して建築用板材を形成した
ものであって、基板に樹脂含浸紙基材を貼ることで寸法
安定性がよいと共にコスト的に安価な建築用板材を得る
ことができるものである。
いて、樹脂含浸紙基材と基板との間には水性ビニルウレ
タン系接着剤が塗布されたので、間にポーラスな状態を
作って接着性を向上させることができるものである。
いて、表面単板の下方に設ける樹脂含浸紙基材の層の厚
みは0.8mm以上であるので、耐キャスター性を確保
することができるものである。
る工程の一例を示す説明図である。
明する説明図であり、(a)は澱粉を除去する前で、
(b)は澱粉を除去した後である。
略断面図である。
明する説明図であり、(a)は弾性ロールを用いた状態
を示し、(b)は鉄ロールを用いた状態を示す。
状態の概略図、(b)は熱圧した樹脂含浸紙基材の平面
図、(c)は樹脂含浸紙基材の断面図である。
いる状態の概略図、(b)は熱圧した樹脂含浸紙基材の
平面図、(c)は樹脂含浸紙基材の断面図である。
積層する状態を説明する説明図である。
説明する説明図である。
説明する説明図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 古紙を再生した紙材の表裏面の澱粉を除
去する澱粉除去工程と、澱粉を除去した紙材に樹脂を含
浸させる樹脂含浸工程と、含浸した樹脂を均一化する均
一化工程と、水分を除去する乾燥工程と、表層部を平滑
にして樹脂を硬化させる樹脂硬化工程とを具備すること
を特徴とする樹脂含浸紙基材の製造方法。 - 【請求項2】 澱粉除去工程は、ナイロンブラシ、ステ
ンレスブラシ等のブラシで紙材の表裏面をサンディング
することにより表裏面の澱粉を除去することを特徴とす
る請求項1記載の樹脂含浸紙基材の製造方法。 - 【請求項3】 澱粉除去工程は、温水に紙材をデッピン
グすることにより紙材の表裏面の澱粉を除去することを
特徴とする請求項1記載の樹脂含浸紙基材の製造方法。 - 【請求項4】 樹脂含浸工程は、含浸槽への紙材のデッ
ピングで行うものであって、含浸槽に紙材をデッピング
するとき紙材を略鉛直方向に入れてエアーの付着を防止
することを特徴とする請求項1記載の樹脂含浸紙基材の
製造方法。 - 【請求項5】 樹脂含浸工程では、含浸槽内の樹脂の液
温を上げて樹脂の粘度を下げることにより樹脂の含浸量
を増加させることを特徴とする請求項4記載の樹脂含浸
紙基材の製造方法。 - 【請求項6】 請求項1により得られた樹脂含浸紙基材
を合板、MDFボード、パーチクルボード等の基板に積
層したことを特徴とする建築用板材。 - 【請求項7】 上記樹脂含浸紙基材の表面側に表面単板
を貼る代わりに樹脂含浸紙基材を積層して表面層とした
ことを特徴とする請求項6記載の建築用板材。 - 【請求項8】 表面単板の下方に設ける樹脂含浸紙基材
の層の厚みは0.8mm以上であることを特徴とする請
求項6記載の建築用板材。
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