JP3410497B2 - テトラヒドロピラン−4−カルボン酸のエステルを精製する方法 - Google Patents

テトラヒドロピラン−4−カルボン酸のエステルを精製する方法

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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D309/00Heterocyclic compounds containing six-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom, not condensed with other rings
    • C07D309/02Heterocyclic compounds containing six-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom, not condensed with other rings having no double bonds between ring members or between ring members and non-ring members
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、酸化物触媒(oxid
e catalyst)の存在下で、3−(2−ヒドロ
キシエチル)−及び3−(2−アシルオキシエチル)ブ
チロラクトンと低級アルコールの反応により生成される
テトラヒドロピラン−4−カルボン酸のエステルを精製
する方法に関する。 【0002】 【従来の技術】テトラヒドロピラン−4−カルボン酸の
エステルは、4−ホルミルテトラヒドロピランを製造す
るための重要な中間体である。 【0003】3−(2−ヒドロキシエチル)ブチロラク
トンは、メタノールと反応してテトラヒドロピラン−4
−カルボン酸のエステルを生じることは既に知られてい
る(ヨーロッパ特許公開第284969号)。この反応
は、テトラヒドロピラン−4−カルボン酸のエステル、
3−(2−ヒドロキシエチル)ブチロラクトン、3−
(2−メトキシエチル)ブチロラクトン、3−スピロシ
クロプロピルブチロラクトン、メタノール、恐らく水、
恐らく酢酸及び恐らく酢酸メチルを含む混合物を生成
し、これは操作時に問題となる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、この
型の混合物から、テトラヒドロピラン−4−カルボン酸
のエステルを精製するための方法を開発することにあ
る。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的
は、一般式II 【0006】 【化3】 【0007】[式中、R2及びR3は下記の意味を有し、
4は水素、C−原子数1〜6のアルキル、又は式−C
O−R2のアシルである]のブチロラクトンと式R1OH
のアルコールを酸化触媒の存在下で反応させる際に生
ずる混合物から、一般式I 【0008】 【化4】 【0009】[式中、R1からR3は各々C−原子数1〜
4のアルキルであり、また、R2及びR3は各々さらに水
素である]で表わされるテトラヒドロピラン−4−カル
ボン酸のエステルを、以下の工程を含む蒸留により精製
する新規で改良された方法により達成されることを見い
出した: a) 5〜25理論段数を有する第1蒸留塔中で700
〜1100ミリバールの蒸留圧及び50〜80℃の蒸留
温度で塔頂からアルコール及び10%までの水を除く、 b) 第1蒸留塔からの塔底生成物を18〜40理論段
数を有する第2蒸留塔に移し、そこに15と30段の間
エントレイナーを定量供給しかつ循還させ、そし
て、35〜350ミリバールの蒸留圧力及び18〜70
℃の蒸留温度で操作して、8と18段の間で90〜15
0℃でテトラヒドロピラン−4−カルボン酸のエステル
をとり出し、かつ、適当であれば、 c) 第2蒸留塔からの塔底生成物を5〜25の理論段
を有する第3蒸留塔に供給し、塔頂生成物を1〜100
ミリバールの蒸留圧、及び90〜140℃の蒸留温度で
テトラヒドロピラン−4−カルボン酸のエステルの合成
に戻す。 【0010】この新規方法のために使用されるテトラヒ
ドロピラン−4−カルボン酸の粗製エステルIを含む混
合物は、例えば、3−(2−ヒドロキシエチル)ブチロ
ラクトンIIをメタノールにより転位させて得られる。
それらは、例えば以下の組成を有する:テトラヒドロピ
ラン−4−カルボン酸のエステル15〜30重量%、メ
タノール15〜25重量%、水5〜25重量%、3−
(2−メトキシエチル)ブチロラクトン5〜20重量
%、3−スピロシクロプロピルブチロラクトン5〜15
重量%、3−(2−ヒドロキシエチル)ブチロラクトン
0.05〜15重量%及び高沸点物0.1〜3重量%。 【0011】この新規な方法は、例えば、下記のような
3個の蒸留塔を使用して実施される:5〜25の理論段
数を有する第1蒸留塔中で、95〜100%のアルコー
ルR1−OH及び10%までの水がこの混合物から塔頂
で留出される。この混合物は、テトラヒドロピラン−4
−カルボン酸のエステルの合成に戻すことができる。蒸
留温度及び圧力は、50〜80℃及び700〜1100
ミリバールである。還流比は1〜10である。 【0012】第1蒸留塔からの塔底生成物(これはテト
ラヒドロピラン−4−カルボン酸のエステル、3−(2
−メトキシエチル)ブチロラクトン、3−スピロシクロ
プロピルブチロラクトン、3−(2−ヒドロキシエチ
ル)ブチロラクトン、水及び場合により残留するアルコ
ールR1−OH並びに高沸点物を含む)を、18〜40
の理論段数を有する第2蒸留塔に供給する。更に、水エ
ントレイナー(water entrainer)、例
えばキシレンを、15と30段の間で定量して供給す
る。水及び水エントレイナーから成る塔頂生成物が、3
5〜350ミリバールの蒸留圧及び18〜70℃の蒸留
温度で得られる。水エントレイナーを、カラムに戻し、
水を相分離器を介してテトラヒドロピラン−4−カルボ
ン酸のエステルの合成のために戻す。還流比は、1〜9
である。テトラヒドロピラン−4−カルボン酸のエステ
ルは、8と18段の間で、90〜150℃で取り出され
る。 【0013】第2蒸留塔からの塔底生成物(3−(2−
メトキシエチル)ブチロラクトン、3−スピロシクロプ
ロピルブチロラクトン及び3−(2−ヒドロキシエチ
ル)−ブチロラクトンに加えて高沸点物を有しうる)
を、5〜25の理論段数を有する第3蒸留塔に供給し、
そこで3−(2−メトキシエチル)ブチロラクトン、3
−スピロシクロプロピルブチロラクトン及び3−(2−
ヒドロキシエチル)−ブチロラクトンが塔頂から除去さ
れ、テトラヒドロピラン−4−カルボン酸のエステルの
合成に戻すことができる。第3蒸留塔の蒸留温度及び圧
力は90〜140℃及び1〜100ミリバールである。
還流比は、例えば、1〜10である。 【0014】水エントレイナーは、第2蒸留塔中で水を
除去するために使用される。使用しうる水エントレイナ
ーの例は、シクロヘキサン、シクロヘキセン、ベンゼ
ン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン、CCl4、クロロ
ホルム、アセトニトリル、ピリジン又はピペリジン、殊
にキシレン又はキシレン異性体の混合物である。 【0015】テトラヒドロピラン−4−カルボン酸のエ
ステルへの転位が3−(2−ヒドロキシエチル)−ブチ
ロラクトンの代わりに3−(2−アセトキシエチル)ブ
チロラクトンのようなエステルを用いて実施される場合
には、例えば放出される組成物は、次のように変わる:
テトラヒドロピラン−4−カルボン酸のエステル15〜
30重量%、メタノール15〜30重量%、酢酸メチル
5〜15重量%、水5〜25重量%、酢酸2〜10重量
%、3−(2−メトキシエチル)ブチロラクトン5〜2
0重量%、3−スピロシクロプロピルブチルラクトン2
〜15重量%、3−(2−ヒドロキシエチル)−ブチロ
ラクトン/3−(2−アセトキシエチル)ブチロラクト
ン0.05〜10重量%及び高沸点物0.1〜3重量
%。 【0016】作業は、第1蒸留塔の塔頂でメタノールに
加えて酢酸メチルを除く点で差異はあるが、記載方法の
とおりに実施される。混合物中に存在しうる少量の酢酸
は、第2蒸留塔中で水とともに除去される。 【0017】副生成物を合成段階に戻すことが予定され
ないならば、他の蒸留塔中で3−(2−メトキシエチ
ル)ブチロラクトン及び3−スピロシクロプロピルブチ
ロラクトンを分離することができる。 【0018】R1,R2及びR3は、各々それぞれ独立し
て、C原子数1〜4のアルキル、例えば、メチル、エチ
ル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブ
チル、sec−ブチル及びtert−ブチル、好ましく
はメチル及びエチル、特に好適にはメチルであり、そし
て、R2及びR3は加えて特に好適には各々水素である。 【0019】R4はメチル、エチル、n−プロピル、イ
ソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル
及びtert−ブチル,好適にはメチル及びエチル、特
に好適にはメチルのようなC−原子数1〜6のアルキ
ル、並びに水素及び−CO−R2である。 【0020】テトラヒドロピラン−4−カルボン酸のエ
ステルは、特に好適にはこの方法により出発混合物から
分離できる。水の共沸除去は、1蒸留工程が排除できう
ることを意味する。それというのも、テトラヒドロピラ
ン−4−カルボン酸のエステルは同じ蒸留塔の側方で放
散しうるからである。原則的にこの方法により高級エス
テル(C−原子数1〜4)を得ることも可能である。 【0021】 【実施例】3−(2−アセトキシエチル)ブチロラクト
ンの接触的転位により得られ、次の組成を有する反応混
合物蒸留された: テトラヒドロピラン−4−カルボン酸のエステル 23.8重量% 3−スピロシクロプロピルブチロラクトン 3.3重量% 3−(2−メトキシエチル)ブチロラクトン 7.9重量% 3−(2−ヒドロキシエチル)ブチロラクトン 2.4重量% 3−(2−アセトキシエチル)ブチロラクトン 5.2重量% 酢酸 2.5重量% 酢酸メチル 8.5重量% メタノール 26.3重量% 及び 水 15.9重量% 蒸留装置の系統図を図1に示す。1000部の混合物を
供給ライン(5)を通して第1蒸留塔(1)に通した。
このカラムは10理論段数を有する。蒸留温度63℃及
び蒸留圧900ミリバール、及び還流比3において、メ
タノール74重量%、酢酸メチル20.7重量%及び水
3.2重量%の組成を有する塔頂生成物(6)が得られ
る。 【0022】塔底生成物は、テトラヒドロピラン−4−
カルボン酸のエステル33.6重量%、3−スピロシク
ロプロピルブチロラクトン4.8重量%、3−(2−メ
トキシエチル)ブチロラクトン11.9重量%、3−
(2−ヒドロキシエチル)ブチロラクトン3.9重量
%、3−(2−アセトキシエチル)ブチロラクトン6.
3重量%、酢酸3重量%、メタノール0.1重量%及び
水17.5重量%から成る混合物680部より成る。 【0023】第1蒸留塔(1)からの塔底生成物(7)
100部を、40理論段数を有する第2蒸留塔(2)内
に通す。水エントレナーとしてキシレン0.1 l(異
性体混合物)を加え、相分離器(3)を介して蒸留塔に
連続的に戻す(10)。 【0024】蒸留温度28℃、蒸留圧力70ミリバール
及び還流比1.6で、水80.1重量%,酢酸11.2
重量%、メタノール3.3重量%、テトラヒドロピラン
−4−カルボン酸のエステル1.8重量%の組成を有す
る塔頂生成物23部(9)及びテトラヒドロピラン−4
−カルボン酸のエステル0.1重量%、3−スピロシク
ロプロピルブチロラクトン10.7重量%、3−(2−
メトキシエチル)ブチロラクトン28.9重量%、3−
(2−ヒドロキシエチル)ブチロラクトン6.1重量%
及び3−(2−アセトキシエチル)ブチロラクトン1
5.1重量%の組成を有する塔底生成物44部(12)
が得られる。108℃で、99.5重量%組成のテトラ
ヒドロピラン−4−カルボン酸のエステルから成る側流
(11)33部を27段の所で取り出す。 【0025】蒸留塔2からの塔底生成物100部(1
2)を、第3蒸留塔(4)に通す。冷却温度128℃及
び蒸留圧3ミリバールで、未確認高沸点物の形の塔頂生
成物61部(13)及び塔底生成物29部(14)が得
られる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の方法を実施する装置の系統図である。 【符号の説明】 1 第1蒸留塔 2 第2蒸留塔 3 相分離器 4 第3蒸留塔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 トーマス キューケンヘーナー ドイツ連邦共和国 ベール−イゲルハイ ム フォルストシュトラーセ 104 (72)発明者 ハラルト ルスト ドイツ連邦共和国 ノイシュタット ド ゥードシュトラーセ 57 (72)発明者 ヴェルナー シュヌール ドイツ連邦共和国 ヘルクスハイム イ ム オイレンゲシュライ 3 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 309/08 C07B 61/00 CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 次の一般式II 【化1】 [式中、R2及びR3は下記の定義のとおりであり、R4
    は水素、C−原子数1〜6のアルキル又は式−CO−R
    2のアシルである]で表わされるブチロラクトンと式R1
    OH[式中、R1は下記の定義のとおりである]で表わ
    されるアルコールとを酸化物触媒の存在下に反応させて
    得られる混合物から、蒸留により一般式I 【化2】 [式中、R1からR3は各々C−原子数1〜4のアルキル
    であり、R2及びR3はさらに各々水素である。]で表わ
    されるテトラヒドロピラン−4−カルボン酸のエステル
    を精製する方法において、この方法は、工程: a) 5〜25の理論段数を有する第1蒸留塔中で、7
    00〜1100ミリバールの蒸留圧及び50〜80℃の
    蒸留温度で頂上よりアルコール及び10%までの水を除
    去する、 b) 第1蒸留塔からの塔底生成物を18〜40の理論
    段数を有する第2蒸留塔に移し、これに15と30段の
    間にエントレイナーを定量しながら供給し、かつ循還
    させ、そして35〜350ミリバールの蒸留圧力並びに
    18〜70℃の蒸留温度で操作して、90〜150℃
    で、8と18段の間で、テトラヒドロピラン−4−カル
    ボン酸のエステルを取り出し、かつ、適当であれば、 c) 第2蒸留塔からの塔底生成物を、5〜25の理論
    段数を有する第3蒸留塔に供給し、1〜100ミリバー
    ルの蒸留圧及び90〜140℃の蒸留温度における塔頂
    生成物をテトラヒドロピラン−4−カルボン酸のエステ
    ルの合成に戻す、より成ることを特徴とする、テトラヒ
    ドロピラン−4−カルボン酸のエステルを精製する方
    法。
JP33283092A 1991-12-13 1992-12-14 テトラヒドロピラン−4−カルボン酸のエステルを精製する方法 Expired - Fee Related JP3410497B2 (ja)

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EP0546397B1 (de) 1995-10-11
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