JP3410497B2 - テトラヒドロピラン−4−カルボン酸のエステルを精製する方法 - Google Patents
テトラヒドロピラン−4−カルボン酸のエステルを精製する方法Info
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- C07D309/00—Heterocyclic compounds containing six-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom, not condensed with other rings
- C07D309/02—Heterocyclic compounds containing six-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom, not condensed with other rings having no double bonds between ring members or between ring members and non-ring members
- C07D309/08—Heterocyclic compounds containing six-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom, not condensed with other rings having no double bonds between ring members or between ring members and non-ring members with hetero atoms or with carbon atoms having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, e.g. ester or nitrile radicals, directly attached to ring carbon atoms
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸化物触媒(oxid
e catalyst)の存在下で、3−(2−ヒドロ
キシエチル)−及び3−(2−アシルオキシエチル)ブ
チロラクトンと低級アルコールの反応により生成される
テトラヒドロピラン−4−カルボン酸のエステルを精製
する方法に関する。 【0002】 【従来の技術】テトラヒドロピラン−4−カルボン酸の
エステルは、4−ホルミルテトラヒドロピランを製造す
るための重要な中間体である。 【0003】3−(2−ヒドロキシエチル)ブチロラク
トンは、メタノールと反応してテトラヒドロピラン−4
−カルボン酸のエステルを生じることは既に知られてい
る(ヨーロッパ特許公開第284969号)。この反応
は、テトラヒドロピラン−4−カルボン酸のエステル、
3−(2−ヒドロキシエチル)ブチロラクトン、3−
(2−メトキシエチル)ブチロラクトン、3−スピロシ
クロプロピルブチロラクトン、メタノール、恐らく水、
恐らく酢酸及び恐らく酢酸メチルを含む混合物を生成
し、これは操作時に問題となる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、この
型の混合物から、テトラヒドロピラン−4−カルボン酸
のエステルを精製するための方法を開発することにあ
る。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的
は、一般式II 【0006】 【化3】 【0007】[式中、R2及びR3は下記の意味を有し、
R4は水素、C−原子数1〜6のアルキル、又は式−C
O−R2のアシルである]のブチロラクトンと式R1OH
のアルコールを酸化物触媒の存在下で反応させる際に生
ずる混合物から、一般式I 【0008】 【化4】 【0009】[式中、R1からR3は各々C−原子数1〜
4のアルキルであり、また、R2及びR3は各々さらに水
素である]で表わされるテトラヒドロピラン−4−カル
ボン酸のエステルを、以下の工程を含む蒸留により精製
する新規で改良された方法により達成されることを見い
出した: a) 5〜25理論段数を有する第1蒸留塔中で700
〜1100ミリバールの蒸留圧及び50〜80℃の蒸留
温度で塔頂からアルコール及び10%までの水を除く、 b) 第1蒸留塔からの塔底生成物を18〜40理論段
数を有する第2蒸留塔に移し、そこに15と30段の間
で水エントレイナーを定量供給しかつ循還させ、そし
て、35〜350ミリバールの蒸留圧力及び18〜70
℃の蒸留温度で操作して、8と18段の間で90〜15
0℃でテトラヒドロピラン−4−カルボン酸のエステル
をとり出し、かつ、適当であれば、 c) 第2蒸留塔からの塔底生成物を5〜25の理論段
を有する第3蒸留塔に供給し、塔頂生成物を1〜100
ミリバールの蒸留圧、及び90〜140℃の蒸留温度で
テトラヒドロピラン−4−カルボン酸のエステルの合成
に戻す。 【0010】この新規方法のために使用されるテトラヒ
ドロピラン−4−カルボン酸の粗製エステルIを含む混
合物は、例えば、3−(2−ヒドロキシエチル)ブチロ
ラクトンIIをメタノールにより転位させて得られる。
それらは、例えば以下の組成を有する:テトラヒドロピ
ラン−4−カルボン酸のエステル15〜30重量%、メ
タノール15〜25重量%、水5〜25重量%、3−
(2−メトキシエチル)ブチロラクトン5〜20重量
%、3−スピロシクロプロピルブチロラクトン5〜15
重量%、3−(2−ヒドロキシエチル)ブチロラクトン
0.05〜15重量%及び高沸点物0.1〜3重量%。 【0011】この新規な方法は、例えば、下記のような
3個の蒸留塔を使用して実施される:5〜25の理論段
数を有する第1蒸留塔中で、95〜100%のアルコー
ルR1−OH及び10%までの水がこの混合物から塔頂
で留出される。この混合物は、テトラヒドロピラン−4
−カルボン酸のエステルの合成に戻すことができる。蒸
留温度及び圧力は、50〜80℃及び700〜1100
ミリバールである。還流比は1〜10である。 【0012】第1蒸留塔からの塔底生成物(これはテト
ラヒドロピラン−4−カルボン酸のエステル、3−(2
−メトキシエチル)ブチロラクトン、3−スピロシクロ
プロピルブチロラクトン、3−(2−ヒドロキシエチ
ル)ブチロラクトン、水及び場合により残留するアルコ
ールR1−OH並びに高沸点物を含む)を、18〜40
の理論段数を有する第2蒸留塔に供給する。更に、水エ
ントレイナー(water entrainer)、例
えばキシレンを、15と30段の間で定量して供給す
る。水及び水エントレイナーから成る塔頂生成物が、3
5〜350ミリバールの蒸留圧及び18〜70℃の蒸留
温度で得られる。水エントレイナーを、カラムに戻し、
水を相分離器を介してテトラヒドロピラン−4−カルボ
ン酸のエステルの合成のために戻す。還流比は、1〜9
である。テトラヒドロピラン−4−カルボン酸のエステ
ルは、8と18段の間で、90〜150℃で取り出され
る。 【0013】第2蒸留塔からの塔底生成物(3−(2−
メトキシエチル)ブチロラクトン、3−スピロシクロプ
ロピルブチロラクトン及び3−(2−ヒドロキシエチ
ル)−ブチロラクトンに加えて高沸点物を有しうる)
を、5〜25の理論段数を有する第3蒸留塔に供給し、
そこで3−(2−メトキシエチル)ブチロラクトン、3
−スピロシクロプロピルブチロラクトン及び3−(2−
ヒドロキシエチル)−ブチロラクトンが塔頂から除去さ
れ、テトラヒドロピラン−4−カルボン酸のエステルの
合成に戻すことができる。第3蒸留塔の蒸留温度及び圧
力は90〜140℃及び1〜100ミリバールである。
還流比は、例えば、1〜10である。 【0014】水エントレイナーは、第2蒸留塔中で水を
除去するために使用される。使用しうる水エントレイナ
ーの例は、シクロヘキサン、シクロヘキセン、ベンゼ
ン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン、CCl4、クロロ
ホルム、アセトニトリル、ピリジン又はピペリジン、殊
にキシレン又はキシレン異性体の混合物である。 【0015】テトラヒドロピラン−4−カルボン酸のエ
ステルへの転位が3−(2−ヒドロキシエチル)−ブチ
ロラクトンの代わりに3−(2−アセトキシエチル)ブ
チロラクトンのようなエステルを用いて実施される場合
には、例えば放出される組成物は、次のように変わる:
テトラヒドロピラン−4−カルボン酸のエステル15〜
30重量%、メタノール15〜30重量%、酢酸メチル
5〜15重量%、水5〜25重量%、酢酸2〜10重量
%、3−(2−メトキシエチル)ブチロラクトン5〜2
0重量%、3−スピロシクロプロピルブチルラクトン2
〜15重量%、3−(2−ヒドロキシエチル)−ブチロ
ラクトン/3−(2−アセトキシエチル)ブチロラクト
ン0.05〜10重量%及び高沸点物0.1〜3重量
%。 【0016】作業は、第1蒸留塔の塔頂でメタノールに
加えて酢酸メチルを除く点で差異はあるが、記載方法の
とおりに実施される。混合物中に存在しうる少量の酢酸
は、第2蒸留塔中で水とともに除去される。 【0017】副生成物を合成段階に戻すことが予定され
ないならば、他の蒸留塔中で3−(2−メトキシエチ
ル)ブチロラクトン及び3−スピロシクロプロピルブチ
ロラクトンを分離することができる。 【0018】R1,R2及びR3は、各々それぞれ独立し
て、C原子数1〜4のアルキル、例えば、メチル、エチ
ル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブ
チル、sec−ブチル及びtert−ブチル、好ましく
はメチル及びエチル、特に好適にはメチルであり、そし
て、R2及びR3は加えて特に好適には各々水素である。 【0019】R4はメチル、エチル、n−プロピル、イ
ソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル
及びtert−ブチル,好適にはメチル及びエチル、特
に好適にはメチルのようなC−原子数1〜6のアルキ
ル、並びに水素及び−CO−R2である。 【0020】テトラヒドロピラン−4−カルボン酸のエ
ステルは、特に好適にはこの方法により出発混合物から
分離できる。水の共沸除去は、1蒸留工程が排除できう
ることを意味する。それというのも、テトラヒドロピラ
ン−4−カルボン酸のエステルは同じ蒸留塔の側方で放
散しうるからである。原則的にこの方法により高級エス
テル(C−原子数1〜4)を得ることも可能である。 【0021】 【実施例】3−(2−アセトキシエチル)ブチロラクト
ンの接触的転位により得られ、次の組成を有する反応混
合物が蒸留された: テトラヒドロピラン−4−カルボン酸のエステル 23.8重量% 3−スピロシクロプロピルブチロラクトン 3.3重量% 3−(2−メトキシエチル)ブチロラクトン 7.9重量% 3−(2−ヒドロキシエチル)ブチロラクトン 2.4重量% 3−(2−アセトキシエチル)ブチロラクトン 5.2重量% 酢酸 2.5重量% 酢酸メチル 8.5重量% メタノール 26.3重量% 及び 水 15.9重量% 蒸留装置の系統図を図1に示す。1000部の混合物を
供給ライン(5)を通して第1蒸留塔(1)に通した。
このカラムは10理論段数を有する。蒸留温度63℃及
び蒸留圧900ミリバール、及び還流比3において、メ
タノール74重量%、酢酸メチル20.7重量%及び水
3.2重量%の組成を有する塔頂生成物(6)が得られ
る。 【0022】塔底生成物は、テトラヒドロピラン−4−
カルボン酸のエステル33.6重量%、3−スピロシク
ロプロピルブチロラクトン4.8重量%、3−(2−メ
トキシエチル)ブチロラクトン11.9重量%、3−
(2−ヒドロキシエチル)ブチロラクトン3.9重量
%、3−(2−アセトキシエチル)ブチロラクトン6.
3重量%、酢酸3重量%、メタノール0.1重量%及び
水17.5重量%から成る混合物680部より成る。 【0023】第1蒸留塔(1)からの塔底生成物(7)
100部を、40理論段数を有する第2蒸留塔(2)内
に通す。水エントレナーとしてキシレン0.1 l(異
性体混合物)を加え、相分離器(3)を介して蒸留塔に
連続的に戻す(10)。 【0024】蒸留温度28℃、蒸留圧力70ミリバール
及び還流比1.6で、水80.1重量%,酢酸11.2
重量%、メタノール3.3重量%、テトラヒドロピラン
−4−カルボン酸のエステル1.8重量%の組成を有す
る塔頂生成物23部(9)及びテトラヒドロピラン−4
−カルボン酸のエステル0.1重量%、3−スピロシク
ロプロピルブチロラクトン10.7重量%、3−(2−
メトキシエチル)ブチロラクトン28.9重量%、3−
(2−ヒドロキシエチル)ブチロラクトン6.1重量%
及び3−(2−アセトキシエチル)ブチロラクトン1
5.1重量%の組成を有する塔底生成物44部(12)
が得られる。108℃で、99.5重量%組成のテトラ
ヒドロピラン−4−カルボン酸のエステルから成る側流
(11)33部を27段の所で取り出す。 【0025】蒸留塔2からの塔底生成物100部(1
2)を、第3蒸留塔(4)に通す。冷却温度128℃及
び蒸留圧3ミリバールで、未確認高沸点物の形の塔頂生
成物61部(13)及び塔底生成物29部(14)が得
られる。
e catalyst)の存在下で、3−(2−ヒドロ
キシエチル)−及び3−(2−アシルオキシエチル)ブ
チロラクトンと低級アルコールの反応により生成される
テトラヒドロピラン−4−カルボン酸のエステルを精製
する方法に関する。 【0002】 【従来の技術】テトラヒドロピラン−4−カルボン酸の
エステルは、4−ホルミルテトラヒドロピランを製造す
るための重要な中間体である。 【0003】3−(2−ヒドロキシエチル)ブチロラク
トンは、メタノールと反応してテトラヒドロピラン−4
−カルボン酸のエステルを生じることは既に知られてい
る(ヨーロッパ特許公開第284969号)。この反応
は、テトラヒドロピラン−4−カルボン酸のエステル、
3−(2−ヒドロキシエチル)ブチロラクトン、3−
(2−メトキシエチル)ブチロラクトン、3−スピロシ
クロプロピルブチロラクトン、メタノール、恐らく水、
恐らく酢酸及び恐らく酢酸メチルを含む混合物を生成
し、これは操作時に問題となる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、この
型の混合物から、テトラヒドロピラン−4−カルボン酸
のエステルを精製するための方法を開発することにあ
る。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的
は、一般式II 【0006】 【化3】 【0007】[式中、R2及びR3は下記の意味を有し、
R4は水素、C−原子数1〜6のアルキル、又は式−C
O−R2のアシルである]のブチロラクトンと式R1OH
のアルコールを酸化物触媒の存在下で反応させる際に生
ずる混合物から、一般式I 【0008】 【化4】 【0009】[式中、R1からR3は各々C−原子数1〜
4のアルキルであり、また、R2及びR3は各々さらに水
素である]で表わされるテトラヒドロピラン−4−カル
ボン酸のエステルを、以下の工程を含む蒸留により精製
する新規で改良された方法により達成されることを見い
出した: a) 5〜25理論段数を有する第1蒸留塔中で700
〜1100ミリバールの蒸留圧及び50〜80℃の蒸留
温度で塔頂からアルコール及び10%までの水を除く、 b) 第1蒸留塔からの塔底生成物を18〜40理論段
数を有する第2蒸留塔に移し、そこに15と30段の間
で水エントレイナーを定量供給しかつ循還させ、そし
て、35〜350ミリバールの蒸留圧力及び18〜70
℃の蒸留温度で操作して、8と18段の間で90〜15
0℃でテトラヒドロピラン−4−カルボン酸のエステル
をとり出し、かつ、適当であれば、 c) 第2蒸留塔からの塔底生成物を5〜25の理論段
を有する第3蒸留塔に供給し、塔頂生成物を1〜100
ミリバールの蒸留圧、及び90〜140℃の蒸留温度で
テトラヒドロピラン−4−カルボン酸のエステルの合成
に戻す。 【0010】この新規方法のために使用されるテトラヒ
ドロピラン−4−カルボン酸の粗製エステルIを含む混
合物は、例えば、3−(2−ヒドロキシエチル)ブチロ
ラクトンIIをメタノールにより転位させて得られる。
それらは、例えば以下の組成を有する:テトラヒドロピ
ラン−4−カルボン酸のエステル15〜30重量%、メ
タノール15〜25重量%、水5〜25重量%、3−
(2−メトキシエチル)ブチロラクトン5〜20重量
%、3−スピロシクロプロピルブチロラクトン5〜15
重量%、3−(2−ヒドロキシエチル)ブチロラクトン
0.05〜15重量%及び高沸点物0.1〜3重量%。 【0011】この新規な方法は、例えば、下記のような
3個の蒸留塔を使用して実施される:5〜25の理論段
数を有する第1蒸留塔中で、95〜100%のアルコー
ルR1−OH及び10%までの水がこの混合物から塔頂
で留出される。この混合物は、テトラヒドロピラン−4
−カルボン酸のエステルの合成に戻すことができる。蒸
留温度及び圧力は、50〜80℃及び700〜1100
ミリバールである。還流比は1〜10である。 【0012】第1蒸留塔からの塔底生成物(これはテト
ラヒドロピラン−4−カルボン酸のエステル、3−(2
−メトキシエチル)ブチロラクトン、3−スピロシクロ
プロピルブチロラクトン、3−(2−ヒドロキシエチ
ル)ブチロラクトン、水及び場合により残留するアルコ
ールR1−OH並びに高沸点物を含む)を、18〜40
の理論段数を有する第2蒸留塔に供給する。更に、水エ
ントレイナー(water entrainer)、例
えばキシレンを、15と30段の間で定量して供給す
る。水及び水エントレイナーから成る塔頂生成物が、3
5〜350ミリバールの蒸留圧及び18〜70℃の蒸留
温度で得られる。水エントレイナーを、カラムに戻し、
水を相分離器を介してテトラヒドロピラン−4−カルボ
ン酸のエステルの合成のために戻す。還流比は、1〜9
である。テトラヒドロピラン−4−カルボン酸のエステ
ルは、8と18段の間で、90〜150℃で取り出され
る。 【0013】第2蒸留塔からの塔底生成物(3−(2−
メトキシエチル)ブチロラクトン、3−スピロシクロプ
ロピルブチロラクトン及び3−(2−ヒドロキシエチ
ル)−ブチロラクトンに加えて高沸点物を有しうる)
を、5〜25の理論段数を有する第3蒸留塔に供給し、
そこで3−(2−メトキシエチル)ブチロラクトン、3
−スピロシクロプロピルブチロラクトン及び3−(2−
ヒドロキシエチル)−ブチロラクトンが塔頂から除去さ
れ、テトラヒドロピラン−4−カルボン酸のエステルの
合成に戻すことができる。第3蒸留塔の蒸留温度及び圧
力は90〜140℃及び1〜100ミリバールである。
還流比は、例えば、1〜10である。 【0014】水エントレイナーは、第2蒸留塔中で水を
除去するために使用される。使用しうる水エントレイナ
ーの例は、シクロヘキサン、シクロヘキセン、ベンゼ
ン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン、CCl4、クロロ
ホルム、アセトニトリル、ピリジン又はピペリジン、殊
にキシレン又はキシレン異性体の混合物である。 【0015】テトラヒドロピラン−4−カルボン酸のエ
ステルへの転位が3−(2−ヒドロキシエチル)−ブチ
ロラクトンの代わりに3−(2−アセトキシエチル)ブ
チロラクトンのようなエステルを用いて実施される場合
には、例えば放出される組成物は、次のように変わる:
テトラヒドロピラン−4−カルボン酸のエステル15〜
30重量%、メタノール15〜30重量%、酢酸メチル
5〜15重量%、水5〜25重量%、酢酸2〜10重量
%、3−(2−メトキシエチル)ブチロラクトン5〜2
0重量%、3−スピロシクロプロピルブチルラクトン2
〜15重量%、3−(2−ヒドロキシエチル)−ブチロ
ラクトン/3−(2−アセトキシエチル)ブチロラクト
ン0.05〜10重量%及び高沸点物0.1〜3重量
%。 【0016】作業は、第1蒸留塔の塔頂でメタノールに
加えて酢酸メチルを除く点で差異はあるが、記載方法の
とおりに実施される。混合物中に存在しうる少量の酢酸
は、第2蒸留塔中で水とともに除去される。 【0017】副生成物を合成段階に戻すことが予定され
ないならば、他の蒸留塔中で3−(2−メトキシエチ
ル)ブチロラクトン及び3−スピロシクロプロピルブチ
ロラクトンを分離することができる。 【0018】R1,R2及びR3は、各々それぞれ独立し
て、C原子数1〜4のアルキル、例えば、メチル、エチ
ル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブ
チル、sec−ブチル及びtert−ブチル、好ましく
はメチル及びエチル、特に好適にはメチルであり、そし
て、R2及びR3は加えて特に好適には各々水素である。 【0019】R4はメチル、エチル、n−プロピル、イ
ソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル
及びtert−ブチル,好適にはメチル及びエチル、特
に好適にはメチルのようなC−原子数1〜6のアルキ
ル、並びに水素及び−CO−R2である。 【0020】テトラヒドロピラン−4−カルボン酸のエ
ステルは、特に好適にはこの方法により出発混合物から
分離できる。水の共沸除去は、1蒸留工程が排除できう
ることを意味する。それというのも、テトラヒドロピラ
ン−4−カルボン酸のエステルは同じ蒸留塔の側方で放
散しうるからである。原則的にこの方法により高級エス
テル(C−原子数1〜4)を得ることも可能である。 【0021】 【実施例】3−(2−アセトキシエチル)ブチロラクト
ンの接触的転位により得られ、次の組成を有する反応混
合物が蒸留された: テトラヒドロピラン−4−カルボン酸のエステル 23.8重量% 3−スピロシクロプロピルブチロラクトン 3.3重量% 3−(2−メトキシエチル)ブチロラクトン 7.9重量% 3−(2−ヒドロキシエチル)ブチロラクトン 2.4重量% 3−(2−アセトキシエチル)ブチロラクトン 5.2重量% 酢酸 2.5重量% 酢酸メチル 8.5重量% メタノール 26.3重量% 及び 水 15.9重量% 蒸留装置の系統図を図1に示す。1000部の混合物を
供給ライン(5)を通して第1蒸留塔(1)に通した。
このカラムは10理論段数を有する。蒸留温度63℃及
び蒸留圧900ミリバール、及び還流比3において、メ
タノール74重量%、酢酸メチル20.7重量%及び水
3.2重量%の組成を有する塔頂生成物(6)が得られ
る。 【0022】塔底生成物は、テトラヒドロピラン−4−
カルボン酸のエステル33.6重量%、3−スピロシク
ロプロピルブチロラクトン4.8重量%、3−(2−メ
トキシエチル)ブチロラクトン11.9重量%、3−
(2−ヒドロキシエチル)ブチロラクトン3.9重量
%、3−(2−アセトキシエチル)ブチロラクトン6.
3重量%、酢酸3重量%、メタノール0.1重量%及び
水17.5重量%から成る混合物680部より成る。 【0023】第1蒸留塔(1)からの塔底生成物(7)
100部を、40理論段数を有する第2蒸留塔(2)内
に通す。水エントレナーとしてキシレン0.1 l(異
性体混合物)を加え、相分離器(3)を介して蒸留塔に
連続的に戻す(10)。 【0024】蒸留温度28℃、蒸留圧力70ミリバール
及び還流比1.6で、水80.1重量%,酢酸11.2
重量%、メタノール3.3重量%、テトラヒドロピラン
−4−カルボン酸のエステル1.8重量%の組成を有す
る塔頂生成物23部(9)及びテトラヒドロピラン−4
−カルボン酸のエステル0.1重量%、3−スピロシク
ロプロピルブチロラクトン10.7重量%、3−(2−
メトキシエチル)ブチロラクトン28.9重量%、3−
(2−ヒドロキシエチル)ブチロラクトン6.1重量%
及び3−(2−アセトキシエチル)ブチロラクトン1
5.1重量%の組成を有する塔底生成物44部(12)
が得られる。108℃で、99.5重量%組成のテトラ
ヒドロピラン−4−カルボン酸のエステルから成る側流
(11)33部を27段の所で取り出す。 【0025】蒸留塔2からの塔底生成物100部(1
2)を、第3蒸留塔(4)に通す。冷却温度128℃及
び蒸留圧3ミリバールで、未確認高沸点物の形の塔頂生
成物61部(13)及び塔底生成物29部(14)が得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施する装置の系統図である。
【符号の説明】
1 第1蒸留塔
2 第2蒸留塔
3 相分離器
4 第3蒸留塔
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 トーマス キューケンヘーナー
ドイツ連邦共和国 ベール−イゲルハイ
ム フォルストシュトラーセ 104
(72)発明者 ハラルト ルスト
ドイツ連邦共和国 ノイシュタット ド
ゥードシュトラーセ 57
(72)発明者 ヴェルナー シュヌール
ドイツ連邦共和国 ヘルクスハイム イ
ム オイレンゲシュライ 3
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C07D 309/08
C07B 61/00
CA(STN)
CAOLD(STN)
REGISTRY(STN)
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 次の一般式II 【化1】 [式中、R2及びR3は下記の定義のとおりであり、R4
は水素、C−原子数1〜6のアルキル又は式−CO−R
2のアシルである]で表わされるブチロラクトンと式R1
OH[式中、R1は下記の定義のとおりである]で表わ
されるアルコールとを酸化物触媒の存在下に反応させて
得られる混合物から、蒸留により一般式I 【化2】 [式中、R1からR3は各々C−原子数1〜4のアルキル
であり、R2及びR3はさらに各々水素である。]で表わ
されるテトラヒドロピラン−4−カルボン酸のエステル
を精製する方法において、この方法は、工程: a) 5〜25の理論段数を有する第1蒸留塔中で、7
00〜1100ミリバールの蒸留圧及び50〜80℃の
蒸留温度で頂上よりアルコール及び10%までの水を除
去する、 b) 第1蒸留塔からの塔底生成物を18〜40の理論
段数を有する第2蒸留塔に移し、これに15と30段の
間に水エントレイナーを定量しながら供給し、かつ循還
させ、そして35〜350ミリバールの蒸留圧力並びに
18〜70℃の蒸留温度で操作して、90〜150℃
で、8と18段の間で、テトラヒドロピラン−4−カル
ボン酸のエステルを取り出し、かつ、適当であれば、 c) 第2蒸留塔からの塔底生成物を、5〜25の理論
段数を有する第3蒸留塔に供給し、1〜100ミリバー
ルの蒸留圧及び90〜140℃の蒸留温度における塔頂
生成物をテトラヒドロピラン−4−カルボン酸のエステ
ルの合成に戻す、より成ることを特徴とする、テトラヒ
ドロピラン−4−カルボン酸のエステルを精製する方
法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
DE4141221A DE4141221A1 (de) | 1991-12-13 | 1991-12-13 | Verfahren zur reinigung von tetrahydropyran-4-carbonsaeureestern |
DE4141221.4 | 1991-12-13 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05247024A JPH05247024A (ja) | 1993-09-24 |
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Family
ID=6447019
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
EP (1) | EP0546397B1 (ja) |
JP (1) | JP3410497B2 (ja) |
DE (2) | DE4141221A1 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DK0994112T3 (da) * | 1998-09-10 | 2002-09-02 | Basf Ag | Fremgangsmåde til fraskillelse af forureninger fra 3-(2'-acetoxyethyl)-dihydro-2(3H)furanon |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE3710805A1 (de) * | 1987-03-31 | 1988-10-20 | Basf Ag | Verfahren zur herstellung von tetrahydropyran-4-carbonsaeureestern |
-
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-
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- 1992-11-27 DE DE59203987T patent/DE59203987D1/de not_active Expired - Lifetime
- 1992-12-14 JP JP33283092A patent/JP3410497B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
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